JP2602970Y2 - 眼 鏡 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は眼鏡に関し、さらに詳細
にはレンズに対してブリッジとテンプルとを取り替え自
在にした眼鏡に関する。

【０００２】

【従来の技術】近視者、遠視者あるいは乱視者が正常に
文字や物を読んだり見たりすることを補助するための眼
鏡としては、２つの眼鏡レンズと、これらの２つの眼鏡
レンズを保持するレンズ枠と、レンズ枠をつなぐブリッ
ジと、前記各レンズ枠にヒンジを介して取り付けられた
テンプルと、このテンプルと一体に設けられた耳掛部と
からなる眼鏡が古くからある。また、最近ではレンズ枠
を用いることなく、眼鏡レンズにブリッジとテンプルと
を直接取り付けた眼鏡が知られている。特に、このレン
ズ枠なしの眼鏡は遠近視の度数によって凹凸が決まり、
またレンズの周囲の形状もユーザーの好みに合わせるこ
とも相俟って、現状ではレンズメーカーは例えば直径６
０m/m の丸いレンズを眼鏡店へ供給し、眼鏡店でレンズ
の周囲の形状やユーザーにおいて購入するテンプルに合
う穴をその場で穿っていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記レ
ンズに穴を穿設してテンプルを取り付けることは眼鏡店
でレンズとテンプルを特定した後で行うものであり、装
飾性のあるテンプルやブリッジを使用者自身で交換する
ことは不可能であるなどの問題点があった。また、誤っ
て落したり踏んだりしてブリッジやテンプルが折れ曲が
る等の歪みを来たした場合など、眼鏡店など専門家に修
理を依頼するか、或いは眼鏡自体を買い替えなければな
らず、使用者自身では、実質的に修理ができないという
問題があった。一方、本考案と同一考案者の出願に係る
実開平２−１０９３１９号公報の考案があるが、それは
テンプルに対してフレームを付け替え自在にしたもので
あり、しかもレンズとテンプルは全て古くからある周知
のピンによるねじ結合であり、こういった構造は眼鏡屋
など専門店でないと交換できないものである。

【０００４】本考案は、前述の従来の技術の欠点を解決
せんとしたものであり、その目的は、ユーザー自身でレ
ンズとブリッジ及びテンプルのデザインをピンなどを用
いることなく直接変更可能にし、装飾としてのファッシ
ョン性と修理などの実用性を簡易な手段で得ることがで
きる眼鏡を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は、前述の目的に
鑑みてなされたものであり、その要旨は、レンズとブリ
ッジおよび／またはテンプルを取り替え自在にした眼鏡
であって、前記レンズに予め円形以外の開孔部を設け、
前記ブリッジおよび／またはテンプルには前記開孔部に
ねじピンなどの止め具を用いることなく直接着脱可能に
した挿嵌部を設けると共に、前記挿嵌部は上記開孔部の
形状により差し込み方向を軸とする軸回転を不能にして
形成したことを特徴とする眼鏡にある。

【０００６】

【作用】本考案の眼鏡では、レンズに予め円形以外の開
孔を設けておき、この開孔部にブリッジおよび／または
テンプルに設けた挿嵌部を挿着することで、レンズにブ
リッジおよび／またはテンプルをねじピンなどの止め具
を用いることなく、直接取り替え自在に取り付けること
ができる。また、レンズとテンプルおよびブリッジが、
相対的回転を生じることは眼鏡を顔に正確に装着できな
くし、このことは眼鏡屋も嫌い、ユーザにおいても眼に
悪い。本考案は、レンズの異形開孔部とこの開孔部にテ
ンプルとブリッジの挿嵌部を挿着して、互いの相対的回
転ができないようにした。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の一実施例を添付図面を参照し
て説明するが、本考案はこれに限定されるものではな
い。

【０００８】本考案の眼鏡１００は、図１に図示するよ
うに、２つのレンズ１０と、該レンズ１０を一体にする
ブリッジ２０と、該レンズ１０各々に取り付けられるテ
ンプル３０とで構成される。

【０００９】レンズ１０には、図２に図示するように、
ブリッジ２０を取り付けるための嵌合孔１１と、テンプ
ル３０を取り付けるための嵌合孔１２とを横長の略楕円
形に穿設し、レンズ全体のデザイン性の確保並びにレン
ズ厚みによる光学縞の発生防止が図られている。なお、
図示しないが、これらの各レンズ１０には線ぼかし、つ
や消し、彫刻、着色など任意の造形、模様または色彩を
施すことができる。

【００１０】相対する鼻掛部２２を有するブリッジ２０
は、図３に図示するように、２つの左右対象となる前記
レンズ１０の各内側を連結するための着脱機構としての
挿嵌部２１を備える。該挿嵌部２１は、相対する２つの
半筒状の弾性金属片２１ａ、２１ｂの先部に弾性金属片
２１ａ、２１ｂより径の大きい楕円体２１ａ’、２１
ｂ’がそれぞれ形成され、前記レンズ１０の嵌合孔１１
に嵌脱し易いよう弾性金属片２１ａ、２１ｂ間には収縮
可能にした隙間を備える。前記楕円体２１ａ、２１ｂの
各先端部には挿嵌し易くすると同時に、抜脱する際に、
離脱を容易にする前記弾性片２１ａ、２１ｂよりさらに
径の小さい解除片２１ａ”、２１ｂ”を備える。したが
って、該ブリッジ２０は、前記レンズ１０の嵌合孔１１
に挿嵌部２１を嵌入することにより弾性金属片２１ａ、
２１ｂ間が収縮し、簡易に取り付け固定することがで
き、嵌合した挿嵌部２１は、解除片２１ａ”、２１ｂ”
で弾性金属片２１ａ、２１ｂを収縮し簡易に抜き外すこ
とができる。また、該ブリッジ２０には、任意の形状、
色彩のデザインを施すことができる。

【００１１】テンプル３０は、図４に図示するように、
前記の２つのレンズ１０の外側に取り付けるための挿嵌
部３１と、耳に掛ける耳掛け部３２（図１参照）とをヒ
ンジ３３で折り曲げ可能にして備える。該挿嵌部３１
は、前記ブリッジ２０と同様に、２つの半筒状の弾性金
属片３１ａ、３１ｂと楕円体３１ａ’、３１ｂ’とで形
成し、やはり前記レンズ１０の嵌合孔１２に嵌脱し易い
よう弾性金属片３１ａ、３１ｂ間には収縮用の隙間を備
え、かつ先端部には抜脱する際、嵌合を解除する解除片
３１ａ”、３１ｂ”を備える。したがって、該テンプル
３０は、前記レンズ１０の嵌合孔１２に挿嵌部３１を嵌
入することにより弾性金属片３１ａ、３１ｂが収縮し、
簡易かつ動かないように安定して取り付け固定すること
ができ、嵌合した挿嵌部３１は、解除片３１ａ”、３１
ｂ”で弾性金属片３１ａ、３１ｂを収縮し簡易に抜き外
すことができる。

【００１２】次に本考案の他の実施例を図５を参照して
説明する。

【００１３】図５に示す眼鏡６００は、２つのレンズ６
１０と、該レンズ６１０を一体にするブリッジ６２０
と、該レンズ６１０各々に取り付けられるテンプル６３
０とで構成される。

【００１４】レンズ６１０は、ブリッジ６２０を取り付
けるための嵌合孔と、テンプル６３０を取り付けるため
の嵌合孔６１２とをＬ形に穿設している。

【００１５】ブリッジ６２０は、相対する鼻掛部６２２
と、２つの左右対象となる前記レンズ６１０の各内側を
連結するための着脱機構としての挿嵌部とを形状記憶合
金にて一体に形成して備える。挿嵌部は、先端部を前記
嵌合孔のＬ形よりやや小さく、また先端部から該挿嵌部
の元にかけて前記嵌合孔のＬ形よりやや大きくなるよう
にＬ形棒状に形成している。

【００１６】テンプル６３０は、前記２つのレンズ６１
０の外側に取り付けるための挿嵌部６３１と、耳に掛け
る耳掛け部６３２とを形状記憶合金により一体に形成し
て備える。挿嵌部６３１は、前記ブリッジの挿嵌部と同
様に、先端部を前記嵌合孔６１２よりやや小さく、また
先端部から該挿嵌部６３１の元にかけて前記嵌合孔６１
２のＬ形より大きくなるようにＬ形棒状に形成してい
る。

【００１７】Ｌ形棒状に形成された挿嵌部を有するブリ
ッジ６２０およびテンプル６３０は、レンズ６１０に穿
設された嵌合孔に各々嵌合することにより固定され、レ
ンズ６１０に固定されたブリッジ６２０およびテンプル
６３０は、嵌合孔から引き抜くことにより容易に取り外
すことができる。

【００１８】本実施例の眼鏡では、楕円形又はＬ形の開
孔を予めレンズに設け、これらにブリッジ及び／又はテ
ンプルを取り付けるために、２つ半筒状の弾性金属片か
らなる挿嵌部や、Ｌ形棒状の挿嵌部を用いたが、本考案
はこれに限定されるものではなく、まずレンズに予め設
ける開孔は同心の丸形以外のものであればどのような形
状としてもよく、またブリッジ及び／又はテンプルを取
り付けるための着脱機構は、前記開孔に取り替え自在に
着脱し得るようなものであれば、どのような機構として
もよい。

【００１９】

【考案の効果】本考案の眼鏡は、予め円形以外の開孔部
を設け、この開孔部にブリッジおよび／またはテンプル
の挿嵌部をねじピンなどの止め具を用いることなく直接
着脱可能に形成したので、従来の眼鏡店での工具を用い
た着脱機構と異なり、使用者自身で簡単にレンズとテン
プルやブリッジの取り外しができて、テンプルなどの折
り曲がりや損傷による修理や取り替えによるデザインの
変更を容易にした。また、上記開孔部と挿嵌部との直接
による簡単な着脱構造によるものであっても、開孔部を
円形以外の開孔により挿嵌したテンプルやブリッジが差
し込み方向を軸とする回転が生じないので（挿嵌によっ
て差し込み方向に動くことはない）、眼鏡を正確に装着
することができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の眼鏡の一実施例を示す全体斜視図であ
る。

【図２】図１のレンズを拡大して示す斜視図である。

【図３】図１のブリッジを拡大して示す斜視図である。

【図４】図１のテンプルの一部を拡大して示す斜視図で
ある。

【図５】本考案の眼鏡の他の実施例を示す全体斜視図で
ある。

【符号の説明】

１０、６１０ レンズ ２０、６２０ ブリッジ ３０、６３０ テンプル １００、６００ 眼鏡

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 レンズとブリッジおよび／またはテンプ
   ルを取り替え自在にした眼鏡であって、 前記レンズに予め円形以外の開孔部を設け、前記ブリッ
   ジおよび／またはテンプルには前記開孔部にねじピンな
   どの止め具を用いることなく直接着脱可能にした挿嵌部
   を設けると共に、 前記挿嵌部は上記開孔部の形状により差し込み方向を軸
   とする軸回転を不能にして形成したことを特徴とする眼
   鏡。
2. 【請求項２】 前記挿嵌部が、２つの弾性金属片からな
   り、該金属片の先端部に挿脱を容易にした解除片と、そ
   の解除片の基部に解除片より径の大きい金属体を形成し
   たものである請求項１に記載の眼鏡。