JP2601344B2 - 雑音低減兼垂直輪郭補償回路 - Google Patents

雑音低減兼垂直輪郭補償回路

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JP2601344B2
JP2601344B2 JP1112089A JP11208989A JP2601344B2 JP 2601344 B2 JP2601344 B2 JP 2601344B2 JP 1112089 A JP1112089 A JP 1112089A JP 11208989 A JP11208989 A JP 11208989A JP 2601344 B2 JP2601344 B2 JP 2601344B2
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秀行 林
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は,映像信号のもつノイズ成分を低減するた
めの雑音低減回路(いわゆるノイズ・リデューサ)と垂
直輪郭部補償(強調)を行なう回路との兼用回路に関す
る。
従来の技術 雑音低減回路の基本的な考え方は,隣接する水平走査
ラインにそう映像信号が垂直方向に相関が強いことを利
用し,ライン間差信号をとることにより雑音成分を抽出
し,この雑音成分を含む差信号を原映像信号から差引く
ということにある。雑音低減処理は一種の平均化処理で
あるから,画像の濃淡が垂直方向に平均化され,明確な
境界がぼやかされる可能性がある。垂直方向の輪郭を強
調するのが垂直輪郭補償回路であり,この回路は雑音低
減回路による垂直方向のぼけを修正する働きをもってい
る。
発明が解決しようとする課題 このように雑音低減回路と垂直輪郭補償回路とは相互
に相補う関係にあるが,これらの回路を別個に設けたの
では回路構成が複雑になる。また,雑音低減処理および
垂直輪郭補償処理のいずれにおいても画像の動きを充分
に考慮する必要がある。
この発明は回路構成をできるだけ簡素にし,しかも画
像の動きを考慮した処理が可能な雑音低減兼垂直輪郭補
償回路を提供するものである。
課題を解決するための手段 この発明による雑音低減兼垂直輪郭補償回路は,雑音
低減された入力映像信号を262H遅延させる262H遅延回
路,雑音低減された入力映像信号を263H遅延させる263H
遅延回路,上記263H遅延回路の出力信号と上記262H遅延
回路の出力信号との切換えを行ない,一方のィールド走
査のときには上記263H遅延回路の出力信号を選択し,他
方のフィールド走査のときには上記262H遅延回路の出力
信号を選択して出力する切換回路,入力映像信号と上記
切換回路の出力信号との差を演算して第1のフィールド
間差信号を出力する第1の減算回路,上記第1の減算回
路から出力される第1のフィールド間差出力信号に対し
て雑音低減のための所定の非線形処理を施す第1の非線
形処理回路,入力映像信号から上記第1の非線形処理回
路の出力信号を減算し,雑音低減映像信号として出力す
る第2の減算回路,上記262H遅延回路の出力信号と上記
263H遅延回路の出力信号とを入力し,これらの出力信号
の平均信号を出力する平均化回路,上記第2の減算回路
から出力される雑音低減映像信号と上記第2の平均化回
路の出力信号との差を演算して第2のフィールド間差信
号を出力する第3の減算回路,上記第3の減算回路から
出力される第2のフィールド間差信号に対して垂直輪郭
補償のための所定の非線形処理を施す第2の非線形処理
回路,および上記第2の減算回路から出力される雑音低
減映像信号に上記第2の非線形処理回路の出力信号を加
算して,雑音低減と垂直輪郭補償が施こされた映像信号
として出力する加算回路を備えていることを特徴とす
る。
作用 上記第1の減算回路から出力される第1のフィールド
間差信号は上記第1の非線形処理回路に与えられ,第1
のフィールド間差信号のレベルに応じた雑音低減のため
の非線形処理が加えられ,その後第2の減算回路におい
て入力映像信号から減算されることにより雑音低減処理
が施こされた映像信号となる。
一方,上記平均化回路から出力される前フィールドの
平均映像信号と上記の雑音低減処理された映像信号との
差をとることにより第2のフィールド間差信号が得られ
る。この第2のフィールド間差信号は上記第2の非線形
処理回路に与えられ,第2のフィールド間差信号のレベ
ルに応じた垂直輪郭強調のための非線形処理が加えられ
る。この第2の非線形処理回路の出力信号は上記の雑音
低減処理された映像信号に加算されることにより垂直輪
郭強調が達成される。
実施例 第1図は雑音低減兼垂直輪郭補償回路の実施例を示し
ている。これは2ライン・フィールド相関を利用した回
路である。
入力映像信号(Y/C分離後の輝度信号Y)は第1の減
算回路1および第2の減算回路2に与えられる。
第2の減算回路2の出力信号は後述するように雑音低
減された映像信号として垂直輪郭強調回路に与えられる
とともに,1フィールド期間遅延させるために262H遅延回
路(フィールド・メモリ)4に与えられる(Hは1水平
走査期間)。262H遅延回路4で262H遅延された信号は加
算回路8,切換回路6のB端子および1H遅延回路(ライン
・メモリ)5に与えられる。1H遅延回路5に与えられた
信号はさらに1H遅延して出力され,切換回路6のA端子
および加算回路8にそれぞれ与えられる。
加算回路8の次段には1/2係数器9が接続されてい
る。加算回路8と1/2係数器9によって平均化回路が構
成され,これにより262H遅延された映像信号と263H遅延
された映像信号との相加平均値を表わす信号が後述する
減算回路14に与えられることになる。
切換回路6は切換制御信号にもとづいて走査画面の1
フィールドごとにA端子とB端子を切換えるもので,切
換に応じて選択された信号(263Hまたは262H遅延された
映像信号)が,フィードバックされて第1の減算回路1
に与えられる。
減算回路1において,入力映像信号から切換回路6の
出力映像信号が減算され,フィールド間差信号Xが出力
される。このフィールド間差信号Xは第1の非線形処理
回路3に与えられる。第1の非線形処理回路3は入力し
たフィールド間差信号Xの大きさに応じて画像の垂直方
向の動きの程度を検出し,この検出した動きの程度に応
じてフィールド間差信号に含まれる雑音(ノイズ)成分
Yを出力する。第1の非線形処理回路3の具体的構成は
後に詳述するが,この回路3は第4図,第9図または第
12図に示すような特性をもっている。
第1の非線形処理回路3から出力される雑音成分信号
Yは第2の減算回路2に与えられ,入力映像信号から雑
音成分が減算されるので,雑音成分が低減された映像信
号が得られる。
次に垂直輪郭補償回路について説明する。
輪郭補償のための第2のフィールド間差信号は第3の
減算回路14によって作成される。この減算回路14には,
第2の減算回路2から出力される雑音低減された映像信
号と,平均化回路から出力される262H遅延信号と263H遅
延信号との相加平均信号とが入力しており,雑音低減映
像信号から相加平均信号が減算されることにより第2の
フィールド間差信号が作成される。
この第3の減算回路14から出力される第2のフィール
ド間差信号は第1の低域通過フィルタ15を経て第2の非
線形処理回路16に入力する(このフィールド間差信号を
X0で表わす)。第2のフィールド間差信号X0は画像の垂
直方向の高周波成分(具体的には15.7KHzの信号とその
高周波)を含んでいる。低域通過フィルタ15は0.5MHzま
たは1MHz程度以下の信号を通過させるもので,これによ
り第2のフィールド間差信号から水平方向の高周波成分
(これは一般に高周波ノイズである)が除去される。こ
のようにして垂直方向の信号成分のみが第2の非線形処
理回路16に入力する。非線形処理回路16の具体的構成の
一例についても後述するが,たとえば第6図に示すよう
な特性をもっており,入力信号のレベルによって垂直方
向の動きの程度を検出し,この検出した動きの程度に応
じて強調すべき垂直輪郭補償信号成分を出力する。
第2の非線形処理回路16の出力信号Zは次に加算回路
17に与えられる。この加算回路17には上述した雑音低減
された第2の減算回路2の出力映像信号も与えられてお
り,この映像信号に垂直輪郭補償信号成分が加算される
ことにより垂直輪郭補償された映像信号(補間信号に対
してこれを現信号という)が加算回路17から出力される
ことになる。雑音低減処理によって垂直方向に生じた波
形のなまりが垂直輪郭強調によって補償される訳であ
る。
続いて順次走査変換のためのライン補間信号の垂直輪
郭補償回路について述べる。
第2の減算回路2によって雑音低減された映像信号は
1H遅延回路21,加算回路22,28に与えられる。1H遅延回路
21の出力信号は加算回路22,28にそれぞれ与えられる。
したがって,加算回路22において雑音低減映像信号とそ
の1H遅延信号とが加算され,さらに1/2係数器22で1/2倍
されることによりライン補間信号が生成される。同じよ
うに,加算回路28と1/2係数器29によってライン補間信
号がつくられる。これらの1H遅延回路21,加算回路22,28
および1/2係数器23,29はライン補間信号を作成する回路
を構成している。
1/2係数器23から出力される補間信号は第4の減算回
路24に与えられる。この減算回路24には1H遅延回路5か
ら出力される263H遅延信号も入力しており,263H遅延信
号から補間信号が減算されることにより第3のフィール
ド間差信号が得られる。
第4の減算回路24から出力される第3のフィールド間
差信号は,同じように第2の低域通過フィルタ25を経て
第3の非線形処理回路26に与えられる。この非線形処理
回路26から出力される補間信号の垂直輪郭補償成分信号
は第2の加算回路27に入力し,1/2係数器29から与えられ
ているライン補間信号に加算される。このようにして,
加算回路27からは垂直輪郭補償されたライン補間信号が
出力される。
次に各非線形処理回路3,16および26について説明す
る。
まず,第1の非線形処理回路3の第1の具体的構成例
について説明する。第2図は第1の非線形処理回路3の
一例を示す回路図である。また第3図は第1の非線形処
理回路3に入力するフィールド間差信号Xのレベルと非
線形処理回路3の非線形係数kとの関係を示すグラフで
あり,第4図は入力差信号Xと非線形処理回路12の出力
信号Yとの関係を示すグラフである。
第2図に示す非線形処理回路は,第4図から明らかな
ように,入力Xが所定値Δまでは入力Xのレベルと出力
Yのレベルが比例関係にあるが,入力Xが所定値Δ以上
となると出力Yは一定値ΔKに保たれる。入力差信号X
には雑音成分に加えて画像の動きを表わす成分が含まれ
ている。動きを表わす成分が増大すると入力差信号Xの
レベルが増大するものと考えられる。一方,雑音成分の
レベルはほぼ一定と考えてよい。そこで,この非線形処
理回路では,入力Xのレベルが所定値Δを超えると雑音
成分を表わす出力Yのレベルを一定に保つようにしてい
る。この非線形処理回路は,構成が簡単であるという特
徴をもつ。
第2図を参照して非線形処理回路3に入力する差信号
Xは絶対値回路31,符号判別回路32および第1の係数器
群33内の係数器33aに与えられる。絶対値回路31は入力
差信号Xを絶対値化するもので,その出力信号は後述す
る比較器38の一方の入力端子に与えられる。符号判別回
路32は入力差信号Xの正,負の符号を判別するもので,
その判別信号は後述する切換回路37に切換制御信号とし
て与えられる。
第1の係数器群33内には2つの係数器33a,33bが含ま
れている。これらの係数器33a,33bはともに入力信号に
係数Kを乗じて出力するものである。一方の係数器33a
は入力差信号Xに係数K倍し,Y1=KXを表わす信号を次
段の切換回路39に与える。
この実施例では雑音低減の程度を2段階に切換えるこ
とが可能であり,そのためにΔ,Δという2種類の
しきい値を発生するしきい値発生回路34が設けられてい
る。これらのしきい値Δ,Δは切換回路35の2つの
入力端子にそれぞれ与えられる。切換回路35には雑音低
減の程度を指定する外部からのしきい値選択信号が与え
られており,この選択信号に応じてしきい値Δまたは
Δが選択される。切換回路35から出力される選択され
たしきい値Δ(2種類のしきい値ΔとΔを一括して
Δで表現する)を表わす信号は,第2の係数器群36内の
2つの係数器36a,36bおよび比較器38の他方の入力端子
に与えられる。第2の係数器群36内の一方の係数器36a
は入力するしきい値Δに1を乗じ,他方の係数器36bは
入力するしきい値Δに−1を乗じて,それらを表わす信
号を出力するものである。係数器36a,36bの出力信号は
切換回路37の2つの入力端子にそれぞれ与えられる。
切換回路37は符号判別回路32の判別信号にもとづいて
その切換が行なわれる。すなわち切換回路37は,符号判
別回路32によって判別された入力差信号Xが正ならば係
数器36aから入力するしきい値Δを,負ならば係数器36b
から与えられるしきい値−Δを選択する。切換回路37に
よって選択されたしきい値Δまたは−Δは第1の係数器
群33内の係数器33bに与えられ,K倍されて,Y2=ΔK
(Δは負も含む)として切換回路39に与えられる。
一方,比較器38では絶対値化された入力差信号Xと比
較器38に与えられたしきい値ΔまたはΔとが比較さ
れる。比較器38はこれらの大小に応じて切換回路39に切
換制御信号を与える。すなわち入力差信号Xが選択され
たしきい値以下ならば切換回路39は信号Y1=KXより出力
し,入力差信号Xが選択されたしきい値よりも大きけれ
ば切換回路39は信号Y2=ΔKを出力する。また雑音低減
回路をオン,オフする信号が切換回路39に与えられてお
り,オン信号が与えられているときには比較回路39は比
較器38の出力に応じて上述の動作を行なうが,オフ信号
が与えられると,接地されているY3端子に切換えられ,
出力Yは0となる。
次に第2の非線形処理回路16および第3の非線形回路
26の具体的構成例について説明する。第2の非線形処理
回路16および第3の非線形処理回路26の回路構成は同じ
ものを使用することができる。これら第2の非線形処理
回路16または第3の非線形処理回路26の一例を示す回路
図が第5図に示されている。第6図はそれらの回路16ま
たは26に入力する差信号と出力信号との関係を示すグラ
フである。
第5図に示す非線形処理回路は,第6図から明らかな
ように,入力X0が所定値Dまでは入力X0の値に関係なく
出力Zは零に保たれる。入力X0が所定値Dから2Dまでの
間では入力X0のレベルと出力Zのレベルが比例関係にあ
る。さらに,入力X0が2D以上となると3Dまで出力Zは一
定値DSに保たれる。入力X0が3Dを超えると出力Zは一定
の勾配で直線的に減少し,入力X0が4D以上では出力Zは
零に保たれる。このように,この非線形処理回路は,入
力X0のレベルの増大に応じてレベルが台形状に変化する
出力Z0を発生するように構成されている。
入力差信号X0には垂直輪郭を表わす成分に加えて,雑
音成分および画像の動きを表わす成分が含まれている。
入力差信号X0のレベルが低い部分では雑音成分が多いと
考えられる。また動きを表わす成分が増大すると入力差
信号X0のレベルが増大するものと考えられる。第5図に
示す非線形処理回路では,入力X0のレベルが所定値D以
下の範囲ではノイズ成分が多いので出力信号Zを零に保
ち,また入力X0のレベルが4D以上の範囲では動きが激し
いので出力信号Zを零に保つことにより,輪郭強調をし
ない。そして,入力X0のレベルがD〜4Dの範囲で入力信
号のレベルに応じて輪郭強調をする理想的な輪郭補償の
ための非線形処理回路となっている。
第5図を参照して第2の非線形処理回路16または第3
の非線形処理回路26に入力する差信号X0は絶対値回路4
1,符号判別回路42および第1の係数器群43内の係数器43
aに与えられる。絶対値回路41は入力差信号X0を絶対値
化するもので,その出力信号は後述する比較器群48内の
4個の比較器48a〜48dの一方の入力端子に与えられる。
符号判別回路42は入力差信号X0の正,負の符号を判別す
るもので,その判別信号は後述する切換回路47に切換制
御信号として与えられる。
第1の係数器群43内には2つの係数器43a,43bが含ま
れている。これらの係数器43a,43bはともに入力信号に
係数Sを乗じて出力するものである。一方の係数器43a
は入力差信号X0に係数S倍し,Z1=SX0を表わす記号を
次段の切換回路49に与えるとともに,減算回路50,51に
与える。
この実施例では輪郭強調の程度を2段階に切換えるこ
とが可能であり,そのためにD1,D2という2種類のしき
い値を発生するしきい値発生回路44が設けられている。
これらのしきい値D1,D2は切換回路45の2つの入力端子
にそれぞれ与えられる。切換回路45には輪郭強調の程度
を指定する外部からのしきい値選択信号が与えられてお
り,この選択信号に応じてしきい値D1またはD2が選択さ
れる。切換回路45から出力される選択されたしきい値D
(2種類のしきい値D1とD2を一括してDで表現する)を
表わす信号は,第2の係数器群46内の5つの係数器46a,
46b,46c,46d,46eおよび比較器48aの他方の入力端子に与
えられる。第2の係数器群46内の係数器46aは入力する
しきい値Dに1を乗じ,係数器46bは入力するしきい値
Dに−1を乗じて,それらを表わす信号を出力するもの
である。係数器46a,46bの出力信号は切換回路47の2つ
の入力端子にそれぞれ与えられる。
切換回路47は符号判別回路42の判別信号にもとづいて
その切換が行なわれる。すなわち切換回路47は,符号判
別回路42によって判別された入力差信号X0が正ならば係
数器46aから入力するしきい値Dを,負ならば係数器46b
から与えられるしきい値−Dを選択する。切換回路47に
よって選択されたしきい値Dまたは−Dは第1の係数器
群43内の係数器43bに与えられ,S倍されて,Z2=DS(D
は負も含む)として切換回路49に与えられるとともに係
数器46fに与えられる。
係数器46c,46d,46eは切換回路45から与えられるしき
い値Dを表わす信号をそれぞれ2倍,3倍,4倍して,比較
器48b,48c,48dの他方の入力端子にそれぞれ与える。さ
らに係数器46fは係数器43bから出力されるZ2=DSを表わ
す信号を4倍して4DSを表わす信号として減算回路51に
与える。
減算回路51において,4DS−SX0が演算され,この演算
結果を表わす信号Z3が切換回路49に入力する。さらに,
減算回路50には係数器43bから出力されるZ2=DSを表わ
す信号が入力しており,この減算回路50でZ1=SX0−DS
が演算され,この演算結果を表わす信号Z1が切換回路49
に入力する。
一方,比較器群48内の比較器48a〜48dでは,絶対値化
された入力差信号X0とこれらの比較器48a〜48dに与えら
れた基準値(しきい値D,2D,3D,4D)とがそれぞれ比較さ
れ,これらの比較結果を表わす信号が切換回路49に切換
制御信号として入力する。切換回路49はこの切換制御信
号に応答して,入力差信号X0のレベルが,しきい値D以
下の場合には接地されているZ4端子の0レベルの信号を
出力し,D<X0≦2Dの場合にはZ1=SX0−DSを出力し,2D<
X0≦3Dの場合には信号Z2=DSを出力し,3D<X0≦4Dの場
合には信号Z3=4DS−SX0を出力し,X0が4Dを超えている
ときには接地されているZ4端子の0レベルの信号を出力
するよう切換える。また輪郭補償回路をオン,オフする
信号が切換回路49に与えられており,オン信号が与えら
れているときには比較回路49は比較器群48の出力に応じ
て上述の動作を行なうが,オフ信号が与えられると,接
地されているZ4端子に切換えられ,出力Zは0となる。
最後に雑音低減のための第1の非線形処理回路3の他
の具体的構成例について説明する。第7図は第1の非線
形処理回路3の第2の例を示す回路図である。また第8
図はフィールド間差信号Xのレベルと非線形処理回路3
の非線形係数kとの関係を示すグラフであり,第9図は
入力差信号Xと非線形処理回路3の出力信号Yとの関係
を示すグラフである。
第7図に示す非線形処理回路は,第8図から明らかな
ように,入力Xが所定値Δまでは入力Xのレベルと出力
Yのレベルが比例関係にあるが,入力Xが所定値Δ以上
となると2Δまで出力Yは一定値ΔKに保たれる。入力
Xが2Δを超えると出力Yは一定の勾配で直線的に減少
し,入力Xが3Δ以上では出力Yは零に保たれる。この
ように,この非線形処理回路は,入力Xのレベルの増大
に応じてレベルが台形状に変化する出力Yを発生するよ
うに構成されている。
入力差信号Xには雑音成分に加えて画像の動きを表わ
す成分が含まれている。動きを表わす成分が増大すると
入力差信号Xのレベルが増大するものと考えられる。第
7図に示す非線形処理回路では,入力Xのレベルが所定
値Δを超えると雑音成分を表わす出力Yのレベルを一定
に保ち,2Δを超えると出力Yを減少させ,3Δを超えると
出力Yを零にして雑音低減処理を行なわないようにして
いる。したがって,この非線形処理回路を用いると理想
的な雑音低減処理が期待できる。
第7図を参照して第1の非線形処理回路3に入力する
差信号Xは絶対値回路31,符号判別回路32および第1の
係数器群33内の係数器33aに与えられる。絶対値回路31
は入力差信号Xを絶対値化するもので,その出力信号は
後述する比較器群38内の3個の比較器38a〜38cの一方の
入力端子に与えられる。符号判別回路32は入力差信号X
の正,負の符号を判別するもので,その判別信号は後述
する切換回路37に切換制御信号として与えられる。
第1の係数器群33内には2つの係数器33a,33bが含ま
れている。これらの係数器33a,33bはともに入力信号に
係数Kを乗じて出力するものである。一方の係数器33a
は入力差信号Xに係数K倍し,Y1=KXを表わす信号を次
段の切換回路39に与えるとともに,減算器40に与える。
この実施例でも雑音低減の程度を2段階に切換えるこ
とが可能であり,そのためにΔ,Δという2種類の
しきい値を発生するしきい値発生回路34が設けられてい
る。これらのしきい値Δ,Δは切換回路35の2つの
入力端子にそれぞれ与えられる。切換回路35には雑音低
減の程度を指定する外部からのしきい値選択信号が与え
られており,この選択信号に応じてしきい値Δまたは
Δが選択される。切換回路35から出力される選択され
たしきい値Δ(2種類のしきい値ΔとΔを一括して
Δで表現する)を表わす信号は,第2の係数器群36内の
4つの係数器36a,36b,36c,36dおよび比較器38aの他方の
入力端子に与えられる。第2の係数器群36内の係数器36
aは入力するしきい値Δに1を乗じ,係数器36bは入力す
るしきい値Δに−1を乗じて,それらを表わす信号を出
力するものである。係数器36a,36bの出力信号は切換回
路37の2つの入力端子にそれぞれ与えられる。
切換回路37は符号判別回路32の判別信号にもとづいて
その切換が行なわれる。すなわち切換回路37は,符号判
別回路32によって判別された入力差信号Xが正ならば係
数器36aから入力するしきい値Δを,負ならば係数器36b
から与えられるしきい値−Δを選択する。切換回路37に
よって選択されたしきい値Δまたは−Δは第1の係数器
群33内の係数器33bに与えられ,K倍されて,Y2=ΔK
(Δは負も含む)として切換回路39に与えられるととも
に係数器36eに与えられる。
係数器36c,36dは切換回路35から与えられるしきい値
Δを表わす信号をそれぞれ2倍,3倍して,比較器38b,38
cの他方の入力端子にそれぞれ与える。さらに係数器36e
は係数器33bから出力されるY2=ΔKを表わす信号を3
倍して3ΔKを表わす信号として減算器40に与える。
減算器40において,3ΔK−KXが演算され,この演算結
果を表わす信号Y3が切換回路39に入力する。
一方,比較器群38内の比較器38a〜38cでは,絶対値化
された入力差信号Xとこれらの比較器38a〜38cに与えら
れた基準値(しきい値Δ,2Δ,3Δ)とがそれぞれ比較さ
れ,これらの比較結果を表わす信号が切換回路39に切換
制御信号として入力する。切換回路39はこの切換制御信
号に応答して,入力差信号Xのレベルが,しきい値Δ以
下の場合には信号Y1=KXを出力し,Δ<X≦2Δの場合
には信号Y2=ΔKを出力し,2Δ<X≦3Δの場合には信
号Y3=3ΔK−Y1を出力し,Xが3Δを超えているときに
は接地されているY4端子の0レベルの信号を出力するよ
う切換える。また雑音低減回路をオン,オフする信号が
切換回路39に与えられており,オン信号が与えられてい
るときには比較回路39は比較器群38の出力に応じて上述
の動作を行なうが,オフ信号が与えられると,接地され
ているY4端子に切換えられ,出力Yは0となる。
第10図は第1の非線形処理回路12の第3の例を示す回
路図である。また第11図は入力間差信号Xのレベルとこ
の非線形処理回路の非線形係数kとの関係を示すグラフ
であり,第12図は入力差信号Xと非線形処理回路の出力
信号Yとの関係を示すグラフである。
第10図に示す非線形処理回路は,第12図から明らかな
ように,入力Xが所定値Δまでは入力Xのレベルと出力
Yのレベルが比例関係にあるが,入力Xが所定値Δ以上
となると出力Yは一定の勾配で直線的に減少し,入力X
が2Δ以上では出力Yは零に保たれる。このように,こ
の非線形処理回路は,入力Xのレベルの増大に応じてレ
ベルが三角形状に変化する出力Yを発生するように構成
されている。この非線形処理回路によると,理想に近い
雑音低減処理が期待できるととに第7図に示す回路より
も構成が簡素になっている。
第10図において,第7図に示すものと同一物には同一
符号を付し,異なる点についてのみ述べる。
係数器33bの出力Y2において切換回路39には入力して
いない。比較器群38において比較器38cは設けられてい
ない。係数器36fから出力される2Δを表わす信号が減
算器40に与えられる。したがって減算器40からはY3=2
ΔK−KXを表わす信号が出力される。
比較器群38から入力する切換制御信号によって切換回
路39は次のように動作する。すなわち,切換回路39は入
力差信号XがΔまでは信号Y1を選択して出力し,Δ<X
≦2Δのときは信号Y3を出力し,Xが2Δを超えると零レ
ベルの信号Y4を出力する。このようにして,第11図およ
び第12図に示す特性が得られる。
発明の効果 この発明によると,上述のように雑音低減のための第
1のフィールド間差信号をつくるための遅延回路(フィ
ールド・メモリやラインメモリ)と輪郭補償のための第
2のフィールド間差信号をつくるために前フィールド平
均信号を作成するための遅延回路とを,雑音低減回路と
垂直輪郭補償回路とに共用することができるので,その
分回路構成が簡素になる。また,雑音低減のための第1
の非線形処理回路と輪郭強調のための第2の非線形処理
回路とがそれぞれ別個に設けられているので,第1,第2
のフィールド間差信号にそれぞれの目的に応じた非線形
処理を施すことが可能となり,画像の動きに応じた常に
適切な雑音低減および輪郭強調を行なうことが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明による雑音低減兼垂直輪郭補償回路の
実施例を示すブロック図である。 第2図は雑音低減のための第1の非線形処理回路の第1
の例を示す回路図,第3図はフィールド間差信号のレベ
ルと非線形処理係数との関係を示すグラフ,第4図はフ
ィールド間差信号と非線形処理回路の出力信号との関係
を示すグラフである。 第5図は垂直輪郭補償のための第2の非線形処理回路の
一例を示す回路図,第6図はフィールド間差信号と非線
形処理回路の出力信号との関係を示すグラフである。 第7図は雑音低減のための第1の非線形処理回路の第2
の例を示す回路図,第8図はフィールド間差信号のレベ
ルと非線形処理係数との関係を示すグラフ,第9図はフ
ィールド間差信号と非線形処理回路の出力信号との関係
を示すグラフである。 第10図は第1の非線形処理回路の第3の例を示す回路
図,第11図はフィールド間差信号のレベルと非線形処理
係数との関係を示すグラフ,第12図はフィールド間差信
号と非線形処理回路の出力信号との関係を示すグラフで
ある。 1……第1の減算回路,2……第2の減算回路,3……第1
の非線形処理回路,4……262H遅延回路,5……1H遅延回
路,6……切換回路,8,17……加算回路,9……1/2係数器,1
4……第3の減算回路,16……第2の非線形処理回路。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】雑音低減された入力映像信号を262H遅延さ
    せる262H遅延回路, 雑音低減された入力映像信号を263H遅延させる263H遅延
    回路, 上記263H遅延回路の出力信号と上記262H遅延回路の出力
    信号との切換えを行ない,一方のフィールド走査のとき
    には上記263H遅延回路の出力信号を選択し,他方のフィ
    ールド走査のときには上記262H遅延回路の出力信号を選
    択して出力する切換回路, 入力映像信号と上記切換回路の出力信号との差を演算し
    て第1のフィールド間差信号を出力する第1の減算回
    路, 上記第1の減算回路から出力される第1のフィールド間
    差出力信号に対して雑音低減のための所定の非線形処理
    を施す第1の非線形処理回路, 入力映像信号から上記第1の非線形処理回路の出力信号
    を減算し,雑音低減映像信号として出力する第2の減算
    回路, 上記262H遅延回路の出力信号と上記263H遅延回路の出力
    信号とを入力し,これらの出力信号の平均信号を出力す
    る平均化回路, 上記第2の減算回路から出力される雑音低減映像信号と
    上記平均化回路の出力信号との差を演算して第2のフィ
    ールド間差信号を出力する第3の減算回路, 上記第3の減算回路から出力される第2のフィールド間
    差信号に対して垂直輪郭補償のための所定の非線形処理
    を施す第2の非線形処理回路,および 上記第2の減算回路から出力される雑音低減映像信号に
    上記第2の非線形処理回路の出力信号を加算して,雑音
    低減と垂直輪郭補償が施こされた映像信号として出力す
    る加算回路, を備えた雑音低減兼垂直輪郭補償回路。
  2. 【請求項2】上記263H遅延回路が,上記262H遅延回路と
    これに縦続接続された1H遅延回路とから構成される請求
    項(1)に記載の雑音低減兼垂直輪郭補償回路。
  3. 【請求項3】上記雑音低減のための第1の非線形処理回
    路が, 上記第1のフィールド間差信号のレベルに比例するレベ
    ルをもつ第1の信号を作成する第1の回路と, 上記第1のフィールド間差信号のレベルにかかわらず一
    定レベルの第2の信号を作成する第2の回路と, 上記第1のフィールド間差信号のレベルを所定の基準レ
    ベルと比較して,比較結果を表わす信号を出力する比較
    回路と, 上記比較回路の出力信号に応じて,上記第1のフィール
    ド間差信号のレベルが上記基準レベル以下のときには上
    記第1の信号を,上記基準レベル以上のときには上記第
    2の信号をそれぞれ選択して出力する切換回路と, から構成される請求項(1)に記載の雑音低減兼垂直輪
    郭補償回路。
  4. 【請求項4】上記雑音低減のための第1の非線形処理回
    路が, 上記第1のフィールド間差信号のレベルに比例するレベ
    ルをもつ第1の信号を作成する第1の回路と, 上記第1のフィールド間差信号のレベルにかかわらず一
    定レベルの第2の信号を作成する第2の回路と, 上記第1のフィールド間差信号のレベルの増大にともな
    ってレベルが減少する第3の信号を作成する第3の回路
    と, 上記第1のフィールド間差信号のレベルを,異なる第1,
    第2および第3の基準レベルと比較して,比較結果を表
    わす信号を出力する比較回路と, 上記比較回路の出力信号に応じて,上記第1のフィール
    ド間差信号のレベルが第1の基準レベル以下のときには
    上記第1の信号を,第1の基準レベルと第2の基準レベ
    ルとの間にあるときには上記第2の信号を,上記第2の
    基準レベルと第3の基準レベルとの間にあるときには上
    記第3の信号を,上記第3の基準レベル以上のときには
    零のレベルの信号をそれぞれ選択して出力する切換回路
    と, から構成される請求項(1)に記載の雑音低減兼垂直輪
    郭補償回路。
  5. 【請求項5】上記雑音低減のための第1の非線形処理回
    路が, 上記第1のフィールド間差信号のレベルに比例するレベ
    ルをもつ第1の信号を作成する第1の回路と, 上記第1のフィールド間差信号の増大にともなってレベ
    ルが減少する第2の信号を作成する第2の回路と, 上記第1のフィールド間差信号のレベルを異なる第1お
    よび第2の基準レベルと比較して,比較結果を表わす信
    号を出力する比較回路と, 上記比較回路の出力信号に応じて,上記第1のフィール
    ド間差信号のレベルが第1の基準レベル以下のときには
    上記第1の信号を,第1の基準レベルと第2の基準レベ
    ルとの間にあるときには上記第2の信号を,上記第2の
    基準レベル以上のときには零のレベルの信号をそれぞれ
    選択して出力する切換回路と, から構成される請求項(1)に記載の雑音低減兼垂直輪
    郭補償回路。
  6. 【請求項6】上記垂直輪郭補償のための第2の非線形処
    理回路が, 上記第2のフィールド間差信号のレベルに比例するレベ
    ルをもつ第1の信号を作成する第1の回路と, 上記第2のフィールド間差信号のレベルにかかわらず一
    定レベルの第2の信号を作成する第2の回路と, 上記第2のフィールド間差信号のレベルの増大にともな
    ってレベルが減少する第3の信号を作成する第3の回路
    と, 上記第2のフィールド間差信号のレベルを,異なる第1,
    第2,第3および第4の基準レベルと比較して,比較結果
    を表わす信号を出力する比較回路と, 上記比較回路の出力信号に応じて,上記第2のフィール
    ド間差信号のレベルが第1の基準レベル以下のときには
    零レベルの信号を,第1の基準レベルと第2の基準レベ
    ルとの間にあるときには上記第1の信号を,上記第2の
    基準レベルと第3の基準レベルとの間にあるときには上
    記第2の信号を,上記第3の基準レベルと第4の基準レ
    ベルとの間にあるときには上記第3の信号を,上記第4
    の基準レベル以上のときには零のレベルの信号をそれぞ
    れ選択して出力する切換回路と, から構成される請求項(1)に記載の雑音低減兼垂直輪
    郭補償回路。
  7. 【請求項7】上記第2の減算回路から出力される雑音低
    減映像信号と,それよりも1H前の雑音低減映像信号との
    平均信号であるライン補間信号を作成して出力する補間
    信号作成回路, 上記263H遅延回路の出力信号と上記ライン補間信号との
    差を演算して第3のフィールド間差信号を出力する第4
    の減算回路, 上記第4の減算回路から出力される第3のフィールド間
    差信号に対して,垂直輪郭補償のための所定の非線形処
    理を施す第3の非線形処理回路,および 上記ライン補間信号に上記第3の非線形処理回路の出力
    信号を加算して,垂直輪郭補償が施こされた補間信号を
    出力する第2の加算回路, をさらに備えた請求項(1)に記載の雑音低減兼垂直輪
    郭補償回路。
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