JP2598362Y2 - 機械式過給機の潤滑構造 - Google Patents

機械式過給機の潤滑構造

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JP2598362Y2
JP2598362Y2 JP1993057897U JP5789793U JP2598362Y2 JP 2598362 Y2 JP2598362 Y2 JP 2598362Y2 JP 1993057897 U JP1993057897 U JP 1993057897U JP 5789793 U JP5789793 U JP 5789793U JP 2598362 Y2 JP2598362 Y2 JP 2598362Y2
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oil
timing gear
oil chamber
housing
gap
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孝弘 市川
隆司 宮崎
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Aichi Machine Industry Co Ltd
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Aichi Machine Industry Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、機械式過給機におけ
る潤滑構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来、機械式過給機におい
ては図3に示すように、ハウジング51内に軸受53を
介しローターシャフト52が回転可能に配設されてお
り、このローターシャフト52の軸端にはタイミングギ
ヤ54が固設されており、タイミングギヤ54の外側は
カバー55で覆蓋されているとともに、タイミングギヤ
54の下部部位にはオイル室58が形成され、このオイ
ル室58内のオイルがタイミングギヤ54の回転により
かき上げられて上方側へ飛散されるように構成されてお
り、前記ハウジング51には、かき上げられたオイルを
軸受53側へ導くオイル供給孔57が形成されている。
また、前記軸受53の内側にはオイルシール56が配設
され、前記オイル供給孔57を通りこのオイルシール5
6にもオイルが供給されるものとなっている。このよう
な従来構造においては、前記軸受53およびオイルシー
ル56に供給するオイル量を十分なものとするために、
オイル室58内に溜められるオイルのレベルを高く設定
し、オイル室58内に大量のオイルが入れられるが、前
記タイミングギヤ54が回転する時にオイル室58内の
オイルを攪拌し、攪拌熱が増大してオイル室58内の油
温が上昇してしまい、これによりオイルの粘度が低下
し、軸受53等の潤滑不良が生ずる場合があり、またオ
イルシール56にメカニカルシールを使用する場合に
は、メカニカルシールのメイティングリングとシールリ
ングとの摺動部の発熱で更に油温が上昇し、オイルの炭
化が生じ、ローターシャフト52を高速回転させること
が困難となり、高速回転をさせるためには油温を下げ、
別途エンジンオイル等を外部から循環させて冷却された
オイルを供給せねばならないという問題点があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本考案は上記従来の問題
点に鑑み案出したものであって、油温の上昇を防ぎ十分
なオイルのはね上げ量を確保できる機械式過給機の潤滑
構造を提供せんことを目的とし、その要旨は、ハウジン
グ内に軸受を介し回転可能に配設されたローターシャフ
トの前記ハウジング端面から突出する軸端には、前記ハ
ウジングに取付けられたカバーに覆蓋されてタイミング
ギヤが固設され、該タイミングギヤの下部の前記ハウジ
ング端面と前記カバー内壁間にはオイル室が形成され、
該オイル室における前記タイミングギヤと前記カバー内
壁間の前側隙間、及び前記タイミングギヤと前記ハウジ
ング端面に取り付けられて前記軸受側に形成される後部
オイル室を仕切る遮断板間の後側隙間は、前記タイミン
グギヤによりはね上げられるオイル量が最も大で、遮断
板及びカバー内壁面へのオイルの付着量が少なくなる所
隙間間隔に設定されていることである。
【0004】
【作用】ローターシャフトが回転しタイミングギヤが回
転されると、このタイミングギヤの回転により、オイル
室内に溜められているオイルが上方へはね上げられて上
方側の潤滑用に供給されるが、オイル室は遮断板により
後部オイル室と分割されており、オイル室内で前記タイ
ミングギヤの回転により攪拌されるオイルの量を少なく
することができ、攪拌されるオイル量が少ないため油温
の上昇を防ぐことができ、これによりオイル粘度の低下
による潤滑不良を無くすることができる。しかし、オイ
ル室におけるタイミングギヤの前後間の隙間が狭すぎる
と、タイミングギヤによりはね上げられたオイルが前後
の壁面に付着して、上方側へのオイルの供給量が減少す
ることとなるが、本考案ではタイミングギヤによりはね
上げられるオイルが壁面に付着することが少なく、攪拌
されるオイル量を極力少なくした状態で、壁面にオイル
を付着させることなく上方へ十分なオイル量をはね上げ
ることができる。
【0005】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、第1実施例を示し、機械式過給機のハウ
ジング1内には、駆動用と従動用のローターが並列状に
内蔵されており、各ローターのローターシャフト2の軸
端にはそれぞれタイミングギヤ4が設けられており、図
では一方側のローターシャフト2の端部のみを図示した
ものであり、ローターシャフト2はハウジング1内に設
けられた軸受3により回転可能に支承され、さらに軸受
3の内側にはオイルシール6が配設されており、ロータ
ーシャフト2の端部に固設されたタイミングギヤ4の外
側にはカバー5が取付けられて外側が覆蓋されており、
ハウジング1とカバー5間の前記タイミングギヤ4およ
び軸受3の下部部位にはオイルを溜めるオイル室が形成
されており、本例ではこのオイル室は、前記タイミング
ギヤ4の後方にハウジング1の端面とカバー5間にその
外周を挟まれた状態で配設された遮断板7により前後に
分割区画されたものとなっており、遮断板7の前部には
前記タイミングギヤ4の下部が浸漬する前部オイル室1
0Aが形成され、遮断板7の後部には前記軸受3とオイ
ルシール6の下部が浸漬状態となる後部オイル室10B
が形成されている。
【0006】この遮断板7の下部部位には、前記前部オ
イル室10Aと後部オイル室10Bを連通する連通孔7
aが形成されており、また遮断板7の上部部位にはオイ
ル受けを兼ねる開口窓7bが形成されている。また、こ
の開口窓7bの後方側のハウジング1内には傾斜状にオ
イル供給孔8が形成されており、このオイル供給孔8の
下端は軸受3およびオイルシール6の上部部位に連通開
口されている。また、前記軸受3とオイルシール6間の
下部部位には後部オイル室10Bに連通するオイル排出
孔9が形成されている。
【0007】このような構造において、ローターシャフ
ト2が回転することによりタイミングギヤ4が回転さ
れ、このタイミングギヤ4の回転により前部オイル室1
0A内のオイルが上方側にはね上げられ、はね上げられ
たオイルは開口窓7b,オイル供給孔8を通り、軸受3
およびオイルシール6に供給されて、オイル排出孔9を
通り後部オイル室10Bに戻されるように構成されてお
り、前記タイミングギヤ4が回転する時には、前部オイ
ル室10A内のオイルのみが攪拌されることとなり、後
部オイル室10Bのオイルは攪拌されることがないた
め、攪拌されるオイル量が従来のものに比べて少なくな
り、したがって従来よりも攪拌熱の発生が少なくなり、
従来よりも油温の上昇が少なくオイル粘度の低下も減少
し、軸受3およびオイルシール6に供給されるオイルは
良好な潤滑性能を維持することができる。
【0008】なお、連通孔7aを通し後部オイル室10
Bから前部オイル室10A内に常にオイルが補充される
ため、前部オイル室10A内のオイル量は所定レベルに
確保されて良好な潤滑を行うことができる。
【0009】なお、本例では前記前部オイル室10Aに
おける、タイミングギヤ4とカバー5の内壁間の前側隙
間xは4〜7ミリの隙間間隔に設定されており、またタ
イミングギヤ4と前記遮断板7間の後側隙間yは3.5
ミリの隙間間隔に設定されている。すなわち、前側隙間
xは後側隙間yに対し1.1〜2倍の隙間間隔に設定さ
れたものである。
【0010】このような隙間間隔に設定することによ
り、タイミングギヤ4が回転されて前部オイル室10A
内のオイルが上方へはね上げられる時に、はね上げられ
たオイルのカバー5内壁面への付着量が減少し、そのた
め十分に上方へオイルをはね上げ、オイル供給孔8内に
十分なオイルを供給することができるものである。な
お、前側隙間xの隙間間隔をあまり大きく設定すると、
前部オイル室10A内のオイル量が増え、その分、タイ
ミングギヤ4により攪拌されるオイル量が増えて油温が
上昇することとなるため、前側隙間は4〜7ミリ程度に
設定することが好ましい。
【0011】このように本例においては、遮断板7によ
り前部オイル室10Aを後部オイル室10Bと分離区画
したことにより、タイミングギヤ4により攪拌される前
部オイル室10A内のオイル量を減少させることがで
き、その分、全体の油温の上昇を防ぎ、オイル粘度の低
下を防ぐことができ、また前部オイル室10Aのタイミ
ングギヤ4の前後の隙間間隔を所定間隔に設定したこと
により、はね上げられるオイルの壁面への付着量が減少
し、前部オイル室10A内のオイルをタイミングギヤ4
の回転により良好にオイル供給孔8内に供給することが
でき、軸受3およびオイルシール6を良好な粘度のオイ
ルにより十分に潤滑することができる。
【0012】なお、考案者らは前部オイル室10Aにお
ける油温の上昇と、オイル供給孔8内に供給されるオイ
ルの供給量を、前記隙間xおよびyとの関係で実験し、
図2のような結果を得ており、図2では後部隙間yを
3.5ミリに設定し、前側隙間xを変化させて、油温お
よびオイル供給量を測定したものである。すなわち図2
に示すように、前側隙間xが4〜7ミリの間隔にあれ
ば、はね上げられるオイル量が最も大であり、壁面への
オイルの付着量が少なくなることが確認され、また前側
隙間xが7ミリを越えると攪拌されるオイルの油温が急
激に上昇することが確認される。
【0013】
【考案の効果】本考案の機械式過給機の潤滑構造は、ハ
ウジング内に軸受を介し回転可能に配設されたローター
シャフトの前記ハウジング端面から突出する軸端には、
前記ハウジングに取付けられたカバーに覆蓋されてタイ
ミングギヤが固設され、該タイミングギヤの下部の前記
ハウジング端面と前記カバー内壁間にはオイル室が形成
され、該オイル室における前記タイミングギヤと前記カ
バー内壁間の前側隙間、及び前記タイミングギヤと前記
ハウジング端面に取り付けられて前記軸受側に形成され
る後部オイル室を仕切る遮断板間の後側隙間は、前記タ
イミングギヤによりはね上げられるオイル量が最も大
で、遮断板及びカバー内壁面へのオイルの付着量が少な
くなる所定隙間間隔に設定されていることにより、タイ
ミングギヤの回転によりはね上げられたオイルのカバー
内壁等への付着が少なくなり、上方へ十分な量のオイル
をはね上げることができ、軸受等へ十分なオイルを供給
することができる。また、遮断板により区画されたオイ
ル室内のオイル量を少なくして、タイミングギヤにより
攪拌されるオイル量を従来よりも減少させることがで
き、その分、タイミングギヤの攪拌による油温の上昇が
従来よりも少なくなり、オイル粘度が低下することが少
なく、良好な潤滑性能を有するオイルを軸受側へ供給す
ることができ、十分かつ良好なオイルの供給により良好
な潤滑性能を維持することができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例のタイミングギヤ周辺の要部断
面構成図である。
【図2】前部オイル室における前側隙間xを変化させた
場合の油温とオイル供給量との関係線図である。
【図3】従来の潤滑構造の要部断面構成図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 ローターシャフト 3 軸受 4 タイミングギヤ 5 カバー 6 オイルシール 7 遮断板 7a 連通孔 7b 開口窓 8 オイル供給孔 10A 前部オイル室 10B 後部オイル室 x 前側隙間 y 後側隙間

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に軸受を介し回転可能に配
    設されたローターシャフトの前記ハウジング端面から突
    出する軸端には、前記ハウジングに取付けられたカバー
    に覆蓋されてタイミングギヤが固設され、該タイミング
    ギヤの下部の前記ハウジング端面と前記カバー内壁間に
    はオイル室が形成され、該オイル室における前記タイミ
    ングギヤと前記カバー内壁間の前側隙間、及び前記タイ
    ミングギヤと前記ハウジング端面に取り付けられて前記
    軸受側に形成される後部オイル室を仕切る遮断板間の
    側隙間は、前記タイミングギヤによりはね上げられるオ
    イル量が最も大で、遮断板及びカバー内壁面へのオイル
    の付着量が少なくなる所定隙間間隔に設定されているこ
    とを特徴とする機械式過給機の潤滑構造。
JP1993057897U 1993-09-29 1993-09-29 機械式過給機の潤滑構造 Expired - Lifetime JP2598362Y2 (ja)

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