JP2003524131A - 電磁式シフト装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、トランスミッション（２）用の電磁シフト装置に関するもので、軸（２０）の周囲を回転できるギヤシャフト（１２）上に取り付けられた複数の歯車（４，６）を備える。当該歯車は、あるギヤレシオを形成するために、軸（２０）に沿ったシフトドッグ（１８）の軸方向の動きによって、ギヤシャフト（１２）に回転可能に固定されている。当該電磁装置（２４、２６、４０）は、シフトドッグ（１８）近傍に取り付けられ、当該シフトドッグ（１８）を直接、シフトフォークなしに操作する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、特許請求の範囲の請求項１の上位概念に従う、自動車のトランスミ
ッション用シフト装置．に関する。

【０００２】 ＵＳ５４６００６０から、電磁作動されるトランスミッション用シフト装置が
知られている。この場合、それらの間にシフト装置が存在する各シフトギヤペア
に対し、シフトドッグの中に噛合う、ロッド上に配置されたシフトフォークが装
備されている。各ギヤ比の歯車が回転可能に配置されているトランスミッション
シャフトは、前記シフトドッグの軸方向の動きによって、その都度、歯車の一つ
に締結され得る。ロッド上には、シフトフォークがそれぞれサイドに配置された
スプリングにより、強制的に中央位置に存在する。そこから当該シフトフォーク
は、それぞれ一つの磁石の起動に従い、軸方向に移動することができる。そのと
き、シフトフォークは、起動される磁石の方向とは逆の軸方向に移動する。ギヤ
の噛合い解除は、それぞれのスプリングによる磁石の起動終了によって行われる
。当該シフト装置は、設計上、激しく可動する部分で構成されているという欠点
を有している。また当該シフト装置の噛合い解除は、装備されているスプリング
の力を介してのみ行なわれる。

【０００３】 本発明は、当該技術状態の欠点を排除し、シフトの際に可動部が可能な限り少
ないシフト装置を提示することを課題とする。

【０００４】 本課題は、特許請求の範囲の請求項１の特徴部分を備えたシフト装置によって
解決される。

【０００５】 実施形態は、下位請求項の対象である。

【０００６】 本発明により、軸周囲のトランスミッションシャフト上に回転可能に配置され
た複数の歯車を備えた、トランスミッション用の電磁式シフト装置が提案される
。あるギヤ段階を形成するために、当該複数の歯車は、シフトドッグがトランス
ミッションシャフトの回転軸に沿って軸方向に移動することにより、トランスミ
ッションシャフトと固定締結可能である。当該シフト装置はさらに、シフトドッ
グを軸に沿って軸方向に移動させるのに適している電磁装置を有している。当該
電磁装置は、シフトドッグ領域に直接配置されており、シフトフォークの助け及
び中間切換えなしに、直接シフトドッグに作用する。このようにして、当該電磁
装置は、直接、シフトドッグに作用するので、シフト操作（経過）時の可動部分
の大幅な削減を可能にする。経験から、特にギヤ段階の噛合い解除には、比較的
大きなシフト力が必要になることがわかる。必要とされる噛合い解除力は、シフ
ト部分と達成し得るシフトスピードに応じて生じる。シフト部分が少ないほど、
また達成可能なシフトスピードが速いほど、シフト力はその分小さくてよい。電
磁装置の規模が適切な場合、極めて短いシフト時間が実現できる。特に平坦でな
い道路でのシフトは、有利に行うことができる。ある実施形態では、これに伴い
、当該電磁装置の適切な制御により、様々な負荷低減時間が調整でき、例えば平
坦な走行路では負荷低減時間はより長く、上り勾配では、より短い負荷低減時間
が保証される。もしこうでなければ、不利な車速低下や、最悪の場合には車両の
後退に結びつきかねない。

【０００７】 ある有利な実施形態では、シフトする歯車を有するトランスミッションシャフ
トの軸に沿った各軸方向運動に対し、それぞれ１つの電磁装置が設けられている
。本発明のある有利な実施形態は、電磁装置内で発生する磁場が、その作用方向
において反転可能である、ということを示している。これによって、シフトドッ
グを軸に沿って両運動方向に移動させるために、磁場を様々な作用方向に制御す
ることが実現され得る。それは、ある有利な実施形態では、軸に沿った両方向の
運動に対し、一つの電磁装置だけが設けられている、ということになる。磁場を
操作（制御）することによって、一つの実施形態では、シフトドッグの当りに対
する緩衝装置を形成するために、磁場の反転が形成され得るし、もう一つの有利
な実施形態では、シフトドッグは、電磁装置によって、ニュートラルポジション
に保たれ得る。ある実施形態では、シフトドッグは、スプリングの力によって、
ニュートラルポジションに保たれる。最後に、ある実施形態は、電磁装置がハウ
ジングにしっかりと取り付けられており、導線がトランスミッションのハウジン
グ内またはハウジング上に設けられていることを示している。当該電磁装置は、
トランスミッションの非可動部に対し、磁気的に絶縁されている。

【０００８】 本発明は、図面に基づいてさらに詳述される。

【０００９】 図１は、あるトランスミッション２の一断面を示している。第一歯車４及び第
二歯車６は、軸受け８及び１０により、トランスミッションシャフト１２上に回
転可能に軸受けされている。

【００１０】 当該歯車４及び６は、それぞれ一つの内側歯１４及び１６を有している。シフ
トドッグ１８は、トランスミッションシャフト１２上に回転について固定締結さ
れているが、トランスミッションシャフト１２の軸２０に沿って軸方向に移動で
きる。プレート２２は、シフトドッグ１８に噛合っているか、またはこれと一体
に成形されている。

【００１１】 当該プレート２２の各片側には、それぞれ、１つの電磁装置２４ももしくは２
６が配置されており、それらは、ここに図示されていない方法で、トランスミッ
ションのハウジングに固定されている。電磁装置２４及び２６は、制御装置２８
と結合されている。電磁装置２４及び２６と各歯車４及び６との間には、それぞ
れ、一つの電磁絶縁プレート３０もしくは３２が設けられている。

【００１２】 歯車４がトランスミッションシャフト１２と回転について固定に締結し、それ
によって生じるトランスミッション２のギヤ段階を形成するために、シフトドッ
グ１８は、図面上の軸２０に沿って軸方向左側に移動される。これは、制御装置
２８による電磁装置２４の操作（制御）によって行なわれる。当該電磁装置は磁
場を発生し、当該磁場によってプレート２２が歯車４の方向に引き付けられる。
シフトドッグ１８の外側歯３４は、シフトドッグ１８と歯車４との回転数が同期
のときに、歯車４の内側歯１４に噛合う。これによって歯車４は、トランスミッ
ションシャフト１２と回転について固定に締結される。シフトドッグ１８の歯車
４方向への動きをサポートするために、電磁装置２６も操作（制御）され得る。
当該電磁装置２６内でも同様に磁場が作られるが、この磁場は、プレート２２を
歯車４の方向に押し放すよう仕向けられる。これによって、電磁装置が、それに
応じて小さく仕上げられるか、シフト力が、それに応じて大きくされることがで
きる。

【００１３】 回転についての固定の締結の解除のためには、電磁装置２４が、プレート２２
が押し放されてそれによってシフトドッグ１８の噛合い部３４が歯車４の噛合い
部１４から離れるように、操作（制御）される。ここでもまた、電磁装置２６に
よる対応するサポートを考慮することができ、その磁場により、プレート２２が
歯車６の方に引き付けられる。

【００１４】 シフトドッグ１８が両歯車４及び６の間のニュートラルポジションに留まり続
ける場合、これは両電磁装置２４及び２６の対応する操作（制御）によりおこる
場合がある。そうして発生した二つの磁場は、引き付けるか押し放すかの態様で
、プレート２２を、そしてそれによってシフトドッグ１８を、ニュートラルの中
間ポジションに保持し得る。当該中間ポジションはまた、プレート２２と各電磁
装置２４もしくは２６との間にある二つのディスクスプリング３６及び３８によ
っても作り出される。プレート２２が一方または他方に動くと、前記ディスクス
プリング３６及び３８は、それに応じて圧縮される。

【００１５】 ニュートラルポジションからのシフトによる歯車６とトランスミッションシャ
フト１２との締結は、それに対応する逆の方法で行なわれる。

【００１６】 図２は、あるトランスミッション２の一断面を示している。第一歯車４及び第
二歯車６は、軸受け８及び１０により、トランスミッションシャフト１２上に回
転可能に軸受けされている。

【００１７】 当該歯車４及び６は、それぞれ、一つの内側歯１４及び１６を有している。シ
フトドッグ１８は、トランスミッションシャフト１２上に回転について固定締結
されているが、トランスミッションシャフト１２の軸２０に沿って軸方向に移動
できる。プレート２２は、シフトドッグ１８に噛合っているか、またはこれと一
体に成形されている。

【００１８】 当該プレート２２の片側には、電磁装置４０が配置されており、それは、ここ
に図示されていない方法で、トランスミッションのハウジングに固定されている
。電磁装置４０は、制御装置２８と結合されている。電磁装置４０と歯車６との
間には、電磁絶縁プレート４２が設けられている。

【００１９】 歯車６がトランスミッションシャフト１２と回転について固定に締結し、それ
によって生じるトランスミッション２のギヤ段階を形成するために、シフトドッ
グ１８は、図面上の軸２０に沿って軸方向右側に移動される。これは、制御装置
２８による電磁装置４０の操作（制御）によって行なわれる。当該電磁装置４０
は磁場を発生し、当該磁場によってプレート２２が歯車６の方向に引き付けられ
る。シフトドッグ１８の外側歯４４は、シフトドッグ１８と歯車６との回転数が
同期のときに、歯車６の内側歯１６に噛合う。これによって歯車６は、トランス
ミッションシャフト１２と回転について固定に締結される。

【００２０】 回転についての固定の締結の解除のためには、電磁装置４０が、プレート２２
が押し放されてそれによってシフトドッグ１８の噛合い部４４が歯車６の噛合い
部１６から離れるように、操作（制御）される。プレート２２と電磁装置４０と
の間に設けられているディスクスプリング４６によって、サポートが行なわれ得
る。これによって、プレート２２は、歯車４の方向に押し放される。

【００２１】 シフトドッグ１８が両歯車４及び６の間のニュートラルポジションに留まり続
ける場合、これは電磁装置４０の対応する操作（制御）によりおこる場合がある
。そうして発生した磁場は、引き付けるか押し放すかの態様で、プレート２２を
、そしてそれによってシフトドッグ１８を、ニュートラルの中間ポジションに保
持し得る。当該中間ポジションはまた、ディスクスプリング４６及び４８によっ
ても作り出される。ディスクスプリング４６は、プレート２２と電磁装置４０と
の間にあり、そしてディスクスプリング４８は、プレート２２と歯車４との間に
ある。プレート２２が一方または他方に動くと、前記ディスクスプリング４６及
び４８は、それに応じて圧縮される。

【００２２】 ニュートラルポジションからのシフトによる歯車４とトランスミッションシャ
フト１２との結合は、制御装置２８によって電磁装置４０を制御することによっ
て、押し放す磁場が作られて、プレート２２とそれに伴ってシフトドッグ１８が
電磁装置４０によって歯車４の方向に押し放されるという態様で、行なわれる。
シフトドッグ１８の外側歯３４は、シフトドッグ１８と歯車４との回転数が同期
のとき、歯車４の内側歯１４に噛合う。これによって歯車４は、トランスミッシ
ョンシャフト１２と回転について固定に締結される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は、２つのギヤ段階用の２つの電磁装置。

【図２】 図２は、２つのギヤ段階用の１つの電磁装置。

【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書

【提出日】平成１４年１月１０日（２００２．１．１０）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正の内容】

【特許請求の範囲】

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 トランスミッション（２）用の電磁式シフト装置であって、 軸（２０）周囲のトランスミッションシャフト（１２）上に、回転可能に配置
   された複数の歯車（４、６）を備え、 当該歯車は、あるギヤ段階を形成するために、シフトドッグ（１８）が軸（２
   ０）に沿って軸方向に移動することにより、トランスミッションシャフト（１２
   ）と回転について固定に締結でき、 そして軸（２０）に沿ったシフトドッグ（１８）の軸方向の移動に適している
   電磁装置（２４、２６、４０）を備え、 当該電磁装置（２４、２６、４０）は、シフトドッグ（１８）の近傍領域に配
   置されており、シフトドッグ（１８）に直接、シフトフォークなしに作用する ことを特徴とする電磁式シフト装置。
2. 【請求項２】 軸（２０）に沿った各軸方向の移動に対し、それぞれ電磁装置（２４，２６）
   が設けられている ことを特徴とする請求項１に記載の電磁式シフト装置。
3. 【請求項３】 軸（２０）に沿った両方向の移動に対し、一つの電磁装置（４０）が設けられ
   ている ことを特徴とする請求項１に記載の電磁式シフト装置。
4. 【請求項４】 一つの軸方向におけるシフト移動の際に、二つの電磁装置（２４，２６）は、
   相互に独立に磁場の異なる作用方向に制御可能である ことを特徴とする請求項１または２に記載の電磁式シフト装置。
5. 【請求項５】 前記電磁装置（２４，２６，４０）内で発生する磁場は、その作用方向につい
   て、シフトドッグ（１８）を軸（２０）に沿って両方向に動かすために、反転可
   能である ことを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載の電磁式シフト装置。
6. 【請求項６】 電磁装置（２４，２６，４０）を制御することによって、様々な負荷低減時間
   が調整可能である ことを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載の電磁式シフト装置。
7. 【請求項７】 前記制御により、シフトドッグ（１８）の当りに対する緩衝装置を形成するた
   めに、磁場の反転が形成される ことを特徴とする請求項５に記載の電磁式シフト装置。
8. 【請求項８】 シフトドッグ（１８）は、電磁装置（２４，２６，４０）により、ニュートラ
   ルポジションに保持される ことを特徴とする請求項１乃至７のいずれかに記載の電磁式シフト装置。
9. 【請求項９】 シフトドッグ（１８）は、スプリングの力により、ニュートラルポジションに
   保持される ことを特徴とする請求項１乃至７のいずれかに記載の電磁式シフト装置。
10. 【請求項１０】 電磁装置（２４，２６，４０）は、ハウジングにしっかりと取り付けられてお
    り、電導線が、トランスミッション（２）のハウジング内またはハウジング上に
    設けられている ことを特徴とする請求項１乃至９のいずれかに記載の電磁式シフト装置。
11. 【請求項１１】 電磁装置（２４，２６，４０）は、トランスミッション（２）の非可動部に対
    して、磁気的に絶縁されている ことを特徴とする請求項１乃至１０のいずれかに記載の電磁式シフト装置。