JP2599948B2

JP2599948B2 - サーマルヘッドの製造方法

Info

Publication number: JP2599948B2
Application number: JP63001100A
Authority: JP
Inventors: 弘朗大西
Original assignee: Rohm Co Ltd
Current assignee: Rohm Co Ltd
Priority date: 1988-01-06
Filing date: 1988-01-06
Publication date: 1997-04-16
Anticipated expiration: 2012-04-16
Also published as: JPH01178462A

Description

【発明の詳細な説明】（イ）産業上の利用分野この発明は、双方向印字用の熱転写プリンタ等に使用
されるサーマルヘッドの製造方法に関する。

（ロ）従来の技術第２図は、双方向印字用の熱転写プリンタに使用され
るサーマルヘッドを示す概略説明図である。

この双方向印字用熱転写プリンタでは、２つの異なる
サーマルヘッド、つまり左右対称形状の二つのサーマル
ヘッドを一対として対向配置し、一方を順方向用ヘッド
6a、他方を逆方向用ヘッド６に設定している。この対向
配置されるそれぞれのサーマルヘッド６（6a）は、第３
図で示すように、例えばアルミナセラミック基板（絶縁
基板）61の上面に、断面が半円形状をした帯状グレーズ
層62を印刷焼成し、このグレーズ層62の上面に窒化タン
タル等の発熱抵抗膜63を形成し、更にこの発熱抵抗膜63
の裾部両側へリード用電極、つまり共通電極64aと個別
電極64bを対向状に蒸着する。そして、前記基板61、発
熱抵抗膜63及びリード用電極（64a、64b）の表面に二酸
化珪素膜（保護膜）65を蒸着して構成されている。この
ような構成を有する一対のサーマルヘッド６、6aは、第
４図（Ａ）及び第４図（Ｂ）で示すように、基板61面に
対し配備されるグレーズ層62、発熱抵抗膜63及びリード
用電極64a、64bの配置位置が、それぞれ左右対称形状に
設定してある。つまり、第４図（Ａ）に示すサーマルヘ
ッド6aを、例えば順方向用とし、第４図（Ｂ）に示すサ
ーマルヘッド６を逆方向用として組合わせ使用する。

印字に際しては、各サーマルヘッド６、6aの共通電極
64aと個別電極64b間に、パルス電圧を印加する。そし
て、第２図で示すようにリボンカセット７の感熱紙（感
熱リボン）71と重合状態で圧着給送される記録紙８に対
し、サーマルヘッド6aが往路側で、サーマルヘッド６が
復路側でそれぞれ情報を印字する。

（ハ）発明が解決しようとする問題点双方向印字プリンタに使用される左右対称形状の一対
のサーマルヘッド６、6aは、均一な印字品質を得るた
め、それぞれ等しい印字特性を持つことが望ましい。

従来は、この一対として使用する左右対称形状の各サ
ーマルヘッド、つまり順方向用ヘッド6aと逆方向用ヘッ
ド６は、別々の基板からそれぞれ個別に製造する方式が
採られている。第５図（Ａ）は、例えば第４図（Ａ）で
示す順方向用サーマルヘッド6aの単品を製造する方式を
示し、第５図（Ｂ）は、例えば第４図（Ｂ）で示す逆方
向用サーマルヘッド６の単品を製造する方式を示してい
る。第５図（Ａ）及び第５図（Ｂ）は、共に大きな絶縁
基板61の面内にグレース層62を縦横方向へ複数形成し、
この各グレース層62に発熱抵抗膜63、リード用電極64、
64a及び保護膜65を形成し、大きな絶縁基板61面内に連
続した複数のサーマルヘッド６単品を形成する。この後
に、絶縁基板61に分断用切り果し線66を設け、この切り
離し線66に応じて各サーマルヘッド単品６を分離させ
る。また、第５図（Ｂ）は、第５図（Ａ）と同様であっ
て、各グレーズ層62、発熱抵抗膜63及びリード電極64、
64aが、第５図（Ａ）に対し、それぞれ配置位置が左右
対称状となるように形成されている。従って、第５図
（Ａ）からは同様の順方向用ヘッド6aが複数得られ、ま
た第５図（Ｂ）からは逆方向用ヘッド６が複数得られ
る。かくして得られた１つの順方向用ヘッド6aと１つの
逆方向用ヘッド６を組合わせ、一対の双方向用サーマル
ヘッドとして使用している。

ところが、このように１つの大きな基板から順方向用
ヘッドを、他の大きな１つの基板から逆方向用ヘッド
を、それぞれ別個に製造した場合、取り出された各サー
マルヘッドの印字特性が大きく異なる虞れがある。つま
り、基板面内に設けられる複数の各グレーズ層の厚み、
或いは幅（グレーズ容量）に差が生じる。従って、各サ
ーマルヘッド単品の抵抗値が異なり印字濃淡に差異が生
じる。また、第３図で示すように、サーマルヘッド単品
の基板端面から発熱体までの距離（第３図のＡ寸法）、
及びグレーズ中心と発熱体中心との距離（第３図のＢ寸
法）が、各サーマルヘッド単品によって差異が生じる。
このように印字特性の異なるサーマルヘッドを、一対の
順方向用ヘッドと逆方向用ヘッドとして組合わせ使用す
る時は、大きな印字品質差が生じる等の不利があった。

この発明は、均一な印字特性を有する左右対称形状と
なった一対のサーマルヘッドを得る製造方法を提供する
ことを目的とする。

（ニ）問題点を解決するための手段及び作用この目的を達成するために、この発明のサーマルヘッ
ドの製造方法は、左右対称形状の順方向用及び逆方向用
の２つのサーマルヘッドを一対として対向配置してなる
双方向印字用のサーマルヘッドの製造方法であって、前
記双方向印字用のサーマルヘッドを多数個取りする大き
さの絶縁基板の切断用仮想線で囲まれた各サーマルヘッ
ド単品部分に、仮想中心線を線対称にしてグレーズ層と
発熱抵抗膜を仮想中心線を横切るように形成し、仮想中
心線に対して一方側の発熱抵抗膜部分のリード用電極を
当該一方側から隣接のサーマルヘッド単品部分のリード
用電極と連続して設け、他方側の発熱抵抗膜部分のリー
ド用電極を当該他方側から隣接のサーマルヘッド単品部
分のリード用電極と連続して設け、基板、発熱抵抗膜及
びリード用電極を保護膜で被覆し、その後に切断用仮想
線から分割して左右対称形状のサーマルヘッド単品を得
ることを特徴とする。

このような製造方法によれば、絶縁基板の面内に形成
する１つのグレーズ層を共用して、左右対称状の二つの
サーマルヘッド単品が連続状に形成される。これによ
り、左右対称形状となった二つのサーマルヘッド（一対
のサーマルヘッド）は、１つのグレーズ層を共用するた
め、それぞれグレーズ層の厚み、幅（グレーズ容量）が
等しい。また、このグレーズ層の上面に設ける発熱抵抗
膜、リード導体が接近した状態、つまり隣合う状態下で
完全な左右対称状に形成され得る。更に、連続状態にあ
る二つのサーマルヘッドは、連続状態のまま大きな基板
から同時に切断されるため、ヘッド端面から発熱体まで
の距離が等しくなる。つまり、ヘッド端面から発熱体中
心間の距離、及びグレーズ中心と発熱体中心との距離も
等しくなる。従って、グレーズ層長さ仮想中心に沿っ
て、連続する左右対称状のサーマルヘッドを切り離し、
一対として使用する時、両サーマルヘッドの印字特性は
完全に一致し、印字品質の均一性を確保し得る。

（ホ）実施例第１図（Ａ）、第１図（Ｂ）、第１図（Ｃ）及び第１
図（Ｄ）は、この発明に係るサーマルヘッドの具体的な
製造工程を段階的に示した概略工程図である。

第１図（Ａ）は、大きな絶縁基板（絶縁性アルミナ基
板）Ａを示す平面図である。図中、破線Ｂは次ぎの工程
で設けられる帯状グレーズ層１の長さ仮想中心線を示
す。また図中、実線Ｃは製造工程の最終段階で実行され
る切断用仮想線を示す。この大きな絶縁基板Ａの面内
に、複数のサーマルヘッド単品Ｄ、つまり左右対称状を
した二つの連続するサーマルヘッドが形成される。

第１図（Ｂ）は、非晶化ガラス材にて断面が半円形状
の帯状グレーズ層１を印刷焼成する工程を示している。
ズレーズ層１は、仮想中心線Ｂに跨がって、且つ切断用
仮想線（水平線）Ｃに対し平行状に、一定厚み、一定長
さ形成される。グレーズ層１は、仮想中心線Ｂに対し、
左右対称の長さに形成する。

第１図（Ｃ）は、第１図（Ｂ）で得られた帯状グレー
ズ層１の表面に、発熱抵抗膜２、リード用導体３を形成
し、基板Ａ、発熱抵抗膜２、及びリード用電極の表面に
保護層４を形成する工程を示している。

グレーズ層１の上面に、窒化タンタル等の発熱抵抗膜
２を形成した後、この抵抗膜２の裾部両側へ、それぞれ
リード用電極３、つまり共通リード導体3a、個別リード
導体3bを蒸着或いはスパッタ方式で形成する。発熱抵抗
膜２及びリード用電極3a、3bは、帯状グレーズ層１の長
さ仮想中心〔第１図（Ａ）に示す破線〕Ｃの両側へそれ
ぞれ左右対称に設けられる。

ここにおいて、グレーズ層１を共用する左右対称状の
二つの連続したサーマルヘッド単品Ｄが、大きな基板Ａ
の面内に複数得られる。

第１図（Ｄ）は、大きな基板Ａから左右対称状の二つ
のサーマルヘッド６、6aが連続するサーマルヘッド単品
Ｄを、取り出した状態を示している。つまり、大きな基
板Ａを第１図（Ａ）に示す実線（切断用仮想線）Ｃに即
して切断する。

これにより、帯状グレーズ層１を共用する左右対称状
の二つのサーマルヘッド６、6aが連続したサーマルヘッ
ド単品Ｄを得る。この連続状態にある左右対称状の二つ
のサーマルヘッド６、6aは、それぞれグレーズ層１の厚
み及び幅（グレーズ容量）が同一である。また、反熱抵
抗膜２、リード用電極３の配置位置は、近接しており正
確に左右対称形状に設定し易い。更に、大きな基板Ａに
対しサーマルヘッド単品Ｄを切断し取出す時、各サーマ
ルヘッド６、6aは連続しているため、同時の切断作業で
取り出されることとなり、ヘッド端面から発熱体までの
距離が等しい状態で取り出される。従って、各サーマル
ヘッド６、6aの抵抗値はほぼ等しく、またヘッド端面
（基板端面）から発熱体２までの距離、及びグレーズ層
１中心と発熱体２中心との距離も等しくなっている。

一対の各サーマルヘッド６、6aは、連続した状態、つ
まりサーマルヘッド単品Ｄとして市場に提供され、双方
向プリンタに取付ける（組立てる）際に、両サーマルヘ
ッド６、6aを分離させて使用する。つまり、グレーズ層
１の長さ仮想中心線Ｂに即して、サーマルヘッド単品Ｄ
を２分割し、それぞれ左右対称形状をなすサーマルヘッ
ド６とサーマルヘッド6aを得る。これを一対として、例
えばサーマルヘッド6aを順方向用ヘッドとし、サーマル
ヘッド６を逆方向用ヘッドとして使用する時、両ヘッド
６、6aの印字特性は等しく、従って均一な印字品質が得
られる。

もちろん、各サーマルヘッド６、6aは、市場に提供さ
れる際に、切離された状態とし、一対の単品としてもよ
い。

（ヘ）発明の効果この発明の製造方法によれば、以上説明したように、
絶縁基板のサーマルヘッド単品部分に仮想中心線を線対
称にしてグレーズ層、発熱抵抗膜、リード用電極を設
け、左右対称形状の２つのサーマルヘッド（サーマルヘ
ッド単品）を連続状態で得ることとしたから、連続する
左右対称のサーマルヘッドは、一つのグレーズ層を共用
するため、グレーズ層の厚み、幅（グレーズ容量）が等
しく、且つヘッド端面から発熱体までの距離、及びグレ
ーズ中心と発熱体中心との距離がそれぞれ等しくなる。
つまり、両サーマルヘッドの印字特性が等しくなる。

従って、この左右対称形状の二つの連続するサーマル
ヘッドを切断分離させ、双方向用の一対のサーマルヘッ
ドとして使用する時、両サーマルヘッドの印字特性が等
しく、印字品質の均一性を確保し得る等、発明目的を達
成した優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図（Ａ）、第１図（Ｂ）、第１図（Ｃ）及び第１図
（Ｄ）は、実施例サーマルヘドの製造方法の具体的な製
造段階を示す工程図で、第１図（Ａ）は大きな絶縁基板
を示す平面図、第１図（Ｂ）は、グレーズ層を形成する
状態を示す平面図、第１図（Ｃ）は、グレーズ層に左右
対称の発熱抵抗膜及びリード電極を形成した状態を示す
平面図、第１図（Ｄ）は、左右対称状の二つのサーマル
ヘッドが連続するサーマルヘッド単品を取り出した状態
を示す平面図、第２図は、双方向用サーマルヘッドを示
す概略説明図、第３図は、サーマルヘッドの断面図、第
４図（Ａ）は、順方向用サーマルヘッドを示す説明図、
第４図（Ｂ）は、逆方向用サーマルヘッドを示す説明
図、第５図（Ａ）は、順方向用サーマルヘッドの従来の
製造方法を示す平面図、第５図（Ｂ）は、逆方向用サー
マルヘッドの従来の製造方法を示す平面図である。 1:グレーズ層、2:発熱抵抗膜、 3:リード用電極、A:基板、６、6a:サーマルヘッド、 B:グレーズ層長さ仮想中心、 C:基板の切断用実線、 D:サーマルヘッド単品。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】左右対称形状の順方向用及び逆方向用の２
つのサーマルヘッドを一対として対向配置してなる双方
向印字用のサーマルヘッドの製造方法であって、前記双方向印字用のサーマルヘッドを多数個取りする大
きさの絶縁基板の切断用仮想線で囲まれた各サーマルヘ
ッド単品部分に、仮想中心線を線対称にしてグレーズ層
と発熱抵抗膜を仮想中心線を横切るように形成し、仮想
中心線に対して一方側の発熱抵抗膜部分のリード用電極
を当該一方側から隣接のサーマルヘッド単品部分のリー
ド用電極と連続して設け、他方側の発熱抵抗膜部分のリ
ード用電極を当該他方側から隣接のサーマルヘッド単品
部分のリード用電極と連続して設け、基板、発熱抵抗膜
及びリード用電極を保護膜で被覆し、その後に切断用仮
想線から分割して左右対称形状のサーマルヘッド単品を
得ることを特徴とするサーマルヘッドの製造方法。