JP2602699C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
本発明は、極低炭素Tiキルド冷延鋼板の製造に係る分野で、冷延鋼板を焼鈍
する際に、フクレ疵を生じさせないための方法に関するものである。 【従来の技術】 近年、加工性、成形性の優れた薄鋼板のニーズが増大する一方である。この要
求に応えるべく、極低炭素Tiキルド鋼の生産が増加している。 しかしながら、この極低炭素Tiキルド鋼は、以下の理由によりその製造が必
ずしも容易でない鋼種の一つであった。すなわち、製鋼段階においては炭素含有
量が低くチタンが存在することから溶鋼の粘性が増大し、溶鋼中に混入した非金
属介在物が浮上分離し難い。更に、冷延段階においては、Cが低くマトリックス
が軟らかいことから、冷間圧延中に軟らかいマトリックスが硬い非金属介在物と
の伸びに差が生じ、その両者間に空隙が発生する。このような空隙を有する状態
で焼鈍が行われると、焼鈍雰囲気中のガスから冷延鋼板に水素が侵入する。そし
て、冷却時に水素の溶解度が低下することにより、マトリックスと介在物間の空
隙中のH2分圧が上昇し、軟らかいマトリックス部を膨張させてフクレ疵を出現
させる。なお、フクレ疵を防止する技術として、特開昭61−276753号及
び特開昭61−276757号があるが、ミッシュメタルを添加したり、浸漬ノ
ズルの材質を変えても、極低炭素Tiキルド鋼のフクレ疵は防げなかった。 【発明が解決しようとする課題】 以上のように、フクレ疵はマトリックスと非金属介在物の伸びの差によって空
隙が生じる。したがって、本発明は、この空隙が発生しない圧延方法を提供する
ことを目的とする。 【課題を解決するための手段】 以上のような課題を解決するために、本発明者等は、フクレ疵の発生原因を鋭
意究明した結果、一次冷延率によってフクレ疵の発生指数が異なることを知見し
た。 すなわち、極低炭素Tiキルド鋼の熱延コイルを冷延するに当り、冷延率を8
0%以上で一次冷間圧延すると、前記フクレ疵の発生が抑えられることを見出し
た。ここで、一次冷間圧延とは、熱延コイルを冷延機で圧延し、このコイルを焼
鈍工程へ供給する前までの冷間圧延のことである。 フクレ疵の発生は、前記したように冷間圧延中に軟らかいマトリックスと硬い
非金属介在物との伸びに差が生じ、その両者間に空隙が発生することに起因する
。ところが、この冷間圧延時の圧下率を上げ介在物に加わる力を大きくすること
により、介在物を微細に破断し分散させてマトリックスと非金属介在物との間に
空隙を生じさせないようにする。これにより、冷延鋼板表面にフクレ疵が現出す
るのを防止する。 【実施例】 実施例1 フクレ疵と冷延率との関係を調査するため、極低炭素Tiキルド鋼を50kg
高周波溶解炉で試験溶製してラボテストを行った。 前記炉で溶製した鋼塊を板厚3.2mmと3.5mmに熱延し、前者の冷延率
を69%、後者を83%として冷間圧延を行い冷延鋼板を製造した。 この鋼板を焼鈍温度750℃で焼鈍した。その後、両鋼板の表面を調査したが
、冷延率69%にはフクレ疵が検出された。フクレ疵の発生した冷延率69%の
疵の部分を切断して断面を顕微鏡で観察すると、第1図のようにフクレ疵の存在
する箇所には伸びていない介在物があった。 また、冷延率83%の試験材には、フクレ疵は検出されなかったが、その断面
を調査した結果、介在物が破断され薄く伸びていることが判った。 実施例2 通常の方法で製造した極低炭素Tiキルド鋼を一次冷間圧下率を55%から8
0%以上まで変化させた冷間圧延材のフクレ疵が発生する不良指数を調査した結
果を第2図に示すが、冷延圧下率が55〜59%では指数が大きく、80%以上
の圧下率で圧延すると不良が非常に少なくなった。 そこで、0.01%以下のC含有量の鋼種にTiを0.01%以上添加した極
低炭素Tiキルド鋼を通常の方法で製造し、鋳造、熱延工程を経て、酸洗をした
後、冷間圧延に供した。 本発明の一実施例として表1に示すように冷間圧延の圧下率を80〜90%の
範囲で冷延し、その後該冷延コイルを連続焼鈍ラインで焼鈍した。焼鈍したコイ
ルの表面を調査した結果、従来に比べてフクレ疵の不良指数を大幅に低下させる
ことができた。 【効果】 以上に述べたように、極低炭素Tiキルド鋼を冷延するに当って、冷延率を8
0%以上にすることによって、フクレ欠陥を確実に減少させることができる。
する際に、フクレ疵を生じさせないための方法に関するものである。 【従来の技術】 近年、加工性、成形性の優れた薄鋼板のニーズが増大する一方である。この要
求に応えるべく、極低炭素Tiキルド鋼の生産が増加している。 しかしながら、この極低炭素Tiキルド鋼は、以下の理由によりその製造が必
ずしも容易でない鋼種の一つであった。すなわち、製鋼段階においては炭素含有
量が低くチタンが存在することから溶鋼の粘性が増大し、溶鋼中に混入した非金
属介在物が浮上分離し難い。更に、冷延段階においては、Cが低くマトリックス
が軟らかいことから、冷間圧延中に軟らかいマトリックスが硬い非金属介在物と
の伸びに差が生じ、その両者間に空隙が発生する。このような空隙を有する状態
で焼鈍が行われると、焼鈍雰囲気中のガスから冷延鋼板に水素が侵入する。そし
て、冷却時に水素の溶解度が低下することにより、マトリックスと介在物間の空
隙中のH2分圧が上昇し、軟らかいマトリックス部を膨張させてフクレ疵を出現
させる。なお、フクレ疵を防止する技術として、特開昭61−276753号及
び特開昭61−276757号があるが、ミッシュメタルを添加したり、浸漬ノ
ズルの材質を変えても、極低炭素Tiキルド鋼のフクレ疵は防げなかった。 【発明が解決しようとする課題】 以上のように、フクレ疵はマトリックスと非金属介在物の伸びの差によって空
隙が生じる。したがって、本発明は、この空隙が発生しない圧延方法を提供する
ことを目的とする。 【課題を解決するための手段】 以上のような課題を解決するために、本発明者等は、フクレ疵の発生原因を鋭
意究明した結果、一次冷延率によってフクレ疵の発生指数が異なることを知見し
た。 すなわち、極低炭素Tiキルド鋼の熱延コイルを冷延するに当り、冷延率を8
0%以上で一次冷間圧延すると、前記フクレ疵の発生が抑えられることを見出し
た。ここで、一次冷間圧延とは、熱延コイルを冷延機で圧延し、このコイルを焼
鈍工程へ供給する前までの冷間圧延のことである。 フクレ疵の発生は、前記したように冷間圧延中に軟らかいマトリックスと硬い
非金属介在物との伸びに差が生じ、その両者間に空隙が発生することに起因する
。ところが、この冷間圧延時の圧下率を上げ介在物に加わる力を大きくすること
により、介在物を微細に破断し分散させてマトリックスと非金属介在物との間に
空隙を生じさせないようにする。これにより、冷延鋼板表面にフクレ疵が現出す
るのを防止する。 【実施例】 実施例1 フクレ疵と冷延率との関係を調査するため、極低炭素Tiキルド鋼を50kg
高周波溶解炉で試験溶製してラボテストを行った。 前記炉で溶製した鋼塊を板厚3.2mmと3.5mmに熱延し、前者の冷延率
を69%、後者を83%として冷間圧延を行い冷延鋼板を製造した。 この鋼板を焼鈍温度750℃で焼鈍した。その後、両鋼板の表面を調査したが
、冷延率69%にはフクレ疵が検出された。フクレ疵の発生した冷延率69%の
疵の部分を切断して断面を顕微鏡で観察すると、第1図のようにフクレ疵の存在
する箇所には伸びていない介在物があった。 また、冷延率83%の試験材には、フクレ疵は検出されなかったが、その断面
を調査した結果、介在物が破断され薄く伸びていることが判った。 実施例2 通常の方法で製造した極低炭素Tiキルド鋼を一次冷間圧下率を55%から8
0%以上まで変化させた冷間圧延材のフクレ疵が発生する不良指数を調査した結
果を第2図に示すが、冷延圧下率が55〜59%では指数が大きく、80%以上
の圧下率で圧延すると不良が非常に少なくなった。 そこで、0.01%以下のC含有量の鋼種にTiを0.01%以上添加した極
低炭素Tiキルド鋼を通常の方法で製造し、鋳造、熱延工程を経て、酸洗をした
後、冷間圧延に供した。 本発明の一実施例として表1に示すように冷間圧延の圧下率を80〜90%の
範囲で冷延し、その後該冷延コイルを連続焼鈍ラインで焼鈍した。焼鈍したコイ
ルの表面を調査した結果、従来に比べてフクレ疵の不良指数を大幅に低下させる
ことができた。 【効果】 以上に述べたように、極低炭素Tiキルド鋼を冷延するに当って、冷延率を8
0%以上にすることによって、フクレ欠陥を確実に減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、フクレ疵の発生箇所とその部分の介在物の分布を説明する図である。
図2は、フクレ疵の発生指数と一次冷間圧延率との関係を説明する図である。
図2は、フクレ疵の発生指数と一次冷間圧延率との関係を説明する図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 炭素を0.010(wt)%以下、Tiを0.01(wt)%以上含ん
だ極低炭素Tiキルド鋼の熱延コイルを冷延するにあたり、焼鈍工程へ供給する
前までの一次冷間圧延工程において冷延率80%以上の冷間圧延により非金属介
在物を微細に分断することを特徴とする極低炭素Tiキルド冷延鋼板のフクレ疵
の防止方法。
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