JP2601716B2 - 刃物切刃冷却法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明はコンクリート等の建造物にアンカーボルト用
穴や配管等の挿通穴を穿設する穿孔工具に関する。

〔発明の背景〕

従来、ダイヤモンドチップ、超硬チップ等の刃先を溶
着した刃物は、その切削時に刃先部が高温となり、刃先
溶着部が溶融し、チップの脱落、あるいは刃先を熱で傷
めてしまう恐れがあった。これを防止するため実開昭59
−120508号では、刃先部に油や水を注いで切削熱を奪
い、その温度上昇を抑えていた。この方法においては、
必然的に作業面が水等により汚されてしまい、排除に手
数を要するという不具合点がある。特に屋内での改善作
業等では、かかる汚れは極端にきらわれていた。

〔発明の目的〕

本発明は前述した不具合点をなくし、作業面が冷却液
により汚されることはなく、しかも切刀部の温度上昇を
防止し、能率良く穴開け作業を行うことができる方法に
関することである。

〔発明の概要〕

本発明は、ある熱源に液体を注ぎ、液体から気体に変
化する場合は熱源より熱を奪い気化し、かつ、液体は残
らない。この点に着目し冷却用液体の工夫をしたもので
ある。

〔発明の実施例〕

以下本発明を実施例により説明する。第１図は本発明
になる穿孔工具１の要部縦断側面図を示す。図において
穿孔工具１は、図示しない駆動源を内蔵し、その回転動
力は端部にネジ部２を有する出力軸３に伝達される。４
はスイベル装置では、前記出力軸３のネジ部２と係合す
るメネジ部５を有するホルダ６、接続リング７、ストッ
パ８からなる。接続リング７はホルダ６の外周に回動自
在に嵌合される。冷却液供給槽25のコック９の開閉によ
りホース10内を経由し冷却液である 1.1.1トリクロロエタンが接続リング７に穿孔される
供給口11、及び連通室12に供給される。さらにホルダ６
は前記した連通室12内の冷却液を先端工具13に送り込む
ための供給路14が設けられる。

また、液漏れが起こらぬよう接続リング７の内周には
連通室12の上下の円周上に周溝15が設けられ０リング16
が挿入される。また、外周の一部にストッパ８が溶着さ
れ、他端は穿孔工具１本体に突き当たる。ホルダ６の下
端には雄ねじ17が刻設され、シャンク19に設けられる雄
ねじ18と螺合される。シャンク19は円筒形状を成し供給
路14に連通する軸方向の連通路20を内部に有する。

シャンク19の他端にはダイヤモンド焼結体21の切刀が
溶着される。焼結体21は円筒形状をなし、先端面22と側
面23に沿って開口するスリット24を有し、シャンク19の
連通路20からの冷却液を前記スリット24内に注入する。

以上のように構成される穿孔工具１は、冷却液供給槽
25にたとえば１、１、１トリクロロエタンを封入後、コ
ック９を開けることにより冷却液は、ホース10、接続リ
ング７、ホルダ６、シャンク19を経由し刀先に注がれ
る。１、１、１トリクロロエタンは揮発性を有し、沸点
は約74c爆発、引火の危険性がない。

駆動源からの回転出力は出力軸３、スイベル装置４の
ホルダ６及び先端工具Ｂに伝達される。この時、接続リ
ング７から伸びるストッパ８の一端が穿孔工具本体１に
突き当り、前記接続リング７はホルダ６と共回りを起こ
さず停止している。

切削中、刀先部は高熱を発生するが、冷却液を直接注
がれるため冷却する効果と冷却液が揮発性を有するた
め、先端工具13を熱源とし熱を奪いながら気化し、冷却
する効果の相乗作用でより少量の冷却液で高い効果が得
られる。

また、少量で済むため床面等を汚すことはない。たと
え一時的に床面にこぼれたとしても揮発性のため後始末
は非常に楽なものとなる。

揮発性流体は工業薬品、化学薬品を用いても良い。流
体は完全に気化する必要はなく、水に比べ約50％以上、
気化すれば良い。

〔発明の効果〕

本発明によれば、冷却液に揮発性流体を使用したの
で、床面等を汚すことなく、先端工具の冷却効果を上げ
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に方法を適用した穿孔工具の冷却方法を
示す縦断側面図である。 １は穿孔工具、４はスイベル装置、11は供給口、12は連
通室、13は先端工具、14は供給路、20は連通路、21は焼
結体、25は冷却液供給槽。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シャンクの先端に切刃を有し、他端を動力
   工具等の出力軸に装着される先端工具を有する穿孔工具
   において、前記切刃を、蒸発量が水よりも50％以上多い
   揮発性の液体を用いて冷却することを特徴とする刃物切
   刃冷却法。