JP2602799B2 - 電動弁の異常診断装置 - Google Patents

電動弁の異常診断装置

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JP2602799B2 JP1128561A JP12856189A JP2602799B2 JP 2602799 B2 JP2602799 B2 JP 2602799B2 JP 1128561 A JP1128561 A JP 1128561A JP 12856189 A JP12856189 A JP 12856189A JP 2602799 B2 JP2602799 B2 JP 2602799B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、弁およびその駆動装置を分解することな
くこれらの保守・点検及び運転中に診断を行うことがで
きる電動弁の異常診断装置に関する。
〔従来の技術〕
現在、電動弁の点検は、稼働時間や稼働回数などの物
理的条件または過去の実績などによって適正な点検周期
を設定し、計画的に弁の分解検査を行い所期の成果を得
ている。しかしながら、このような点検方法では、弁の
分解時及び調整時に人為的な不備が発生するおそれが大
きい。また弁の不必要な部分まで分解をしなければなら
ず、多くの弁を対象とする場合は作業労力が激増した
り、熟練作業者を確保することが困難である等、多くの
問題点を有していた。
ところで手作業による点検に代えて電動弁の異常を自
動的に検出し、上記問題点を解決するための監視装置に
ついても最近は種々開発されている。これらは内部流体
の漏洩、弁の開度、弁棒ねじ部の磨耗、或いは弁開閉装
置のトルク等を個別に検知し、各部の異常を判定するも
のである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら電動弁の異常箇所を個別に検知する装置
では、特に弁全体をチェックする必要のある定期点検で
は時間がかかり過ぎる。また判定結果も個別に得ること
ができるだけなので、これらを総合して弁体の情況を判
断するにはやはり相当の熟練を要する。更にこれらの装
置を組み合わせることもあるが、単に構造として組み合
わせたのみで装置全体が複雑且つ大掛かりになるばかり
でなく、やはり判定結果は個別的に提供されるので異常
の兆候と異常箇所の特定化を行った有効な総合判断をす
ることはできない。
本発明は、定期点検または運転中に電動弁全体におけ
る異常の兆候と異常箇所の特定化を行い、総合的に弁の
点検範囲の限定及び異常部品の取替え時期を判断し、し
かも熟練を要することなく操作できる異常診断装置を提
供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、請求項1記載は、少なく
とも電動駆動装置への供給電流を検出するクランプ式の
電流センサ、弁リフトを検出するワイヤー式エンコーダ
よりなる弁リフトセンサ、及び電動駆動装置のトルクス
イッチシャフトの回転変位を検出するトルクスイッチ回
転変位センサを含み、いずれも被検出部に仮設される検
出装置と、これらの検出装置から出力される検知信号を
集録し、所定の伝送信号に変換するデータ集録装置と、
該集録装置に接続され、予め設定された診断項目の基準
値及び診断記録の集積を入力し、診断項目毎にこれらの
基準値と上記診断データとを比較して故障モード及び劣
化モードを表示する演算処理装置とを備えた構成であ
る。
請求項2は、請求項1の構成において、診断データ
が、少なくとも、電流センサ及び弁リフトセンサの出力
から得た弁操作所要時間に関するデータと、トルクスイ
ッチ回転変位センサの出力から得た弁棒の曲がりに関す
るデータと、電流センサ、弁リフトセンサ及びトルクス
イッチ回転変位センサの出力から得た弁体突っ込み量に
関するデータとを含む構成としている。
請求項3は、上記請求項1又は2の構成において、演
算処理装置に絶縁抵抗診断機構を接続し、絶縁抵抗が許
容値から外れたときに演算処理装置が故障モード及び劣
化モードを表示するように構成している。
請求項4は、上記請求項1〜3の構成において、演算
処理装置に弁ロック機構及びロードセルを併設した駆動
装置の出力校正機構を接続し、弁ロック機構による弁棒
ロック時におけるロードセル及びトルクスイッチ回転変
位センサからの出力に基づいてトルクスイッチ設定値が
許容値から外れるときに演算処理装置が故障モード及び
劣化コードを表示するように構成している。
請求項5は、上記請求項1〜4の構成において、検出
装置が、弁位置に応じて作動するスイッチの開閉を検出
する電気回路センサを含み、診断データが、上記電気回
路センサ及び弁リフトセンサの出力から得たスイッチ作
動点に関するデータを含む構成としている。
請求項6は、請求項5の構成において、スイッチ作動
点を補正するリミットスイッチ自動調整機構が演算処理
装置に接続され、スイッチ作動点に関するデータに基づ
いてスイッチ作動点を補正するように構成している。
〔作 用〕
請求項1では、電動駆動装置各部位の動作を検出装置
によって、検知信号に変換してこの信号をデータ集録装
置を介して演算処理装置に入力し、ここで診断項目毎に
予め設定された基準値及び診断記録の集積とを比較演算
して故障モードおよび劣化モードを表示するという作用
を奏する。その場合、検出装置は、クランプ式の電流セ
ンサ、ワイヤー式エンコーダよりなる弁リフトセンサ及
びトルクスイッチ回転変位センサのように、予め電動弁
に組み込むのではなく被検出部に仮設されるものでる。
しかも、弁リフトセンサでは、ワイヤー式エンコーダに
より弁リフトが直接的に検出される。
請求項2では、弁操作所要時間、弁棒の曲がり及び弁
体突っ込み量が診断項目となる。
請求項3では、絶縁抵抗が許容値から外れると演算処
理装置が故障モード及び劣化モードを表示する。
請求項4では、弁ロック機構により弁棒をロックして
から弁棒を開作動すると、演算処理装置においてトルク
スイッチ設定値が算定され、許容値から外れたときには
故障モード及び劣化モードが表示される。
請求項5では、電気回路センサ及び弁リフトセンサの
出力から、スイッチ作動点が検出され、許容値から外れ
たときには故障モード及び劣化モードが表示される。
請求項6では、演算処理装置に制御されるリミットス
イッチ自動調整機構によりスイッチ作動点が補正され
る。
〔実施例〕
以下、本発明の構成を図面に示す実施例に基づいて更
に具体的に述べると、1は弁(図示せず)の開閉を行う
電動駆動装置であって、下述する各部位2〜8にセンサ
・スイッチ類からなる検出装置を取り付けたものであ
る。即ち、被測定電線2にクランプ式電流センサを、弁
棒カバー3に弁の昇降量を測定するワイヤー式エンコー
ダなどの弁リフトセンサを、制御室4内の一側に固体音
を計測する圧電式加速度ピックアップ等の振動加速度セ
ンサを、トルクスイッチシャフト5に締め付け力を検知
するポテンショメータ等のトルクスイッチ回転変位セン
サを、ギヤード及びトルクバイパススイッチ端子6にギ
ヤードスイッチ及びトルクバイパススイッチの各ON,OFF
を検知する電気回路センサを、また所定のトルク値で開
閉するトルクスイッチ7にはその接点のON,OFFを検知す
る電気回路センサを取り付けたものである。更に上記駆
動装置のモータ端子8には絶縁抵抗値を計るモータ絶縁
計測器を、ハウジングカバー9には軌道装置の出力校正
を行うためにロードセルを取り付けた弁棒ロック機構を
設置してなるものである。
次に10はデータ集録装置で、上記検出装置の各検知信
号を診断データとして一時的に収録する機能と、上記信
号を下述する演算処理装置に伝送するためにA/D(アア
ナログ/デジタル)変換する機能を備えたものである。
11は演算処理装置を示し、上記データ集録装置10に接続
され、現場での診断結果(故障モード)を表示する機能
と、現場にて採取した診断データを記憶手段に収録し、
これらの診断データ及び過去の診断データの集積を基に
弁の点検範囲の限定及び異常部品の取替え時期を総合的
に診断する機能と、第2図のブロック図に示した現場診
断システム、弁ロック機構、駆動装置の出力校正診断機
構、絶縁抵抗診断機構およびリミットスイッチ自動調整
機構の制御と作業手順を表示する機能を有するものであ
る。
尚、図中12は手動ハンドル、13は上記各検出装置への
配線を巻回収納する信号ドラムを示す。
次に、上記センサ・スイッチ等からなる検出装置によ
って弁機能および電動駆動装置のどのような異常を診断
するかについて述べる。
(a)「弁操作所要時間」は、アクチュエータがモータ
駆動信号を受けて弁棒の移動が停止するまでの時間とし
て求められるため、第3図の弁操作所要時間診断情報に
示すように、弁棒の移動量とモータ電流の情報によって
診断する。またこの情報を基にした弁操作所要時間の診
断処理の手順を第4図に示す診断制御フローチャートに
基づいて述べると、先ず弁の開閉作動に伴って弁棒を移
動させるためにモータ電流量が増大する。次にクランプ
式電流センサで弁起動時の時間[A]を測定し、又並行
してワイヤー式エンコーダ等の弁リフトセンサによって
弁棒の移動量から弁停止時の時間[B]を測定する。こ
れらの時間を基に弁の開から閉、閉から開の所要時間
[C]を求める([C]=[A]−[B])。更に上記
所要時間[C]と規定値との比較を行い、その範囲内で
あれば正常として、また規定値の範囲外であれば異常と
判断し、それぞれディスプレイに診断表示される。この
診断によって満足する状態であればそのまま終了し、再
度診断し直す必要がある場合は開閉作動へフィードバッ
クする。
尚、弁操作所要時間はモータ、アクチュエータ及びバ
ルブ部品の劣化が総合された遅れとなって表れるため、
個々の診断で良好と評価されても所要時間が満足しなけ
れば、プラント運転システムとしては不適合となる。
(b)「弁棒の曲がり」診断については、弁棒の曲がり
部が弁棒ガイド部と接触して弁操作力量が開閉途中で増
減する事象を検知して異常箇所の異常兆候の把握と特定
化を行う。ここで用いるセンサはトルクスイッチ回転変
位センサと弁リフトセンサである。トルクスイッチ回転
変位センサでは、予めこのトルクスイッチ回転変位セン
サと駆動装置の締め付け力の関係を求めた相関データ
(回帰式)を演算処理装置に入力させ、この記憶手段を
基にトルクスイッチの回転変位量を締め付け力に換算す
る。また弁リフトセンサでは弁棒とセンサの回転検出部
にワイヤを延設し、弁棒の移動量を回転数に変換し、こ
れを検知信号としてデータ集録装置に出力する。ここで
同時に検出集録したデータはデータ集録装置でデジタル
信号に変換して演算処理装置に入力し、予めこの演算処
理装置に入力されている診断アルゴリズム(弁操作力量
が開閉途中で増減する事象)と比較して「弁棒の曲が
り」の故障モードに関する診断結果をディスプレイに表
示する。
而して上述した「弁棒の曲がり」の診断においては第
5図に示したように、弁の作動途中でスラスト力(摺動
抵抗)が増減するので、開閉トルクバイパススイッチOF
F区間内のスラストの変化と、弁棒の移動量(弁棒の曲
がり箇所特定のため)を情報として診断することができ
る。次にこの情報と同時に示したしきい値(許容値)を
基にして弁棒の曲がり診断の手順を第6図のフローチャ
ートに従って述べる。先ず弁が開側または閉側へ作動す
ると同時に、トルクスイッチ回転変位センサ、開閉トル
クバイパススイッチ及び弁リフトセンサが作動し、それ
ぞれがスラスト力、開閉トルクバイパススイッチのON,O
FF信号及び弁棒の移動量を測定する。次にこの測定点が
開側及び閉側のトルクバイパススイッチのOFFの途中に
あるかを確認した後、上記スラスト力の測定値としきい
値を比較すると同時に、この時点で上記弁棒の移動量測
定値を確認する。更に上記スラスト力の測定値がしきい
値よりも小さい場合は正常であり、上記測定値がしきい
値よりも大きい場合はパッキンの締め過ぎと判断され、
また上記スラスト力の増減位置を算定することによって
弁棒の曲がり箇所を特定する。次に上記各診断をディス
プレイに表示し、この診断が満足するものであれば診断
を終了し、再度診断し直す必要がある場合は弁の開閉作
動へフィードバックする。
(c)弁体の落ち込み(全閉停止位置)は、弁棒の移動
量から検出可能であるため、手動ハンドルによってバッ
クシートから弁体着座までの弁リフトと弁体着座時のリ
フトのゼロ点を確認しておき(これは弁体の落ち込みだ
けでなく下述するギヤード停止位置、トルク停止位置及
びトルクバイパス位置の判定基準のゼロ点となる)、次
に上記弁リフトセンサで弁体・弁座の磨耗を、またモー
タ電流センサ、弁リフトセンサ、トルクスイッチ回転変
位センサ、トルクスイッチで慣性過大による弁体の突っ
込み量を測定して「弁体の落ち込み」を診断する。更に
詳述すると、弁リフトセンサに例えばエンコーダを使用
し、弁棒の移動をセンサ検出部の回転に変換してこの回
転量を検知信号としてデータ集録装置に出力する。この
検知信号をデジタル信号に変換して演算処理装置に入力
し、予めこの演算処理装置に入力されている基準値と比
較して「弁体・弁座の磨耗」の故障モードを検知し、そ
の旨ディスプレイに表示する。又上述したトルクスイッ
チ回転変位センサで計測した締め付け力、電流センサに
よって計測されたモータ電流及びトルクスイッチの開閉
信号の各検知信号をデジタル変換した後、予め入力され
ているそれらの基準値(定格電流値)とを演算処理装置
11で比較し、「慣性過大による弁体の突込み」が認めら
れた場合は、その旨ディスプレイに表示し、上記故障モ
ードの表示とを勘案して、弁体の落ち込みの有無を診断
することができる。
(d)「グランドパッキンの適正締め付け」の診断は、
先ず、駆動装置1で閉弁作動させた後、トルクスイッチ
回転変位センサでグランドパッキンの摺動抵抗を初期デ
ータとして採取し、再起動時の漏洩を防止するため、規
定のトルクでグランドパッキンの増締めを行う。次にト
ルクスイッチ回転変位センサで増締め後のグランドパッ
キンの摺動抵抗データを採取し、このデータを予め演算
処理装置に入力されている計画摺動トルクまたは上記初
期データと比較して、弁操作力量の適正を判定すると共
に、振動加速度センサによってパッキンの締め過ぎによ
り発生する弁棒の異常音の有無を確認することにより行
う。
(e)「トルク停止位置」の診断は、弁リフトセンサ及
びトルクスイッチによって停止位置の不適正を、またモ
ータ電流センサ、弁リフトセンサ、トルクスイッチ回転
変位センサ、トルクスイッチのON,OFF信号で必要トルク
の不適正を確認して行う。
(f)「ギヤード停止位置」の診断は、弁リフトセンサ
とギヤードリミットスイッチで停止位置の不適正を、ま
た弁リフトセンサ、トルクスイッチ回転変位センサ、ギ
ヤードリミットON,OFFスイッチで弁棒にグランドパッキ
ン摺動抵抗以上のトルクが作用していないかどうかを検
出することにより行う。
(g)トルクバイパススイッチは、弁の開閉操作時に発
生するハンマーブロー効果の影響から、トルクスイッチ
を保護するためのものであって、弁リフトセンサ、振動
加速度センサ及びトルクバイパスリミットスイッチのO
N,OFF信号で開或いは閉側の適正位置でトルクバイパス
が作用しているかどうかを確認することにより「トルク
バイパススイッチの位置」を診断する。
(h)「ロックナットの緩み」を診断する場合は、ウォ
ームホイルがハンマーブロー構成を介してステムナット
を回転させた後に、ステムナットがロックナットの緩み
量だけ移動してロックナットに衝突するので、弁リフト
センサ、振動加速度センサ及び時間センサで弁棒操作の
開始時間の遅れ、弁棒移動前後に衝撃音が2回(1回が
正常)発生するのを検知することにより行う。
(i)「駆動歯車及びベアリングの焼付けや表面荒れ」
の診断は、電流センサと振動加速度センサでモータの出
力変動と異音の発生を検知することにより行う。
(j)トルクスイッチ回転変位センサでトルクスプリン
グの撓みが増加しているかどうかを検知して「トルクス
プリング固定ナットの緩み」を診断する一方、トルクス
プリングのへたり(スプリングの撓みとトルクの関係)
或いは破損を検知して「トルクスプリング」自体の診断
を行う。即ち、ハウジングカバー取付けボルト孔を利用
してロードセルを取り付けた弁棒ロック機構に弁棒先端
部を接触させる。次に電動駆動装置にて開弁操作を行
い、トルクスイッチ回転変位センサと駆動装置の締め付
力をロードセルによって採取したデータを演算処理装置
に入力した相関データと比較してトルクスプリングの撓
みと発生荷重の関係(トルクスプリングのへたり量)を
求める。
尚、トルクスイッチ回転変位センサのロードセルによ
る締め付け力の関係から求めた相関データ(回帰式)
は、一度求めればその後の診断ではトルクスイッチの回
転変位を検知するだけで締め付け力が算定できるため、
診断毎に弁棒ロック機構を取り付ける必要がなく、簡単
な操作で診断が実施できる。
(k)「ステムナットの磨耗」診断は、ステムナットが
始動した後に弁棒が始動するまでの遅れ時間が長くなる
ため、弁棒操作の開始時間の遅れが大きくなるのを弁リ
フトセンサ、振動加速度センサ及び時間センサでウォー
ムホイルの回転開始衝撃音と弁棒の移動開始までの時間
を算定して行う。
(l)「モータ操作の電磁開閉スイッチ」の健全性を診
断する場合は、電磁開閉スイッチがアクチュエータから
の停止信号をうけてモータを停止するものであるから、
モータ電流センサ及びリミットスイッチまたはトルクス
イッチによってモータ停止信号を検出してモータ停止か
らモータ電流遮断までの遅れ時間を算定することで診断
できる。
(m)「全開・全閉位置リミットスイッチの設定」の診
断は、それらのリミットスイッチが開または閉側の弁棒
の移動量をウォームの回転数で制御しているため、弁リ
フトセンサ、トルクスイッチ回転変位センサ等でスイッ
チの作動位置と弁棒の移動量を確認することにより行え
る。
(n)「ギヤの磨耗」は、異音の発生とモータ駆動から
弁棒駆動までの遅れ時間が長くなるため、固体音及び操
作時間を振動加速度センサ、時間センサで計測すること
により診断する。
(o)「モータピニオンの焼付け」は、モータが拘束さ
れてモータ電流が上昇するのに対して相対信号として表
れるスラスト力は上昇しないので、モータ電流とスラス
ト力を電流センサとトルクスイッチ回転変位センサで求
めて診断する。
(p)「開閉トルクの過大」は、スラスト力の過大及び
相対信号としてモータ電流に表れるので、この両者を電
流センサ、トルクスイッチ回転変位センサで検出して許
容値と比較することにより診断する。
(q)「シール面の荒れ」は、シール面の摺動抵抗の増
加を引き起こすので、弁始動時のスラスト力が増加した
後、通常作動時のスラスト力まで減少する。このため弁
リフトセンサ、トルクスイッチ回転変位センサで弁棒の
移動量とスラスト力を求めることにより診断する。
(r)「モータ性能の劣化」は、モータ電流の上昇とし
て表れるが、モータ電流と相対的信号として得られるス
ラスト力は上昇しないため、両者の関係を電流センサと
トルクスイッチ回転変位センサで求めることにより診断
するのである。
上述した各診断に基づいて弁及び駆動装置の動作テス
トデータ程度の診断結果をプリント出力(現場診断シス
テム)した後、上記診断項目に対する不適合箇所の検出
を行うと共に、診断記録の作成とデータの評価を行い、
これらのデータを記憶部に入力した上、必要なデータを
プリントアウトし、或いは現場より持ち出したデータを
基に弁及び電動駆動装置1の機能について劣化傾向の把
握も含めた総合的な判断を行う(総合判断システム)。
他方、第2図中の絶縁抵抗診断機構は、モータ絶縁計
測器で各端子と接地間の絶縁抵抗を計測するのである
が、駆動装置の電源をOFF状態で測定するので、単体機
構として取り扱うようにしたものである。
次に駆動装置の出力校正(トルクスイッチ設定値の校
正)機構について述べると、トルクスイッチの設定値
は、弁操作に対して最適値としているが、トルクスイッ
チ設定ビスの緩み、トルクスプリングの劣化等によって
トルクスイッチ設定値が変化する可能性があるため、毎
定期点検時の診断は不要であるが、或る期間毎にトルク
スイッチ設定値が適正な値であるかどうかの診断を行う
必要がある。このトルクスイッチ設定値の校正は弁に加
えられるスラスト力、駆動装置の出力を検出するトルク
スプリングの変位(トルクスイッチの変位)及びトルク
スイッチの動作点情報の関係(第7図参照)から可能で
ある。
これらのトルクスイッチ設定値の校正診断を第8図に
示すフローチャートに基づいて述べると、先ずロードセ
ルをセットして弁棒をロックした後弁棒を開作動させれ
ば、これに伴ってロードセル、トルクスイッチ回転変位
センサ及び電気回路(トルクスイッチ信号)センサが動
作し、これらのセンサによって弁棒のスラスト力とトル
クスイッチ変位との関係を測定する。またこのトルクス
イッチ変位の情報からスラスト力を求める基本データと
して別途、格納しておく。一方、上記スラスト力とトル
クスイッチ変位との関係測定値に基づいてトルクスイッ
チ動作点のスラスト力[D]を算定し、このスラスト力
[D]を予め設定された許容値と比較して許容値以内で
あれば正常、範囲外ならば異常(設定不良)とそれぞれ
診断する。この診断結果に満足の場合はそのまま終了
し、また診断し直す場合は弁棒のロックまでフィードバ
ックしてやる。
また弁棒ロック機構は、ギヤード停止弁の駆動装置1
の出力校正診断を行う際に、開弁操作の途中でハウジン
グカバー取付けボルト孔を利用し、ロードセルを介して
弁棒のロックを行うものである。
尚、トルクスイッチ回転変位センサとロードセルによ
る締め付け力の関係から求めた相関データは、一度初期
診断で求めれば、その後の診断ではトルクスイッチ回転
変位の検知のみで締め付け力が算定できる。このため弁
棒ロック機構は、診断毎に弁に取り付ける必要がない。
この他、リミットスイッチ自動調整機構は弁を分解し
た場合、基本的にはリミットスイッチを分解前の調整位
置に戻す必要があり、この時、本装置の診断データを使
用することとなるため、この調整システムを単体機構と
して本発明の機能に加えている。
尚、本発明の異常診断装置を使用して行う点検は、例
えば第9図に示した診断工程など種々考えられる。
〔発明の効果〕
以上述べたように、請求項1の電動弁異常診断装置
は、検出装置を予め電動弁に組み込むのではなく、いず
れも被検出部に仮設されるものであるから、既設のあら
ゆる電動弁を対象にして、これらを無改造で診断するこ
とが随時可能である。従って、弁及び駆動装置を分解す
ることなくこれらの機能の健全性及び劣化の傾向を診断
することができるため、電動弁の不必要な部分まで分解
する手間がなくなって最適な分解検査が行えることや、
異常部品の取替え時期の把握が行える等、補修の合理化
が図れる。しまも、弁リフトセンサはワイヤー式エンコ
ーダよりなるから、弁リフトを直接的に検出でき、その
正確さから診断精度を高めることができる。
また本装置を電動弁の分解検査完了後、再び弁の最終
確認診断として用いることにより、弁の分解・調整時に
おける人為的ミスの発生を確実に阻止して弁の信頼性を
大幅に向上することができる。しかも本装置は熟練を要
することなく操作できて弁のメンテナンス技術の向上も
期待し得るのである。
この他、本発明の診断装置では検出装置をケースに収
納し、また演算処理装置としてラップトップ型パソコン
を利用することにより、これらを電動弁の設置されてい
る現場に持ち込んで診断できるため、弁を取り外す必要
がなく点検作業が簡単かつ迅速に行える等、優れた効果
が期待できるのである。
さらに、請求項2によれば弁操作所要時間、弁棒の曲
がり及び弁体突っ込み量が診断できる。請求項3によれ
ば絶縁抵抗を診断できる。請求項4によればトルクスイ
ッチ設定値を診断できる。請求項5によればスイッチ作
動点を診断でき、請求項6ではその補正ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本装置の接続状態を示す斜視図、第2図はその
ブロック図、第3図は弁操作所要時間の診断情報図、第
4図はそのフローチャート、第5図は弁の曲がり診断情
報、第6図はそのフローチャート、第7図は駆動装置の
出力校正診断情報、第8図はそのフローチャート、第9
図は診断工程を示すブロック図である。 尚、図中1……電動駆動装置、2……被測定電線、3…
…弁棒カバー、4……制御室、5……トルクスイッチシ
ャフト、6……トルクバイパススイッチ端子、7……ト
ルクスイッチ、8……モータ端子、9……ハウジングカ
バー、10……データ集録装置、11……演算処理装置、12
……手動ハンドル、13……信号ドラム。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも電動駆動装置への供給電流を検
    出するクランプ式の電流センサ、弁リフトを検出するワ
    イヤー式エンコーダよりなる弁リフトセンサ、及び電動
    駆動装置のトルクスイッチシャフトの回転変位を検出す
    るトルクスイッチ回転変位センサを含み、いずれも被検
    出部に仮設される検出装置と、これらの検出装置から出
    力される検知信号を集録し、所定の伝送信号に変換する
    データ集録装置と、該集録装置に接続され、予め設定さ
    れた診断項目の基準値及び診断記録の集積を入力し、診
    断項目毎にこれらの基準値と上記診断データとを比較し
    て故障モード及び劣化モードを表示する演算処理装置と
    を備えたことを特徴とする電動弁の異常診断装置。
  2. 【請求項2】診断データが、少なくとも、電流センサ及
    び弁リフトセンサの出力から得た弁操作所要時間に関す
    るデータと、トルクスイッチ回転変位センサの出力から
    得た弁棒の曲がりに関するデータと、電流センサ、弁リ
    フトセンサ及びトルクスイッチ回転変位センサの出力か
    ら得た弁体突っ込み量に関するデータとを含んでいる請
    求項1記載の電動弁の異常診断装置。
  3. 【請求項3】演算処理装置に絶縁抵抗診断機構を接続
    し、絶縁抵抗が許容値から外れたときに演算処理装置が
    故障モード及び劣化モードを表示するように構成した請
    求項1又は2記載の電動弁の異常診断装置。
  4. 【請求項4】演算処理装置に、弁ロック機構及びロード
    セルを併設した駆動装置の出力校正機構を接続し、弁ロ
    ック機構による弁棒ロック時におけるロードセル及びト
    ルクスイッチ回転変位センサからの出力に基づいてトル
    クスイッチ設定値が許容値から外れたときに演算処理装
    置が故障モード及び劣化モードを表示するように構成し
    た請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の電動弁の異
    常診断装置。
  5. 【請求項5】検出装置が、弁位置に応じて作動するスイ
    ッチの開閉を検出する電気回路センサを含み、診断デー
    タが、上記電気回路センサ及び弁リフトセンサの出力か
    ら得たスイッチ作動点に関するデータを含む請求項1〜
    4のうちいずれか1項に記載の電動弁の異常診断装置。
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