JP2605945B2 - 油ポンプの製造方法 - Google Patents

油ポンプの製造方法

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JP2605945B2
JP2605945B2 JP2268194A JP26819490A JP2605945B2 JP 2605945 B2 JP2605945 B2 JP 2605945B2 JP 2268194 A JP2268194 A JP 2268194A JP 26819490 A JP26819490 A JP 26819490A JP 2605945 B2 JP2605945 B2 JP 2605945B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、スクロール形圧縮機等に用いられるポンプ
容量の異なる複数機種の油ポンプを製造する方法に関す
る。
(従来の技術) 従来、スクロール圧縮機等に用いられる油ポンプは、
特開昭64−3260号公報に開示され且つ第5図に示すよう
に、圧縮機の駆動軸(D)に取り付けるポンプ本体
(B)とヨーク装置(A)とを組み合わせて用いられて
いる。
前記ヨーク装置(A)は、中心部に長軸と短軸とをも
つ長穴(C)が開口され、前記ポンプ本体(B)に設け
る偏心ロータ(R)の外周部に嵌合されるヨーク本体
(Y)と、該ヨーク本体(Y)の短軸方向外方に突設す
る一対のキー(K)(K)とを焼結により一体に形成し
たものであり、前記ヨーク本体(Y)の長穴(C)の内
周面と前記偏心ロータ(R)の外周面との間にポンプ室
(P)が画成されている。
そして、前記ポンプ室(P)に開口する油吸入路
(J)と油吐出路(O)とを介して、駆動軸(D)の一
回転毎に、前記ポンプ室(P)の容積に見合う定量の油
を汲上げ、給油部に供給するようにしている。
さらに、油ポンプの給油量となるポンプ容量はポンプ
室(P)の容積できまり、圧縮機の機種毎に各馬力数に
応じて油ポンプのポンプ容量が異なることから、従来で
は前記ヨーク本体(Y)の駆動軸(D)軸方向のヨーク
高さを変更することにより油ポンプのポンプ容量が設定
され、各馬力数に応じた圧縮機の機種ごとにポンプ容量
の異なる複数機種の油ポンプが必要とされる。
(発明が解決しようとする課題) しかし、以上のように、ヨーク本体(Y)の高さつま
り大きさを、ポンプ容量の異なる各機種毎に対応させて
設定していたのでは、機種の数だけヨーク装置(A)即
ちヨーク本体(Y)とキー(K)(K)との焼結による
一体成形品が必要となり、該ヨーク装置(A)を形成す
る金型も機種の数だけ用意する必要が生じ、コスト高に
なると共に加工精度も要求されることから製造管理が煩
雑となる問題がある。特に、金型は高価であるため、金
型の種類が多くなればなるほど製造コストが大きく嵩む
問題が起こる。
本発明の目的は、馬力数の相違等でポンプ容量が異な
っても、基準となる単品のヨーク装置の共通化を図っ
て、コストダウン及び製造管理の容易化が図れる油ポン
プの製造方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、駆動軸(4)の端部に取付けるポンプ本体
(5)と、中心部に長軸と短軸とをもつ長穴(2)が開
口され、前記ポンプ本体(5)における偏心ロータ
(6)の外周部に嵌合されるヨーク本体(1)及び該ヨ
ーク本体(1)の短軸方向外方に突設する一対のキー
(3)(3)が焼結により一体形成されるヨーク装置
(A)とを備え、前記長穴(2)の内周面と偏心ロータ
(6)の外周面との間にポンプ室(7)が画成され、ポ
ンプ容量が前記ヨーク本体(1)の駆動軸(4)軸方向
のヨーク高さの変更により設定されるポンプ容量の異な
る複数機種の油ポンプを製造する方法であって、各機種
ごとに設定される前記ヨーク装置(A)のヨーク高さの
最大公約数を設定し、一つのヨーク装置(A)のヨーク
高さが前記最大公約数の値とされる複数個のヨーク装置
(A)を用意し、単独でまたは複数個の積層で各機種の
ポンプ容量に対応する設定高さとなるような個数の前記
ヨーク装置(A)を選び、選ばれた個数のヨーク装置
(A)を前記偏心ロータ(6)への嵌合によりポンプ本
体(6)に組み付けることを特徴とする。
(作用) 油ポンプの各機種ごとに設定されるヨーク装置(A)
のヨーク本体(1)のヨーク高さの最大公約数を設定
し、ヨーク本体(1)の高さが前記最大公約数の値とさ
れる一種類のヨーク装置(A)を複数個用意しておき、
単独でまたは複数個の積層で各機種のポンプ容量に対応
する設定高さとなるような個数の前記ヨーク装置(A)
を選んで、選ばれた個数のヨーク装置(A)を前記偏心
ロータ(6)への嵌合によりポンプ本体(6)に組み付
けるように油ポンプを製造するので、一種類のヨーク装
置(A)を用いて各機種に対応したヨーク高さを設定す
ることができ、油ポンプの機種が異なっても、ヨーク装
置(A)の共通化が図れるのであり、その結果、形成金
型は一つだけを用意すれば足り、コストダウン及び製造
管理の容易化が図れるのである。
また、複数個用意されたヨーク装置(A)の各々のヨ
ーク高さは、各機種ごとに設定されるヨーク装置(A)
のヨーク高さの単なる公約数ではなく、最大公約数の値
を有するようにされるので、複数個の積層で、各機種の
ポンプ容量に対応する設定高さとなるようにするために
用いなければならないヨーク装置(A)の必要個数を最
小にすることができる。
従って、ヨーク装置(A)を複数個積層して組み付け
る際のポンプ本体(5)への組み付け作業が煩雑になる
ことがない。
(実施例) 第3図に示す油ポンプは5馬力用に用いるものであ
り、圧縮機の駆動軸(4)の端部に取付けるポンプ本体
(5)と、ヨーク本体(1)及び該ヨーク本体(1)の
短軸方向外方に突設する一対のキー(3)(3)とから
成るヨーク装置(A)とを備えている。
前記ヨーク本体(1)は、中心部に、第2図に明示す
るように短軸(S)に相等しい直径をもつ2つの半円を
長軸(L)上に変位させて中間部を直線で連結した長穴
(2)を開口しており、前記駆動軸(4)に結合するポ
ンプ本体(5)に設ける偏心ロータ(6)の外周部に嵌
合されて、長穴(2)の内周面と偏心ロータ(6)の外
周面との間にポンプ室(7)を画成している。
又、前記ヨーク本体(1)の短軸方向外方に突設する
一対のキー(3)(3)は、静止部材を構成する圧縮機
ハウジング(8)に設けるキー溝(9)(9)に摺動自
由に係合される。
そして、これらヨーク本体(1)とキー(3)(3)
とを焼結により一体形成してヨーク装置(A)を形成し
ている。第3図においては、後述するように二つのヨー
ク装置(A)を積層して前記偏心ロータ(6)に各ヨー
ク本体(1)を嵌合させている。
以上の油ポンプは、駆動軸(4)の回転に伴い、偏心
ロータ(6)を長穴(2)に沿って長軸上に往復動させ
ると共に、ヨーク本体(1)をキー(3)(3)に沿っ
て短軸上に往復動させることにより、圧縮機底部の油
を、油ピックアップ(60)に設ける吸入穴(61)から軸
穴(62)及び水平状の横穴(63)(63)を介してポンプ
室(7)に導き、ポンプ室(7)に導いた油を、水平状
の横穴(71)(71)、並びに、上部に詰栓(72)をした
軸穴(73)、これを側方部に開放する横穴(74)、駆動
軸(4)の内周面に臨む環状溝(75)、駆動軸(4)に
設ける横穴(76)、軸受メタル(10)に設ける環状溝
(77)、径方向の横穴(78)及び接続穴(79)を順次経
て、スクロール圧縮室に連通する油注入管(11)に汲上
げるようにしている。
尚、駆動軸(4)の内部には、該駆動軸の上部軸受部
に連通する給油通路(12)を設けており、前記吸入穴
(61)に連続する軸穴(62)の上端から溢れ出る油を遠
心力により、該給油通路(12)に汲上げるようにしてい
る。
さらに、ポンプ本体(5)は、その鍔部(51)の上部
に突設するボス部(52)を前記給油通路(12)の下部に
挿入し、ボス部上端の係合溝(53)を、駆動軸(4)内
に架設するピン(41)に係合させている。更に、ポンプ
本体(5)の下面はハウジング(8)に取付けるスラス
トプレート(81)に支持している。
また、圧縮機の機種に応じて油ポンプのポンプ容量も
変更する必要があることから、ポンプ室(7)の容積で
きまるポンプ容量は、前記ヨーク装置(A)におけるヨ
ーク本体(1)の駆動軸(4)軸方向のヨーク高さを変
更することにより、油ポンプの各機種ごとに設定され
る。
以上の構成を有する油ポンプを製造するにあたり、本
発明は、まず、油ポンプの各機種ごとに設定される前記
ヨーク装置(A)のヨーク高さの最大公約数を設定し
て、ヨーク本体(1)の高さが前記最大公約数の値とな
るように設定したヨーク装置(A)を焼結により複数個
形成して用意しておく。
そして、単独でまたは複数個の積層で各機種のポンプ
容量に対応する設定高さとなるような個数の前記ヨーク
装置(A)を選び、選ばれた個数のヨーク装置(A)を
前記偏心ロータ(6)への嵌合によりポンプ本体(6)
に組み付けることにより、所望のポンプ容量に応じた油
ポンプを製造するのである。
具体的に説明すると、例えば2.5馬力の圧縮機に用い
る油ポンプ(第4図)と、これに対して2倍のポンプ容
量をもつ5馬力用の油ポンプ(第3図)との場合、単独
のヨーク本体(1)のヨーク高さ(H)を、2.5馬力の
機種と5馬力の機種における各ヨーク高さの最大公約数
の値、即ち2.5馬力の高さが8mm、5馬力の高さが16mmで
ある場合に8mmとし、2.5馬力用の油ポンプは第4図に示
すようにヨーク装置(A)を単独で組み付け、また、5
馬力用の油ポンプは第3図に示すようにヨーク装置
(A)を2段積層して組み付けて5馬力に対応したヨー
ク高さを設定するのである。
ここで、2.5馬力の機種では、第4図に示すように、
前記ヨーク本体(1)をそのまま単独で用いてポンプ本
体(5)の偏心ローラ(6)に嵌合するのであり、この
2.5馬力の機種では、その全体のヨーク高さ及びこれに
対応する偏心ロータ(6)の高さ並びにポンプ室(7)
の容積が、5馬力のものの半分となる。また、2.5馬力
用の油ポンプは、ポンプ室(7)に開口する油吸入経路
及び油吐出経路における横穴が何れも単段の横穴(63)
(71)としている他は第3図のものと基本的に同様であ
る。
以上のように、ヨーク装置におけるヨーク本体(1)
のヨーク高さを、2.5馬力と5馬力とにおけるヨーク高
さの最大公約数の値とし、5馬力の機種ではヨーク本体
(1)を2段積層して用い、また、2.5馬力の機種では
ヨーク本体(1)を単独で用いたから、一種類のヨーク
装置(A)を用いて各機種に対応したヨーク高さを設定
することができ、油ポンプの機種が異なっても、ヨーク
装置(A)の共通化が図れるのであり、その結果、形成
金型は一つだけを用意すれば足り、従って、コストダウ
ンが図れると共に、製造管理面でも有利になるのであ
る。
ところで、5馬力用の油ポンプでは、ヨーク装置
(A)が2段積層され、各ヨーク本体(1)(1)の接
合面を介してポンプ室(7)から外部に油漏れが生じる
ことも懸念されるが、この種圧縮機の駆動軸(4)の軸
端部に配設する油ポンプでは、圧縮機底部に溜められる
油の定常油面が、通常、偏心ロータ(6)の上部に位置
する軸受メタル(10)を濡らす程度の高位置にあり、ヨ
ーク本体(1)はその内部のポンプ室(7)に取込んだ
油と、外部の油との間を仕切るだけでよいから、そのよ
うな漏れは殆ど問題とならない。又、油漏れが懸念され
る環境下での使用には、ヨーク本体(1)の接合面を接
着剤等で密着させるようにしてもよい。
尚、上記実施例では、ヨーク高さが8mmの2.5馬力の機
種と16mmの5馬力の機種との間で、これらの最大公約数
である8mmの高さにヨーク本体(1)を設定したが、そ
の他、ヨーク高さが例えば8mmと12mmとの関係にある2
つの機種間では、その最大公約数である4mmの高さにヨ
ーク本体(1)のヨーク高さを設定し、8mmの機種では
これを2段積層し、12mmの機種では3段積層するように
してもよい。又、2つの機種間だけでなく、3種以上の
機種間で、それらの最大公約数の値にヨーク本体(1)
の高さを設定し、該ヨーク本体(1)を単独で又は複数
個積層して嵌合するようにしてもよい。
(発明の効果) 以上、本発明では、油ポンプの各機種ごとに設定され
るヨーク装置(A)のヨーク本体(1)のヨーク高さの
最大公約数を設定し、ヨーク本体(1)の高さが前記最
大公約数の値とされる一種類のヨーク装置(A)を複数
個用意しておき、単独でまたは複数個の積層で各機種の
ポンプ容量に対応する設定高さとなるような個数の前記
ヨーク装置(A)を選んで、選ばれた個数のヨーク装置
(A)を前記偏心ロータ(6)への嵌合によりポンプ本
体(6)に組み付けるように油ポンプを製造するので、
一種類のヨーク装置(A)を用いて各機種に対応したヨ
ーク高さを設定することができ、油ポンプの機種が異な
っても、ヨーク装置(A)の共通化が図れるのであり、
その結果、形成金型は一つだけを用意すれば足り、コス
トダウン及び製造管理の容易化が図れるのである。
また、複数個用意されるヨーク装置(A)の各々のヨ
ーク高さは、各機種ごとに設定されるヨーク装置(A)
のヨーク高さの単なる公約数ではなく、最大公約数の値
を有するようにされるので、複数個の積層で、各機種の
ポンプ容量に対応する設定高さとなるようにするために
用いなければならないヨーク装置(A)の必要個数を最
小にすることができる。
従って、ヨーク装置(A)を複数個積層して組み付け
る際のポンプ本体(5)への組み付け作業が煩雑になる
ことがない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るヨーク装置の斜視図、第2図は同
ヨーク装置をもつ油ポンプの底面図、第3図は同5馬力
に対応した油ポンプの断面図、第4図は同2.5馬力に対
応した油ポンプの断面図、第5図は従来例の断面図であ
る。 (A)……ヨーク装置 (1)……ヨーク本体 (2)……長穴 (3)……キー (4)……駆動軸 (5)……ポンプ本体 (6)……偏心ロータ (7)……ポンプ室
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−96490(JP,A) 特開 昭63−90685(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動軸(4)の端部に取付けるポンプ本体
    (5)と、 中心部に長軸と短軸とをもつ長穴(2)が開口され、前
    記ポンプ本体(5)における偏心ロータ(6)の外周部
    に嵌合されるヨーク本体(1)及び該ヨーク本体(1)
    の短軸方向外方に突設する一対のキー(3)(3)が焼
    結により一体形成されるヨーク装置(A)とを備え、 前記長穴(2)の内周面と偏心ロータ(6)の外周面と
    の間にポンプ室(7)が画成され、 ポンプ容量が前記ヨーク本体(1)の駆動軸(4)軸方
    向のヨーク高さの変更により設定されるポンプ容量の異
    なる複数機種の油ポンプを製造する方法であって、 各機種ごとに設定される前記ヨーク装置(A)のヨーク
    高さの最大公約数を設定し、 一つのヨーク装置(A)のヨーク高さが前記最大公約数
    の値とされる複数個のヨーク装置(A)を用意し、 単独でまたは複数個の積層で各機種のポンプ容量に対応
    する設定高さとなるような個数の前記ヨーク装置(A)
    を選び、 選ばれた個数のヨーク装置(A)を前記偏心ロータ
    (6)への嵌合によりポンプ本体(6)に組み付けるこ
    とを特徴とする油ポンプの製造方法。
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