JP2004315962A - 低温靭性に優れた高強度溶接金属 - Google Patents

低温靭性に優れた高強度溶接金属 Download PDF

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Abstract

【課題】 590MPa以上の高強度であり、しかも−60℃レベルの低温域での靭性にも優れた溶接金属を提供する。
【解決手段】 ガスシールドアーク溶接によって形成される溶接金属であって、C:0.04〜0.12%(「質量%」の意味。以下同じ。)、Si:0.10〜0.80%、Mn:3.0%以下(0%を含まない)、Ni:3.5%以下(0%を含まない)、Ti:0.005〜0.1%およびO:0.015〜0.060%、を夫々含有し、且つ、下記(1)式で算出されるTPが350〜600、下記(2)式で算出されるEPが20〜220の高強度溶接金属である。
TP=240×[Mn]+50×[Ni] …(1)
EP=1300×[Ti]−600×[O] …(2)
式中、[ ]は各元素の含量を示し、単位は質量%である。

Description

本発明は、ガスシールドアーク溶接によって形成される溶接金属に関し、より詳細には、高強度でしかも良好な低温靭性を有する溶接金属に関するものである。
構造物に使用される鋼材は近年益々高強度化しており、鋼材同士を接合する接合部にも高強度化が望まれている。鋼材同士を接合する方法としては種々あり、一般的には溶接が用いられる。そのため、鋼材同士を溶接したときに形成される溶接金属についても高強度化が求められている。
ところで、海洋構造物や液化ガスタンク,ラインパイプなど低温環境下で使用される構造物の素材としては、高強度の他に低温靭性が強く求められる。そのため、溶接金属についても良好な低温靭性が求められている。
ところが溶接金属は鋼材と異なり、熱処理して靭性を高めることはできないので、該溶接金属の低温靭性は鋼材の靭性よりも劣っているのが現状である。溶接金属の低温靭性は、該溶接金属の組織に大きく影響を受けることが知られており、靭性を改善する方法として、アシキュラーフェライト(acicular ferrite)と呼ばれる微細組織を生成させるのが有効であることが知られている。このアシキュラーフェライトは溶接金属中に含まれるTi系酸化物を生成核として成長する組織であることから、該酸化物の存在形態を制御することが溶接金属の靱性改善に有効と考えられている。
また、TiとB(ホウ素)を複合添加すれば、Ti系酸化物(即ち、アシキュラーフェライトの生成核)が確保されると共に、Bによる焼入れ性向上によって旧オーステナイト粒界から生成する粗大フェライトが抑制され、アシキュラーフェライトの生成を均一化できることも報告されている。しかし、その反面Bを多量に添加すると溶接金属の耐割れ性が劣化する原因になることも知られている。
一方、本発明者らも溶接金属の低温靭性を改善すべく種々検討を進めており、その成果の一環として靭性に優れた溶接金属を先に提案している。例えば、特許文献1には、マトリックスに比べて変形抵抗の低い残留オーステナイトを溶接金属に生成させることで、溶接金属の靭性を改善する技術を提案した。しかしこの技術で得られる溶接金属は、−60℃レベルの低温域では靭性不足になることがあった。
また、特許文献2には、固溶Tiを溶接金属内に含有させることによって溶接金属全体の靭性を改善する技術を提案した。また、特許文献3には、溶接金属において次パスの熱影響を受けない溶接ままの領域に存在するマルテンサイトと残留オーステナイト組織の総量を規定することによって、前記残留オーステナイトに固溶Nを濃縮させてマトリックス全体への固溶Nの拡散を抑制し、その結果、固溶Nによる転移固着作用を弱めて靭性低下を防止する技術を提案した。しかしこれらの技術では、溶接金属に含まれる酸素含量について充分に考慮されていなかったため、その制御が不充分であり改善の余地があった。
特開2000-61687号公報([特許請求の範囲]、[0010]参照) 特開2000-263283号公報([特許請求の範囲]、[0009]参照) 特開2001-254141号公報([特許請求の範囲]、[0010]参照)
本発明は、この様な状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、590MPa以上の高強度であり、しかも−60℃レベルの低温域での靭性にも優れた溶接金属を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る低温靭性に優れた高強度溶接金属とは、ガスシールドアーク溶接によって形成される溶接金属であって、実質的にBおよびMoが含まれない場合は、C:0.04〜0.12%、Si:0.10〜0.80%、Mn:3.0%以下(0%を含まない)、Ni:3.5%以下(0%を含まない)、Ti:0.005〜0.1%およびO:0.015〜0.060%、を夫々含有し、且つ、下記(1)式で算出されるTPが350〜600、下記(2)式で算出されるEPが20〜220、である点に要旨を有する。
TP=240×[Mn]+50×[Ni] …(1)
EP=1300×[Ti]−600×[O] …(2)
式中、[ ]は各元素の含量を示し、単位は質量%である。
但し、上記溶接金属中に、B:0.01%以下(0%を含まない)が含まれる場合は、上記(2)式で算出されるEPの代わりに、下記(4)式で算出されるEPが20〜220でなければならない。
EP=1300×[Ti]−600×[O]+17000×[B] …(4)
式中、[ ]は各元素の含量を示し、単位は質量%である。
一方、上記溶接金属中に、Mo:1.0%以下(0%を含まない)が含まれる場合は、上記(1)式で算出されるTPの代わりに、下記(5)式で算出されるTPが350〜600でなければならない。
TP=240×[Mn]+50×[Ni]+45×[Mo] …(5)
式中、[ ]は各元素の含量を示し、単位は質量%である。
さらに、上記課題は、ガスシールドアーク溶接によって形成される溶接金属であって、C:0.04〜0.12%、Si:0.10〜0.80%、Mn:3.0%以下(0%を含まない)、Ni:3.5%以下(0%を含まない)、Mo:1.0%以下(0%を含まない)、Ti:0.005〜0.1%、O:0.015〜0.060%およびB:0.01%以下(0%を含まない)、を夫々含有し、且つ、下記(7)式で算出されるTPが350〜600、下記(8)式で算出されるEPが20〜220、である低温靭性に優れた高強度溶接金属であっても解決できる。
TP=240×[Mn]+50×[Ni]+45×[Mo] …(7)
EP=1300×[Ti]−600×[O]+17000×[B] …(8)
式中、[ ]は各元素の含量を示し、単位は質量%である。
本発明の溶接金属としては、更に他の元素として、下記(a)〜(c)で示される何れかの元素を単独で、または、任意に選択される2種以上を組み合わせて含むものが好ましい。
(a)Cu:2.0%以下(0%を含まない)
(b)Cr:1%以下(0%を含まない)
(c)Nb:0.20%以下(0%を含む)および/またはV:0.20%以下(0%を含む)
本発明の溶接金属は、その断面を電子顕微鏡で6000倍で観察したときに、粒径が0.2〜2μmのTiを含む酸化物系介在物が、観察視野1mm2換算で50個以上存在するものが好ましい。この酸化物系介在物は、M23型を主体とするものであると一層好ましい。
本発明によれば、590MPa以上の高強度であり、しかも−60℃域での低温靭性にも優れた溶接金属を提供することができる。
本発明者らは、上記課題を解決すべく様々な角度から検討してきた。その結果、590MPa以上の高強度化を達成するには、溶接金属に含有させるMn,NiおよびMoのバランスを適正に制御すればよく、また、−60℃域での低温靭性を改善するには、溶接金属に含有させるTi,OおよびBのバランスを適正に制御すればよいことを知り、こうした知見をもとに本発明を完成した。以下、本発明の作用効果について説明する。
本発明者らは、溶接金属の強度を高める観点から種々研究を行なった。その結果、590MPa以上の高強度化を達成するには、溶接金属に含まれるMn,NiおよびMoのバランスを制御することが重要であることを見出した。即ち、Niは溶接金属の組織変化に影響を与えると共に、マトリックス自体の靭性を高めるが、過剰添加すると逆効果となる。そこで、Niによる作用を最大限に活用するという観点から検討した結果、MnやMo量を調整してやれば上記作用が有効に発揮され、溶接金属の強度が飛躍的に向上することを本発明者らは明らかにした。なお、従来では溶接金属の成分組成は、母材組成に影響を受けることなどから溶接金属に含まれるこれらの元素バランスと溶接金属の強度の関係についての検討は未だ行なわれていなかった。
次に、溶接金属に含まれる上記元素が、溶接金属の強度向上に与える影響について検討したところ、各元素の寄与度は下記(5)式[上記(7)式も含む意味。以下同じ。]に示した夫々の係数で表すことができ、この式に溶接金属中の各元素含量を代入して算出されるTP値が350〜600であれば、590MPa以上の高強度化を達成できることが分かった。TP値が350未満では焼入性不足となって充分な強度を得られない。一方、TP値が600を超えると、焼入性が増大し過ぎて過冷組織が形成され、強度が大きくなり過ぎる。TP値の好ましい範囲は360〜500である。
TP=240×[Mn]+50×[Ni]+45×[Mo] …(5)
式中、[ ]は各元素の含量を示し、単位は質量%である。
但し、溶接金属に含まれる各元素と強度の関係について更に検討を重ねたところ、TP値が上記範囲を満足する場合は、Moを含有させなくても溶接金属の強度を充分に高め得ることが判明した。即ち、Moは焼戻しによる軟化抵抗を増加させる作用を有しているので、溶接後に残留応力を除去するために熱処理を行なう場合はMoを含有させるのが推奨されるが、溶接金属の強度を高める観点からは必ずしも必須元素ではない。従って、溶接金属中に実質的にMoが含まれない場合は、MnとNi含量を下記(1)式[上記(3)式も含む意味。以下同じ。]へ代入してTP値を算出し、この値が上記範囲を満足すれば良い。
TP=240×[Mn]+50×[Ni] …(1)
式中、[ ]は各元素の含量を示し、単位は質量%である。
上記(5)式[または上記(1)式]で算出されるTP値が、所定の範囲を満足する様に制御するには、溶接時に用いる溶接ワイヤの成分組成を調整すれば良い。即ち、MnやNi,Moは、溶接時における脱酸過程で殆ど影響を受けないため、溶接ワイヤの成分組成がほぼそのまま溶接金属の成分組成となるからである。なお、母材にこれらの元素が含まれている場合は、母材の成分組成にも影響を受けるが、溶接条件を考慮すればどの程度影響を受けるか見積もることができる。
次に、本発明者らは、590MPa以上の高強度化を達成することのできた溶接金属について、−60℃レベルの低温域での靭性を改善すべく研究を進めた。その結果、該温度域での低温靭性を改善するには、溶接金属に含まれるTi,OおよびBのバランスを制御することが重要であることが分かった。即ち、TiとOが酸化物の形態を特定し、さらにBによってアシキュラーフェライト変態のサイトを制限することによって低温環境下における溶接金属の靭性が著しく向上すると考えられる。なお、従来では溶接金属に含まれる酸素の影響が充分に解明されていなかったため、これらの元素のバランスと低温靭性の関係については検討されていなかったと本発明者らは考えている。
次に、溶接金属に含まれるこれらの元素が、溶接金属の低温靭性に及ぼす寄与度について検討したところ、各元素の寄与度は下記(4)式[上記(8)式を含む意味。以下同じ。]に示した係数で表すことができ、この式に溶接金属中の各元素量を代入して算出されるEP値が20〜220であれば、−60℃域で良好な低温靭性が発揮されることを知った。EP値が20未満では、アシキュラーフェライトが粗大化するか、粒界からの成長する粗大生成物の量が増大するため、低温靭性を確保できなくなる。一方EP値が220を超えると、TiとOのバランスが悪く、酸化物が凝集・粗大化してアシキュラーフェライトが粗大化するか、B量が過剰となりアシキュラーフェライトの生成を阻害して低温靭性が劣化する。EP値の好ましい範囲は40〜150である。
EP=1300×[Ti]−600×[O]+17000×[B] …(4)
式中、[ ]は各元素の含量を示し、単位は質量%である。
但し、溶接金属に含まれる各元素と低温靭性の関係について更に検討を重ねた結果、Bを含有させなくても溶接金属の靭性を改善できることが判明した。即ち、EP値が上記範囲を満たすものであれば、Bを含有せずとも良好な低温靭性が得られるのである。従って、溶接金属中にBが含まれない場合は、TiとO含量を下記(2)式[上記(6)式も含む意味。以下同じ。]へ代入してEP値を算出し、この値が上記範囲に収まれば良い。
EP=1300×[Ti]−600×[O] …(2)
式中、[ ]は各元素の含量を示し、単位は質量%である。
上記(4)式[または上記(2)式]で算出されるEP値が、所定の範囲を満足する様に制御するには、溶接時に用いる溶接ワイヤの成分組成やシールドガスの組成などを調整すれば良い。即ち、TiやOは、溶接時における脱酸過程の影響を大きく受けるため、溶接条件によって溶接金属中に含まれる量が大きく変動し、溶接金属中に含まれるTiやOの含量を厳密に制御するのは困難である。ところが、次に説明する如く溶接時に用いる溶接ワイヤの成分組成とシールドガスの組成を制御してやれば、溶接金属中のTiやO含量を好適な範囲に調整できるのである。一方、Bは溶接時における脱酸過程の影響を殆ど受けないので、溶接時に用いる溶接ワイヤに含まれるB含量を制御するだけで、溶接金属に含まれるB含量を調整できる。以下、EP値の制御方法についてより具体的に説明する。
(I)溶接ワイヤに含まれるTi含量が、0.1質量%を超えるときは、溶接時に用いるシールドガスの組成をCO2:Ar=5〜80体積%:95〜20体積%とすれば良い。CO2分率が5体積%未満では溶接金属に含まれる酸素量が過少となり、80体積%を超えると溶接金属に含まれる酸素量が過多となるので、Tiを含む酸化物系介在物を適正に生成させることが阻害される。
但し、CO2分率が5〜50体積%のときは、溶接金属にBを含有させる必要はなく、上記EP値が本発明で規定する範囲を満足すればよい。一方、CO2分率が50体積%超、80体積%以下のときは、溶接金属にBを必須元素として添加する必要がある。
(II)溶接ワイヤに含まれるTi含量が0.06質量%超〜0.1質量%のときは、溶接時に用いるシールドガスの組成をCO2:Ar=5〜60体積%:95〜40体積%とすれば良い。CO2分率が5体積%未満では溶接金属に含まれる酸素量が過少となり、60体積%を超えると溶接金属に含まれる酸素量が過多となるので、Tiを含む酸化物系介在物を適正に生成させることが阻害される。
また、Ti含量が上記範囲のときは、溶接金属にBを必須元素として添加する必要がある。例えば、シールドガスとして組成がCO2:Ar=20体積%:80体積%の混合ガスを用い、電流:280A,電圧:30V,溶接速度:30cm/min程度で溶接する場合は、溶接金属にBを10ppm以上添加する必要がある。
(III)溶接ワイヤに含まれるTi含量が0.06質量%以下のときは、溶接時に用いるシールドガスの組成をCO2:Ar=5〜30体積%:95〜70体積%とすれば良い。CO2分率が5体積%未満では溶接金属に含まれる酸素量が過少となり、30体積%を超えると溶接金属に含まれる酸素量が過多となるので、Tiを含む酸化物系介在物を適正に生成させることが阻害される。
また、Ti含量が上記範囲のときは、溶接金属にBを必須元素として添加する必要がある。例えば、シールドガスとして組成がCO2:Ar=20体積%:80体積%の混合ガスを用い、電流:280A,電圧:30V,溶接速度:30cm/min程度で溶接する場合は、溶接金属にBを25ppm以上添加すべきである。
なお、従来ではガスシールドアーク溶接時のシールドガスとしてCO2を単独で用いるのが一般的であったが、本発明の溶接金属を形成する際には、上述した様に、シールドガスとしてCO2とArの混合ガスを用いるのが好ましい。
次に、本発明の溶接金属における成分組成について説明する。
本発明の溶接金属は、必須成分として、C:0.04〜0.12%、Si:0.10〜0.80%、Mn:3.0%以下(0%を含まない)、Ni:3.5%以下(0%を含まない)、Ti:0.005〜0.1%およびO:0.015〜0.060%、を夫々含有するものであり、これらの元素に加えて、MoやBを含有する。以下、これらの範囲を定めた理由を説明する。
C:0.04〜0.12%
Cは、溶接金属の強度を確保するために欠くことのできない元素であり、この効果を有効に発揮させるには、0.04%以上含有させる必要があり、好ましくは0.05%以上(より好ましくは0.06%以上)含有させるのがよい。しかし、C含量が0.12%を超えると溶接金属の強度が過度に上昇することにより靭性の劣化を招くので、C含量は0.12%以下に抑える必要がある。好ましくは0.10%以下とすることが推奨される。
Si:0.10〜0.80%
Siは、脱酸作用を有する元素であり、溶接金属を清浄化し、歩留まった場合はフェライトを固溶強化させる。この効果を発揮させるには、0.10%以上含有させるべきであり、好ましくは0.20%以上とするのが望ましい。しかし、Si含量が0.80%を超えると溶接金属の強度が過度に上昇して靭性低下の原因となる。また、硬質の第二相を生成させて溶接金属の靭性を劣化させる原因となる。従って、Si含量は0.80%以下に抑える必要があり、好ましくは0.50%以下とすることが推奨される。
Mn:3.0%以下(0%を含まない)
Mnは、溶接金属の強度および靭性を確保するために欠かせない元素であり、こうした効果を有効に発揮させるには0.3%以上(より好ましくは0.5%以上、さらに好ましくは1.0%以上)含有させることが推奨される。但し、3.0%を超えると焼入性が増大し過ぎて靭性を低下させる。また、偏析により硬質の第二相が生成することによっても靭性の低下を招く。従って、Mn含量は3.0%以下に抑制する必要があり、好ましくは2.0%以下、より好ましくは1.6%以下とするのが望ましい。
Ni:3.5%以下(0%を含まない)
Niは、Mnと同様に、溶接金属の強度および靭性を確保するうえで必須の元素であるが、特に低温靭性の向上に有効に作用する。この様な作用を有効に発揮させるには、0.1%以上(より好ましくは0.2%以上、さらに好ましくは0.5%以上、特に好ましくは0.6%以上)含有させることが推奨される。但し、含量が3.5%を超えると焼入性が増大して溶接金属の靭性を劣化させるので、Ni含量は3.5%以下に抑える必要がある。好ましくは3.0%以下、より好ましくは2.5%以下とするのがよい。
Ti:0.005〜0.1%
Tiは、溶接金属中にアシキュラーフェライトを生成させるための核となる酸化物系介在物を構成する元素として重要であり、Ti含量が0.005%未満ではアシキュラーフェライトの生成核となるTiを含む酸化物系介在物が充分に生成せず、アシキュラーフェライトも生成し難くなり、満足のいく靭性が得られなくなる。そこで、Tiを含む酸化物系介在物を生成させるため、Tiを0.005%以上含有させる必要があり、好ましくは0.008%以上含有させるのがよい。しかしTi含量が0.1%を超えると炭化物(TiC)が析出して溶接金属の強度を著しく高めて靭性を劣化させるので、Ti含量は0.1%以下に抑えるべきである。好ましくは0.08%以下とすることが望ましい。
O:0.015〜0.060%
Oは、溶接金属中にアシキュラーフェライトの生成核となるTiを含む酸化物系介在物を生成させるために極めて重要な元素であり、その効果を有効に発揮させるには0.015%以上含有させねばならない。好ましくは0.020%以上含有させるのが推奨される。しかし、0.060%を超えて含有させるとTiを含む酸化物系介在物が粗大化し、アシキュラーフェライトの生成核になり難くなり、靭性の劣化原因となる。そのためO含量は0.060%以下に抑える必要があり、好ましくは0.050%以下、より好ましくは0.04%以下とするのが推奨される。
本発明の溶接金属は、これらの元素を必須成分として含有するものであるが、必要に応じてMo:1.0%以下(0%を含まない)やB:0.01%以下(0%を含まない)を含有させてもよい。この様な範囲に限定した理由を説明する。
Mo:1.0%以下(0%を含まない)
Mo含量が1.0%を超えると、溶接金属の強度が高くなり過ぎて靭性が劣化するため、Mo含量は1.0%以下に抑えるべきである。好ましくは0.7%以下、より好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.45%以下に抑制するのが望ましい。但し、Moはフェライトが粒界から生成するのを抑える作用を有し、含有させることで溶接金属の強度を高めることができる。またMoは、焼戻しによる軟化抵抗を増加させる作用もある。これらの効果を有効に発揮させるには、0.01%以上(より好ましくは0.1%以上、さらに好ましくは0.2%以上)含有させることが推奨される。
B:0.01%以下(0%を含まない)
B含量が0.01%を超えると靭性が劣化して溶接割れを起こし易くなるので、B含量は0.01%以下に抑制する必要がある。好ましくは0.005%以下に抑えるのが好ましい。但し、Bは溶接金属中に固溶したNを固定する作用と粒界からフェライトが生成するのを抑制する作用があり、靱性向上に寄与する元素である。これらの効果を有効に発揮させるには0.0005%以上(より好ましくは0.0010%以上)含有させることが望ましい。
本発明に係る溶接金属の構成元素は上記の通りであり、更に他の元素として、(a)Cu:2.0%以下(0%を含まない)、(b)Cr:1%以下(0%を含まない)、(c)Nb:0.2%以下(0%を含む)および/またはV:0.2%以下(0%を含む)、などを含有させることも有効であるが、残部はFeおよび不可避不純物である。これらの様な範囲を定めた理由は次の通りである。
Cu:2.0%以下(0%を含まない)
Cuは、Niと同様の作用を有しており、Cuを含有させることによって溶接金属の低温靭性を損なうことなく強度を高めることができる。この様な作用を有効に発揮させるには、0.1%以上(より好ましくは0.2%以上)含有させるのがよい。但し、含量が2.0%を超えると溶接金属の焼入性が増大して靭性を劣化させるので、Cu含量は2.0%以下に抑える必要がある。好ましくは1.5%以下とするのが推奨される。
Cr:1%以下(0%を含まない)
Crは、溶接金属の焼入性を高めて粒界からのフェライト生成を抑制し、組織を微細化する作用を有している。この様な作用を有効に発揮させるには、0.1%以上(より好ましくは0.2%以上)含有させることが推奨される。但し、Cr含量が1%を超えると溶接金属の強度が高くなり過ぎ却って靭性を劣化させるので、Cr含量は1%以下に抑える必要がある。好ましくは0.8%以下とするのが推奨される。
Nb:0.2%以下(0%を含む)および/またはV:0.2%以下(0%を含む)
NbやVは、溶接金属の焼入性を高めて強度を向上させるのに有効な元素であるが、Nb含量が0.2%、V含量が0.2%を超えると溶接金属中に炭化物が析出して靭性を劣化させるので、Nb含量は0.2%以下、V含量は0.2%以下に抑えるのが好ましい。より好ましくはNb含量を0.15%以下、V含量を0.15%以下、さらに好ましくはNb含量を0.03%以下、V含量を0.08%以下、特に好ましくはNb含量を0.15%以下、V含量を0.15%以下とするのがよい。NbとVを併用する場合は、合計で0.3%以下とするのが好ましく、より好ましくは0.2%以下、さらに好ましくは0.05%以下、特に好ましくは0.04%以下とするのが望ましい。
本発明の溶接金属は、上記成分組成の範囲を満足すると共に、TPとEPのパラメータが所定の範囲を満足するものであるが、溶接金属中にはTiを含む酸化物系介在物が分散していることが好ましい。即ち、溶接金属の断面を電子顕微鏡で6000倍で観察したときに、Tiを含む粒径が0.2〜2μmの酸化物系介在物が、観察視野1mm2換算で50個以上存在することが好ましい。
Tiを含む酸化物系介在物について規定したのは、アシキュラーフェライトの生成核となり、該介在物の存在形態を制御することが靭性改善に有効だからである。従って、Tiを含む酸化物系介在物の個数を規定することによって、アシキュラーフェライトの生成を制御できる。
Tiを含む酸化物系介在物の個数は、溶接金属を電子顕微鏡で6000倍で観察して測定し、これを観察視野面積1mm2当たりに換算したときの個数が、50個以上であることが好ましい。溶接金属中に適当な大きさのTiを含む酸化物系介在物が多く分散することによって、アシキュラーフェライトが効率良く生成し低温靭性を高めるからである。電子顕微鏡としては、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡など公知の顕微鏡を用いれば良い。なお、観察視野数は少なくとも5箇所とし、得られた結果を平均したものを、Tiを含む酸化物系介在物の個数とする。また、電子顕微鏡で観察する位置は、溶接金属の断面であれば特に限定されない。
Tiを含む酸化物系介在物の個数を測定する際には、粒径が0.2〜2μmのものを測定対象とする。粒径が0.2μm未満のTiを含む酸化物系介在物では、該介在物が微細過ぎてアシキュラーフェライトの生成核として機能せず、一方、粒径が2μmを超えるTiを含む酸化物系介在物では、粗大過ぎて靭性を劣化させるからである。従って、本発明の溶接金属中には、粒径が0.2μm未満のTiを含む酸化物系介在物が多数存在していても構わないが、粒径が2μmを超える粗大な酸化物系介在物は極力存在させないのが好ましい。
なお、Tiを含む粒径が0.2〜2μmの酸化物系介在物が、観察視野1mm2中に50個以上存在している場合は、粒径が2μmを超える酸化物系介在物は殆ど存在していないことを本発明者らは確認している。粒径が2μmを超える粗大な酸化物系介在物が溶接金属中に存在する場合は、溶接金属を電子顕微鏡で6000倍で観察して測定し、これを観察視野1mm2当たりに換算したときの個数が、5個までであれば許容できる。
Tiを含む酸化物系介在物とは、Ti酸化物に限定されるものではなく、例えば(Mn2Ti)O3なども含む意味であり、EDX(エネルギー分散型X線検出器;energy dispersive X-ray spectrometer)で成分組成を測定したときに、TiおよびOのピークが観察される介在物を指す。このときTiおよびO以外に、例えばAlやSi,Mnなどのピークが観察されても構わない。
なお、Tiを含まない酸化物系介在物については、アシキュラーフェライトの生成核にはならず、靭性改善に寄与しないので、測定対象から外す。
溶接金属中に、粒径が0.2〜2μmのTiを含む酸化物系介在物を積極的に生成させるには、溶接時に用いる溶接ワイヤに含まれるTi含量とシールドガスの組成を調整すれば良い。
上記Tiを含む酸化物系介在物は、M34型やM23型など種々の結晶構造を有しているが、アシキュラーフェライトを微細化して溶接金属の低温靭性を改善するには、Tiを含む酸化物系介在物の結晶構造を制御することも重要となる。即ち、アシキュラーフェライトの生成核となるTiを含む酸化物系介在物の結晶構造を制御することによって、アシキュラーフェライトの成長状態を制御でき、低温靭性を改善できるのである。この様な観点から、上記Tiを含む酸化物系介在物の結晶構造は、M23型のTiを含む酸化物系介在物を主体とすることが推奨される。
但し、実操業においては、溶接金属中に存在しているTiを含む酸化物系介在物の全てについて結晶構造を画一的に制御するのは難しい。従って、実際には、溶接金属中に種々の結晶構造を有するTiを含む酸化物系介在物が混在することとなる。酸化物系介在物の結晶構造は溶接金属部を電解抽出した残渣に対して、X線回折試験をすれば同定できるが、このとき観察される酸化物系介在物の結晶構造を示すピークのうち、M23型を示すピークが他の結晶構造を示すピークよりも大きい場合を、本発明ではM23型が主体と呼ぶこととする。
なお、Tiを含む酸化物系介在物のうち、粒径が0.2μm未満のものや、2μmを超えるものは、上述した様にアシキュラーフェライトの生成核となり得ないので、結晶構造の測定対象から外す。
溶接金属中に含まれるTiを含む酸化物系介在物の結晶構造を、M23型主体にするには、溶接時に用いる溶接ワイヤに含まれるTiなどの脱酸作用を有する元素含量とシールドガスの組成を適正に調整すれば良い。
上記要件を満足する本発明の溶接金属は、590MPa以上の高強度で、且つ、−60℃域での低温靭性にも優れているので、例えば、海洋構造物や液化ガスタンク,ラインパイプなど低温環境下で使用される構造物を溶接したときの溶接金属として好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
ソリッドワイヤを用いて、鋼材同士をガスシールドアーク溶接して溶接金属を形成した。
ソリッドワイヤとしては、溶製したワイヤに銅めっきを施した後、伸線加工して1.2mmφにした下記表1に示す成分組成のものを用いた。鋼材としては、板厚:20mm,開先形状:45°V型開先で鋼材同士を溶接した。なお、実施例ではソリッドワイヤを用いたが、本発明に係る溶接金属はソリッドワイヤを用いて得られたものに限定されず、例えば、ソリッドワイヤの代わりにフラックス入りワイヤを用いても構わない。
溶接条件は、溶接電流:280A,電圧:28〜30V,溶接速度:30cm/min程度とし、5層13パスのガスシールドアーク溶接を行なった。シールドガスとしては、CO2とArの混合ガスを用いた。溶接時に用いた溶接ワイヤの種類と混合ガス中のCO2分率(体積%)を夫々下記表2および表3に示す。また、得られた溶接金属の成分組成,上記(1)式,(3)式または(5)式から算出したTP値,上記(2)式,(4)式または(6)式から算出したEP値、を夫々下記表2および表3に併せて示す。
Figure 2004315962
Figure 2004315962
Figure 2004315962
次に、得られた溶接金属中に含まれるTiを含む酸化物系介在物の個数と結晶構造を夫々測定した。
個数の測定は、溶接金属の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で6000倍で観察して行ない、Tiを含む粒径が0.2〜2μmの酸化物形介在物を測定対象とした。観察視野数は5箇所とし、5箇所の平均値を観察視野面積1mm2当たりに換算して、Tiを含む酸化物系介在物の個数を算出した。算出結果を下記表4に示す。
一方、結晶構造は、溶接金属を電解抽出して得た残渣に対しX線回折試験を行なって同定した。なお、X線回折に表される主体たるピークの構造を、酸化物系介在物の結晶構造とした。同定結果を下記表4に示す。
次に、溶接金属の機械的性質として引張特性を引張試験、衝撃特性をシャルピー衝撃試験で夫々評価した。試験片はJIS Z 2202に準じて溶接金属から切り出した。引張特性として引張強度(TS)を測定し、590MPa以上を合格とする。なお、参考値として降伏強度(YS)を測定した。一方、衝撃特性は、−60℃における吸収エネルギー(vE-60)を測定し、その値が100J以上のものを合格とする。なお、参考値として−40℃における吸収エネルギー(vE-40)と−80℃における吸収エネルギー(vE-80)も夫々測定した。測定結果を下記表4に示す。
Figure 2004315962
表2〜4から次の様に考察できる。No.1〜18およびNo.37は、本発明で規定する要件を満足する例であり、590MPa以上の高強度(TS)と−60℃域での良好な低温靭性を有している。一方、No.19〜28,No.33〜36は、本発明で規定する何れかの要件を満足しない例であり、強度または低温靭性の少なくとも一方が劣る。No.29〜No.32は参考例であり、Cu,Cr,Nb,Vよりなる群から選ばれる何れかの元素を過剰に含有しているので、靭性が低下している。

Claims (9)

  1. ガスシールドアーク溶接によって形成される溶接金属であって、
    C :0.04〜0.12%(「質量%」の意味。以下同じ。)、
    Si:0.10〜0.80%、
    Mn:3.0%以下(0%を含まない)、
    Ni:3.5%以下(0%を含まない)、
    Ti:0.005〜0.1%および
    O :0.015〜0.060%、
    を夫々含有し、且つ、下記(1)式で算出されるTPが350〜600、下記(2)式で算出されるEPが20〜220、であることを特徴とする低温靭性に優れた高強度溶接金属。
    TP=240×[Mn]+50×[Ni] …(1)
    EP=1300×[Ti]−600×[O] …(2)
    式中、[ ]は各元素の含量を示し、単位は質量%である。
  2. ガスシールドアーク溶接によって形成される溶接金属であって、
    C :0.04〜0.12%、
    Si:0.10〜0.80%、
    Mn:3.0%以下(0%を含まない)、
    Ni:3.5%以下(0%を含まない)、
    Ti:0.005〜0.1%、
    O :0.015〜0.060%および
    B :0.01%以下(0%を含まない)、
    を夫々含有し、且つ、下記(3)式で算出されるTPが350〜600、下記(4)式で算出されるEPが20〜220、であることを特徴とする低温靭性に優れた高強度溶接金属。
    TP=240×[Mn]+50×[Ni] …(3)
    EP=1300×[Ti]−600×[O]+17000×[B] …(4)
    式中、[ ]は各元素の含量を示し、単位は質量%である。
  3. ガスシールドアーク溶接によって形成される溶接金属であって、
    C :0.04〜0.12%、
    Si:0.10〜0.80%、
    Mn:3.0%以下(0%を含まない)、
    Ni:3.5%以下(0%を含まない)、
    Mo:1.0%以下(0%を含まない)、
    Ti:0.005〜0.1%および
    O :0.015〜0.060%、
    を夫々含有し、且つ、下記(5)式で算出されるTPが350〜600、下記(6)式で算出されるEPが20〜220、であることを特徴とする低温靭性に優れた高強度溶接金属。
    TP=240×[Mn]+50×[Ni]+45×[Mo] …(5)
    EP=1300×[Ti]−600×[O] …(6)
    式中、[ ]は各元素の含量を示し、単位は質量%である。
  4. ガスシールドアーク溶接によって形成される溶接金属であって、
    C :0.04〜0.12%、
    Si:0.10〜0.80%、
    Mn:3.0%以下(0%を含まない)、
    Ni:3.5%以下(0%を含まない)、
    Mo:1.0%以下(0%を含まない)、
    Ti:0.005〜0.1%、
    O :0.015〜0.060%および
    B :0.01%以下(0%を含まない)、
    を夫々含有し、且つ、下記(7)式で算出されるTPが350〜600、下記(8)式で算出されるEPが20〜220、であることを特徴とする低温靭性に優れた高強度溶接金属。
    TP=240×[Mn]+50×[Ni]+45×[Mo] …(7)
    EP=1300×[Ti]−600×[O]+17000×[B] …(8)
    式中、[ ]は各元素の含量を示し、単位は質量%である。
  5. 更に他の元素として、Cu:2.0%以下(0%を含まない)を含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の溶接金属。
  6. 更に他の元素として、Cr:1%以下(0%を含まない)を含むものである請求項1〜5のいずれかに記載の溶接金属。
  7. 更に他の元素として、Nb:0.20%以下(0%を含む)および/またはV:0.20%以下(0%を含む)を含むものである請求項1〜6のいずれかに記載の溶接金属。
  8. 前記溶接金属断面を電子顕微鏡で6000倍で観察したときに、粒径:0.2〜2μmのTiを含む酸化物系介在物が、観察視野1mm2換算で50個以上存在するものである請求項1〜7のいずれかに記載の溶接金属。
  9. 前記酸化物系介在物がM23型を主体とするものである請求項8に記載の溶接金属。
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