JPH03285574A - 振動波モータ - Google Patents

振動波モータ

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JPH03285574A
JPH03285574A JP2084492A JP8449290A JPH03285574A JP H03285574 A JPH03285574 A JP H03285574A JP 2084492 A JP2084492 A JP 2084492A JP 8449290 A JP8449290 A JP 8449290A JP H03285574 A JPH03285574 A JP H03285574A
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JP
Japan
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vibration wave
moving body
wave motor
vibration
matrix resin
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JP2084492A
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Inventor
Takayuki Shirasaki
白崎 隆之
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電気−機械エネルギー変換素子に電圧を印加す
ることにより振動体に進行性振動波を生じさせ、これに
接触する部材との間で、摩擦駆動による相対移動を起こ
させる振動波モータに関するものである。
(従来の技術) 振動波モータは、進行性振動波を生ずる振動体とこれに
摩擦接触される移動体とから構成されるものであり、従
来の振動波モータ、特に大出力型の振動波モータの具体
的構成を第6図に基づいて以下−測的に説明する。
進行性振動波を生ずる振動体2は、例えばステンレス製
等の円環状弾性体の裏面に、同一円環形状の薄い圧電素
子群1を固着して形成される。そしてこの弾性体の表面
は移動体7が接触される摩擦駆動面をなすため、摩擦駆
動面として必要な特性をもつように、例えばタングステ
ンカーバイド及びコバルトからなる超硬材料を溶射し更
に研磨等して硬質の摺動面とされる。
一方、上記振動体の摺動面に加圧接触される移動体7は
、例えばアルミ合金等の金属製の円環状支持体5に、摺
動体6を固着積層して形成されるものであり、−船釣に
は次のようにして作成されたものが用いられている。す
なわちガラス転移点が100℃以上の熱可塑性樹脂、具
体的にはポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PA
I)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエ
ーテルケトン(PEEK) 、ポリエーテルスルホン(
PES)、ボリアリレート(PAR) 、ポリスルホン
(PSF) 、芳香族ポリアミド(PA)等の耐熱性樹
脂に、炭素繊維等の強化材を充填含有させたものを材料
として、この材料で円筒状の成形品を作製し、次にこの
円筒成形品から、軸に直角に厚みlll1a1程度のリ
ング円板状を切り出して、上記摺動体6を作る。このよ
うにして作られた複合樹脂製の材料からなるリング円板
状の摺動体6を、上記アルミ合金等の支持体5に耐熱性
接着剤で固着し、その後、複合樹脂製の摺動体6の内径
、外径及び摺動面厚みを削って寸法出しを行ない、更に
摺動面を研磨して移動体7としていた。
なお第6図の例において上記移動体7は、中間部材15
に対しゴム製の弾性シート部材17を介し結合されてい
るが、これは、移動体7が振動体2の進行性振動波によ
り摩擦駆動される際に該移動体7に発生する振動を遮断
して、中間部材15或いは出力軸lO等の動力伝達部に
伝えないためである。
また上記従来の振動波モータにおいて移動体の摺動面を
形成するためにガラス転移点が100℃以上の熱可塑性
樹脂をマトリックス樹脂とした複合樹脂製の摺動体を用
いているのは、かかる耐熱性樹脂は、材料物性の温度依
存性が小さく、モータ駆動時における温度上昇に対し樹
脂材の軟化に起因するトルクダウンを防止し、モータの
性能を安定化するためである。
また、複合樹脂製の摺動体に炭素繊維等の強化材を配合
しているのは、例えばタングステンカーバイド及びコバ
ルトで形成した振動体側の超硬摺動面に接触する移動体
の摺動面の性状を常に安定させ、また大きな負荷トルク
で長時間駆動させる場合にも、移動体の摺動面に十分な
耐摩耗性を保証すること、及び摺動体の弾性率或いは熱
伝導率を大きくして、振動波モータの出力や効率を向上
させるためである。
(発明が解決しようとする課題) 上述のように、振動波モータにおける移動体の摺動面を
提供する部材として、ガラス転移点が100℃以上の耐
熱性熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂とし、これに炭素
繊維等を充填した強化型複合樹脂製の摺動体を用いた従
来の振動波モータは、移動体を振動体の超硬材料面に対
し大きなトルクで長時間摩擦駆動しても、耐摩耗性は高
く、更に出力、効率等のモータ性能も高い値を示すもの
であった。
しかしながら、反面において、上記従来構成の振動波モ
ータは、定格でモータを連続運転した場合に定格トルク
に対し5%以上のトルクムラがあった。
また、例えば定格運転条件として決めた4kg−cm 
、 100 rpmで連続運転を開始すると、摩擦摺動
面の温度上昇と共に、トルクのうねりが発生する問題も
あった。
また更に、無負荷時あるいは低負荷のトルクで駆動した
場合に、摺動摩擦に由来すると推定される所謂「鳴き」
の現象が発生するという問題もあった。
また上記のような振動波モータの特性上の問題とは別に
、円筒成形品から切り出して摺動体を形成しているため
、移動体の製作上、切り出した摺動体の素材とこれと接
着一体止する支持体の接着面をまず適当な粗さの面に研
磨し、次に耐熱性接着剤を塗布してこれらを加圧接触さ
せた状態で例えば60℃の電気炉に数時間放置し、その
後、更に外径や内径等を削って寸法出しを行ない最終的
な摺動面を研磨して仕上げを行なうという一連の加工が
必要であり、このような製作加工上の問題から手間と時
間かかり、低コスト化が難しいという問題もあった。
更に加えて、振動波モータの構造上の問題として、振動
体に対し加圧接触した移動体から回転を取出す場合に、
出力軸lOに振動が伝わるため、移動体7と出力軸10
の間にゴム製弾性シート17を介挿したり、アルミ合金
製の中間部材15を介挿することが必要となって、その
公吏に加工工数増加や部品増加で製品の高コスト化を招
(問題があった。
本発明者はこれらの問題を解消するために鋭意研究、開
発を重ね、例えば上記トルクムラは、摺動体に充填され
た強化繊維の部分的な不均一性や、繊維の配向方向の不
均一性に影響されるからその改善を図り、また上記トル
クのうねりは、より高い耐熱性の素材を用いることで改
善できることを知見した。
更に、移動体の振動を出力軸に伝えることなく上記弾性
シートの省略により、部品点数の削減、加工工数の低減
化を図ることを検討した。
本発明は以上のような従来例における種々の問題の解消
を目的とし、また上述した種々の知見に基ずいてなされ
たものであり、その一つの目的は、定格稼動時のトルク
のうねり或はトルクのムラを減少でき、また無負荷時或
いは低負荷時の駆動に際しての「鳴き」を解消すること
ができ・る新規な構成の振動波モータの提供することに
ある。
また本発明の別の目的は、移動体と出力軸の間を弾性シ
ートを介挿することなく一体に固着することを可能とし
、上記振動波モータの移動体として要求される改善した
特性を満足しつつ、しかも容易な加工によって製作する
ことができる新規な振動波モータを提供するところにあ
る。
(課題を解決するための手段) 上記目的を実現するためになされた本発明の振動波モー
タの特徴は、相対的に摩擦駆動する一方の部材である移
動体を、ガラス転移点が100°C以上、好ましくは1
40℃以上の熱可塑性樹脂、更に好ましくは液晶性の芳
香族ポリエステルをマトリックス樹脂としてこれに周方
向に配向された繊維状強化材、及び必要に応じて潤滑材
を配合した複合樹脂製の成形品として形成させると共に
、この移動体の回転を取出す回転軸に対し直接固着させ
たという構成をなすところにある。
このように構成した本発明の特徴の一つは、移動体を形
成する複合樹脂製の部材が、ガラス転移点100℃以上
の熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂として用いたことに
ある。またもう一つの特徴は、かかる複合樹脂製の部材
で形成される移動体を、回転を取出す出力軸に直接固着
し、これによって従来の移動体を出力軸に連結するため
に用いられていた中間部材や弾性シートを省略したとこ
ろにある。
本発明の上記特徴を満足させるために用いられる熱可塑
性樹脂は、ガラス転移点が100℃以上、好ましくは1
40〜275℃の範囲の樹脂、特に好ましくは液晶性の
芳香族ポリエステルを用いることが望ましい場合が多い
このような樹脂として用いることができるものとして具
体的には、例えばポリイミド(PI)、ポリアミドイミ
ド(PAI) 、液晶性を示す芳香族ポリエステル樹脂
等を例示することができ、特に好ましくは液晶性の芳香
族ポリエステル樹脂、例えばベクトラ(商品名:セラニ
ーズ社製)、ザイダー(商品名:ダートコ社製)、及び
エコノール(商品名:住友化学社製)等を例示できる。
また本発明の振動波モータのもう一つの特徴は、上述し
たように、複合樹脂製の移動体を、例えばボルト等で、
回転を取出す出力軸に一体に固着させた構成をなすとこ
ろにある。
かかる構成において移動体に生じた振動を出力軸に伝達
せず回転のみを伝達する性質を好ましく実現するには、
移動体を形成する複合樹脂製の材料が、振動体と加圧接
触して摩擦駆動される移動体性質として、周方向に関し
十分な強度、耐摩耗性を有するが、他方、移動体に発生
する振動を出力軸に伝達しないように、出力軸方向に関
して容易にたわむことができる性質を同時に満足するこ
とが望まれる。これらの要求を満足するために、複合樹
脂製の移動体に、好ましくは、繊維状強化材、例えば炭
素繊維、グラフディト繊維、カーボンウィスカ又はチタ
ン酸カリウムウィスカの繊維状強化材から選ばれた一又
は二以上の繊維状強化材、特に好ましくはマトリックス
樹脂に対し重量比で10〜40%の炭素繊維を配合し、
更に移動体を射出成形(例えば1点サイドゲート法)に
より形成させて、繊維を移動体の移動方向に配向させた
ものであることが望ましい。このように繊維状強化材を
移動体の移動方向、リング型移動体でいえば周方向に配
向させることによって、移動体の弾性率を、周方向には
大きいが、法線方向には小さくした異方性を与えること
ができる。これにより上記出力軸方向に関する易たわみ
性が確保される。また周方向に関しての面性状、強度が
均一化されて定格連続運転時のトルクムラ、トルクのう
ねりが改善され、更に上記異方性により、無負荷回転時
の「鳴き」防止の改善にも有益である。
また上記繊維状強化材を配合した移動体には、潤滑剤と
してフッ素樹脂の少なくとも1種以上、及び鉛酸化物の
1種以上を配合することが好ましい。これらの潤滑剤の
配合により振動体摩擦面にフッ素樹脂の被膜を転移させ
、潤滑性の改善と高温での摺動で摩擦係数を安定させる
という作用が得られる。このような観点から配合される
潤滑剤として具体的には、フッ素樹脂としてはポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)が例示され、鉛酸化物
としては酸化鉛(pbo)が例示される。これらの潤滑
剤の配合量は、マトリックス樹脂に対し重量比でフッ素
樹脂は5〜40%、酸化なまりの場合は5〜30%の割
合で配合するの適当である場合が多い。配合量が多いと
摩擦係数は小さくなるが、材料的な強度、耐摩耗性が低
下するという問題があり、反対に配合量が少ないとやは
り耐摩耗性に欠け、摩擦係数の不安定さを招く問題があ
る。
本発明の振動波モータの移動体は、従来の円筒からリン
グ円板状の摺動体を切り出して金属製の支持体に加圧接
着した移動体と比べて多くの工程が不要となり、大幅な
低コスト化が実現できる。
なお本発明の移動体は、振動体との摩擦駆動に必要な平
面度や面の粗らさを得るために必要に応じて研磨され、
モータの初期特性と経時特性の差をなくすように繊維状
強化材が摺動面に現われるようにされることが好ましい
。また移動体の摺動面に対して、振動体が十分な耐摩耗
性を持るために、振動体の摺動面をタングステンカーバ
イド及コバルトからなる超硬材料の硬質面(例えばビッ
カース硬さHv= 1200程度)に形成させることも
望ましい。
(実施例) 以下本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
第1図は本発明による振動波モータの一実施例を示す縦
断面図である。
この図において、2はステンレス等の金属部材からなる
円環状の振動体基板であり、その裏面側には、薄い円環
形状の圧電素子群1が耐熱性のエポキシ樹脂系接着剤で
同心的に固着され、また表面側の摺動面は、進行性振動
波の振動振幅を大きくとるために周方向に多数の溝部が
軸方向に切り込まれて櫛歯状をなしている。
3は高熱伝導性の金属材からなる筐体であり、その中心
部に第1のボール軸受11が設けられると共に、この第
1のボール軸受11の軸心と同心的に上記振動体2がネ
ジ4で固定されている。
110は中間にフランジ部110cが形成された出力軸
であり、その一端部側110aは上記第1のボール軸受
11の内輪に軸方向摺動が可能に貫通支持され、また他
端部側110bは、後記する第2のボール軸受12の内
輪及び後記するバネ圧調整ナツト部材18の軸孔に軸方
向摺動自在かつ回転自在に貫通している。。
107は移動体であり、本例では例えば厚み1mmの環
状体として、後述する配合及び構造をもった複合樹脂製
の部材として射出成形法により形成さている。
またこの移動体107は、上記出力軸110のフランジ
部110Cと締結ボルト116により一体に固着される
と共に、その摺動面は、フランジ部110cと第2のボ
ール軸受12との間に弾性的に装着されたコイル状の圧
縮バネ14による軸加重で、振動体2の摺動面に加圧接
触されている。
8は振動波モータの筐体カバーであり、ネジ9により筺
体3に固定されている。そしてその中央部に形成された
軸受嵌合孔8bには第2のボール軸受12が軸方向摺動
可能に嵌合され、更にこの軸受嵌合孔8bの内周面には
、螺子部8Cが形成されてバネ圧調整ナツト部材18が
螺着されている。バネ圧調整ナツト部材18は、第2の
ボール軸受12の外輪12aにのみ接し、また第2のボ
ール軸受12の内輪12bは出力軸110に対して軸方
向摺動可能でかつ回転可能に設けられていて、バネ圧調
整ナツト部材18に形成された2個の小孔18a、 1
8aに例えば先端部に2本の差し込み棒が形成された治
具(図示せず)の該差し込み棒を差し込んで時計方向に
回すことで、このバネ圧調整ナツト部材18が図中左方
向に螺進しながら・第2のボール軸受12を同方向に押
し圧縮バネ部材14を縮めてバネ力を大きくし、また逆
方向に回すと圧縮バネ部材14を広げてバネ力を弱くで
きるようになっており、これにより、バネのたわみによ
る出力軸110の軸荷重調整が可能とされている。なお
出力軸110の軸荷重調整後には、通常筐体カバー8の
小孔8aから接着剤を流し込み、第2のボール軸受12
の外輪12aを筐体カバー8に固着される。
また、圧縮バネ部材14の一端と第2のボール軸受12
との間には、第2のボール軸受12の内輪12bにのみ
当接するスペーサ13が配置され、このスペーサ13に
圧縮バネ部材14の一端が当接し、出力軸110が支障
な(スムーズに回転できるようにしている。なお、圧縮
バネ部材14には、たわみに対する軸荷重の変動を小さ
くするためにバネ定数の極力小さなものが好ましく用い
られる。
119は、第2のコイル状の圧縮バネであり、第1のボ
ール軸受11の内輪11aと出力軸110のフランジ部
110cとの間に、出力軸110の回転ブレを無(すた
めに第1のボール軸受のガタをなくように設けられてい
る。
なお上記した振動体2の圧電素子群1は、第2図に示す
ように、夫々図示の如く分極処理された駆動用のA圧電
素子群1a及びB圧電素子群1bと、振動状態を検出す
る2つの振動検出用圧電素子1cと、接地用の共通電極
1dから構成され、B圧電素子群1bはA圧電素子群1
aに対し、周方向に関し励起されるべき振動数の波長(
え)の1/4だけずれたピッチで配置されている。
そしてA圧電素子群1aとB圧電素子群1bに、互いに
位相が90°異なる周波電圧を印加することにより、振
動体2の表面に進行性振動波が発生し、この振動体2に
上述の如(加圧接触された移動体107が摩擦駆動され
、中間部材15を介して出力軸110を回転させる。
第3図は、第1図で説明した本例のリング状移動体10
7を成形する方法を説明するための図であり、この図か
ら分かるように、本例においては、ガラス転移点が10
0℃以上の熱可塑性樹脂の素材に炭素繊維(グラファイ
ト繊維、カーボンウィスカ、チタン酸カリウムウィスカ
であってもよい)を含有させ、射出成形により該繊維状
強化材をリングの周方向に配向させている。
例えば第3図(a)は1点すイドゲート方式の射出成形
法を示し、リング円板のキャビティをもつ型内に1点の
サイドゲートから繊維状強化材含有の熱可塑性樹脂素材
を射出し、該素材の流動により含有繊維を周方向に配向
させるようにしている。また第3図(b)は1点ビンゲ
ート方式の射出成形法を示し、リング円板の接着面に1
点ビンゲートから熱可塑性樹脂素材を射出して同様に該
素材の流動により含有繊維を周方向に配向させるように
したものである。
これらの射出成形法により複合樹脂製の移動体107が
構成される。
また振動体は、圧電素子部1を、その圧電素子部1の面
方向の熱膨張係数に近く、内部損失の小さい材料である
マルテンサイト系ステンレス製の基板に固着したものを
用いることができる。またこの振動体の表面(すなわち
移動体重07が接触する側の摺動面)は、タングステン
カーバイド及びコバルトを溶射した硬質面(ビッカース
硬さ約Hv=1200)として形成させたものが好まし
い。
以上の構成の振動波モータにつき、本発明の移動体10
7を形成する複合樹脂製の材質を評価するために、上記
第−表の配合からなる移動体を形成した。
なお移動体の成形は、1点サイドゲートの射出成形法に
より行ない、充填した繊維状強化材である炭素繊維の配
向を実体顕微鏡で観察し摺動面の周方向に沿って長手方
向が配列された炭素繊維を調ベハーマンの配向パラメー
タを計算した結果、摺動体における炭素繊維の配向は少
なくとも70%であることが確認された。
また移動体は、圧電素子部1を、その圧電素子部1の面
方向の熱膨張係数に近く、内部損失の小さい材料である
マルテンサイト系ステンレス製の基板に固着したものを
用いた。またこの振動体の表面(すなわち移動体107
が接触する側の摺動面)は、タングステンカーバイド及
びコバルトを溶射した硬質面(ビッカース硬さ約Hv=
1200)として形成させたものを用いた。
第   −表 ただし表中の各部材は下記の通りである。
P工:ポリイミド PAI   :ボリアミドイミド PEI   :ボリエーテルイミド PEEK   :ポリエーテルエーテルケトンPES 
  :ポリエーテルスルホン 芳香族PA:芳香族ポリアミド LCP   :全芳香族ポリエステル PTFE  :ポリテトラフルオロエチレン炭素繊維:
平均線径7μm、平均長さ300μmを表わす。
この移動体を第1図の構成の振動波モータに組み込み、
モータの性能を試験した。その結果、トルクのうねりが
改善されたことが確認された。
またトルクムラは、上記移動体においては、炭素繊維が
摺動面の周方向に配向されて周方向の弾性率に比べて法
線方向の弾性率が小さく、摺動面性状の均一化が得られ
ることに起因するためと考えられるが、トルクムラは小
さくこの点において改善された。
また無負荷時或いは低負荷時での「鳴き」の発生は、マ
トリックス樹脂に芳香族ポリエステル(実施例7)を採
用した場合には見られなかった。
また芳香族ポリエステル樹脂をマトリックス樹脂として
用いた例においては、第4図に示すように溶融時に分子
鎖が折れ曲がり難く、冷却すると分子がその流動方向に
配向したまま固化するいわゆる液晶性ポリマーであるた
め、その成形品は第5図に示したように多層構造を持つ
。またその成形品の表面では金型面との剪断で分子鎖が
流動方向への強い配向層を形成するので、移動体の移動
方向に関しては十分な強度と弾性を有するが、流動方向
に直角な方向には、その曲げ弾性率が上記移動方向に比
べて1/4と易たわみ性の異方性を示すことになる。こ
のため、このように形成された移動体を用いて振動波モ
ータを構成させる場合には、この移動体を出力軸に直接
固着してもそのゴムのような高い振動減衰特性によって
、出力軸に振動が伝わることの弊害はない。またいわゆ
る「鳴き」の現象も抑制できる。
なお振動波モータの出力を例えば定格4 kgcmで比
較すると、芳香族ポリエステルに炭素繊維を重量比で3
0%充填した材料が7.0W以上と最も大きく、次いで
一連の熱可塑性樹脂に炭素繊維を重量比で20%或は3
0%充填した材料が、5.0〜5.7Wの範囲にあり、
全ての材料で定格出力(4,1W)を満足していた。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明の振動波モータは、移動体
の摺動体を形成するために従来用いられていた熱可塑性
樹脂に替えて、ガラス転移点が100℃以上、好ましく
は140℃以上の熱可塑性樹脂、特に好ましくは液晶性
の芳香族ポリエステルをマトリックス樹脂として用い、
また最適には炭素繊維等の繊維状強化材、及び四フッ化
エチレン及び鉛酸化物の潤滑剤を配合した複合樹脂製の
材料で移動体を形成し、しかもその成形時の射出成形で
、配合繊維状強化材を移動体の移動方向に配向させるこ
とで、振動波モータの定格稼動時におけるトルクのうね
り或はトルクムラを減少させることが出来、しかも無負
荷時あるいは低負荷時の駆動の「鳴き」を回避すること
ができるという効果がある他、移動体を射出成形品単独
で形成できるため、従来のような移動体形成のための工
程を不要として、低コスト化が可能な新規な振動波モー
タを提供できるという効果がある。
更に移動体を出力軸に直接固着する構成を採用すること
によって、−層の部品点数の削減、加工工数の低減が実
現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用して構成される振動波モータの構
成概要を縦断面図として示した図、第2図は同振動体を
構成する圧電素子群の配置を説明する平面図である。 第3図(a)、(b)は移動体を形成させるための射出
成形法を説明するための図である。 第4図は本発明の振動波モータにおける移動体を、その
素材に芳香族ポリエステルを用い、かつ射出成形法で配
合した繊維状強化材を所定の方向に配向させた場合の構
造を説明するための図であり、第5図はこの場合の強化
繊維の具体的な構造を説明する図である。 第6図は従来の振動波モータの構成例を示した縦断面図
である。 1 :圧電素子群 :振動体 07 :移動体 (他4名) 第 図 第 ■ 図 第 図

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.進行性振動波を生ずる振動体に移動体を接触させ、
    振動体に生じさせた進行性振動波により移動体を摩擦駆
    動して回転させると共 に、移動体に連結されて該移動体の回転を取出すように
    該移動体に連結された回転軸を備えた振動波モータにお
    いて、 上記移動体を、ガラス転移点が100℃以上の熱可塑性
    樹脂をマトリックス樹脂とし周方向に配向された繊維状
    強化材を配合した複合樹脂製の成形品として形成し、か
    つこの移動体の回転を取出す回転軸に一体に固着したこ
    とを特徴とする振動波モータ。
  2. 2.請求項1において、マトリックス樹脂が液晶性の芳
    香族ポリエステル樹脂であることを特徴とする振動波モ
    ータ。
  3. 3.請求項1において、マトリックス樹脂に配合される
    強化材が、炭素繊維、グラファイト繊維、カーボンウィ
    スカ又はチタン酸カリウムウィスカの繊維状強化材から
    選ばれた一又は二以上であることを特徴とする振動波モ
    ータ。
  4. 4.請求項3において、繊維状強化材がマトリックス樹
    脂に対し重量比で10〜40%の炭素繊維であることを
    特徴とする振動波モータ。
  5. 5.請求項1において、マトリックス樹脂に配合される
    潤滑剤が、フッ素樹脂の少なくとも1種以上であるか、
    又は、フッ素樹脂の少なくとも1種以上及び鉛酸化物の
    少なくとも1種以上の組合わせであることを特徴とする
    振動波モータ。
  6. 6.請求項5において、潤滑剤が、マトリックス樹脂に
    対し重量比で10%以下の四フッ化エチレンであること
    を特徴とする振動波モー タ。
JP2084492A 1990-03-30 1990-03-30 振動波モータ Pending JPH03285574A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005287160A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Nikon Corp 振動アクチュエータ

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JP2005287160A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Nikon Corp 振動アクチュエータ

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