JP2598153Y2 - 電気マルノコにおけるストッパゴムの取付け構造 - Google Patents

電気マルノコにおけるストッパゴムの取付け構造

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JP2598153Y2
JP2598153Y2 JP1993061628U JP6162893U JP2598153Y2 JP 2598153 Y2 JP2598153 Y2 JP 2598153Y2 JP 1993061628 U JP1993061628 U JP 1993061628U JP 6162893 U JP6162893 U JP 6162893U JP 2598153 Y2 JP2598153 Y2 JP 2598153Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、携帯用のマルノコある
いは卓上型のマルノコ等の電気マルノコにおけるセーフ
ティカバーのストッパとして用いられるストッパゴムの
取付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電気マルノコにはセーフティ
カバーaのストッパとしてストッパゴムbが取付けられ
ている。このストッパゴムbは緩衝部材としての機能も
有するもので、適度な弾性を有するゴムを素材として円
筒形に形成されている。そして、このストッパゴムb
は、従来例えば図21に示すように皿子ねじc等を用い
てブレードケースd等にビス止めされていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】このように従来、スト
ッパゴムbはビス止めする構成であったので、ブレード
ケースdにねじ孔d′を加工する必要があり、また組付
け時においてドライバー等の工具を用意してビス止め作
業をする必要があった。
【0004】本考案は、電気マルノコにおいてこのスト
ッパゴムの取付け時におけるビス止め等の作業を排除し
てその取付け作業を簡略化できるストッパゴムの取付け
構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、本考案は、弾
性ゴムを素材として円筒形に形成されたストッパゴムの
取付け構造であり、該ストッパゴムの取付け部には、該
ストッパゴムの内径よりわずかに大きな外径の円柱形を
なす円柱突起と、該円柱突起と同心かつ前記ストッパゴ
ムの外径よりもわずかに小さな内径の円弧面を有する円
弧突起を設け、前記円柱突起を当該ストッパゴムの内周
側に挿入しつつ当該ストッパゴムの一部を前記円柱突起
と前記円弧突起との間に圧入して前記取付け部に固定す
る構成としたことを特徴とする。
【0006】
【作用】上記構成によれば、ストッパゴムは、その内周
側に円柱突起を挿入しつつ当該ストッパゴムの一部をこ
の円柱突起と円弧突起との間に圧入することにより取付
け部に固定される。逆に、両突起間から引張り出すこと
によりこのストッパゴムは取り外される。
【0007】また、ストッパゴムは円柱突起と円弧突起
の双方で固定され、セーフティカバーの回転を阻止した
際に受ける衝撃は、この両突起で受けられる。このこと
から、従来のビス止めに比して衝撃に対するゴムストッ
パの取付け強度が向上し、その耐久性を高めることがで
きる。
【0008】
【実施例】次に、本考案の実施例を図1〜図20に基づ
いて説明する。なお、通例に従い、以下の説明において
は特に断らない限り、切削方向に沿った方向を「前後方
向」といい、切削方向に対して左右を「左右方向」とい
う。
【0009】図1は、以下説明する本例のストッパゴム
の取付け構造が適用された電気マルノコの右側面を示し
ている。図中12は当該マルノコのベースであり、この
ベース12にはブレードケース71が、ピン44,34
を中心にして当該マルノコの左右方向(図1において紙
面に直交する方向)傾動可能、かつピン41を中心にし
て当該マルノコの前後方向に回動可能に支持されてい
る。後述するようにこのブレードケース71を当該マル
ノコの左右方向に傾動させることにより鋸刃56の傾斜
角度を調整でき(鋸刃56の切込み角度調整機構)、ま
たブレードケース71を当該マルノコの前後方向に回動
させることにより鋸刃56の切込み深さを調整できる
(鋸刃56の切込み深さ調整機構)。
【0010】ベース12には、鋸刃56およびこの鋸刃
56の下半分の主として歯部をカバーするセーフティカ
バー50を突き出すための切欠き窓12cが形成されて
いる。
【0011】また、このベース12の前部には、主とし
て平行な切断を繰り返す際に用いられる平行定規(図示
せず)を当該マルノコの左右方向に沿って装備しておく
ための定規装着部13が設けられている。この定規装着
部13は、図3または図6〜図9に示すようにベース1
2の前部上面において左右方向に沿って形成された溝部
13aと、この溝部13aの前後において溝部13a内
に向けてねじ込み可能に取付けられたつまみねじ13
b,13b(図3では省略してある)とから構成されて
いる。この定規装着部13によれば、平行定規を溝部1
3a内に嵌め込んで両つまみねじ13b,13bを締込
んでおくことにより、この平行定規は所定の位置に固定
される。ここで、従来は、例えば実開平4−45701
号公報等に開示されているようにつまみねじが一か所に
しか設けられていなかったので、定規のガタつきは大き
くなって使いづらいばかりでなく、正確な測定が困難で
ある問題があった。この点、本例の定規装着部13によ
れば、平行定規は一定の間隔をおいて設けられた二箇所
のつまみねじ13b,13bにより固定されるので、ガ
タつきなく強固に固定しておくことができる。また、つ
まみねじ13b,13bが溝部13aの左右両端寄りに
設けられているので、いずれか一方のみのつまみねじ1
3bを用いることにより、従来のように一箇所に設けた
構成に比して平行定規をベース12の前後両方向へより
大きく突き出した状態で固定できるようになり、平行定
規の計測可能な範囲が広がる。
【0012】次に、ブレードケース71は、鋸刃56の
背面側(当該マルノコの左方)においてそのほぼ上半分
を覆うように半円状に形成されている。このブレードケ
ース71の右側には略円弧状のブレードケースカバー7
0が取り付けられ、このブレードケースカバー70およ
びブレードケース71によって鋸刃56の上半分の特に
歯部が左右両側方から覆われている。
【0013】以下、このブレードケース71の支持構造
について詳細に説明する。上記ベース12の切欠き窓1
2cの前後両側部、すなわち図1において、ベース12
の前端部寄りと後端部の上面には支持縁12a,12b
が立ち上がり状に形成されており、前側の支持縁12a
には前記ピン44を介してアンギュラプレート7が当該
マルノコの左右方向(図1において紙面に直交する方
向)に回動可能に支持されている。
【0014】このアンギュラプレート7は、図9に示す
ように円弧状の長溝孔7bと二股支持部7aとを有して
いる。長溝孔7bにはつまみねじ4が挿通され、このつ
まみねじ4はグリップ1にねじ込まれている。グリップ
1は、当該マルノコを持ち運ぶ際にあるいは作業中に当
該マルノコを所定の経路に沿って移動させる際に作業者
が把持するための把持部として装備されたもので、ベー
ス12の上面に立ち上がり状に直接固定されている。上
記構成によれば、つまみねじ4を緩めるとアンギュラプ
レート7はピン44を中心にしてマルノコの左右方向に
回動可能となり、ひいては後述する支持縁12bとによ
り鋸刃56を切削方向に対して左右に傾動させてその傾
斜角度を調整できる。逆に、つまみねじ4を締め込むと
アンギュラプレート4は回動不能に固定され、鋸刃56
を一定の傾斜角度に固定できる。図示するように長溝孔
7bの側部には角度目盛り7fが表示されているととも
に、グリップ1には指針7gが設けられており、この指
針7gが指し示す角度表示によって鋸刃56の傾斜角度
を正確に設定できるようになっている。
【0015】次に、アンギュラプレート7の二股支持部
7aには二股部をなす左右の支持縁7d,7eが設けら
れており、両支持縁7d,7e間には、図3および図9
によく示されているようにブレードケース71の前下端
部に形成された支持縁71iが挿入され、この三つの支
持縁7d,7e,71i間にはピン41が跨がって挿入
されている。これにより、ブレードケース71はピン4
1を中心としてアンギュラプレート7に対し、マルノコ
の前後方向(図9において紙面に直交する方向)に回動
可能に支持されている。なお、ピン41の長さは、上記
挿入状態において右側の支持縁7dの右側面から若干突
き出るように設定されている。
【0016】ここで、上記ピン41には平行ピンが用い
られており、また図示するようにこのピン41を挿入す
るために二股支持部7aの両支持縁7d,7eには同心
の孔7cが形成され、この孔7cは左側(図9において
右側)の支持縁7eにおいて有底に形成されている。こ
のため、ブレードケース71をアンギュラプレート7に
組付ける際にはこのピン41は当該マルノコの右方(図
9において左方)からのみ孔7cに挿入可能となってい
る。そして、このピン41を挿入した後、ブレードケー
スカバー70がビス70a〜70aによりブレードケー
ス71に右方から重ね合わせ状に固定される。この際、
ブレードケースカバー70の前下端部に形成された張出
し縁70bが、ピン41の突出し部端面に押し付けられ
る。これにより、ピン41は孔7cに挿入された後、ブ
レードケースカバー70を取付けるだけで、ボルトある
いはクリップ等の特別の手段を施すことなくその抜け止
めがなされるようになっている。
【0017】次に、図1に示すように後側の支持縁12
bには、前記前側の支持縁12aのピン44と同軸に配
置されたピン34を介して、鋸刃56の切込み深さ調整
機構を構成するデプスガイド2が切削方向に対して左右
に傾動可能に支持されている。支持縁12bには円弧状
の長溝孔12d(図20参照)およびピン34を支持す
るための支持孔12fが形成され、デプスガイド2の、
この支持縁12bに当接される端部2eには孔2bおよ
びピン34を支持するための支持孔2dが形成されてい
る。この孔2bおよび上記長溝孔12dには、つまみね
じ31のねじ部31aが回り止めされた状態で挿通され
ている。これによれば、つまみねじ31を締め込むとデ
プスガイド2は支持縁12bに対して固定される一方、
つまみねじ31を緩めるとデプスガイド2はピン34を
中心にして左右方向に傾動可能となる。
【0018】ここで、図20に示すように支持縁12b
の、デプスガイド2の端部2eが当接される内側面であ
って、長溝孔12dの周囲には、円錐形状部12eが形
成されている。分図(a) ではこの円錐形状部12eを格
子状のハッチングを付して示した。この円錐形状部12
eは、支持孔12fの中心を頂点とする円錐の内周面の
一部をなすもので、分図(b) に示すようにその下部から
上部に至って下傾する凹曲面に形成されている。
【0019】一方、図19に示すようにデプスガイド2
の端部2eの、上記支持縁12bが当接される外側面で
あって、孔2bの周囲にも円錐形状部2cが形成されて
いる。この円錐形状部2cも分図(a) において格子状の
ハッチングを付して示されている。この円錐形状部2c
は、支持孔2dの中心を頂点とする円錐の外周面の一部
をなすもので、分図(b) に示すようにその下部から上部
に至って上傾する凸曲面に形成されて、端部2eを上記
支持縁12bに当接した状態において円錐形状部12e
に面当たりするように形成されている。
【0020】このように支持縁12bと、この支持縁1
2bにピン34を介して支持されるデプスガイド2の端
部2eの対向面にはそれぞれ円錐形状部12e,2cが
形成され、両円錐形状部12e,2cが相互に面当たり
した状態でデプスガイド2が支持縁12bに支持されて
いる。このため、デプスガイド2を傾動させると両円錐
形状部12e,2cは常に面当たりの状態で摺接され、
しかも両円錐形状部12e,2cがピン34の中心を頂
点とする同一の円錐の側面をなすものであるので、デプ
スガイド2はピン34を中心にしてスムーズに傾動す
る。
【0021】ここで、一般的にマルノコのベースはダイ
キャスト部品である場合が多く、このため上記支持縁1
2bに相当する部分には所定の抜き勾配を設定しておく
必要がある。ところが、この抜き勾配のために支持縁に
支持されるデプスガイドが傾いてしまうという問題があ
るため、これを解決するための手段として従来例えば実
開平4−76403号公報に開示されているように抜き
勾配を相殺するための突起を設けておく方法があった。
しかしながら、この方法によると支持縁とデプスガイド
とが点当たりで支持されるため、デプスガイドがガタつ
き、また突起の先端によって支持縁が損傷を受けるとい
う問題があった。この点、本例の構成によれば、上記し
たように支持縁12bの円錐形状部12eがその下部か
ら先端部に至って下傾して形成されていることで抜き勾
配が設定されており、しかもデプスガイド2が支持縁1
2bに支持された状態において両者の円錐形状部12
e,2cは面当たりの状態となる。
【0022】このことから、ベース12をダイキャスト
部品とした場合の抜き勾配を確保した上でデプスガイド
2をガタつきなく強固に支持することができ、しかもつ
まみねじ31による締め込み力は分散されるので支持縁
12bあるいはデプスガイド2の端部2eが損傷を受け
ることはなく、従って従来の点当たりの場合のような問
題はない。
【0023】次に、上記デプスガイド2は、図8によく
示されているように略L字形に形成されており、その先
端側はブレードケース71の裏側に回り込んでいる。こ
の先端側には図示するように長溝孔2aが形成されてお
り、この長溝孔2aには固定レバー3のシャフト部3a
が挿通されている。
【0024】すなわち、図3および図5に示すようにこ
の固定レバー3のシャフト部3aは、前記ハンドル部7
4の下部に支持されたスリーブ81に挿通され、さらに
その先端は上記デプスガイド2の長溝孔2a、ブレード
ケース71に形成された孔71aおよび後述するライビ
ングナイフホルダ29に形成された長溝孔29aに挿通
されている。このように各部を挿通されたシャフト部3
aの先端にはフランジ部3bと面取り部3cが形成され
ており、フランジ部3bはライビングナイフホルダ29
に当接され、また面取り部3cはライビングナイフホル
ダ29の長溝孔29a内に位置されている。このため、
このシャフト部3aは図3において下方(図5において
右方)に抜け不能かつ回転不能に装着されている。一
方、このシャフト部3aの後端部にはねじ部3dが形成
されており、このねじ部3dに六角ナット3eがねじ込
まれ、この六角ナット3eに固定レバー3が取付けられ
ている。
【0025】固定レバー3と六角ナット3eとの固定に
はUリング3fが用いられている。すなわち、固定レバ
ー3に設けられた六角孔3gに六角ナット3eが回転不
能に嵌め込まれ、然る後固定レバー3に形成された切込
み溝3hおよび六角ナット3eに形成された切込み溝3
i内にUリング3fを差し込むようにして装着すること
により固定レバー3と六角ナット3eが相互に回転不能
かつ抜け不能に固定されている。このため、このUリン
グ3fを切込み溝3h,3i内から外すだけで固定レバ
ー3をシャフト部3aから取り外すことができる。すな
わち、固定レバー3は、シャフト部3aに取付けられた
状態においては、モータハウジング67またはベース1
2に当接するため一定角度以上回転させることができ
ず、このため、固定レバー3をシャフト部3aから取り
外すにあたり、六角ナット3eと一体としては取り外す
ことができない。この点、固定レバー3と六角ナット3
eはUリング3fによって固定されているので、このU
リング3fを切込み溝3h,3i内から外すだけで固定
レバー3をシャフト部3aから簡単に取り外すことがで
き、逆に、六角ナット3eを固定レバー3の六角孔3g
内に挿入した後このUリング3fを双方の切込み溝3
h,3i内に差し込むようにして装着すれば固定レバー
3の装着は完了する。このことから、従来のように例え
ばリーフスプリングあるいは固定ビス等を用いた場合に
比して当該マルノコの構造を簡略化してその分解・組付
け性を向上させることができる。
【0026】このように、Uリング3fによって固定さ
れた六角ナット3eを介して固定レバー3はシャフト部
3aにねじ込まれている。このため、固定レバー3を回
転させると、シャフト部3aは回転しないのでこの固定
レバー3はシャフト部3aに対してねじ込まれ、しかも
シャフト部3aはフランジ部3bによって抜け不能であ
るので、結果的にスリーブ81がデプスガイド2に押し
付けられ、これによりデプスガイド2とブレードケース
71が相互に固定され、またライビングナイフホルダ2
9も固定される。
【0027】一方、固定レバー3を緩めるとシャフト部
3aのフランジ部3bとスリーブ81との間隔が広がる
のでデプスガイド2とブレードケース71との固定が解
除され、これによりブレードケース71は前記したよう
にピン41を中心にして当該マルノコの前後方向に回動
可能であり、これによれば鋸刃56のベース12の下方
への突出し寸法を変更することによりその切込み深さを
調整できる。
【0028】以上のようにしてベース12に支持された
ブレードケース71の背面には、図3と図4によく示さ
れているように略円筒状の台座部71bが一体形成され
ており、この台座部71bにはモータハウジング67が
取り付けられている。このモータハウジング67の側部
には前記したD字型のハンドル部74が一体に形成され
ている。
【0029】図4に示すようにモータハウジング67の
内部には、アーマチュア76およびフィールド66等を
主体とする当該マルノコの駆動モータが構成されてい
る。この駆動モータの出力軸76aすなわちアーマチュ
ア76の軸部はベアリング76b,76cによってモー
タハウジング67に回転自在に支持されている。なお、
前側のベアリング76bは、台座部71bの底部に形成
されたホルダ部71fに収容されているのであるが、図
13に示すようにこのホルダ部71fには弾性ゴムを素
材とするラバーピン71gが一部内周側にはみ出して装
着されているため、このラバーピン71gによってベア
リング76bの抜け出しが防止されるようになってい
る。
【0030】図4に戻って、出力軸76aの前端寄りで
あって上記前側のベアリング76bとアーマチュア76
の間には遠心式のファン73が取り付けられている。従
って、このファン73は駆動モータの起動とともに回転
し、これにより回転速度に見合った風量の風が、モータ
ーハウジング67の後面に設けられた吸気口67aを経
てモーターハウジング67内に吸い込まれる。吸い込ま
れた風の経路を図において矢印で示した。すなわち、モ
ーターハウジング67内に吸い込まれた風は、モーター
ハウジング67の後部から全部に至って流れ、その間に
おいてアーマチュア76やフィールド66等を冷却す
る。なお、例示した遠心式のファン73の他に軸流式の
ファンが装備された機種もあるが、主たる機能は同じで
ある。
【0031】次に、上記ファン73と駆動モータすなわ
ちアーマチュア76との間に張り出すようにしてモータ
ハウジング67の内周側にはバッフルプレート64が取
付けられている。このバッフルプレート64は略リング
状をなしているため、出力軸76aとの間には十分な隙
間があり、この隙間を経て、上記モーターハウジング6
7内に吸い込まれてその前部に至った風が絞り込まれ、
然る後、この風はファン73の前方(図示左方)に吹き
出される。
【0032】上記バッフルプレート64は緩いすり鉢状
をなしているため、絞り込まれた後、乱流を発生するこ
となく滑らかな流れにより前方へ吹き出される。こうし
てファン73の前方に吹き出された風は、台座部71b
の底部に形成された複数のスリット71c〜71cを経
てブレードケース71内に吹き込む。ここで、図13に
示すようにこのスリット71c〜71cおよび各スリッ
ト71cを形成する仕切り壁71e〜71eは、底部7
1bの図示ほぼ上半周の範囲において、スピンドル60
の軸心を中心とした放射状に形成されている。また、各
仕切り壁71e〜71eは、駆動モータの出力軸76a
にほぼ平行すなわち通風方向に対してほぼ直角に形成さ
れている。
【0033】さらに、台座部71bの底部には、図13
においてスピンドル60の近傍から反時計回りにスリッ
ト71c〜71cに向かって下る、滑らかな曲面形状の
傾斜部71dが形成されている。また、この傾斜部71
dおよびスリット71c〜71cに沿った、台座部71
bの内周壁面71hは、乱流の原因となるエッヂあるい
は段付き部のほぼない滑らかな周面とされている。この
内周壁面71hと上記傾斜部71dとからなる通風路
に、上記バッフルプレート64によって絞り込まれた後
ファン73の前方に吹き出された風が流れ込むようにな
っている。
【0034】ブレードケース71の内部には、図6また
は図7によく示されているように上部周縁に沿って仕切
り壁82aが形成されて集塵路82が設けられている。
この集塵路82の図示右端部がブレードケース71の内
部に開口されて切削屑の流入口82bとされ、左端部は
閉塞されて終端部82cとされ、この終端部82cに対
応してブレードケースカバー70には、図1に示すよう
に排出口83が設けられている。この排出口83には、
図示は省略したが集塵袋が取付けられるようになってい
る。このように形成された集塵路82によれば、図6に
おいて反時計回り方向に回転する鋸刃56により発生し
た切削屑が、鋸刃56の排出力(遠心力)およびこれに
より発生する風によって流入口82bに向かって吹き付
けられ、然る後この流入口82bから集塵路82、排出
口83を経て集塵袋に収容される。ここで、上記仕切り
壁82aは、スリット71c〜71cを経て吹き出され
た風が集塵路82a内に吹き込まないようこの風を集塵
路82内から分離する機能を有しているため、スリット
71c〜71cを経てブレードケース71内に風を吹き
出すことによって切削屑の排出効率に悪影響を及ぼすこ
とはないようになっている。
【0035】次に、図4に戻って駆動モータの動力伝達
部について説明する。すなわち、駆動モータの出力軸7
6aの先端部にはギヤ部76dが形成され、このギヤ部
76dは従動ギヤ59に噛み合わされている。この従動
ギヤ59は、前記したスピンドル60に固定され、この
スピンドル60はベアリング61,57によって出力軸
76aと平行に配置されて回転自在に支持されている。
後側(図示右側)のベアリング61は、前記台座部71
bの底部に支持され、前側(図示左側)のベアリング5
7は同じく台座部71bの底部に取付けられた、リング
状をなすベアリングボックス49の内周側に支持されて
いる。このように支持されたスピンドル60の先端部は
ブレードケース71内に突き出され、この先端突出し部
には、ボルト53によって固定されたアウタおよびイン
ナの両フランジ54,55を介して円盤状の鋸刃56が
着脱可能に固定されている。
【0036】上記スピンドル60の後端部(図示右端
部)には、例えば鋸刃56を交換すべく上記ボルト53
を緩めたりあるいは締め付けたりする際の便宜を図るた
めに、このスピンドル60を回転不能にロックするため
のスピンドルロック機構が構成されている。このスピン
ドルロック機構によれば、別途所定の工具等を用意する
ことなくその場で鋸刃56の交換作業を簡単に行うこと
ができる。
【0037】すなわち、図4、図13および図14に示
すようにスピンドル60の後端部には二面幅部60aが
形成されており、この二面幅部60aに対して回転方向
について係脱する係止部63aを有するロックプレート
63が、台座部71bとモータハウジング67との接合
部においてスライド可能に支持されている。
【0038】図13によく示されているようにこのロッ
クプレート63は、台座部71bの周縁壁部に切込み形
成された溝部63b,63b間に跨がった状態に挿入支
持され、その先端部(図示左端部)は台座部71bの側
方に突き出されている。一方、前記したバッフルプレー
ト64の周縁には、図14および図15に示すように上
記両溝部63b,63bに対応して突起部64a,64
aが突出し形成されており、この両突起部64a,64
aがそれぞれ溝部63b,63b内に挿入されている。
これにより、ロックプレート63の溝部63b,63b
からの脱落が防止され、ひいてはこのロックプレート6
3がガタつきなくスムーズにスライドするよう支持され
ている。従って、当該スピンドルロック機構の組付けに
あたり、台座部71bの両溝部63b,63bにロック
プレート63を跨がって挿入し、次に、突起部64a,
64aが両溝部63b,63bに挿入される状態でバッ
フルプレート64を台座部71bに被せるようにして配
置し、然る後、台座部71bにモータハウジング67を
固定することにより、上記ロックプレート63およびバ
ッフルプレート64が所定の状態に支持される。
【0039】さて、このロックプレート63の中央部に
上記した係止部63aが形成されており、この係止部6
3aはスピンドル60を挿通可能な径の円形孔63c
と、この円形孔63cに連続して形成された係止溝63
dからなる。係止溝63dの幅は、スピンドル60の二
面幅部60aの幅よりも大きく、スピンドル60の径よ
りも小さくなっている。
【0040】また、ロックプレート63の下面には、図
14および図15によく示されているように係止片63
eが下方へ突き出した状態に切起し形成されている。一
方、台座部71bの底部には長溝形状かつ段付きの凹部
62aが形成されている。この凹部62a内には圧縮コ
イルバネ62がその底面から浮いた状態に収容され、こ
の圧縮コイルバネ62の図示左端面と凹部62aの左側
壁との間に上記係止片63eが挿入されている。
【0041】以上のように構成されたロック機構によれ
ば、スピンドル60のロックが次のようにして行われ
る。すなわち、スピンドル60の二面幅部60aを図示
するようにほぼ水平に位置させた状態において、作業者
がロックプレート63の先端突出し部を圧縮コイルバネ
62に抗して押せば、ロックプレート63は図示右方に
スライドされて二面幅部60aは相対的に円形孔63c
内から係止溝63d内に挿入され、これによりスピンド
ル60が回転不能にロックされる。
【0042】一方、作業者がロックプレート63から指
を離せば、このロックプレート63は圧縮コイルバネ6
2によって図示左方に戻され、従って二面幅部60aは
相対的に係止溝63d内から脱して円形孔63c内に移
動され、これによりスピンドル60は再び回転自在の状
態に復帰する。
【0043】次に、スピンドル60の先端に取付けられ
て、ブレードケース71内において回転自在に配置され
た鋸刃56の周囲には、前記したセーフティカバー50
およびライビングナイフ30が配置されている。
【0044】セーフティカバー50は、図3または図4
から明らかなように鋸刃56を表裏両側からカバーすべ
く裏カバー50aと表カバー50bとから構成されてい
る。裏カバー50aは鋸刃56のほぼ下半分を裏側から
覆うべく半円状をなし、以下説明するようにしてブレー
ドケース71の台座部71bに、スピンドル60を中心
にして当該マルノコの前後方向に回転可能に支持されて
いる。一方、表カバー50bは、鋸刃56のほぼ下半周
の周縁を表側から覆うべく円弧状に形成されている。こ
のように形成された裏カバー50aと表カバー50bと
がその両端部において一体に接合されて、両カバー50
a,50b間に一定の隙間をあけて重ね合わせてなるセ
ーフティカバー50が構成されている。鋸刃56は、両
カバー50a,50b間の隙間にその周縁部を挿入した
状態に配置されている。
【0045】一方、ライビングナイフ30は、切削直後
における切削片間の隙間を適正に保持して鋸刃56の切
削抵抗を低減させ、また鋸刃56の通称キックバックを
防止する目的で装備されたもので、図1、図6および図
7に示すように略三日月状の湾曲形状をなし、鋸刃56
とほぼ同じ板厚を有している。このライビングナイフ3
0はライビングナイフホルダ29の先端に取り付けら
れ、このライビングナイフホルダ29は以下説明するよ
うにしてブレードケース71の台座部71bに、上記セ
ーフティカバー50と同様にスピンドル60を中心にし
て回転可能に支持されている。このライビングナイフホ
ルダ29を回転させることによりライビングナイフ30
は鋸刃56の外周に沿って移動可能となっている。
【0046】さて、セーフティカバー50およびライビ
ングナイフホルダ29は以下のようにしてブレードケー
ス71の台座部71bに支持されている。図3または図
4に示すように、ブレードケース71の台座部71bの
内面側には、前記したベアリングボックス49が取付け
られており、このベアリングボックス49はリング状を
なしてその内周側にはベアリング57が支持され、この
ベアリング57によりスピンドル60が支持されている
ことは前記したとおりであるが、このベアリングボック
ス49の外周側は、図3および図4に示すように先端側
の小径部49aと中央の大径部49bとに段付き形成さ
れるとともに、図6および図7に示すように二平面49
c,49cが平行に面取りされている。この面取りにつ
いてはさらに後述する。
【0047】これに対して、図3によく示されているよ
うにセーフティカバー50の裏カバー50aの上部中央
には、裏面側に若干突き出してボス部50cが設けら
れ、このボス部50cには上記ベアリングボックス49
の小径部49aを挿入可能な径の支持孔50dが形成さ
れている。また、ライビングナイフホルダ29の基端部
には同じくベアリングボックス49の大径部49bを挿
入可能な径の支持孔29bが形成されている。なお、こ
の支持孔29bは、図示するように互いに一定の間隔を
おいて平行な張出し縁29d,29dが内周側に張り出
して形成されているが、これについてはさらに後述す
る。そして、先ずライビングナイフホルダ29がその支
持孔29bを介して大径部49bに嵌め付けられ、次に
セーフティカバー50がその支持孔50dを介して小径
部49aに嵌め付けられ、然る後、当該ベアリングボッ
クス49の先端面にベアリングリテーナ51をビス5
2,52により固定することで、セーフティカバー50
およびライビングナイフホルダ29がそれぞれ回転可能
に支持されている。
【0048】上記のように支持されたセーフティカバー
50の上端部とブレードケース71の上部(集塵路82
の終端部82c近傍)との間には、図1、図6および図
7に示すように引張りコイルバネ27が引き掛けられて
いる。このため、このセーフティカバー50は同図にお
いて反時計回り方向に付勢されており、この付勢力に抗
して時計回り方向(鋸刃56を露出する方向)に回動可
能であり、この方向に回動させる外力が除去されると引
張りコイルバネ27によって反時計回り方向に回転して
鋸刃56を覆う状態に戻されるようになっている。
【0049】また、ブレードケース71の内面下部に
は、セーフティカバー50の反時計回り方向の回転を規
制するためのストッパとして、円筒形に形成されたスト
ッパゴム37が取付けられている。すなわち、ブレード
ケース71の内側面の下部には、図11の分図(a) によ
く示されているようにストッパゴム37の内径よりもわ
ずかに大きな外径の円柱形をなす円柱突起38が立設状
に一体形成され、またこの円柱突起38の外周には、上
記円柱突起38と同心でかつストッパゴム37の外径よ
りもわずかに小さな内径の円弧面を有する円弧突起39
が一体に形成されている。従って、両突起38,39間
の間隔はストッパゴム37の肉厚よりもわずかに小さく
なっている。
【0050】これによればストッパゴム37は、図示す
るようにその内周側に円柱突起38を挿入しつつこの円
柱突起38と円弧突起39との間に当該ストッパゴム3
7の一部を圧入することにより所定の位置に固定され
る。このようにして取付けられたストッパゴム37によ
れば、セーフティカバー50は、図1または図6に示す
ように鋸刃56の、ベース12の下方へ突き出た部分の
ほぼ全体を覆うこととなる位置で、それ以上の反時計回
り方向への回転が阻止される。
【0051】さらに、このセーフティカバー50の先端
にはローラ47が取付けられており、切削作業にあたっ
てこのローラ47を被切削材に軽く押し付けるとこれに
伴ってセーフティカバー50が時計回り方向に回転して
鋸刃56の下部が適度に露出されて被切削材にあてがわ
れる。切削作業中、ローラ47は前記引張りコイルバネ
27によって常時被切削材に押し付けられているため、
鋸刃56の露出部分は極力少なくされ、これにより切削
作業の安全が図られるようになっている。また、ローラ
47は常時被切削材に押し付けられているので、鋸刃5
6の切込み深さが増すにつれてセーフティカバー50は
相対的に時計回り方向に回転され、従って鋸刃56の露
出部分はスムーズに増大する。さらに、切削作業の進行
に伴ってマルノコはスミ線に沿って移動されるのである
が、この場合にもローラ47が被切削材の上面を転動す
るため、マルノコを抵抗なくスムーズに移動できる。
【0052】次に、上記セーフティカバー50と同様ベ
アリングボックス49に支持されたライビングナイフホ
ルダ29の後端部には前記したようにライビングナイフ
30が取付けられている。すなわち、このライビングナ
イフホルダ29の先端部前面には、図1、図6、図7、
図17に示すように二つの円盤状の突起29c,29c
が、前記支持孔29bに形成された張出し縁29dの先
端線に対して一定角度を有する軸線上に所定の間隔をお
いて固定されている。一方、ライビングナイフ30の上
部には、上記突起29cをほぼガタなく挿入可能な幅の
長溝孔30aが形成されている。
【0053】これによれば、長溝孔30a内に突起29
c,29cを挿入してライビングナイフ30の上部をラ
イビングナイフホルダ29の先端部に重ね合わせた後、
ボルト28を締込めばこのライビングナイフ30はライ
ビングナイフホルダ29に固定される。ここで、例えば
実公昭62−34725号公報に開示されているように
二本のボルトだけで固定した場合には、当該ボルトと長
溝孔との間の隙間がある程度大きくなってしまうため、
結果的にライビングナイフのガタつきが大きくなり、ひ
いては鋸刃等に接触するおそれがある。この点、本例の
取付け構造によればボルト28を一本締め付けるだけで
ライビングナイフ30は固定されるので部品点数は減少
し、またライビングナイフ30の取付け作業が簡単にな
る。しかも長溝孔30a内には二つの突起29c,29
cがほぼ隙間のない状態に挿入されるため、このライビ
ングナイフ30をライビングナイフホルダ29に対して
位置決めしてガタつきのない状態に固定しておくことが
できる。
【0054】また、ライビングナイフ30の中央には前
記した長溝孔29aが形成されており、この長溝孔29
aには固定レバー3のシャフト部3aが挿通され、かつ
この長溝孔29aの側縁にはシャフト部3aのフランジ
部3bが当接されて、このシャフト部3aの抜け止めが
なされている。この点は前記したとおりである。
【0055】次に、このライビングナイフホルダ29の
支持構造について説明する。このライビングナイフホル
ダ29は、ブレードケース71のベース12に対する回
動に連動して回転するように支持されている。すなわ
ち、上述したようにこのライビングナイフホルダ29の
基端部には支持孔29bが形成され、この支持孔29b
を介してライビングナイフホルダ29がベアリングボッ
クス49の大径部49bに回転可能に支持されているの
であるが、これとは別にこのライビングナイフホルダ2
9と前記したアンギュラプレート7との間には、図6お
よび図7に示すようにリンクアーム40が装着されてい
る。
【0056】このリンクアーム40の先端部にはピン4
0aが立設状に固定されており、このピン40aはライ
ビングナイフホルダ29の基端部の下部に設けられた結
合孔29eに回転可能に挿入され、これによりリンクア
ーム40の先端部がライビングナイフホルダ29の基端
部にピン結合されている。一方、リンクアーム40の後
端部はアンギュラプレート7の二股支持部7aの下部に
ピン40bを介して回転可能に結合されている。なお、
図4および図18に示すようにこのリンクアーム40の
先端の一部は、ライビングナイフホルダ29の張出し縁
29dとともに後述する円弧溝部49d内に挿入されて
いる。この点についてはさらに詳述する。
【0057】このようにライビングナイフホルダ29
と、ブレードケース71が支持されるアンギュラプレー
ト7との間にリンクアーム40が装着されていることに
より、前記したように鋸刃56の切込み深さを調整すべ
くブレードケース71をピン41を中心にして図6から
図7に示すように図示上方に回動させると、当然のこと
ながらライビングナイフホルダ29、鋸刃56およびセ
ーフティカバー50の回転中心(すなわち、スピンドル
60)がピン41を中心とする円周上を上方へ円弧移動
するので、鋸刃56およびセーフティカバー50はブレ
ードケース71と一体となって上方へ移動するのである
が、ライビングナイフホルダ29はその回転中心(すな
わちスピンドル60)は上方へ円弧移動する一方、リン
クアーム40の作用により相対的に下方へ回転される。
すなわち、このライビングナイフホルダ29は、その回
転中心が上方へ移動しつつ鋸刃56に対して反時計回り
方向に回転される。
【0058】このようなライビングナイフホルダ29
支持構造よれば、このライビングナイフホルダ29の先
端に取付けられたライビングナイフ30は、上方へ移動
しつつある鋸刃56の周囲に沿って反対に下方へ移動さ
れ、ひいては鋸刃56とライビングナイフ30との上下
方向の相対位置関係を、常にライビングナイフ30の先
端より鋸刃56の下端部の方がわずかに下方へ突き出て
いる状態に維持でき、これによりこのライビングナイフ
30のくさび作用が、鋸刃56の位置(回転中心として
のスピンドル60の位置)に関係なく常に良好に発揮さ
れる。
【0059】なお、ブレードケース71の上方への移動
は、図7に示すように前記デプスガイド2の長溝孔2a
の上端に前記固定レバー3のシャフト部3aが当接する
ことにより規制される。一方、図6に示すように長溝孔
2aの下端にシャフト部3aが当接することによりブレ
ードケース71の下方への移動が規制される。ブレード
ケース71の上方または下方への移動が規制されると、
鋸刃56、セーフティカバー50およびライビングナイ
フホルダ29も当然にこの時点で上方または下方へ移動
不能となる。
【0060】ところで、前記したようにライビングナイ
フホルダ29の支持孔29bには、対向する二箇所に張
出し縁29d,29dが互いに一定の間隔をおいて平行
に内周側に張出して形成されているのであるが、図6、
図7および図17に示すようにこの支持孔29bの内周
側に挿入されるベアリングボックス49の大径部49b
には、所定深さの円弧溝部49d,49dが切込み形成
されている。すなわち、ベアリングボックス49の小径
部49aおよび大径部49bは、前記したように二平面
49c,49cが平行に面取りされているのであるが、
図示するようにこの二平面49c,49cの中程からそ
れぞれ時計回り方向に一定の範囲で円弧溝部49d,4
9dが形成されており、両円弧溝部49dの深さは、上
記ライビングナイフホルダ29の張出し縁29dの張出
し寸法にほぼ一致している。
【0061】そして、図6に示すようにブレードケース
71が下端位置にある状態にあっては、張出し縁29d
の大部分がそれぞれ円弧溝部49d内に入り込んだ状態
となり、また、図7に示すようにブレードケース71が
上端位置にある状態にあっては、張出し縁29dのごく
僅かな部分が円弧溝部49d内に入り込んだ状態とな
る。このようにブレードケース71を、図6に示す下端
位置から図7に示す上端位置にまで回動させる過程にお
いて、ライビングナイフホルダ29は相対的に下方(反
時計回り方向)に回動するのであり、また、その間にお
いて張出し縁29d,29dは常に円弧溝部49d,4
9d内に入り込んだ状態となるようになっている。
【0062】また、前記したようにライビングナイフホ
ルダ29の基端部の下部すなわち図示下側の張出し縁2
9dの近傍には結合孔29eが形成され、この結合孔2
9eにリンクアーム40のピン40aが挿入されてこの
リンクアーム40の先端部がライビングナイフホルダ2
9の基端部に結合され、しかもこのリンクアーム40の
先端の一部は図4および図18に示すように上記張出し
縁29dと、円弧溝部49dの図18において下側の側
壁との間に挟まれた状態となっている。そして、この挟
まれた状態が、ブレードケース71を図6に示す下端位
置から図7に示す上端位置にまで回動させる過程におい
て、常に維持されるようにリンクアーム40の先端部の
形状あるいは円弧溝部49dの側壁の形状が設定されて
いる。
【0063】このように、リンクアーム40の先端部お
よびライビングナイフホルダ29の張出し縁29dがと
もに円弧溝部49d内に挿入された状態となるため、両
部材40,29の、ピン40aの軸方向への移動が規制
され、これによりピン40aは結合孔29eから抜け不
能であり、従ってリンクアーム40はピン結合が外れな
い状態でライビングナイフホルダ29に取付けられてい
る。
【0064】上記のように形成された大径部49bの円
弧溝部49d,49dと支持孔29bの張出し縁29
d,29dによれば、ライビングナイフホルダ29をベ
アリングボックス49から取り外すためには、大径部4
9bに対するライビングナイフホルダ29の周方向の相
対位置を調整して、図17に示すように支持孔29bの
張出し縁29d,29dを大径部49bの平面49cに
それぞれ平行に一致させ、これにより両張出し縁29
d,29dが円弧溝部49d,49dから外れた状態と
する必要がある。以下、この状態における、ライビング
ナイフホルダ29の大径部49bに対する周方向の位置
を、ライビングナイフホルダ29の「組付け位置」とい
う。
【0065】そして、上記したようにリンクアーム40
の先端部は、張出し縁29dと円弧溝部49dの側壁と
の間に挟まれているので、ライビングナイフホルダ29
を「組付け位置」に位置させた後ベアリングボックス4
9の大径部49bから取り外した状態においてのみその
先端側のピン40aによる結合を外す、すなわちピン4
0aを結合孔29eが抜くことができるようになってい
る。
【0066】このことから、ライビングナイフホルダ2
9をベアリングボックス49に組付ける際に、ライビン
グナイフホルダ29を「組付け位置」とした状態におい
て、このライビングナイフホルダ29の結合孔29eに
リンクアーム40のピン40aを挿入してこのリンクア
ーム40をライビングナイフホルダ29にピン結合し、
かつ支持孔29b内に大径部49bを挿入した後、ブレ
ードケース71を下方へ回動させてライビングナイフホ
ルダ29をその「組付け位置」からずらすと、張出し縁
29d,29dの一部が円弧溝部49d,49d内に入
り込むこととなり、これによりライビングナイフホルダ
29は軸方向の移動が規制されて大径部49bから抜け
不能に組付けられるとともに、リンクアーム40のピン
40aは結合孔29eから抜け不能となるためこのリン
クアーム40のピン結合が外れ不能に組付けられる。
【0067】そして、この状態のままブレードケース7
1を下方に回動させることにより、ライビングナイフホ
ルダ29の長溝孔29a、ブレードケース71の孔71
aおよびデプスガイド2の長溝孔2aを一致させればこ
の三つの孔29a,71a,2aに固定レバー3のシャ
フト部3aを挿通可能となり、最早この時点では上記し
たようにライビングナイフホルダ29はベアリングボッ
クス49の大径部49bから抜け不能であり、またリン
クアーム40のピン結合も外れ不能に組付けられた状態
となっている。
【0068】このように、当該マルノコの組付け状態、
換言すれば固定レバー3のシャフト部3aが、ライビン
グナイフホルダ29の長溝孔29a、ブレードケース7
1の孔71aおよびデプスガイド2の長溝孔2a内に挿
通された状態において、ブレードケース71は前記した
ようにシャフト部3aが長溝孔29a,2a内を移動可
能な範囲で上下に回動可能であるが、このブレードケー
ス71の回動可能な範囲においてはライビングナイフ2
9は「組付け位置」に至ことはなく、上記三つの孔29
a,71a,2aからシャフト部3aを引き抜いた状態
でブレードケース71をさらに上方へ回動させてライビ
ングナイフホルダ29を相対的に反時計回り方向にさら
に回動させた時にのみこのライビングナイフホルダ29
が「組付け位置」に位置することとなるよう、長溝孔2
9a,2aの長さ、孔71aの位置あるいはベアリング
ボックス49の二平面49c,49cに対する張出し縁
29d,29dの位置関係等が設定されている。
【0069】以上のように構成さたれたライビングナイ
フホルダ29の支持構造によれば、当該マルノコの組付
け時においてライビングナイフホルダ29をベアリング
ボックス49に組付ける際には、前記したようにブレー
ドケース71を図7に示す位置よりもさらに上方に回動
させて、ベアリングボックス49の大径部49bに対し
てライビングナイフホルダ29を「組付け位置」に位置
させ、かつこの「組付け位置」でリンクアーム40の先
端部をピン40aを介して結合しておく。そして、この
状態のまま支持孔29b内に大径部49bを挿入してラ
イビングナイフホルダ29をベアリングボックス49に
嵌め付け、次に、この状態のままブレードケース71を
下方に回動させて前記三つの孔29a,71a,2aを
一致させ、然る後この三つの孔29a,71a,2aに
固定レバー3のシャフト部3aを前記した向きで挿入す
ればよい。
【0070】すなわち、ブレードケース71を下方に回
動させると、スピンドル60の中心、ピン40a,40
bの中心およびピン41の中心の合計4点による四節リ
ンク構造により、ライビングナイフホルダ29は相対的
に上方すなわち時計回り方向に回動する。すると、支持
孔29bに形成された張出し縁29d,29dおよびリ
ンクアーム40の先端部がベアリングボックス49の円
弧溝部49d内に入り込み、これによりライビングナイ
フホルダ29とリンクアーム40の、ピン40aの軸方
向(すなわちスピンドル60の軸方向)への移動が規制
される。このため、ライビングナイフホルダ29の結合
孔29eに挿入されていたピン40aは抜け出し不能と
なり、これによりリンクアーム40のライビングナイフ
ホルダ20に対する組付けが完了する。
【0071】以上のように構成された本例の電気マルノ
コによれば、次のような種々作用効果を奏する。
【0072】(1)ベース12の側部には定規装着部1
3が設けられており、この上記装着部13は二箇所のつ
まみねじ13b,13bを備えている。このため、平行
定規は二箇所のつまみねじ13b,13bによって固定
されるので、ガタつきなく強固に固定しておくことがで
きる。また、つまみねじ13b,13bが溝部13aの
前後両端寄りに設けられているので、いずれか一方のつ
まみねじ13bを用いることにより、従来のように一箇
所に設けた構成に比して平行定規をベース12の前後両
方向へより大きく突き出した状態で固定できるようにな
り、平行定規の計測可能な範囲が広がる。
【0073】(2)グリップ1は作業者が把持するため
の把持部としての機能の他に、鋸刃56の切込み角度調
整機構の固定部すなわちつまみねじ4を締込むための部
材としての機能を併せ持つ構成であるので、従来別個の
部材によりそれぞれの機能を達成していた場合に比して
部品点数の削減を図ることができる。
【0074】(3)ブレードケース71をベース12に
対してピン結合するためのピン41は平行ピンであるの
で、スプリングピンを用いた場合のように抜き出す場合
に特殊な工具を要することなく簡単に抜き出すことがで
き、しかもブレードケースカバー70をブレードケース
71に取付けるだけでこのピン41の孔7cからの抜け
止めがなされるので、この抜け止めのために別途ボルト
あるいは止め輪等の手段を要しない。このことから、当
該ブレードケース71の取付け構造は簡略化され、ひい
ては当該マルノコの部品点数の削減あるいはその組付け
性、分解性の向上が図られている。
【0075】また、ブレードケース71は、二股支持部
7aの前側の支持縁7dをブレードケースカバー70の
張出し縁70bとの間に挟み込んだ状態でアンギュラプ
レート7に支持される。このため、二股支持部7aの両
支持縁7d,7e間の間隔を、ブレードケース71の支
持縁71iの幅より大きく形成しても、ブレードケース
71の支持縁71iは二股支持部7aの前側の支持縁7
dに押し付けられる。このことから、両支持縁7d,7
e間の間隔を比較的大きくしてブレードケース71の支
持縁71iを挿入する際の組付け性を確保した上で、な
おかつブレードケース71をガタつきなくアンギュラプ
レート7すなわちベース12に支持することができる。
【0076】なお、本例ではベース12側に二股支持部
7aを設けて平行ピン41を両端支持する構成とした
が、例えばベース12側の支持縁を上記二股支持部7a
の前側の支持縁7dのみとして平行ピン41を片持ち支
持する構成とすることも可能である。この場合には、ブ
レードケース71の支持縁71iに形成される孔が有底
孔とされる。
【0077】また、以上説明した実施例では、支持孔7
cを有底孔に形成してピン41の先端部が支持縁7dの
側面から突き出されるように構成したが、これに限らず
例えば図10に示すように構成してもよい。すなわち、
同図に示すように二股部7a′の両支持縁7d,7e′
には支持孔7c′を貫通して形成し、この支持孔7c′
にはツバ付きピン41′を挿入することとしてもよい。
この構成によれば、ツバ付きピン41′は、そのツバ部
41aを支持縁7dの図示左側面に当接させた状態で支
持孔7c′に挿入され、かつ、このツバ部41aはブレ
ードケースカバー70の張出し縁70bによって上記当
接状態に押し付けられる。従って、この構成によって
も、ブレードケースカバー70をブレードケース71に
取付けることによりツバ付きピン41′の抜け止めがな
され、かつブレードケース71がアンギュラプレート7
すなわちベース12に対してガタつきなく支持すること
ができる。なお、この構成を上記片持ち支持する構成に
適用することも可能である。
【0078】(4)ベース12の支持縁12bと、この
支持縁12bにピン34を介して支持されるデプスガイ
ド2の端部2eの対向面にはそれぞれ円錐形状部12
e,2cが形成され、両円錐形状部12e,2cが相互
に面当たりした状態でデプスガイド2が支持縁12bに
支持されている。このため、当該ベース12をダイキャ
スト部品とした場合の抜き勾配を確保した上で、デプス
ガイド2を左右方向に傾くことなく正規の姿勢に支持で
きる。しかも、両円錐形状部12e,2cは相互に面当
たり状態に接触されるため、従来の点当たりの場合に発
生する不具合は発生せず、支持縁12bあるいはデプス
ガイド2の端部2eに損傷を受けることなく、かつデプ
スガイド2をガタつきなく強固に固定できる。
【0079】(5)鋸刃56の切込み深さ調整機構にお
ける固定レバー3と六角ナット3eはUリング3fによ
って固定されているので、従来のように例えばリーフス
プリングあるいは固定ビス等を用いた場合に比して当該
マルノコの構造を簡略化してその分解・組付け性を向上
させることができる。
【0080】(6)ファン73の回転によりモーターハ
ウジング67内に吸い込まれた風はバッフルプレート6
4を経た後ファン73の前方に吹き出され、然る後スリ
ット71c〜71cを経てブレードケース71内に吹き
出される。ここで、従来、モータ冷却用のファンにより
モーターハウジング内に吸い込まれた風を排出するため
の吹き出し口は、ファン73の放射方向に吹き出すため
例えば台座部71bとモータハウジング67との合わせ
面に設けられていたため、マルノコの側部から風が直接
吹き出されるようになっており、このため、風が吹き出
し口から排気される時には風切り音が発生し、場合によ
っては笛を吹くことと同じ状態となって非常に大きな風
切り音が発生し、作業者は不快な思いをしながら作業を
行わなければならず、電気マルノコの使用感を著しく損
なっていた。この点、上記したように本例の構成によれ
ば、モーターの冷却に供せられた風はブレードケース7
1内に吹き出される構成であるので、風切り音はブレー
ドケース内でこもってしまい、従って従来のように直接
外部に吹き出す構成に比して騒音は大幅に低減され、当
該マルノコの静粛性を高めることができる。
【0081】しかも、バッフルプレート64を経てファ
ン73の前方に吹き出された風が流入する台座部71b
の底部には滑らかな曲面形状をなす傾斜部71dが形成
され、またこの台座部71bの内周壁面71hは滑らか
な周面とされている。このため、ファン73の前方に吹
き出された風はなんら流れを阻害されることなく滑らか
に、また異音(風切り音)を発生することなくスリット
71c〜71cに向かって導かれ、また、スリット71
c〜71cにまで至った風は、通風方向に対してほぼ直
交して設けられた仕切り壁71e〜71eに吹き当た
り、これにより通風路内の風圧が適度に高められる。こ
の通風路内の風圧が適度に高められることにより吹き返
された風は各スリット71cを経てスムーズにかつ分散
してブレードケース71内に吹き出される。以上のこと
からも当該マルノコの静粛性を高めることができる。
【0082】また、ブレードケース71内に設けられた
仕切り壁82aによって、スリット71c〜71cを経
てブレードケース71内に吹き出された風が集塵路82
内に吹き込まないようになっているので、ブレードケー
ス71内に風を吹き出すことによって切削屑の排出効率
が低下するといった問題は発生しない。
【0083】なお、携帯用の電気マルノコを例示して本
例の騒音防止構造を説明したが、この騒音防止構造は携
帯用の電気マルノコに限らず、例えば卓上型のマルノコ
盤に付設される電気マルノコ等にも広く適用可能なもの
である。
【0084】(7)スピンドル60のロック機構におい
て、圧縮コイルバネ62は凹部62a内に収容される構
成であるので、圧縮コイルバネ62の組付けにあたって
作業者はこの圧縮コイルバネ62を凹部62a内に横た
えて装入すれば足りる。すなわち、圧縮コイルバネ62
を凹部62a内に横たえて装入した後、係止部材として
のロックプレート63が、その係止片63eをこの圧縮
コイルバネ62の前端と凹部62aの前壁(図示左側の
壁)との間に挿入して凹部62aを閉塞する状態に支持
されると、圧縮コイルバネ62は、ロックプレート63
とこのロックプレート63を支持する側すなわち凹部6
2aが形成された台座部71bとの間に介装され、これ
によりロックプレート63を一定方向に付勢する状態に
組付けられる。このことから、従来のようにコイルばね
をビス止め等する必要はなくなるので、その組付け作業
をだれでも簡単に行えるようになる。
【0085】また、ロックプレート63は、台座部71
bの両溝部63b,63bに跨がって挿入した後に、突
起部64a,64aを両溝部63b,63bに挿入する
状態でバッフルプレート64を台座部71bに被せるよ
うにして配置し、然る後、台座部71bにモータハウジ
ング67を固定することにより装着が完了され、しかも
以上によりバッフルプレート64も所定の状態に装着さ
れるようになっている。このため、このロックプレート
63およびバッフルプレート64をそれぞれを個々に支
持または固定する必要はなく、この点でこの周辺の組付
け性が大変よくなっている。
【0086】なお、例示した実施例ではスピンドル60
に二面幅部60aを設けてこのスピンドル60の回転を
直接ロックする構成を例示したが、これに限らず例えば
小型機種の場合にあってはスピンドルがより小径となる
ため、強度の点からスピンドルに二面幅部を形成するこ
とが適当でない場合があり、この場合には例えば図16
に示すようにスピンドル(図示省略)よりも大径に設定
される駆動モータの出力軸176aに二面幅部160a
を形成してこの出力軸176aの回転をロックすること
でスピンドルの回転を間接的にロックする構成としても
よい。
【0087】すなわち、出力軸176aに取付けられる
ファン73と、出力軸176aを支持するベアリング7
6bとの間にはロックプレート163を挿通可能な隙間
を設け、この隙間を利用してロックプレート163を台
座部171bに形成した溝部63b,63bを介してス
ライド可能に支持する。このロックプレート163のほ
ぼ中央には同様にして円形孔163cとこの円形孔16
3cに連続して形成された係止溝163dからなる係止
部163aを設ける。円形孔163cは、ベアリング7
6bの組付け手順の都合上、このベアリング76bを挿
通可能な径で形成され、係止溝163dは上記二面幅部
160aの幅よりも大きく、出力軸176aの径よりも
小さい幅で形成されている。一方、同図の分図(a) に示
すように上記ロックプレート163の下面には係止片1
63eを下方へ切起し形成し、台座部171bの底部に
は前記と同様の凹部162aを設け、この凹部162a
内には圧縮コイルバネ162を収容して、この圧縮コイ
ルバネ162の図示左端部と凹部162aの左側壁との
間に上記係止片163eが挿入された状態にロックプレ
ート163が支持されている。
【0088】このように構成されたロック機構によれ
ば、出力軸176aの二面幅部160aを図示するよう
に係止溝163dに沿った向きにした後、ロックプレー
ト163を図において右方へスライドさせれば、係止溝
163d内にこの二面幅部160aが嵌まり込み、これ
により出力軸176aは回転不能にロックされる。出力
軸176aが回転不能にロックされれば、この出力軸1
76aとは、ギヤ部76dおよび従動ギヤ59を介して
一体で回転するスピンドル60が回転不能にロックされ
る。
【0089】なお、前記した同様の作用によりロックプ
レート163およびバッフルプレート64をそれぞれを
個々に支持または固定する必要はなく、このロック機構
周辺の組付け性がよくなっている点は同様である。
【0090】以上、本例では電気マルノコにおけるスピ
ンドルのロック機構を例示して説明したが、このロック
機構は電気マルノコに限らず、例えばディスクグライン
ダー等の他の回転工具にも広く適用可能である。
【0091】(8)セーフティカバー50の反時計回り
方向の回転を規制するためのストッパとしてのストッパ
ゴム37は、その内周側に円柱突起38を挿入しつつ当
該ストッパゴム37の一部を円柱突起38と円弧突起3
9との間に圧入するだけで固定される。この点、従来は
ビス止め等により固定していたため、ストッパゴムの取
付けにあたってドライバー等の工具を用いてねじ締め作
業を行う必要があったので手間がかかった。しかしなが
ら、本例の取付け構造によればビス等が不要であるので
部品点数を少なくできるばかりでなく、両突起38,3
9間に圧入すれば足りるのでその組付け性が向上し、ま
た分解修理時においても簡単に取り外すことができる。
【0092】ここで、図11の分図(b) に示すように上
記円弧突起39は、内周面を凹凸形状に形成した円弧突
起139とすることも可能である。すなわち、この円弧
突起139の内周面にはその軸方向に沿った溝部139
aを周方向適宜間隔をおいて複数箇所に形成しておくの
である。なお、円柱突起38およびストッパゴム37は
変更を要しない。
【0093】この円弧突起139によれば、次のような
作用効果を得ることができる。すなわち、内周面が凹凸
のない周面である円弧突起39にあっては、ブレードケ
ース71を鋳物品あるいは樹脂成形品とした場合にこの
円弧突起39の内周面には図12の分図(a) に示すよう
に一定の抜き勾配39aを設定する必要があるため、そ
の分ストッパゴム37に対する保持力が低下してこのス
トッパゴム37が抜けやすくなるという問題があるのに
対して、内周面に溝部139a〜139aが形成された
円弧突起139によれば、同図の分図(b) に示すように
溝部139aに十分な抜き勾配を設定しておけばストッ
パゴム37との当たり面139b〜139bにはほとん
ど抜き勾配を設定する必要がなくなりほぼ直角に形成し
ておくことができる。このことから、ストッパゴム37
の保持力を低下させることはなく、しかも当たり面とな
る内周面の凹凸形状によりいわゆるスパイク作用を奏す
るため一層強固にストッパゴム37を固定できる。
【0094】また、円弧突起39の場合にはストッパゴ
ム37に対する当たり面が大きいためその抵抗によって
ストッパゴム37を圧入しにくいという問題があるが、
円弧突起139によれば当たり面139bの合計面積は
より小さいので圧入しやすいという利点がある。なお、
当たり面139bの面積が小さいため圧入しやすいので
あるが、上記スパイク作用によりストッパゴム37は円
弧突起39による場合よりもより強固に固定される。
【0095】さらに、上記二態様のゴムストッパ37の
取付け構造によれば、ストッパゴム37は円柱突起38
と円弧突起39または139の双方で固定され、セーフ
ティカバー50の回転を阻止した際に受ける衝撃は、こ
の両突起38,38または139で受けられる。このこ
とから、従来のビス止めに比して衝撃に対するゴムスト
ッパ37の取付け強度が向上し、その耐久性を高めるこ
とができる。
【0096】(9)ライビングナイフ30は、ボルト2
8を一本締め付けるだけで固定されるので部品点数を削
減でき、またライビングナイフ30の取付け作業が簡単
になる。しかも長溝孔30a内には二つの突起29c,
29cがほぼ隙間のない状態に挿入されるため、このラ
イビングナイフ30をライビングナイフホルダ29に対
して位置決めしてガタつきのない状態に固定しておくこ
とができる。
【0097】(10)ライビングナイフホルダ29をそ
の「組付け位置」からずらすと、ライビングナイフホル
ダ29の張出し縁29dおよびリンクアーム40の先端
部がともに円弧溝部49d内に挿入されるため、両部材
29,40の、ピン40aの軸方向への移動が規制さ
れ、よってピン結合が外れ不能な状態でリンクアーム4
0はライビングナイフホルダ29に組付けられる。
【0098】このように、従来のような例えばリベット
あるいは止め輪等の特別の手段を用いることなくリンク
アーム40は確実にピン結合されるので、リンクアーム
40の取付け作業は簡単になり、ひいては電気マルノコ
の組付け性の向上あるいは部品点数の削減を図ることが
できる。
【0099】また、固定レバー3のシャフト部3aを挿
入すべく、ブレードケース71を下方に回動して三つの
孔29a,71a,2aを一致させた時点では、上記し
たようにリンクアーム40のピン結合が外れることはな
いので、作業者が片手でピン結合の外れを阻止しつつも
う一方の手で例えばシャフト部3aを挿入するといった
二つの作業を並行して行う必要がなく、この点において
も組付け性の向上が図られている。
【0100】
【考案の効果】本考案によれば、ストッパゴムは、その
内周側に円柱突起を挿入しつつ当該ストッパゴムの一部
を円柱突起と円弧突起との間に圧入するだけで固定され
るので、従来のようにビス等を必要とせず、従って部品
点数を減らすことができ、しかもねじ締め作業が不要で
あるのでその組付け性を向上させることができ、また分
解修理時においてワンタッチで取り外すことができる。
【0101】また、従来のビス止めに比してセーフティ
カバーの衝撃に対するストッパゴムの取付け強度を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例であって、マルノコの一部破断
右側面図である。
【図2】マルノコの一部破断左側面図である。
【図3】マルノコの一部破断平面図である。
【図4】マルノコの縦断面図である。
【図5】図2のA−A線断面図である。
【図6】ブレードケースカバー、鋸刃およびセーフティ
カバーの一部を透視して示した、鋸刃の最大切込み時に
おけるマルノコの一部破断右側面図である。
【図7】ブレードケースカバー、鋸刃およびセーフティ
カバーの一部を透視して示した、鋸刃の最小切込み時に
おけるマルノコの一部破断右側面図である。
【図8】マルノコの一部破断左側面図であって、ハンド
ル部を一部透視して示してデプスガイドの全体を示した
図である。
【図9】マルノコの一部破断正面図である。
【図10】ブレードケースの支持構造の別例を示す正面
図である。
【図11】ストッパゴムの取付け構造を示し、分図(a)
は図6のB−B線断面図であり、分図(b) はその別例を
示す平面図である。
【図12】二態様の円弧突起を比較して示した図であ
り、分図(a) は内周面に凹凸のない円弧突起の縦断面図
であり、分図(b) は内周面に凹凸が形成された恵那子突
起の縦断面図である。
【図13】図4のC−C線断面図であって、ブレードケ
ースの台座部の底面およびスピンドルロック機構の平面
図である。
【図14】図13のD−D線断面図である。
【図15】図13のE−E線断面図である。
【図16】スピンドルロック機構の別例を示し、分図
(a) はその平面図であり、分図(b)は分図(a) のI−I
線断面図である。
【図17】ライビングナイフホルダの、ベアリングボッ
クスへの取付け状態を示す平面図である。
【図18】図6のF−F線断面図であって、ライビング
ナイフホルダおよびリンクアームの取付け状態を示す縦
断面図である。
【図19】ベースの左側の支持縁を示し、分図(a) はそ
の正面図、分図(b) は分図(a) のG−G線断面図であ
る。
【図20】デプスガイドの端部を示し、分図(a) はその
正面図、分図(b) は分図(a) のH−H線断面図である。
【図21】ストッパゴムの従来の取付け構造を示す縦断
面図である。
【符号の説明】
1…グリップ 2…デプスガイド 7…アンギュラプレート 12…ベース 13…定規装着部 29…ライビングナイフホルダ 37…ストッパゴム 38…円柱突起、39…円弧突起 40…リンクアーム 49…ベアリングボックス 50…セーフティカバー 56…鋸刃 60…スピンドル 63…ロックプレート 64…バッフルプレート 67…モータハウジング 71…ブレードケース 71b…台座部、71c…スリット、71d…傾斜部 71g…ラバーピン 73…ファン 76a…出力軸 82…集塵路 83…排出口

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性ゴムを素材として円筒形に形成され
    たストッパゴムの取付け構造であり、該ストッパゴムの
    取付け部には、該ストッパゴムの内径よりわずかに大き
    な外径の円柱形をなす円柱突起と、該円柱突起と同心か
    つ前記ストッパゴムの外径よりもわずかに小さな内径の
    円弧面を有する円弧突起を設け、前記円柱突起を当該ス
    トッパゴムの内周側に挿入しつつ当該ストッパゴムの一
    部を前記円柱突起と前記円弧突起との間に圧入して前記
    取付け部に固定する構成としたことを特徴とする電気マ
    ルノコにおけるストッパゴムの取付け構造。
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