JP2599175B2 - レーザ磁気免疫測定方法及び測定装置並びにレーザ磁気免疫測定に用いる超常磁性体標識体及びその製造方法 - Google Patents

レーザ磁気免疫測定方法及び測定装置並びにレーザ磁気免疫測定に用いる超常磁性体標識体及びその製造方法

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JP2599175B2 JP63102914A JP10291488A JP2599175B2 JP 2599175 B2 JP2599175 B2 JP 2599175B2 JP 63102914 A JP63102914 A JP 63102914A JP 10291488 A JP10291488 A JP 10291488A JP 2599175 B2 JP2599175 B2 JP 2599175B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、抗原抗体反応を利用し、極めて微量の検体
から特定の抗体または抗原を定量的に検出することので
きるレーザ磁気免疫測定方法及び測定装置並びにレーザ
磁気免疫測定に用いる超常磁性体標識体及びその製造方
法に関するものである。
〔従来技術およびその課題〕
後天性免疫不全症候群、成人T細胞白血病等のような
新型ウイルス性疾病、あるいは各種ガンの早期検査法と
して、抗原抗体反応を利用した免疫測定法の開発が、現
在、世界的規模で推進されている。
従来から知られる微量免疫測定方法としては、ラジオ
イムノアッセイ(以下、RIA法と記す)、酸素イムノア
ッセイ(EIA)、蛍光イムノアッセイ(FIA)法等が既に
実用化されている。これらの方法は、それぞれアイソト
ープ、酵素、蛍光物質を標識として付加した抗原または
抗体を用い、これと特異的に反応する抗体または抗原の
有無を検出する方法がある。
ところが、RIA法は高い検出感度を有しているもの
の、標識に放射性物質を使用するために、その実施につ
いては多くの制約がある。また、EIA法及びFIA法はいず
れも実施についての制約がRIA法に比べて少なく、その
実施は容易であるが、検出感度が低く、精密な定量的測
定が困難であった。
本発明者らは、上記の免疫測定方法の欠点を克服すべ
く、上記方法とは原理を異にするレーザ磁気免疫測定方
法等の研究を行ない、その成果を先に特願昭61−22456
7、61−252427、61−254164、62−22062、62−22063、6
2−152791、62−152792、62−184902、62−264319、62
−267481として特許出願している。これらの新しい免疫
測定方法は抗原抗体反応の有無の検出にレーザ光を利用
し、標識材料として磁性体微粒子を用いる点に特徴があ
り、アイソトープを用いないでピコグラムの超微量検出
が可能である。
ところで、このようなレーザ磁気免疫測定方法におい
ては、標識材料としての磁性体微粒子に1つの抗原ある
いは抗体を付加した磁性体標識体と、この磁性体標識体
と検体たる抗体あるいは抗原とを抗原抗体反応させた磁
性体標識検体複合体とを磁力などによって識別し、未反
応の磁性体標識体を分離・除去するようにしている。こ
の分離・除去操作は比較的煩わしいものであり、この操
作を行なわずに磁性体標識検体複合体のみを識別して検
出できれば、そのメリットは計り知れない。
また、上述した磁性体微粒子を細胞の分離や薬剤の運
搬に用いる方法は以前から知られている。例えば、古く
は、1975年出願のGiaeverの発明による米国特許第39705
18“Magnetic separation of biological particles"に
は、コロイド粒子サイズから10μmの大きさの、フェラ
イト、ペロビスカイト、クロマイト、マグネトプランバ
イト等のフェロ磁性、フェリ磁性材料に抗体を被覆し
て、細胞等を分離する方法が開示されている。しかし、
現在までのところ、細胞の分離や薬剤の運搬は研究段階
であり、ほとんど実用化されていない。
さて、細胞の分離や薬剤の運搬等に用いられるこの種
の磁性標識材料として、今までなされた発明とその概要
を年代順に網羅的に列挙すると、下記のごとくである。
(1)Daviesら米国特許第4177253“Magnetic particle
for immunoassay"には低密度のコア材料の表面にNi等
の金属磁性材料と、抗原、抗体などの生物的に活性な物
質とを被覆した、粒径が1μmから1cmの複合磁性粒子
が記載されている。
(2)Moldayの米国特許第4452773“Magnetic iron−de
xtran microspheres"にはデキストラン等で被覆された
フェロ磁性体のマグネタイト微粒子であって、好ましい
粒径として30〜40nmのものが記載されている。
(3)Czerlinskiの米国特許第4454234“Coated magnet
izable microparticles,reversible suspensions there
of,and processes relating thereto"にはキュリー温度
が5〜65℃の範囲にあるフェライト、イットリウム鉄ガ
ーネット等の強磁性材料の微粒子の表面をアクリルアミ
ドをベースにした共重合ポリマー等で被覆され、磁区の
大きさから0.1μm程度までの磁性微粒子が記載されて
いる。
(4)Ikedaらの米国特許第4582622“Magnetic particu
late for immobilization of biological protein and
process of producting the same"にはゼラチンを主成
分とし、0.00001〜2%のフェライトからなるフェロ磁
性体を含有する粒径3μm程度の粒子が記載されてい
る。
(5)Margelの米国特許第4324923“Metal coated poly
aldehyde microspheres"には遷移金属で被覆されたポリ
アルデヒド微小球であって、磁性材料として強磁性体の
鉄、ニッケル、コバルトが記載されている。
以上(1)〜(5)の各磁性材料は小さくとも30nm以
上の粒径をもつフェロ磁性あるいはフェリ磁性のもの
で、これらはいずれも強磁性材料に分類されるものであ
る。この強磁性材料はその材料種によって異なるが、通
常数十nm以上の粒径で、外部磁界を取り去った後も残留
磁化がみられるものである。一方、磁性材料には、外部
磁界を取り去ると磁化が残らない性質をもち、上記強磁
性材料より粒径が小さい超常磁性材料がある。そして、
これら超常磁性材料と強磁性材料とは、ヒステリシス曲
線や帯磁率の測定、あるいはメスバウワー効果などが全
く異なるものであり、従来の細胞の分離や薬剤の運搬に
は、標識に用いる磁性粒子は弱い磁力でも効果的に誘導
される必要があるので、この目的には強磁性材料が最も
適しているが、以下に詳述する本発明に従う新しい非分
離法によるレーザ磁気免疫測定法では磁性標識体は単独
では磁力で誘導されにくいことが必要であるので、この
目的のためには超常磁性材料が最も適している。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その
目的とするところはRIA法以上の検出感度を有しなが
ら、検体調製が簡便で、かつ実施上の制限のない新規な
レーザ磁気免疫測定方法及び測定装置並びにレーザ磁気
免疫測定に好適に用いることのできる超常磁性体標識体
及びその製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の第1の発明に従うと、超常磁性体超微粒子に
1つの抗原あるいは抗体を付加した超常磁性体標識体
と、検体たる抗体あるいは抗原とを抗原抗体反応させる
第1工程と、該第1工程後の超常磁性体標識体と検体と
の複合体である超常磁性体標識検体複合体を含む溶液に
磁界を作用させて該超常磁性体標識検体複合体を定めら
れた位置に誘導・濃縮させる第2工程と、未反応の該超
常磁性体標識体と抗原抗体反応後の該超磁性体標識検体
複合体とを濃縮位置への到達時間差により識別する工程
を少なくとも含むことを特徴とするレーザ磁気免疫測定
方法が提供される。
また、第2の発明に従うと、第1の発明の第1工程に
おいて、抗原抗体反応を磁界中で行ない、抗原抗体反応
後の超常磁性体標識検体複合体の磁化方向を揃える処理
を施すことを特徴とするレーザ磁気免疫測定方法が提供
される。
これら第1または第2の発明において、超常磁性体標
識体と超常磁性体標識検体複合体との濃縮位置への到達
時間差は、レーザ光を濃縮位置へ照射し、濃縮位置から
の散乱光、透過光、反射光、干渉光、回折光等の出射光
を検出することにより得られる。このとき、検出感度の
向上のために、レーザ光の走引周波数に同期した信号成
分を選択的に検出する方法を用いてもよい。また、第2
工程において濃縮位置と非濃縮位置とにレーザ光を同時
あるいは時系列的に照射し、その出射光を検出し、非濃
縮位置からのデータを比較対照として検体量を定量する
方法を用いてもよい。
さらに、第3の発明に従うと、超常磁性体超微粒子に
1つの抗原あるいは抗体を付加した超常磁性体標識体
と、該超常磁性体標識体と検体たる抗体あるいは抗原と
を抗原抗体反応させた超常磁性体標識複合体とを含む溶
液を収容する検査容器と、該超常磁性体標識検体複合体
を検査容器の1点に誘導・濃縮する傾斜磁界発生装置
と、レーザ光を検査容器の超常磁性体標識検体複合体の
濃縮位置へ導く入射光学系と、超常磁性体標識検体複合
体からの出射光及び超常磁性体標識検体複合体を含まな
い溶液からの出射光をそれぞれ受光する光学系とを少な
くとも含むレーザ磁気免疫測定装置であって、上記超常
磁性体標識検体複合体と未反応の超常磁性体標識体とを
識別する機構を具備したことを特徴とするレーザ磁気免
疫測定装置が提供される。
なお、抗原抗体反応としては、検体と超常磁性体標識
体とを直接反応させる直接法、あるいは既知の抗原ある
いは抗体を非磁性微小球の表面に固定化しておき、非磁
性微小球と検体とを反応させたのち、超常磁性体標識体
を加えて検体と超常磁性体標識体とを反応させるサンド
イッチ法などを用いることができる。
また、第3の発明において、識別機構は、未反応の超
常磁性体標識体からの出射光の経時変化を基準として反
応後の超常磁性体標識検体複合体からの出射光の経時変
化を変化する電子回路部により構成されるのが望まし
い。また、傾斜磁界発生装置は、電磁石と、この電磁石
に対向しかつ検査容器を挟むように配置された磁極片と
から構成され、電磁石と磁極片のいずれか又は検査容器
が水平面内で移動可能に構成されるのが好ましい。
また、第4の発明に従うと、第1または第2の発明に
従うレーザ磁気免疫測定方法に用いる標識体であって、
超常磁性体からなる超微粒子の表面が生物的に活性な物
質で被覆され、該被覆層に抗原あるいは抗体が固定化さ
れてなることを特徴とするレーザ磁気免疫測定用超常磁
性体標識体が提供される。
さらに、第5の発明に従うと、超常磁性体超微粒子の
表面に活性な物質からなる被覆層を形成する工程と、被
覆層が形成された磁性体超微粒子のうち超常磁性体のみ
を分離・回収する工程と、超常磁性体超微粒子の被覆層
に抗原あるいは抗体を固定化する工程とを少なくとも含
むことを特徴とするレーザ磁気免疫測定用超常磁性体標
識体の製造方法が提供される。
ここで、上記の超常磁性体標識体に用いられる超常磁
性体超微粒子は、放射線あるいは毒性等の問題を有しな
いことはいうまでもなく、これを利用することに格別の
制約はない。また、この超常磁性体超微粒子は、あらゆ
る強磁性体を超微粒子にすることによって得ることが出
来る。例えば、強磁性体としては、マグネタイトやγ−
フエライト等の各種化合物磁性体、あるいは鉄、ニッケ
ル、コバルト等の金属磁性体の中から適宜選択できる。
これらの強磁性材料を超微粒子にする方法としては、機
械的粉砕法を除く、従来から知られている、各種の気相
法、液相法を用いることが出来る。例えば、ガス中蒸発
法、レーザ加熱蒸発法、共沈法等が適用できる。これら
の気相法、液相法で作成した超微粒子は、超常磁性体と
強磁性体粒子が混在しており、超常磁性体のみを分離・
回収する必要がある。分離・回収するには、機械的、化
学的、物理的な各種方法が適用できる。例えば、遠心分
離、液体クロマトグラフィ、磁気フィルタ等の方法など
がある。超常磁性体超微粒子の粒径は強磁性材料によっ
て異なるが、単磁区粒子の限界寸法以下でなければなら
ない。例えば、マグネタイト、γ−フエライトの場合は
10nm以下、鈍鉄の場合は3nm以下が好ましい。
このような超常磁性体超微粒子は、その表面に抗原あ
るいは抗体を固定化するため、生物的に活性な物質で被
覆されている。生物的に活性な物質としては例えばデキ
ストラン等の糖や、プロテインA等の蛋白あるいはメチ
ルメタクリレートのような高分子皮膜などが用いられ
る。そして、抗原あるいは抗体は生物的に活性な物質の
表面に固定化される。
そして、上記超常磁性体標識体は、凍結乾燥して長期
保存することが出来る。標識試薬として用いる場合、標
識体を界面活性材料を添加した水溶液中に分散させれば
よい。また、凝集を抑制する界面活性剤を添加して、溶
液状態で冷所保存することもできる。界面活性剤として
は、例えばELISAの洗浄液としても用いられるTween20、
あるいはビッター図形法で磁区観察に用いられるマグネ
タイト磁性コロイド分散用のラウリルアミン、セラコー
ル(Sodium carboxy methyl cellulose)、あるいは写
真フィルムの水切り乾燥用として用いられるドライウエ
ル等が有効である。
〔作用〕
公知のように、強磁性体粒子は、その粒径が非常に小
さくなると容易磁化方向が熱運動のためランダムにな
り、超常磁性体となる。例えば、マグネタイトの場合、
粒径が10nm以下になると、強磁性体と超常磁性体に変化
することが知られている。強磁性体と超常磁性体とはヒ
ステリシス曲線や帯磁率の測定、あるいはメスバウワー
効果から容易に見分けることが出来る。即ち、超常磁性
体は保持力が0であり、帯磁率は強磁性体から超常磁性
体に変化する臨界粒径を境にして、帯磁率に及ぼす粒径
の効果が反転し、粒径が小さくなるほど減少する。ま
た、強磁性では鉄のメスバウワースペクトルは6本に分
かれているが、超常磁性になると、中央に2本の吸収線
が現われることから、超常磁性の定量が出来る。熱擾乱
によって磁化の反転が起こる熱磁気緩和時間は鉄の超微
粒子の場合、外部磁界がなければ、室温では粒径2.9nm
では1秒、粒径3.6nmでは約30年と計算される。わずか1
nmの粒径の違いで磁気的物質は大きく変化する。
本発明の超常磁性体標識体は、上記のような超常磁性
体からなる磁性体微粒子を核として、その表面が抗原あ
るいは抗体で被覆されているから、ウイルスや癌等の標
的細胞及び抗体と特異的に反応して、これらの検体を捕
捉し、磁気標識することができる。この超常磁性体標識
体は癌やリンパ球等の標的細胞よりも2桁以上小さく、
ウイルスと同等以下の大きさである。一般に、これらの
検体の抗原抗体結合部位は多数存在するので、検体より
も過剰に本発明の超常磁性体標識体を加えれば、例え
ば、ウイルス1個に対して複数個の超常磁性体標識体が
結合することになる。このような結合により磁気的増幅
効果と体積的増幅効果を生じることから、反応前は超常
磁性である超常磁性体標識体は、抗原抗体反応後の検体
と結合した複合体は強磁性体的に振舞う。したがって、
本発明に従うレーザ磁気免疫測定方法において、磁気標
識として用いる超常磁性体標識体は、超常磁性体性質を
示すから、この標識体を傾斜磁界中で濃縮しようとして
も、標識体の容易磁化方向がランダムで、ブラウン運動
が活発であるため、標識体の濃縮位置への到達には長時
間を要することになる。一方、超常磁性体標識体と検体
との複合体である超常磁性体標識検体複合体は、超常磁
性体標識体よりも粒径が大きいため、強磁性体的にな
り、ブラウン運動が不活発となるから、傾斜磁界中にお
いて上記超常磁性体標識体よりも短時間で濃縮位置へ到
達することができる。このため、濃縮位置への到達時間
差により、未反応の超常磁性体標識体と反応後の超常磁
性体標識検体複合体とを識別できる。
したがって、本発明に従うレーザ磁気免疫測定方法に
よれば、標識として上記超常磁性体標識体を用いること
から、濃縮位置への到達時間差により、未反応の超常磁
性体標識体と反応後の超常磁性体標識検体複合体とを両
者の混在する液中で容易に識別できるから、両者の分離
操作が不用となり、RIA法以上の高い検出感度の測定を
極めて簡便に行なうことができる。したがって、本発明
によれば、液体たる抗原あるいは抗体の定量を自動的に
行なうことも可能となる。
また、本発明に従う免疫測定方法によれば、第1工程
における抗原抗体反応中に超常磁性体標識検体複合体の
容易磁化方向を揃えるようにしたので、抗原抗体反応後
の上記複合体を強磁性体とし、濃縮位置に複合体を効率
よく短時間のうちに誘導し、その位置に濃縮することが
できる。
さらに、本発明に従う免疫測定方法装置によれば、上
記の免疫測定方法を好適に実施することができる。
これら本発明の特徴的な構成によって、従来のRIA
法、EIA法、FIA法及び本発明者らが先に出願したレーザ
磁気免疫測定法等で、不可避であった未反応の標識体を
洗浄・分離する工程が不用になる。このような特徴によ
り、検出感度を低下させることなく測定の自動化を極め
て容易にすることが可能となる。
以下に図面を参照して本発明をより具体的に詳述する
が、以下に示すものは本発明の一実施例に過ぎず、本発
明の技術的範囲を何等制限するものではない。
まず、本発明に従うレーザ磁気免疫測定方法の一実施
例について説明する。
〔実施例1〕 第1図〜第4図は、本発明に従うレーザ磁気免疫測定
方法の一実施例を模式的に説明するためのもので、第1
図は分散溶媒中に分散した状態の超常磁性体標識体を示
し、第2図は非磁性微小球表面に固定された既知の抗体
を示し、第3図はサンドッチ法による抗原抗体反応中に
かけられた5KGの磁界により容易磁化方向が揃えられた
状態の超常磁性体標識検体複合体を示し、第4図は第3
図の複合体を傾斜磁界中で濃縮し、複合体を定量的に検
出する工程を示したものである。
図中符号1は超常磁性体超微粒子、2は抗体、3は超
常磁性体超微粒子の容易磁化方向を示す矢印、4は抗
体、5は非磁性微小球、6はウイルス(抗原)、7は超
常磁性体標識体、8は非磁性体抗体複合体、9は超常磁
性体標識検体複合体、10はレーザ入射光線、11は出射光
線、12は磁極片、13は検査容器、14は電磁石である。
超常磁性超微粒子1は平均粒径2nmの鉄からなる超微
粒子であって、その表面はプロテインAで被覆されてい
る。この鉄超微粒子は、公知の真空蒸発法で作製し、超
常磁性体のみを回収するため、磁場フィルタで強磁性体
と超常磁性体とを分離したものを用いた。
第1図に示すように、超常磁性体超微粒子1の表面に
被覆されたプロテインAにIgG(免疫グロブリン)抗体
からなる抗体2を固定化して超常磁性体標識体7を得
た。抗体2の固定化には、プロテインAにインフルエン
ザウイルス(B/茨城/2/85)に対する兎高度免疫血清を
作用させる方法を用いた。
一方、第2図に示すように、粒径1μmのアクリルポ
リマからなる非磁性微小球5の表面を活性化したのち、
その表面に抗体2と同様のIgG抗体からなる抗体4を吸
着させて非磁性体抗体複合体8を得た。
次に、第3図に示すように、患者のうがい液中に存在
するインフルエンザウイルス6を検体とし、このウイル
ス6と、前期超常磁性体標識体7及び非磁性体抗体複合
体8とを含む液中で抗原抗体反応を行なった。この反応
中、強磁界をかけて、標識体7及び非磁性体抗体複合体
8とウイルス6との複合体9の容易磁化方向を揃えて複
合体9を強磁性体とした。
次いで、複合体9を含む溶液を検査容器13内に収容し
た。この検査容器13は、第4図に示すように、互いに対
向する磁極片12と電磁石14とに挟まれており、検査容器
13の表面には、直径8mmのロッド状のもので、その先端
が鋭利な純鉄製の磁極片12の真下位置の磁界が最も高く
なるように、磁極片12と電磁石14とからなる傾斜磁界発
生装置により傾斜磁界がかかる構成となっている。この
傾斜磁界を用いて磁極片12の真下位置の液面下に複合体
9を誘導・濃縮した。この濃縮位置に、波長632.8nmのH
e−Neレーザ入射光10を照射し、その散乱光を出射光11
として検出した。出射光11の経時変化を検出したので、
濃縮位置への到達時間の短い複合体9と、到達時間の遅
い未反応の超常磁性体標識体7とを確実に識別できた。
なお、出射光として濃縮位置からの散乱光、透過光、反
射光、干渉光、回折光を選択して検出したところ、同様
に標識体7と複合体9とを識別できた。
次に、本発明に従う免疫測定方法を好適に実施するこ
とのできる測定装置の一例を説明する。
〔実施例2〕 第5図は、本発明に従う免疫測定装置の一例を示す概
略構成図であって、図中符号10は入射光束、11a及び11b
は散乱光束、12a及び12bは磁極片、13a及び13bは検査容
器13のウエル、14は電磁石、15はレーザ光源、16は偏向
器、17a及び17bは集光レンズ、18a及び18bはスリット、
19a及び19bは光電子増倍管、20は検査容器13の水平移動
装置、21は識別機構を構成する電子回路部である。
レーザ光源15は、そのレーザ入射光束10が偏向器16に
より平面内を走引して両ウエル13a及び13bを順次、照射
するように水平面から30度の角度で取付けられている。
両ウエル13a及び13bの照射位置の真上には両磁極片12a
及び12bが配置されている。また、散乱光束11a及び11b
は、集光レンズ17a及び17b、スリット18a及び18bを通っ
て光電子増倍管19a及び19bでそれぞれ検出されるように
なっている。そして、ウエル13a及び13bにそれぞれ複合
体9を含む溶液を収容し、両ウエル13a及び13bからの散
乱光束11a及び11bを光電子増倍管19a及び19bで検出し、
電子回路部21で分析することで、二つの検体の測定を効
率よく行なうことができた。そして、水平移動装置20に
より検査容器13を順次移動させてゆくことでさらに多く
の検体の測定が可能であった。また、ウエル13a及び13b
のうち、一方に検体、他方に検体対照を収容して比較測
定することもできた。
なお、入射光束10をビームスプリッタで分割して複数
のウエルを同時照射するようにしてもよい。この場合、
言うまでもなく、分割されたビームは濃縮位置を含むよ
うに照射される必要がある。また、バックグランド光の
影響を除くため、ビーム分割直前に上述の偏向器16を挿
入し、各ウエル13a及び13bの該濃縮位置と非濃縮位置の
間を同時に走引することが望ましい。走引周波数に同期
した検体からの信号をロックイン増幅すれば更にS/Nが
改善できる。
第6図及び第7図は本発明に従うレーザ磁気免疫測定
装置を用いて測定した結果の一例を示すグラフであっ
て、第6図は検体、即ち、ウイルスが存在する場合、第
7図は検体対照、即ち、検体と同一の磁界中処理等を行
なったものの、ウイルスが存在しない場合、の散乱光量
の経時変化を示したものである。散乱光量の測定は、光
電子増幅管19a及び19bの出力をロックインアンプで増幅
し、入射光束10の走引周波数に同期した信号を記録する
方法を採った。検体が存在する場合、検体からの散乱光
量は電磁石を励磁すると直ちに増大し、一定値を示す。
これに対して、検体対照からの散乱光量は時間経過とと
もに極わずか増大するのみである。このように、散乱光
量の経時変化を検出し、検体対照の散乱光量を差し引く
ことによって、検体のみを定量することが出来る。な
お、検体対照は、検体ごとに同時に測定する必要は必ず
しもなく、検体の測定前に一度測定しておき、この結果
をメモリー上に蓄えておく方法ももちろん可能である。
本発明によれば、従来検出前にウイルス培養が必要で
あったインフルエンザウイルスを培養することなしに直
接検出でき、うがい液中に10個程度存在する各種のイン
フルエンザウイルスを測定することが出来た。ちなみ
に、従来のRIA法の場合、ウイルスが数千個/ml以上存在
しなければ検出できなかった。
次に、本発明に従う免疫測定方法の他の例について説
明する。
〔実施例3〕 ウイルスと標識体との抗原抗体反応を直接法で行なっ
てウイルスの検出を試みた。
標識体に用いた超常磁性体超微粒子は平均粒径9nmの
マグネタイト超微粒子であって、その表面はデキストラ
ンが被覆されている。このマグネタイト超微粒子はMold
ayらの方法(J.Imm.Meth.52巻、353−367頁、1982)を
参考にして作製し、強磁性体粒子を除去するため、遠心
分離にかけ上清に残るものを用いた。次に、上記微粒子
表面のデキストランにインフルエンザウイルスに対する
兎高度免疫血清から単離したIgG抗体を共有結合させ
て、超常磁性体標識体を得た。
なお、超常磁性体と超常磁性体とを分離する方法とし
ては、公知の液体クロマトグラフィや磁気フィルターを
単独あるいは併用して用いる方法でもよい。
次に、患者のうがい液から採取した液体1mlに前記超
常磁性体標識体1×10-8gを加え、検体と超常磁性体標
識体とを直接抗原抗体反応させて超常磁性体標識検体複
合体を得、この複合体に対して本発明者らが先に出願し
た特願昭62−184902「レーザ磁気免疫測定方法及び装
置」に記載の干渉法による測定を行なった。すなわち、
この測定方法は、複合体からの出射光をスクリーン上に
投影して干渉縞を観察するものである。
検体からの干渉光からは明瞭な干渉縞が観察され、検
体(ウイルス)が存在しない検体対照からの干渉光から
は干渉縞がわずかしか観察されなかった。
これら干渉縞の違いは、ウイルスの大きさが120nmで
あるのに対して、超常磁性体標識体の大きさは9nm程度
であるので、ウイルスと超常磁性体標識体との抗原抗体
複合体は超常磁性体標識体よりも約1桁大きいため、濃
縮の程度が異なることによる。すなわち、上述したよう
に、超常磁性体標識体はブラウン運動が活発なため濃縮
に時間がかかるが、抗原抗体複合体はブラウン運動より
も傾斜磁界による磁気吸引が効果的に作用するためであ
る。
また、変形例として、前記検体と前記超常磁性体標識
体との抗原抗体反応を10kGの磁界中で行なった後、上記
と同様の干渉法で測定した。その結果、検体対照の干渉
縞は磁界を加えずに抗原抗体反応させた場合と同じであ
ったが、検体の干渉縞は磁界を加えずに抗原抗体反応さ
せた場合よりも速く出現し、測定時間の短縮が図られ
た。
なお、比較のために、磁性標識体として、平均粒径50
nmのマグネタイト強磁性体粒子に上述の方法でウイルス
抗体を結合して、上述と同様な実験を行なったが、抗原
抗体複合体と未反応のマグネタイト強磁性標識体の間に
は濃縮時間差が生じないため、検体を識別できなかっ
た。
本発明は上述の干渉法に限られるものではなく、検体
からの出射光が前記抗原抗体複合体と未反応の超常磁性
体標識体との間で識別が容易になるような、測定条件
(磁界、時間等)を選び、電磁石励磁後一定時間経った
時点での散乱光量、透過光量、反射光量等を測定する方
法ももちろん可能である。
〔実施例4〕 白血病や癌への適用の可能性を調べるために、標的細
胞検出のモデル実験を行なった。粒径3μmのアクリル
粒子(東レ製、商品名トレスフェア)を標的細胞に見立
て、該アクリル粒子の表面を活性化した後、抗原として
インフルエンザウイルスのエーテル処理抗原を感作し
た。超常磁性体標識体には前記実施例3のマグネタイト
超常磁性体を用いた。前記抗原感作粒子と超常磁性体標
識体とを直接、抗原抗体反応させ、未反応の超常磁性体
標識体を分離しないで、前記干渉法で測定したところ、
抗原感作粒子は1個でも検出することが出来た。従っ
て、本発明のレーザ磁気免疫測定法は、エイズに感染し
たTリンパ球や癌等の異常細胞の早期診断に適用され
る。
次に、本発明に従う免疫測定方法を実施するうえで好
適に用いられる超常磁性体標識体の製造方法の一例につ
いて説明する。
〔実施例5〕 第8図は、本発明に従う超常磁性体標識体の製造工程
を示すものである。
塩化第一鉄(FeCl2・4H2O)2.0gと塩化第二鉄(FeCl3
・6H2O)5.4gを蒸留水に溶かし、さらに、50%デキスト
ラン水溶液50mlを加え、液温を85℃に保ち、よくかきま
ぜながら、苛性ソーダ5g/50mlの溶液を一定の速さ(毎
分25ml)で少しづつ滴下した。沈澱が沈降したら再び上
澄み液を捨てる洗浄操作を8回ほど繰り返した。次に、
分散安定剤として、0.5%のTween20水溶液を加え、全量
を100mlとした後、遠心管に10ml毎に分別採取した。遠
心管に採取した該溶液を毎分2万回転、30分間の遠心に
かけ、強磁性体が含まれた沈澱物は捨て、上澄み液から
超常磁性体超微粒子を得た。このようにして作製した超
常強磁性体超微粒子は平均粒子9nmであり、その表面は
デキストランで被覆されていた。
超常強磁性体超微粒子を分散した溶液に兎血清から単
離したインフルエンザウイルスIgG抗体を加え、デキス
トランとIgG抗体とを共有結合させることによって超常
磁性体標識体を得た。
この超常磁性体標識体を浮遊させた液(0.1ml)は40H
Aのインフルエンザウイルスを吸着することができた。
〔実施例6〕 第9図は、本発明に従う超常磁性体標識体を製造する
のに好適に用いられる製造装置の一例を示すものであ
る。図中符号31は雰囲気槽、32は超常磁性体超微粒子原
料、33はレーザ光源、34はレーザビーム、35はミラー、
36は真空ポンプ、37は蒸発粒子の捕集管、38は超常磁性
体超微粒子の回収槽、39は真空ポンプ、40は分散溶液、
41は磁気フィルター、42は雰囲気ガス、43はリークバル
ブ、44は液体窒素容器、45は液体窒素、46及び47はバル
ブである。
まず、回収槽38の内部に10%のデキストラン水溶液
(Pharmacia社製、重量平均分子量7700)を50ml入れ、
次に、液体窒素容器44に液体窒素45を注いで、上記デキ
ストラン水溶液を凍結させた。次いで、ターボモレキュ
ーラーポンプ36によって、雰囲気槽31の内部を2×10-7
Torrまで真空排気した後、バルブ46を閉じ、アルゴンガ
ス42をリークバルブ43を開いて導入した。次に、バルブ
47を開いて油回転ポンプ39でアルゴンガスを排気した。
このとき、リークバルブ43を調節することによって雰囲
気槽31の圧力を5×10-1Torrに保った。この結果、アル
ゴンガス42は定常的に雰囲気槽31から捕集管37を通して
回収槽38へ導かれ、油回転ポンプ39で外に排気された。
次に、電磁石からなる磁気フィルタ41を作動させた。
磁気フィルタ41の作動時には前記捕集管37の内部に1000
ガウスの磁界を捕集管37と直交方向にかけた。以上の操
作の後、出力10WのYAGレーザ33のレーザ光線34をミラー
35によって、雰囲気槽31に導き、純度99.9%の純鉄から
なる蒸発原料32を加熱蒸発させた。蒸発した鉄微粒子は
アルゴンガスと共に、前記磁気フィルタ41を通り、回収
槽38へ達した。この時、強磁性微粒子は磁気フィルタ41
で捕捉されるので、回収槽38へ到達するのは超常磁性体
超微粒子のみである。回収槽38の内部は上述の操作によ
って、デキストラン溶液が凍結されているので、超常磁
性体超微粒子は凍結した該デキストラン溶液の表面に堆
積する。所定の量を蒸発させた後、前記液体窒素容器44
を下げ、回収槽38を室温に戻す。凍結した溶液の表面に
堆積した鉄の超常磁性体超微粒子は、デキストラン溶液
の融解にともなって、溶液中に分散する。この時、鉄の
表面にデキストランが吸着し、デキストランで被覆した
平均粒径10nmの超常磁性体超微粒子が得られた。
次いで、レーザ出力、アルゴンガス圧、磁気フィルタ
41の磁界等を調節することによって、平均粒径5nm〜20n
mの超常磁性体超微粒子を用いて、前記実施例5と同じ
方法でインフルエンザウイルスA、B型に対するIgG抗
体をそれぞれ共有結合させて超常磁性体標識体を得た。
本発明者らが先に出願した干渉法を用い、かつ患者の
うがい液から採取した液体1mlに上記超常磁性標識体を
1×10-8gを加える直接法でウイルスの検出を試みた結
果、従来の血球凝集法よりも10万倍の検出感度でウイル
スのA、B型を特定することが出来た。
〔発明の効果〕
以上詳述したように、本発明に従うレーザ磁気免疫測
定方法及び測定装置によれば、抗原抗体反応後の磁性体
標識検体複合体と未反応の超常磁性体標識体とを濃縮位
置への到達時間差により識別するようにしたので、上記
複合体の検出に際して複合体と標識体とを分離する必要
がなく、極めて効率よくRIA法以上の検出感度で抗原抗
体反応検査を実施できる。
また、本発明に従う超常磁性体標識体は、ウイルスと
同程度以下の大きさであり、またリンパ球や癌等の細胞
よりも3桁小さい。従って、例えば、ウイルス等に感染
したリンパ球を特異的に捕捉するモノクローナル抗体を
本発明の超常磁性体標識体に用いた場合、リンパ球1個
の回りに多数個の超常磁性体標識体が結合するために、
磁気的増幅効果が生じる。例えば、散乱光、干渉光、反
射光、回折光など光学的に検出すれば、リンパ球と超常
磁性体標識体との抗原抗体複合体は、体積が著しく増加
するために、体積的増幅効果も生じる。これらの増幅効
果のため、超常磁性体標識体の検出限度はおおよそ、1
×10-12gであるが、これよりも1桁以上改善されるか
ら、ウイルスやリンパ球が1個でも検出できる。
したがって、本発明によれば、従来RIA法が適用され
ていたペプチドホルモン等の種々のホルモンあるいは種
々の酵素、ビタミン、薬剤などの測定にも応用すること
が可能である。従って、従来は限定された施設でRIA法
によらなければ実施できなかった精密な測定を、一般的
な環境で広く実施することが可能となる。集団検診等の
ような一般的な状況で、各種のウイルス、癌等のスクリ
ーニング検査等の精密な測定が広く実施できれば、癌あ
るいはウイルス性疾患等の早期診断が可能となり、有効
な早期治療を的確に実施することが可能となる。このよ
うに、本発明が医学。医療の分野で果たす効果は計り知
れない。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は、本発明に従うレーザ磁気免疫測定方
法の一例を説明するためのもので、第1図は分散溶媒中
に分散した状態の超常磁性体標識体を示す模式図、第2
図は非磁性微小球表面に固定された抗体を示す模式図、
第3図は抗原抗体反応中に磁界より容易磁化方向が揃え
られた状態の超常磁性体標識検体複合体を示す模式図、
第4図は第3図の複合体を濃縮し検出する工程を示す模
式図である。 第5図は、本発明に従うレーザ磁気免疫測定装置の一例
を示す概略構成図、第6図及び第7図は第5図に示した
測定装置を用いて得た測定結果を示すもので、第6図は
検体が存在する場合の散乱光量の時間依存性を示すグラ
フ、第7図は検体が存在しない場合の散乱光量の時間依
存性を示すグラフ、第8図は本発明に従う超常磁性体標
識体の製造方法の一例を示す工程図、第9図は本発明に
従う超常磁性体標識体の製造方法を実施するうえで好適
に用いられる製造装置の一例を示す概略断面図である。 1……超常磁性体超微粒子、2……抗体、3……超常磁
性体超微粒子の容易磁化方向を示す矢印、4……抗体、
5……非磁性微小球、6……ウイルス(抗原)、7……
超常磁性体標識体、8……非磁性体抗体複合体、9……
超常磁性体標識検体複合体、10……レーザ入射光線、11
……出射光線、11a、11b……散乱光束、12,12a,12b……
磁極片(傾斜磁界発生装置)、13……検査容器、13a,13
b……検査容器13中のウエル、14……電磁石(傾斜磁界
発生装置)、15……レーザ光源(入射光学系)、16……
偏向器(入射光学系)、17a,17b……集光レンズ(受光
光学系)、18a,18b……スリット(受光光学系)、19a,1
9b……光電子増倍管(受光光学系)、20……検査容器の
水平移動装置、21……電子回路部(識別機構)、31……
雰囲気槽、32……超常磁性体超微粒子原料、33……レー
ザ、34……レーザビーム、35……ミラー、36……真空ポ
ンプ、37……蒸発粒子の捕集管、38……超常磁性体超微
粒子の回収槽、39……真空ポンプ、40……分散溶液、41
……磁気フィルター、42……雰囲気ガス、43……リーク
バルブ、44……液体窒素容器、45……液体窒素、46……
バルブ、47……バルブ。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超常磁性体超微粒子に1つの抗原あるいは
    抗体を付加した超常磁性体標識体と、検体たる抗体ある
    いは抗原とを抗原抗体反応させる第1工程と、該第1工
    程後の超常磁性体標識体と検体との複合体である超常磁
    性体標識検体複合体を含む溶液に磁界を作用させて該超
    常磁性体標識検体複合体を定められた位置に誘導・濃縮
    させる第2工程と、未反応の該超常磁性体標識体と抗原
    抗体反応後の該超磁性体標識検体複合体とを濃縮位置へ
    の到達時間差により識別する工程を少なくとも含むこと
    を特徴とするレーザ磁気免疫測定方法。
  2. 【請求項2】上記第1工程において、抗原抗体反応を磁
    界中で行い、抗原抗体反応後の超常磁性体標識検体複合
    体の磁化方向を揃える処理を施すことを特徴とする請求
    項1記載のレーザ磁気免疫測定方法。
  3. 【請求項3】超常磁性体超微粒子に1つの抗原あるいは
    抗体を付加した超常磁性体標識体と、該超常磁性体標識
    体と検体たる抗体あるいは抗原とを抗原抗体反応させた
    超常磁性体標識検体複合体とを含む溶液を収容する検査
    容器と、該超磁性体標識検体複合体を検査容器の1点に
    誘導・濃縮する傾斜磁界発生装置と、レーザ光を検査容
    器の超常磁性体標識検体複合体の濃縮位置へ導く入射光
    学系と、超常磁性体標識検体複合体からの出射光及び超
    常磁性体標識検体複合体を含まない溶液からの出射光を
    それぞれ受光する光学系とを少なくとも含むレーザ磁気
    免疫測定装置であって、上記超常磁性体標識検体複合体
    と未反応の超常磁性体標識体とを識別する機構を具備し
    たことを特徴とするレーザ磁気免疫測定装置。
  4. 【請求項4】請求項1または2に記載のレーザ磁気免疫
    測定方法に用いる超常磁性体標識体であって、超常磁性
    体からなる超微粒子の表面が生物的に活性な物質で被覆
    され、該被覆層に抗原あるいは抗体が固定化されてなる
    ことを特徴とするレーザ磁気免疫測定用超常磁性体標識
    体。
  5. 【請求項5】超常磁性体超微粒子の表面に活性な物質か
    らなる被覆層を形成する工程と、被覆層が形成された磁
    性体超微粒子のうち超常磁性体のみを分離・回収する工
    程と、超常磁性体超微粒子の被覆層に抗原あるいは抗体
    を固定化する工程とを少なくとも含むことを特徴とする
    レーザ磁気免疫測定用超常磁性体標識体の製造方法。
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