JP2599201B2 - ニッケル基合金からなる溶接ワイヤ - Google Patents

ニッケル基合金からなる溶接ワイヤ

Info

Publication number
JP2599201B2
JP2599201B2 JP21350889A JP21350889A JP2599201B2 JP 2599201 B2 JP2599201 B2 JP 2599201B2 JP 21350889 A JP21350889 A JP 21350889A JP 21350889 A JP21350889 A JP 21350889A JP 2599201 B2 JP2599201 B2 JP 2599201B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
less
cracks
proof stress
welding wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21350889A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0377791A (ja
Inventor
英司 高橋
忠昭 山田
正典 森部
治 田中
正義 高野
修 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP21350889A priority Critical patent/JP2599201B2/ja
Publication of JPH0377791A publication Critical patent/JPH0377791A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2599201B2 publication Critical patent/JP2599201B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arc Welding In General (AREA)
  • Superconductive Dynamoelectric Machines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はニッケル基合金からなる溶接ワイヤに係り、
特に、超電導ロータ用に使用されるインコネル718改良
合金等の溶接用として好適なニッケル基合金溶接ワイヤ
に関するものである。
(従来の技術及び解決しようとする課題) 超電導ロータ材は構造材料として高強度・非磁性鋼が
要求され、引張強さ100kg/mm2以上、0.2%耐力が80kg/m
m2以上が必要であり、これにはインコネル718、A286等
が考えられるが、A286は耐力が低いため、インコネル71
8が使用されることが多い。しかし、インコネル718を溶
接構造材として用いた場合、溶接時に割れを発生すると
いう問題がある。
すなわち、インコネル系材料は、引張強さや耐力が高
いという特性があるが、割れ易いのが欠点である。
例えば、第1表に示す従来の市販の溶接ワイヤを使用
してインコネル系材料(母材寸法:第1図参照)を溶接
した場合、第2図に示す供試材の拘束状態では、第2表
に示すように溶接条件をどのように制御しても、溶接金
属においてX線や超音波では検出できない微視的割れを
止めることができない。このため、従来の市販の溶接ワ
イヤは、4K゜の超低温で使用する超電導ロータ材の溶
接材料としては、使用時に割れが進展し破壊する危険性
があるので使用できない。
本発明は、インコネル系材料の溶接に際し、その特性
を維持しつつ、溶接金属に割れ発生がない新規な溶接ワ
イヤを提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) かゝる目的達成のため、本発明者は、インコネル718
の性能を維持しつつ、溶接割れを起こさない溶接材料を
開発すべく鋭意研究を重ねた結果、ここにニッケル基合
金からなる溶接ワイヤを開発したものである。
すなわち、本発明は、C:0.025%以下、Si:0.30%以
下、Mn:5.5%以下、P:0.010%以下、S:0.006%以下、N
i:45.0〜55.0%、Cr:10.0〜30.0%、Mo:3.0〜6.0%、N
b:2.0〜4.5%、Ti:1.50〜2.00%、B:0.001%以下、Al:
0.6%以下を含み、残部が実質的にFeからなることを特
徴とするニッケル基合金からなるインコネル系材料溶接
用ワイヤ。
以下に本発明を詳述する。
(作用) 本発明における化学成分の限定理由は以下のとおりで
ある。
C:0.025%以下 Cは引張強さ及び0.2%耐力を上げる作用があるが、
一方では溶接割れを助長する元素であるため、C量は0.
025%以下に限定する。
Si:0.30%以下 Siは引張強さや0.2%耐力にはあまり影響を及ぼさな
いが、溶接割れに大きな影響を与える。第3図はワイヤ
(図中のNo.は第3表のNo.に同じ)中のSi量を変えて溶
接割れの影響を調べたものである。同図より明らかなよ
うに、Si量が0.30%を超えると溶接割れが発生するよう
になる。したがって、Si量は0.30%以下に限定する。
Mn:5.5%以下、 Mnはビード表面に発生するスラグに影響を与え、5.5
%を超えるとビード表面にスラグが多量に発生するよう
になり、それに伴ってビードのなじみが悪くなり、ビー
ド幅が安定しなくなる。したがって、Mn量は5.5%以下
に限定する。
P:0.010%以下、 Pは溶接割れを助長する元素であり、極力低い方が好
ましいが、Sに比較し、その効果が低いので、0.010%
以下に限定する。
S:0.006% Sは、Pと同様、粒界に析出し、溶接割れの原因とな
り、その程度はPより大きいため、本発明では0.006%
以下に限定する。
Ni:45.0〜55.0% 本ワイヤは、極低温で使用する超電導ロータ材として
のインコネル系材料の溶接用ワイヤの開発を主目的とし
ているため、低温靭性の良いニッケル系合金にするた
め、Ni量を45.0〜55.0%の範囲に限定する。
Cr:10.0〜30.0% Crは10.0%未満では一般に耐食性が悪くなるため、そ
れ以上の添加が必要である。しかし、30.0%を超えると
熱間加工性が悪くなり、溶接ワイヤの製造が困難になる
ので、Cr量は10.0〜30.0%の範囲とする。
Mo:3.0〜6.0% 本成分系において、特にMoを3.0以上、6.0%以下に規
制することにより、溶接割れを抑制する効果を有するこ
とが明らかとなったため、Mo量を3.0〜6.0%の範囲とす
る。
Nb:2.0〜4.5% Nbは引張強さ及び0.2%耐力の向上に効果を持ち、添
加量をますと引張強さ及び0.2%耐力が増加するが、同
時に溶接割れが発生し易くなる。第4図はワイヤ(図中
のNo.は第3表のNo.に同じ)中のNb量を変えて溶接割れ
の影響を調べたものである。同図より明らかなように、
Nb量が4.5%を超えると溶接割れを発生するようにな
る。したがって、強度を確保しつつ溶接割れを防止する
ために、Nb量は2.0〜4.5%の範囲とする。
Ti:1.50〜2.00% 溶接割れを抑制するためにNb量を4.5%以下に抑える
と引張強さ及び0.2%耐力を規格値に対し不充分になる
ため、引張強さ及び0.2%耐力を上げ、かつ、溶接割れ
を発生しない添加元素が必要である。Tiは、第5図に示
すように、その目的に合致した元素であり、そのために
Ti量を1.50〜2.00%の範囲とするのが最適であることが
判明した。なお、第5図はワイヤ(図中のNo.は第3表
のNo.に同じ)中のTi量を変えて溶接割れの影響を調べ
たものである。
B:0.001%以下、 Bは溶接割れに悪影響をもたらす元素であるため、極
力下げる必要がある元素であり、本発明ではB量を0.00
1%以下に限定する。
Al: Alは析出して引張強さ及び0.2%耐力を上げる作用が
あるが、一方では溶接割れを助長する元素であるため、
極力少ない方がよく、その許容限度は0.6%である。
なお、残部は実質的にFeである。FeはNi量とバランス
させることにより、高強度、高靭性と耐割れ性を向上さ
せることができる。Ni量が少ないとFe量が増加してバラ
ンスが悪くなり、耐割れ性が劣化する。
上記化学成分を有するワイヤを使用すると溶接割れが
発生しないのは、これらの成分が適正にバランスされて
いるためと考えられる。すなわち、本発明者が溶接割れ
部を調べたところ、第6図の写真に示すように、溶接割
れ部は粒界部であり、粒界部には偏析が起こっており、
割れ先端部を線分析した結果、Nb、Ti、Mo、S、P、S
i、C、B等が存在していることがわかった。したがっ
て、これらの成分を制御すると共にNi等の他の成分をバ
ランスよく調整することにより、所期の効果が得られる
ものと考えられる。
なお、溶接対象は主にインコネル系材料であり、その
組成は何ら制限されるものではない。また溶接条件も適
宜選定できる。
次に本発明の実施例を示す。
(実施例) 第3表に示す化学成分を有するワイヤを用い、インコ
ネル718(化学成分:第1表参照)を母材とし、以下の
溶接条件で溶接試験を行った。
〈溶接条件〉 溶接法:TIG溶接 電流:220A 溶接速度:7cm/min ワイヤ径:1.2mmφ Ar流量:20l/min 得られた溶接金属の引張強さ、0.2%耐力、溶接割れ
状況を同表に併記する。なお、溶接割れは第2表の脚注
2の要領で調べ、○(溶接割れなし)×(溶接割れ発
生)にて評価した。
第3表より、以下の如く考察される。
比較例No.1はC、Nb、B、Sが高く、Moが低いために
溶接割れを生じている。
比較例No.2はC、Siが高く、Moが低く、更にNi(少)
とFe(多)のバランスが悪いために溶接割れを生じてい
る。
比較例No.3はNb、Sが高く、Moが低いために溶接割れ
を生じている。
比較例No.4では、溶接割れは生じないものの、Tiが低
いために、0.2%耐力が低くなっている。
比較例No.5はNbが低く、引張強さ及び0.2%耐力が不
足している。
比較例No.5はTiが低く、0.2%耐力が不足している。
比較例No.7はTiが不足し、0.2%耐力が不足してい
る。
比較例No.8はNb、Ti、Moが低く、引張強さ及び0.2%
耐力が不足している。
比較例No.9はNb、Ti、Moが不足しているため、引張強
さ及び0.2%耐力が不足している。
比較例No.10はTiが不足しているために、0.2%耐力が
不足している。
比較例No.11はPが高く、Moが不足しているために溶
接割れを生じている。
比較例No.13はMoが低いために溶接割れを生じてい
る。
比較例No.14〜No.16はSiが高いために溶接割れが生じ
ている。
比較例No.19はMoが高すぎ、溶接割れを発生させてい
る。
比較例No.21はCが高すぎて溶接割れを生じている。
一方、本発明例No.12、No.17〜No.18、No.20、No.22
〜No.23は本発明範囲内の成分組成を有するワイヤを用
いたので、引張強さ及び0.2%耐力を満足し、かつ、溶
接割れが生じない。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、特定組成を有
するニッケル基合金からなる溶接ワイヤとするので、超
電導ロータ材等に使用されるインコネル系材料の持つ特
性を維持し、且つ溶接割れを起こさないで溶接施工でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は供試材の寸法を示す説明図、 第2図は供試材の拘束状態を示す説明図、 第3図は溶接割れに及ぼすSiの影響を示す図、 第4図は引張強さと0.2%耐力及び溶接割れに及ぼすNb
の影響を示す図、 第5図は引張強さと0.2%耐力及び溶接割れに及ぼすTi
の影響を示す図、 第6図(a)、(b)は溶接割れ発生部分の金属組織を
示す図で、(a)は2次電子線像(×480)、(b)は
組成像(×480)を示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 合議体 審判長 石橋 和美 審判官 小野 秀幸 審判官 小柳 健悟 (56)参考文献 特開 昭49−59052(JP,A) 特開 昭60−247493(JP,A) 特開 昭63−194892(JP,A) 特開 昭61−262486(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で(以下、同じ)、C:0.025%以
    下、Si:0.30%以下、Mn:5.5%以下、P:0.010%以下、S
    0.006%以下、Ni:45.0〜55.0%、Cr:10.0〜30.0%、Mo:
    3.0〜6.0%、Nb:2.0〜4.5%、Ti:1.50〜2.00%、B:0.00
    1%以下、Al:0.6%以下を含み、残部が実質的にFeから
    なることを特徴とするニッケル基合金からなるインコネ
    ル系材料溶接用ワイヤ。
JP21350889A 1989-08-19 1989-08-19 ニッケル基合金からなる溶接ワイヤ Expired - Fee Related JP2599201B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21350889A JP2599201B2 (ja) 1989-08-19 1989-08-19 ニッケル基合金からなる溶接ワイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21350889A JP2599201B2 (ja) 1989-08-19 1989-08-19 ニッケル基合金からなる溶接ワイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0377791A JPH0377791A (ja) 1991-04-03
JP2599201B2 true JP2599201B2 (ja) 1997-04-09

Family

ID=16640356

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21350889A Expired - Fee Related JP2599201B2 (ja) 1989-08-19 1989-08-19 ニッケル基合金からなる溶接ワイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2599201B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5254693B2 (ja) 2008-07-30 2013-08-07 三菱重工業株式会社 Ni基合金用溶接材料
CN112705700B (zh) * 2020-12-18 2022-02-08 山东大学 提高Inconel 718激光沉积层高温强度的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0377791A (ja) 1991-04-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1338663A1 (en) Ni-base heat-resistant alloy and weld joint using the same
JP2018122329A (ja) 被覆アーク溶接棒
JPH09267190A (ja) 高クロムフェライト鋼用溶接ワイヤ
JP3329261B2 (ja) 高温高強度鋼用溶接材料および溶接継手
EP1400304A1 (en) Welding wire and welding method using the wire
JP2599201B2 (ja) ニッケル基合金からなる溶接ワイヤ
JP2622530B2 (ja) 高温強度の優れたオーステナイト鋼用溶接材料
JP3251424B2 (ja) 高強度Cr−Mo鋼用溶接ワイヤ
JPH02220797A (ja) Cr―Mo系低合金鋼用被覆アーク溶接棒
JP2831051B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼溶接用ワイヤ
JP2742201B2 (ja) 高強度Cr−Mo鋼用TIG溶接ワイヤ
JPS63157795A (ja) 高張力鋼用ワイヤ
JP3567222B2 (ja) ビード幅の均一性と裏ビード形成能に優れた高耐食オーステナイト系ステンレス鋼および溶接材料
JP3515770B2 (ja) 耐熱鋼線及びばね
JP3266247B2 (ja) 熱間加工性に優れた二相ステンレス鋼
JPH01215491A (ja) Cr−Mo系低合金鋼用被覆アーク溶接棒
JP2000226633A (ja) 靭性に優れた電子ビーム溶接用鋼
JP2002069588A (ja) フェライト系耐熱鋼
JPH0596397A (ja) 高電流mig溶接用鋼ワイヤ
JP3194207B2 (ja) 高Crフェライト系耐熱鋼用被覆アーク溶接棒
WO2016195028A1 (ja) 溶接金属及び溶接構造体
JP3367831B2 (ja) 高強度フェライト系耐熱鋼用溶接材料
JP2000001734A (ja) 低温靱性に優れるクラッド鋼板
JPH11207490A (ja) 9Cr−1Mo−V−Nb鋼マグ溶接用フラックス入りワイヤ
JP2003320476A (ja) フェライト系ステンレス鋼溶接ワイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees