JP2602489B2 - 回転玉出し器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、手動で回転させる回
転体から玉を出す回転玉出し器、詳細にはビンゴゲーム
等の遊技用、あるいは子供のおもちゃ用として使用する
遊技用の回転玉出し器に関する。

【０００２】

【従来の技術】回転玉出し器は、商店街の福引等に使わ
れる比較的大きなものは従来から公知であるが、最近で
はビンゴゲーム等の遊技用、おもちゃ用の回転玉出し器
が知られるようになった。回転玉出し器は、回転体をど
ちらか１方向に回転させた場合、確実に回転体から玉を
一個一個出し、逆方向に回転体を回転させた場合は玉を
回転体から絶対に出さないようにすることが必要であっ
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、遊技用、おも
ちゃ用の回転玉出し器では、なるべく低廉で簡単な構造
で作成するため、１方向の回転で確実に１つの玉を出
し、逆方向の回転で玉を絶対に出さないようにする構造
を作成することが難しかった。

【０００４】この発明は、簡単な構造で、回転体の回転
１回につき確実に玉を一つだけ排出できる回転玉出し器
を目的とする。

【０００５】

【課題を解決する為の手段】この目的を達成する為に、
この発明の回転玉出し器は、 基台と、基台に回転自在
に載置される中空の球形回転体と、球形回転体の中空部
分に遊動自在である玉とから成り、球形回転体は、玉挿
入部と玉排出部を有し、玉排出部は、開口部と、開口部
の回転方向一辺を軸中心に回動自在であり両側部に側壁
を有する回動蓋部と、回動蓋部の回動軸のある開口部辺
とは対向する辺から中空部へ向かってコ字形状の溜部と
から成り、溜部は、表面壁部とコ字形状中央部の側壁と
球形表面にほぼ平行な平面部とを有し、かつ回動蓋部の
先端が開口部と平面部との間で自重により回動自在であ
る。

【０００６】

【作用】球形回転体の中空部分にある玉は、球形回転体
を回転させても遊動しつつ球形回転体の下部に位置す
る。球形回転体を開口部から見て溜部方向へ方向に回転
させると、下部で玉は溜部の背面に当接し、かつ回動蓋
部が開口部を閉じており、上方へ向かうときも溜部は背
面から上がるので溜部に玉が入ることはない。

【０００７】球形回転体を逆方向、すなわち開口部から
見て回動蓋部方向に回転すると、玉はひとつだけ下部で
溜部に入る。そのまま上部へ上昇するが、その途中で回
動蓋部は自重により、その先端を開口部から平面部に落
下させ、平面部から球形回転体中空部への通路を塞ぎ、
同時に開口部を開く。このまま回転させ玉排出部が上部
から下部への降下中に、玉は回動蓋部を通り、開口部よ
り、球形回転体の外部へ落下する。回動蓋部は両側部を
有するので、玉が落ちることはない。

【０００８】

【実施例】この発明を実施例を示す図面に基づいて説明
する。

【０００９】回転玉出し器は、基台１と、基台１に着脱
自在に設ける中空の球形回転体２と、球形回転体２の中
空部分で自由に動ける複数個の玉３とから成る。

【００１０】基台１は、中央に設ける玉スロープ台４
と、玉スロープ台４の左右に一体的に設ける回転体支持
部５とから成る。玉スロープ台４は、一方方向に傾斜し
た通路であり、その低い方の一端には、玉スロープ台４
より幅広の玉止まり部６を設けている。この実施例で
は、玉止まり部６は、平面星形に成形している。

【００１１】回転体支持部５は、玉スロープ台４の左右
一方の支持部をＵ字形溝７に形成し、他方の支持部を丸
孔８を形成する。

【００１２】球形回転体２は、表面を格子状にして中空
部分が見える球形体である。球形体の軸芯に当たる両端
部分に支持突起９ａ、支持突起９ｂをそれぞれ外方向へ
突出している。支持突起９ｂには回転腕部１０を直角方
向に取り付け、さらに回転腕部１０に直角方向に着脱自
在に握り部分１１を取り付ける。

【００１３】球形回転体２の支持突起９ａは、回転支持
部５の丸孔８に挿入する。回転体２の支持突起９ｂは、
回転支持部５のＵ字形溝７に上方から嵌合する。

【００１４】球形回転体２は、軸芯の直角方向に玉挿入
部１２と玉排出部１３を設ける。玉挿入部１２は、球形
回転体２の表面と同様の格子状であり、表面に対して開
閉自在である。

【００１５】玉排出部１３は、矩形の開口部１４と、開
口部１４の回転方向一辺に回動軸１４ａを設け、回動軸
１４ａを軸芯として自重により回動自在であり両側部に
側壁１５ａを有する回動蓋部１５と、開口部１４の回動
蓋部１５の回動軸１４ａとは対向する辺１４ｂから中空
内部へ向かってコ字形状に設ける溜部１６とから成る。
溜部１６は、コ字形中央の側壁１６ａと、球形回転体２
の表面の表面壁１６ｂと、表面壁１６ｂの開口部側に凹
んで設ける突起１６ｃ、表面壁１６ｂにほぼ平行な平面
部１６ｄとを有する。平面部１６ｄは連続して屈折して
いる。

【００１６】回動蓋部１５は、回動軸１４ａによって回
動自在であり、先端部１５ｂは、開口部１４側の表面凹
部１６ｃと平面部１７との間で自重により回動する。回
動蓋部１５の先端部１５ｂが開口部１４側へ移動した場
合は、先端部１５ｂは溜部の表面壁１６ｂの凹んだ突起
１６ｃに当接する。この状態で開口部１４は閉鎖される
とともに、溜部１６の側壁１６ａから平面部１６ｄを通
って球形回転体２の中空部へは開口している。この状態
は、球形回転体２の玉排出部１３が、下部を含む下方に
位置する状態でもある。

【００１７】また、回動蓋部１５の先端部１５ｂが、自
重により平面部１６ｄに接している状態では、溜部１６
は、平面部１６ｄを通って開口部１４が開口しており、
逆に球形回転体２の中空部内へは閉鎖している。この状
態は、球形回転体２の玉排出部１３が上部を含む上方に
位置する状態である。

【００１８】複数個の玉３は、ビンゴゲームでは１乃至
数十までの連続した数字を、それぞれ１つづつの玉３に
記してある。この玉３は、他のゲームでは、他の数字、
文字、色による識別をしたものでもよい。例えば当選者
を決める場合は、色分けした玉３を入れておく。

【００１９】次に、この発明の作用を説明する。

【００２０】まず、球形回転体２を、基台１の回転体支
持部５に載置する。回転体支持部５の丸孔８には、球形
回転体２に支持突起９ａを挿入し、回転体支持部５のＵ
字形溝７に嵌合させる。この状態で、球形回転体２の軸
芯は水平になり、回転腕部１０の連結されている握り部
分１１を球形回転体２の軸芯を中心として回転させる。
これによって、球形回転体２は両方向に回転自在であ
る。

【００２１】玉３を複数個、玉挿入部１２を明けて、球
形回転体２内の中空部へ挿入する。

【００２２】この状態で、球形回転体２の握り部分１１
を回転させると、球形回転体２は回転し、数個乃至数十
個の玉３も中空部分で遊動するが、球形回転体２の下部
の範囲である。

【００２３】球形回転体２の回転方向は、玉排出部１３
の開口部１４から見て溜部１６方向への回転と、回動蓋
部１５方向への回転の二方向への回転がある。球形回転
体２を溜部１６方向へ回転させると、中空部の玉３は、
傾斜する溜部１６の背面に当たる為、溜部１６内へ入る
ことが不可能である。これは、玉排出部１３が中空部内
へ突出しているが、玉３が溜まっている下部Ａを通過し
上部Ｂ方向へ向かって回転している状態のとき、玉３は
溜部１６の背面がぶつかり、しかも回動蓋部１５の先端
が平面部１６ｄに接し中空部分に対して閉鎖している
為、溜部１６には玉３は入れない。

【００２４】これとは逆方向に、玉排出部１３の開口部
１４から見て回動蓋部１５方向へ球形回転体２を回転さ
せると、玉３が溜まっている下部Ａを通過するとき、回
動蓋部１５が、平面部１６ｄへ接していた部分が自重に
より回動し、開口部１４を塞ぐとともに、中空部分に対
して平面部１６ｄとの間に開口する。球形回転体２は、
そのまま回転するとこの平面部１６ｄと回動蓋部１５の
間の開口部分より玉３が溜部１６へ入る。溜部１６の側
壁間は、１つの玉３の径よりやや広い幅であるので、玉
３へは１つしか溜部１６へ入らない。もし１つの玉３の
上に他の玉３が側壁間に乗ったとしても、回転を続け、
回転蓋部１５が開口部１４から自重により離れ始める
と、１つ以外の玉３は、中空部分へ落下する。すると回
動蓋部１５の先端は平面部１６ｄに接し、開口部１４が
開口されるとともに、回動蓋部１５は平面部１６ｄと角
度を有する排出通路となる。玉排出部１３が上部Ｂの位
置では、溜部１６が斜めに傾き、溜部１６に入っていた
１つの玉３は、平面部１６ｄへ乗る。平面部１６ｄへ乗
った玉３は、溜部１６の側壁と回動蓋部１５の側壁に当
たるので左右からは落ちない。

【００２５】そのまま、球形回転体２を回転させると、
玉３はさらに回動蓋部１５の側壁間に入り、玉排出部１
３が上部Ｂから下部Ａへ向かう途中に、回動蓋部１５を
通って開口部１４から球形回転体２の外部へ落ちる。す
なわち１つの玉３が、玉排出部１３の開口部１４より玉
スロープ台４へ落ちる。

【００２６】玉スロープ台４へ落ちた玉３は、玉止まり
部６で止まる。

【００２７】球形回転体２は、この回転方向で回転を繰
り返すことにより、中空部分の複数個の玉３は、１つづ
つ玉排出部１３より外に出てくる。また、球形回転体２
は、逆回転しても玉３は、玉排出部１３から出て来るこ
とはない。

【００２８】

【効果】したがって、この発明によれば、簡単な構造
で、１方向への回転では絶対に内部の玉は球形回転体よ
り外部へ出ず、逆方向の回転で確実に１つだけ玉を出す
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の回転玉出し器の正面図

【図２】同じく平面図

【図３】この発明の球形回転体の玉が排出される回転方
向の説明図

【図４】この発明の球形回転体の玉が排出されない回転
方向の説明図

【符号の説明】

１ 基台 ２ 球形回転体 ３ 玉 １２ 玉挿入部 １３ 玉排出部 １４ 開口部 １５ 回動蓋部 １６ 溜部 １６ｄ 平面部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基台と、基台に回転自在に載置される中
   空の球形回転体と、球形回転体の中空部分に遊動自在で
   ある玉とから成り、球形回転体は、玉挿入部と玉排出部
   を有し、玉排出部は、開口部と、開口部の回転方向一辺
   を軸中心に回動自在であり両側部に側壁を有する回動蓋
   部と、回動蓋部の回動軸のある開口部辺とは対向する辺
   から中空部へ向かってコ字形状の溜部とから成り、溜部
   は、表面壁部とコ字形状中央部の側壁と球形表面にほぼ
   平行な平面部とを有し、かつ回動蓋部の先端が開口部と
   平面部との間で自重により回動自在であることを特徴と
   する回転玉出し器。