JPH03285573A - 振動波モータ - Google Patents

振動波モータ

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JPH03285573A
JPH03285573A JP2084491A JP8449190A JPH03285573A JP H03285573 A JPH03285573 A JP H03285573A JP 2084491 A JP2084491 A JP 2084491A JP 8449190 A JP8449190 A JP 8449190A JP H03285573 A JPH03285573 A JP H03285573A
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JP
Japan
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wave motor
vibration wave
sliding body
sliding
reinforcing material
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JP2084491A
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Takayuki Shirasaki
白崎 隆之
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電気−機械エネルギー変換素子に電圧を印加す
ることにより振動体に進行性振動波を生じさせ、これに
接触する部材との間で、摩擦駆動による相対移動を起こ
させる振動波モータ関するものである。
(従来の技術) 振動波モータは、進行性振動波を生ずる振動体とこれに
摩擦接触される移動体とから構成されるものであり、従
来の振動波モータ特に大出力型の振動波モータの具体的
構成を一例的に説明すると、上記進行性振動波を生ずる
振動体は、例えばステンレス製等からなる円環状部材で
ある弾性体の裏面側に、同一円環形状の薄い圧電素子群
を固着して形成される。なおこの振動体に移動体が接触
される表面側は、タングステンカーバイド及びコバルト
からなる超硬材料を溶射し更に研磨等して硬質の摺動面
が形成される。一方、この振動体の上記表面に接触され
る部材である移動体は、例えばアルミ合金等の金属製部
材からなる円環状の支持体に、摺動体を固着積層して形
成されており、この摺動体は例えば次のようにして作成
されたものが用いられている。すなわちガラス転移点が
100℃以上の熱可塑性樹脂、具体的にはポリイミド(
PI)。
ポリアミドイミド(FAI)、ポリエーテルイミド(P
EI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)。
ポリエーテルスルホン(PES)、ボリアリレート(P
AR) 、ポリスルホン(PSF) 、芳香族ポリアミ
ド(PA)等の耐熱性樹脂に炭素繊維等の強化材を充填
含有させたものを材料として、この材料で円筒状の成形
品を作製し、次にこの円筒成形品を軸に直角に切り出し
て、例えば厚み1++un程度のリング円板状を上記摺
動体として作る。このようにして作られた複合樹脂製の
材料からなるリング円板状の摺動体は、上記アルミ合金
等の支持体に耐熱性接着剤で固着されて移動体とされる
なお上記振動体と移動体の相対的な移動は、理論的には
いずれが固定でまたいずれが移動するものであってもよ
く、この意味で上記移動体は振動体との間で摩擦駆動に
より相対的に移動する部材を総称するものであるが、−
11Q的には振動体を固定とするのが普通であり、また
説明の便宜上、本明細書の以下の説明においては、振動
体に接触する部材を、摩擦駆動により移動される意味で
の「移動体」と称するものとする。
さて上記従来の振動波モータにおいて、移動・体の摺動
面を形成するために通常ガラス転移点が100℃以上の
熱可塑性樹脂を母材とし、繊維充填により強化した複合
樹脂製の摺動体を用いているのは、かかる耐熱性樹脂は
、材料物性の温度依存性が小さく、モータ駆動時におけ
る温度上昇に対しても樹脂材の軟化に起因するトルクダ
ウンの現象がなく、またモータの性能精度を安定できる
という特性を振動波モータにおける性能に利用するため
である。
また、上記熱可塑性樹脂材に炭素繊維等の強化充填材を
配合しているのは、第1には、例えばタングステンカー
バイド及びコバルトからなる振動体側の超硬材料の摺動
面に対して、移動体の摺動面の性状を常に安定させ、し
かも大きな負荷トルクで長時間駆動の際にも十分な耐摩
耗性を保証するためである。また第2には、摺動体の弾
性率或いは熱伝導率等の材料物性値を大きくすることで
、振動波モータの出力等の性能を向上するためである。
(発明が解決しようとする課題) 上述の通り、振動波モータにおける移動体の摺動面を提
供する部材として、ガラス転移点が100℃以上の耐熱
性の熱可塑性樹脂に炭素繊維等を充填した強化型複合樹
脂製の摺動体を用いた従来の振動波モータは、移動体を
振動体の超硬材料面に対し長時間摩擦駆動しても、耐摩
耗性は高く、出力、効率等のモータ性能も高い値を示す
ものであった。
しかしながら上記従来構成の振動波モータは、上記のよ
うな特性が得られる反面において、定格でモータを連続
運転した場合に、定格トルクに対し5%以上のトルクム
ラが現われるためその改善が望まれた。
本発明者の研究によれば、上記のトルクムラは、摺動体
に充填された強化繊維の部分的な不均一性や、繊維の配
向方向の不均一性に影響されるためと考えられた。
また、例えば定格運転条件として決めた4kg−cm 
、 100 rpmで連続運転を開始すると、摩擦摺動
面の温度上昇と共に、トルクのうねりが発生する等の問
題もあった。
また更に、負荷トルクが大きいときは問題ないものの、
無負荷時あるいは低負荷のトルクで駆動した場合に、摺
動摩擦に基づくいわゆる「鳴き」の現象が発生するとい
う問題もあった。
また上記のような振動波モータの特性上の問題とは別に
、円筒成形品から切り出して摺動体を形成させているた
めに、その作成上の問題として、上記のごとく切り出し
た摺動体の素材とこれと接着一体止する支持体の接着面
を、まず適当な粗さの面に研磨し、次に耐熱性接着剤を
塗布してこれらを加圧接触させた状態で例えば60℃の
電気炉に数時間放置して固着させ、その後、更に外径や
内径等を削って寸法出しを行ない最終的な摺動面を研磨
して仕上げを行なうという一連の加工が必要であり、こ
のような製作加工上の工程数の問題から手間と時間かか
り低コスト化が難しいという問題もあった。
本発明は以上のような問題を解消するためになされたも
のであり、具体的には、定格稼動時のトルクのうねり或
はトルクのムラを減少でき、また無負荷時或いは低負荷
のトルクで駆動した際の「鳴き」を解消できる新規な構
成の振動波モータの提供を目的とする。
また本発明の別の目的は、移動体を、単独の射出成形で
直接形成でき、或いは射出成形したものをそのまま金属
製の支持体と一体化し、これによって、上記した振動波
モータの移動体に要求される改善特性を満足しつつ、か
つ容易な製作を可能とした新規な振動波モータを提供す
るところにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的を実現するためになされた本発明の振動波モー
タの特徴は、複合樹脂製の摺動体を、ガラス転移点が1
00℃以上好ましくは 140℃以上の熱可塑性樹脂を
マトリックス樹脂として、これに繊維状強化材を配合し
て射出成形品を形成させると共に、配合繊維状強化材を
上記射出成形により上記相対移動方向に配向させたとい
う構成をなすところにある。
本発明の振動波モータは、代表的には電気機械エネルギ
ー変換素子からなる駆動相に電圧を印加することにより
、この駆動相が設けられた円環状の振動体に進行性振動
波を生じさせ、この振動体に加圧接触された移動体を摩
擦駆動させる振動波モータとして構成されるものであり
、そのうちの振動体は、従来と同様に、例えばステンレ
ス等の振動体基板の裏面に圧電素子等を接着し、またそ
の表面をタングステンカーバイド、コバルトの超硬材料
を溶射し、更に必要に応じて研磨して摺動面を形成させ
たものや、またニッケルに炭化硅素を共析した無電解ニ
ッケルメッキの硬質面を摺動面として形成させたもの等
を用いることができる。
本発明の特徴の一つは、摺動体(これは射出成形品単独
で直接移動体を構成してもよいし、射出成形品を金属製
の支持体と同着一体止することで移動体を構成するもの
であってもよい)のマトリックス樹脂としてガラス転移
点が100℃以上、好ましくは140℃以上の熱可塑性
樹脂を用いたことにある。マトリックス樹脂のガラス転
移点が低いとモータの人力及び摩擦駆動による温度上昇
で樹脂材の軟化が起こり、モータの特性及び精度の面で
尚不安定現象が見られる。このような観点から、本発明
の振動波モータを効果的に形成させるには、上述の如く
ガラス転移点が100℃以上、好ましくは140〜27
5℃、より好ましくは260〜275℃の範囲の熱可塑
性樹脂を用いることが望ましい場合が多い。
このような樹脂として用いることができるものとして具
体的には、例えばポリイミド(PI)。
ポリアミドイミド(PAI)、液晶性を示す芳香族ポリ
エステル樹脂等を例示することができ、液晶性の芳香族
ポリエステル樹脂は、その特有の多層構造による振動減
衰作用を得ることができるので特に好ましく用いること
ができる。このような液晶性の芳香族ポリエステル樹脂
としては例えばベクトラ(商品名:セラニーズ社製)、
ザイダー(商品名:ダートコ社製)、及びエコフール(
商品名:住友化学社製)等を例示することができる。
そして本発明の他の特徴の一つは、上記のようにマトリ
ックス樹脂に繊維状強化材を配合することと、この繊維
状強化材が摺動体を射出成形する際に、例えばリング型
の移動体であればそのリングの周方向に繊維の方向を配
向させるようにしたところにある。
繊維状強化材の上記の配向は、例えば1点サイドゲート
等の射出成形法を用いて行なうことができる。
繊維状強化材には、例えば炭素繊維、グラファイト繊維
、カーボンウィスカ、又はチタン酸カリウムウィスカの
少な(とも1種以上を用いることができ、これらの繊維
状強化材は、−船釣にはマトリックス樹脂に対し重量比
で10〜40%、好ましくは15%〜30%の割合で含
有させることが適当である場合が多い。
本発明の振動波モータを構成する移動体においては、摺
動体に配合した繊維状強化材が上記の如く配向されてい
ることにより、摺動体の摺動面の面性状や強度等の均一
性が得られる。すなわち本発明の繊維強化型複合樹脂製
の摺動体、例えばリング状摺動体では、繊維の長平方向
が周方向に配列する傾向となって、摺動面の周方向に繊
維が均一に分散される。このため摺動体の弾性率等は周
方向には大きいが法線方向には小さくなるという異方性
を有し、周方向に関しては面性状と面強度が均一化され
るので、定格連続運転時のトルクムラが改善される。
またこれに加え、従来例の移動体を構成する熱可塑性樹
脂に比べてより高い耐熱性の熱可塑性樹脂をマトリック
ス樹脂として用いることにより、定格連続運転時のトル
クのうねりが低減される。
更に本発明の繊維強化型複合樹脂製の摺動体は、上記の
如く周方向と法線方向に関して異方性を有するため、無
負荷稼動時、低負荷トルクでの稼動時の「鳴き」の現象
を抑制できる効果があり、特にマトリックス樹脂に芳香
族ポリエステルを用いた場合には、この樹脂の多層構造
性に由来する振動減衰作用も相乗して、「鳴き」現象の
一層の低減化が図れる。
本発明の上記摺動体には、上記した繊維状強化材と共に
、潤滑剤として少なくともフッ素系樹脂の1種、及び鉛
酸化物の1種を配合することができ、これらの潤滑剤の
配合により、潤滑性の改善と高温での摺動で摩擦係数を
安定させるという作用が得られる。このような観点から
配合される潤滑剤として、フッ素系樹脂としては具体的
にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が例示され
、鉛酸化物としては一酸化鉛(pbo)が例示される。
これらの潤滑剤の配合量は、マトリックス樹脂に対し重
量比でフッ素樹脂5〜40%、好ましくは5〜30%の
割合で配合するのが適当である場合が多い。配合量が多
いと摩擦係数は小さくなるが、材料的な強度と耐摩耗性
が低下するという問題があり、反対に配合量が少ないと
やはり耐摩耗性に欠け、摩擦係数の不安定さを招くとい
う問題がある。
本発明の振動波モータにおいては、これを構成する構成
部品の一つである移動体を、射出成形品を金属製の支持
体と固着一体止して用いることができる他、特に好まし
くは、目的の振動波モータの特性等に応じて適宜の形状
、厚みとして射出成形した複合樹脂製の射出成形品とし
て形成したものを単独で用いることができ、射出成形し
た複合樹脂製の摺動体をそのまま移動体として用いるこ
とができる。
本発明の振動波モータを構成する移動体は、その摺動面
を提供する摺動体(摺動体単独で移動体を構成する場合
及び金属製の支持体と固着一体止して移動体を構成する
場合の双方を含む)が、摺動面において周方向に配向し
た繊維状強化材を均一に分散して有するという構造をも
つため、該周方向に関して摺動面の面性状と移動体の強
度が均一化されるという特徴が得られる他、好ましくは
耐熱性がガラス転移点140℃以上と高い熱可塑性樹脂
の一体射出成形品として製作した射出成形品単体で移動
体を形成させる場合、特に、特異な多層構造を有する芳
香族ポリエステルをマトリックス樹脂とした場合は、従
来のように、円筒からリング円板状の摺動体を切り出し
、これを金属製の支持体に加圧接着していたものと比べ
て多(の工程が不要となり、大幅な低コスト化が実現で
きるという利点がある。
なお上記移動体の摺動面は、各々必要な平面度や面粗さ
を得るために必要に応じて研磨され、モータの初期特性
と経時特性の差をなくすように繊維状強化材が摺動面に
現われるようにされることが好ましい。
また複合樹脂製の摺動体の摺動面に対し十分な耐摩耗性
を持たせる目的で、振動体側の摺動面を、タングステン
カーバイド及コバルトからなる超硬材料の硬質面(例え
ばビッカース硬さHv= 1200程度)を形成させる
ことも望ましい構成である。
(実施例) 以下本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
第1図は本発明による振動波モータの一実施例を示す縦
断面図である。
この図において、2はステンレス等の金属部材からなる
円環状の振動体基板であり、その裏面側には、薄い円環
形状の圧電素子群1が耐熱性のエポキシ樹脂系接着剤で
同心的に固着され、また表面側の摺動面は、進行性振動
波の振動振幅を大きくとるために周方向に多数の溝部が
軸方向に切り込まれて櫛歯状をなしている。
3は高熱伝導性の金属材からなる筐体であり、その中心
部に第1のポール軸受11が設けられると共に、この第
1のポール軸受11の軸心と同心的に上記振動体2がネ
ジ4で固定されている。
lOは中間にフランジ部10cが形成された出力軸であ
り、その一端部側10aは上記第1のポール軸受11の
内輪に軸方向摺動が可能に貫通支持され、また他端部側
10bは、後記する第2のポール軸受12の内輪及び後
記するバネ圧調整ナツト部材18の軸孔に軸方向摺動自
在かつ回転自在に貫通している。15は上記出力軸lO
のフランジ部10cにネジ16で固定された円盤状の中
間部材であり、その外周端部には、環状に形成された移
動体7が同心的に外装嵌合して固定されている。
上記移動体7ば、アルミ合金等の熱伝導性の高い金属か
らなる環状の支持体5と、この支持体5の表面に、耐熱
性のエポキシ系接着剤で同心的に接着された摺動体6と
から構成され、この摺動体6は、本例では例えば厚み1
nonの環状体として、後述する配合及び構造をもった
複合樹脂製の部材として形成されている。この摺動体6
が振動体2の摺動面に接触する。
またこの移動体7は、その底部に設けられたゴム製の弾
性シート部材17を介して中間部材15に支持された構
造に設けられていて、上記出力軸10のフランジ部10
cと上記第2のポール軸受】2との間に弾装されたコイ
ル状の圧縮バネ部材14が発生する軸荷重が、この弾性
シート部材17を介して支持体5の軸方向に与えられて
、振動体2の摺動面と、移動体7を構成する摺動体6の
摺動面とが加圧接触するようになっている。
8は振動波モータの筐体カバーであり、ネジ9により筐
体3に固定されている。そしてその中央部に形成された
軸受嵌合孔8bには第2のポール軸受12が軸方向摺動
可能に嵌合され、更にこの軸受嵌合孔8bの内周面には
、螺子部8Cが形成されてバネ圧調整ナツト部材I8が
螺着されている。バネ圧調整ナツト部材18は、第2の
ボール軸受12の外輪12aにのみ接し、また第2のボ
ール軸受12の内輪12bは出力軸IOに対して軸方向
摺動可能でかつ回転可能に設けられていて、バネ圧調整
ナツト部材18に形成された2個の小孔18a、 18
aに例えば先端部に2本の差し込み棒が形成された治具
(図示せず)の該差し込み棒を差し込んで時計方向に回
すことで、このバネ圧調整ナツト部材18が図中左方向
に螺進しながら第2のボール軸受12を同方向に押し圧
縮バネ部材14を縮めてバネ力を大きくし、また逆方向
に回すと圧縮バネ部材14を広げてバネ力を弱くできる
ようになっており、これにより、バネのたわみによる出
力軸lOの軸荷重調整が可能とされている。なお出力軸
lOの軸荷重調整後には、通常筐体カバー8の小孔8a
から接着剤を流し込み、第2のボール軸受12の外輪1
2aを筐体カバー8に固着される。
また、圧縮バネ部材14の一端と第2のボール軸受12
との間には、第2のボール軸受12の内輪12bにのみ
当接するスペーサ13が配置され、このスペーサ13に
圧縮バネ部材14の一端が当接し、出力軸が支障な(ス
ムーズに回転できるようにしている。なお、圧縮バネ部
材14には、たわみに対する軸荷重の変動を小さくする
ためにバネ定数の極力小さなものが好ましく用いられる
上記した振動体2の圧電素子群1は、第2図に示すよう
に、夫々図示の如(分極処理された駆動用のA圧電素子
群1a及びB圧電素子群ibと、振動状態を検出する2
つの振動検出用圧電素子1cと、接地用の共通電極1d
から構成され、B圧電素子群1bはA圧電素子群1aに
対し、周方向に関し励起されるべき振動数の波長(え)
の1/4だけずれたピッチで配置されている。
そしてA圧電素子群1aとB圧電素子群lbに、互いに
位相が90″異なる周波電圧を印加することにより、振
動体2の表面に進行性振動波が発生し、この振動体2に
上述の如く加圧接触された移動体7が摩擦駆動され、中
間部材15を介して出力軸10を回転させる。
第3図は、第1図で説明したリング状摺動体6を成形す
る方法を説明するための図であり、この図から分かるよ
うに、本発明においては、ガラス転移点が100℃以上
の熱可塑性樹脂の素材に炭素繊維(グラファイト繊維、
カーボンウィスカ、チタン酸カリウムウィスカであって
もよい)を含有させ、射出成形により該繊維状強化材を
リングの周方向に配向させる。このよう・な繊維状強化
材の配向は、例えば第3図(a)の1点すイドゲート方
式の射出成形法により得られる。すなわちリング円板の
キャビティをもつ型内に1点のサイドゲートから繊維状
強化材含有の熱可塑性樹脂素材を射出することで、該素
材の流動により含有繊維を周方向に配向させることがで
きる。また第3図(b)は1点ビンゲート方式の射出成
形法を示し、リング円板の接着面に1点ビンゲートから
熱可塑性樹脂素材を射出して、同様に該素材の流動によ
り含有繊維を周方向に配向させることができる。
これらの射出成形法により形成された複合樹脂製の摺動
体は、本例では摺動面6aを研磨した後、支持体5に固
着されて移動体7を構成する。
以上の構成の振動波モータにつき、本発明の移動体7を
形成する複合樹脂製の摺動体6の材質を評価するために
、下記第−表の配合からなる摺動体を形成した。
なお摺動体の成形は、1点サイドゲート方法の射出成形
法により行ない、充填した繊維状強化材である炭素繊維
の配向状態を実体顕微鏡で観察し摺動面の周方向に沿っ
て長平方向が配列された炭素繊維を調ベハーマンの配向
パラメータを計算した結果、炭素繊維は少なくとも50
%が周方向配向していることが確認された。
第 表 ただし表中の材料は下記の通りである。
P工:ポリイミド PAI   :ボリアミドイミド PEI   :ボリエーテルイミド PEEK   :ポリエーテルエーテルケトンPES 
  :ポリエーテルスルホン 芳香族PA:芳香族ポリアミド LCP    :全芳香族ポリエステルPTFE   
:ポリテトラフルオロエチレン炭素繊維:平均線径7μ
m、平均長さ300μ m かかる構成の摺動体を一体固着した部材を移動体とした
振動波モータを作製して、試験したところトルクのうね
りが改善されたことが確認された。
なお振動体は、熱膨張係数が圧電素子の面方向の熱膨張
係数に近く内部損失の小さい材料であるマルテンサイト
系ステンレス製の基板に、圧電素子部1を固着したもの
を用いた。またこの振動体の表面(すなわち摺動体6が
接触する側の摺動面)を、タングステンカーバイド及び
コバルトを溶射した硬質面(ビッカース硬さ約Hv=1
200)として形成させたものを用いた。
またトルクムラは、上記摺動体において炭素繊維が摺動
面の周方向に配向されて周方向の弾性率に比べて法線方
向の弾性率が小さ(、摺動面性状の均一化が得られるこ
とに起因するためと考えられるが、トルクムラは小さく
改善された。
また無負荷時或いは低負荷時での「鳴き」の発生は、マ
トリックス樹脂に芳香族ポリエステルを採用した場合に
は見られなかった。
なお振動波モータの出力を例えば定格4 kgcmで比
較すると、芳香族ポリエステルに炭素繊維を重量比で3
0%充填した材料(参考例7)が7.0W以上と最も太
き(、次いで一連の熱可塑性樹脂に炭素繊維を重量比で
20%或は30%充填した材料が、5.0〜5,7Wの
範囲にあり、全ての材料で定格出力(4,1W)を1%
1fflしていた。
なお、ガラス転移点が125℃の芳香族ポリアミドに炭
素繊維を30%充填した参考例6の複合樹脂製の摺動体
を用いて移動体を構成させた場合には、振動体の振動面
に摩耗粉が固着する傾向がみられ、材料の温度特性(ガ
ラス転移点)がやや不足であると判断された。
実施例2 第1図と同様の振動波モータの縦断面を示した第4図に
示される本実施例は、移動体7が繊維強化型複合樹脂製
の摺動体単独で形成されているが、その他の構成は第1
図で示したものと同様である。従って同一の部材、要素
には同じ符号を付してその説明は省略する。
なおこのような構成において、例えば実施例1 (第1
図)の移動体を構成するアルミ合金支持体5のツバ弾性
部と等しい弾性を与えるためには、必要な範囲でツバ弾
性部27aの体積弾性を太き(するればよい。
第5図はこの実施例2(第4図)における複合樹脂製の
摺動体からなる移動体27を、繊維状強化材を周方向に
配向させながら成形する方法を説明するための図であり
、第5図(a)は、繊維状強化材を配合した熱可塑性樹
脂素材を、摺動面27bの近辺から1点ビンゲートを用
いて流動させる射出成形法を示し、第5図(b)は、摺
動面27bの略裏面から1点ビンゲートを用いて樹脂素
材を流動させるようにした射出成形法をボしている。
このように構成された実施例2の振動波モータにおいて
も、上述した実施例1の振動波モータと同様の効果を得
ることができる。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明の振動波モータは、ガラス
転移点が100℃以上、好ましくは140℃以上の熱可
塑性樹脂、好ましくは液晶性の芳香族ポリエステルと、
これに配合される炭素繊維等の繊維状強化材、及び更に
必要に応じて少な(とも1種づつのフッ素樹脂及び鉛酸
化物等の潤滑剤とを組み合わせた複合樹脂製の材料を素
材として、摺動体を射出成形法により形成させると共に
、その成形時の射出成形で繊維状強化材を移動体の移動
方向に配向させた成形品を直接用いて移動体を構成させ
たものであり、振動波モータの定格稼動時におけるトル
クのうねり或はトルクムラを減少させることが出来、し
かも無負荷時あるいは低負荷時の駆動の「鳴き」を回避
することができるという効果がある。
また本発明の振動波モータは、射出成形した摺動体の単
独で、或いはこれと支持体を固着して移動体を構成させ
るものであるため、従来のような円筒状の成形品からリ
ング状の摺動体を切り出す等の工程が不要とでき、低コ
スト化が可能な新規な振動波モータを提供できるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用して構成される振動波モータの実
施例1の構成概要を縦断面図として示した図、第2図は
同振動体を構成する圧電素子群の配置を説明する平面図
である。 第3図(a) 、 (b)は実施例1の摺動体を形成さ
せるための射出成形法を説明するための図である。 第4図は本発明の実施例2の振動波モータの構成概要を
縦断面図として示した図、第5図(a)、(b)は同実
施例2の摺動体を形成させるための射出成形法を説明す
るための図である。 1:圧電素子群 5:支持体 7・移動体 15:中間部材 2、振動体 6.27:摺動体 17:弾性シート部材 第1図 (他4名) 第 2 図 第 図 第 図 (0) (b)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.進行性振動波を生ずる振動体に、複合樹脂製の摺動
    体を接触させ、振動体に生じさせた進行性振動波により
    この振動体とこれに接触する摺動体とを摩擦駆動により
    相対移動させる振動波モータにおいて、 上記複合樹脂製の摺動体は、ガラス転移点 が100℃以上の熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂とし
    て、これに繊維状強化材を配合した素材の射出成形品と
    して形成されたものであって、該配合繊維状強化材は上
    記射出成形により上記相対移動方向に配向されているこ
    とを特徴とする振動波モータ。
  2. 2.請求項1において、複合樹脂製の摺動体に配合され
    る繊維状強化材が、炭素繊維、グラファイト繊維、カー
    ボンウィスカ又はチタン酸カリウムウィスカの少なくと
    もいずれか一種であることを特徴とする振動波モータ。
  3. 3.請求項1又は2において、複合樹脂製の摺動体が、
    潤滑材として少なくともフッ素系樹脂の1種、及び鉛酸
    化物の1種を含有することを特徴とする振動波モータ。
  4. 4.請求項1乃至3のいずれかにおいて、ガラス転移点
    が140℃以上の熱可塑性樹脂が、液晶性の芳香族ポリ
    エステルであることを特徴とする振動波モータ。
  5. 5.請求項1乃至4のいずれかにおいて、摺動体をなす
    射出成形品を、金属製の支持体と一体に固着することで
    、振動体と相対移動する部材を構成させることを特徴と
    する振動波モータ。
  6. 6.請求項1乃至4のいずれかにおいて、摺動体をなす
    射出成形品が、単体で振動体と相対移動する部材を構成
    することを特徴とする振動波モータ。
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