JP2606456Y2

JP2606456Y2 - 遠隔開閉器具付容器弁

Info

Publication number: JP2606456Y2
Application number: JP1992062736U
Authority: JP
Inventors: 浩野田; 正男小泉; 良行数森
Original assignee: Taiyo Nippon Sanso Corp; Hamai Co Ltd
Current assignee: Taiyo Nippon Sanso Corp; Hamai Co Ltd
Priority date: 1992-09-07
Filing date: 1992-09-07
Publication date: 2000-11-06
Anticipated expiration: 2007-09-07
Also published as: JPH0625699U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は半導体材料ガスのような
毒性を有するガスを充填したガスボンベ容器の弁を遠隔
操作によって開閉するとともに、使用しない場合には常
に一定の設定状態を保持するよう空気圧式の駆動手段を
備えた遠隔開閉器具が取り付けられた遠隔開閉器具付容
器弁に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】半導体材料を製造するに当たっては、ア
ルシン、ホスフィン、シラン、ディボラン、ジクロール
シラン、塩化水素、塩素等のガスを使用ているが、これ
らのガスは毒性、発火性、更には腐食性等を有し、大気
への拡散は安全衛生上極めて危険であって好ましくな
い。このため万が一、容器より充填してあるガスが漏洩
した場合、これらガスが大気へ拡散しないように、充填
容器を収納箱に収納して大気より隔離して配置せしめて
いる。

【０００３】例えば、図６に示すように有毒ガスを充填
した容器（ガスボンベ）１は正面に容器搬入用の扉２
Ａ、２Ａが設けられた鋼板等の材料からなる容器収納箱
２内に背板２Ｂに懸架された鎖あるいはベルト等の固定
部材３で転倒とないように固定されて収納されている。
そして、容器１内のガスは容器１の弁４に連結された配
管５より、収納箱２の例えば側壁２Ｃに気密に貫通して
設置した接続金具６を介して使用先に供給される。そし
て、収納箱２の下方壁部に空気取入口７が設けられ、又
天井部には換気扇８を設備した排気口９が設けられてい
る。

【０００４】このように有毒のガスを充填した容器１は
通常収納箱２に収められ、扉２Ａ、２Ａを閉じて周囲と
隔離して配置され、危険な有毒ガスが漏洩しても周囲に
拡散せずに排気口９を介して、これに適宜接続する除害
装置（図示せず）に送り込んで処理できるようにしてあ
る。

【０００５】しかるに、このような方法では有毒なガス
を使用する場合、弁４の開閉は扉２Ａ、２Ａを開いた状
態で弁４の把手４Ａを手動によって回転しなければなら
ない。従って、把手４Ａの回転によって弁４を開閉した
時、配管５の結合部の気密性が不十分であったり、弁４
自体の気密性に欠けていて、前記有毒性のガスが漏洩し
た場合、ガスは作業者に直接触れたり、又は周囲に拡散
したりして、極めて危険である。

【０００６】そのため、扉２Ａ、２Ａを閉じて、容器を
完全に収納箱２に収納した状態で遠隔操作により上記容
器１の開閉を可能とするものが要求されるようになり、
電気動力を利用した遠隔開閉操作手段、空気圧を利用し
た遠隔開閉操作手段などが研究開開発され、従来の容器
弁の遠隔操作手段として知られている。

【０００７】図５は、空気圧を利用した遠隔開閉器具を
備えた従来の遠隔開閉器具付容器弁の例を示すものであ
る。図５に示す従来例の遠隔開閉器具付容器弁は、空気
圧を利用した駆動手段を有する遠隔開閉器具を備えた遠
隔開閉器具Ａと、容器弁本体１０からなるものである。
そして、前記容器弁本体１０は上部に開口した円筒状の
弁室１１を有し、この弁室１１には連設されたガス流入
口１０ａ及びガス流出口１０ｂが設けられ、前記弁室１
１内には、コイルバネ１２で上方付勢された弁棒１３が
設置され、該弁棒１３上にダイヤフラム１４を介して外
側弁棒１５が設置されて、ハンドル操作等により、外側
弁棒１５とダイヤフラム１４と弁棒１３とが押圧下降さ
れて、弁棒１３下面が弁座１６に押圧されることによっ
て閉弁され、また、前記押圧を解くとコイルバネ１２の
弾発力によって前記弁棒１３とダイヤフラム１４と外側
弁棒１５とが押し上げられて弁棒１３下面を弁座１６よ
り離隔され開弁される機構が設けられているものであ
る。

【０００８】一方、前記遠隔開閉器具Ａは底板１７の下
面中央部に開口部が設けられており、この開口部にネジ
付ニップル部１８（中央孔内に外側弁棒１５を嵌挿し
た）が嵌合され、そして前記上面開口の中空柱状のハウ
ジング１９ａの中空部内２０に、外側弁棒１５、第一ピ
ストンＰ₁、圧力板２１、第二ピストンＰ₂（第一ピスト
ンＰ₁、圧力板２１及び第二ピストンＰ₂は各々気密上下
摺動自在）、円板バネ２２が順に嵌挿され、前記ハウジ
ング１９ａの上面開口部に前記ハウジングカバー１９ｂ
が、円板バネ２２を押圧しつつ前記ハウジング１９と螺
着して構成されてなるものである。

【０００９】そして、上記のような構成からなる容器弁
本体１０と遠隔開閉器具Ａからなる遠隔開閉器具付容器
弁は、前記遠隔開閉器具Ａの中空柱状のハウジング１９
ａと、前記ハウジング１９ａとは分離した別個独立の部
材であるネジ付ニップル１８を前記容器弁本体１０の弁
室１１上部の内面ネジ２３に螺合緊締することによりダ
イヤフラム１４をシールし、該ネジ付ニップル１８を中
空柱状のハウジング１９ａの底板１７にあけた中心孔２
４に嵌挿すると共に、ナット２５をネジ付ニップル１８
のネジに螺合緊締することによって、前記ハウジング１
９ａとネジ付ニップル１８及び容器弁本体１０の３者を
連結して構成されるものである。

【００１０】よって、上記構成からなる従来の遠隔開閉
器具付容器弁は、前記ハウジング１９ａによって、圧縮
セットされた円板バネ２２の弾発力がガス圧及びコイル
バネ１２の弾発力に勝って、第一ピストンＰ₁、第二ピ
ストンＰ₂、外側弁棒１５、ダイヤフラム１４及び弁棒
１３を押下して弁棒１３下面が弁座１６に圧接した、閉
弁状態において、送気口２６から作動ガスとして圧力空
気（または窒素）を下チャンバーＣ₁内に送給した時、
空気は該下チャンバーＣ₁から横溝又は小孔２７へ、そ
して小孔２７から通孔２８、通孔２８から横溝２９を通
って上チャンバーＣ₂に送給され、第一、第二ピストン
Ｐ₁、Ｐ₂が円板バネ２２の押圧を圧縮して上昇し、よっ
て円板バネ２２の押圧を解かれた外側弁棒１５とダイヤ
フラム１４と弁棒１３とがコイルバネ１２の弾発力で上
昇して開弁する。

【００１１】逆に、圧力空気をパージするなどして第
一、第二ピストンＰ₁、Ｐ₂の加圧を解くと、円板バネ２
２の弾発力で第一、第二ピストンＰ₁、Ｐ₂と外側弁棒１
５とダイヤフラム１４と弁棒１３とが下降して再び閉弁
する。従って、遠隔開閉器具Ａへの圧力空気操作によっ
て容器弁を自在に遠隔開閉操作し得るものである。

【００１２】また、上記構成からなる前記従来の遠隔開
閉器具付容器弁は、容器弁の気密性を保持する上で最も
重要であるダイヤフラム１４のシールを前記遠隔開閉器
具Ａから完全に分離独立した部材であるネジ付ニップル
１８で行なうようにし、前記遠隔開閉器具Ａと一体構成
でない構造としたものであるため、保管、運搬、使用時
などによって生じる振動や外部衝撃が、前記遠隔開閉器
具、容器弁本体、ガス容器等に与えられても、これらに
直接影響を与えることなく、有効なシール状態を保持す
ることが可能で、容器弁の安全性を確保できる優れた効
果を奏する構成となっている。

【００１３】

【考案が解決しようとする課題】そして、上述したよう
な構成からなる遠隔開閉器具付容器弁は、遠隔開閉器具
Ａに収納された２つのピストンＰ₁、Ｐ₂によって、前記
遠隔開閉器具Ａの送気口２６より流入した加圧空気の調
整を行ない、この空気圧を利用した駆動手段によって、
容器弁の開閉操作がなされおり、少ない作用圧力で大き
な操作圧力を得る効果を奏する構成からなるものであっ
たが、前記２つのピストンを前記駆動手段の駆動部材と
することによって、前記２つのピストン間における故障
の可能性頻度が高いことや、前記ピストンが収納される
遠隔開閉器具の大型化、そして重量化の問題は回避し難
い問題として残されていた。

【００１４】更に、容器弁本体１０では、使用開始時、
本体ガス流路空間に周囲の空気が滞溜して、送気にあた
ってこれらが不純物となり、特に所定純度の気体を送気
する場合に、純度が乱れて好ましくなく、また、シラン
の如き可燃性ガスの送気では、発火する危険がある等、
特に半導体材料ガスの送気にあたっては極めて不都合で
あった。

【００１５】よって、本考案は上記事情に鑑みてなされ
たもので、半導体材料ガスのような毒性や発火性を有す
るガスを充填したり、所定濃度の送気ガスを充填したガ
スボンベ容器を扱うにあたって、その容器弁の遠隔開閉
操作を安全で、かつ確実に行なうことができる遠隔開閉
器具を備えた容器弁の提供を目的とし、さらに、前記遠
隔開閉器具の小型化及び軽量化を図った遠隔開閉器具付
容器弁の提供を目的とした。

【００１６】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の遠隔開
閉器具付容器弁は、上記課題を解決するために、空気圧
式の駆動手段を備えた遠隔開閉器具と、該遠隔開閉器具
と連結されて、容器口部に配設される容器弁本体とか
らなる遠隔開閉器具付き容器弁であって、前記遠隔開閉
器具は、(イ)中空柱状のハウジング内に、該ハウジング
底部中央部に設けられた開口部に中空筒状のネジ付ニッ
プル部が配設されてなり、(ロ)該ネジ付ニップル部の上
方に平板状の空気受けピストン部の頭部が配され、かつ
前記ネジ付ニップル部の中空部に、前記平板状の空気受
けピストン部の頭部下面中央に延設された突起部が摺動
可能に挿入されてなり、(ハ)前記ネジ付ニップル部の中
空部に前記空気受けピストン部の突起部の先端と当接し
つつ上下に摺動可能に挿入された外側弁棒が容器弁本体
に連設されてなり、(ニ)前記空気受けピストン部の頭部
上面にバネ部材が配されて、ハウジングカバーにより前
記バネ部材を圧縮しつつ、前記中空柱状のハウジングを
封じてなり、そして(ホ)ハウジング下部には作動ガス送
気口が設けられてなること、よりなり、又、前記遠隔開
閉器具が連結される容器弁本体は、(ヘ)底部に弁座が配
された中空筒状の弁室と、コイルバネに付勢されつつ前
記弁室内に上下摺動可能に設けられ前記弁座部を開閉す
る内側弁棒と、前記弁座部を介して容器内に連通するガ
ス流入口と外部に開口するガス流出口とが配設されてい
るとともに、(ト)この容器弁本体には、前記弁座部を介
して前記ガス流出口と連通するパージガス流入口が設け
られてなり、そして上記遠隔開閉器具と上記弁本体の結
合が、(チ)遠隔開閉器具のネジ付ニップル部の中空部内
に配された外側弁棒の端部と容器弁本体の弁室に配設さ
れた内側弁棒の端部とが、弁室を区画して配されたダイ
ヤフラムを介して当接されつつ接続されてなり、(リ)遠
隔開閉器具のネジ付ニップル部が容器弁本体の弁室上部
に気密に結合され前記遠隔開閉器具と容器弁本体とが一
体化されてなるものである。

【００１７】そして更に、前記遠隔開閉器具のハウジン
グカバー上面には、(ヌ)遠隔開閉器具のハウジングカバ
ーを上下位置調整自在に貫通し、かつ遠隔開閉器具内の
空気受けピストン部の上面中央部に位置した位置に貫通
孔を有するロックプラグが、その上面が前記ハウジング
カバー表面に沈設し、その先端が前記空気受けピストン
ロッド部上面にのぞんで配されているとともに、上下方
向の移動が可能なように螺合して設けられてなり、そし
て(ル)前記中央部に沈設せしめたロックプラグの貫通孔
に、必要時のみ操作工具又はジャックボルトが挿入され
てロックプラグの回動あるいは空気受けピストンの固定
が適宜選択自在に可能なロック機構を備えていること、
よりなる遠隔開閉器具付容器弁としたものである。

【００１８】

【作用】本考案の遠隔開閉器具付容器弁は、上記の構成
となっており、遠隔開閉器具内に設けられた１つのピス
トンによって加圧空気の調整をすることによって、容器
弁の開閉操作を行なう機構である。つまり、その内部機
構は前記従来の容器弁の加圧空気調整に要する２つのピ
ストンよりなる機構より遥かに簡単で、故障し難く、容
器弁の遠隔開閉操作を確実に、かつ安全に行なうことが
できるとともに、前記遠隔開閉器具の部分を小型化及び
軽量化することができる。

【００１９】そしてさらに、本考案の遠隔開閉器具付容
器弁にパージ専用ポートを設けることによって、複雑な
形状の容器弁内部においても、弁内部流路より空気を排
除し得て、高い清浄効果を得ることができ、清浄度の高
いガス純度を維持して、供給が可能であり、また、流路
発火性のあるガスの送気をも安全に送気し得る。そして
また、本考案の遠隔開閉器具付容器弁に安全ロック機構
を設けることにより、輸送時又は保管時の誤作動を防
ぎ、有毒ガス等を安全で確実に輸送管理及びその供給を
可能にし、更に作動用圧縮空気の欠乏に対して充分対応
し得るよう手動操作可能としたものである。

【００２０】

【実施例】（実施例１）図１に示す本実施例１の遠隔開閉器具付容器弁は、遠隔
開閉器具Ｂと容器弁本体６０からなり、前記容器弁本体
６０の側面には容器内に通じるガス流入口４９ａとガス
流出口４９ｂ及び、容器弁内の流路に残留する空気等の
ガスをパージするため、高純度窒素ガスの如きパージガ
スを充填した容器を連結するパージガス流入口４９Ａ
が、前記ガス流出口４９ｂと連通して設けられ、さらに
容器弁本体６０底面には安全弁機構５５が備えられてい
る。

【００２１】そして、上記構成からなる遠隔開閉器具付
容器弁内部の構造を図２を参照しつつ詳細に説明する。
上述した容器弁本体６０は上部に開口した円筒状の弁室
３１を有し、この弁室３１には容器内に通じるように連
設されたガス流入口４９ａ、及び外部に開口されたガス
流出口４９ｂが設けられ、前記弁室３１内には、コイル
バネ３２で上方に付勢された内側弁棒３３が設置され、
該内側弁棒３３上に弁室３１を区画するダイヤフラム３
４を介して外側弁棒３５が設置されて、前記外側弁棒３
５とダイヤフラム３４と内側弁棒３３とが押圧下降され
て、内側弁棒３３下面が弁座３６に押圧されることによ
って、ガスボンベＧに連設される弁が閉弁され、上記ガ
ス流入口４９ａとガス流出口４９ｂとの連通が遮断され
る。また、前記押圧を解くとコイルバネ３２の弾発力に
よって、前記内側弁棒３３とダイヤフラム３４と外側弁
棒３５とが押し上げられて、内側弁棒３３下面を弁座３
６より離隔し、ガスボンベＧに連設される弁が開弁され
る機構が設けられて、ガス流入口４９ａとガス流出口４
９ｂとが連通する。

【００２２】そしてさらに、前記容器弁内の弁室３１内
には、前記ガス流出口４９ｂと連通したパージ流入口４
９Ａが配設されている。このパージ流入口４９Ａより前
記ガス流出口に連通された流路は、高純度窒素ガス等の
パージガスを流すことにより容器弁内の不要残留ガス及
び塵等の不純物を排除し、容器弁内のガス流路及びガス
残留空間を洗浄するものである。つまり、こうした使用
ガス流路の洗浄は、使用ガスの純度が製品の精度に大き
く左右される半導体機器等においては必須要件であり、
また、ガス使用後において、前記使用ガスが発火性のも
のであると、残留したガスが自然発火の危険性を伴うた
めに、安全性を確保する上でも、洗浄度の高い確実な設
計構成からなるパージ機構が必須要素となるものであ
る。なお、ここで用いられるパージガスとしては、
Ｎ₂、Ａｒ等の他物質と反応しない不活性ガス等が用い
られる。

【００２３】従って、本考案の遠隔開閉器具付容器弁
は、上記構成からなるパージ機構によってガス流路のみ
ならずガス流路からはずれた部分においても、使用ガス
が接触する空間全てに渡って容器弁内を洗浄することが
可能で、形状が複雑で表面積の大きなデットスペースに
おいても、高い洗浄効果を期待することができるもので
ある。

【００２４】一方、前記遠隔開閉器具Ｂは、中空柱状の
ハウジング３７内部の下面中央部に設けられた開口部
に、別体の中空円筒状ねじ付ニップル部３８が嵌合さ
れ、前記ねじ付ニップル部３８が形成した中空部には、
上記外側弁棒３５とその上部に当接して配されている空
気受けピストン部４１の下面中央部に突出する突起部４
０が上下に移動自在に収納され、また前記空気受けピス
トン部４１の上部中央部にはピストンロッド４１ａが設
けられている。そして、このピストンロッド４１ａを囲
んで前記空気受けピストン部４１の肩部には、円板ばね
４２が設けられ、その上部にハウジングカバー４３が前
記円板ばね４２を圧縮しつつ配設され、前記中空柱状の
ハウジング３７を密封してなるものである。なお、前記
ピストンロッド４１ａの上面には、後記するジッャクボ
ルト５８とが螺合する雌ネジ４１ｂが刻設されている。

【００２５】さらに、前記ハウジングカバー４３の上面
にはロックプラグ５０の上面が、前記ハウジングカバー
４３表面に沈設し、上下の位置が移動可能に螺合されつ
つ設けられ、さらに前記ロックプラグ５０の先端は、空
気受けピストン部４１のピストンロッド４１ａの上面に
のぞんで設けられて、ロック機構が形成されている。該
ロックプラグ５０の中心には貫通孔５０ａが設けられて
いて、ロックプラグ５０が回動するための操作工具５１
を挿入したり、空気受けピストン部４１を固定するため
のジャックボルト５８が挿入可能になっている。そし
て、このロック機構は輸送時あるいは保管時の如き未使
用時、弁の開止を完全に保持して安全性を保ったり、使
用途中、遠隔開閉器具Ｂに送気される作動用圧縮空気の
欠除した場合の弁の閉止を防止するため、開状態を保持
するために使用したり、（この場合、作動用圧縮空気は
不要とする。）更に、手動にて開閉操作することを可能
にするものである。

【００２６】このように構成された本考案の遠隔開閉器
具付容器弁は、ガス容器（ガスボンベ）Ｇに容器弁本体
６０のガス流入口４９ａを装着して使用される。そし
て、ガス容器Ｇ内よりガスを導出する時は、送気に先だ
ってパージガス流入口４９Ａに高純度窒素ガスの如きパ
ージガス用ガス源を連結して、パージガスを容器弁本体
６０内の流路を経て、ガス流出口４９ｂ、更には、該流
出口４９ｂと連通する供給先配管内（図示せず）を通し
て末端より、大気に放出して、送気ガス流路を洗浄す
る。そして、充分洗浄した後、パージガスの送気を停止
し、パージガス流入口４９Ａを閉止し、ついで遠隔開閉
器具６０に設けた送気口４５より作動用圧縮空気（約３
〜６ｋｇ／ｃｍ²）を送気すると、該圧縮空気を空気受
けピストン部４１が受けて上方に押圧され、円板バネ４
２の付勢を克服して上方に移動する。この結果、内側弁
棒３３を上方に付勢しているコイルバネ３２の弾発力が
作用して、内側弁棒３３が上方に移動し、該内側弁棒３
３の下面が弁座３６より離隔して、ガス流入口４９ａと
ガス流出口４９ｂとが連通してガス容器Ｇ内のガスがガ
ス流入口４９ａよりガス流出口４９ｂに流れて流出す
る。

【００２７】そして、ガスの流出を停止する場合は、遠
隔開閉器具Ｂの送気口４５への作動用圧縮空気の送気を
停止すればよく、これにより空気受けピストン部４１の
受圧が解除され、円板バネ４２の付勢で空気受けピスト
ン部４１が下方に移動し、そして、これと接続している
外側弁棒３５、更にダイヤフラム３４を介して内側弁棒
３３を、前記内側弁棒３５を付勢しているコイルバネ４
２の弾発力を克服し下方に押し下げる。この結果、内側
弁棒３５の下面が弁座３６に当設して、ガス流入口４９
ａとガス流出口４９ｂとの連通を遮断することとなる。

【００２８】以上のように作動する本考案の遠隔開閉器
具付容器弁は、遠隔開閉器具Ｂの送気口４５に送気する
作動用圧縮空気の供給源（例えばガスボンベ）をガス容
器Ｇより離れた場所に配置しておくと、遠隔場所より容
器弁本体６０の開閉を行なうことが可能で、ガス容器Ｇ
に充填使用するガスが毒性や発火性のあるガスの如き、
危険なガスの取扱い時には、安全性を確実に保証できる
ものであり、また緊急遮断、自動開閉操作にも効果的に
使用し得る。

【００２９】さらに、上記したガス容器Ｇを運搬した
り、保管したりする場合は、衝撃によって弁が開いた
り、誤操作により弁を開いたりすることを防止する場合
には、図３に示すように、前記ハウジングカバー４３に
設けたロックプラグ５０に操作工具５１を装着し、これ
を回転することによりロックプラグ５０を下降せしめ
て、遠隔開閉器具Ｂの空気受けピストン部４１を押圧し
て、これに連結する容器弁本体６０の内側弁棒３３の先
端を弁座３６に当接せしめて、ガス流入口４９ａとガス
流出口４９ｂとの連通を閉塞固定する。この結果、外的
な衝撃を受けても容器弁本体６０は、閉止が保持され、
充填するガスが例えば有害なガスであっても安全に輸送
・管理し得る。

【００３０】そしてさらに、上記構成からなる容器弁本
体６０においては、作動用圧縮空気が不足したり供給し
得ない場合には、手動で開閉したり所定流量に固定し得
る。即ち、図４に示すようにロックプラグ５０を解除状
態（空気受けピストン部４１が上下に移動可能な状態）
にして、ロックプラグ５０の貫通孔５０ａに、該貫通孔
５０ａの口径より大きな頭部５８ａを有するジャックボ
ルト５８を挿入し、その先端を空気受けピストン部４１
のピストンロッド４１ａの上面に設けられた雌ネジ４１
ｂに螺合し、円板バネ４２の付勢を克服して空気受けピ
ストン部４１を上方に引き上げ、これと連通している容
器弁本体６０の内側弁棒３３をコイルバネ３２の弾発力
により、上方に移動し、弁座３６を導通状態として、ガ
ス流通口４９ａとガス流出口４９ｂとの連通を保持す
る。

【００３１】一方、前記ジャックボルト５８を空気受け
ピストン部４１より離脱すれば、円板バネ４２の付勢が
回復されて、前記容器弁本体６０の内側弁棒３３の先端
を、弁座３６に当接せしめて、ガス流入口４９ａとガス
流出口４９ｂの連通を阻止する。よって、本考案の遠隔
開閉器具付容器弁は作動用圧縮空気が存在しなくても開
閉が可能であり、使用途中作動用圧縮空気が欠乏した場
合、極めて便利に使し得るものである。

【００３２】以上説明したように、本実施例の遠隔開閉
器具付容器弁は、容器弁本体６０と遠隔開閉器具Ｂとか
らなり、前記遠隔開閉器具Ｂのネジ付ニップル部３８
を、中空柱状のハウジング３７と分離した別個独立の部
材であるネジ付ニップル部３８を容器弁本体６０の弁室
３１上部の内側ネジ３９に螺合緊締することにより、ダ
イヤフラム３４をシールし、該ネジ付ニップル３８を中
空柱状のハウジング３７の底板４６にあけた中心孔５４
に嵌挿すると共に、ナット４８をネジ付ニップル３８の
ネジに螺合緊締することにより、前記中空柱状のハウジ
ング３７とネジ付ニップル３８及び容器弁本体６０の３
者を連結してなるものであり、前記容器弁本体にはパー
ジ機構を有し、また別に安全ロック機構を有しているこ
とを特徴としている。

【００３３】従って、本考案による遠隔開閉器具付容器
弁は、パージガス流入口４９Ａを設けることによって、
複雑な形状の容器弁内部、そして従来ではガス流路から
はずれた形状が複雑で表面積の大きなデットスペースに
おいても、高い清浄効果を得ることができるので、清浄
度の高いガス供給が可能であり、さらに発火性を有する
使用ガスの残留による自然発火等の危険性を確実に回避
することができ、特に半導体材料ガスの供給に有効に使
用し得る。そしてさらに、前記遠隔開閉器具Ｂへの圧力
空気操作によって、容器弁を自在に遠隔開閉操作するこ
とが可能で、かつ輸送時又は保管時には、その誤作動を
防止するための安全ロック機構を備え、安全で確実なガ
スの供給を可能にするものである。

【００３４】また、本考案の遠隔開閉器具付容器弁は、
遠隔開閉器具内に設けられた１つの空気受けピストン部
４１によって、加圧空気の調整を行なうことができると
ともに、容器弁の開閉操作を行なう機構であり、その内
部機構は前記従来の容器弁の加圧空気調整に要する２つ
のピストンからなる機構より遥かに簡単で、故障し難
く、容器弁の遠隔開閉操作を確実に、かつ安全に行なう
ことができるとともに、遠隔開閉器具の部分を小型下及
び軽量化することができる。

【００３５】また、上記構成からなる本考案の遠隔開閉
器具付容器弁は、容器弁の気密性を保持する上で最も重
要であるダイヤフラム３４のシールを前記遠隔開閉器具
Ｂから完全に分離独立した部材であるネジ付ニップル部
３８で行なうようにし、前記遠隔開閉器具Ｂと一体構成
でない構造としたものであるため、保管、運搬、使用時
などによって生じる振動や外部衝撃が、前記遠隔開閉器
具Ｂ、容器弁本体６０、ガス容器Ｇ等に与えられても、
これらに直接影響を与えることはなく、有効なシール状
態を保持することが可能で、容器弁の安全性を確保で
き、また作動用圧縮空気が欠乏した時にも手動で開閉作
動操作が可能であり、特に有毒なガスを取り扱う際に
は、優れた効果を奏することができる構成となってい
る。

【００３６】

【考案の効果】以上説明したように、本考案の遠隔開閉
器具付容器弁は、遠隔開閉器具内に設けられた１つのピ
ストンによって加圧空気の調整をするとともに、容器弁
の開閉操作を行なう機構であるため、その内部機構は前
記従来の容器弁の加圧空気調整に要する２つのピストン
からなる機構より遥かに簡単で、故障し難く、容器弁の
遠隔開閉操作を確実に、かつ安全に行なうことができる
とともに、前記遠隔開閉器具の部分を小型化及び軽量化
することができる。

【００３７】そしてさらに、本考案の遠隔開閉器具付容
器弁にパージ専用ポートを設けることによって、複雑な
形状の容器弁内部においても、弁内部流路より空気を排
除し得て、高い清浄効果を得ることができ、清浄度の高
いガス純度を維持して供給が可能であり、また、流路発
火性のあるガスの送気をも安全に送気し得る。従って、
近年益々盛んに研究開発が進んでいるＬＳＩの高集積化
に伴って、その製造工程で使用されるガスにも高純度、
高清浄度が要求されてきているが、こうした時代の対応
に対しても本考案の遠隔開閉器具付容器弁は、充分に答
えることができる。

【００３８】そしてまた、本考案の遠隔開閉器具付容器
弁に安全ロック機構を設けることにより、輸送時又は保
管時の誤作動を防ぎ、有毒ガス等を安全で確実に輸送管
理及びその供給を可能にし、更に作動用圧縮空気の欠乏
に対して充分対応し得るよう手動操作可能としたもので
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本考案の実施例の遠隔開閉器具付容器
弁の斜視図である。

【図２】図２は、本考案の実施例の遠隔開閉器具付容器
弁の断面図である。

【図３】図３は、本考案の実施例の遠隔開閉器具付容器
弁の操作圧力無供給時の状態を示す図である。

【図４】図４は、本考案の実施例の遠隔開閉器具付容器
弁における手動開閉操作を説明するための図である。

【図５】図５は、従来の遠隔開閉器具付容器弁の断面図
を示す図である。

【図６】図６は、毒性ガスを充填したボンベの通常の収
納箱を示す斜視図である。

【符号の説明】

１０、６０、容器弁本体１１、３１、弁室１３、弁棒１４、３４、ダイヤフラム１５、３５、外側弁棒１６、３６、弁座１８、３８、ネジ付ニップル１９ａ、３７、ハウジング１９ｂ、４３、ハウジングカバー２２、４２、円板ネジ２６、４５、送気口３２、コイルバネ３３、内側弁棒４１、空気受けピストン部４１ａ、ピストンロッド４９Ａ、パージガス流入口４９ａ、ガス流入口４９ｂ、ガス流出口５０、ロックプラグ５１、操作工具５５、安全弁機構５８、ジャックボルト６０、容器弁本体Ｂ、遠隔開閉器具

フロントページの続き (72)考案者数森良行東京都府中市西原町１−３株式会社ハマイ府中工場内 (56)参考文献特開昭63−231096（ＪＰ，Ａ) 実開昭62−89587（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F17C 13/04 301 F16K 1/30

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】空気圧式の駆動手段を備えた遠隔開閉器
具と、該遠隔開閉器具と連結されて、容器口部に配設
される容器弁本体とからなる遠隔開閉器具付き容器弁で
あって、前記遠隔開閉器具は、(イ)中空柱状のハウジング内に、
該ハウジング底部中央部に設けられた開口部に中空筒状
のネジ付ニップル部が配設されてなり、(ロ)該ネジ付ニ
ップル部の上方に平板状の空気受けピストン部の頭部が
配され、かつ前記ネジ付ニップル部の中空部に、前記平
板状の空気受けピストン部の頭部下面中央に延設された
突起部が摺動可能に挿入されてなり、(ハ)前記ネジ付ニ
ップル部の中空部に前記空気受けピストン部の突起部の
先端と当接しつつ上下に摺動可能に挿入された外側弁棒
が容器弁本体に連設されてなり、(ニ)前記空気受けピス
トン部の頭部上面にバネ部材が配されて、ハウジングカ
バーにより前記バネ部材を圧縮しつつ、前記中空柱状の
ハウジングを封じてなり、そして(ホ)ハウジング下部に
は作動ガス送気口が設けられてなること、よりなり、又、前記遠隔開閉器具が連結される容器弁本体は、(ヘ)
底部に弁座が配された中空筒状の弁室と、コイルバネに
付勢されつつ前記弁室内に上下摺動可能に設けられ前記
弁座部を開閉する内側弁棒と、前記弁座部を介して容器
内に連通するガス流入口と外部に開口するガス流出口と
が配設されているとともに、(ト)この容器弁本体には、
前記弁座部を介して前記ガス流出口と連通するパージガ
ス流入口が設けられてなり、そして上記遠隔開閉器具と上記弁本体の結合が、(チ)遠
隔開閉器具のネジ付ニップル部の中空部内に配された外
側弁棒の端部と容器弁本体の弁室に配設された内側弁棒
の端部とが、弁室を区画して配されたダイヤフラムを介
して当接されつつ接続されてなり、(リ)遠隔開閉器具の
ネジ付ニップル部が容器弁本体の弁室上部に気密に結合
され前記遠隔開閉器具と容器弁本体とが一体化されてな
り、そして更に、前記遠隔開閉器具のハウジングカバー上面
には、(ヌ)遠隔開閉器具のハウジングカバーを上下位置
調整自在に貫通し、かつ遠隔開閉器具内の空気受けピス
トン部の上面中央部に位置した位置に貫通孔を有するロ
ックプラグが、その上面が前記ハウジングカバー表面に
沈設し、その先端が前記空気受けピストンロッド部上面
にのぞんで配されているとともに、上下方向の移動が可
能なように螺合して設けられてなり、そして(ル)前記中
央部に沈設せしめたロックプラグの貫通孔に、必要時の
み操作工具又はジャックボルトが挿入されてロックプラ
グの回動あるいは空気受けピストンの固定が適宜選択自
在に可能なロック機構を備えていること、よりなること
を特徴とする遠隔開閉器具付容器弁。