JP2603027Y2 - 容器兼用注射器 - Google Patents

容器兼用注射器

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JP2603027Y2
JP2603027Y2 JP1993037729U JP3772993U JP2603027Y2 JP 2603027 Y2 JP2603027 Y2 JP 2603027Y2 JP 1993037729 U JP1993037729 U JP 1993037729U JP 3772993 U JP3772993 U JP 3772993U JP 2603027 Y2 JP2603027 Y2 JP 2603027Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、容器兼用注射器に係わ
り、詳しくは、ガラスカートリッジの外周の一端に筒先
が、他端にフインガグリップがそれぞれ嵌合され、ガラ
スカートリッジ内にはラバーストッパが嵌合され、ラバ
ーストッパをそれに固定されるプランジャーロッドによ
って前方へ押圧移動させて、ガラスカートリッジ内に予
め封入されている薬剤を流出させる際に、該ラバースト
ッパを所定位置に一旦停止させることができる容器兼用
注射器に関する。
【0002】
【従来の技術】容器兼用注射器は、容器内に予め薬剤を
満たした状態で運搬、保管できるものであって、薬剤を
封入保管する内室がただ一つである1室型のものと、前
記内室が2つある2室型のものがあるが、特開昭62ー
5357号公報には2室型の容器兼用注射器の一例が示
されている。
【0003】この種の公知の容器兼用注射器1について
図8を参照しながら説明すると、ガラスカートリッジ2
の前端部(この明細書では、注射針が取り付けられて側
を前方つまり図8中左側を前方、逆側を後方と定め
る。)には合成樹脂製の筒先4が密嵌されるとともに、
ガラスカートリッジ2の後端部には合成樹脂製のフィン
ガーグリップ5が密嵌され、これらガラスカートリッジ
2と筒先4とフィンガグリップ5によってシリンジ6が
構成されている。
【0004】ガラスカートリッジ2内には前部ラバース
トッパ7と中間部ラバーストッパ8と後部ラバーストッ
パ9とが、それぞれ適宜間隔をあけて気密、液密的に嵌
合されている。後部ラバーストッパ9の後面には雌ねじ
部9aが形成されており、この雌ねじ部9aにはプラン
ジャーロッド10の先端雄ねじ部が螺合される。そして
注射時において、ラバーストッパ9はプランジャーロッ
ド10により押圧操作される。
【0005】前部ラバーストッパ7と筒先4との間並び
に各ラバーストッパ7〜9の各間にはぞれぞれ内室1
2、13、14が形成されている。前側の内室12は、
プランジャーロッド10の前進と共に各ラバーストッパ
7〜9が前方へ移動する際の空間部であり、ラバースト
ッパ7〜9の移動の結果最終的には内容積がゼロとなる
箇所である。また、中間部の内室13には所定量の粉末
薬剤あるいは凍結乾燥された薬剤16が無菌状態で封入
され、後側の内室14には所定量の溶解液17が無菌状
態で充填されている。また、ガラスカートリッジ2の中
央部には壁部の一部が外方へ膨出することにより、バイ
パス溝20が軸方向に延びて形成されている。
【0006】前記筒先4は、前記ガラスカートリッジ2
の前端部外周に密嵌される円筒状の筒先部21と、注射
針22が取り付けられかつ中央に貫通孔を有する注射針
取付部23とから構成されている。
【0007】上記容器兼用注射器1の使用方法について
図9(イ)〜(ホ)を参照しながら説明すると、上記容
器兼用注射器1を用いて実際に注射を行なう場合には、
まず注射針22を筒先4の注射針取付部23に取り付
け、プランジャーロッド10を後部ラバーストッパ9に
螺合させる(図9(イ)参照)。この状態でプランジャ
ーロッド10を介して後部ラバーストッパ9を前進させ
ると、内室14内の溶解液17の圧力が上昇し、中間部
ラバーストッパ8を前方へ移動させる。このようにプラ
ンジャーロッド10に押圧力を加え続けると、中間部ラ
バーストッパ8はバイパス溝20に対向する位置まで移
動する(図9(ロ)参照)。
【0008】中間部ラバーストッパ8の長さはバイパス
溝20の長さよりも短く設定されているので、溶解液1
7はバイパス溝20と中間部ラバーストッパ8との間に
形成される空間を通って内室13内に流入する。
【0009】さらに、後部ラバーストッパ9を前進させ
ると、後部ラバーストッパ9はついには中間部ラバース
トッパ8と密着し、かつ内室14内の溶解液17は全て
内室13へ移る(図9(ハ)参照)。
【0010】次に、シリンジ6を軽くふって内室13内
において粉末薬剤を溶解液17により懸濁して注射液と
する。そして、再びプランジャーロッド10を介して後
部ラバーストッパ9を前進させる。すると、ラバースト
ッパ9、8が一体となって前進し、内室13内の注射液
を介して前部ラバーストッパ7が前方へ移動され、つい
には筒先4の内室24内に嵌入する(図9(ニ)参
照)。
【0011】その後、後部ラバーストッパ9のさらなる
前進に伴い、内室13内に存する注射液が筒先4の内溝
を通って貫通孔に至り、そこから注射針22へと押し出
される。即ち、注射が実施される(図9(ホ)参照)。
【0012】上記した2室型の容器兼用注射器では、カ
ートリッジ2の内室13、14に、粉体等と液体とを別
々に保管できるので、液体状態では薬効成分が不安定で
変質しやすい薬剤でも、例えば凍結乾燥等の処理をして
粉状とすることにより長期に渡って安定した状態で保管
できる利点がある。
【0013】
【考案が解決しようとする課題】ところで、上記構造の
容器兼用注射器を実用化する際、以下の解決しなければ
ならない問題点がある。
【0014】すなわち、プランジャーロッド10を押圧
してラバーストッパ9を押圧移動させる際に、溶解液1
7が全量前室部へ移動した時点で、該溶解液17を薬剤
16と一体的に懸濁させるために、プランジャーロッド
10を一旦停止させなければならないが、従来の容器兼
注射器では、プランジャーロッド10を一定位置で停止
させる構造にはなっておらず、プランジャーロッド10
の前進を一旦停止させるためには、プランジャーロッド
に加えていた押進力を徐々に弱める必要があり、このた
めプランジャーロッド10に加える押進力の調整に細心
の注意を払わなければならない。この結果、医療の現場
において使用者に煩わしさと心理的時間的負担を与え、
しかも万一所定の位置でプランジャーロッド10を停止
させることができない場合には、前室部が加圧状態にな
ってしまうため薬剤と溶解液とが充分に懸濁されないま
まにその一部が微量ではあるが、注射器から漏出する危
険性があり、そのため懸濁が不充分であったり、溶解液
の飛散による衛生上の問題や微量で高価な薬剤の損失に
よる経済的デメリットの発生などさまざまな不都合が生
じるおそれがあった。
【0015】このような不具合を避けるため、特開平5
ー31190号公報に、プランジャーロッド10に解除
可能なロック機構を設け、プランジャーロッド10を押
圧移動させる際にロック機構によってプランジャーロッ
ド10を外側のホルダに係合させて一旦停止させる構造
のものが提案されている。
【0016】しかしながら、この種の容器兼用型注射器
にあっては、ロック機構を構成する部品がプランジャー
ロッドから外れ易かったり、あるいは操作が複雑で使用
者が煩わしさを感じてしまう欠点があった。また、プラ
ンジャーロッド10に取り付けたロック部材が、外れな
いまでも取付用のねじ部分が緩んでしまい、これに起因
してプランジャーロッドの停止位置が所望する位置から
ずれてしまうおそれがあった。
【0017】本考案は上記事情に鑑みてなされたもの
で、前記した従来の問題点を解決できる容器兼用注射器
を提供することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】係る目的を達成するため
に、請求項1記載の考案では、ガラスカートリッジの外
周の一端に筒先が、他端にフインガグリップがそれぞれ
嵌合され、ガラスカートリッジ内にはラバーストッパが
嵌合され、ラバーストッパがそれに固定されるプランジ
ャーロッドによって前方へ押圧移動される際、前記ガラ
スカートリッジ内に予め封入されている薬剤が、前記筒
先に嵌合される注射針から押し出される容器兼用注射器
において、前記プランジャーロッドを、複数の板材を同
軸状に接合させて複数のリブ部が中心から外方へ放射状
に延びるように構成し、前記フインガーグリップのフラ
ンジ部の内周部に凸部を設け、該凸部に係合する第1,
第2のストッパ板を前記プランジャーロッドのリブ部の
間に、一つのリブ部を間に挟んで互いに隣接するように
かつプランジャーロッドの長さ方向に間隔をあけて設
け、しかも前記第1,第2のストッパ板のうち後方に位
置する第2のストッパ板の前方であって前記第1,第2
のストッパ板の間のリブ部に前記凸部の移動を許容する
溝を設ける構成とした。
【0019】また、請求項2記載の考案では、ガラスカ
ートリッジの外周の一端に筒先が、他端にフインガグリ
ップがそれぞれ嵌合され、ガラスカートリッジ内にはラ
バーストッパが嵌合され、ラバーストッパがそれに固定
されるプランジャーロッドによって前方へ押圧移動され
る際、前記ガラスカートリッジ内に予め封入されている
薬剤が、前記筒先に嵌合される注射針から押し出される
容器兼用注射器において、前記プランジャーロッドを複
数の板材を同軸状に接合させて複数のリブ部が放射状に
延びるように構成し、該プランジャーロッドの後部外周
に所定長さのストッパ部材をその下面に形成した溝を前
記リブ部の一つに嵌合させることにより着脱可能に取り
付け、前記ストッパ部材にロック板を該ストッパ部材の
長さ方向に移動自在かつロック板の下側に形成された係
合溝を前記ストッパ部材が嵌合されるリブ部とは異なる
リブ部に係脱可能に設け、該ロック板が嵌合されるリブ
部の一部分を狭小に形成する構成とした。
【0020】
【作用】請求項1記載の考案によれば、フインガーグリ
ップの内周に凸部を設ける一方、プランジャーロッドの
外周に第1,第2のストッパ板を設けることでロック機
構を構成するものであり、ロック機構としての特別な部
材を用いることなく、ロック機構が実現できる。
【0021】また、請求項2記載の考案によれば、プラ
ンジャーロッドの外周に、プランジャーロッドの移動を
規制するストッパ部材を設けるに止まらず、該ストッパ
部材がプランジャーロッドから離脱するのを防止するロ
ック板を設けているから、ストッパ部材の機能を充分果
たせるほか、運搬中等においてもストッパ部材がプラン
ジャーロッドから離脱するのを確実に防止できる。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照して本考案の実施例につい
て説明する。なお、以下の実施例では、従来例で説明し
たものと、同一構成要素には同一符号を付して説明を省
略する。
【0023】第1実施例 図1及び図2は本考案の第1実施例を示す。この実施例
では、ガラスカートリッジ2に取り付けられたフランジ
部5aの形状とプランジャーロッド10の外周形状との
組み合わせによって、押圧移動時にプランジャーロッド
10を一旦停止させるロック機構を構成している。すな
わち、図2に示すように前記フインガグリップ5のフラ
ンジ部5aの内周部には一対の凸部31,31が互いに
対向するように180度ずれて形成されている。凸部3
1の形状はここでは方形状としているが、これに限られ
ることなく、球状あるいは円錐状,角錐状であってもよ
い。一方、前記プランジャーロッド10は、複数の板材
が同軸状に接合されることにより得られるもので、複数
のリブ部32…が中心から外方へ放射状に延びるよう
に、具体的にはリブ部32…が十字状を形成するように
構成されている。
【0024】プランジャーロッド10の雄ねじ部基底3
3には、前記凸部31に対応する一対の凹部34,34
が形成され、これにより、プランジャーロッド10が凹
部34を前記凸部31に合致するよう回動調整されて押
し込まれるときに、それら凸部31と凹部34が干渉す
ることなくプランジャーロッド10の先端部のガラスカ
ートリッジ2内への侵入を許容される。
【0025】また、プランジャーロッド10には、前記
凸部31に係合する四半円形状の第1,第2のストッパ
板35,35、36,36が、リブ部32…の間に、一
つのリブ部32を間に挟んで互いに隣接するようにかつ
プランジャーロッド10の長さ方向に間隔をあけて設け
られている。ここで、180度ずれて配される互いに対
をなす第1のストッパ板35,35は前記雄ねじ部基底
33に形成した凹部34,34に対応する位置に設けら
れ、互いに対をなす他側の第2のストッパ板36,36
は、第1のストッパ板35,35から90度ずれた位置
に設けられている。
【0026】プランジャーロッド10の互いに対向する
2つのリブ部32の高さの和は、雄ねじ部基底33から
第1のストッパ板35までの値Haがフランジ部5aに
設けた凸部31,31間の間隔Laより小さくなるよう
に、また、第1のストッパ板35から第2のストッパ板
36までの値Hbが凸部31,31間の距離Lよりも大
になるように設定されている。
【0027】前記第2のストッパ板36に隣接するの左
右のリブ部32のうちの一方のリブ部32には溝38が
第2のストッパ板36のすぐ前方に形成され、この溝3
8を前記凸部31が挿通することにより、フインガーグ
リップ5に対してプランジャーロッド10を相対的に回
動できるようになっている。また、このプランジャーロ
ッド10の先端に螺合されるラバーストッパ9の前端か
ら第2のストッパ板36までの距離は、図9中(ハ)で
示す如くプランジャーロッド10がガラスカートリッジ
2に侵入されるとき、一旦停止する距離に等しくなるよ
うに設定されている。
【0028】次に、上記構成の容器兼注射器の作用につ
いて説明する。まず、プランジャーロッド10を後部ラ
バーストッパ9に螺合させ、この状態で後部ラバースト
ッパ9と一体的にプランジャーロッド10を前進させ
る。このとき、フインガーグリップの凸部31が雄ねじ
部基底33の凹部34に合致するよう、ガラスカートリ
ッジ2に対してプランジャーロッド10を相対的に回動
させて押圧移動させる。このようにしないと、フインガ
ーグリップ5のフランジ部5aの凸部31が雄ねじ部基
底33に突き当たりそれ以上の押進を妨げられる。そし
て、凸部が凹部34を乗り越えるよう、プランジャーロ
ッド10を前進させたところで、該プランジャーロッド
10を回転させてその先端を後部ラバーストッパ9に螺
合させ、この状態でさらにプランジャーロッド10を押
進させる。
【0029】上記のようにして後部ラバーストッパ9お
よびプランジャーロッド10を押進させるが、第1のス
トッパ板35がフインガーグリップ5の凸部31に突き
当たったところで、プランジャーロッド10を若干後方
へ引き戻し右方向あるいは左方向へ回動させて、凸部3
1を第1のストッパ板35が設置されていないリブ部3
2,32の間に移動させる。そして、プランジャーロッ
ド10をさらに押進させる。すると、こんどは凸部31
が第2のストッパ板36に突き当たる。
【0030】なお、フインガーグリップ5の凸部31が
基底33の凹部34を通った後、プランジャーロッド1
0の先端を後部ラバーストッパ9に螺合させるため、プ
ランジャーロッド10をフインガグリップ5に対して相
対回転させる際に、凸部31が第1のストッパ板35が
設置されていない部分に至ったときには、上記操作を行
なわずに、そのままプランジャーロッド10を押進させ
る。すると、フインガーグリップ5の凸部31が第2の
ストッパ板36に直接突き当たり、これにより、前記の
場合と同様にプランジャーロッド10およびこれと一体
になった後部ラバーストッパ9を所定位置に一時的に停
止させることができる。
【0031】上記凸部31と第2のストッパ板36との
当接によってプランジャーロッド10を確実に一旦停止
させることができ、また後この時点で図9(ハ)に示す
ように後室部の溶解液は完全に前側の室に移動している
ので、カートリッジ2を軽く震蕩させることで溶解液と
薬剤を懸濁することができる。懸濁後、プランジャーロ
ッド10を右方向に回転させ、第2のストッパ板36の
片側のリブ部32に形成した溝38を利用し、この溝3
8にフインガーグリップ5の凸部31を挿通させること
によって、凸部31を第2のストッパ板36が設置しな
い部分、言い換えれば第1のストッパ板35が設置され
たリブ部32,32間に至らしめることができ、もっ
て、その後プランジャーロッド10をさらに押進させる
ことで薬液等を目的物に注射することができる。なお、
図1中2点鎖線で示すように溝部38を逆側のリブ部3
2に形成するときには、プランジャーロッド10を前記
とは逆に右方向に回転させる。また、溝部38を双方の
リブ部32に形成するときには、プランジャーロッド1
0はいずれの方向に回転させてもよい。
【0032】第2実施例 図3ないし図6は本考案の第2実施例を示す。この実施
例の特徴は、プランジャーロッド10の後部外周に所定
長さのストッパ部材40を着脱自在に取り付け、このス
トッパ部材40によって、押進時のプランジャーロッド
10を確実に一時停止させるとともに、運搬時等におい
てストッパ部材40がプランジャーロッド10から不用
意に離脱するのを防止するため、プランジャーロッド1
0にロック板41を備える構成になっている。
【0033】すなわち、プランジャーロッド10は、前
記第1実施例と同様に、複数のリブ部32…が中心から
外方へ延びて十字状を形成するように構成されている。
プランジャーロッド10の後部外周には、断面コ字状の
ストッパ部材40がその下面に形成した溝42を前記リ
ブ部32…の一つに嵌合させることにより着脱自在に取
り付けられている。ストッパ部材40の長さは、プラン
ジャーロッド10が一旦停止するまでに移動する距離を
考慮して設定されている。
【0034】ストッパ部材40の外周には前記ロック板
41が、その下面に形成された長方形状の溝43をスト
ッパ部材40の上部外周に嵌合されるとともに、溝43
の内周に形成された凸状部43a,43aをストッパ部
材40に側面に形成されたスリット44に嵌合されるこ
とにより、ストッパ部材40の長さ方向に移動自在に配
置されている。また、ロック板41の溝43の開口部分
近傍には側方拡径部45,45が形成され、組付状態に
おいてこの側方拡径部45,45がプランジャーロッド
10の左右両側方のリブ部32,32に嵌合することに
より、ロック板41およびストッパ部材40のプランジ
ャーロッド10からの抜け止めがなされる。
【0035】また、前記プランジャーロッド10のリブ
部32…には後端部近傍に狭小部32aが形成されてい
て、プランジャーロッド10の外周に前記ストップ部材
40が嵌合されるとき、予め前方へ寄せられたロック板
41の下端突出部41a,41aが、この狭小部32a
を乗り越えることにより、ロック板41の側方拡径部4
5がプランジャーロッド10の側方リブ部32と同一高
さとなり、この状態でロック板41を図5中矢印で示す
ように移動させると、側方拡径部45が側方リブ部3
2,32に嵌合し、もって、ロック板41およびストッ
パ部材40のプランジャーロッド41からの抜け止めが
なされる。
【0036】次に、上記構成の容器兼用注射器の作用に
ついて説明する。まず、プランジャーロッド10にスト
ッパ部材40を組み付けるとともに、該プランジャーロ
ッド10の先端に後部ラバーストッパ9に螺合させる。
プランシャーロッド10にストッパ部材40を組み付け
るには、ロック板41を予め前方の移動限界位置まで移
動させておき、この状態で、ストッパ部材40の下側の
溝42をプランジャーロッド10の上方に起立するリブ
部32に嵌合させる。その後、ロック板41を図5中矢
印で示す方向へ移動させ、ロック板41の側方拡径部4
5をプランジャーロッド10の側方リブ部32へ嵌合さ
せる。これにより、ロック板41およびそれに嵌合され
ているストッパ部材40をプランジャーロッド10から
抜け出るのを防止できる。
【0037】この状態で、後部ラバーストッパ9と一体
的にプランジャーロッド10を押進させる。すると、ス
トッパ部材40の先端がガラスカートリッジ2のフラン
ジ部5に突き当たり、これにより、プランジャーロッド
10および後部ラバーストッパ9が一旦停止する。この
段階で、後室14の溶解液は完全に前側の室13に移動
するので、カートリッジ2を軽く震蕩させることで溶解
液と薬剤とを懸濁を促し、充分に懸濁したことを確認し
た後、スリット44に沿ってロック板41を図6中矢印
方向へ移動させ、リブ部32…の狭小部32aに至らせ
る。これにより、リブ部32と側方拡径部45との係合
が解かれる。そして、ストップ部材40を手で軽く保持
し、上方に引き抜けば、ストッパ部材40の溝42がプ
ランジャーロッド10のリブ部32…から外れる。この
ように、ストッパ部材40はロック板41をつけたまま
プランジャーロッド10から外すことができ、これによ
りロック機構を解除できる。
【0038】そして、さらにプランジャーロッド10を
押進することにより、懸濁された注射液を前室部から注
射針を通過して目的物に注入させることができる。な
お、係合部片の材質は熱可塑性合成樹脂が好ましいが、
上記と同様の作用効果を奏するものであれば、特に限定
はない。
【0039】なお、上記各実施例では、2室型の容器兼
用注射器に本考案が適用された例について説明したが、
これに限られることなく、1室型の容器兼用注射器にも
本考案は適用可能であり、また、2室型の容器兼用注射
器のうち、ガラスカートリッジが2本で構成されている
場合にも本考案は適用可能である。また、図8に示す2
室型の容器兼用注射器ではラバーストッパ7,8,9は
合計3個設けられているが、これに限られることなく、
4個以上のラバーストッパを備えた2室型の容器兼用注
射器にも本考案は適用可能である。
【0040】
【考案の効果】請求項1記載の考案によれば、フインガ
ーグリップの内周に凸部を設ける一方、プランジャーロ
ッドの外周に第1,第2のストッパ板を設けることでロ
ック機構を構成するものであり、ロック機構としての特
別な部材を用いることなく、ロック機構が実現できる。
また、フランジャーロッドに直接ストッパ板を設けてい
るため、緩んだり外れたりするおそれがなく、所望する
位置に確実にプランジャーロッドを一旦停止させること
ができる。また、請求項2記載の考案によれば、プラン
ジャーロッドの外周に、プランジャーロッドの移動を規
制するストッパ部材を設けるに止まらず、該ストッパ部
材がプランジャーロッドから離脱するのを防止するロッ
ク板を設けているから、ストッパ部材の機能を充分果た
せるほか、運搬中等においてもストッパ部材がプランジ
ャーロッドから離脱するのを防止できる等の優れた効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例を示す容器兼用注射器のプ
ランジャーロッドの斜視図である。
【図2】同容器兼用注射器のフインガーグリップのフラ
ンジ部の正面図である。
【図3】本考案の第2実施例を示す容器兼用注射器のプ
ランジャーロッド及びストッパ部材の分解斜視図であ
る。
【図4】ロック板の正面図である。
【図5】ストッパ部材の組付状態を示す斜視図である。
【図6】第2実施例の作用を示す容器兼用注射器の後部
横断面図である。
【図7】第2実施例の作用を示す容器兼用注射器の後部
断面図である。
【図8】容器兼用注射器の従来例を示す断面図である。
【図9】(イ)〜(ホ)は同従来例の容器兼用注射器の
動きを示す各断面図である。
【符号の説明】
1 容器兼用注射器 2 ガラスカートリッジ 4 筒先 5 フインガーグリップ 7 ラバーストッパ 12 内室 13 内室 14 内室 16 薬剤 17 溶解液 31 凸部 32 リブ部 33 雄ねじ部基底 34 凹部 35 第1のストッパ板 36 第2のストッパ板 38 溝 40 ストッパ部材 41 ロック板 45 側方拡径部

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスカートリッジの外周の一端に筒先
    が、他端にフインガグリップがそれぞれ嵌合され、ガラ
    スカートリッジ内にはラバーストッパが嵌合され、ラバ
    ーストッパがそれに固定されるプランジャーロッドによ
    って前方へ押圧移動される際、前記ガラスカートリッジ
    内に予め封入されている薬剤が、前記筒先に嵌合される
    注射針から押し出される容器兼用注射器において、 前記プランジャーロッドを、複数の板材を同軸状に接合
    させて複数のリブ部が中心から外方へ放射状に延びるよ
    うに構成し、前記フインガーグリップのフランジ部の内
    周部に凸部を設け、該凸部に係合する第1,第2のスト
    ッパ板を前記プランジャーロッドのリブ部の間に、一つ
    のリブ部を間に挟んで互いに隣接するようにかつプラン
    ジャーロッドの長さ方向に間隔をあけて設け、しかも前
    記第1,第2のストッパ板のうち後方に位置する第2の
    ストッパ板の前方であって前記第1,第2のストッパ板
    の間のリブ部に前記凸部の移動を許容する溝を設けたこ
    とを特徴とする容器兼用注射器。
  2. 【請求項2】 ガラスカートリッジの外周の一端に筒先
    が、他端にフインガグリップがそれぞれ嵌合され、ガラ
    スカートリッジ内にはラバーストッパが嵌合され、ラバ
    ーストッパがそれに固定されるプランジャーロッドによ
    って前方へ押圧移動される際、前記ガラスカートリッジ
    内に予め封入されている薬剤が、前記筒先に嵌合される
    注射針から押し出される容器兼用注射器において、 前記プランジャーロッドを複数の板材を同軸状に接合さ
    せて複数のリブ部が放射状に延びるように構成し、該プ
    ランジャーロッドの後部外周に所定長さのストッパ部材
    をその下面に形成した溝を前記リブ部の一つに嵌合させ
    ることにより着脱可能に取り付け、前記ストッパ部材に
    ロック板を該ストッパ部材の長さ方向に移動自在かつロ
    ック板の下側に形成された係合溝を前記ストッパ部材が
    嵌合されるリブ部とは異なるリブ部に係脱可能に設け、
    該ロック板が嵌合されるリブ部の一部分を狭小に形成し
    たことを特徴とする容器兼用注射器。
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