JP2601068B2 - 溶融めっき鋼板の目付方法 - Google Patents

溶融めっき鋼板の目付方法

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JP2601068B2
JP2601068B2 JP3180420A JP18042091A JP2601068B2 JP 2601068 B2 JP2601068 B2 JP 2601068B2 JP 3180420 A JP3180420 A JP 3180420A JP 18042091 A JP18042091 A JP 18042091A JP 2601068 B2 JP2601068 B2 JP 2601068B2
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  • Coating With Molten Metal (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は連続溶融亜鉛めっき等の
溶融金属めっきにおいて、鋼板に付着した溶融金属をワ
イピングし、めっき鋼板の目付を行うための方法に関す
る。
【0002】
【従来技術】連続溶融めっき処理では、図20に示すよ
うに溶融めっき浴1中のシンクロ−ル6に巻付搬送され
る鋼板Sが、押えおよび板反り矯正用のピンチロ−ル7
を経て上方に引き上げられた後、通常、めっき浴面上で
ガスワイピングノズル8により余剰めっき分を絞り取ら
れ、均一なめっき厚を得るようにしている。
【0003】このようなめっき処理において、生産性を
上げるために板の通板速度を上げようとすると、鋼板S
に付随して上方に持ち上げられる溶融金属量が必然的に
多くなるため、ガスワイピングノズル8のガス圧を高め
る必要がある。しかし、このようにガスワイピングノズ
ル8のガス圧を高めると、高速で板に衝突したガスジェ
ットは余分な溶融金属を下方に掻き落すだけでなく、随
伴ガス流を発生させ、この随伴ガス流により溶融金属の
一部がスプラッシュとなり、これがガスワイピングノズ
ルに付着してノズル詰りを生じさせ、この結果ガス流の
均一性が阻害され、めっき目付量を均一にすることがで
きなくなる。このようにめっき目付量が不均一である
と、美観上の問題のみならず、めっき後の合金化の不均
一化や巻取時の荷崩れの原因となる。また、スプラッシ
ュの一部は鋼板に再付着し、鋼板傷の原因となる等の問
題もある。また、ガスワイピングノズルのガス流量を増
大させることは、コストアップや騒音発生の要因ともな
る。
【0004】従来、高速化に対応するために余剰な溶融
金属を絞り取る方法に関し、以下のような提案がなされ
ている。 特公昭44−7444号に示されるように、鋼板に高
周波磁場を印加し、鋼板に発生する渦電流に伴うロ−レ
ンツ力を利用して溶融金属を絞り、且つガスワイピング
を併用する方法 特開昭61−227158号に示されるように、鋼板
に定常電流を流し、静磁場とのロ−レンツ力により余剰
溶融金属を下方に絞った後、ガスワイピングノズルに到
らしめる方法 特開昭61−204363号に示されるように、鋼板
の面外方向に静磁場を発生させ、鋼板の移動により発生
する溶融金属中の誘導電流と静磁場とのロ−レンツ力に
より、余剰の溶融金属を下方に絞った後、ガスワイピン
グノズルに到らしめる方法 特開昭61−266560号や特開昭62−1033
33号に示されるように、鋼板下方向に移動磁界を発生
させ余剰溶融金属を下方に絞った後、ガスワイピングノ
ズルに到らしめる方法
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
の最大の欠点は、特に鋼板などの強磁性体に磁場を作用
させる際、鋼板は磁場の強い方に引き付けられるために
不安定な系となり、目的とするような適正な制御を行う
ことが難しいという点にある。このような制御上の問題
を回避するためには、磁場発生装置と鋼板との間隔を広
く取る必要があり、この結果、磁場の効果が極めて限定
されてしまい、本来目的としているような効果は十分に
得られない。
【0006】また、溶融金属の目付量の均一化を阻害す
る要因として、鋼板の振動や幅方向での板反り(所謂C
反り)があるが、上述したいずれの提案も鋼板の制振や
板反り矯正には全く効果がない。上記の特公昭44−
7444号には、コイル間を通過する鋼板は磁気的な反
発力でコイル間中心にセンタリングされるという、鋼板
の振動抑制効果が期待し得るような内容が示されている
が、上述したように単に鋼板に高周波磁場を印加した場
合には、強磁性体である鋼板に磁気的吸引力が強く作用
するため、通板する鋼板がコイル方向に吸引される等、
却って不安定な状態が引き起こされ、振動の抑制等は全
く期待できない。
【0007】このように従来の方法では、強磁性の鋼板
が磁場により吸引され、不安定な系となるという根本的
な問題があり、このため本来目的とするような十分な作
用が期待できないという欠点があった。本発明はこのよ
うな従来の問題に鑑みなされたもので、溶融めっき鋼板
の板反りや振動を防止しつつ、高速かつ均一な目付を可
能とする方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】鋼板のような強磁性体に
単に磁場を印加し、鋼板の制振やめっき目付を行おうと
しても、鋼板に磁気吸引力が作用し、鋼板がより不安定
な状態におかれることは、上述した通りである。このよ
うな問題に対し本発明者らは、図12のB〜H曲線に示
されるように鋼板の強磁性を示す領域が非飽和域に限ら
れ、飽和域では強磁性でなくなることに着目し、鋼板を
十分に飽和させた状態で高周波磁場を印加すれば、磁気
吸引力よりも高周波電流路を流れる電流と鋼板中の誘導
電流間に生じる反発力の方が強くなり、上記磁気吸引力
に伴う不安定性が解消されること、そして、上記のよう
な高周波磁場の印加を溶融金属をワイピングすべき箇所
に対して行うことにより、溶融金属の適切且効果的な絞
り(ワイピング)が可能となり、鋼板のめっき目付を容
易に行い得ることを見出し、本発明を完成させたもので
ある。
【0009】すなわち本発明は、溶融めっき浴の浴面上
方において、溶融めっき浴から引き出される鋼板の前面
側および後面側に、鋼板を挾んで略対向するようにして
鋼板面に平行な高周波電流導通路を鋼板面に近接して配
置するとともに、該高周波電流導通路近傍における鋼板
幅方向の両側外方に、鋼板幅方向を挾んで略対向するよ
うにして磁石のN極およびS極を配置し、該磁石により
鋼板を磁気的に飽和させた状態で、鋼板前面側および後
面側の前記高周波電流導通路に周波数3kHz以上の
位相の高周波電流を通電して鋼板に逆位相の高周波電流
を誘導させ、この誘導電流と前記各高周波電流導通路の
高周波電流との相互作用により鋼板面に働く磁気圧力を
発生させ、鋼板にその両面側から作用する前記磁気圧力
により、鋼板の幅方向での板反りと振動を防止しつつ鋼
板に付着した溶融金属をワイピングし、鋼板のめっき目
付を行うようにしたものである。ここで、鋼板の誘導電
流と高周波電流導通路の高周波電流との相互作用により
鋼板面に働く「磁気圧力」とは、高周波電流導通路を流
れる高周波電流と鋼板中の誘導電流との間に生じる磁気
的な反発作用により鋼板面に作用する磁気的な圧力を指
す。
【0010】このような本発明において、高周波電流導
通路は鋼板通板方向で間隔をおいて2以上設けることが
できる。また、鋼板幅方向を挾んで対向するようにして
配置される磁石は、電磁石および永久磁石のいずれを用
いてもよく、また、この磁石も鋼板通板方向において2
箇所以上の位置に配置することができる。
【0011】高周波電流導通路は、鋼板幅方向に亘って
設ける必要があるが、必ずしも板幅方向と平行に設ける
必要はなく、高周波電流導通路全長に板幅方向に対して
傾きをもたせ、或いは高周波電流導通路の一部に板幅方
向に対して傾きをもたせるような構成とすることができ
る。鋼板エッジ部では、高周波電流導通路を流れる電流
に対して鋼板中を流れる電流の方向が90°の関係にな
るため、このエッジ部近傍で磁気圧力が弱まる傾向があ
り、このような問題に対しては、上記のように高周波電
流導通路全長に板幅方向に対して傾きをもたせ、或いは
電流導通路の鋼板エッジ部近傍に面した部分に板幅方向
に対して傾きをもたせた構成とするのが有効である。
【0012】
【作用】本発明法の作用を、強磁性体である鋼板の磁気
特性を示す図12(磁束密度と磁界の強さの関係図)と
本発明の一実施例である図1および図2に基づき説明す
る。図1は実施状況を示す側面図、図2は同じく正面図
である。
【0013】本発明法では、溶融めっき浴1の浴面上方
において、溶融めっき浴1から引き出され連続通板する
鋼板Sの前面側および後面側に、鋼板を挾んで略対向す
るようにして、鋼板面に平行な高周波電流導通路2a、
2bを鋼板Sに近接して配置するとともに、鋼板Sの幅
方向の両側外方に、鋼板幅方向を挾んで略対向するよう
にして永久磁石または電磁石からなる磁石3のN極およ
びS極を配置する。この磁石3は鋼板Sを磁気的に飽和
させるために設けられるものであり、したがって、鋼板
を磁気的に飽和させ得る磁束密度を有する磁石を用い
る。この例では、鋼板両側の高周波電流導通路2a、2
bは上下2段に配され、上部の高周波電流導通路2a、
2bの上方近傍位置と下部の高周波電流導通路2a、2
bの下方近傍位置に、それぞれ磁石3が配されている。
【0014】鋼板Sを挾んで対向する高周波電流導通路
2a、2bに同位相の高周波電流を流すと、鋼板Sには
これと逆位相の電流が流れる。この鋼板Sを流れる電流
は前記高周波電流導通路2a、2bの電流とは方向が逆
となるため、高周波電流導通路2a、2bの電流と鋼板
Sを流れる電流との間に磁気的な反発作用が生じ、これ
が磁気圧力として鋼板表面に作用する。しかしながら、
鋼板のような強磁性体では透磁率が高いため、上述した
ように単に電流が流れただけでは、磁気的吸引力が反発
力を上回り、不安定な系となってしまう。鋼板両端に配
置した磁石3はこのような不安定性を除去するため、鋼
板を磁気的に飽和させる作用をする。すなわち、この磁
石の作用により鋼板中の磁場は図12に示す磁気的な飽
和域に存在する(すなわち、常磁性化する)ことにな
り、高周波電流によって発生する磁場変動の範囲も図1
2で示す磁気飽和域の中に存在することになる。このよ
うに強磁性体を磁気的に飽和させ常磁性化することによ
り、磁気的吸引力による不安定性を解消でき、鋼板は高
周波電流導通路からの反発力のみを受けることになる。
すなわち、この作用は図13に示すような非接触のバネ
と同じような作用であり、これにより鋼板の振動が抑制
され、また、板反りも矯正される。そして、このように
鋼板の制振および板反りの矯正がなされた状況下で、鋼
板両面側から作用する溶融金属への磁気圧力により、鋼
板に付着している余剰の溶融金属が絞り落されて溶融金
属のワイピングがなされ、これにより極めて均一なめっ
き目付(めっき付着量制御)が可能となる。本発明にお
いて高周波電流導通路2a,2bに通電させる高周波電
流の周波数は、後述する実施例の結果から3kHz以上
とする。また、高周波電流の大きさは電流の周波数と高
周波電流導通路−鋼板間の設定距離に応じて適宜選択さ
れ、例えば、後述する実施例の場合のように高周波電流
導通路−鋼板間の設定距離が15mm、周波数が3kH
zの場合には電流値を3×104A程度、また例えば周
波数が20kHzの場合には同様の高周波電流導通路−
鋼板間の設定距離において電流値を500A程度とすれ
ばよい。また、磁石3は、鋼板と磁石のN極及びS極間
の設定距離に応じ、鋼板を磁気的に飽和させ得る磁束密
度を有するものを用いる。 なお、本発明では鋼板を磁気
的に飽和させて常磁性化するための手段として磁石3を
用いるが、このような手段を用いなくても、高周波電流
導通路2a、2bに通電する高周波電流を大きくし或い
はその周波数を高くすることにより鋼板を磁気的に飽和
した状態にすることは可能である。しかし、このように
高周波電流を大きくし或いはその周波数を高くすると、
特に溶融金属のワイピング量が多くなる薄目付の場合に
鋼板温度が上がり過ぎるという問題があり、めっき品質
に悪影響を与えるおそれが出てくる。また、高周波電流
を大きくしたり或いはその周波数を高くすることは、高
周波電源設備の設備コストの増大にもつながる。これに
対し本発明では、磁石3の磁界のみで鋼板を磁気的に飽
和させ常磁性化することができるため、上記したような
問題を生じるおそれはない。
【0015】
【実施例】図1ないし図11に本発明の実施例を示す。
このうち図1および図2は、上述したように鋼板Sを挾
んで対向するようにして鋼板面に平行な高周波電流導通
路2a、2bを上下方向で2組配し、これら2組の高周
波電流導通路の上部近傍位置および下部近傍位置に、鋼
板幅方向を挟むようにしてそれぞれ磁石3(永久磁石)
のN極、S極を配したものである。鋼板Sを挟んで対向
する高周波電流導通路2a、2bには、同位相の高周波
電流が流される。なお、この例では上下の高周波電流導
通路の電流の位相は反対となっているが、同位相でもよ
い。
【0016】図3および図4は、上下2組の高周波電流
導通路2a、2bの間に磁石3のN極、S極を配したも
のであり、上下の高周波電流導通路に流す電流について
は上記実施例と同様である。図5および図6は、図1お
よび図2に示されると同様の高周波電流導通路および磁
石配置構成において、磁石3を電磁石で構成したもので
あり、4は電磁石を構成するヨ−ク、5は同じくコイル
である。
【0017】図7および図8は、それぞれ鋼板の端部に
特に強い磁気圧力をかけるため、各高周波電流導通路2
の鋼板エッジ部近傍と対向する部分に、鋼板通板方向に
沿った屈曲部21を形成したものである。この実施例で
も高周波電流導通路は上下2組設けられ、磁石3はこの
上下の高周波電流導通路間に配されている。このような
構成は上述した各実施例に適用可能である。
【0018】また、鋼板エッジ部では、高周波電流導通
路を流れる電流に対して鋼板中を流れる電流の方向が9
0°の関係になるため、このエッジ部近傍で磁気圧力が
弱まる傾向があり、このような問題に対しては、高周波
電流導通路全長を板幅方向に対して傾け、或いは電流導
通路の鋼板エッジ部近傍と対向する部分に板幅方向に対
し傾きをもたせる方法が有効である。図9および図10
は前者の場合の電流導通路の配置例を示すもので、鋼板
両側の高周波電流導通路2a,2bの全長に板幅方向に
対して適当な傾きをもたせたものである。また、図11
は鋼板エッジ部近傍に面した高周波電流導通路2a,2
bの部分22に板幅方向に対する傾きをもたせたもので
ある。以上のような構成は上記各実施例に適用可能であ
る。以上述べた種々の態様の実施例において、鋼板幅方
向を挟んで対向して配置された磁石3のN極とS極とに
より鋼板Sを磁気的に飽和させ、この状態で鋼板Sを挟
んで対向する高周波電流導通路2a、2bに周波数3k
Hz以上の同位相の高周波電流を通電して鋼板Sに逆位
相の高周波電流を誘導させる。この誘導電流と高周波電
流導通路2a、2bの高周波電流との相互作用により鋼
板面に働く安定した磁気圧力が発生し、鋼板Sにその両
面側から作用する前記磁気圧力により、鋼板Sは幅方向
での板反りと振動が防止されつつ鋼板Sに付着した溶融
金属がワイピングされ、鋼板Sのめっき目付が行われ
る。
【0019】本発明者らは、本発明の効果を検証するた
め以下のようなシュミレ−ション解析を行った。この解
析では、まず第1に電磁石により鋼板が磁気的に飽和す
ることを確認するため、図5および図6に示すような装
置構成における電磁石と鋼板の静磁場解析を行った。図
14に解析モデルを示すが、ここでは対称性を考慮し、
1/2のモデルで解析を行った。その解析条件は以下の
通りである。 鉄芯比透磁率:1000 コイル電流 :2.6×105AT 鋼板寸法 :幅1800mm×板厚2.3mm
【0020】図15に解析で得られた磁界の分布を示
す。ここで得られた磁性体中の磁界の強さは1.6×1
5A/m以上を示しており、鋼板が磁気的に十分に飽
和していること、つまり、鋼板が図12の飽和域にある
ことを示している。
【0021】次に、高周波電流導通路によって鋼板に及
ぼされる磁気圧力を算定するためのシュミレ−ションを
行った。図16に解析したモデルを示す。各高周波電流
導通路には図5に示すような位相の電流が流れると想定
し、対称性を考慮し1/2のモデルで解析を行った。そ
の解析条件は以下の通りである。鋼板は磁気的に飽和し
ているため鋼板の比透磁率は1とした。 コイル断面寸法:30×50mm コイル電流 :3×104A 周波数 :3000Hz 鋼板厚 :2.3mm 鋼板比透磁率 :1
【0022】この解析では鋼板が対向する高周波電流導
通路間で振動することを考え、図16に示すように鋼板
が両電流導通路のセンタ位置にある場合と、このセンタ
位置からそれぞれ5mm、10mmずつずれた場合の3
水準について解析を行った。図17は鋼板が両電流導通
路のセンタ位置にある場合、また、図18および図19
は鋼板がセンタ位置よりそれぞれ5mm、10mmずれ
た場合の各磁気圧力の分布を示している。これによれ
ば、鋼板がセンタ位置からずれた場合、全体としてセン
タ位置へ押しやろうとする磁気圧力が働くことが示され
ている。この磁気圧力は高周波電流導通路に鋼板が近づ
くにしたがって大きくなるため、鋼板のセンタリング作
用に有効に働き、振動防止に効果がある。また、Cぞり
の矯正力としても有効で、ト−タルのCぞり量を0.5
mm以内に押えられることが判る。
【0023】また、図17に示すように磁気圧力は最大
13452Paあり、鋼板表面の溶融金属のワイピング
に十分な圧力であることが判った。これらの結果を踏ま
え、図20に示すような従来のめっき設備において、ガ
スワイピングノズル8に代えて図5および図6に相当す
る装置をめっき浴面上400mmの位置に設置し、溶融
亜鉛めっきのワイピングを行うことにより溶融亜鉛めっ
き鋼板の目付を実施した。この実験では、鋼板の板幅、
電流条件は上記のシュミレ−ション解析と同様とし、ラ
インスピ−ドを150m/minに設定して行った。
【0024】この結果、本発明法によるワイピング箇所
における鋼板のC反りは完全に矯正され、振動も1mm
以内の振幅に押えることができ、また、ガスワイピング
ノズルを使用した場合のようなスプラッシュや騒音の発
生もなく、極めて均一なめっき目付を行うことができ
た。また、従来のガスワイピング方式において150m
/minのラインスピ−ドでは困難であった35g/m
2の目付の亜鉛めっきも容易に実施可能であることが確
認できた。なお、以上述べたように本発明法はそれ自体
で溶融めっきの目付を行うことができるものであるが、
従来のガスワイピングノズルによるめっき絞りと併用す
ることを妨げるものではない。
【0025】
【発明の効果】以上述べた本発明によれば、鋼板両側の
高周波電流導通路から鋼板に対して安定的な磁気圧力を
及ぼすことができるため、溶融めっき鋼板の振動や板反
りを効果的に防止しつつ鋼板に付着した溶融金属を適切
且つ安定してワイピングすることができ、従来連続溶融
めっきの高速化でネックとなっていたガスワイピングノ
ズル回りの問題を解消し、均一な膜厚の高速めっきを可
能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す側面図
【図2】図1に示す実施例の正面図
【図3】本発明の他の実施例を示す側面図
【図4】図3に示す実施例の正面図
【図5】本発明の他の実施例を示す側面図
【図6】図5に示す実施例の正面図
【図7】本発明の他の実施例を示す側面図
【図8】図7に示す実施例の正面図
【図9】本発明の他の実施例を示す正面図
【図10】図9に示す実施例の側面図
【図11】本発明の他の実施例を示す正面図
【図12】鋼板の磁束密度と磁界の強さの関係図
【図13】本発明の効果を模式的に示す説明図
【図14】磁石により鋼板が磁気的に飽和することを確
認するためのシュミレ−ションにおける解析モデルを示
す説明図
【図15】図14の解析で得られた磁界の分布を示す説
明図
【図16】高周波電流導通路によって鋼板に及ぼされる
磁気圧力を算定するためのシュミレ−ションにおける解
析モデルを示す説明図
【図17】図16の解析において、鋼板がセンタ位置に
ある場合の磁気圧力を示すグラフ
【図18】図16の解析において、鋼板がセンタ位置よ
り5mmずれた場合の磁気圧力の分布を示すグラフ
【図19】図16の解析において、鋼板がセンタ位置よ
り10mmずれた場合の磁気圧力の分布を示すグラフ
【図20】従来の溶融めっきおよび目付方法を示す説明
【符号の説明】
1…溶融めっき浴、2a、2b…高周波電流導通路、3
…磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢田 明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−1359(JP,A) 特開 平5−51719(JP,A) 特開 平4−228528(JP,A) 特開 平2−254147(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融めっき浴の浴面上方において、溶融
    めっき浴から引き出される鋼板の前面側および後面側
    に、鋼板を挾んで略対向するようにして鋼板面に平行な
    高周波電流導通路を鋼板面に近接して配置するととも
    に、該高周波電流導通路近傍における鋼板幅方向の両側
    外方に、鋼板幅方向を挾んで略対向するようにして磁石
    のN極およびS極を配置し、該磁石により鋼板を磁気的
    に飽和させた状態で、鋼板前面側および後面側の前記高
    周波電流導通路に周波数3kHz以上の同位相の高周波
    電流を通電して鋼板に逆位相の高周波電流を誘導させ、
    この誘導電流と前記各高周波電流導通路の高周波電流と
    の相互作用により鋼板面に働く磁気圧力を発生させ、鋼
    板にその両面側から作用する前記磁気圧力により、鋼板
    の幅方向での板反りと振動を防止しつつ鋼板に付着した
    溶融金属をワイピングし、鋼板のめっき目付を行うこと
    を特徴とする溶融めっき鋼板の目付方法。
JP3180420A 1991-06-25 1991-06-25 溶融めっき鋼板の目付方法 Expired - Fee Related JP2601068B2 (ja)

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