JP2606023B2 - 高強度高靭性α+β型チタン合金の製造方法 - Google Patents

高強度高靭性α+β型チタン合金の製造方法

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JP2606023B2
JP2606023B2 JP3248292A JP24829291A JP2606023B2 JP 2606023 B2 JP2606023 B2 JP 2606023B2 JP 3248292 A JP3248292 A JP 3248292A JP 24829291 A JP24829291 A JP 24829291A JP 2606023 B2 JP2606023 B2 JP 2606023B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、高強度高靭性α+β
型チタン合金の製造方法、特に、時効後の強度、延性お
よび靭性に優れたα+β型チタン合金の製造方法に関す
るものである。 【0002】 【従来の技術】α+β型チタン合金材を高強度化するた
めの熱処理として、溶体化時効処理が一般に知られてい
る。例えば、R&Dプランニングから昭和62年に発行
された「新素材プロセス総合技術」には、下記からなる
溶体化時効処理方法が開示されている。 即ち、始め
に、α+β型チタン合金材をβ変態点以下のα+βの2
相高温域に加熱、保持し、その後、室温まで冷却するこ
とによって、チタン合金材に溶体化処理を施し、次に、
このようにして溶体化処理を施したチタン合金材を、4
50〜600℃程度の温度範囲内に加熱、保持し、その
後、室温まで冷却することによって、チタン合金材に時
効処理を施す。更に、同文献には、代表的なα+β型チ
タン合金であるTi−6Al−4V合金の溶体化時効後
の強度は、質量効果によって溶体化の冷却速度が低下す
るにつれて急激に低下することが開示されている。つま
り、溶体化時効処理後の強度は、溶体化後の冷却速度に
支配され、溶体化後の冷却速度が遅くなると時効後の強
度上昇が望めない。 【0003】また、米国規格AMS4965Eには、代
表的なα+β型チタン合金であるTi−6Al−4V合
金の溶体化時効処理方法の規格として、 溶体化処理:955±15℃×1〜2h(撹拌水冷)、 時効処理 :485〜620℃×4〜8h(空冷)。 からなる溶体化時効処理方法が開示されている。上記規
格によれば、板厚が15mmの場合の強度の下限値は、
105.6kgf/mm(0.2%PS)、112.
8kgf/mm(TS)、そして、延性の下限値は、
10%(El)である。 【0004】しかしながら、上述した溶体化時効処理方
法は、以下のような問題を有している。即ち、 溶体化処理時の冷却速度が速すぎるためにチタン合金
材に歪が発生して、チタン合金材が変形する。 溶体化温度が高すぎるために、加熱中にチタン合金材
が変形したり、チタン合金材の表面が酸化されやすい。 溶体化後の冷却は水冷により行うが、水冷の冷却速度
は空冷に比べて速いために強度は高くなる反面、切欠き
強度等の靭性や伸び等の延性が劣化する。特に、切欠き
強度は、切欠き部や凹部R部等の応力集中部を有する部
材の低応力破断に関する指標となり、通常は、0.2%
PS以上必要である。しかし、靭性が低いと、切欠き強
度は、0.2%PSより小さくなって低応力で破壊す
る。 【0005】上述した問題を解決するために、特開昭6
3−125651号公報には、Al:2〜5wt.%、
V:5〜12wt.%、Mo:0.5〜8wt.%を含
有するチタン合金を、650〜850℃の範囲内の温度
で塑性加工し、次いで、直ちに、空冷または強制ガス冷
却し、そして、400〜600℃の範囲内の温度で熱処
理することからなるα+β型チタン合金の製造方法(以
下、先行技術1という)が開示されている。 【0006】特開昭63−125651号公報には、チ
タン合金を60℃超〜β変態点未満のα+β温度域に加
熱、保持し、次いで、空冷または空冷よりも速い冷却速
度で冷却し、そして、600〜800℃の範囲内の温度
で焼鈍することにより、高い強度および優れた延性を有
するα+β型チタン合金の熱処理方法(以下、先行技術
2という)が開示されている。 【0007】特開昭50−37004号公報には、チタ
ン合金を(β変態点−60〜150℃)のα+β温度領
域から空冷より速い速度で冷却し、そして、700℃の
温度で2時間安定化焼鈍を行って、切欠きラプチャ強度
を向上させることからなるα+β型チタン合金の熱処理
方法(以下、先行技術3という)が開示されている。 【0008】特開昭63−219558号公報には、T
i−6Al−4V合金をα+β域またはβ域で加工し、
次いで、880〜1050℃の範囲内の温度に10分〜
8時間保持し、次いで、600〜880℃未満の範囲内
の温度まで、0.2℃/sec以下の冷却速度で連続的
に徐冷し、徐冷後その温度で10分〜8時間保持し、次
いで、空冷または空冷以上の冷却速度で冷却し、そし
て、450〜650℃の範囲内の温度で1〜10時間、
時効処理を施して、大型部材の機械的性質の均質化およ
び高強度化を図ることからなるTi−6Al−4V合金
材の熱処理方法(以下、先行技術4という)が開示され
ている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしなから、上述し
た先行技術1〜4は、以下のような問題を有している。
先行技術1は、溶体化処理を省略した単なる直接時効処
理である。このようなα+β型チタン合金の塑性加工
は、通常、α+β域(650〜850℃)で行われ、塑
性加工後、空冷するのは常識的である。さらに、チタン
合金の時効温度は、500℃前後であり、熱処理に何ら
新しい改善を施しているものではない。また、塑性加工
ままの不均一なミクロ組織のままで時効処理を施すため
に、熱処理が施されるチタン合金の強度が不均一にな
る。また、塑性加工量によって時効後の強度が変化する
ために、実際に所望の特性を得るためには、厳密な塑性
加工量のコントロールが必要となり、塑性加工工程が複
雑になる。さらに、強度以外の靭性や延性のコントロー
ルが困難である。 【0010】先行技術2が開示された公報には、Ti−
6Al−4V合金の実施例しか開示されておらず、溶体
化処理時の冷却は、水冷と空冷でなされているのみであ
る。従って、実施例によれば、水冷材では熱処理後の強
度はかなり高いが、水冷による変形が問題となる。一
方、空冷材では、冷却速度が遅いので強度が低下して、
ASM規格を満足しない。 【0011】先行技術3は、時効処理温度が700℃で
あるために、十分な強度が得られず、強度と靭性とのバ
ランスが悪い。 【0012】先行技術4は、溶体化処理時の冷却におい
て、600から800℃未満の範囲内の温度まで、0.
2℃/sec以下の冷却速度で連続的に徐冷するため
に、先行技術4が開示された公報に記載された実施例か
ら明らかなように、強度が低くASM規格を満足しな
い。強度が低い理由は、先行技術4の熱履歴が、上述し
た引用文献「新素材プロセス総合技術」に記載されてい
る焼入れ遅延の熱履歴と類似しているからであると考え
られる。従って、この発明の目的は、高い強度を有し且
つ優れた靭性および延性を有し、しかも、溶体化処理時
に生じる変形を防止することができる、α+β型チタン
合金の製造方法を提供することにある。 【0013】本願発明者等は、上述した問題点を解決す
るために種々研究を行った。先ず、本願発明等は、溶体
化後の冷却時にチタン合金材に生じる変形の防止につい
て調べた。溶体化後のチタン合金材を水冷により冷却す
ると、冷却速度が速くなるので時効後の強度は高くなる
が、焼入れ歪(熱歪)が大きくなる。しかし、チタン合
金材を空冷により冷却すると、複雑な形状の材料の寸法
変化は著しく小さくなった。この原因は、次の通りであ
る。即ち、図1は、水冷および空冷の場合の被冷却材の
寸法と冷却速度との関係を示すグラフであるが、図1か
ら明らかなように、空冷の冷却速度は、水冷の冷却速度
に比べて1/10程度に遅く、このために、溶体化後の
冷却時の熱応力および熱歪の発生が抑制されるからであ
る。強制ガス冷却、強制空冷、ミスト冷却等によっても
歪の発生は抑制され、これらの場合の冷却速度は、空冷
の約2〜4倍であった。このために、溶体化後の冷却
は、空冷相当の4倍以下冷却速度で行うべきである。こ
こで、冷却速度とは、チタン合金材の中心部の冷却速度
で、加熱温度から500℃までの平均冷却速度である。
また、図1に示すように、被冷却材の寸法が大きければ
冷却速度は小さく、一方、被冷却材の寸法が小さければ
冷却速度は大きいことがわかる。従って、チタン合金材
の寸法に応じて冷却速度を適当に調整する必要がある。 【0014】次に、溶体化処理時における加熱時にチタ
ン合金材に生じる変形について調べた。加熱時のチタン
合金材の変形を抑制するには、加熱温度を下げてチタン
合金材の変形が起こりにくくすれば良いが、β変態点の
温度が高い場合には、溶体化温度も高くせざるを得ない
(Ti−6Al−4V合金の場合、β変態点は1000
℃であり、通常加熱温度は、955℃である。)。従っ
て、加熱温度を下げるためには、β変態点下げることが
有効である。β変態点を下げるためには、β安定化元素
であるV、Mo、Fe、Cr、Co、Ni等の合金成分
を増加すれば良い。 【0015】次に、強度と合金元素との関係について調
べた。溶体化時効後の強度は、溶体化後の冷却速度に大
きな影響を受ける。Ti−6Al−4V合金は、質量効
果のために冷却速度が低下すると急激な強度の低下を招
く。この原因は、溶体化後の冷却時におけるα相の生成
および量的増加が速いために、冷却速度が遅くなると、
時効後の強度上昇に寄与する相がα相の生成により減少
することにある。この問題を解決するために検討を行っ
た。この結果、溶体化時のβ相の安定度を増加させて、
冷却中におけるα相の生成および増大を抑制すれば、冷
却速度が水冷時より遅くなっても、時効後の強度上昇に
寄与する相が十分に存在するので、時効により強度を上
昇させることができるといった知見を得た。この時、時
効後の強度上昇に寄与する相とは、α”マルテンサイト
相と残留β相である。α”相およびβ相は、β安定化元
素を適当に調整することにより、非常に微細な層状構造
を形成する。この微細な構造を基にして、短時間の時効
処理後、微細なα相およびβ相の混合組織が得られ、析
出メカニズムによる強度上昇が得られるのである。即
ち、β安定化元素であるV、Mo、Fe、Cr、Co、
Ni等の合金成分の添加量を最適化することによって、
強度を上昇させることができるといった知見を得た。 【0016】各々のβ安定化元素の効果を検討した結
果、以下のことがわかった。即ち、V、Moは、β全率
固溶型のβ安定化元素であり、Tiと脆い化合物を生成
しにくいが、β相の安定化効果は比較的小さい。Mo
は、Ti中での拡散効果が遅いために、結晶粒成長を抑
制する効果が大きく、結晶粒を微細化するのに有効な元
素である。また、Fe、Cr、Co、Niは、β共析型
元素であり、Tiと脆い金属間化合物を形成することか
あるが、β相の安定化効果が大きい元素である。しか
も、Fe、Co、Niは、拡散効果が非常に速いため
に、時効時の強度上昇を速め、時効時間をβ型チタン合
金に比べて短縮するのに有効である。特に、Feは、少
量でβ相安定化の効果か大きいことから有効な元素であ
る。これらのβ安定化元素を適当に添加することによっ
て、β相の安定化が高く、しかも、Tiと脆い金属間化
合物を生成しにくい合金組成を見出した。 【0017】 【課題を解決するための手段】この発明は、上述した知
見に基づいてなされたものであり、第1発明は、Al:
3〜7wt.%、V:2.1〜5.0wt.%、Mo:
0.85〜3.15wt.%、Fe:0.85〜3.1
5wt.%、O:0.06〜0.20wt.%を含有
し、且つ、0.4wt.%≦V/15+Mo/10+F
e/3.5≦1.2wt.%の条件式を満足し、残部:
Tiおよび不可避不純物からなる成分組成を有するα+
β型チタン合金用素材を、(β変態点−150℃)〜β
変態点未満の範囲内の温度に加熱し、次いで、0.5℃
/sec〜10℃/secの範囲内の冷却速度で冷却し
て、前記素材に溶体化処理を施し、そして、このように
して溶体化処理を施した前記素材に、400〜600℃
の範囲内の温度で時効処理を施すことに特徴を有し、 【0018】第2発明は、Al:3〜7wt.%、V:
2.1〜5.0wt.%、Mo:0.85〜3.15w
t.%、Fe:0.85〜3.15wt.%、O:0.
06〜0.20wt.%を含有し、さらに、Cr、Co
およびNiのうちの少なくとも一種を含有し、且つ、
0.4wt.%≦V/15+Mo/10+Fe/3.5
+Cr/6.3+Co/7+Ni/9≦1.2wt.%
の条件式を満足し、残部:Tiおよび不可避不純物から
なる成分組成を有するα+β型チタン合金用素材を、
(β変態点−150℃)〜β変態点未満の範囲内の温度
に加熱し、次いで、0.5℃/sec〜10℃/sec
の範囲内の冷却速度で冷却して、前記素材に溶体化処理
を施し、そして、このようにして溶体化処理を施した前
記素材に、400〜600℃の範囲内の温度で時効処理
を施すことに特徴を有するものである。 【0019】次に、第1および第2発明において、成分
組成を上述したように限定した理由について説明する。 Al(アルミニウム): Alは、α安定化元素の一つであり、α+β型チタン合
金には必須の元素である。しかし、Al含有量が3w
t.%未満では、α+β型チタン合金になりにくく、十
分な強度が得られない。一方、Al含有量が7wt.%
を超えると、金属間化合物であるTiAlが生成しや
すく、靭性が著しく低下する。従って、Al含有量は、
3〜7wt.%の範囲内に限定すべきである。 【0020】O(酸素): Oは、通常のα+β型チタン合金と同量が望ましいが、
O含有量が0.06wt.%未満では、十分な強度が得
られず、一方、O含有量が0.20wt.%を超える
と、靭性が急激に低下する。従って、O含有量は、0.
06〜0.20%の範囲内に限定すべきである。 【0021】V(バナジウム): Vは、β相を安定化させる効果は小さいが、β変態点を
大きく低下させる重要な元素である。しかしながら、V
含有量が2.1wt.%未満では、β変態点の低下が十
分でなく、また、β相を安定化する効果が小さくなる。
一方、V含有量が5.0wt.%を超えると、β相の安
定度が大きくなり過ぎて、強度上昇が十分に得られず、
また、Vは高価な元素であるので、コスト高となる。従
って、V含有量は、2.1〜5.0wt.%の範囲内に
限定すべきである。 【0022】Mo(モリブデン): Moは、β相を安定化させ、粒成長を抑制する効果を有
する。しかしなから、Mo含有量が0.85wt.%未
満では、粒が大きくなりやすく、熱処理により粒が粗大
化する。一方、Mo含有量が3.15wt.%を超える
と、時効処理に長時間を要し、且つ、β相が安定化し過
ぎて強度が十分に得られない。従って、Mo含有量は、
0.85〜3.15wt.%の範囲内に限定すべきであ
る。 【0023】Fe(鉄): Feは、β相の安定化とβ変態点の低下に有効な元素で
ある。しかしながら、Fe含有量が0.85wt.%未
満では、上述した所望の効果が得られない。一方、Fe
含有量が3.15wt.%を超えると、β相が安定化し
過ぎて短時間の時効によって、十分な強度が得られな
い。また、Tiとの間に脆い金属間化合物が形成され
る。従って、Fe含有量は、0.85〜3.15wt.
%の範囲内に限定すべきである。 【0024】第2発明において、更に、Cr、Coおよ
びNiのうちの少なくとも一種を、上述した成分組成に
含有させる理由は、以下の通りである。Cr、Coおよ
びNiのうちの少なくとも一種を含有させることによっ
て、β相の安定度を効果的に増大させることができるか
らである。 【0025】第1および第2発明における条件式の限定
理由について説明する。β安定化元素であるV、Mo、
Fe、Cr、CoおよびNiについてβ相を安定化させ
るの割合について調べた。この結果、1wt.%当たり
の各元素の安定化させる割合は、Vは、1/15、Mo
は、1/10、Feは、1/3.5、Crは、1/6.
3、Coは、1/7、そして、Niは、1/9であるこ
とがわかった。その効果は、Feが最も大きく、Vが最
も低い。従って、これらの割合と各合金元素との積の和
をXで表し、このX値をβ相の安定度を示す指標にし
た。X値が0.4未満であると、溶体化処理の冷却時に
おいて、空冷相当の冷却速度でα相の生成および増大を
抑制することができず、このために、時効後の強度上昇
が小さい。一方、X値が1.2を超えると、β相の安定
化が大きくなり過ぎるため、溶体化処理後にα”マルテ
ンサイト相が得られず、β相が完全に残留してしまい、
短時間の時効処理で高強度が得られない。また、比重の
大きいβ型チタン合金になるために、α+β型チタン合
金のような微細な結晶粒や優れた強度と延性とのバラン
スが得られない。従って、X値は、0.4から1.2の
範囲内に限定した。 【0026】次に、溶体化温度、溶体化後の冷却速度お
よび時効温度の限定理由について説明する。溶体化温度
がβ変態点−150℃未満では、時効後の強度が上昇せ
ず、一方、β変態点以上では、α+βの2相領域でなく
なるため、ミクロ組織が粗大化して、延性が著しく低下
する。従って、溶体化温度は、(β変態点−150℃)
〜β変態点未満の範囲内に限定すべきである。なお、溶
体化時間は、通常のチタン合金で行われている時間、即
ち、0.25〜2.0hの範囲内が好ましい。 【0027】溶体化後の冷却速度は、熱歪が発生しない
ような冷却速度である空冷相当速度の4倍以下にする必
要がある。また、冷却速度が大きすぎると強度が高くな
りすぎて逆に切欠き強度が低下するので、特に、強度と
靭性とのバランスから10℃/sec以下にすべきであ
る。一方、冷却速度が炉冷の場合のように極端に遅い場
合には、時効後に強度上昇を得にくいので、時効後に強
度上昇が得られ十分な強度が達成できる最低の冷却速度
である0.5℃/sec以上にすべきである。 【0028】時効温度が400℃未満では、温度が低す
ぎて時効後の強度が上昇しない。一方、時効温度が60
0℃を超えると、強度が上昇してもすぐに軟化する。従
って、時効温度は、400〜600℃の範囲内に限定す
べきである。図2に時効温度と靭性NTS/0.2%P
Sおよび引張り強度TSとの関係を示す。NTS(切欠
き強度)/0.2%PSは切欠き降伏比のことである。
図2から明らかなように、時効温度が400〜600℃
の範囲内であると、TSは、110kg/mm以上と
なり、切欠き降伏比も1以上となる。切欠き降伏比と延
性とは相関関係があり、切欠き降伏比が高くなると延性
が向上する。なお、図2の試験の際に使用した本発明チ
タン合金の成分組成は、後述する実施例1において使用
したものと同一である。溶体化温度は、800℃、溶体
化後の冷却温度は、2℃/secであった。 【0029】 【実施例】次に、この発明を実施例によって更に詳細に
説明する。 実施例1 Al:4.5wt.%、V:3.0wt.%、Mo:
2.0wt.%、Fe:2.0wt.%、O:0.10
wt.%、C:0.02wt.%、N:0.01wt.
%、H:0.01wt.%を含有する、β変態点が90
0℃のα+β型チタン合金を、α+β温度域に加熱し、
圧延して、板厚15mmの供試板を調製した。次いで、
この供試板から70mm×70mmの大きさの供試片を
切り出し、この供試片を800℃(β変態点−100
℃)の温度に1時間加熱して、供試片に溶体化を施し
た。次いで、このようにして溶体化を施した供試片を、
表1に示す種々の冷却方法にしたがって冷却した。冷却
速度は、供試片の板厚中心に熱電対を挿入して測定し
た。制御冷却は、供試片を加熱炉に入れたまま炉内の雰
囲気温度を所定の冷却速度に制御して冷却したものであ
る。強制ガス冷却は、真空槽内に置かれた供試片にAr
ガスを吹き付けて冷却したものである。撹拌水冷は、室
温に維持した水中に、加熱した供試片を入れて冷却した
ものである。次いで、各供試片に時効処理を510℃の
温度で3時間施し、各供試片から本発明試験片No.1
〜4および比較試験片No.5および6を採取した。そ
して、各試験片を平滑引張り試験および切欠き引張り試
験に供した。平滑引張り試験片は、図3に示す形状であ
り、切欠き引張り試験片は、図4に示す形状であった。
この結果を図5および表1に示す。 【0030】 【表1】【0031】図5および表1から明らかなように、溶体
化後の冷却速度が速いほど高い強度(0.2%PSおよ
びTS)を有することかわかるが、撹拌水冷した比較試
験片No.6は、高い強度を有しているが切欠き強度
(NST)が低く、しかも、切欠き降伏比(NST/
0.2%PS)が1.0未満であり靭性に劣っていた。
比較試験片No.5は、冷却速度が小さすぎるために強
度が低い。比較試験片No.5および6は、AMS規格
4965E、板厚15mmの下限値(0.2%PS:1
05.6kgf/mm、TS:112.8kgf/m
、El:10%)を満足していない。これに対し
て、本発明試験片No.1から4は、何れも、高い強度
を有し、しかも、切欠き降伏比が1以上の優れた靭性を
有し、AMS規格を満足していた。 【0032】実施例2 表2に示す成分組成を有するα+β型チタン合金を、そ
れぞれα+β温度域に加熱し、圧延し、板厚15mmの
供試板を調製した。これらの合金のβ変態点は、850
から930℃の範囲内であった。次いで、各供試板から
70mm×70mmの大きさの供試片を切り出し、供試
片を(β変態点−50℃)の温度に1時間加熱して、供
試片に溶体化を施し、次いで、空冷した。なお、後述す
る比較試験片No.2用の供試片は、水冷した。次い
で、各供試片に時効処理を510℃の温度で1時間施
し、各供試片から本発明試験片No.3〜10および比
較試験片No.1、2および11〜13を採取した。そ
して、各試験片を平滑引張り試験および切欠き引張り試
験に供した。平滑引張り試験片および切欠き引張り試験
片の形状は、上述した実施例1におけるものと同様であ
った。なお、比較試験片No.13は、表2に示す成分
組成を有するβ型チタン合金をβ温度域に加熱し、圧延
して調製した、板厚15mmの供試板から、上述したも
のと同様な寸法の供試片を切り出し、この供試片に、β
型チタン合金の通常の溶体化時効処理(815℃の温度
に1時間加熱し、次いで、空冷して溶体化処理を施し、
次いで、510℃の温度に14時間加熱して時効処理を
施す)を施したものであった。この試験結果を図6およ
び表2に示す。 【0033】 【表2】 【0034】図6および表2から明らかなように、比較
試験片No.1および2は、一般的なTi−6Al−4
V合金である。比較試験片No.2のように、溶体化後
の冷却速度を速くすれば、AMS規格を満足するが、切
欠き降伏比が1以下であり、熱歪が生じた。比較試験片
No.1のように、溶体化後、空冷すると十分な強度が
得られず、AMS規格を満足しない。この原因は、主に
X値が本発明範囲の下限値を外れて小さいことにある。
比較試験片No.11は、X値が0.97で本発明範囲
内であり、β安定度は良好であるが、Al含有量が8.
0wt.%と本発明範囲を超えて大きい。従って、強度
は高いが、延性(El、RA)に劣り且つ切欠き降伏比
が極めて小さい。逆に、Al含有量が本発明範囲を外れ
て小さい比較試験片No.12は、延性(El、RA)
に優れ且つ切欠き降伏比が大きいが、強度が低い。比較
試験片No.13は、強度は高いが、切欠き強度および
切欠き降伏比が小さく靭性に劣っていた。これに対し
て、本発明試験片No.3から10は、溶体化後の冷却
が空冷であっても、AMS規格を満足する強度、靭性、
切欠き強度および切欠き降伏比を有していることかわか
った。 【0035】実施例3 実施例1におけると同様な成分組成を有するα+β型チ
タン合金の供試片に、表3に示す種々の溶体化時効処理
を施して、種々の試験片を調製した。溶体化の冷却は空
冷であった。次いで、各試験片から本発明試験片No.
2〜5、9〜12および比較試験片No.1、6〜8お
よび13を採取した。そして、各試験片を平滑引張り試
験および切欠き引張り試験に供した。試験片は、実施例
1におけると同様な形状であった。この結果を表3に示
す。 【0036】 【表3】【0037】表3から明らかなように、比較試験片N
o.1のように、溶体化温度が低い場合には、強度が低
い。溶体化温度がβ変態点以上である比較試験片No.
6および7は、延性(El、RA)が著しく劣化してい
た。比較試験片No.8のように、時効温度が低過ぎる
と十分な強度が得られず、一方、比較試験片No.13
のように、時効温度が高過ぎても十分な強度が得られな
い。これに対して、本発明試験片No.2〜5および9
〜12は、何れも、強度、延性および靭性共に優れてい
た。 【0038】 【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、熱歪の発生を抑制するような遅い溶体化後の冷却で
あっても、β安定化元素の含有量を最適化し且つ溶体化
時効処理条件を最適化することによって、時効後の強
度、延性および靭性に優れたα+β型チタン合金を製造
することかできるといった有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】 【図1】水冷および空冷の場合の被冷却材の寸法と冷却
速度との関係を示すグラフである。 【図2】時効温度とNTS/0.2%PSおよびTSと
の関係を示すグラフである。 【図3】平滑引張り試験片の形状を示す正面図である。 【図4】切欠き引張り試験片の形状を示す正面図であ
る。 【図5】溶体化後の冷却速度とNTS/0.2%PSお
よびTSとの関係を示すグラフである。 【図6】X値とNTS/0.2%PSおよびTSとの関
係を示すグラフである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−166350(JP,A) 特開 平3−134124(JP,A) 特開 平3−294442(JP,A) 特開 平5−59509(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 を含有し、且つ、下記条件式(1)、 0.4wt.%≦V/15+Mo/10+Fe/3.5
    ≦1.2wt.%−−−(1) を満足し、 残部:Tiおよび不可避不純物、 からなる成分組成を有するα+β型チタン合金用素材
    を、(β変態点−150℃)〜β変態点未満の範囲内の
    温度に加熱し、次いで、0.5℃/sec〜10℃/s
    ecの範囲内の冷却速度で冷却して、前記素材に溶体化
    処理を施し、そして、このようにして溶体化処理を施し
    た前記素材に、400〜600℃の範囲内の温度で時効
    処理を施すことを特徴とする、高強度高靭性α+β型チ
    タン合金の製造方法。 を含有し、さらに、Cr、CoおよびNiのうちの少な
    くとも一種を含有し、且つ、下記条件式(2)、 0.4wt.%≦V/15+Mo/10+Fe/3.5
    +Cr/6.3+Co/7+Ni/9≦1.2wt.%
    −−−(2) を満足し、 残部:Tiおよび不可避不純物、 からなる成分組成を有するα+β型チタン合金用素材
    を、(β変態点−150℃)〜β変態点未満の範囲内の
    温度に加熱し、次いで、0.5℃/sec〜10℃/s
    ecの範囲内の冷却速度で冷却して、前記素材に溶体化
    処理を施し、そして、このようにして溶体化処理を施し
    た前記素材に、400〜600℃の範囲内の温度で時効
    処理を施すことを特徴とする、高強度高靭性α+β型チ
    タン合金の製造方法。
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