JP2604764B2 - 超音波モータ - Google Patents
超音波モータInfo
- Publication number
- JP2604764B2 JP2604764B2 JP62298953A JP29895387A JP2604764B2 JP 2604764 B2 JP2604764 B2 JP 2604764B2 JP 62298953 A JP62298953 A JP 62298953A JP 29895387 A JP29895387 A JP 29895387A JP 2604764 B2 JP2604764 B2 JP 2604764B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- friction material
- moving body
- ultrasonic motor
- motor
- vibrating body
- Prior art date
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- General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、圧電体などによる超音波振動によって駆動
される超音波モータに関する。
される超音波モータに関する。
従来の技術 超音波モータの一例として、圧電体により進行波を発生
する振動体と動体とを加圧接触した構成のものがあり、
加圧接触状態での振動体と動体との摩擦力によって、動
体が駆動される。したがって、振動体と動体との摩擦接
触状態が、そのような構成の超音波モータの出力、効
率、寿命などの諸特性を決定ずける極めて重要な原因の
一つのなる。
する振動体と動体とを加圧接触した構成のものがあり、
加圧接触状態での振動体と動体との摩擦力によって、動
体が駆動される。したがって、振動体と動体との摩擦接
触状態が、そのような構成の超音波モータの出力、効
率、寿命などの諸特性を決定ずける極めて重要な原因の
一つのなる。
従来の超音波モータは、振動体と動体との間にスライ
ダーと呼ばれる摩擦係数の大きな摩擦材を介在させてい
るが、そのスライダーの具体的構成、あるいはその効果
は、ほとんど知られておらず、したがって、振動体と動
体との間の摩擦接触状態を経時的に一定に保ち、安定し
た長寿命の超音波モータは存在していないのが現状であ
る。
ダーと呼ばれる摩擦係数の大きな摩擦材を介在させてい
るが、そのスライダーの具体的構成、あるいはその効果
は、ほとんど知られておらず、したがって、振動体と動
体との間の摩擦接触状態を経時的に一定に保ち、安定し
た長寿命の超音波モータは存在していないのが現状であ
る。
発明が解決しようとする問題点 超音波モータにおいて、振動体と動体との摩擦接触状
態が経時的に変化せず常に一定であり、したがってモー
タとして安定な特性が得られ、しかも寿命の点でも実用
に耐えるだけのモータは今だ存在しない。
態が経時的に変化せず常に一定であり、したがってモー
タとして安定な特性が得られ、しかも寿命の点でも実用
に耐えるだけのモータは今だ存在しない。
摩擦材として、単に摩擦係数が大きな通常市販の摩擦
材を用いると、摩擦材の摩耗が激しく、摩耗が進行して
いくことにより、振動体と動体との加圧接触状態が変化
するため、モータの起動トルクが低下したり、回転数が
変動するなどモータ特性の劣化が起こり、モータ寿命を
低下させるという問題点を有していた。
材を用いると、摩擦材の摩耗が激しく、摩耗が進行して
いくことにより、振動体と動体との加圧接触状態が変化
するため、モータの起動トルクが低下したり、回転数が
変動するなどモータ特性の劣化が起こり、モータ寿命を
低下させるという問題点を有していた。
また、摩擦材の摩耗を減少させ、モータ寿命を向上さ
せるという観点より、摩擦材中に耐摩耗性を有する繊維
を含有させた際に、動体の進行方向に対して接触状態が
変化するような不均一な配列状態で繊維を配列させた場
合には、繊維自体に耐摩耗性があるがゆえに、摩擦材の
摩耗が進行していくことによって、まず結合材が摩耗さ
れ、その結果摩擦材表面は不均一な状態で繊維の凹凸を
生じることになる。このように摩擦材表面上で繊維の凹
凸が生じると、摩擦接触部で部分的に摩擦抵抗の相違が
起こるため、振動隊の表面状態や形状によっては、この
凹凸部分で引っ掛かりが起こり、モータの再起動性に悪
影響を及ぼすことがある。
せるという観点より、摩擦材中に耐摩耗性を有する繊維
を含有させた際に、動体の進行方向に対して接触状態が
変化するような不均一な配列状態で繊維を配列させた場
合には、繊維自体に耐摩耗性があるがゆえに、摩擦材の
摩耗が進行していくことによって、まず結合材が摩耗さ
れ、その結果摩擦材表面は不均一な状態で繊維の凹凸を
生じることになる。このように摩擦材表面上で繊維の凹
凸が生じると、摩擦接触部で部分的に摩擦抵抗の相違が
起こるため、振動隊の表面状態や形状によっては、この
凹凸部分で引っ掛かりが起こり、モータの再起動性に悪
影響を及ぼすことがある。
さらに、摩擦材表面上で一度このような繊維の凹凸が
起こり始めると、繊維自体が振動体の表面を攻撃し傷つ
けるため、振動体表面にも凹凸が起こり始め、振動体と
摩擦材との摩擦面の不均一性をますます増大させること
になる。
起こり始めると、繊維自体が振動体の表面を攻撃し傷つ
けるため、振動体表面にも凹凸が起こり始め、振動体と
摩擦材との摩擦面の不均一性をますます増大させること
になる。
以上の要因によって、動体の進行方向に対して一定方
向の配列状態で繊維が配列されていない場合には、振動
体と動体との摩擦接触状態が変化するため、モータの起
動トルクが経時的に減少したり、回転数が経時的に変動
したり、モータの再起動性に悪影響を及ぼすなど安定し
たモータ特性が得られないということも問題であった。
向の配列状態で繊維が配列されていない場合には、振動
体と動体との摩擦接触状態が変化するため、モータの起
動トルクが経時的に減少したり、回転数が経時的に変動
したり、モータの再起動性に悪影響を及ぼすなど安定し
たモータ特性が得られないということも問題であった。
しかも、不均一な摩擦接触状態の故にモータを駆動さ
せた際に騒音を発生するという問題点も有していた。
せた際に騒音を発生するという問題点も有していた。
本発明は、上記問題点を解決するもので、振動体と動
体との摩擦接触状態が変化せず、経時的に安定したモー
タ特性を維持でき、しかも長寿命で無騒音の超音波モー
タを提供することを目的とするものである。
体との摩擦接触状態が変化せず、経時的に安定したモー
タ特性を維持でき、しかも長寿命で無騒音の超音波モー
タを提供することを目的とするものである。
問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために、本発明は、圧電体によ
って進行波を発生する振動体に動体を加圧接触させ、そ
れらの間に作用する摩擦力を利用して、上記進行波によ
って上記動体を駆動する構成の超音波モータであって、
上記加圧接触を行うための摩擦材として、有機質結合材
を結合材とし、動体の進行方向に対して一定方向の配列
状態で炭素繊維が配列された繊維強化プラスチックを用
いたものである。
って進行波を発生する振動体に動体を加圧接触させ、そ
れらの間に作用する摩擦力を利用して、上記進行波によ
って上記動体を駆動する構成の超音波モータであって、
上記加圧接触を行うための摩擦材として、有機質結合材
を結合材とし、動体の進行方向に対して一定方向の配列
状態で炭素繊維が配列された繊維強化プラスチックを用
いたものである。
作用 上記構成により、摩擦材中の炭素繊維を動体の進行方
向に対して一定方向の配列状態で配列させたので、動体
の繊維に対する接触方向は常に一定しており、摩擦材の
摩耗が進行していっても、摩擦材表面に不均一な状態で
繊維の凹凸が生じることがないため、均一な摩擦接触状
態を維持することができる。しかも、摩擦材表面に不均
一な状態で繊維の凹凸が生じることがないため、繊維自
体が振動体表面を攻撃し傷つけることもない。
向に対して一定方向の配列状態で配列させたので、動体
の繊維に対する接触方向は常に一定しており、摩擦材の
摩耗が進行していっても、摩擦材表面に不均一な状態で
繊維の凹凸が生じることがないため、均一な摩擦接触状
態を維持することができる。しかも、摩擦材表面に不均
一な状態で繊維の凹凸が生じることがないため、繊維自
体が振動体表面を攻撃し傷つけることもない。
また、炭素繊維を含有する繊維強化プラスチックを摩
擦材として用いたことにより、摩擦材が耐摩耗性に優れ
るため、長時間駆動後も摩擦材の摩耗料を著しく少なく
することができる。
擦材として用いたことにより、摩擦材が耐摩耗性に優れ
るため、長時間駆動後も摩擦材の摩耗料を著しく少なく
することができる。
さらに、摩擦材中の炭素繊維を動体の進行方向に対し
て一定方向の配列状態で配列させたことにより、均一な
摩擦接触状態が得られるため、モータを駆動させても騒
音が発生しない。
て一定方向の配列状態で配列させたことにより、均一な
摩擦接触状態が得られるため、モータを駆動させても騒
音が発生しない。
実施例 以下本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
第1図は本発明の一実施例の超音波モータを示す一部
切欠分解斜視図、第2図はその要部の摩擦材の部分断面
を示す図である。第1図において、1は圧電体で、これ
に振動体2が接着固定されている。3は動体で、振動体
2との間に介在される摩擦材4が取付けられている。第
2図において、摩擦材4は、有機質結合材5を結合材と
し、動体の進行方向aに対して一定方向の配列状態で炭
素繊維6が配列された繊維強化プラスチックにより構成
されている。このため、動体3が炭素繊維6に接触方向
は動体3のすべての位置で一定となり、接触状態が変化
するようなことはない。
切欠分解斜視図、第2図はその要部の摩擦材の部分断面
を示す図である。第1図において、1は圧電体で、これ
に振動体2が接着固定されている。3は動体で、振動体
2との間に介在される摩擦材4が取付けられている。第
2図において、摩擦材4は、有機質結合材5を結合材と
し、動体の進行方向aに対して一定方向の配列状態で炭
素繊維6が配列された繊維強化プラスチックにより構成
されている。このため、動体3が炭素繊維6に接触方向
は動体3のすべての位置で一定となり、接触状態が変化
するようなことはない。
前記繊維強化プラスチックを形成する有機質結合材5
は特に限定されず、たとえばポリイミド樹脂、ポリアミ
ドイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、フェ
ノール樹脂等を単独、または組み合わせて使用できる。
また、炭素繊維6は特に限定されず、たとえばポリアク
リロニトリル系、ピッチ系、フェノール系等を単独また
は組み合わせて使用でき、その含有量は特に限定される
ものではないが、重量含有率にて50%以上が望ましく、
特に70%程度が好ましい。
は特に限定されず、たとえばポリイミド樹脂、ポリアミ
ドイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、フェ
ノール樹脂等を単独、または組み合わせて使用できる。
また、炭素繊維6は特に限定されず、たとえばポリアク
リロニトリル系、ピッチ系、フェノール系等を単独また
は組み合わせて使用でき、その含有量は特に限定される
ものではないが、重量含有率にて50%以上が望ましく、
特に70%程度が好ましい。
次に、その実施例を具体的に説明する。なお、実施例
で振動体2と動体3の間に摩擦材4を介在させる方法と
して、動体3の表面に摩擦材4を接着固定したものを、
スプリング圧により振動体2に押し付ける方法を用いた
が、この方法に限定されるものではない。また、振動体
2としてステンレス材を用いたが、これに限定されるも
のではなく、振動体2の材質は圧電体1の振動を吸収せ
ず摩擦材4との摩擦力が大きな材料であればよい。
で振動体2と動体3の間に摩擦材4を介在させる方法と
して、動体3の表面に摩擦材4を接着固定したものを、
スプリング圧により振動体2に押し付ける方法を用いた
が、この方法に限定されるものではない。また、振動体
2としてステンレス材を用いたが、これに限定されるも
のではなく、振動体2の材質は圧電体1の振動を吸収せ
ず摩擦材4との摩擦力が大きな材料であればよい。
(実施例1) 炭素繊維を一方向に引き揃えたテープ(日本カーボン
社製、カーボロン)にゴム変性フエノール樹脂(三井東
圧化学社製、ミレックスRN)を含浸し、これを半硬化状
態にしたものを炭素繊維が軸方向に揃うように円筒状に
巻付けた後、オートクレーブ中で加熱加圧成形して、繊
維含有率が70重量%である円筒状の繊維強化プラスチッ
クを得た。これを、厚さ0.5mmに輪切りにして、第3図
に示すように、有機質結合材7としてゴム変性フェノー
ル樹脂を用い、炭素繊維8が軸方向に配列した繊維強化
プラスチックを摩擦材として得た。この摩擦材を使用す
る際には、リング状に切断し動体に接着後、表面部を研
磨して厚みを0.3mmとした。
社製、カーボロン)にゴム変性フエノール樹脂(三井東
圧化学社製、ミレックスRN)を含浸し、これを半硬化状
態にしたものを炭素繊維が軸方向に揃うように円筒状に
巻付けた後、オートクレーブ中で加熱加圧成形して、繊
維含有率が70重量%である円筒状の繊維強化プラスチッ
クを得た。これを、厚さ0.5mmに輪切りにして、第3図
に示すように、有機質結合材7としてゴム変性フェノー
ル樹脂を用い、炭素繊維8が軸方向に配列した繊維強化
プラスチックを摩擦材として得た。この摩擦材を使用す
る際には、リング状に切断し動体に接着後、表面部を研
磨して厚みを0.3mmとした。
この炭素繊維8を有機質結合材7で結合して得た摩擦
材4をスプリング(図示省略)を用いて動体3により、
第1図に示すように下面に圧電体1を接着した振動体2
の上に圧着し、直径40mmの円板型超音波モータを作製し
た。
材4をスプリング(図示省略)を用いて動体3により、
第1図に示すように下面に圧電体1を接着した振動体2
の上に圧着し、直径40mmの円板型超音波モータを作製し
た。
ここで、上記超音波モータを駆動させた際には、摩擦
材中の繊維はリング状摩擦材の軸方向に配列しているた
め、摩擦面において、振動体と繊維とは繊維の軸方向と
直角にしか摩擦が起こらない。
材中の繊維はリング状摩擦材の軸方向に配列しているた
め、摩擦面において、振動体と繊維とは繊維の軸方向と
直角にしか摩擦が起こらない。
この円板型超音波モータを駆動させたところ、騒音の
発生はなく、700gf・cmの大きな起動トルクと800rpmの
無負荷回転数が得られた。
発生はなく、700gf・cmの大きな起動トルクと800rpmの
無負荷回転数が得られた。
また、回転方向とは逆方向に300fg・cmの負荷をかけ2
50rpmの回転速度で回転させたところ、経時的な回転数
の変動も認められず、1000万回転後も安定したモータ性
能を示した。
50rpmの回転速度で回転させたところ、経時的な回転数
の変動も認められず、1000万回転後も安定したモータ性
能を示した。
さらに、1000万回転後の摩擦材の摩耗減少厚さを測定
したところ、8μmと非常に少なく、1000万回転後も起
動トルク、無負荷回転数共に初期とほとんど変化がな
く、安定したモータ性能を維持していた。しかも、1000
万回転後、相手材であるステンレス製振動体の摩耗減少
厚さを測定したが、1μm以下であり、ほとんど摩耗し
ていなかった。
したところ、8μmと非常に少なく、1000万回転後も起
動トルク、無負荷回転数共に初期とほとんど変化がな
く、安定したモータ性能を維持していた。しかも、1000
万回転後、相手材であるステンレス製振動体の摩耗減少
厚さを測定したが、1μm以下であり、ほとんど摩耗し
ていなかった。
(実施例2) 炭素繊維の連続糸(東邦レーヨン社製、ベスファイ
ト)にポリイミド樹脂(日本ポリイミド社製、ケルイミ
ド)を含浸し、この糸を金型内に放射状に配列させた
後、加熱加圧成形して、第4図に示すように、有機質結
合材9としてポリイミド樹脂を用い、炭素繊維10が径方
向に配列した繊維含有率が70重量%である厚さ0.5mmの
繊維強化プラスチックを得た。この摩擦材を使用する際
には、リング状に切断し動体に接着後、表面部を研磨し
て厚みを0.3mmとした。
ト)にポリイミド樹脂(日本ポリイミド社製、ケルイミ
ド)を含浸し、この糸を金型内に放射状に配列させた
後、加熱加圧成形して、第4図に示すように、有機質結
合材9としてポリイミド樹脂を用い、炭素繊維10が径方
向に配列した繊維含有率が70重量%である厚さ0.5mmの
繊維強化プラスチックを得た。この摩擦材を使用する際
には、リング状に切断し動体に接着後、表面部を研磨し
て厚みを0.3mmとした。
この炭素繊維10を有機質結合材9で結合して得た摩擦
材4を実施例と同様に第1図のように構成し、直径40mm
の円板型超音波モータを作製した。
材4を実施例と同様に第1図のように構成し、直径40mm
の円板型超音波モータを作製した。
ここで、上記の超音波モータを駆動させた際には、摩
擦材中の繊維はリング状摩擦材の径方向に配列している
ため、摩擦面において、振動体と繊維とは径方向に沿っ
た繊維の軸に対して直角方向でしか摩擦が起こらない。
擦材中の繊維はリング状摩擦材の径方向に配列している
ため、摩擦面において、振動体と繊維とは径方向に沿っ
た繊維の軸に対して直角方向でしか摩擦が起こらない。
この円板型超音波モータを駆動させたところ、騒音の
発生はなく、600gf・cmの大きな起動トルクと700rpmの
無負荷回転数が得られた。
発生はなく、600gf・cmの大きな起動トルクと700rpmの
無負荷回転数が得られた。
また、回転方向とは逆方向に300gf・cmの負荷をかけ2
50rpmの回転速度で回転させたところ、経時的な回転数
の低下も認められず、1000万回転後も安定したモータ性
能を示した。
50rpmの回転速度で回転させたところ、経時的な回転数
の低下も認められず、1000万回転後も安定したモータ性
能を示した。
さらに、1000万回転後の摩擦材の摩耗減少厚さを測定
したところ、12μmと非常に少なく、1000万回転後も起
動トルク、無負荷回転数共に初期とほとんど変化がな
く、安定したモータ性能も維持していた。しかも、1000
万回転後、相手材であるステンレス製振動体の摩耗減少
厚さを測定したが、1μm以下であり、ほとんど摩耗し
ていなかった。
したところ、12μmと非常に少なく、1000万回転後も起
動トルク、無負荷回転数共に初期とほとんど変化がな
く、安定したモータ性能も維持していた。しかも、1000
万回転後、相手材であるステンレス製振動体の摩耗減少
厚さを測定したが、1μm以下であり、ほとんど摩耗し
ていなかった。
(比較例) 比較のため、炭素繊維の連続糸(東邦レーヨン社製、
ベスファイト)を一方向に引き揃えた繊維束にビスマレ
イミド・トリアジン樹脂(三菱ガス化学社製、BT2160)
を含浸して一方向性プリプレグを作成後、これを積層
し、加熱加圧成形して、第6図に示すように有機質結合
材13としてビスマレイミド・トリアジン樹脂を用い、炭
素繊維14が動体の進行方向に関係なく一方向に配列した
繊維含有率が65重量%である厚さ0.5mmの繊維強化プラ
スチックを得た。これを摩擦材として使用する際には、
リング状に切断し動体に接着後、表面部を研磨して厚み
を0.3mmとした。
ベスファイト)を一方向に引き揃えた繊維束にビスマレ
イミド・トリアジン樹脂(三菱ガス化学社製、BT2160)
を含浸して一方向性プリプレグを作成後、これを積層
し、加熱加圧成形して、第6図に示すように有機質結合
材13としてビスマレイミド・トリアジン樹脂を用い、炭
素繊維14が動体の進行方向に関係なく一方向に配列した
繊維含有率が65重量%である厚さ0.5mmの繊維強化プラ
スチックを得た。これを摩擦材として使用する際には、
リング状に切断し動体に接着後、表面部を研磨して厚み
を0.3mmとした。
この炭素繊維14を有機質結合材13で結合して得た摩擦
材4を実施例1と同様に第1図のように構成し、直径40
mmの円板型超音波モータを作製した。
材4を実施例1と同様に第1図のように構成し、直径40
mmの円板型超音波モータを作製した。
ここで、上記超音波モータを駆動させた際には、摩擦
材中の繊維は一方向にしか配列していないため、摩擦面
において、振動体と繊維とは繊維の軸方向に対して常に
異なる角度で摩擦が起こる。
材中の繊維は一方向にしか配列していないため、摩擦面
において、振動体と繊維とは繊維の軸方向に対して常に
異なる角度で摩擦が起こる。
この円板型超音波モータを駆動させたところ、初期に
は起動トルク、無負荷回転数共に実施例3とほぼ同等の
値を示したが、騒音の発生が認められた。
は起動トルク、無負荷回転数共に実施例3とほぼ同等の
値を示したが、騒音の発生が認められた。
また、回転方向とは逆方向に300gf・cmの負荷をかけ2
50rpmの回転速度で回転させたところ、経時的に回転数
の変動が認められ、1000万回転後には回転数は180rpmに
低下した。
50rpmの回転速度で回転させたところ、経時的に回転数
の変動が認められ、1000万回転後には回転数は180rpmに
低下した。
さらに、1000万回転後の摩擦材の摩耗減少厚さを測定
したところ、実施例1〜3とは異なり摩擦材は均一に摩
耗しておらず、平均して50μmも摩耗しており、1000万
回転後の起動トルク、無負荷回転数は共に初期に比べて
低下していた。しかも、1000万回転後、相手材であるス
テンレス製振動体の摩耗減少厚さを測定したところ、平
均して5μm程度摩耗していた。
したところ、実施例1〜3とは異なり摩擦材は均一に摩
耗しておらず、平均して50μmも摩耗しており、1000万
回転後の起動トルク、無負荷回転数は共に初期に比べて
低下していた。しかも、1000万回転後、相手材であるス
テンレス製振動体の摩耗減少厚さを測定したところ、平
均して5μm程度摩耗していた。
発明の効果 以上本発明によれば、有機質結合材を結合材とし、動
体の進行方向に対して一定方向の配列状態で炭素繊維が
配列された繊維強化プラスチックからなる摩擦材を、圧
電体により進行波を発生する振動体と動体との間に介在
させることにより、長時間駆動させても摩擦材の摩耗量
は著しく少なく、しかも摩擦材が振動体表面を攻撃し傷
つけることがほとんどないため、経時的に摩擦接触状態
がほとんど変化せず、均一な摩擦接触状態を維持するこ
とができ、しかも摩耗によるモータ特性の劣化がなく、
長寿命で無騒音の超音波モータを得ることができる。
体の進行方向に対して一定方向の配列状態で炭素繊維が
配列された繊維強化プラスチックからなる摩擦材を、圧
電体により進行波を発生する振動体と動体との間に介在
させることにより、長時間駆動させても摩擦材の摩耗量
は著しく少なく、しかも摩擦材が振動体表面を攻撃し傷
つけることがほとんどないため、経時的に摩擦接触状態
がほとんど変化せず、均一な摩擦接触状態を維持するこ
とができ、しかも摩耗によるモータ特性の劣化がなく、
長寿命で無騒音の超音波モータを得ることができる。
第1図は本発明の一実施例の超音波モータを示す一部切
欠分解斜視図、第2図はその要部の摩擦材を説明する部
分断面図、第3図、第4図は同実施例における摩擦材中
の炭素繊維の配列状態を示す平面図、第5図は比較例に
おける摩擦材中の炭素繊維の配列状態を示す平面図であ
る。 1……圧電体、2……振動体、3……動体、4……摩擦
材、5,7,9,13……有機質結合材、6,8,10,14……炭素繊
維。
欠分解斜視図、第2図はその要部の摩擦材を説明する部
分断面図、第3図、第4図は同実施例における摩擦材中
の炭素繊維の配列状態を示す平面図、第5図は比較例に
おける摩擦材中の炭素繊維の配列状態を示す平面図であ
る。 1……圧電体、2……振動体、3……動体、4……摩擦
材、5,7,9,13……有機質結合材、6,8,10,14……炭素繊
維。
フロントページの続き (72)発明者 米野 寛 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−22479(JP,A) 特開 昭63−305767(JP,A) 特開 昭60−200779(JP,A) 実開 昭62−195391(JP,U)
Claims (1)
- 【請求項1】圧電体の振動により進行波を発生する振動
体と、摩擦材をその一表面に有し前記摩擦材を介して前
記振動体に加圧接触される動体を具備し、前記振動体と
前記摩擦材との間の摩擦力によって前記動体を駆動する
超音波モータであって、 前記加圧接触を、炭素繊維と有機質結合材からなる炭素
繊維強化プラスチックであって、前記炭素繊維を前記動
体の移動方向に対し、直交して規則正しく配列させた摩
擦材を介して行うことを特徴とする超音波モータ。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62298953A JP2604764B2 (ja) | 1987-11-26 | 1987-11-26 | 超音波モータ |
US07/274,967 US4963781A (en) | 1987-11-26 | 1988-11-22 | Ultrasonic motor |
EP88119483A EP0317976B1 (en) | 1987-11-26 | 1988-11-23 | Ultrasonic motor |
DE3850356T DE3850356T2 (de) | 1987-11-26 | 1988-11-23 | Ultraschallmotoranordnung. |
KR1019880015626A KR910003671B1 (ko) | 1987-11-26 | 1988-11-26 | 초음파 모우터 |
US07/527,857 US5059849A (en) | 1987-11-26 | 1990-05-24 | Ultrasonic motor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62298953A JP2604764B2 (ja) | 1987-11-26 | 1987-11-26 | 超音波モータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH01138979A JPH01138979A (ja) | 1989-05-31 |
JP2604764B2 true JP2604764B2 (ja) | 1997-04-30 |
Family
ID=17866320
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62298953A Expired - Lifetime JP2604764B2 (ja) | 1987-11-26 | 1987-11-26 | 超音波モータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2604764B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JPS62193568A (ja) * | 1986-02-17 | 1987-08-25 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 超音波モ−タ |
JPH0537673Y2 (ja) * | 1986-05-29 | 1993-09-22 | ||
JP2668681B2 (ja) * | 1987-06-04 | 1997-10-27 | 松下電器産業株式会社 | 超音波モータ |
-
1987
- 1987-11-26 JP JP62298953A patent/JP2604764B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01138979A (ja) | 1989-05-31 |
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