JP2598276B2 - 強誘電性液晶素子 - Google Patents

強誘電性液晶素子

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ディスプレイやプリンターヘッド等に応用
される強誘電性液晶素子に関する。
[開示の概要] 本明細書及び図面は、ディスプレイやプリンターヘッ
ド等に応用される強誘電性液晶セルにおいて、波長440n
mにおける|TA -−TA +|の値が2%以上である強誘電性液
晶の配向状態を用い、放置単安定現象を防止することに
より、表示品位の優れた素子を実現する技術を開示する
ものである。
[従来の技術] 従来より多用されて来たネマチック液晶に代って、近
年強誘電性液晶素子の開発が重視されつつある。強誘電
性液晶素子は、セルの構成方法によって双安定性をもた
せることができるので、高時分割の液晶表示素子の現実
が期待できる。
第4図は、強誘電性液晶セルの例を模式的に描いたも
のである。1と1′は、In2O3,SnO2やITO(Indium−Tin
Oxide)等の透明電極がコートされた基板(ガラス板)
であり、その間に液晶分子層2がガラス面と垂直になる
ように配向したSmC相の液晶が封入されている。太線
で示された線3が液晶分子を表わしていて、この液晶分
子3は、その分子に直交する方向に双極子モーメント
(P)4を有している。基板1と1′上の定極間に一
定の閾値以上の電圧を印加すると、液晶分子3のらせん
構造がほどけ、双極子モーメント(P)4はすべて電
界方向へ向くように、液晶分子3の配向方向を変えるこ
とができる。液晶分子3は細長い形状で、その長軸方向
の短軸方向とで屈折率異方性を示し、従って、例えばガ
ラス面の上下に互いにクロスニコルの位置関係に配置し
た偏光子を置けば、電圧印加極性によって光学特性が変
わる液晶光学変調素子となることは、容易に理解され
る。さらに液晶セルの厚さを充分に薄くした場合(例え
ば1μ)には、第5図に示すように、電界を印加してい
ない状態でも、液晶分子のらせん構造はほどけ(非らせ
ん構造)、その双極子モーメントP又はP′は上向き
(4a)又は下向き(4b)のどちらかの状態となる。この
ように界面効果により、液晶分子のらせん構造をほどい
た液晶セルを表面安定型セル(SSFLCセル)と呼ぶ。SSF
LCセルに第5図に示す如く一定の閾値以上の極性の異な
る電界E又はE′を所定時間付与すると、双極子モーメ
ントは電界E又はE′の電界ベクトルに対応して上向き
(4a)又は下向き(4b)と向き変え、それに応じて液晶
分子は第1の配向状態5もしくは第2の配向状態5′の
いずれか一方に配向する。
このような強誘電性液晶を光学変調素子として用いる
ことの利点は、応答速度が極めて速いことと、液晶分子
の配向が双安定状態を有することであって、例えば、第
5図において、電界Eを印加すると液晶分子は第1の配
向状態5に配向するが、この状態は電界を切っても安定
である。また、逆向きの電界E′を印加すると液晶分子
は第2の配向状態5′に配向して、その分子の向きを変
えるが、やはり電界を切ってもこの状態に留まる。ま
た、与える電界Eが一定の閾値を越えない限り、それぞ
れの配向状態はやはり維持されている。このような応答
速度の速さと、双安定性が有効に実現されるには、セル
としては出来るだけ薄い方が好ましく、一般的には、0.
5μ〜20μ、特に1μ〜5μが適している。この種の強
誘電性液晶を用いたマトリクス電極構造を有する液晶−
電気光学装置は、例えばクラークとラガバルにより、米
国特許第4367924号明細書で提案されている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、SSFLCセルを長時間放置したままにし
ておくと、例えば第1の配向状態が第2の配向状態より
も安定であるような現象(放置単安定現象と呼ぶ)が発
生しやすくなる。すなわち、第2の配向状態に反転させ
た後に電界を切ると、いくつかの液晶分子は元の第1の
配向状態に反転してしまう。このため、ディスプレイと
しての表示品位が低下するという問題点があった。
本発明は、上述従来例における問題点を解消し、放置
単安定現象の発生を防止し、表示品位の優れた強誘電性
液晶素子を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明による強誘電性液晶素子は、夫々電極及び配向
膜を形成した一対の基板を対向配置し、内部に強誘電性
液晶を挟持したセル構造を有する強誘電性液晶素子であ
って、該セルを偏光板のクロスニコル状態下でスメクチ
ックA(SmA)相が最暗となる位置に配置し、前記偏光
板を入射光の進行方向に対して時計回りに15゜回転した
ときのカイラルスメチックC(SmC)相における強誘
電性液晶の第1の配向状態での透過率TA +と、前記偏光
板を入射光の進行方向に対して反時計回りに15゜回転し
た時の第2の配向状態での透過率TA -との差の絶対値|TA
-−TA +|が、波長440nmにおいて2%以上であることを特
徴とする。
[作 用] 液晶分子の配列は、液晶と基板との界面における配向
処理状態及び液晶材料の物性等の影響を強く受ける。液
晶分子の配向状態を前項で示した条件下における透過率
の差で2%以上とすると、液晶分子の自発分極における
双極子モーメントの偏りは少なくなり、放置単安定状態
の発生を防ぐことができる。
[実施例] 実施例1 第1図は本発明の一実施例を示す強誘電性液晶(以
下、FLCという)セルの構成図である。
第1図において、ガラス基板11上にITO(Indium−Tin
−Oxide)膜よりなる透明電極12、及び絶縁膜13として
厚さ1000ÅのSiO2膜をスパッタリングにより形成した。
次いで、配向膜14としてSP510(東レ)をNMPとブチルセ
ラソルブの混合溶媒に溶かした溶液を塗布し、180℃で
1時間焼成した。しかる後、この配向膜14の表面にラビ
ングによる配向処理を施した。次に、直径1.5μmのビ
ーズスペーサー(図示せず)を介して電極が対向するよ
う2枚の基板を貼合せ、周囲をシール材(図示せず)で
封止すると共に、内部にFLC15としてCS1017(チッソ
(株)製)を注入してFLCセル10を得た。このFLCセル10
の上下に偏光板を配置して以下の測定を行った。
FLCセル10を偏光板16のクロスニコル状態下でスメク
チックA(SmA)相が最暗となる位置に配置し、偏光板1
6を入射光の進行方向に対して時計回りに15゜回転した
ときのカイラルスメクチックC(SmC)相におけるFLC
の第1の配向状態での透過率TA +と、偏光板16を入射光
の進行方向に対して反時計回りに15゜回転した時の第2
の配向状態で透過率TA -との差の絶対値|TA -−TA +|を、
波長440nmの入射光において測定したところ、12.2%で
あった。このようなFLCの配向状態は、セルの表面状態
と液晶材料の相互作用によって決定される。
次に、上記実施例1のFLCセル10を第1の配向状態の
まま1週間放置した後、閾値以上の電界を印加して第2
の配向状態へ反転させた。1分後、第2の配向状態を保
持しているかどうかを観察した。この結果、表面面積の
98%以上において第2の配向状態が保持され、放置単安
定現象はほとんど認められず、表示品位が大幅に改善さ
れたことが確認された。
実施例2 配向膜として、サンエバー257(日産化学(株)製)
を用い、FLCとしてCS1014(チッソ(株)製)を用いる
以外は、前記実施例と同様にしてセルを構成した。この
FLCセルの波長440nmにおける|TA -−TA +|の値は、7.9%
であった。
次に、この実施例2のFLCセルについて、前記実施例
1と同様にして放置単安定現象の有無を調べたところ、
実施例1と同様に放置単安定現象はほとんど認められ
ず、セルの表示品位が改善されたことが確認された。
実施例3 配向膜としてポリエチレンを用い、FLCとしてCS1014
(チッソ(株)製)を用いる以外は、前記実施例1と同
様にしてセルを構成した。このFLCセルの波長440nmにお
ける|TA -−TA +|の値は−7.9%であった。
次に、この実施例3のFLCセルについて、前記実施例
と同様に放置単安定現象の有無を調べたところ、実施例
1,2の場合と同様に、良好な結果を得ることができた。
比較例1 配向膜としてPVA117(クラレ(株)製の水溶液を塗布
し、180℃で1時間焼成した。しかる後、この配向膜の
表面にラビングによる配向処理を施し、直径1.5μmの
ビーズスペーサーを介して貼り合わせた。FLCとして
は、CS1014(チッソ(株)製)を注入してセルを得た。
他の構成は前記実施例1と同様である。このFLCセルの
波長440nmにおける|TA -−TA +|の値は1.5%であり、2%
より小さいFLCの配向状態であることが確認された。
次に、この比較例1のFLCセルについて、前記実施例
1と同様に放置単安定現象の有無を調べたところ、表示
面積の約70%において第2の配向状態を保持したのに留
まり、放置単安定現象が認められ、表示品位の低いセル
となった。
比較例2 この比較例2のセルは、ラビング方向が異なる以外
は、前記比較例1と同様に構成した。このFLC素子の波
長440nmにおける|TA -−TA +|の値は1.1%であった。
次に、この比較例2のFLCセルについて、前記実施例
1と同様に放置単安定現象の有無を調べたところ、比較
例1の場合と同様に、表示面積の約70%において第2の
配向状態を保持したのに留まり、表示品位の低いセルと
なった。
以上、実施例1〜3、比較例1,2のセルについて、波
長440nmにおける|TA -−TA +|の値と、放置単安定現象の
有無等の関係を下記表1に示す。
ただし、表1において↑↓は上下の基板で互いに反対
方向となるラビング処理を示し、↑↑は上下の基板で互
いに同方向となるラビング処理を示す。
次に、|TA -−TA +|によって特徴づけられる配向状態の
違いについて配向色の点から説明する。
第2図は、実施例1におけるTA -とTA +の波長依存性の
測定結果である。第2図より、|TA -−TA +|の値は一般に
大きく、TA -とTA +は異なる波長特性となっていることが
わかる。また、TA -とTA +の測定時のFLCの配向色は、目
視によってTA -に対しては黄茶色でTA +に対しては青色で
あった。
一方、第3図は、比較例2におけるTA -とTA +の波長依
存性の測定結果である。第3図から|TA -−TA +|の値は小
さくTA -とTA +の波長特性は、ほぼ等しいと言える。また
TA -とTA +の測定時のFLCの配向色は目視によって、共に
うす紫色であった。
|TA -−TA +|の波長特性は他の実施例及び他の比較例に
おいても、ほぼ同様であり、実施例と比較例では、配向
色の差から配向状態の差が明らかなばかりでなく、TA -
とTA +が一致的であるか、不一致的であるかという透過
率特性の質的な差が認められた。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、波長440nmに
おける|TA -−TA +|の値が2%以上であるFLCの配向状態
を用いることにより、放置単安定現象の発生を防止する
ことができ、表示品位の優れた強誘電性液晶素子を実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す構成図、第2図は実施
例1における透過率の波長特性図、第3図は比較例2に
おける透過率の波長特性図、第4図及び第5図は強誘電
性液晶セルの模式図である。 10……FLCセル、11……ガラス基板、 12……透明電極、13……絶縁膜、 14……配向膜、15……強誘電性液晶(FLC)、 16……偏光板。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】夫々電極及び配向膜を形成した一対の基板
    を対向配置し、内部に強誘電性液晶を挟持したセル構造
    を有する強誘電性液晶素子であって、該セルを偏光板の
    クロスニコル状態下でスメクチックA(SmA)相が最暗
    となる位置に配置し、前記偏光板を入射光の進行方向に
    対して時計回りに15゜回転したときのカイラルスメクチ
    ックC(SmC)相における強誘電性液晶の第1の配向
    状態での透過率TA +と、前記偏光板を入射光の進行方向
    に対して反時計回りに15゜回転した時の第2の配向状態
    での透過率TA -との差の絶対値|TA -−TA +|が、波長440nm
    において2%以上であることを特徴とする強誘電性液晶
    素子。
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