JP2603523Y2 - 変速機の同期装置 - Google Patents

変速機の同期装置

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JP2603523Y2 JP1991065991U JP6599191U JP2603523Y2 JP 2603523 Y2 JP2603523 Y2 JP 2603523Y2 JP 1991065991 U JP1991065991 U JP 1991065991U JP 6599191 U JP6599191 U JP 6599191U JP 2603523 Y2 JP2603523 Y2 JP 2603523Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、自動車用の手動変速
機における変速機の同期装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用手動変速機については、
通常前進段に同期装置が備えられており、また、後退段
にも同期装置付きの変速機が普及してきている。例え
ば、実開昭59−189947号公報には、後退段専用
の同期装置を装着するため、変速機の後端部形状を変更
し、同期装置を装着しているため、入力軸のような主要
部品の変更を要している。特に、後退段に変速する場合
に、車両が停止してから後退段への変速操作が基本であ
り、この場合に使用されているクラッチの慣性力の大き
さにより、同期装置の必要度合いが異なっている。
【0003】即ち、クラッチ従動プレートの外径が大き
く、該クラッチ従動プレートの慣性力が大きい場合に
は、エンジンのアイドリング状態でクラッチをオフにし
ても、暫くはクラッチ従動プレートの慣性力によりクラ
ッチ及び変速機の入力軸1(図12参照)が回転を続け
ている結果、後退段へのシフト操作時に、タイヤと連動
している静止状態の歯車11(図12参照)と変速機の
入力軸系の慣性力で回転している後退用歯車5(図12
参照)とが歯車9の摺動によって歯車9を介して噛み合
う時、歯打ち音等の衝撃音を生じ、運転者に不快な印象
を与える。しかしながら、クラッチ従動プレートの外径
が小さく、該クラッチ従動プレートの慣性力が小さい場
合には、変速機の入力軸の回転の低下が速く、衝撃音も
発生せず、シフト操作も容易である。
【0004】上記のように、それぞれ適用車両におい
て、特に後退段用の同期装置の必要度合いは異なってお
り、前掲実開昭59−189947号公報に開示された
自動車用歯車変速機のシフト装置のように、変速機の後
端部形状を変えて同期装置を装着すると、廉価で作らね
ばならない変速機にまで、共通に後退段同期装置を採用
するか、又は2種類の構造を持つ変速機、即ち同期装置
を持つ変速機と同期装置を持たない変速機を準備しなけ
ればならず、前者の場合には品質過剰でコスト高にな
り、後者の場合には入力軸、出力軸等の基本的な部品が
二種類となり、コスト的に不利になる。
【0005】また、実開昭50−20082号公報に
は、トランスミッションのギヤ音防止装置が開示されて
いる。該トランスミッションのギヤ音防止装置は、カウ
ンタギヤにトランスミッションのニュートラル状態にお
いて励磁作動する電磁コイルを近接して配置したもので
ある。
【0006】また、実開昭54−82873号公報に
は、車両用エンジンのオーバラン防止装置が開示されて
いる。該車両用エンジンのオーバラン防止装置は、変速
機のカウンタシャフトの一端或いは入力軸に電磁ブレー
キを連結し、該電磁ブレーキと電源とを接続する配線中
に、クラッチが接続しているとき開路しており、クラッ
チが切られてたとき閉路するクラッチスイッチと、カウ
ンタシャフト或いは入力軸の回転数を検出し、該回転数
が所定値以上になったとき通電する制御装置を配設した
ものである。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】一般に、自動車用手動
変速機は、図12に示すように、変速機部ケース7及び
該変速機部ケース7に固定したサイドカバー8から成る
ハウジング内に変速機部を収容している。変速機部は、
エンジンの駆動力がクラッチを介して入力される入力軸
1、入力軸1に設けた同期装置4及び後退用歯車5、出
力軸となる主軸2、入力軸1と主軸2間に設けられてい
る同期装置3、主軸2に取付けた出力用歯車6等を有し
ている。出力用歯車6は、図示していないが、例えば、
出力用歯車6と噛み合う歯車16、傘歯車式デフ等を通
じて駆動軸に駆動力を伝達するように構成されている。
【0008】上記変速機において、後退段へシフト操作
すると、歯車9が軸10上を摺動し、入力軸1に取付け
た後退用歯車5と噛み合い、次いで、主軸2に取付けた
歯車11とが噛み合う。歯車9が後退用歯車5と歯車1
1とに伝動状態になると、入力軸1と主軸2とは同一方
向の回転を行うことになる。そこで、後退用歯車5は駆
動状態になるが、入力軸1にはクラッチのクラッチ従動
プレート13が装着されており、該クラッチ従動プレー
ト13は慣性力が比較的に大きいものである。また、後
退段への操作時は、通常車両は停止しており、その結
果、タイヤ回転と駆動的に連結している主軸2及び歯車
11は、回転していない。ところが、クラッチが切られ
たその時には、クラッチのクラッチ従動プレート13及
び入力軸1は、慣性力で回転している場合がある。その
ため、歯車9と歯車11の回転が同期せずに、噛み合い
始めの歯端部で噛み合い不良を起こし、衝撃音を発生す
ると共に、最悪の場合には歯車9,11を損傷すること
がある。
【0009】ところで、前掲実開昭50−20082号
公報に開示されたトランスミッションのギヤ音防止装置
は、アイドリング時の歯打ち音の防止装置として、カウ
ンタギヤに電磁コイルを設けたものである。また、前掲
実開昭54−82873号公報に開示された車両用エン
ジンのオーバラン防止装置は、電磁力で制動するもので
あるが、ミスシフトダウンによるエンジンオーバランの
防止を目的とするものである。
【0010】そこで、この考案の目的は、上記の課題を
解決することであり、必要な車両又は変速機にのみ、変
速機の主要部品の構成を変更することなしに、電磁石と
磁性体から成るロータ等の回転体を取付けるだけで後退
段伝達系に後退段シフト操作に応答して機能する同期装
置をオプションとして簡単に取付けることができる変速
機の同期装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この考案は、上記の目的
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この考案は、エンジンの駆動力が伝達される入力軸、該
入力軸側の軸端部に取付けられ且つ側面周方向に磁性体
を有する回転体、該回転体の前記磁性体に対向して配置
され且つ固定状態のハウジングに取付けた電磁石、及び
該電磁石を励磁して前記回転体に制動力を与えるため変
速機の後退段シフト操作に応答して前記電磁石に電流を
供給する電磁石励磁手段、を有することを特徴とする変
速機の同期装置に関する。
【0012】また、この変速機の同期装置において、前
記回転体の前記磁性体は側面周方向に隔置状態に複
個の永久磁石が配置されると、一層その同期効果を向上
させることができる
【0013】また、この変速機の同期装置において、前
記回転体は前記入力軸側の軸端部に取付けた円板状ロー
タである。
【0014】また、この変速機の同期装置において、前
記回転体は前記入力軸側の軸端部に取付けた変速段用歯
車であり、前記磁性体は磁化作用の極めて弱い材料或い
は非磁性材料から成る部材を介在して前記変速段用歯車
に取付けられている。
【0015】また、この変速機の同期装置において、前
記電磁石励磁手段は、シフトロッドの後退段シフト操作
でスイッチングする後退段同期スイッチ、或いはシフト
ロッドの後退段シフト操作でスイッチングする後退段ラ
ンプスイッチを有するものである。
【0016】
【作用】この考案による変速機の同期装置は、上記のよ
うに構成されており、次のように作用する。即ち、この
変速機の同期装置は、入力軸側に取付けられ且つ側面周
方向に磁性体を有する回転体、該回転体の前記磁性体に
対向して配置され且つ固定状態のハウジングに取付けた
電磁石、及び該電磁石を励磁して前記回転体に制動力を
与えるため変速機の後退段シフト操作に応答して前記電
磁石に電流を供給する電磁石励磁手段を有するので、前
記電磁石の励磁で発生する磁束線を前記回転体が切るこ
とで、前記回転体即ち前記入力軸に制動力を与え、前記
入力軸が急速に減速される。
【0017】また、前記回転体の前記磁性体、側面周
方向に隔置状態に複数個の永久磁石を配置した場合、前
記回転体を制動する力が一層強化される。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して、この考案による変速
機の同期装置の実施例を説明する。まず、図1、図2及
び図3を参照して、この考案による変速機の同期装置の
一実施例を説明する。図1はこの考案による変速機の同
期装置の一実施例を示す断面図、図2は図1の変速機の
同期装置の要部の拡大断面図及び図3はロータを示す平
面図である。図1及び図2に示す変速機における部品に
付した符号は、図12に示す変速機における部品と同一
のものには同一の符号を付している。この変速機の同期
装置は、変速機のハウジングであるサイドカバー8にコ
イル式電磁石12を装着すると共に、入力軸1側の軸端
部36に回転体であるロータ14を固定して同期装置を
構成したものである。
【0019】この変速機の同期装置において、ロータ1
4は、アルミニウム等の磁化作用の非常に弱い材料或い
は非磁性材料で円板状プレート19に製作されており、
図3に示すように、該円板状プレート19に磁性体とし
て複数個の永久磁石18を周方向に間隔をおいて埋め込
んだものである。永久磁石18をプレート19に埋め込
んでロータ14を構成することによって、電磁石12に
電流が流された時、ロータ14の回転を制動する力が一
層強化され、ロータ14の回転低下をより一層効率的に
素早く行わせることができる。しかも、これらの永久磁
石18は、隣接する歯車20に直接接触していないの
で、歯車20は磁化されることがない。
【0020】変速機のシフトパターンは、例えば、図6
に示すように構成されている。図6において、符号1は
1速変速段、符号2は2速変速段、符号3は3速変速
段、符号4は4速変速段、符号5は5速変速段及び符号
Rは後退段を示している。また、各変速段を接線する中
央の線がセレクト位置Sを示している。
【0021】この変速機の同期装置を備えた変速機にお
いて、後退段へシフト操作する(図6の符号SからR方
向へシフト)と、リバースアイドル歯車である歯車9が
リバースアイドルシャフト軸である軸10上を摺動する
が、歯車9が入力軸1に取付けた後退用歯車5と噛み合
い始める前までの期間(図6の位置A)に、変速機のチ
ェンジレバーの後退段へのストロークと連動するストロ
ークスイッチ、或いは起動スイッチとタイマの組み合わ
せ手段等によって、運転者の後退段へのシフト操作開始
から歯車9と歯車11の噛み合い直前まで(図6の位置
B)、電磁石12を磁化するため、図4に示す導線15
を通じてコイル16に電流を流す。サイドカバー8に装
着された一体化された複数(図4では3個)の電磁石1
2は、極性(N極とS極)が互い違いになるように配置
されているため、磁力線17は、図4で点線で示すよう
に発生し、ロータ14側の磁力線は、ある1つの電磁石
12のN極からロータ14を通って隣接する電磁石12
のS極へと流れることになる。この時、電磁石12はサ
イドカバー8に固定されており、動かないのに対して、
ロータ14はこれらの磁力線17の束即ち磁束を切って
回転することになる。そのため、ロータ14には回転方
向と逆方向に制動力が発生し、ロータ14の回転、従っ
て入力軸1の回転を低下させることができ、その時、歯
車9と歯車11との噛み合わせを開始する(図6の位置
C)。従って、歯車9と歯車11との噛み合い不良を防
止することができる。
【0022】更に、この変速機の同期装置において、歯
車9と歯車11とが噛み合いを開始した時には、電磁石
12の磁化は解放されているので、歯車9及び入力軸1
の回転を規制するものが無くなるため、歯車9は歯車1
1の回転に容易に追従できるようになり、歯車9は歯車
11に摺動噛み合いをして後退段へのシフトが完全に終
了する。
【0023】この変速機の同期装置は、電磁石励磁手段
として図5に示すようにシフトロッド21を利用してい
る。シフトロッド21はチェンジレバー22の操作によ
って後退段シフトブロック23を作動することによっ
て、後退段方向即ちリバース方向に移動される。シフト
ロッド21のリバース方向への移動は、リバースシフト
アーム28を通じてリバースアイドル歯車29をリバー
スアイドルシャフト30上で摺動させる。リバースアイ
ドル歯車29は図1の歯車9に相当し、また、リバース
アイドルシャフト30は軸10に相当する。そこで、リ
バースアイドル歯車29をリバースアイドルシャフト3
0上で摺動させると、リバースアイドル歯車29を入力
軸1に設けた後退用歯車5に噛み合わせることになり、
シフトロッド21のリバース方向へ更に移動すること
で、主軸2の歯車11に噛み合い、後退段のシフト操作
をスムースに達成できる。
【0024】この変速機の同期装置に設けた電磁石励磁
手段は、図5に示すように、シフトロッド21に対して
設けた後退段スイッチ24或いは後退段同期用スイッチ
25から構成されている。シフトロッド21の移動に応
答してスイッチングする後退段スイッチ24及び後退段
同期用スイッチ25によって電磁石12を励磁するよう
に構成されている。後退段スイッチ24及び後退段同期
用スイッチ25は、ケース31に取付けられている。後
退段スイッチ24はシフトロッド21に形成した溝26
に応答してスイッチが入るように構成されており、ま
た、後退段同期用スイッチ25はシフトロッド21に形
成した溝27に応答してスイッチが入るように構成され
ている。
【0025】そこで、この変速機の同期装置に使用され
る電磁石励磁手段の一実施例を図5及び図7を参照して
説明する。図5に示すように、電磁石励磁手段は、シフ
トロッド21が後退段に位置することでオンする後退段
同期スイッチ25のスイッチングで電磁石12を励磁す
るように構成されている。後退段同期スイッチ25は、
シフトロッド21上に形成した溝27の位置で電磁石1
2に電流を流す期間が調節される。後退段シフトへのあ
る操作期間のみに電磁石12を励磁するように調節で
き、例えば、チェンジレバー22のセレクト位置(図6
の符号Sの位置)から後退段シフト方向に移動させて、
歯車9が軸10上を移動し始める位置(図6の符号Aの
位置)で電流を流し、次いで、歯車9と歯車11とが噛
み合いを開始する位置(図6の符号Cの位置)で電流を
断つことで調節できる。その電気回路は、図7に示すよ
うに構成することができる。即ち、後退段同期スイッチ
25と電磁石12とを電源33に対して直列に結線すれ
ばよい。この時、リバースランプ32及び該リバースラ
ンプ32をスイッチングする後退段スイッチ24は、電
磁石12及び後退段同期スイッチ25に対して並列に結
線され、リバースランプ32と電磁石12とは独立的に
機能されるように構成されている。
【0026】この変速機の同期装置に使用される電磁石
励磁手段の別の実施例を図5及び図8を参照して説明す
る。図5に示すように、この実施例の電磁石励磁手段
は、シフトロッド21上に設けた後退段スイッチ24に
よってオンするリバースランプ32に同期して電磁石1
2を励磁するものである。これを達成する電気回路は、
図8に示すように構成することができる。即ち、図8に
示すように、後退段スイッチ24と電磁石12とを電源
33に対して直列に結線すると共に、リバースランプ3
2を電磁石12に対して並列に結線し、電磁石12をリ
バースランプ32に同期してスイッチングするように構
成し、後退段スイッチ24のオンによって電磁石12を
励磁するように構成できる。そこで、後退段の使用頻度
が少ないことと、一般に後退段での使用エンジン速度が
低いことを考慮し、後退段へのシフト開始、即ちチェン
ジレバー22のセレクト位置(図6の符号Sの位置)か
ら後退段シフト方向に移動させて、歯車9が軸10上を
移動し始める位置(図6の符号Aの位置)で電流を電磁
石12に流し始め、次いで、歯車9と歯車11とが噛み
合いを開始(図6の符号Cの位置)し、後退段での運転
終了し、ギヤ抜きシフト終了まで電磁石12に電流を流
して励磁し、入力軸1の回転を抑制して主軸2との回転
を同期させる。
【0027】この変速機の同期装置は、上記のように構
成されているので、電磁石12に電流を流すことによっ
て入力軸1の回転に制動をかけることができ、噛み合い
不良の衝撃音を防止し、運転者に不快感を与えることが
なく、且つ歯車9,11の損傷も防止し、変速機の耐久
性を向上させることができる。また、この変速機の同期
装置は、標準の変速機に対して容易にオプション的に装
着することができ、変速機全体の製造原価を上昇させる
ことなく、必要な車両にのみ装着できるというメリット
がある。
【0028】次に、この考案による変速機の同期装置の
別の実施例を、図9、図10及び図11を参照して説明
する。図9はこの考案による変速機の同期装置の別の実
施例を示す断面図、図10は図9の変速機の同期装置の
要部の拡大断面図及び図11は変速段用歯車を示す平面
図である。図9に示す実施例は、図1に示す実施例と比
較して、変速段用歯車20にロータの機能を持たせた以
外は全く同一の構成を有するものである。そこで、図9
及び図10に示す変速機における部品に付した符号は、
図1及び図2に示す変速機における部品と同一のものに
は同一の符号を付している。
【0029】この変速機の同期装置は、変速機のハウジ
ングであるサイドカバー8にコイル式電磁石12を装着
すると共に、入力軸1に取付けた回転体である変速段用
歯車20に永久磁石35を埋め込んだものである。変速
段用歯車20は、アルミニウム等の磁化作用の非常に弱
い材料で製作された環状部材34が固定されている。環
状部材34の周方向に間隔をおいて複数個の永久磁石3
5が埋め込まれて固定されている。上記構成によって、
電磁石12に電流を流すと、変速段用歯車20の回転を
制動する力が強化され、変速段用歯車20の回転低下を
より一層効率的に素早く行わせることができる。また、
永久磁石35は、変速段用歯車20との間に環状部材3
4を介在しているので、変速段用歯車20は磁化される
ことがない。
【0030】
【考案の効果】この考案による変速機の同期装置は、上
記のように構成されており、次のような効果を有する。
即ち、この変速機の同期装置は、エンジンの駆動力が伝
達される入力軸、該入力軸側の軸端部に取付けられ且つ
側面周方向に磁性体を有する回転体、該回転体の前記磁
性体に対向して配置され且つ固定状態のハウジングに取
付けた電磁石、及び該電磁石を励磁して前記回転体に制
動力を与えるため変速機の後退段シフト操作に応答して
前記電磁石に電流を供給する電磁石励磁手段を有するの
で、前記電磁石の励磁で発生する磁束線を前記回転体が
切ることで、前記回転体即ち前記入力軸に制動力を与
え、前記入力軸が急速に減速される。従って、リバース
アイドル歯車と後退用歯車及び主軸上の歯車との噛み合
いが不良になって衝撃音を発生することがなく、各歯車
の損傷も防止できる。
【0031】また、この変速機の同期装置は、必要な車
両又は変速機にのみ、前記電磁石と前記回転体を取付け
るだけで、変速機の主要部品の構成を変更することなし
に、後退段伝達系に後退段シフト操作に応答して機能す
る同期装置をオプションとして簡単に取付けることがで
きる
【0032】また、前記回転体の前記磁性体、側面周
方向に隔置状態に複数個の永久磁石を配置した場合、前
記回転体を制動する力が一層強化される。
【0033】また、この変速機の同期装置は、前記回転
体は前記入力軸側の軸端部に取付けた円板状ロータであ
るので、該円板状ロータは変速用歯車に対して非接触状
態に配置でき、前記変速用歯車を磁化するようなことが
ない。
【0034】また、この変速機の同期装置は、前記回転
体は前記入力軸の端部に取付けた変速段用歯車であり、
前記磁性体は磁化作用の極めて弱い材料或いは非磁性材
料からなる部材を介在して前記変速段用歯車に取付けら
れているので、前記電磁石の励磁によって前記磁性体は
磁束線をきることになって前記回転体に制動力が作用す
る。しかも、前記磁性体は前記変速段用歯車に非接触状
態であるので、前記変速段用歯車を磁化するようなこと
がない。
【0035】また、この変速機の同期装置において、前
記電磁石励磁手段は、シフトロッドの後退段シフト操作
でスイッチングする後退段同期スイッチを有するので、
後退段のシフト操作で該操作範囲のみ前記電磁石を励磁
することができ、前記入力軸を制動し、衝撃音の発生を
防止できる。
【0036】また、この変速機の同期装置において、前
記電磁石励磁手段は、シフトロッドの後退段シフト操作
でスイッチングする後退段ランプスイッチを有するの
で、後退段へのシフト操作の開始から後退段シフト方向
に移動させて、後退段アイドル歯車が後退段アイドル軸
上を移動し始める位置で電流を前記電磁石に流し始め、
次いで、前記後退段アイドル歯車と主軸上の歯車とが噛
み合いを開始し、後退段の運転を終了し、ギヤ抜きシフ
ト終了まで前記電磁石に電流を流して励磁し、前記入力
軸の回転を抑制して前記主軸との回転を同期させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案による変速機の同期装置の一実施例を
示す断面図である。
【図2】図1の変速機の同期装置の要部の拡大断面図で
ある。
【図3】図1の変速機の同期装置におけるロータを示す
平面図である。
【図4】図1の変速機の同期装置に組み込んだ電磁石の
一例を示す平面図である。
【図5】シフトロッドに設けた後退段スイッチ及び後退
段同期用スイッチを示す説明図である。
【図6】シフトパターンの一例を示す説明図である。
【図7】この変速機の同期装置に組み込んだ電気回路の
一例を示す回路図である。
【図8】この変速機の同期装置に組み込んだ電気回路の
別の例を示す回路図である。
【図9】この考案による変速機の同期装置の別の実施例
を示す断面図である。
【図10】図9の変速機の同期装置の要部の拡大断面図
である。
【図11】図9の変速機の同期装置における変速段用歯
車を示す平面図である。
【図12】従来の変速機の同期装置の一例を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 入力軸 2 主軸 5 後退用歯車 8 サイドカバー(ハウジング) 9 歯車 10 軸 11 歯車 12 電磁石 14 ロータ 18 永久磁石 20 変速段用歯車 21 シフトロッド 24 後退段スイッチ 25 後退段同期用スイッチ 32 リバースランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 3/00 - 3/42 B60K 20/02 F16H 63/30 F16D 27/00

Claims (6)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力が伝達される入力軸、
    該入力軸側に取付けられ且つ側面周方向に磁性体を有す
    る回転体、該回転体の前記磁性体に対向して配置され且
    つハウジングに取付けた電磁石、及び該電磁石を励磁し
    て前記回転体に制動力を与えるため変速機の後退段シフ
    ト操作に応答して前記電磁石に電流を供給する電磁石励
    磁手段、を有することを特徴とする変速機の同期装置。
  2. 【請求項2】 前記回転体の前記磁性体は側面周方向に
    隔置状態に配置された複数個の永久磁石である請求項1
    に記載の変速機の同期装置。
  3. 【請求項3】 前記回転体は前記入力軸側の軸端部に取
    付けた円板状ロータである請求項1に記載の変速機の同
    期装置。
  4. 【請求項4】 前記回転体は前記入力軸側の軸端部に取
    付けた変速段用歯車であり、前記磁性体は磁化作用の極
    めて弱い材料或いは非磁性材料から成る部材を介在して
    前記変速段用歯車に取付けられている請求項1に記載の
    変速機の同期装置。
  5. 【請求項5】 前記電磁石励磁手段は、シフトロッドの
    後退段シフト操作でスイッチングする後退段同期スイッ
    チを有する請求項1に記載の変速機の同期装置。
  6. 【請求項6】 前記電磁石励磁手段は、シフトロッドの
    後退段シフト操作でスイッチングする後退段ランプスイ
    ッチを有する請求項1に記載の変速機の同期装置。
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