JP2602514B2 - 陰極線管及びその製造方法 - Google Patents

陰極線管及びその製造方法

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JP2602514B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、陰極線管及びその製造方法に係り、特に外
光の反射防止と静電誘導による帯電防止に好適な反射防
止膜及び帯電防止膜を備えた陰極線管及びその製造方法
に関する。
〔従来の技術〕
ブラウン管などの陰極線管は、一般にそのパネル表面
(画像表示面)が光沢状態となっているので、外来光を
強烈に反射し易くなり、パネル面に表示される画像が読
み取り難くなるという問題があった。特に最近ではテレ
ビジョン受像機の外に情報機器の端末として各種陰極線
管から成るディスプレイ装置が広く使用されており、こ
の外来光反射の問題はVDT(ビジュアル・ディスプレイ
・ターミナルの略)の分野で広く取上げられるようにな
って来た。このような理由から反射防止膜の要求が非常
に強くなって来た。
これと同時に、防爆形ブラウン管(別名補強形ブラウ
ン管とも云う)の普及に伴い、テレビジョン受像機ある
いはディスプレイ装置の前面保護ガラスが不要となり、
ブラウン管の前面部分が直接外部に露出するようになっ
た。これによって人が直接ブラウン管の前面部分(パネ
ル)に触れることになり、電源スイッチの点滅のときの
静電誘導によってパネル表面が帯電し、この高電圧の静
電気に接触してしまい大きなショックを受けるようにな
った。さらにまた、この静電気によって大気中のちりや
ほこりを吸着し、これが堆積してパネル面が汚れ画像を
非常に見難くするという欠点があった。
なお、ブラウン管など陰極線管の前面パネル表面(画
像表示面板)が帯電する理由は、第2図に示すごとく、
ブラウン管1の内面に塗布されている蛍光体3の上に薄
く均一なアルミニウムの膜4が蒸着されているが、その
アルミニウム膜4に高電圧が印加されると、その印加時
及び遮断時にブラウン管前面パネル5に静電誘導により
帯電現象を起すことによる。
以上の理由から、反射防止性能と帯電防止性能の両機
能を備えた陰極線管の要求が非常に強くなって来た。
従来からも各種の方法で外来光の反射防止化が図られ
ており、例えばガラス面をケイフッ化水素酸(H2SiF6
などでエッチングし、表面に深さ50〜30,000Å、ピッチ
100〜2,000Åの凹凸をつけて反射防止機能を付与したも
の(米国特許第2,490,662号)、あるいはアルコキシシ
ランSi(OR)(Rはアルキル基)のアルコール溶液を
ガラス面に吹付けた後、焼成し、SiO2膜からなる凹凸を
形成したもの(特開昭61−118932号)等がある。
一方、テレビジョン受像機や各種端末ディスプレイ装
置等のブラウン管前面に、陰極線管の静電誘導により生
ずる帯電を防止する方法として、透明導電性皮膜を形成
し、それを接地する方法や、アルコキシシランの加水分
解により生ぜしめたSi−O−Si鎖(または網)の中に少
量の水酸基(−OH)を残し、その吸湿性によりガラス基
板表面の電気抵抗を小さく(109〜1010Ω)する方法
(特許第231959号)等がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
エッチングによる反射防止機能を付与する方法では、
エッチングによる堆積物が表面に残り、エッチングされ
た凹部も化学的にダメージを受けているため耐摩耗強度
が弱く、表面をこすると簡単に凹凸がくずれて反射防止
効果が著しく低下する。また、Si(OR)のアルコール
溶液を吹付ける方法では、吹付けた液粒がガラス中央部
表面では薄く広がり、周縁部で厚く盛り上がる。その結
果ガラスの全面にわたり均一な凹凸が出来にくく、表示
画像の解像度が低下するという問題がある。
一方、帯電防止機能を付与するための透明導電膜形成
法は、一般に真空蒸着やスパッタリング、CVD(hemic
al apour eposition)などの大がかりな装置を必要
とし、真空処理などの工数を必要とするため量産化向き
でない。また、アルコキシシランの加水分解による方法
では、実用的に十分な膜強度を得るための加熱処理によ
り水酸基(−OH)が減少し、吸湿性が低下して表面抵抗
値が大きくなり帯電防止効果が低下するという問題があ
る。
本発明の目的は、これら従来の問題点を解決するため
になされたものであり、その第1の目的は帯電防止膜と
反射防止膜とをパネル表面に積層した改良された陰極線
管を提供することにあり、第2の目的はその製造方法を
提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記本発明の第1の目的は、陰極線管の一部を構成す
るパネルは、画像表示面と側壁とを有し、前記画像表示
面には膜厚が2000Å以下の透明導電膜が形成され、前記
透明導電膜上にSiO2薄膜による凹凸を有する光反射防止
膜が形成され、前記SiO2薄膜を前記画像表示面と平行な
面で切った微小な厚みの板を仮想したとき、その板の体
積全体に占めるSiO2の部分の割合は、前記透明導電膜に
近づくに従って増加し、前記透明導電膜と接する面はほ
ぼSiO2の連続面によって覆われていることを特徴とする
陰極線管によって達成される。
そして、上記透明導電膜は、反射防止膜の下地となる
ものであるがその膜厚は、膜を構成する材料にもよるが
実用的には2,000Å以下が好ましく、より好ましくは50
〜500Åである。また、上記透明導電膜の代表的なもの
としては、SnO2、In2O3及びSb2O3の少なくとも1種から
成る導電性金属酸化物膜で構成されるものであるが、そ
の他、これら透明導電性の金属酸化物及び吸湿性を有す
る金属塩の少なくとも1種をSiO2薄膜中に含有せしめる
ことにより導電性を付与した薄膜であってもよい。上記
SiO2薄膜中に含有する吸湿性を有する金属塩は、塩酸
塩、硝酸塩、硫酸塩のごとき無機酸塩もしくはカルボン
酸塩のごとき有機酸塩でもよい。そして、これら金属塩
の好ましいものとしては、マグネシウムに代表される周
期律表第II族の金属元素の塩、アルミニウムに代表され
る第III族の金属元素の塩などを挙げることができる。
これら金属塩類は、大気中の水分を吸収してパネル表面
の電気抵抗を低下させるものである。一方、導電性金属
酸化物の場合は、それ自体導電性を有しているためパネ
ル表面の電気抵抗を下げるためには金属塩類の場合より
も好ましい。そして、SiO2薄膜に含有されるこれらの導
電性を付与する上記金属酸化物及び金属塩の量は、少量
でもそれなりの効果は認められるがSiO2薄膜の単位面積
当り0.01〜1.0mg/cm2が好ましく、より好ましくは0.15
〜0.3mg/cm2である。すなわち、この数値の下限は、導
電性の減少効果から、そして、上限はパネル表面への密
着強度から制限するものである。
下地導電性膜は、その上に形成される反射防止膜の性
能にほとんど影響を与えない程度の膜厚、特性を保有し
ているものでなければならず、上記の本発明の膜はこれ
らの条件を満足するものである。
次に、上記透明導電膜上に形成する反射防止膜につき
詳述する。
SiO2薄膜で被覆、固定される上記SiO2微粒子の粒径
(平均粒径)は画像の解像度と外来光の反射防止効果と
の関係から制約されるものであり、下限値は反射防止効
果から定めたもので、500Åより小さなものになると目
的とする反射防止効果が得られ難く、一方、上限値は解
像度の点から定めたもので、10,000Åより大きくなると
解像度が著しく低下する。したがって実用的な範囲とし
て上記の範囲を定めたものであるが、好ましくは500〜1
200Å、より好ましくは500〜600Å、更に好ましくは約5
50Åである。
また、このSiO2微粒子の固定量は少量でもそれなりの
効果は認められるが実用的には反射防止膜の単位面積当
り0.01〜1mg/cm2であり、好ましくは0.1〜0.3mg/cm2
ある。そしてこの上限、下限の理由は上記粒径の場合と
同様に下限は反射防止効果の点から、上限は解像度の点
から定められるものである。
次に本発明の第2の目的は、Si(OR)(ただし、R
はアルキル基)を溶解したアルコール溶液に、吸湿性を
有する金属塩及び透明導電性金属酸化物の少なくとも1
種から成る添加剤を溶解、もしくは分散させ、この溶液
を少なくとも画像表示面上に塗布する工程と、前記溶液
を塗布した面を加熱して前記添加剤を含有するSiO2膜よ
り成る透明導電膜を形成する工程と、前記画像表示面に
形成された透明導電膜上にSi(OR)(ただし、Rはア
ルキル基)を溶解したアルコール溶液を塗布する工程
と、前記Si(OR)(ただし、Rはアルキル基)を溶解
したアルコール溶液を塗布した面を加熱してSiO2膜から
成る外光反射膜を形成する工程とを備えたことを特徴と
する陰極線管の製造方法によって達成される。
そして上記透明導電膜を形成する工程について詳述す
ると、陰極線管のパネル(画像表示面板)上に形成する
関係で、パネルを構成するガラス板に歪を与えない温度
(約500℃以下)で形成することが望ましく、これを満
足する形成方法であればいずれのものでもよい。以下に
代表的な透明導電膜の形成方法を例示する。
i)SnO2、In2O3及びSb2O3の少なくとも1種から成る導
電性金属酸化膜をガラスパネルに直接形成する方法とし
ては、(1)それぞれの金属酸化物をターゲットとして
スパッタリング装置内にパネル面と対向して装着し、ス
パッタリングにより金属酸化物膜をパネル面上に形成す
る方法及び(2)有機金属化合物を原料として周知のCV
D法によりパネル面上に形成する方法などがある。上記
(2)の場合の有機金属化合物としては、例えばスズ、
インジウムもしくはアンチモンをM、その原子価をm、
アルキル基をRで表示したとき(ただし、R=CnH2n+1
で、実用的にはn=1〜5)、アルキル金属化合物M
(R)もしくはアルコキシ金属化合物M(OR)など
を挙げることができる。具体的に一例を挙げればSn(CH
3、Sn(OC2H5などである。
ii)次にSiO2薄膜に導電性物質を含有させて透明導電膜
を形成する方法について具体的に説明する。
SiO2の薄膜はアルコキシシランSi(OR)(ただし、
Rはアルキル基で、実用的にはn=1〜5)を加水分解
することにより容易に得ることができる。本発明では、
このSi(OR)のアルコール溶液に、導電性を付与する
ために上記第1の目的を達成するための陰極線管の発明
の中で詳述した透明導電性金属酸化物及び吸湿性を有す
る金属塩の少なくとも1種の添加剤を添加し、この溶液
をパネル表面に塗布し、この塗布面を加熱して、Si(O
R)を分解してSiO2薄膜を形成するものである。上記
添加剤の分量は、実用的にはアルコール溶液に対し0.05
〜7wt%が好ましく、より好ましくは1.0〜2.0wt%であ
る。
上記添加剤のうち透明導電性金属酸化物は、上記アル
コール溶液中では溶解せず単に分散するのみであるが、
金属塩の場合は一部もしくは全部が溶解する。良好な導
電性を有するSiO2薄膜を形成するためには、この添加剤
を上記アルコール溶液によく分散もしくは溶解すること
が望ましく、この点から上記溶液に更に分散媒として、
例えばアセチルアセトンのごときケトン類もしくはエチ
ルセロソルブを添加すると共にSi(OR)の加水分解を
容易にするために水及び触媒として、例えば硝酸のごと
き無機酸を添加するとさらに好ましい。
上記Si(OR)を溶解するアルコール溶媒は、アルキ
ル基Rを構成するアルコールが望ましく、最も実用的な
例としては、Rがn=2のエチル基で構成されるテトラ
エトキシシランSi(OC2H5で、溶媒がエチルアルコ
ールの場合である。
上記アルコール溶液をパネルに塗布する方法として
は、スピニング法、デッピング、スプレー法もしくはこ
れらの組合せから成る塗布法が用いられる。
上記塗布面を加熱してSi(OR)を分解してSiO2薄膜
を形成する際の加熱処理条件としては、50〜200℃が好
ましく、更に好ましくは160〜180℃である。この導電性
のSiO2薄膜の形成方法は、このように比較的低温度で処
理するため、上記i)の形成方法より有利であり例えば
ブラウン管のごとき陰極線管に適用する場合には、完成
球にて処理することが出来るので、量産プロセスに好適
である。また、当然のことながら、球として完成する以
前のブラウン管を製造する途中の工程で処理し得ること
は云うまでもない。
次に、上記透明導電膜を下地として、その上に反射防
止膜を形成する工程について詳述する。
先ず、アルコキシシランSi(OR)をアルコールに溶
解調製する方法について述べると、原料となるSi(OR)
及び溶媒のアルコールのすべてが、前述の透明導電膜
の下地を形成するii)の項で述べたSiO2薄膜の形成方法
と同一であるので詳細な説明は省略する。
前記ii)項と同様にしてSi(OR)を溶解したアルコ
ール溶液に、粒径100〜10,000ÅのSiO2微粒子を分散す
るのであるが、この分散量は反射防止効果と画像の解像
度の点から実用的には、0.1〜10wt%が好ましく、より
好ましくは1〜3wt%である。そしてSiO2微粒子の分散
性とSi(OR)の加水分解性を良好にするため、上記溶
液に更に分散媒として、例えばアセチルアセトンのごと
きケトン類もしくはエチルセロソルブを添加すると共に
加水分解を容易ならしめるための水及び触媒として、例
えば硝酸のごとき無機酸を添加するとさらに好ましい。
上記Si(OR)は加水分解を受けてSiO2の薄膜を形成
し、SiO2微粒子をパネル表面に固定する役割を果すもの
であるが、上記アルキル基Rを一般式CnH2n+1と表示し
たとき、実用的なnは1〜5であり、好ましくはn=2
のエチル基である。また、上記Si(OR)を溶解する溶
媒のアルコールは、アルキル基Rのアルコールが望まし
く、最も実用的な例としてはアルコキシシランSi(OR)
のRがn=2のエチル基で、溶媒がエチルアルコール
の場合である。
また、上記SiO2微粒子を分散したSi(OR)のアルコ
ール溶液を下地透明導電膜の形成されたパネル上に塗布
する方法としては、上記ii)項で述べた導電性のSiO2
膜形成時と同様に、スピニング法、ディッピング法、ス
プレー法もしくはこれらの組合せから成る塗布方法が用
いられる。
さらにまた、上記塗布面を加熱してSi(OR)を分解
してSiO2薄膜を形成し、分散したSiO2微粒子をこのSiO2
薄膜で被覆固定する際の上記加熱処理条件としては、50
〜200℃が好ましく、より好ましくは160〜180℃であ
る。
以上のようにして、反射防止膜は形成されるが、この
熱処理温度は前述の下地膜のii)の形成方法と同様に比
較的低温で形成できるので、特に完成した陰極線管のパ
ネル面に形成するのに好都合である。
〔作用〕
本発明の下地透明導電膜はパネル表面に密着すること
により、パネル表面の電気抵抗を低減する作用効果を発
揮する。それ自体導電性を有している金属酸化物で構成
した膜もしくはSiO2薄膜に導電性金属酸化物を分散した
膜は、いわゆる透明導電膜と同じ原理の表面抵抗値の減
少がみられ、これにより帯電防止機能が保たれる。一
方、SiO2薄膜に吸湿性を有する金属塩を含有せしめた膜
の場合は、この金属塩が水分を吸収保持することにより
導電性が付与されるものであり、Si(OR)の加水分解
時の熱処理(この熱処理は膜強度を向上させるものでも
ある)を経ても吸湿性が保持され、その性能を失わずに
パネル表面の抵抗値を小さくする作用を有している。Si
O2薄膜に含有せしめた添加剤は、パネル表面の抵抗値を
下げる点からは金属塩よりも導電性金属酸化物の方が優
れている。といわけ、スズ、インジウム、アンチモンの
ごとき酸化物の場合は、膜の透明度もよく画像の解像度
を高く維持することができるという点でも好ましい。金
属塩の中には酸化物と異なり溶解した状態で膜中に固定
されるものもあり、このような場合は膜の透明度がよ
く、高い解像度を維持する作用がある。
また、SiO2微粒子が均一に分散し、SiO2薄膜により固
定された反射防止膜は、その最外表面にSiO2薄膜の被覆
されたSiO2微粒子によって構成された均一な凹凸面が形
成され、この凹凸面で外来光を散乱させることにより、
いわゆる反射防止作用を発揮するものである。
〔実施例〕
ブラウン管の前面パネル表面(ガラス面板)に、第1
表に示す実施例1〜3のように下地透明導電膜を形成す
る。
実施例1の場合は、導電膜をSnO2で構成したもので、
膜の形成方法は下記のような条件によるCVD法で実施し
た。
使用装置:常圧CVD装置 原料有機スズ化合物:Sn(CH3 ドーパント:フレオンガス キャリヤーガス:N2 基板温度(ガラス面板):350℃ 実施例2の場合は、SiO2薄膜中に透明導電性微粉末と
して、SnO2微粉末を含有させたもので、膜の形成方法は
下記のとおりである。
(1)アルコキシシランSi(OR)のアルコール溶液の
組成:エチルアルコール(C2H5OH)88cc テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)6cc SnO2の透明導電性微粉末1.2g 水(H2O)6cc (2)ガラス面板への溶液塗布:スピンナー500rpm (3)塗布膜焼成:160℃、30分 なお、透明導電性粉末としては上記のSnO2の代りにIn
2O3、sb2O3などを単独もしくは、複合添加したものにつ
いても、同様に試みたが、ほぼ同等の結果であったの
で、ここでは上記のとおりSnO2粉末を代表例とした。
実施例3の場合は、In2O3とSnO2(5wt%)との複合タ
ーゲットを作成し、高周波スパッタリングにてガラス面
板にIn2O3とSnO2との混合物を沈着した膜であり、スパ
ッタリング法による。
実施例4の場合は、SiO2薄膜中に吸湿性を有する金属
塩として、硝酸アルミニウムAl(NO3・9H2Oを含有
させたもので、膜の形成方法は下記のとおりである。
(1)アルコキシシランSi(OR)のアルコール溶液の
組成:エチルアルコール(C2H5OH)88cc エトラエトキシシラン(Si(OC2H5)6cc 金属塩Al(NO3・9H2O 1.20 水(H2O)6cc (2)ガラス面板への溶液塗布:スピンナー500rpm (3)塗布膜焼成:160℃、30分 なお、金属塩としては上記の硝酸アルミニウムの代り
にAlCl3、Ca(NO3、Mg(NO3、ZnCl2などを単独
もしくは、複合添加したものについても同様に試みた
が、ほぼ同等の結果であったので、ここでは上記のとお
り硝酸アルミニウムを代表例とした。
次に、上記のようにして得た下地導電膜の上に以下の
ような方法で反射防止膜を形成した。
テトラエトキシシラン〔Si(OC2H5〕をエタノー
ルに溶解し、さらに加水分解のための水(H2O)と触媒
としての硝酸(HNO3)とを添加した溶液を作る。このア
ルコール溶液に粒径500〜1000Åに整粒されたSiO2の微
粒子(粒形はほぼ球形)を重量(wt)%で1%添加す
る。このとき、粒子が十分に分散するようにアセチルア
セトンを分散媒として適量添加する。
上記第1表の配合溶液をガラス面板上の下地導電膜上
に滴下し、さらにスピンナーで均一に塗布する。
その後、150℃で約30分間空気中で焼成し、テトラエ
トキシシラン〔Si(OC2H5〕を分解する。アルコー
ル溶液に添加したSiO2の微粒子は、分解してできたSiO2
の連続した均一の薄膜により強固に固着され、その表面
に凹凸が形成される。このようにして形成された反射防
止膜の断面を電子顕微鏡で観察したところ、第1図
(a)の部分 拡大図である第1図(b)に示すように、最外表面に深
さ1000ű200Å、ピッチ500Åの均一な凹凸を有する反
射防止膜が形成された。同図において、6は反射防止
膜、6aはSiO2微粒子、6bはテトラエトキシシランが分解
してできたSiO2薄膜である。なお、同図において、2は
下地導電膜を示す。
この反射防止膜を形成したガラス面板に5゜の入射角
で波長550nmの光を入射させ、その反射率を測定した結
果、第1表に示すように0.4%以下、第3図の曲線Iに
示すように、波長450〜650nmの範囲で1%以下の反射率
であった。この値は、VDT(ビジュアル・ディスプレイ
・ターミナル)として要求される条件を充分に満足する
値である。
次に、この下地導電膜と反射防止膜とを積層形成した
ガラス面板の表面を消ゴム〔(株)ライオン事務器製の
商品名ライオン50−50〕で強く均一に50回こすったとこ
ろ、反射率は、第3図中の曲線IIに示すように、0.1%
〜0.2%程度シフトしただけで、その品質上は全く問題
がなかった。
第3図のIIIは、比較のために示した反射防止処理を
していないガラス面板の反射率曲線である。
上述したような反射防止膜を形成したガラス面板にお
いて、反射率を低下させることのできる理由を次に説明
する。
第4図は反射膜の断面を示したものであるが、Aに示
す位置における屈折率は空気の屈折率n0で、その値は約
1である。一方、Bに示す位置ではSiO2微粒子6aが詰ま
った状態で、その屈折率はほぼガラス(SiO2)の屈折率
ng=1.48に等しい。このA、Bに挟まれた凹凸部分にお
いて、屈折率は、SiO2の体積分率、つまりA、B平面に
平行な平面で切った微小な厚みの板を仮想したとき、そ
の板の体積全体に占めるSiO2部分の体積の割合に応じて
連続的に変化する。Aよりわずかに内側に入ったC位置
での屈折率をn1、Bよりわずかに外側に出たD位置での
屈折率をn2としたとき、この反射防止膜を形成したガラ
ス表面での反射率Rが最小となる条件は、 であり、これから、 の条件を満足するときに、無反射性能が得られる。
ここで、n2/n1の値は、凹凸の形状によって決まる
が、前述したようにSiO2微粒子を添加したSi(OR)
アルコール溶液を塗布後焼成することにより、上式を近
似的に満足するような凹凸が形成でき、1%以下という
ような低い反射率が得られたものと考えられる。
次に、本発明の反射防止膜が高い機械的強度を保持し
ている理由は、Si(OR)が次のように加水分解してで
きたSiO2膜が存在し、これが保護膜となっているためと
考えられる。
Si(OC2H5+4H2O→Si(OH)+4C2H5OH →SiO2+2H2O また、整粒されたSiO2微粒子による細かい凹凸が均一
にできることから、全面にわたり良好な反射防止効果が
得られるとともに、必要以上の凹凸によって解像度が低
下することもない。
次に、第1表最下段に示す帯電防止機能について説明
する。第6図は、テレビジョン受像機のスイッチOFF後
の表面帯電減衰時間と、帯電量の関係を示したもので、
第1表の実施例No.と対応している。比較のために示し
たNo.4(比較例)は、200sec後も1kV以下にならず、帯
電防止機能はまったくない。このようなものでは、空気
中のほこり、ちりなどを吸収して離さないので、画面が
汚れて画像が大変見難くなってしまう。
さらに、このような反射防止膜を形成するプロセスと
しては、下地導電膜の形成された完成球に、既存のSi
(OR)アルコール溶液に市販のSiO2微粒子を添加して
塗布し焼成するだけでよく、フッ酸などの有害な薬品の
使用は一切なく、安全にしかも低コストで製造すること
ができる。
SiO2微粒子は、球形に限らず、第5図に示すように不
定形であってもよい。第5図において、6aがSiO2微粒
子、6bがSiO2薄膜である。また、その粒径は平均粒径10
0〜10,000Å程度が好ましい。この粒径が小さすぎる
と、形成される膜の最外表面が平滑になりすぎて充分な
反射防止効果が得られない。逆に大きすぎると、拡散効
果が大きすぎ、解像度が低下するとともに、膜強度も低
下する。
SiO2微粒子を添加したSi(OR)のアルコール溶液の
塗布方法は、上記実施例で示したスピニング法に限ら
ず、ディッピング法やコーティング法、スプレー法及び
それらの組合せなどでもよい。また、塗布後の焼成温度
は50〜200℃程度が適当である。
また、上記実施例1の下地導電膜形成時のCVDの原料
として、Sn(CH3を用いたが、その他のアルキルス
ズ化合物Sn(R)、もしくはアルコキシスズ化合物Sn
(OR)でもよく、さらにスズの他インジウム、アンチ
モンについてもスズと同様の有機化合物を使用できるこ
とはいうまでもない。また、添加する金属塩もアルミニ
ウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛の塩に限らず、
吸湿性を有するものであればいずれのものでもよい。実
施例2のスズ、インジウム、アンチモンなどの透明導電
性粉末を添加する場合は、良好な導電性を有するSiO2
膜を比較的低温(50〜200℃)で形成できるので特に好
ましい。
さらにまた、反射防止膜の形成においては、Si(OR)
としてRがエチル基の例を示したが、前述のとおり、
R=CnH2n+1としたとき、n=1〜5のものが好まし
く、n=1、3〜5においても同様の効果が得られる。
nが大きくなると溶液の粘性が少し高くなるので、溶媒
としては作業性を考慮してそれに応じたアルコールを選
択すればよい。
〔発明の効果〕
本発明によれば、下地導電膜による帯電防止機能と反
射防止膜による外来光の反射防止機能とを有し、しかも
機械的にも強い表面膜を保有した陰極線管が得られる。
また、製造方法についても、フッ酸などの有害な処理薬
品を使用せず、比較的低い処理温度で、簡単かつ安全な
プロセスを採用することにより、量産化に好適で耐汚染
性にもすぐれている。
【図面の簡単な説明】 第1図(a)、(b)は本発明の一実施例を模式的に示
した陰極線管の一部断面正面図と、下地導電膜及び反射
防止膜の拡大断面図とを、第2図は陰極線管の帯電現象
を説明するための一部断面正面図を、第3図は、本発明
の一実施例の反射率の測定結果を従来の比較例と対比し
て示した曲線図を、第4図は反射防止の原理説明図を、
第5図は本発明の他の実施例を模式的に示した反射防止
膜の最外表面部の拡大断面図を、そして第6図は、帯電
防止効果を従来の比較例と対比して示した曲線図を、そ
れぞれ示したものである。 図において、 1……ブラウン管、2……下地導電膜 3……蛍光体、4……アルミニウム膜 5……前面パネル、6……反射防止膜 6a……SiO2微粒子、6b……SiO2薄膜

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰極線管の一部を構成するパネルは、画像
    表示面と側壁とを有し、前記画像表示面には膜厚が2000
    Å以下の透明導電膜が形成され、前記透明導電膜上にSi
    O2薄膜による凹凸を有する光反射防止膜が形成され、前
    記SiO2薄膜を前記画像表示面と平行な面で切った微小な
    厚みの板を仮想したとき、その板の体積全体に占めるSi
    O2の部分の割合は、前記透明導電膜に近づくに従って増
    加し、前記透明導電膜と接する面はほぼSiO2の連続面に
    よって覆われていることを特徴とする陰極線管。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、上記透明
    導電膜はスズ、インジウム及びアンチモンの少なくとも
    1種の酸化物を含むことを特徴とする陰極線管。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項において、上記透明
    導電膜は吸湿性を有する金属塩を含むことを特徴とする
    陰極線管。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項において、上記透明
    導電膜は透明導電性金属酸化物及び吸湿性を有する金属
    塩の少なくとも1種から成る添加剤を含有するSiO2薄膜
    で構成したことを特徴とする陰極線管。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項において、上記SiO2
    薄膜は球形のSiO2微粒子を含むことを特徴とする陰極線
    管。
  6. 【請求項6】Si(OR)(ただし、Rはアルキル基)を
    溶解したアルコール溶液に、吸湿性を有する金属塩及び
    透明導電性金属酸化物の少なくとも1種から成る添加剤
    を溶解、もしくは分散させ、この溶液を少なくとも画像
    表示面上に塗布する工程と、前記溶液を塗布した面を加
    熱して前記添加剤を含有するSiO2膜より成る透明導電膜
    を形成する工程と、前記画像表示面に形成された透明導
    電膜上にSi(OR)(ただし、Rはアルキル基)を溶解
    したアルコール溶液を塗布する工程と、前記Si(OR)
    (ただし、Rはアルキル基)を溶解したアルコール溶液
    を塗布した面を加熱してSiO2膜から成る外光反射膜を形
    成する工程とを備えたことを特徴とする陰極線管の製造
    方法。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第6項において、上記透明
    導電性金属酸化物が、スズ、インジウム及びアンチモン
    の少なくとも1種の酸化物から成ることを特徴とする陰
    極線管の製造方法。
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