JP3160139B2 - 振動波モータ - Google Patents
振動波モータInfo
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Description
に詳細には、振動波モータの構成部材である振動体と移
動体の相互圧接面の構成材料に関するものである。
に、振動体と移動体との間の摩擦を利用して該振動体の
高周波振動の振動エネルギーを該移動体の連続的な機械
運動のエネルギーに変換させる形式の動力発生源である
から、両者の相互圧接面(以下には、移動体に圧接され
る振動体圧接面を被摺接面と記載し、振動体に圧接され
る移動体圧接面を摺接面と記載する。)は耐摩耗性の高
い材質で構成されていることが必要である。
の摺接面は以下のような構成の複合樹脂層で構成され、
一方、振動体の被摺接面は以下のようなニッケル燐基合
金膜で構成されていた。
イミド樹脂、耐熱性の熱可塑性樹脂或いは液晶性の芳香
族ポリエステル樹脂等の母材樹脂に強化材として平均粒
径3〜30μmのカーボンビーズを重量比で10〜40
%充填するとともに必要に応じて潤滑剤として弗素樹脂
を重量比5%以下で充填した複合樹脂で構成された層。
〜3μmの炭化けい素SiCを体積比で8〜20%均一
に分散させたニッケル燐基合金膜を20〜30μmの厚
さで形成し、該合金膜を300〜400℃で熱処理した
後のビッカース硬さ(Hv)が900〜1400の合金
膜。
移動体の摺接面を前記複合樹脂層で構成しているのは、
この組合せによると振動体の被摺接面に摩耗が発生せ
ず、一方、移動体の摺接面の摩耗を極力小さくでき、し
かも両面の摩擦係数を大きくできるためである。
非熱可塑性の芳香族ポリイミド、耐熱性の熱可塑性樹脂
(たとえばポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、
ポリエーテルニトリル等)及び液晶性の全芳香族ポリエ
ステル等が使用されるが、これらの樹脂は超耐熱性を示
し、材料物性も温度依存性が比較的小さく、モータ駆動
時の温度上昇に対しても樹脂材の軟化に起因するトルク
ダウン現象も発生せず、モータの性能及び精度を安定に
保つことができるからであった。
振動波モータにおいて、たとえば、強化材としてカーボ
ンビーズを重量比で30%含有し、潤滑剤として弗素樹
脂を重量比で5%充填したポリエーテルニトリルの複合
樹脂を移動体の摺接面に使用し、この振動体を用いたモ
ータを連続運転して回転精度を調べると、ワウフラッタ
ー値が許容値以下になることはないが、ワウフラッター
値の変動幅がやや大きく、該モータを分解してみると摩
耗粉が相対的に多かった。
ーズを重量比で30%充填したポリエーテルニトリルの
複合樹脂を振動体の複合樹脂層として用いたモータで連
続運転した時の回転精度を調べてみると、一時的に精度
が低下し、ワウフラッター値の許容値を満たさない現象
が見られた。該モータを分解してみると、SiCを共析
したニッケル燐基合金膜で構成されている振動体の被摺
接面の一部に移動体の摺接面の構成材料たる前記複合樹
脂が付着していた。
特性を有しており、従来型の振動波モータで移動体の該
複合樹脂層に弗素樹脂を充填するのは振動体の該被摺接
面に弗素樹脂の膜を形成させて潤滑性を向上させるとと
もに該複合樹脂層の摩耗の減少を図り、また、振動体の
被摺接面に発生した摩耗粉が付着するのを防止して常に
一定の摩擦係数を維持するためであった。
樹脂層の機械的強度が低下して摩耗粉量は増大すること
になり、結果的に振動波モータの回転に脈動が生じて回
転が安定せず、しかも摩耗粉の発生のために寿命を短く
することになる。
て、振動体の複合樹脂層のコストが高いという問題があ
った。
ては温度特性或いは機械的特性の面で高性能なスーパー
エンジニアリングプラスチック(以下にはスーパーエン
プラと略記)を使っているが、スーパーエンプラは樹脂
自体が高価格であり、更に、複合樹脂層の母材樹脂が非
熱可塑性のポリイミドの場合は丸棒状の圧縮成形品か
ら、また、母材樹脂が熱可塑性樹脂及び液晶性樹脂等の
場合は射出成形品から、それぞれ削り出しで所定の寸法
の複合樹脂を形成しているため加工費が高い。
も摩耗が少なく、また、製造コストが安価な、改良され
た振動波モータを提供することである。
に、本発明の第一の振動波モータでは、移動体の摺接面
を以下の如き複合樹脂製摺動体で構成し、振動体の被摺
接面を以下の如き合金膜で構成した。
構成;母材樹脂として非熱可塑性のポリイミド(P
I)、液晶性の芳香族ポリエステル(LCP)と各種の
熱可塑性樹脂を複合するとともに平均粒径3〜30μm
のカーボンビーズを希ましくはガラス状カーボンを重量
比で10〜40%配合充填した複合樹脂層で構成した。
ば、結晶性であるポリイミド(PI),ポリアミドイミ
ド(PAI),ポリエーテルエーテルケトン(PEE
K),ポリエーテルニトリル(PEN)、及びポリフェ
ニレンサルファイド(PPS)等があり、また、非晶性
を示すポリエーテルイミド(PEI),ポリエーテルス
ルホン(PES),ポリアリレート(PAR),ポリス
ルホン(PSF),変性ポリフェニレンオキサイド(P
PO)及びポリカーボネート(PC)等が挙げられる。
を重量比で1.5〜8.5%共析したニッケル燐基合金
膜であり、熱処理後のビッカース硬さ(Hv)が400
〜900のもの。
本発明の第一の振動波モータにおいては、運転初期の摩
擦駆動で振動体の被摺接面に弗素樹脂の均一のフィルム
状膜を形成させて潤滑性を向上させることにより移動体
の摺接面からの摩耗粉の発生を少なくするとともに、振
動体の被摺接面への該摩耗粉の付着を少なくし、振動波
モータの回転精度の低下を回避し、また、寿命を長くす
ることができる。
ては、移動体の摺接面を構成する複合樹脂製の摺動体を
以下の構成とし、振動体の被摺接面を以下の構成とし
た。
体の構成;弗素樹脂とポリオキシベンゾイル(PO
B)、或いは弗素樹脂とポリイミド、等の組合せから成
る樹脂組成物に平均粒径3〜30μmのカーボンビーズ
を充填したもの。
を共析したニッケル燐基合金膜。
る本発明の第二の振動波モータにおいては、前記第一の
振動波モータと同様に両者の運転初期の摩擦駆動により
振動体の被摺接面に弗素樹脂のフィルムが形成されるの
で該移動体の該複合樹脂層から発生する摩耗粉の発生量
が少なく、また、振動体の被摺接面への該摩耗粉の付着
も少なくすることができ、従って、摩擦係数が安定した
高精度の回転特性の振動波モータが得られる。
造コストが従来のものよりも安くなることである。すな
わち、弗素樹脂にポリオキシベンゾイル(POB)を配
合したものや、弗素樹脂にポリイミド(PI)を配合し
た樹脂組成物は比較的安価であり、また、カーボンビー
ズを充填した前記組成の複合樹脂層は丸棒状の圧縮成形
品から厚さ0.3mm程度のスクライビングシート材と
して加工した後に打ち抜きで製作することができるため
加工費が安価である。
説明する。
ータの実施例を示す縦断面図、図2は該モータの電極構
成図、図3はステータ(振動体)側面図、図4は加圧用
の圧縮ばね部材である。図5は本発明の第二実施例の振
動波モータにおける図1と同じ図である。
圧電素子で、弾性材料からなり、λ/2あたり4個の突
起を等間隔で全周にわたり形成した振動体2に電極面全
面を固着してステータを構成している。圧電素子1の他
面の電極構成は図2に示すとおり、励起されるべき振動
の波長λに対し、交互に逆の伸縮極性となるようλ/2
ピッチで分極された駆動用のA電極群(A1 〜A8 )及
びB電極群(B1 〜B8 )とこれらA及びB電極間にあ
り、それぞれの電極群の振動状態を検出するλ/4ピッ
チの振動検出用電極SA 及びSB と、他に接地用の三つ
の共通電極Gからなっている。
極群(B1 〜B8 )は3/4λずれたピッチで配置さ
れ、振動検出用電極SA 及びSB はA電極群(A1 〜A
8 )及びB電極群(B1 〜B8 )によるそれぞれ定在波
の実質的に腹の位置を中心として配置されている。
方向に一定幅(t)、深さ(h)のスリットをいれるこ
とで形成される。Hは振動体の全高さである。圧電素子
1の振動検出用の電極SA 及びSB の中央点は振動体2
のスリットの中央点に合致して同心的に振動体2に固着
しているので、結果的に駆動用のA電極群(A1 〜A
8 )及びB電極群(B1 〜B8 )の全ての電極面の中央
点がスリットの中央点に合致している。
筐体で、中心部に第1のボール軸受11の外輪を固着し
ている。10は中間にフランジ部10aが例えば焼ばめ
等で固着された回転軸であり、一端は第1のボール軸受
11の内輪に軸方向摺動可能に支持され、他端は筐体カ
バー8の中心部に外輪を固着した第2のボール軸受12
の内輪に軸方向摺動可能に支持されている。
ジ16で同心的に固定された円盤形状の中間部材であ
り、外周部には環状の移動体7が同心的に嵌合して設け
られている。
6と該摺動体6を接着剤で同心的に固着した、例えばア
ルミ合金から成る支持体5とで構成されており、摺動体
6の摺接面が振動体2の被摺接面に圧接される。
7を介して中間部材15に支持されており、中間部材1
5と第2のボール軸受12の内輪との間に設けられた、
例えば図4に示すようなダイアフラム形状の圧縮ばね部
材14が発生する軸方向力が弾性シート部材17を介し
て支持体5の軸方向に加えられ、この軸方向力により振
動体2の被摺接面に摺動体6が圧接されている。
ており、従って圧縮ばね部材14が軸方向力を発生する
が、この軸方向力は第2のボール軸受12の内輪と圧縮
ばね部材14との間に設けられる不図示のスペーサ部材
により調整される。
る。
特性を示したものであり、表2は本発明の振動波モータ
の主設計仕様である。
本実施例の振動波モータの振動体の材料、硬化処理、及
びマイクロビッカース硬度計で測定した硬度、を示す。
合樹脂層と本発明の振動波モータの移動体の摺接面を構
成する摺動体6のそれぞれの構成材料と、厚みと、を示
す。
ように、ステンレス鋼SUS420J2から成る素材を
所定の寸法に加工し、移動体との摺動面となる面に、平
均粒径が1μm程度のSiCを体積比で12%共析した
Ni−P−SiC合金膜を無電解メッキ法で厚さ25μ
mに形成し、該合金膜を熱処理して硬さがビッカース硬
度で1000程度になるようにして振動体を製作した。
同じく前記ステンレス鋼の素材を所定寸法に加工したも
のに、平均粒径が1μm以下のフッ素樹脂(PTFE)
を重量比で2.5%共析したニッケル燐基合金膜(Ni
−P−PTFE合金膜)を厚さ25μm程度になるよう
に無電解メッキした後、該合金膜を熱処理してビッカー
ス硬さ(Hv)が800程度の合金膜面を形成し、該合
金膜面を被摺接面とする振動体を製作した。
面(すなわち移動体に圧接される面)は平面度が2μm
以下に、面粗さが中心線平均粗さ(Ra)で0.02μ
m以下、になるようにラッピングした。
接面を構成している複合樹脂層と同じ構成の摺動体を作
るために、表4に示した3種の母材樹脂に強化材として
平均粒径10μmのガラス状カーボン(日本カーボン
製、ICB−1020)を所定の重量比で配合した材料
を圧縮成形法または射出成形法で成形した後、所定の形
状及び寸法に切削加工して表4に示す6種の摺動体<1
>〜<6>(移動体の摺接面を構成する摺接面構成体)
を製作した。なお、表4に示す摺動体<1>〜<3>に
は潤滑剤としてフッ素樹脂(PTFE)が重量比で5%
配合してある。
ルボン酸二無水化物と芳香族ジアミンとの縮合体である
非熱可塑性のポリイミドを母材樹脂としている。
ミドを母材樹脂としており、射出成形品を熱処理して結
晶化させたものである。
リエーテルニトリルを母材樹脂としている。
ける複合樹脂製摺動体6の試供体として、表4の<7>
〜<12>までの6種の摺動体を以下のように製作し
た。これらの摺動体においてフッ素樹脂を配合していな
いのは、振動体の被摺接面が前記したようにフッ素樹脂
共析の合金膜として構成されているからである。
び<10>は熱可塑性のポリフェニレンサルファイド及
びポリエーテルスルホンを母材樹脂としたものであり、
また、<11>及び<12>は別種の液晶性の芳香族ポ
リエステルを母材樹脂としている。
金製の支持体5に接着剤で接着されて移動体7が構成さ
れる。該摺動体6は支持体5に接着された後、表面をラ
ッピングにより平面度3μm以下、面粗さが中心線平均
粗さ(Ra)が0.05μmになるように仕上げられ
た。
体と表3に示した振動体とを組合せた振動波モータの評
価結果を表5に示す。評価項目は表1に示した定格、回
転精度、及び相対摩耗量の他に回転精度低下の要因の一
つである振動体被摺接面に対する移動体摺接面からの摩
耗粉の部分付着である。
2.5rpmの時のトルク値が8Kg・cm以上である
場合は〇、7〜8Kg・cmの場合は△、7Kg・cm
以下の場合は×とした。回転精度の評価は33.3rp
mで負荷を1Kg・cmとした時のワウフラッター値が
0.03%RMS以下である場合は〇、0.03〜0.
04%RMSの場合は△、0.04%RMS以下の場合
が×、である。但し、ワウフラッター値の測定は24時
間の連続運転後に行なった。
において無負荷で500時間の連続運転を行なった後の
前記摺動体の摩耗量を相対評価して〇、×、△とした。
また、部分付着の評価は、24時間の連続運転でワウフ
ラッター値を測定する際に特に回転精度が低下した時点
でモータを分解して振動体の被摺接面の全面を顕微鏡で
観察して〇、△、×を決定した。また、回転精度が低下
しなかったモータは24時間の連続運転後に分解して調
べ、前記と同じ評価を行なった。
有する従来の振動体と従来の複合樹脂層の摺動体を有す
る移動体との組合せから成る振動波モータにおいて、非
熱可塑性PI(ポリイミド)を母材とする摺動体<1>
はフッ素樹脂を充填したためか摩耗量が多く、従って相
対摩耗量の評価は×であり、また、回転精度及び定格に
対する評価も共に△であった。
<2>及び<4>は部分付着の評価が△及び×であり、
フッ素樹脂を充填した母材で構成されている摺動体<2
>は回転精度の評価が△であり、いずれも評価結果は相
対的によくなかった。
を母材として構成されている摺動体<3>、<5>及び
<6>もやや部分付着の傾向があり、フッ素樹脂を充填
した摺動体<3>及びガラス状カーボンを増量した摺動
体<6>は部分付着は非常に少ないが、摺動体<5>の
部分付着は△であった。また、回転精度の評価結果は前
記<3>、<5>、<6>ともすべて△であった。
本発明の振動体と前記<4>、<5>、<6>の摺動体
を有する移動体との組合せから成る振動波モータについ
ての評価結果を見ると、<4>及び<5>の摺動体では
部分付着の評価はよいが、回転精度の評価は△であり、
やや不満足なものとなっている。また、前記<6>の摺
動体は回転精度の評価が〇であるとともに全項目の評価
が〇であった。
本発明の振動体と前記摺動体<7>〜<12>を有する
移動体との組合せから成る振動波モータに関する評価結
果を見ると、熱可塑性PPS(ポリフェニレンサルファ
イド)或いはPES(ポリエーテルスルホン)にガラス
状カーボンを重量比で40%配合した摺動体<9>及び
<10>は部分付着及び回転精度の両項目で評価が〇で
あったが相対摩耗量はは△であり、<9>は定格の評価
も△であった。
性PEN(ポリエーテルニトリル)にガラス状カーボン
を重量比でそれぞれ25%及び35%配合した摺動体<
7>及び<8>はすべての評価項目の評価結果が〇で最
もよい結果を示した。
ガラス状カーボンを重量比で30%充填した摺動体<1
1>及び<12>のうち<11>は部分付着と相対摩耗
量の項目の評価は〇であったが、回転精度の評価は△で
あった。しかし、摺動体<12>は<7>及び<8>と
同様に全項目の評価結果が〇であった。
性の芳香族ポリエステルを母材樹脂としているが、この
樹脂は特異な多層構造を有しているため、摺動体の厚み
を0.6mmとして他の試供体よりも薄くして用いた。
の実施例を説明する。なお、図5に示す振動波モータは
第1実施例の振動波モータと同じ圧電素子1を具備して
いる。
いは0.6mmの比較的硬い(硬度の測定にはロックウ
ェル硬度計を必要とする硬さ)複合樹脂製の摺動体6を
アルミ合金の支持体5に固着して移動体を構成していた
が、本実施例では厚さが0.3mm以下の比較的柔らか
くて硬度の測定にはショア硬度計を使用する程度の硬さ
のゴム状弾性体から成る複合樹脂製の摺動体106をア
ルミ合金製の支持体5に固着することにより移動体10
7を構成している。
じであり、表2及び表3に示した構成のものである。
動体106の材料構成と厚さを示したものである。
でフッ素樹脂(PTFE)を70%含みポリオキシベン
ゾイル(POB)を15%含む樹脂組成物に強化材とし
て平均粒径10μmのガラス状カーボン(日本カーボン
製;ICB−1020)を重量比で15%配合して丸棒
形状に圧縮成形した成形体から厚さ0.3mmのスクラ
イビングシートを製作し、該シートからリング状に打ち
抜いて摺動体としたものである。
代りに熱硬化性のポリイミドを重量比で15%配合した
樹脂組成物に強化材としてガラス状カーボンを重量比で
15%配合した材料で前記と同じように丸棒状成形体を
作り、該成形体から前記と同じにシート材から打ち抜き
でリング状の摺動体としたものである。
金製の支持体105に固着して移動体107を構成し、
該移動体107と前記振動体とを組合せて4種の振動波
モータを製作し、これら4種のモータについて前記と同
じ試験を行なって定格、回転精度、相対摩耗量、摩耗粉
の部分付着、の各項目について評価を行なった。
シベンゾイルとから成る樹脂組成物にガラス状カーボン
を配合した摺動体<1>はすべての評価項目の結果が〇
であり、良い結果を示している。
る樹脂組成物で構成された摺動体<2>はやや相対摩耗
量が多く、評価は△であり、定格に対する評価も△であ
った。
本発明の振動体と前記<1>及び<2>の摺動体を有す
る移動体とを組合せた振動波モータにおいては、いずれ
も部分付着、相対摩耗量、回転精度の各項目で〇の評価
を示したが、定格のトルク値がわずかに小さかったので
定格に関しては評価が△となった。
ルクが小さいという理由は、摺動体を構成するゴム状弾
性体の硬度がやや低いのと、厚みが0.3mmではまだ
厚いため、加圧力を増加することが困難なためである。
また、強化材としてのガラス状カーボンの配合量がまだ
不足していると推定された。しかし、これらの点は改善
できることがわかっている。
振動波モータでは、強化材として平均粒径3〜30μm
のカーボンビーズを充填した複合樹脂により移動体の摺
接面を構成する一方、平均粒径が1μm以下の弗素樹脂
を重量比で1.5〜8.5%共析したニッケル燐基合金
膜で振動体の被摺接面を構成したので、振動体の被摺接
面に均一に分散した弗素樹脂のフィルム状膜を形成する
ことができるため複合樹脂の摩耗粉の発生が少なく、該
振動体の被摺接面に対する該摩耗粉の付着を少なくする
ことができ、従って安定した摩擦係数の振動波モータが
実現する。従って、本発明によれば、ワウフラッター値
の小さい、すなわち回転脈動の少ない高精度の振動波モ
ータが提供できる。
オキシベンゾイルとの樹脂組成物或いは弗素樹脂とポリ
イミドとから成る樹脂組成物に平均粒径3〜30μmの
カーボンビーズを充填したゴム状のシート部材として構
成したことにより、材料費及び加工費を従来の振動波モ
ータよりも大幅に安価にすることができ、その結果、本
発明によれば、従来の振動波モータよりも製造コストの
安価な振動波モータを提供できる。
断面図。
示した図。
るための加圧ばねの平面図。
図。
体 8…筐体カバー 10…回転軸 11,12…軸受 14…ばね部材 15…中間部材 17…弾性シート
部材 6,106…複合樹脂製摺動体 5,105…支持
体
Claims (8)
- 【請求項1】 進行波振動を発生する振動体と、該振動
体の被摺接面に圧接されて該進行波振動により該振動体
に対して相対移動する移動体とを有し、該振動体の被摺
接面に圧接される該移動体の摺接面が複合樹脂層で構成
されている構造の振動波モータにおいて、 該振動体の該被摺接面が弗素樹脂を共析したニッケル燐
基合金膜で構成され、該移動体の該摺接面である該複合
樹脂層が平均粒径3〜30μmのカーボンビーンズを充
填した複合樹脂で構成されていることを特徴とする振動
波モータ。 - 【請求項2】 前記ニッケル燐基合金膜は弗素樹脂を重
量比で1.5〜8.5%共析したものであることを特徴とする
請求項1の振動波モータ。 - 【請求項3】 前記ニッケル燐基合金膜は熱処理後のビ
ッカース硬さ(Hv)が400〜900であることを特徴とす
る請求項1の振動波モータ。 - 【請求項4】 前記複合樹脂に充填されたカーボンビー
ズがガラス状カーボンであることを特徴とする請求項1
の振動波モータ。 - 【請求項5】 前記複合樹脂に充填されたカーボンビー
ズの配合量は重量比で10〜40%であることを特徴とする
請求項1の振動波モータ。 - 【請求項6】 進行波振動を発生する振動体と、該振動
体の被摺接面に圧接されて該進行波振動により該振動体
に対して相対移動する移動体とを有し、該振動体の被摺
接面に圧接される該移動体の摺接面が樹脂組成物から成
る複合樹脂層で構成されている構造の振動波モータにお
いて、 該振動体の該被摺接面が弗素樹脂共析のニッケル燐基合
金膜で構成され、該移動体の該摺接面である該複合樹脂
層が樹脂組成物に平均粒径3〜30μmのカーボンビー
ンズを充填した複合樹脂で構成されていることを特徴と
する振動波モータ。 - 【請求項7】 前記樹脂組成が弗素樹脂とポリオキシベ
ンゾイル(POB)とから成ることを特徴とする請求項6
の振動波モータ。 - 【請求項8】 前記樹脂組成物が弗素樹脂とポリイミド
(PI)とから成ることを特徴とする請求項6の振動波モ
ータ。
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