JP2598542B2 - ハロゲン含有重合体用の改良した安定剤 - Google Patents

ハロゲン含有重合体用の改良した安定剤

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 多数のハロゲン含有重合体及び共重合体は性状が熱可
塑性であり、それ故一次成形、カレンダー加工又は押出
し加工の如き成形加工操作中に該重合体を軟化させるた
めに加熱を必要とするものである。これらの重合体が処
理される加熱温度は通常190℃又はそれ以上高温でさえ
の範囲にあり、かゝる重合体が劣化及び分解する傾向に
よって加熱の程度及び加熱期間は制限される。該重合体
の分解はそれから製造した樹脂組成物の得られる物性を
劣化させる。更には、樹脂の着色が過度に暗色化されて
しまいかくして淡色物品又は透明物品へのその使用が妨
害される。
この劣化及び分解は多数の用途にポリ塩化ビニル樹脂
を使用する際の主要な欠点である。この欠点を克服する
ために、多数の生成物がハロゲン含有ビニル重合体の安
定剤として提案されてきた。安定剤として有用であると
見出された生成物のうちには、金属石ケン、有機金属化
合物及び無機金属化合物さえの如き金属含有化合物があ
る。
若干の従来の安定化作用のある生成物系では、樹脂及
び安定剤組成物が加工中に加熱を受ける期間中ポリ塩化
ビニルを含めて樹脂又は重合体の劣化を十分に防止する
ことはできなかった。5分〜30分又はそれより長いこの
期間中に、例えば顔料、可塑剤、安定剤及び潤滑剤を含
めて種々の成分を樹脂と混合することができ、該混合物
は加熱及び加圧の影響を受けて実質的に均質な混合物を
形成できる。樹脂が過度の加熱のこの期間中に劣化する
ことが見出されたならば、その時は加熱期間を短縮せね
ばならないか又は加熱温度を低下させてかゝる劣化を防
止せねばならない。
射出成形処理においては、加熱した樹脂溶融組成物を
成形型中に射出する。一般に、樹脂組成物の粘度は温度
が上昇するにつれて降下するので、樹脂組成物の温度を
上昇させることにより射出成形処理の作業周期時間を低
減させ得る。即ち射出成形及び他の成形加工処理の処理
温度を上昇させ得るのが有用であろう。
有機錫化合物特にメルカプト基を含有する化合物の如
き硫黄に結合した錫を有する有機錫化合物は、塩化ビニ
ル重合体の如きハロゲン含有重合体用のきわめて有効な
種類の安定剤であることが見出された。錫安定剤化合物
は加工処理進行中に該重合体が分解するのを低減させる
機能を果たす。かゝる安定剤によって、変色又は劣化を
最小としながら重合体それ自体又は重合体含有樹脂を一
次成形、カレンダー加工又は押出成形させ得る。
前述の有機錫安定剤組成物の何れかを使用する際の主
要な欠点はそれらが比較的高価なことである。重合体組
成物で用いた錫安定剤の量を低減させることは経済上有
益であり、使用者にとっては有意な程大きな経費節減と
なる。それ故、熱安定性の有意な程大きな減少を招くこ
となく、所与の樹脂組成物中に存在する錫安定剤の少な
くとも一部を余り高価でない材料と取替えるのが望まし
いものである。更には、安価な相乗作用のある補助安定
化用の化合物の添加により、余り有効でない有機錫又は
他の安定化用化合物の安定化特性を高めるのが望ましい
ものである。高められた温度でより長い処理期間を達成
するのも望ましく且つより高い温度で樹脂組成物を処理
できるのも望ましい。
ビニル重合体用の主要な安定剤として燐酸塩物質を使
用することは米国特許第2,218,645号明細書に開示され
ている。この米国特許が開示する処によれば、或る燐酸
塩又はホウ酸塩特に燐酸三ナトリウム又はホウ酸鉛を用
いてビニル重合体を安定化させ得る。得られる組成物は
若干の色改良を示すことが記載されている。
米国特許第2,868,765号明細書は水性塩化ビニル重合
混合物中に少量の燐酸塩を使用することに関する。重合
が生起する前に燐酸塩を水溶液に添加し、重合が完了し
た後に水洗により燐酸塩の大部分が除去される。次いで
かくして処理した重合体を他の熱安定化用化合物と組合
せる。
米国特許第4,345,040号及び第4,374,205号明細書は多
孔質の後塩素化塩化ビニル重合体の処理に燐酸の金属塩
を含有する水溶液を使用することに関する。この多孔質
重合体の水性処理では、水溶液中でなければならない燐
酸塩を吸収するのに十分な程該重合体が多孔質であるこ
とを必要とする。
発明の要約 本発明はハロゲン含有熱可能性重合体組成物の長期溶
融安定性を増大させる安定剤組成物であって、 a)1種又はそれ以上の主要な安定剤である金属含有化
合物と; b)無水の又は水和した燐酸−水素ナトリウム又はカリ
ウム、燐酸二水素リチウム又はアルカリ土類金属燐酸塩
よりなりしかもB.E.T.法で測定して少なくとも0.5m2/g
の比表面積(S.A.)を有する、微細に分割された、補助
安定化作用を有する燐酸塩物質; との混合物を含有してなる安定剤組成物を提供する。
本発明はまた本発明の安定剤と組合せたハロゲン含有
熱可塑性重合体を含有してなる熱安定化した組成物をも
包含する。更には、本発明は本発明の安定剤の添加によ
りかゝるハロゲン含有熱可塑性重合体を熱安定化させる
方法を提供する。
本発明の安定剤は変色の出現を出来るだけ長く遅延さ
せながら、高められた温度でポリ塩化ビニルの如きハロ
ゲン含有樹脂の粘度安定性を延長するものである。
更には、本発明により微細に分割された燐酸塩補助安
定剤を使用することによって、所与の程度の熱安定化を
達成するのに必要とされる量の高価な主要有機金属安定
剤を減少させ得る。しかも、燐酸塩補助安定剤は、余り
有効でない金属含有安定剤化合物の性能を改良でき、こ
れによってポリ塩化ビニル重合体樹脂の長期安定性を延
長するものである。
優秀な溶融安定化を示す好ましいハロゲン含有樹脂は
ポリ塩化ビニルであるが、他のポリビニルハライド重合
体、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、ジアルキ
ル フマレート又はマレエート又はモノオレフィン酸の
他のアルキルエステルとの共重合体並びにビニルハライ
ド重合体と他の熱可塑性樹脂との混合物及びアロイも意
図される。用いるポリビニルハライド重合体は通常好ま
しくは塩化物であるが、臭化物又はフッ化物の如き他の
ハライドも使用できる。塩素化ポリ塩化ビニル及びハロ
ゲン化ポリオレフィンも包含される。
一般に、本発明により安定化し得るビニルハライド重
合体組成物は、ビニルハライド単量体の単重合体、ブロ
ック及びグラフト共重合体を含めてビニルハライド単量
体と他の単量体との共重合体及びビニルハライド単量体
と他の重合体とのアロイ、配合物及び混合物である。ビ
ニルハライド重合体は押出し、射出成形及び吹込成形用
に配合でき、しかも繊維品、羽目、窓用材料、フィル
ム、管体、エルボ及び他の管継手及びボルトの如き最終
製品に形成できる。ビニルハライド重合体は染料、顔
料、防炎剤、潤滑剤、耐衝撃性改良剤及び加工助剤の如
き他の成分と混合でき、しかも他の添加剤と混合して加
熱、老化、露光又は自然暴露によって生起される変色又
は劣化を防止、低減又は遮蔽できる。
本発明の熱可塑性重合体組成物は1種又はそれ以上の
ハロゲン含有重合体と主要な安定剤として金属含有化合
物例えば金属石ケン、有機金属化合物又はこれの誘導体
又は混合物とを含有してなる。この組成物に対して、燐
酸−水素ナトリウム(燐酸二ナトリウム即ちDSPとして
も知られる)、燐酸−水素カリウム、燐酸二水素リチウ
ム及びアルカリ金属ピロ燐酸塩よりなる群から選んだ微
細に分割した粉末形のアルカリ金属燐酸塩を添加する。
本発明で使用するのに好ましい燐酸塩は無水のDSPであ
る。微細に分割した燐酸塩を添加することによって得ら
れるビニル樹脂組成物の長期熱安定性が改良される。
本発明により「微細に分割した」なる定義であるため
には、燐酸塩物質が以下に詳述した周知のB.E.T.理論を
用いて説明した如く少なくとも0.5m2/gの比表面積を特
徴とするものである。燐酸塩物質が1.1m2/gより大きい
B.E.T.法で測定した表面積を有する時、特に無水のDSP
を使用した時に、特に高い性能向上が見られる。
粉末化した固体の有効表面積を測定するためのB.E.T.
法は試料上に単分子層として吸着するガス量を測定する
ことである〔Perry及びChiltonのChemical Engineers'
Handbook 第5版、8〜7頁(1973)参照〕。B.E.T.の
理論はBrunauer,Emmett及びTellerによりJ.Am.Chem.So
c.60巻、309頁(1938)に説明されている。ガス分子の
完全な単層で粉末を被覆するのに必要なガス量を測定す
るならば、その時は粉末の表面積はガス分子の断面積を
用いて計算できる。ガス吸着技術によって測定した粉末
の表面積は化学反応で利用される表面積に直接関連して
いる。この吸着は吸着質の沸点で又は沸点近くで行な
う。粉末固体は試験前に何れかの揮発性物質を完全に脱
着すべきである。本明細書の実施例について表面積の全
ての測定は吸着質として窒素ガスを用いてしかも一点測
定技術を用いて粉末工学のフロウソルブ(Flowsorb)II
2300装置上で行なった。かゝる測定の精度は約±3%
である。
発明の詳細な記載 本発明は次の成分即ち; a) 1種又はそれ以上の主要な安定剤である金属含有
化合物と、 b) 無水の又は水和した燐酸−水素ナトリウム又はカ
リウム、燐酸二水素リチウム又はアルカリ土類金属燐酸
塩よりなる、微細に分割された補助安定化作用を有する
燐酸塩物質 との混合物よりなる、ハロゲン含有熱可塑性重合体組成
物の長期溶融安定性を増大させる安定剤組成物を提供す
る。微細に分割された燐酸塩物質はB.E.T.法で測定して
少なくとも0.5m2/g、好ましくは少なくとも1.1m2/gの比
表面積を有することを特徴としている。
前記の金属含有安定剤成分は単一の化合物であるか又
は複数化合物の組合せであり得る。金属含有安定剤成分
は一般に重合体樹脂の100部当り約0.1〜8部(PHR)の
量で存在するものである。錫安定剤は0.1〜3PHRで与え
るのが好ましく;然るに鉛安定剤は典型的には2〜5PHR
程の高い使用量で用いる。
本発明の安定化作用を有する組成物は約5〜95%の主
要な安定剤と約5〜95%の燐酸塩補助安定剤とを含有し
てなるのが好ましい。安定化用組成物は0.1〜10PHRの濃
度で用いるのが好ましい。
金属含有の主要な安定剤と燐酸塩補助安定剤とを互い
に混合して安定化用組成物を形成でき、あるいはこれら
を重合体組成物に個々に添加できる。予備混合した時に
は、安定剤組成物は自由流動性粉末の形であるのが好ま
しい。個々に添加した時には、微細に分割した燐酸塩は
自由流動性粉末の形であるのが好ましいが、主要な安定
剤は固体又は液体の形であり得る。
本発明はまた本発明の安定剤と組合せたハロゲン含有
熱可塑性重合体を含有する熱安定化済み組成物をも包含
する。更に本発明は本発明の安定剤の添加により熱の影
響を受けないようにハロゲン含有熱可塑性重合体を安定
化する方法を提供する。
適当な重合体基材 一般に、安定剤はビニルハライド重合体に対して使用
され、ビニルハライド重合体なる用語はビニルハライド
単重合体、ビニルハライド共重合体及び前記の単重合体
又は共重合体を含有する重合体混合物を包含する。本発
明の実施に使用できるビニルハライド単重合体、ビニル
ハライド共重合体及びビニルハライド単重合体又はビニ
ルハライド共重合体を含有する重合体混合物として、例
えば次の例を挙げ得る。
(1) ポリ塩化ビニル、後塩素化ポリ塩化ビニル及び
他の後ハロゲン化重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリ臭
化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン; (2) 塩化ビニルと共重合可能なエチレン系不飽和単
量体との共重合体;不飽和単量体は例えば塩化ビニリデ
ン、ビニルアセテート、ビニルブチレート、ビニルベン
ゾエート、ジエチルフマレート、ビニルプロピオネー
ト、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、ブチルアクリレート、エチルアクリレート及び他
のアルキルアクリレート、メチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシ
エチルメタクリレート及び他のアルキルメタクリレー
ト、メチルα−クロルアクリレート、スチレン、ビニル
エーテル例えばビニルエチルエーテル、ビニルクロルエ
チルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルケトン
例えばビニルメチルケトン、ビニルフェニルケトン、1
−フルオル−1−クロル−エチレン、アクリロニトリ
ル、クロルアクリロニトリル、アリリデンジアセテー
ト、クロルアリリデンジアセテート、エチレン及びプロ
ピレンである;及び (3) 重合体混合物例えば ポリ塩化ビニルとポリエチレン、 ポリ塩化ビニルとポリメチルメタクリレート、 ポリ塩化ビニルとポリブチルメタクリレート、 ポリ塩化ビニルとポリスチレン、 ポリ塩化ビニルとアクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体、 及び ポリ塩化ビニルとポリメチルメタクリレートとの重合
体混合物。
本発明で使用できる代表的なビニルハライド共重合体
には、 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、 塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、 塩化ビニル−ジエチルフマレート共重合体、 塩化ビニル−トリクロルエチレン共重合体及び 塩化ビニル−2−エチルヘキシアクリレート共重合体 がある。
本発明の実施に使用できる重合体混合物は少なくとも
2種の相異なる重合体の物理的混合物よりなり、25〜95
重量%のビニルハライド単重合体又はビニルハライド共
重合体を含有する。本発明の実施に使用できるビニルハ
ライド共重合体は25〜95重量%のビニルハライド単位を
含有する共重合体である。
本発明の利点は硬質及び軟質ハロゲン含有重合体の両
方に適用される。
金属含有の主要な安定剤 本発明の範囲内で有用な金属含有の主要な安定剤化合
物は、ポリ塩化ビニルの安定剤として用いた周知の広く
記載された化合物及び化合物の混合物を包含する。これ
らの主要な安定剤は金属含有化合物(但し金属はリチウ
ム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウ
ム、亜鉛、ストロンチウム、カドミウム、バリウム、マ
ンガン、鉄、コバルト、チタン、アルミニウム、錫、
鉛、ビスマス又はアンチモンである)又はかゝる金属含
有化合物の2種又はそれ以上の混合物から選択できる。
ポリ塩化ビニル(PVC)安定剤としてこれらの金属含有
化合物の多数の使用は英国特許第1,001,344号明細書及
びRobert G.Weilerによる文献「軟質ビニルの熱安定剤
としての珍しい金属」“Uncommon Metals as Heat Stab
ilizers for Flexible Vinyl" 534〜537頁、28巻、技術
論文Plastics Engineers社(1982)に記載されており、
その教示をこゝに参照する。
ビニルハライド重合体用の安定剤として硫黄含有アン
チモン化合物の使用は米国特許第4,029,618号明細書に
記載されており;その開示をこゝに参照する。
有機錫化合物はビニルハライド重合体用の特に周知の
広く使用される種類の錫含有安定剤を表わす。有用な有
機錫化合物の種類内には、各々の錫原子が少なくとも1
個の錫−炭素直接結合を有する1個又はそれ以上の4価
の錫原子を含有する有機錫化合物がある。かゝる化合物
は多数の米国特許及び他の文献に記載されている。
別の重要で広く用いられる種類の錫含有安定剤は、各
々の錫原子が少なくとも1個の錫−硫黄又は錫−酸素直
接結合を有する即ち次の基: 又は を含有する1個又はそれ以上の4価の錫原子を含有する
化合物である。
錫−硫黄結合を有するかゝる化合物の例は米国特許第
3,764,571号明細書に記載されており、錫−酸素結合を
有するかゝる化合物の例は米国特許第3,167,527号明細
書に記載されている。
錫化合物は単独で又は組合せて使用でき、米国特許第
3,674,737号明細書に記載の如くその場で反応する混合
物の形で、米国特許第4,255,320号明細書に記載の如く
混合物の形で及び米国特許第4,576,984号明細書に記載
の如く配合物として使用できる。
更には、前記した錫化合物、混合物、配合物等は米国
特許第3,715,333号明細書に開示される如く有機錫ハラ
イドと組合せて使用できる。
本明細書で有用な金属含有安定剤は、ビニルハライド
重合体を加工温度に加熱した時に発生するハロゲン化水
素の生成を防止するか又はこれと反応して中和する能力
を該安定剤が有する故に周知である。重合連鎖からハロ
ゲン化水素が徐々に取出される(ジッパー開放反応)
と、ポリエン連鎖を生成し、このポリエン連鎖は、重合
体の加熱中に生起する粘度変化及び変色に少なくとも部
分的には原因となると考えられる。
前述した如く、これらの慣用の周知のビニルハライド
重合体用の金属含有熱安定剤は、元素の周期律表の第II
A族及び第II B族の元素の化合物並びに錫、鉛、ビスマ
ス及びアンチモンの化合物を包含する。塩化ビニル重合
体用の慣用の周知の熱安定剤は、こゝに参照したL.I.Na
ss編のThe Encyclopedia of PVC第9章(1976)にも論
じられている。
特に有効である金属含有化合物の1種は有機錫化合物
である。有機錫化合物は1個又はそれ以上の4価の錫原
子を含有する化合物であり、該錫原子の各々は少なくと
も1個の錫−炭素直接結合を有し、錫原子の残りの原子
価はハロゲン、酸素又は硫黄への結合により満たされて
いる。かゝる有機錫化合物の例としては、 1)カルボン酸、ジカルボン酸のモノエステル、アルコ
ール又はポリオールの酸素原子から水素原子の除去;又
は 2)メルカプタン、メルカプト酸、メルカプト酸、メル
カプトアルコール、メルカプト酸エステル又はメルカプ
トアルコールエステルの硫黄原子から水素原子の除去 で得られる残基への結合がある。
この種の周知の有機錫化合物は各々の錫原子が少なく
とも1個の錫−硫黄又は錫−酸素直接結合を有する1個
又はそれ以上の4価の錫原子を有する化合物であり、し
かも有機錫オキシド、スルフィド、アルコキシド、カル
ボキシレート、メルカプチド、メルカプト酸の誘導体、
メルカプトアルコールの誘導体及びメルカプト酸及びメ
ルカプトアルコールエステルが包含される。これらの有
機錫化合物は次式: (R4SnZ1.5 (R42SnZ (R4aSn(OOCR54-a (R4aSn(SR64-a [R4SnSR6(Z′ [(R42SnSR62Z′ [(R4aSn](OOCR5COO)4-a [(R4aSn](ZR9Z)4-a [(R4aSn](ZR9COO)4-a 〔式中 aは1又は2であり; xは3〜20の整数であり; Zは酸素及び/又は硫黄であり; Z′は酸素及び/又は硫黄であり; bはZ′が硫黄である時は1〜4の整数であり; Z′が酸素である時は1であり; R4,R5及びR6は各々個々に置換又は非置換ハイドロカル
ビル基であり、R6は更に−R7−COOR8又は−R9−OOCR
8(但しR7はC1〜C20アルキレン基である)であることが
でき 又はR6はHであることができ; R8はハイドロカルビル基であり; R9はC2〜C20アルキレン基である〕 によって表わすことができる。
1つの具体例では、金属含有化合物はモノオルガノ錫
トリハライド、ジオルガノ錫ジハライド又はこれの混合
物と、アルカリ金属スルフィド及びモノカルボン酸、ポ
リカルボン酸、メルカプタン、メルカプト酸、メルカプ
トアルコール、メルカプト酸エステル又はメルカプトア
ルコールエステルの1種又はそれ以上との反応生成物で
ある。
使用される代表的な錫化合物には次のものがある。
ジブチル錫マレエート ジブチル錫ジ(ステアリルマレエート) モノブチル錫(イソオクチルメルカプトアセテート)
スルフィド モノブチル錫(ドデシルメルカプチド)スルフィド モノブチル錫(メルカプトエチルオレエート)スルフ
ィド モノブチル錫トリメルカプトエチルオレエート モノブチル錫トリ(ヒドロキシエチルメルカプチド)
スルフィド モノブチル錫(メルカプトエチルオレエート)スルフ
ィド 及び次式; 〔式中A及びA1は1〜12個の炭素原子のアルキル例えば
メチル、ブチル及びオクチル基であり; A2,A3,A4及びA5は低級アルキレン例えばエチレン基で
あり;しかも D,D1,D2及びD3は各々個々にOH, (C8〜C20アルキル)、(C6〜C18)アルキル又は (C6〜C20アルキル)であるか、あるいはD及びD1又はD
2及びD3は一緒になって基; (但しmは1〜8の数である)を形成できる〕の硫黄架
橋化合物。
ビニルハライド樹脂を安定化させるのに優れた結果は
錫を基剤とする安定剤以外の安定剤を使用した時に得ら
れる。アルカリ金属(ナトリウム、カリウム)、アルカ
リ土類金属(マグネシウム、カルシウム、バリウム)及
び他の金属例えば亜鉛、第1錫、鉛、アンチモン又はこ
れの混合物から誘導されあるいは種々の他の添加剤をも
用いた金属含有化合物の如き化合物系が特に適当であ
る。これらの添加剤は特にβ−ジケトン、例えばエポキ
シ化した大豆油の如きエポキシド、ホスファイト、ホス
ホネート、トリフェニルホスファイト及び抗酸化剤例え
ばt−ブチルカテコール及び他の化合物であり得る。即
ち、フェノール、芳香族カルボン酸、脂肪酸又はエポキ
シ脂肪酸のバリウム、ストロンチウム、カルシウム、カ
ドミウム、亜鉛、鉛、錫、マグネシウム、コバルト、ニ
ッケル、チタン及びアルミニウム塩を使用できる。
適当な金属塩の例にはバリウム ジ(ノニルフェノレ
ート)、ストロンチウム ジ(ノニルフェノレート)、
ストロンチウム ジ(アミルフェノレート)、バリウム
ジ(オクチルフェノレート)、ストロンチウム ジ
(オクチルフェノレート)、バリウム ジ(ノニル−O
−クレゾレート)、鉛 ジ(オクチルフェノレート)、
カドミウム−2−エトキシヘキソエート、カドミウム
ラウレート、カドミウムステアレート、亜鉛カプリレー
ト、カドミウムカプレート、バリウムステアレート、バ
リウム−2−エチルヘキソエート、バリウムラウレー
ト、バリウムリシノレート、鉛ステアレート、アルミニ
ウムステアレート、マグネシウムステアレート、カルシ
ウムオクトエート、カルシウムステアレート、カドミウ
ムナフテネート、カドミウムベンゾエート、カドミウム
p−t−ブチルベンゾエート、バリウムオクチルサリチ
レート、カドミウムエポキシステアレート、ストロンチ
ウムエポキシステアレート、大豆油のエポキシ化酸のカ
ドミウム塩及び鉛エポキシステアレートがある。
金属含有化合物はカルボン酸、フェノール、硫酸又は
燐酸のバリウム、カルシウム、鉛、マグネシウム、カリ
ウム、錫(Sn++を含む)又は亜鉛塩であり得る。アルカ
リ又はアルカリ土類金属及び/又は亜鉛を用いる時に
は、特に適当である金属誘導体はカルボキシレートであ
る。ラウレート、ステアレート、ベンゾエート、カプロ
エート、カプリレート、2−エチルヘキソエート、ナフ
テネート、ネオアルカノエート及びオレエートを参照で
きるが、これには限定されない。しかしながら、炭酸
塩、酸化物及び硫酸塩の如き或る多数の誘導体も有利に
使用できる。
アンチモンを該金属として選ぶ時には、メルカプトエ
ステルをアンチモントリメルカプチドと組合せて用いる
と有用な結果が得られ、これらのトリメルカプチドは脂
肪族メルカプタン、メルカプト酸のエステル又はメルカ
プトアルコールのエステルから誘導されるのが望まし
い。
アルカリ金属燐酸塩化合物 本発明で用いた微細に分割されたアルカリ金属燐酸塩
物質は無水の又は含水燐酸−水素ナトリウム又はカリウ
ム、燐酸二水素リチウム又はアルカリ金属ピロ燐酸塩の
1種又はそれ以上よりなるが、特に無水の形の燐酸−水
素ナトリウム(DSP)が好ましい。本発明による微細に
分割された燐酸塩物質はB.E.T.法で測定して約0.5m2/g
以上、好ましくは約1.1m2/g以上の比表面積を特徴とす
る。このましいDSP物質は優れた補助安定化を提供する
のみならず、比較的に低経費で容易に入手しうるもので
ある。
更に詳しく言えば、適当な形のDSPは無水のNa2HPO4
び水和したNa2HPO4・2H2O,Na2HPO4・7H2O及びNa2HPO4
12H2O,である。別の群のアルカリ金属燐酸塩は燐酸−水
素二カリウム(K2HPO4)及び燐酸二水素リチウム(LiH2
PO4)である。各々のアルカリ金属燐酸塩は、選択した
金属含有安定剤に添加した時には補助安定剤として作用
する。Na4P2O7,Na4P2O7・10H2O又はK4P2O7の如きアルカ
リ金属ピロ燐酸塩も金属含有安定剤に添加した時には相
乗的な特性をも示す。
金属含有の主要な安定剤化合物の1種又はそれ以上にこ
れらのアルカリ金属水素燐酸塩又はアルカリ金属ピロ燐
酸塩の1種又はそれ以上を添加すると、ビニルハライド
重合体に付与される安定化の程度をかなり改良する。更
には、所望ならば燐酸塩化合物は、ビニルハライド重合
体に付与される長期熱安定性の程度を有意な程に大きく
減少させることなく金属含有の主要な安定剤の一部の代
りに使用できる。実際上、2種の主要成分の得られる組
合せによって、金属含有の主要な安定剤化合物それ自体
よりも向上した効果とより大きな安定化とを示す安定剤
が製造される。それ故、前記した如く燐酸塩を利用して
所与の程度の安定化を付与するのに必要とされる金属含
有安定剤(例えば錫化合物)の濃度を有意な程に減少さ
せ得る。
燐酸塩補助安定剤の使用によって全体の安定化に有意
な程の改良をさえ提供させ得る。例えば、本発明は重合
体溶融物に添加した錫メルカプチド熱安定剤の量を減少
させ得る。錫メルカプチドの濃度の低下は、向上した耐
候性を有する生成物を生ずる。
通常の量の余り有効でない錫安定剤化合物に本発明の
微細に分割された燐酸塩補助安定剤を種々の量で添加す
ると、種々の二次成形処理に更に長期の安定性を提供す
る。かゝる追加量の補助安定剤によってハロゲン含有重
合体の熱安定性の延長した溶融粘度時間が提供される。
本発明のアルカリ金属燐酸塩補助安定剤はハロゲン含
有重合体用の向上した溶融粘度安定化を提供する。この
向上はビニルハライド重合体組成物が、従来可能であっ
たよりも長期間高められた温度で保持できることを意味
する。またこの向上は重合体組成物が従来可能であった
よりも高い加工処理温度にかけることができることを意
味する。熱可塑性重合体組成物の粘度は温度が上昇する
につれて減少するので、より高い溶融温度はより迅速な
加工処理と作業周期時間とを可能とする。即ち本発明は
射出成形及び押出処理により大きな生産率を与える。
本発明はまた熱可塑性樹脂の二次加工操作で生じたス
クラップを再循環するのと関連して有意な程の経済性を
与える。スクラップ例えばランナー及び不良部分を高め
られた温度に暴露した故に、新しい材料と組合せ得る再
粉砕スクラップの量を考慮する制限があり;この数値は
通常20%以下である。こゝに記載したアルカリ金属燐酸
塩によってハロゲン含有樹脂に与えられた、熱で誘起さ
れる劣化に対する耐性がより大きい故に、再循環材料の
量は100%であることができ、即ち不良部分、ランナ
ー、フラッシング等を再粉砕できしかも押出及び射出成
形用に全て再循環できる。
アルカリ土類金属燐酸塩及びこれらのピロ燐酸塩同族
体の使用も意図される。Ca(H2PO42,Ca2P2O7,Mg3(PO
4・8H2O及びそれらの含水又は無水同族体の如きこ
れらの化合物は、選択した金属含有安定剤に添加した時
には有効な補助安定剤として作用することが見出され
た。アルカリ土類金属燐酸塩の使用は所望の結果を示す
ため次の実施例の若干に示してある。
差動走査熱量法(DSC)は、状態、化学組成又は分子
活性の変化による温度の関数としてエンタルピーの変化
を測定する。無水の燐酸−水素二ナトリウムによって示
された吸熱は原料及び乾燥形態に応じて変化する。ポリ
塩化ビニル組成物等が受け得る温度は剪断下で大体210
℃である。重合体の処理温度以上の転移温度を有するア
ルカリ金属−水素燐酸塩はきわめて有効な補助安定剤と
して作用する。
多数の用途については、わずかな程度の変色が尚存在
でき、かゝる変色は化合物系の調色(color control)
を高め且つ維持するのに作用する着色添加剤を少量添加
することにより処理できる。
α−フェニルインドール、ジヒドロピリジン、ベンゾ
イルステアリルメタン、チオジグリコール−ビス−β−
アミノクロトネート、ハイドロタルク石(マグネシウム
アルミニウム ヒドロキシ カーボネート)、メルカ
プタン、メルカプトエステル又はチオボレートの如き種
々の調色添加剤が、相乗作用のある補助安定剤化合物と
共に良好な着色を促進するのに適当である。
一般に、調着添加剤は周知でありしかも多数の米国特
許において硫黄又はメルカプタン含有安定剤化合物用の
ブースターとして記載されている。
更に、有機チオ無水物は調色添加剤として成功裡に使
用されていた。テルペン類もまた調色添加剤として使用
できる。
実施例 次の実施例は本発明の好ましい具体例を例証するもの
であり、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきでは
ない。部及び%は但し書きがなければ全て重量部及び重
量%である。
加工法 次の例は、次の如く高強度の配合機、特にヘンシェル
(Henschell)ミキサーを用いてビニルハライドの安定
化重合体を加工することにより準備した: 1.ビニルハライド重合体樹脂を配合機に装填する。
2.混合を開始した後に出来るだけ早く、安定剤を配合機
に添加する。
3.温度を65℃に昇温させる。
4.潤滑剤、ワックス、充填剤を添加する。温度を100℃
に昇温させる。
5.100℃でTiO2(組成物中で必要とされるならば)を添
加し、30秒間混合する。
6.バッチ分を撹拌した冷却機に投棄し、室温にまで戻さ
せる。
次の例においては、安定性期間を測定するためのブラ
ベンダーの如き溶融流動計装置を利用する基本的な方法
は次の如くである。
1.溶融流動計を清浄化し且つ予定の試験温度(典型的に
は190〜210℃)に予熱し、そして回転羽根の速度をセッ
トする(典型的には60RPM)。
2.粉末装填シュートに62.0gの供試PVC粉末配合物を添加
し、装填用ピストン及び錘りを取付けて粉末を回転羽根
中に押送し、可塑化(溶融)を促進する。
3.トルク曲線で示される可塑化が完了した時に、装填用
シュート、ピストン及び錘りを取去り、浮動錘りと交代
させる。
4.必要とされるならば、1分で回転羽根の速度を増大さ
せる(典型的には120RPMまで)。
5.トルク曲線の方向に明らかな上向きの変化があるまで
(少なくとも250m−g)バッチ分を混合する。
6.回転羽根を停止し、混合ヘッドを分解し、配合室から
高温バッチ分を取出し、掃除作業を開始して次のバッチ
分の支度をする。
実施例 1 次の諸成分を含有してなる熱可塑性組成物を調製し
た: 成 分 ポリ塩化ビニル重合体 100.0 脂肪酸の複合エステル(潤滑剤) 1.2 ステアリン酸カルシウム(潤滑剤) 0.5 二酸化チタン(顔料) 1.0 炭酸カルシウム(充填剤) 4.0 この組成物に次の安定剤及び/又は補助(共)安定剤
を添加した:操 業 安定剤 A. 1.05部のBT1 B. 1.2部のT2 C. 0.83部のDSP+1.2部のT2 D. 1.3部のT3 E. 0.83部のDSP+1.3部のT3 F. 0.60部のT4 G. 0.83部のDSP+0.60部のT4 H. 0.81部のエステル錫 I. 0.83部のDSP+0.81部のエステル錫 DSP=Na2HPO4(無水) B.E.T.比表面積1.10m2/g Na2HPO4・7H2O及びNa2HPO4・2H2Oを無水形に乾燥させて
から添加した無水粉末形 BT1=25%のメチル錫(IOMA)+75%のジメチル錫(I
OMA) T2=(C8H17)Sn(SCH2COOC8H17 T3=73%の(C8H172Sn(SCH2COOC8H17+ 27%の(C8H172Sn(SCH2COOC8H17 T4=(C4H92Sn(OOCC11H23 エステル錫=(C4H9OOCCH2CH22Sn(SCH2COOC8H17 IOMA=イソオクチル メルカプトアセテート 結果 ブラベンダー安定性 T=205℃ 60RPM(最初の1分)は120RPM(終了まで)
に増大させた操 業 時間(分) 向上率(%) A. 7.2 …… B. 7.2 …… C. 10.3 43.1 D. 7.7 …… E. 10.7 39.0 F. 3.5 …… G. 4.0 14.3 H. 6.3 …… I. 9.5 49.2 実験結果から見られる如く、全ての場合に無機燐酸塩
を添加すると重合体組成物の安定性期間を有意な程度に
延長させるものである。
前記の実験において、操業Aはメチル錫安定剤によっ
て達成された安定化を表わすことが見られ;操業B及び
Dは同じ効果が20%以上のジオクチル錫安定剤によって
且つ30%以上の混合したモノ−及びジオクチル錫安定剤
によって達成できることを示している。操業C及びEに
よって示された性能向上から、DSPを用いると、メチル
錫安定剤と同等な性能を達成するのに必要とされるオク
チル錫安定剤の量を減少させ得ることは明らかである。
実施例 2 次の諸成分よりなる熱可塑性組成物を調製した: 成 分 ポリ塩化ビニル重合体 100.0 耐衝撃性改良剤 5.0 加工助剤 1.0 潤滑剤(2種の型式) 0.63 ステアルアミドワックス 0.75 この組成物に次の安定剤及び/又は補助安定剤を添加
した:操 業 安定剤 A. 2.5部のT5 B. 2.5部のT5+1.0部のNa2HPO4 C. 2.5部のT6 D. 2.5部のT6+1.0部のNa2HPO4 E. 2.5部のT4 F. 2.5部のT4+1.0部のNa2HPO4 T5=ジブチル錫(IOMA) T6 =60.8%のジブチル錫ビス(ステアリルマレエート) +36.3%のジブチル錫マレエート+2.9%の抗酸化剤 T4=ジブチル錫ジラウレート 結果 ブラベンダー安定性 T=190℃ 75RPM操 業 時間(分) 向上率(%) A. 13.2 …… B. 17.8 34.8 C. 11.6 …… D. 17.4 50.0 E. 5.9 …… F. 10.8 83.1 実験結果から見られる如く、全ての場合に無機の燐酸
塩を添加すると重合体組成物の安定性期間を有意な程度
まで延長させる。実施例2で用いたDSPの表面積は1.29m
2/gであった。本例の操業A及びBはDSPで達成し得るジ
ブチル錫ビス−IOMAの性能向上を例証しており、操業C
及びD、及びE及びFはDSPが硫黄を含有しないオルガ
ノ錫安定剤に与える向上を例証している。
実施例 3 次の諸成分を含有する熱可塑性組成物を調製した: 成 分 ポリ塩化ビニル重合体 100.0 耐衝撃性改良剤 5.0 パラフィンワックス 0.8 加工助剤 1.0 潤滑剤 2.0 二酸化チタン(顔料) 12.0 この組成物に次の安定剤及び/又は補助安定剤を添加
した:操 業 安定剤 A. 2.5部のT6 B. 2.5部のT6+1.0部のNa2HPO4 (表面積S.A.=1.74m2/g) C. 2.5部のT4 D. 2.5部のT4+1.0部のNa2HPO4 (表面積S.A.=1.29m2/g) T6 =60.8%のジブチル錫ビス(ステアリルマレエート) +36.3%のジブチル錫マレエート+2.9%の抗酸化剤 T4=ジブチル錫ジラウレート 結果 ブラベンダー安定性 T=190℃ 75RPM操 業 時間(分) 向上率(%) A. 12.9 …… B. 16.0 24.0 C. 14.6 …… D. 20.6 47.6 実験結果から見られる如く、全ての場合に無機燐酸塩
を添加すると重合体組成物の安定性期間を有意な程度に
まで延長させる。
実施例 4 次の成分を含有する熱可塑性組成物を調製した: 成 分 ポリ塩化ビニル重合体 100.0 二酸化チタン(顔料) 12.0 耐衝撃性改良剤 5.0 パラフィンワックス 0.8 加工助剤 1.0 ステアリン酸カルシウム 2.0 チオ増量剤(チオボレート) 0.1 この組成物に次の安定剤及び/又は補助安定剤を添加
した:操 業 安定剤 A. 0.8部のT2 B. 0.8部のT2+0.8部のNa2HPO4 C. 1.0部のT7 D. 1.0部のT7+0.8部のNa2HPO4 T2=ジオクチル錫ビス(IOMA) 結果 ブラベンダー安定性 T=190℃ 75RPM操 業 時間(分) 向上率(%) A. 11.3 …… B. 13.7 21.1 C. 14.1 …… D. 18.4 30.5 実験結果から見られる如く、全ての場合において無機
燐酸塩を添加すると重合体組成物の安定性期間を有意な
程度に延長させる。実施例4で用いたNa2HPO4について
B.E.T.法で測定した表面積は1.76m2/gであった。
実施例 5 見出された別の新規な現象は補助安定剤の表面積と安
定化した重合体の溶融安定性時間の増大との間の直接的
な相関関係である。
低い表面積(0.5m2/g以下)を有する燐酸−水素二ナ
トリウム(無水)は錫メルカプチドに対して相乗的な挙
動を示さない。しかしながら燐酸塩の表面積は水和及び
次後の脱水により有効な程度まで増大させ得ることが見
出された。
40gの燐酸−水素二ナトリウム(B.E.T.表面積=0.47m
2/g)を66.6mlの水でスラリー化させて水に入れた燐酸
−水素二ナトリウムの60%溶液を形成した。該スラリー
を20分間迅速に撹拌し次いで回転蒸発により水を追出し
た。水の除去条件は次の通りである: (I)25℃、40分間25トル (II)71℃に昇温させた温度、240分間25トル。
乾燥操作中は、フラスコの内容物をきわめてゆっくり
転動させた。得られるNa2HPO4は2.2m2/gの表面積を有し
た。
この燐酸塩の性能評価は次の組成物中で仕上げた: 成 分 ポリ塩化ビニル重合体 100.0 脂肪酸のエステル 1.5 ステアリン酸カルシウム 0.3 二酸化チタン 1.0 炭酸カルシウム 3.0 試験は次のブラベンダー流動計条件下で実施した: T=205℃,60RPM(最初の1分)、120RPMに増大させ
た(終了まで)操 業 安定剤 A. 0.7部のオルガノ錫(単独) B. 0.7部のオルガノ錫+ 0.8部のNa2HPO4(水和/脱水前) S.A.=0.47m2/g C. 0.7部のオルガノ錫+ 0.8部のNa2HPO4(水和/脱水後) S.A.=2.2m2/g 結果操 業 時間(分) 向上率(%) A. 8.8 …… B. 9.3 5.7 C. 14.3 62.5 結果として、最初から存在するかあるいは水和/脱水
によって生成されたかに拘らず高い表面積を有する本発
明の相乗安定剤は顕著な結果を示すことが見られる。
実施例 6 次の諸成分を含有する熱可塑性組成物を調製した: 成 分 ポリ塩化ビニル重合体 100.0 脂肪酸の複合エステル(潤滑剤) 1.2 ステアリン酸カルシウム(潤滑剤) 0.5 二酸化チタン(顔料) 1.0 炭酸カルシウム(充填剤) 4.0 本例では、使用した硬質の塩化ビニル重合体は商標名
「ゼオン(GEON)86」で市販されている。熱可塑性組成
物に次の諸成分を有する相乗的な補助安定剤組成物を添
加した。操 業 安定剤 A. 1.0部の安定剤A B. 1.0部の安定剤A+ 2.0部のNa2HPO4・7H2O C. 1.0部の安定剤A+ 1.3部のNa2HPO4・2H2O 安定剤A=〔80%のBT2+20%の溶剤〕 BT2=〔67%のBu2Sn(IOMA)+27%の(BuSnS)2S+
6%の鉱油〕 IOMA=イソオクチル メルカプトアセテート 結果 ブラベンダー安定性 T=205℃ 60RPM(最初の1分) 120RPMに増大させた(終了まで)操 業 時間(分) 向上率(%) A. 11.0 …… B. 17.0 54.5 C. 12.1 10.0 無機の燐酸塩(表面積1.29m2/g)は微細に分割した粉
砕粉末として添加でき、あるいは他の固体又は液体添加
剤と一緒に混合できる。錫と無機燐酸塩とを含有する組
成物は自由流動性の粉末である。液体の錫組成物は無機
の燐酸塩粉末によって吸収させることができしかもかゝ
る組成物を利用でき;あるいは無機の燐酸塩を充填剤上
でスラリー化させ次いで乾燥し、添加剤として使用でき
る。
実験結果から見られる如く、全ての場合に無機燐酸塩
を添加すると重合体組成物の安定性期間を有意な程度ま
で延長させる。
実施例 7 次の諸成分を含有する熱可塑性組成物を調製した: 成 分 ポリ塩化ビニル重合体 100.0 脂肪酸の複合エステル(潤滑剤) 1.2 ステアリン酸カルシウム(潤滑剤) 0.5 二酸化チタン(顔料) 1.0 炭酸カルシウム(充填剤) 4.0 本例では、用いた硬質の塩化ビニル重合体は商標名
「ゼオン86」で市販されている。熱可塑性組成物に次の
成分を含有する相乗的な補助安定剤組成物を添加した:操 業 安定剤 A. 1.0部の安定剤A B. 1.3部のK2HPO4+1.0部の安定剤A C. 1.5部のMg3(PO4・8H2O+ 1.0部の安定剤A 安定剤A=〔80%のBT2+20%の溶剤〕 BT2=〔67%のBu2Sn(IOMA)+27%の(BuSnS)2S+
6%の鉱油〕 結果 ブラベンダー安定性 T=205℃ 60RPM(最初の1分) 120RPMに増大させた(最後まで)操 業 時間(分) 向上率(%) A. 8.9 …… B. 14.3 60.7 C. 10.0 12.4 実験結果から明らかな如く、全ての場合に無機の燐酸
塩(表面積1.29m2/g)を添加すると重合体組成物の安定
性期間を有意な程度にまで延長させる。燐酸水素二カリ
ウムはこの点で特に有効であることも見出された。
実施例 8 次の諸成分を含有する熱可塑性組成物を調製した: 成 分 ポリ塩化ビニル重合体 100.0 脂肪酸の複合エステル(潤滑剤) 1.2 ステアリン酸カルシウム(潤滑剤) 0.5 二酸化チタン(顔料) 1.0 炭酸カルシウム(充填剤) 4.0 本例では、用いた硬質の塩化ビニル重合体は商標名
「ゼオン86」で市販されている。熱可塑性組成物に次の
成分を含む相乗的な補助安定剤組成物を添加した:操 業 安定剤 A. 1.0部の安定剤A B. 0.38部のLiH2PO4+1.0部の安定剤A C. 0.69部のMg(H2PO4+ 1.0部の安定剤A 安定剤A=〔80%のBT2+20%の溶剤〕 BT2=〔67%のBu2Sn(IOMA)+27%の(BuSnS)2S+
6%の鉱油〕 結果 ブラベンダー安定性 T=205℃ 60RPM(最初の1分) 120RPMまで増大させた(終了まで)操 業 時間(分) 向上率(%) A. 10.2 …… B. 14.2 39.2 C. 11.3 8.8 実験結果から見られる如く、全ての場合に無機の燐酸
塩(表面積1.29m2/g)を添加すると重合体組成物の安定
性期間を有意な程度まで延長させる。リチウム塩の作用
は特に顕著である。
実施例 9 次の成分を含有する熱可塑性組成物を調製した: 成 分 ポリ塩化ビニル重合体 100.0 脂肪酸の複合エステル(潤滑剤) 1.2 ステアリン酸カルシウム(潤滑剤) 0.5 二酸化チタン(顔料) 1.0 炭酸カルシウム(充填剤) 4.0 本例では、用いた硬質の塩化ビニル重合体は商標名
「ゼオン86」で市販されている。熱可塑性組成物に次の
成分を含む相乗作用のある補助安定剤組成物を添加し
た:操 業 安定剤 A. 0.63部の安定剤B B. 0.63部の安定剤B+ 2.0部のNa2HPO4・7H2O C. 0.87部の安定剤C D. 0.87部の安定剤C+ 2.0部のNa2HPO4・7H2O 安定剤B=76%のBuSn(S)(SCH2CH2OH) +19%の溶剤(二塩基性エステル) +5%のタル油脂肪酸のメルカプトエチルエステル 結果 ブラベンダー安定性 T=205℃ 60RPM(最初の1分) 120RPMに増大させた(最後まで)操 業 時間 向上率(%) A. 4.6 …… B. 9.9 115.2 C. 7.1 …… D. 14.1 98.6 実験結果から明られる如く、全ての場合に無機の燐酸
塩(表面積1.29m2/g)を添加すると重合体組成物の安定
性期間を有意な程度に延長し、この場合には 及び 基を含有する安定剤で得られた安定性を倍加させる。
実施例 10 次の諸成分を含有する熱可塑性組成物を調製した: 以下に記載した操業の各々は、0.83部のNa2HPO4(無
水のDSP)(表面積1.29m2/g)を添加して又は添加せず
に、特定の調色添加剤を変えながら前記の組成物を用い
て実施した。
DLAD=2,6−ジメチル−3,5−ラウリル アセテート−ジ
ヒドロピリジン アルカミザー=ハイドロタルク石 操業1〜4は0.15PHRの調色添加剤を含有し、操業5
は0.3PHRの調色添加剤を含有した。
実験結果から見られる如く、全ての場合において無機
燐酸塩を添加すると、主要な安定剤として金属石ケンを
含有する重合体組成物の安定性期間を有意な程度に延長
させる。更に見られることは、金属石ケンとDSPとを基
剤とする安定化系は錫含有安定剤で得られた安定化時間
に匹敵する安定化時間を示すことである。
実施例 11 無機燐酸塩と錫テトラメルカプチドとを塩化ビニル重
合体組成物用の熱安定剤として使用できる。
PVC中に熱安定剤として錫テトラメルカプチドを使用
することによって塩化錫の前分解(prodegradant)が形
成されて重合体の突発的分解を生起する。或るアルカリ
金属燐酸塩は錫テトラメルカプチドで安定化されたポリ
塩化ビニルの安定性を大幅に改良し得ることが見出され
た。Na2HPO4・7H2O(2PHR)(表面積1.76m2/g)を添加
するとSn(IOMA)(1.9PHR)の加工安定性時間を5分
から20.2分に増大させた。調色(カラーコントロール)
添加剤の使用によって色及び期間安定性に対する別の増
進が達成できる。主要な安定剤として錫テトラメルカプ
チドを含有する塩化ビニル重合体組成物に或る二塩基性
燐酸塩を添加した時には該燐酸塩は色及び加工安定性に
驚くべき改良を示した。このような燐酸塩には無水のNa
2HPO4,Na2HPO4・2H2O,Na2HPO4・7H2O,Na2HPO4・12H2O及
びK2HPO4がある。得られる結果は予期せぬものであっ
た。何故ならば錫テトラメルカプチドもアルカリ金属燐
酸塩それ自体も何らの安定化特性を示さなかったからで
ある。これらの大幅な改良を示す結果を以下の第I表及
び第II表に要約する。本実施例の全ての操業に次の組成
物を用いる: 成 分 PVC(ゼオン103EP) 100.0 TiO2 12 D−200 5 加工助剤** 0.3 ステアリン酸カルシウム 2 パラフィンワックス 1.0 *商標名「デュラストレングス(Durastrength)D−20
0でM&T Chemicals社から市販の耐衝撃改良剤 **商品名「メタブレン(Metablen)P−551」でMetco
America社から市販の加工助剤。
各々の操業には次の組成の安定剤又は補助安定剤を添
加した: 第II表は二塩基性の金属燐酸塩による色の改良を記載
する。試験方法は第II表に記載の如くであるが、但し試
料は2分の間隔毎にブラベンダー流動計から取出す。色
は肉眼で対比し、次の略号により評価した。
色 度 合 W−白 色 L−明 色 Y−黄 色 P−淡 色 G−灰 色 D−暗 色 得られた結果は錫テトラメルカプチドとアルカリ金属
燐酸塩との組合せから得られる予期せぬ相乗効果を証明
している。別の改良は調色添加剤(例えば2−MET又はI
OMA)の添加によって達成される。従来技術では錫テト
ラメルカプチドとアルカリ金属燐酸塩との何れかの組合
せを教示していない。結果はまた全期間の安定性に有意
な改良を示している。
実施例 12 次の諸成分を含有する熱可塑性組成物を調製した: 成 分 ポリ塩化ビニル重合体 100.0 二酸化チタン(顔料) 12.0 耐衝撃性改良剤 5.0 パラフィンワックス 0.8 加工助剤 1.0 ステアリン酸カルシウム 2.0 チオ増量剤(チオボレート)(調色添加剤) 0.1 この組成物に次の安定剤及び/又は補助安定剤を添加
した:操 業 安定剤 A. 1.2部のSn(IOMA) B. 1.2部のSn(IOMA)+0.8部のNa2HPO4 C. 0.9部のSn(IOMA) D. 0.9部のSn(IOMA)+0.8部のNa2HPO4 結果 ブラベンダー安定性 T=190℃ 75RPM操 業 時間(分) 向上率(%) A. 5.3 …… B. 9.4 77.4 C. 4.2 …… D. 7.8 85.7 実験結果から明らかな如く、全ての場合に無機の燐酸
塩を添加すると重合体組成物の期間安定性を有意な程度
に延長する。実施例12で用いたNa2HPO4の表面積は1.76m
2/gであった。
実施例 13 以下の実施例に示す如く錫塩化物を安定剤混合物中に
含有させた時に燐酸−水素二ナトリウム(1.10m2/gの表
面積)の相乗効果が見られる。
用いた組成物は次の如くである: 成 分 ポリ塩化ビニル重合体 100.0 二酸化チタン(顔料) 12.0 耐衝撃性改良剤 5.0 加工助剤 1.0 ステアリン酸カルシウム 2.0 パラフィンワックス 0.2 安 定 剤 × 実施例 14 安定剤が錫塩化物と遊離メルカプタンとの混合物であ
るならば、Na2HPO4・7H2O(1.10m2/gの表面積)を用い
て向上した性能がまた見出される。
用いた組成物は次の如くである: 成 分 ポリ塩化ビニル重合体 100.0 潤 滑 剤 1.5 ステアリン酸カルシウム 0.3 安 定 剤 × モノブチル錫トリクロライドとIOMAとの組合せは一般
には有効な安定化作用を有する組合せとは考えられない
が、この組合せは本発明により燐酸塩の添加によって驚
く程に有効とさせることができる。
実施例 15 次の諸成分を含有する熱可塑性組成物を調製した: 成 分 ポリ塩化ビニル重合体 100.0 二酸化チタン(顔料) 12.0 炭酸カルシウム 4.0 ステアリン酸カルシウム 0.4 潤 滑 剤 0.8 この組成物に次の安定剤及び/又は補助安定剤を添加
した:操 業 安定剤 A. 0.26部のSb(IOMA) B. 0.26部のSb(IOMA) 1.0部のNa2HPO4・7H2O(乾燥した) (2.20m2/gの表面積) 結果 ブラベンダー安定性 T=190℃ 75RPM操 業 時間(分) 向上率(%) A. 7.8 …… B. 11.0 41.0 本例の結果から見られる如く、脱水した燐酸−水素二
ナトリウム7水和物を添加すると溶融安定性時間の41%
の改良が与えられる。
実施例16 実施例5の如く安定化した重合体の補助安定化及び溶
融安定性期間の増大の結果は、実施例5に示したのと同
じ測定法を用いて、回転蒸発処理あり及びなしの無水Na
2HPO4(DSP)を対比して以下に示す。
実施例17 実施例1〜16に記載したのと同様な安定化重合体の補
助安定化及び溶融安定性期間増大の結果を、DSP対照試
料と対比して以下に示す。
前記の実施例から見られる如く、得られた結果はビニ
ル樹脂化合物の向上した安定化を示している。燐酸−水
素二ナトリウムの如きアルカリ金属燐酸塩を使用する
と、安定剤組成物の全安定化特性に相乗効果を与える。
更には、金属化合物の代りに無機燐酸塩を代用すると使
用者に経済的な節約を生じる。かゝる無機添加剤は、あ
らゆる考えられる金属含有安定化組成物に利用できると
意図される。
金属含有化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属
燐酸塩とを組合せてなる全体の安定剤組成物は多数の樹
脂成分を安定化するのに利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−190545(JP,A) 特開 昭54−43253(JP,A) 特開 昭57−151(JP,A) 特開 昭63−63738(JP,A) 特表 昭57−500832(JP,A)

Claims (23)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン含有熱可能性重合体組成物の長期
    溶融安定性を増大させる安定剤組成物であって、 a)1種又はそれ以上の主要な安定剤である金属含有化
    合物と; b)無水の又は水和した燐酸−水素ナトリウム又はカリ
    ウム、燐酸二水素リチウム又はアルカリ土類金属燐酸塩
    よりなりしかもB.E.T.法で測定して少なくとも0.5m2/g
    の比表面積を有する、微細に分割された、補助安定化作
    用を有する燐酸塩物質とを含有してなる安定剤組成物。
  2. 【請求項2】5〜95重量%の主要な安定剤化合物と5〜
    95重量%の補助安定化用の燐酸塩物質とを含有してなる
    請求項1記載の安定剤組成物。
  3. 【請求項3】前記の燐酸塩物質は無水のNa2HPO4,Na2HPO
    4・2H2O又はNa2HPO4・7H2Oよりなる請求項1又は2記載
    の安定剤組成物。
  4. 【請求項4】前記の燐酸塩物質は無水の燐酸−水素ナト
    リウムよりなる請求項1又は2記載の安定剤組成物。
  5. 【請求項5】前記のB.E.T.法で測定された比表面積は少
    なくとも1.1m2/gである請求項1〜4の何れかに記載の
    安定剤組成物。
  6. 【請求項6】前記の主要な安定剤である金属含有化合物
    の金属成分は、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグ
    ネシウム、カルシウム、亜鉛、ストロンチウム、カドミ
    ウム、バリウム、マンガン、鉄、コバルト、チタン、ア
    ルミニウム、錫、鉛、ビスマス又はアンチモンの1種又
    はそれ以上である請求項1〜5の何れかに記載の安定剤
    組成物。
  7. 【請求項7】前記の金属含有安定剤は、各々が少なくと
    も1個の錫−炭素直接結合を有する4価の錫原子を1個
    又はそれ以上含有する有機錫化合物よりなる請求項1〜
    5の何れかに記載の安定剤組成物。
  8. 【請求項8】前記の有機錫化合物の各々の4価の錫原子
    は少なくとも1個の錫−硫黄又は錫−酸素直接結合を有
    する請求項7記載の安定剤組成物。
  9. 【請求項9】有機錫化合物は有機錫オキシド、スルフィ
    ド、アルコキシド、カルボキシレート、メルカプチド、
    メルカプチドの誘導体、メルカプトアルコールの誘導
    体、メルカプト酸エステルの誘導体又はメルカプトアル
    コールエステルの誘導体よりなる請求項8記載の安定剤
    組成物。
  10. 【請求項10】前記の有機錫化合物はメチル錫メルカプ
    チド、ブチル錫メルカプチド、オクチル錫メルカプチ
    ド、エステル錫メルカプチド又は非アルキル化錫メルカ
    プチドである請求項8記載の安定剤組成物。
  11. 【請求項11】前記の有機錫化合物は硫黄で架橋した錫
    メルカプチド、酸素で架橋した錫メルカプチドあるいは
    ハロゲン含有硫黄又は酸素で架橋した錫メルカプチドで
    ある請求項8記載の安定剤組成物。
  12. 【請求項12】前記の有機錫化合物は錫カルボキシレー
    ト、錫マレエート又は錫アルコキシドである請求項8記
    載の安定剤組成物。
  13. 【請求項13】前記の金属含有安定剤は、各々が少なく
    とも1個の錫−硫黄又は錫−酸素直接結合を有する4価
    の錫原子を1個又はそれ以上含有する錫化合物よりなる
    請求項1〜5の何れかに記載の安定剤組成物。
  14. 【請求項14】前記の錫化合物は錫テトラメルカプチド
    である請求項13記載の安定剤組成物。
  15. 【請求項15】前記の金属含有の主要な安定剤は塩化錫
    又は塩化錫/錫メルカプチドの結合体よりなる請求項1
    〜5の何れかに記載の安定剤組成物。
  16. 【請求項16】前記の金属含有の主要な安定剤化合物と
    前記の微細に分割された補助安定化作用のある燐酸塩物
    質とを自由流動性粉末の形で互いに混合してある請求項
    1〜15の何れかに記載の安定剤組成物。
  17. 【請求項17】前記の金属含有の主要な安定剤化合物と
    前記の微細に分割された補助安定化作用のある燐酸塩物
    質とは別個に提供され、前記の燐酸塩物質は自由流動性
    粉末の形である請求項1〜15の何れかに記載の安定剤組
    成物。
  18. 【請求項18】主要な安定剤化合物は液状形で提供され
    る請求項17記載の安定剤組成物。
  19. 【請求項19】ハロゲン含有熱可塑性重合体と請求項1
    〜18の何れかに記載の安定剤組成物とを含有してなる、
    ハロゲン含有熱可塑性重合体組成物。
  20. 【請求項20】前記の重合体100部当り0.1〜10重量部の
    安定剤組成物を含有してなる請求項19記載の重合体組成
    物。
  21. 【請求項21】調色用添加剤を更に含有してなる請求項
    19又は20記載の重合体組成物。
  22. 【請求項22】調色用添加剤はα−フェニルインドー
    ル、ジヒドロピリジン、ベンゾイルステアリル メタ
    ン、チオジグリコール−ビス−β−アミノクロトネー
    ト、ハイドロタルサイト、メルカプタン、メルカプトエ
    ステル又はチオポレートである請求項21記載の重合体組
    成物。
  23. 【請求項23】潤滑剤、充填剤物質、顔料物質又は耐衝
    撃性改良剤の1種又はそれ以上を更に含有してなる請求
    項19〜22の何れかに記載の重合体組成物。
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