JP2598127Y2 - 減衰力可変型ショックアブソード - Google Patents
減衰力可変型ショックアブソードInfo
- Publication number
- JP2598127Y2 JP2598127Y2 JP1992066921U JP6692192U JP2598127Y2 JP 2598127 Y2 JP2598127 Y2 JP 2598127Y2 JP 1992066921 U JP1992066921 U JP 1992066921U JP 6692192 U JP6692192 U JP 6692192U JP 2598127 Y2 JP2598127 Y2 JP 2598127Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- flow path
- extension
- compression
- shock absorber
- range
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Vehicle Body Suspensions (AREA)
- Fluid-Damping Devices (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、車両の懸架装置に適用
される減衰力可変型ショックアブソーバに関する。
される減衰力可変型ショックアブソーバに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両懸架装置としては、例えば、
特開昭63−305014号公報に記載されているよう
なものが知られている。この従来の車両懸架装置は、減
衰特性を変更可能なショックアブソーバと、ブレーキン
グ時のノーズダイブ及び車両停車時の揺り戻しを防ぐた
めに、車両走行中にブレーキング操作を行なうと、車速
に係らずショックアブソーバの減衰特性をハードレンジ
に切り換える減衰特性制御手段を備えたものであった。
特開昭63−305014号公報に記載されているよう
なものが知られている。この従来の車両懸架装置は、減
衰特性を変更可能なショックアブソーバと、ブレーキン
グ時のノーズダイブ及び車両停車時の揺り戻しを防ぐた
めに、車両走行中にブレーキング操作を行なうと、車速
に係らずショックアブソーバの減衰特性をハードレンジ
に切り換える減衰特性制御手段を備えたものであった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の車両懸架装置にあっては、以下に述べるよう
な問題点があった。即ち、ブレーキング操作により車両
が停車した後、車両が発進する時に、路面の凹凸を乗り
越えた場合には、ハードレンジにより路面入力をばね上
に伝達し、これにより、車両の乗り心地を悪化させる。
また、従来のショックアブソーバは、一方の行程側の減
衰特性がハードレンジの時には、その逆行程側の減衰特
性もハードレンジになるような構成であったため、車両
が大きなうねり路を走行している時(低周波路面入力
時)等のように、緩衝器の減衰特性がハードレンジ側に
制御されている時に、微小凹凸部(高周波路面入力)を
通過したり、それまでの緩衝器の行程とは逆行程側の突
起状路面入力があった場合に、該路面入力がばね上の車
体側に伝達されて車両の乗り心地及び操縦安定性を悪く
する。
うな従来の車両懸架装置にあっては、以下に述べるよう
な問題点があった。即ち、ブレーキング操作により車両
が停車した後、車両が発進する時に、路面の凹凸を乗り
越えた場合には、ハードレンジにより路面入力をばね上
に伝達し、これにより、車両の乗り心地を悪化させる。
また、従来のショックアブソーバは、一方の行程側の減
衰特性がハードレンジの時には、その逆行程側の減衰特
性もハードレンジになるような構成であったため、車両
が大きなうねり路を走行している時(低周波路面入力
時)等のように、緩衝器の減衰特性がハードレンジ側に
制御されている時に、微小凹凸部(高周波路面入力)を
通過したり、それまでの緩衝器の行程とは逆行程側の突
起状路面入力があった場合に、該路面入力がばね上の車
体側に伝達されて車両の乗り心地及び操縦安定性を悪く
する。
【0004】本考案は、上述のような従来の問題点に着
目して成されたもので、低周波路面入力と高周波路面入
力とが複合された路面入力に対しても、快適な乗り心地
と操縦安定性を確保しつつ、停車後の車両発進時におけ
る車両の乗り心地向上を図ることができる減衰力可変型
ショックアブソーバを提供することを目的とするもので
ある。
目して成されたもので、低周波路面入力と高周波路面入
力とが複合された路面入力に対しても、快適な乗り心地
と操縦安定性を確保しつつ、停車後の車両発進時におけ
る車両の乗り心地向上を図ることができる減衰力可変型
ショックアブソーバを提供することを目的とするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述のような目的を達成
するために、本考案の減衰力可変型ショックアブソーバ
では、ショックアブソーバの伸行程時に画成された2室
間の流体の流通を制限的に許容することで高い減衰力を
発生させる伸側メイン減衰バルブと、ショックアブソー
バの圧行程時に画成された2室間の流体の流通を制限的
に許容することで高い減衰力を発生させる圧側メイン減
衰バルブと、伸側サブバルブの介装により伸行程時にの
み前記伸側メインバルブをバイパスして前記2室間を連
通する伸側バイパス流路と、圧側サブバルブの介装によ
り圧行程時にのみ前記圧側メインバルブをバイパスして
前記2室間を連通する圧側バイパス流路と、前記伸圧両
メイン減衰バルブおよび伸圧両サブバルブをバイパスし
て前記2室間を連通する伸圧共通バイパス流路と、前記
伸側バイパス流路と圧側バイパス流路の途中に介装され
ていてその変位により伸側バイパス流路と圧側バイパス
流路と伸圧共通バイパス流路の流路断面積を相互に独立
して変更可能な調整子を備え、該調整子が、その変位の
中立位置付近の所定範囲では伸圧両バイパス流路および
伸圧共通バイパス流路を開き、中立位置付近の所定範囲
からの変位方向のうちいずれか一方への変位方向では、
伸圧共通バイパス流路を閉じると共に圧側バイパス流路
の流路断面積が最小限まで減少する方向に変化し、もう
一方の変位方向では、まず伸圧共通バイパス流路を閉じ
ると共に伸側バイパス流路の流路断面積が最小限まで減
少する方向に変化し、伸側バイパス流路の流路断面積が
最小限まで減少した後、さらに同方向に変位させると伸
側バイパス流路の流路断面積が最大限の中間程度まで増
加する方向に変化すると同時に圧側バイパス流路の流路
断面積が最小限の中間程度まで減少する方向に変化する
ように構成されている手段とした。
するために、本考案の減衰力可変型ショックアブソーバ
では、ショックアブソーバの伸行程時に画成された2室
間の流体の流通を制限的に許容することで高い減衰力を
発生させる伸側メイン減衰バルブと、ショックアブソー
バの圧行程時に画成された2室間の流体の流通を制限的
に許容することで高い減衰力を発生させる圧側メイン減
衰バルブと、伸側サブバルブの介装により伸行程時にの
み前記伸側メインバルブをバイパスして前記2室間を連
通する伸側バイパス流路と、圧側サブバルブの介装によ
り圧行程時にのみ前記圧側メインバルブをバイパスして
前記2室間を連通する圧側バイパス流路と、前記伸圧両
メイン減衰バルブおよび伸圧両サブバルブをバイパスし
て前記2室間を連通する伸圧共通バイパス流路と、前記
伸側バイパス流路と圧側バイパス流路の途中に介装され
ていてその変位により伸側バイパス流路と圧側バイパス
流路と伸圧共通バイパス流路の流路断面積を相互に独立
して変更可能な調整子を備え、該調整子が、その変位の
中立位置付近の所定範囲では伸圧両バイパス流路および
伸圧共通バイパス流路を開き、中立位置付近の所定範囲
からの変位方向のうちいずれか一方への変位方向では、
伸圧共通バイパス流路を閉じると共に圧側バイパス流路
の流路断面積が最小限まで減少する方向に変化し、もう
一方の変位方向では、まず伸圧共通バイパス流路を閉じ
ると共に伸側バイパス流路の流路断面積が最小限まで減
少する方向に変化し、伸側バイパス流路の流路断面積が
最小限まで減少した後、さらに同方向に変位させると伸
側バイパス流路の流路断面積が最大限の中間程度まで増
加する方向に変化すると同時に圧側バイパス流路の流路
断面積が最小限の中間程度まで減少する方向に変化する
ように構成されている手段とした。
【0006】
【作用】本考案の減衰力可変型ショックアブソーバで
は、調整子を変位させることにより、伸側および圧側の
減衰特性レンジを変更することができる。 即ち、調整子
が中立位置付近の所定範囲にある時には、伸側と圧側の
両バイパ ス流路および伸圧共通バイパス流路が開かれて
いることから、伸行程および圧行程の減衰特性レンジが
共にソフトレンジとなる(ソフト領域)。 また、調整子
を中立位置の所定位置からの変位方向のうちいずれか一
方へ変位させると、伸圧共通バイパス流路を閉じると共
に圧側バイパス流路の流路断面積が最小限まで減少する
方向に変化することから、伸行程側の減衰特性レンジは
ソフトレンジのままで、圧行程側の減衰特性レンジをハ
ードレンジまで変化させることができる(圧側ハード領
域)。 また、調整子を中立位置の所定位置から以上とは
逆の方向へ変位させると、まず伸圧共通バイパス流路を
閉じると共に伸側バイパス流路の流路断面積が最小限ま
で減少する方向に変化することから、圧行程側の減衰特
性レンジはソフトレンジのままで、伸行程側の減衰特性
レンジをハードレンジまで変化させることができる(伸
側ハード領域)。そして、伸側バイパス流路の流路断面
積が最小限まで減少した後、調整子をさらに同方向に変
位させると、伸側バイパス流路の流路断面積が最大限の
中間程度まで増加する方向に変化すると同時に圧側バイ
パス流路の流路断面積が最小限の中間程度まで減少する
方向に変化することから、伸側および圧側の減衰特性レ
ンジを共にミディアムレンジまで変化させることができ
る(ミディアム領域)。 そこで、例えば、車両の走行中
に、車両挙動検出手段により車両の挙動が検出される
と、各減衰力可変型ショックアブソーバを伸側ハード領
域と圧側ハード領域とソフト領域との3領域において伸
側または圧側の減衰特性をソフトレンジから最大ハード
レンジの間で前記入力信号に比例した車両挙動に応じた
最適の減衰特性に制御すべく減衰力可変型ショックアブ
ソーバに切換信号を出力することにより、伸行程及び圧
行程の内のいずれか一方の減衰特性がハードレンジであ
る時には、その逆行程側の減衰特性は常にソフトレンジ
となるため、大きなうねり路走行中で緩衝器の行程が伸
行程側(ハードレンジ状態)である時に、路面の突起部
を通過すると、その逆行程側である圧行程側はソフトレ
ンジであることから、緩衝器が速やかに収縮することで
急激な上向き路面入力が吸収され、これにより、車体側
への衝撃伝達が緩和されて、車両の乗り心地を確保する
ことができる。また、大きなうねり路走行中で、緩衝器
の行程が圧行程(ハードレンジ状態)である時に、路面
の窪み部を通過すると、その逆行程側である伸行程側は
ソフトレンジであることから、緩衝器が速やかに伸長し
て車輪側を路面変化に追従させ、これにより、車体の急
激な沈み込みを防止して、車両の乗り心地及び操縦安定
性を確保することができる。また、例えば、車両が停車
して車速が0km/h になった時点で、車速センサからの
信号に基づき、各減衰力可変型ショックアブソーバの減
衰特性を伸側・圧側共にミディアムレンジのミディアム
領域に切り換えることにより、車両が発進する際には、
常に減衰力可変型ショックアブソーバの減衰特性が伸側
・圧側共にミディアムレンジのミディアム領域の状態と
なっており、このため、車両の急発進時における車両の
スカットがソフトレンジよりも高減衰力であるミディア
ムレンジの中間減衰特性により確実に抑制されると共
に、発進直後に路面の突起を乗り越えた場合であって
も、ハードレンジよりは低減衰力であるミディアムレン
ジの中間減衰特性により、車両の乗り心地を確保するこ
とができるようになる。さらに、前記ミディアム領域は
伸側ハード領域に近接して設けられていて、ミディアム
領域から伸側ハード領域への切り換えが迅速に行われる
ため、車両のスカットが過大である場合であっても、伸
側ミディアムレンジ(ミディアム領域)から、伸側ハー
ドレンジ(伸側ハード領域)への切り換えが迅速に行え
るから、スカットを迅速かつ確実に抑制することができ
るようになると共に、発進直後に路面の突起を乗り越え
た場合であっても、圧側ミディアムレンジ(ミディアム
領域)から、圧側ソフトレンジ(伸側ハード領域)への
切り換えが迅速に行えるから、車両への伝達を迅速かつ
確実に抑制することができるようになる。
は、調整子を変位させることにより、伸側および圧側の
減衰特性レンジを変更することができる。 即ち、調整子
が中立位置付近の所定範囲にある時には、伸側と圧側の
両バイパ ス流路および伸圧共通バイパス流路が開かれて
いることから、伸行程および圧行程の減衰特性レンジが
共にソフトレンジとなる(ソフト領域)。 また、調整子
を中立位置の所定位置からの変位方向のうちいずれか一
方へ変位させると、伸圧共通バイパス流路を閉じると共
に圧側バイパス流路の流路断面積が最小限まで減少する
方向に変化することから、伸行程側の減衰特性レンジは
ソフトレンジのままで、圧行程側の減衰特性レンジをハ
ードレンジまで変化させることができる(圧側ハード領
域)。 また、調整子を中立位置の所定位置から以上とは
逆の方向へ変位させると、まず伸圧共通バイパス流路を
閉じると共に伸側バイパス流路の流路断面積が最小限ま
で減少する方向に変化することから、圧行程側の減衰特
性レンジはソフトレンジのままで、伸行程側の減衰特性
レンジをハードレンジまで変化させることができる(伸
側ハード領域)。そして、伸側バイパス流路の流路断面
積が最小限まで減少した後、調整子をさらに同方向に変
位させると、伸側バイパス流路の流路断面積が最大限の
中間程度まで増加する方向に変化すると同時に圧側バイ
パス流路の流路断面積が最小限の中間程度まで減少する
方向に変化することから、伸側および圧側の減衰特性レ
ンジを共にミディアムレンジまで変化させることができ
る(ミディアム領域)。 そこで、例えば、車両の走行中
に、車両挙動検出手段により車両の挙動が検出される
と、各減衰力可変型ショックアブソーバを伸側ハード領
域と圧側ハード領域とソフト領域との3領域において伸
側または圧側の減衰特性をソフトレンジから最大ハード
レンジの間で前記入力信号に比例した車両挙動に応じた
最適の減衰特性に制御すべく減衰力可変型ショックアブ
ソーバに切換信号を出力することにより、伸行程及び圧
行程の内のいずれか一方の減衰特性がハードレンジであ
る時には、その逆行程側の減衰特性は常にソフトレンジ
となるため、大きなうねり路走行中で緩衝器の行程が伸
行程側(ハードレンジ状態)である時に、路面の突起部
を通過すると、その逆行程側である圧行程側はソフトレ
ンジであることから、緩衝器が速やかに収縮することで
急激な上向き路面入力が吸収され、これにより、車体側
への衝撃伝達が緩和されて、車両の乗り心地を確保する
ことができる。また、大きなうねり路走行中で、緩衝器
の行程が圧行程(ハードレンジ状態)である時に、路面
の窪み部を通過すると、その逆行程側である伸行程側は
ソフトレンジであることから、緩衝器が速やかに伸長し
て車輪側を路面変化に追従させ、これにより、車体の急
激な沈み込みを防止して、車両の乗り心地及び操縦安定
性を確保することができる。また、例えば、車両が停車
して車速が0km/h になった時点で、車速センサからの
信号に基づき、各減衰力可変型ショックアブソーバの減
衰特性を伸側・圧側共にミディアムレンジのミディアム
領域に切り換えることにより、車両が発進する際には、
常に減衰力可変型ショックアブソーバの減衰特性が伸側
・圧側共にミディアムレンジのミディアム領域の状態と
なっており、このため、車両の急発進時における車両の
スカットがソフトレンジよりも高減衰力であるミディア
ムレンジの中間減衰特性により確実に抑制されると共
に、発進直後に路面の突起を乗り越えた場合であって
も、ハードレンジよりは低減衰力であるミディアムレン
ジの中間減衰特性により、車両の乗り心地を確保するこ
とができるようになる。さらに、前記ミディアム領域は
伸側ハード領域に近接して設けられていて、ミディアム
領域から伸側ハード領域への切り換えが迅速に行われる
ため、車両のスカットが過大である場合であっても、伸
側ミディアムレンジ(ミディアム領域)から、伸側ハー
ドレンジ(伸側ハード領域)への切り換えが迅速に行え
るから、スカットを迅速かつ確実に抑制することができ
るようになると共に、発進直後に路面の突起を乗り越え
た場合であっても、圧側ミディアムレンジ(ミディアム
領域)から、圧側ソフトレンジ(伸側ハード領域)への
切り換えが迅速に行えるから、車両への伝達を迅速かつ
確実に抑制することができるようになる。
【0007】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面により詳述す
る。まず、実施例の構成について説明する。図1は、実
施例の減衰力可変型ショックアブソーバを適用した車両
懸架装置を示す構成説明図であり、車体と4つの車輪と
の間に介在されて、4つの減衰力可変型ショックアブソ
ーバ(以下、単にショックアブソーバという)SAが設
けられている。そして、各ショックアブソーバSAの近
傍位置の車体には、上下方向の加速度を検出する上下加
速度センサ(以後、上下Gセンサという)21が設けら
れている。また、運転席の近傍位置には、各上下Gセン
サ21からの信号を入力して、各ショックアブソーバS
Aのパルスモータ31に駆動制御信号を出力するコント
ロールユニット40が設けられている。
る。まず、実施例の構成について説明する。図1は、実
施例の減衰力可変型ショックアブソーバを適用した車両
懸架装置を示す構成説明図であり、車体と4つの車輪と
の間に介在されて、4つの減衰力可変型ショックアブソ
ーバ(以下、単にショックアブソーバという)SAが設
けられている。そして、各ショックアブソーバSAの近
傍位置の車体には、上下方向の加速度を検出する上下加
速度センサ(以後、上下Gセンサという)21が設けら
れている。また、運転席の近傍位置には、各上下Gセン
サ21からの信号を入力して、各ショックアブソーバS
Aのパルスモータ31に駆動制御信号を出力するコント
ロールユニット40が設けられている。
【0008】図2は、上記構成を示すシステムブロック
図であって、コントロールユニット40は、上述の上下
Gセンサ21と、車速センサ22からの信号を入力して
制御用信号に変換する入力回路40aと、この入力回路
40aを経て得られる車両挙動に基づいてショックアブ
ソーバSAの最適減衰特性を演算する演算回路40b
と、この演算回路40bの演算結果に基づいてパルスモ
ータ31に駆動制御信号を出力する駆動回路40cと、
各センサ21,22や演算回路40bの異常の有無を判
定し、異常検出時には異常発生信号を出力する異常検出
回路40dと、この異常検出回路40dからの異常発生
信号が入力されると、パルスモータ31をフェールセー
フ駆動させるべく駆動回路に信号を出力するフェールセ
ーフ回路40eを備えている。
図であって、コントロールユニット40は、上述の上下
Gセンサ21と、車速センサ22からの信号を入力して
制御用信号に変換する入力回路40aと、この入力回路
40aを経て得られる車両挙動に基づいてショックアブ
ソーバSAの最適減衰特性を演算する演算回路40b
と、この演算回路40bの演算結果に基づいてパルスモ
ータ31に駆動制御信号を出力する駆動回路40cと、
各センサ21,22や演算回路40bの異常の有無を判
定し、異常検出時には異常発生信号を出力する異常検出
回路40dと、この異常検出回路40dからの異常発生
信号が入力されると、パルスモータ31をフェールセー
フ駆動させるべく駆動回路に信号を出力するフェールセ
ーフ回路40eを備えている。
【0009】図12は、本考案実施例の減衰力可変型シ
ョックアブソーバの構成を示す断面図であって、このシ
ョックアブソーバは、シリンダ1と、シリンダ1を上部
室Aと下部室Bとに画成したピストン2と、シリンダ1
の外周にリザーバ室32を形成した外筒33と、下部室
Bとリザーバ室32とを画成したベース34と、ピスト
ン2に連結されたピストンロッド17の摺動をガイドす
るガイド部材35と、ピストンロッド17の上端に設け
られたパルスモータ31と、外筒33と車体との間に介
在されたサスペンションスプリング36と、バンパラバ
ー37とを備えている。
ョックアブソーバの構成を示す断面図であって、このシ
ョックアブソーバは、シリンダ1と、シリンダ1を上部
室Aと下部室Bとに画成したピストン2と、シリンダ1
の外周にリザーバ室32を形成した外筒33と、下部室
Bとリザーバ室32とを画成したベース34と、ピスト
ン2に連結されたピストンロッド17の摺動をガイドす
るガイド部材35と、ピストンロッド17の上端に設け
られたパルスモータ31と、外筒33と車体との間に介
在されたサスペンションスプリング36と、バンパラバ
ー37とを備えている。
【0010】次に、図3は、前記ピストン2部分を示す
拡大断面図であって、該ピストン2は、ピストンロッド
17の先端部に螺合して取り付けられたスタッド3の先
端小径部3aに取り付けられている。
拡大断面図であって、該ピストン2は、ピストンロッド
17の先端部に螺合して取り付けられたスタッド3の先
端小径部3aに取り付けられている。
【0011】即ち、前記スタッド3の先端小径部3a
に、圧側サブボディ7,圧側サブバルブ8,ワッシャ5
a,カラー4a,ワッシャ5b,圧側メイン減衰バルブ
6,ピストン2,伸側メイン減衰バルブ9,ワッシャ5
c,伸側サブボディ10,伸側サブバルブ11,ワッシ
ャ5d,カラー4bを順次装着し、最後にナット16で
締結している。
に、圧側サブボディ7,圧側サブバルブ8,ワッシャ5
a,カラー4a,ワッシャ5b,圧側メイン減衰バルブ
6,ピストン2,伸側メイン減衰バルブ9,ワッシャ5
c,伸側サブボディ10,伸側サブバルブ11,ワッシ
ャ5d,カラー4bを順次装着し、最後にナット16で
締結している。
【0012】また、前記スタッド3には、その軸芯部に
貫通穴3bが穿設されると共に、その周壁を直径方向に
貫通する状態で上方から順に、第1ポート3c,第2ポ
ート3d,第3ポート3e,第4ポート3f,第5ポー
ト3g及び第6ポート3hが穿設されている。尚、前記
第3ポート3eと第4ポート3f、及び、第5ポート3
gと第6ポート3hだけは軸方向同一位置に形成されて
いるが、各ポートは、それぞれ周方向に位相をずらせた
位置に形成されている。また、第1ポート3cと第4ポ
ート3fと第6ポート3hは周方向に2つ、第2ポート
3dと第3ポート3eと第5ポート3gは周方向に4
つ、それぞれ形成されている。そして、前記第3ポート
3eと第5ポート3gは、2つずつが近接して形成され
ていて、2つで一つのポートを構成した形となっている
(図6〜10参照)。
貫通穴3bが穿設されると共に、その周壁を直径方向に
貫通する状態で上方から順に、第1ポート3c,第2ポ
ート3d,第3ポート3e,第4ポート3f,第5ポー
ト3g及び第6ポート3hが穿設されている。尚、前記
第3ポート3eと第4ポート3f、及び、第5ポート3
gと第6ポート3hだけは軸方向同一位置に形成されて
いるが、各ポートは、それぞれ周方向に位相をずらせた
位置に形成されている。また、第1ポート3cと第4ポ
ート3fと第6ポート3hは周方向に2つ、第2ポート
3dと第3ポート3eと第5ポート3gは周方向に4
つ、それぞれ形成されている。そして、前記第3ポート
3eと第5ポート3gは、2つずつが近接して形成され
ていて、2つで一つのポートを構成した形となっている
(図6〜10参照)。
【0013】前記圧側サブボディ7は、その下面に圧側
サブバルブ8により開閉される環状溝7aが形成され、
この環状溝7aは第1ポート3cと連通されている。
サブバルブ8により開閉される環状溝7aが形成され、
この環状溝7aは第1ポート3cと連通されている。
【0014】また、上部室A側であるピストン2の上端
面には、圧側連通孔2eを介して下部室Bに連通され
て、前記圧側メイン減衰バルブ6により開閉される4つ
の圧側環状溝2bと、ピストン2の内周から外周に至る
伸側連通溝2cとが形成され、また、ピストン2の内周
上部には、前記第2ポート3dと伸側連通溝2cとを連
通する内周環状溝2dが形成されている(図4参照)。
面には、圧側連通孔2eを介して下部室Bに連通され
て、前記圧側メイン減衰バルブ6により開閉される4つ
の圧側環状溝2bと、ピストン2の内周から外周に至る
伸側連通溝2cとが形成され、また、ピストン2の内周
上部には、前記第2ポート3dと伸側連通溝2cとを連
通する内周環状溝2dが形成されている(図4参照)。
【0015】一方、下部室B側であるピストン2の下端
面には、伸側連通孔2hを介して上部室Aに連通された
4つの伸側内側溝2fと、この伸側内側溝2fの外側に
形成され、ピストン2の内周に連通された伸側外側溝2
gとが形成され、また、ピストン2の内周下部には、前
記第3ポート3eと伸側外側溝2gとを連通する内周環
状溝2kが形成されている(図5参照)。
面には、伸側連通孔2hを介して上部室Aに連通された
4つの伸側内側溝2fと、この伸側内側溝2fの外側に
形成され、ピストン2の内周に連通された伸側外側溝2
gとが形成され、また、ピストン2の内周下部には、前
記第3ポート3eと伸側外側溝2gとを連通する内周環
状溝2kが形成されている(図5参照)。
【0016】前記伸側サブボディ10は、その下面に伸
側サブバルブ11により開閉される環状溝10aが形成
され、この環状溝10aは半径方向溝10b及び内周環
状溝10cを介して第5ポート3g及び第6ポート3h
と連通されている。さらに、前記スタッド3の貫通穴3
b内には、調整子12が回動自在に設けられている。
側サブバルブ11により開閉される環状溝10aが形成
され、この環状溝10aは半径方向溝10b及び内周環
状溝10cを介して第5ポート3g及び第6ポート3h
と連通されている。さらに、前記スタッド3の貫通穴3
b内には、調整子12が回動自在に設けられている。
【0017】この調整子12は、その軸心部に、その下
端が前記下部室Bに連通した中空部12aを有した筒状
に形成され、また、その周壁には、前記第1ポート3c
と中空部12aとを連通する第1横孔12bと、第2ポ
ート3dと第3ポート3eまたは第4ポート3fと第5
ポート3gとを連通する縦溝12cと、4つの第2ポー
ト3dをその内周側で連通する環状溝12eと、第6ポ
ート3hと中空部12aとを連通する第2横孔12dが
形成されている。そして、この第2横孔12dには、そ
の流路を絞るオリフィスfが形成されている。
端が前記下部室Bに連通した中空部12aを有した筒状
に形成され、また、その周壁には、前記第1ポート3c
と中空部12aとを連通する第1横孔12bと、第2ポ
ート3dと第3ポート3eまたは第4ポート3fと第5
ポート3gとを連通する縦溝12cと、4つの第2ポー
ト3dをその内周側で連通する環状溝12eと、第6ポ
ート3hと中空部12aとを連通する第2横孔12dが
形成されている。そして、この第2横孔12dには、そ
の流路を絞るオリフィスfが形成されている。
【0018】本考案実施例では、以上のような構成とし
たため、伸行程で流体が流通可能な流路としては図示の
4つの流路がある。即ち、伸側連通孔2h等を経由して
伸側内側溝2fの位置から伸側メイン減衰バルブ9の内
側及び外周部を開弁して下部室Bに至る伸側第1流路D
と、第2ポート3d,縦溝12c及び第3ポート3eま
たは第4ポート3f等を経由し伸側外側溝2gの位置か
ら伸側メイン減衰バルブ9の外周部を開弁して下部室B
に至る伸側第2流路(伸側バイパス流路)Eと、第2ポ
ート3d,縦溝12c及び第5ポート3g等を経由し伸
側サブバルブ11を開弁して下部室Bに至る伸側第3流
路(伸側バイパス流路)Fと、第2ポート3d,縦溝1
2c,第5ポート3g,内周環状溝10c,第6ポート
3h,オリフィスf等を経由して下部室Bに至る伸圧共
通バイパス流路Gとである。
たため、伸行程で流体が流通可能な流路としては図示の
4つの流路がある。即ち、伸側連通孔2h等を経由して
伸側内側溝2fの位置から伸側メイン減衰バルブ9の内
側及び外周部を開弁して下部室Bに至る伸側第1流路D
と、第2ポート3d,縦溝12c及び第3ポート3eま
たは第4ポート3f等を経由し伸側外側溝2gの位置か
ら伸側メイン減衰バルブ9の外周部を開弁して下部室B
に至る伸側第2流路(伸側バイパス流路)Eと、第2ポ
ート3d,縦溝12c及び第5ポート3g等を経由し伸
側サブバルブ11を開弁して下部室Bに至る伸側第3流
路(伸側バイパス流路)Fと、第2ポート3d,縦溝1
2c,第5ポート3g,内周環状溝10c,第6ポート
3h,オリフィスf等を経由して下部室Bに至る伸圧共
通バイパス流路Gとである。
【0019】一方、圧行程で流体が流通可能な経路とし
ては図示の3つの流路がある。即ち、圧側連通孔2e等
を経由し圧側メイン減衰バルブ6を開弁して上部室Aに
至る圧側第1流路Hと、中空部12a,第1横孔12
b,第1ポート3c等を経由し圧側サブバルブ8を開弁
して上部室Aに至る圧側第2流路(圧側バイパス流路)
Jと、前記伸圧共通バイパス流路Gとである。
ては図示の3つの流路がある。即ち、圧側連通孔2e等
を経由し圧側メイン減衰バルブ6を開弁して上部室Aに
至る圧側第1流路Hと、中空部12a,第1横孔12
b,第1ポート3c等を経由し圧側サブバルブ8を開弁
して上部室Aに至る圧側第2流路(圧側バイパス流路)
Jと、前記伸圧共通バイパス流路Gとである。
【0020】以上のように、第1横孔12bと第1ポー
ト3cとの間で、圧側可変絞りRを形成し、縦溝12c
と第3ポート3eとの間で、伸側第1可変絞りSを形成
し、縦溝12cと第5ポート3gとの間で、伸側第2可
変絞りTを形成し、縦溝12cと第4ポート3fとの間
で、伸側第3可変絞りVを形成し、第2横孔12dと第
6ポート3hとの間で、伸圧共通可変絞りUを形成して
いる。
ト3cとの間で、圧側可変絞りRを形成し、縦溝12c
と第3ポート3eとの間で、伸側第1可変絞りSを形成
し、縦溝12cと第5ポート3gとの間で、伸側第2可
変絞りTを形成し、縦溝12cと第4ポート3fとの間
で、伸側第3可変絞りVを形成し、第2横孔12dと第
6ポート3hとの間で、伸圧共通可変絞りUを形成して
いる。
【0021】また、調整子12の回動は、コントロール
ロッド15により成されるもので、このコントロールロ
ッド15は、ピストンロッド7の貫通穴17a内を貫通
して上端部まで延在され、ピストンロッド17の上端部
に設けられたパルスモータ31により回動されるように
なっている(図11参照)。
ロッド15により成されるもので、このコントロールロ
ッド15は、ピストンロッド7の貫通穴17a内を貫通
して上端部まで延在され、ピストンロッド17の上端部
に設けられたパルスモータ31により回動されるように
なっている(図11参照)。
【0022】そして、前記調整子12は、その回動に基
づいて減衰力ポジションを図6〜図10に示すポジショ
ンの範囲内で任意のポジション位置に切り換え可能とな
っている。
づいて減衰力ポジションを図6〜図10に示すポジショ
ンの範囲内で任意のポジション位置に切り換え可能とな
っている。
【0023】まず、図9に示す第1ポジションでは、伸
側第3可変絞りV以外の各可変絞りR,S,T,Uの全
てが開かれていて、前記伸行程における4つの流路D,
E,F,Gと、圧行程における3つの流路H,J,Gの
すべてが流通可能となっている。尚、伸圧共通可変絞り
Uは全開状態であるが、他の可変絞りR,S,Tは全開
状態よりは少し絞られた状態となっている。
側第3可変絞りV以外の各可変絞りR,S,T,Uの全
てが開かれていて、前記伸行程における4つの流路D,
E,F,Gと、圧行程における3つの流路H,J,Gの
すべてが流通可能となっている。尚、伸圧共通可変絞り
Uは全開状態であるが、他の可変絞りR,S,Tは全開
状態よりは少し絞られた状態となっている。
【0024】従って、伸行程時には、低ピストン速度域
では、流体が流通抵抗の小さい伸圧共通バイパス流路G
を流通し、ピストン速度が早くなるにつれて、伸側第3
流路F,伸側第2流路E,伸側第1流路Dの順に流通を
開始し、これにより、伸行程の減衰特性はソフトレンジ
の状態となる。
では、流体が流通抵抗の小さい伸圧共通バイパス流路G
を流通し、ピストン速度が早くなるにつれて、伸側第3
流路F,伸側第2流路E,伸側第1流路Dの順に流通を
開始し、これにより、伸行程の減衰特性はソフトレンジ
の状態となる。
【0025】一方、圧行程時には、低ピストン速度域で
は、流体が流通抵抗の小さい伸圧共通バイパス流路Gに
流通し、ピストン速度が早くなるにつれて、圧側第2流
路J,圧側第1流路Dの順に流通を開始し、これによ
り、圧行程の減衰特性もソフトレンジの状態となる(図
12の・に示すソフト領域SS)。
は、流体が流通抵抗の小さい伸圧共通バイパス流路Gに
流通し、ピストン速度が早くなるにつれて、圧側第2流
路J,圧側第1流路Dの順に流通を開始し、これによ
り、圧行程の減衰特性もソフトレンジの状態となる(図
12の・に示すソフト領域SS)。
【0026】また、図8に示す第2ポジションでは、伸
側第1可変絞りSが大きく絞られて、伸側第2可変絞り
T,伸側第3可変絞りV及び伸圧共通可変絞りUが閉じ
られると共に、圧側可変絞りRは全開状態となってい
て、伸側第2流路Eと、圧側第2流路Jとが流通可能と
なっている。
側第1可変絞りSが大きく絞られて、伸側第2可変絞り
T,伸側第3可変絞りV及び伸圧共通可変絞りUが閉じ
られると共に、圧側可変絞りRは全開状態となってい
て、伸側第2流路Eと、圧側第2流路Jとが流通可能と
なっている。
【0027】従って、伸行程時には、低ピストン速度域
では、流体が流通抵抗の小さい伸側第2流路Eを流通
し、ピストン速度が早くなるにつれて、伸側第1流路D
を流通し、これにより、伸行程の減衰特性はミディアム
レンジの状態となる。
では、流体が流通抵抗の小さい伸側第2流路Eを流通
し、ピストン速度が早くなるにつれて、伸側第1流路D
を流通し、これにより、伸行程の減衰特性はミディアム
レンジの状態となる。
【0028】一方、圧行程時には、低ピストン速度域で
は、流体が流通抵抗の小さい圧側第2流路Jを流通し、
高ピストン速度域では圧側第1流路Hを流通し、これに
より、圧行程の減衰特性はソフトレンジの状態となる
(図12の・)。
は、流体が流通抵抗の小さい圧側第2流路Jを流通し、
高ピストン速度域では圧側第1流路Hを流通し、これに
より、圧行程の減衰特性はソフトレンジの状態となる
(図12の・)。
【0029】また、図7に示す第3ポジションでは、圧
側可変絞りRのみが全開状態となっていて、圧側第2流
路Jだけが流通可能となっている。
側可変絞りRのみが全開状態となっていて、圧側第2流
路Jだけが流通可能となっている。
【0030】従って、伸行程時には、流体が流通抵抗の
大きい伸側第1流路Dを流通し、これにより、伸行程の
減衰特性はハードレンジの状態となる。
大きい伸側第1流路Dを流通し、これにより、伸行程の
減衰特性はハードレンジの状態となる。
【0031】一方、圧行程時には、低ピストン速度域で
は、流体が流通抵抗の小さい圧側第2流路Jを流通し、
高ピストン速度域では圧側第1流路Hを流通し、これに
より、圧行程の減衰特性は前記第2ポジションと同じソ
フトレンジの状態に維持される(図12の・に示す伸側
ハード領域HS)。
は、流体が流通抵抗の小さい圧側第2流路Jを流通し、
高ピストン速度域では圧側第1流路Hを流通し、これに
より、圧行程の減衰特性は前記第2ポジションと同じソ
フトレンジの状態に維持される(図12の・に示す伸側
ハード領域HS)。
【0032】また、図6に示す第5ポジションでは、圧
側可変絞りRが少し絞られ、伸側第1可変絞りS,伸側
第2可変絞りT及び伸圧共通可変絞りUが閉じられると
共に、伸側第3可変絞りVが少し開かれていて、伸側第
2流路Eと、圧側第2流路Jとが流通可能となってい
る。
側可変絞りRが少し絞られ、伸側第1可変絞りS,伸側
第2可変絞りT及び伸圧共通可変絞りUが閉じられると
共に、伸側第3可変絞りVが少し開かれていて、伸側第
2流路Eと、圧側第2流路Jとが流通可能となってい
る。
【0033】従って、伸行程時には、低ピストン速度域
では、流体が流通抵抗の小さい伸側第2流路Eを流通
し、ピストン速度が早くなるにつれて、伸側第1流路D
を流通し、これにより、伸行程の減衰特性はミディアム
レンジの状態となる。
では、流体が流通抵抗の小さい伸側第2流路Eを流通
し、ピストン速度が早くなるにつれて、伸側第1流路D
を流通し、これにより、伸行程の減衰特性はミディアム
レンジの状態となる。
【0034】一方、圧行程時には、低ピストン速度域で
は、流体が流通抵抗の小さい圧側第2流路Jを流通し、
ピストン速度が早くなるにつれて、圧側第1流路Hを流
通し、これにより、圧行程の減衰特性はミディアムレン
ジの状態となる(図12の・に示すミディアム領域M
M)。
は、流体が流通抵抗の小さい圧側第2流路Jを流通し、
ピストン速度が早くなるにつれて、圧側第1流路Hを流
通し、これにより、圧行程の減衰特性はミディアムレン
ジの状態となる(図12の・に示すミディアム領域M
M)。
【0035】また、図9に示す第4ポジションでは、圧
側可変絞りRと伸圧共通可変絞りUが閉じられて、伸側
第1可変絞りSと伸側第2可変絞りTが全開状態となっ
ていて、伸側第2及び第3流路だけが流通可能となって
いる。
側可変絞りRと伸圧共通可変絞りUが閉じられて、伸側
第1可変絞りSと伸側第2可変絞りTが全開状態となっ
ていて、伸側第2及び第3流路だけが流通可能となって
いる。
【0036】従って、伸行程時には、低ピストン速度域
では、流体が流通抵抗の小さい伸側第3流路Fを流通
し、ピストン速度が早くなるにつれて、伸側第2流路
E,伸側第1流路Dの順に流通を開始し、これにより、
伸行程の減衰特性はソフトレンジの状態となる。
では、流体が流通抵抗の小さい伸側第3流路Fを流通
し、ピストン速度が早くなるにつれて、伸側第2流路
E,伸側第1流路Dの順に流通を開始し、これにより、
伸行程の減衰特性はソフトレンジの状態となる。
【0037】一方、圧行程時には、流体が流通抵抗の大
きい圧側第1流路Hを流通し、これにより、圧行程の減
衰特性はハードレンジの状態となる(図12の・に示す
圧側ハード領域H)。
きい圧側第1流路Hを流通し、これにより、圧行程の減
衰特性はハードレンジの状態となる(図12の・に示す
圧側ハード領域H)。
【0038】つまり、図9に示す第1ポジションから図
7に示す第3ポジション方向へ切り換えるべく調整子1
2を反時計方向に回動させていくと、圧行程側の減衰特
性をソフトレンジ状態に維持させる一方で、伸行程側の
減衰特性はハードレンジ方向へ変化させることができ
(図12の・〜・間)、この位置からさらに調整子12
を反時計方向に回動させることにより、伸側及び圧側を
共にミディアムレンジ方向に変化させることができる
(図12の・〜・間)。
7に示す第3ポジション方向へ切り換えるべく調整子1
2を反時計方向に回動させていくと、圧行程側の減衰特
性をソフトレンジ状態に維持させる一方で、伸行程側の
減衰特性はハードレンジ方向へ変化させることができ
(図12の・〜・間)、この位置からさらに調整子12
を反時計方向に回動させることにより、伸側及び圧側を
共にミディアムレンジ方向に変化させることができる
(図12の・〜・間)。
【0039】また、図9に示す第1ポジションから図1
0に示す第4ポジション方向へ切り換えるべく調整子1
2を時計方向に回動させていくと、伸行程側の減衰特性
をソフトレンジ状態に維持させる一方で、圧行程側の減
衰特性はハードレンジ方向へ変化させることができる
(図12の・〜・間)。
0に示す第4ポジション方向へ切り換えるべく調整子1
2を時計方向に回動させていくと、伸行程側の減衰特性
をソフトレンジ状態に維持させる一方で、圧行程側の減
衰特性はハードレンジ方向へ変化させることができる
(図12の・〜・間)。
【0040】尚、図12の下部に、調整子12の変位に
対する各流路E,F,G,Jの開閉状況を示している。
次に、コントロールユニット40の制御作動を図13の
フローチャートに基づいて説明する。
対する各流路E,F,G,Jの開閉状況を示している。
次に、コントロールユニット40の制御作動を図13の
フローチャートに基づいて説明する。
【0041】ステップ101は、車速センサ22で検出
された車速が0km/h であるか否かが判定され、YES
であればステップ102に進み、NOであればステップ
103に進む。即ち、このステップでは、車両が停車状
態にあるかどうかの判定が行なわれるもので、この判定
は、この実施例では、コントロールユニット40の異常
検出回路40dで行なわれる。
された車速が0km/h であるか否かが判定され、YES
であればステップ102に進み、NOであればステップ
103に進む。即ち、このステップでは、車両が停車状
態にあるかどうかの判定が行なわれるもので、この判定
は、この実施例では、コントロールユニット40の異常
検出回路40dで行なわれる。
【0042】ステップ103は、上下Gセンサ21,車
速センサ22及びコントロールユニット40が異常状態
にあるか否かが判定され、YESであればステップ10
2に進み、NOであればステップ104に進む。尚、こ
の異常状態の判定は、前述のように、異常検出回路40
dで行なわれる。
速センサ22及びコントロールユニット40が異常状態
にあるか否かが判定され、YESであればステップ10
2に進み、NOであればステップ104に進む。尚、こ
の異常状態の判定は、前述のように、異常検出回路40
dで行なわれる。
【0043】ステップ102は、減衰特性のフェールセ
ーフ制御(停車時制御)が行なわれるステップである。
即ち、このフェールセーフ制御においては、フェールセ
ーフ回路40eから駆動回路40cに対してフェールセ
ーフ駆動信号が出力されるもので、この信号を受けた駆
動回路40cでは、パルスモータ31に対し、ショック
アブソーバSAの減衰ポジションを、伸行程及び圧行程
が共にミディアムレンジとなる第5ポジション(ミディ
アム領域MM)に切り換えるための駆動信号が出力され
る。
ーフ制御(停車時制御)が行なわれるステップである。
即ち、このフェールセーフ制御においては、フェールセ
ーフ回路40eから駆動回路40cに対してフェールセ
ーフ駆動信号が出力されるもので、この信号を受けた駆
動回路40cでは、パルスモータ31に対し、ショック
アブソーバSAの減衰ポジションを、伸行程及び圧行程
が共にミディアムレンジとなる第5ポジション(ミディ
アム領域MM)に切り換えるための駆動信号が出力され
る。
【0044】ステップ104は、減衰特性の通常制御が
行なわれるステップである。以上で一回の制御フローを
終了し、以後は以上の制御フローを繰り返すものであ
る。
行なわれるステップである。以上で一回の制御フローを
終了し、以後は以上の制御フローを繰り返すものであ
る。
【0045】以上のように、この実施例では、各上下G
センサ21か車速センサ22に異常が発生し、または、
演算回路40bに異常が発生すると、異常検出回路40
dにおいてこの異常を検出すると共に、フェールセーフ
回路40eに対して異常発生信号を出力する。そして、
この信号を受けたフェールセーフ回路40eでは、パル
スモータ31をフェールセーフ駆動させるべく駆動回路
40cに対し、フェールセーフ駆動信号が出力されるも
ので、これにより、ショックアブソーバSAの伸側及び
圧側が共にミディアムレンジ状態に切り換えられる。
センサ21か車速センサ22に異常が発生し、または、
演算回路40bに異常が発生すると、異常検出回路40
dにおいてこの異常を検出すると共に、フェールセーフ
回路40eに対して異常発生信号を出力する。そして、
この信号を受けたフェールセーフ回路40eでは、パル
スモータ31をフェールセーフ駆動させるべく駆動回路
40cに対し、フェールセーフ駆動信号が出力されるも
ので、これにより、ショックアブソーバSAの伸側及び
圧側が共にミディアムレンジ状態に切り換えられる。
【0046】従って、車両が発進する際には、常にショ
ックアブソーバSAの減衰特性が伸側及び圧側共にミデ
ィアムレンジの状態となっているため、車両の急発進時
における車両のスカットがソフトレンジよりも高減衰力
であるミディアムレンジの中間減衰特性により確実に抑
制されると共に、発進直後に路面の突起を乗り越えた場
合であっても、ハードレンジよりは低減衰力であるミデ
ィアムレンジの中間減衰特性により、車両の乗り心地を
確保することができるようになるという特徴を有してい
る。
ックアブソーバSAの減衰特性が伸側及び圧側共にミデ
ィアムレンジの状態となっているため、車両の急発進時
における車両のスカットがソフトレンジよりも高減衰力
であるミディアムレンジの中間減衰特性により確実に抑
制されると共に、発進直後に路面の突起を乗り越えた場
合であっても、ハードレンジよりは低減衰力であるミデ
ィアムレンジの中間減衰特性により、車両の乗り心地を
確保することができるようになるという特徴を有してい
る。
【0047】さらに、前記ミディアム領域MMは伸側ハ
ード領域HSに近接して設けられていて、ミディアム領
域MMから伸側ハード領域HSへの切り換えが迅速に行
われ るため、車両のスカットが過大である場合であって
も、伸側ミディアムレンジ(ミディアム領域MM)か
ら、伸側ハードレンジ(伸側ハード領域HS)への切り
換えが迅速に行えるから、スカットを迅速かつ確実に抑
制することができるようになると共に、発進直後に路面
の突起を乗り越えた場合であっても、圧側ミディアムレ
ンジ(ミディアム領域MM)から、圧側ソフトレンジ
(伸側ハード領域HS)への切り換えが迅速に行えるか
ら、車両への伝達を迅速かつ確実に抑制することができ
るようになるという特徴を有している。
ード領域HSに近接して設けられていて、ミディアム領
域MMから伸側ハード領域HSへの切り換えが迅速に行
われ るため、車両のスカットが過大である場合であって
も、伸側ミディアムレンジ(ミディアム領域MM)か
ら、伸側ハードレンジ(伸側ハード領域HS)への切り
換えが迅速に行えるから、スカットを迅速かつ確実に抑
制することができるようになると共に、発進直後に路面
の突起を乗り越えた場合であっても、圧側ミディアムレ
ンジ(ミディアム領域MM)から、圧側ソフトレンジ
(伸側ハード領域HS)への切り換えが迅速に行えるか
ら、車両への伝達を迅速かつ確実に抑制することができ
るようになるという特徴を有している。
【0048】また、異常発生時にも、ショックアブソー
バSAの減衰特性が伸側及び圧側共にミディアムレンジ
の状態に切り換えられるため、減衰特性の過不足状態の
発生を未然に防止して、異常発生時における車両の操縦
安定性及び乗り心地を確保することができるようになる
という特徴を有している。
バSAの減衰特性が伸側及び圧側共にミディアムレンジ
の状態に切り換えられるため、減衰特性の過不足状態の
発生を未然に防止して、異常発生時における車両の操縦
安定性及び乗り心地を確保することができるようになる
という特徴を有している。
【0049】次に、コントロールユニット40の制御作
動のうち、通常制御の内容を図14のタイムチャートに
基づいて説明する。
動のうち、通常制御の内容を図14のタイムチャートに
基づいて説明する。
【0050】各上下Gセンサ21で検出されたばね上上
下速度Vn がこの図に示すように変化した場合、ばね上
上下速度Vn が0である時には、ショックアブソーバS
Aをソフト領域SSに制御する。
下速度Vn がこの図に示すように変化した場合、ばね上
上下速度Vn が0である時には、ショックアブソーバS
Aをソフト領域SSに制御する。
【0051】また、ばね上上下速度Vn が正の値になる
と、伸側ハード領域HS側に制御して、圧側をソフトレ
ンジに固定する一方、伸側の減衰特性をばね上上下速度
Vnに比例させて変更する。この時、減衰特性Cは、C
=k・Vn となるように制御する。尚、kは比例定数で
ある。
と、伸側ハード領域HS側に制御して、圧側をソフトレ
ンジに固定する一方、伸側の減衰特性をばね上上下速度
Vnに比例させて変更する。この時、減衰特性Cは、C
=k・Vn となるように制御する。尚、kは比例定数で
ある。
【0052】また、ばね上上下速度Vn が負の値になる
と、圧側ハード領域SH側に制御して、伸側をソフトレ
ンジに固定する一方、圧側の減衰特性をばね上上下速度
Vnに比例させて変更する。この時も、減衰特性Cは、
C=k・Vn となるように制御する。
と、圧側ハード領域SH側に制御して、伸側をソフトレ
ンジに固定する一方、圧側の減衰特性をばね上上下速度
Vnに比例させて変更する。この時も、減衰特性Cは、
C=k・Vn となるように制御する。
【0053】また、図14のタイムチャートにおいて、
領域aは、ばね上上下速度Vn が負の値(下向き)から
正の値(上向き)に逆転した状態であるが、この時はま
だ相対速度は負の値(ショックアブソーバSAの行程は
圧行程側)となっている領域であるため、この時は、ば
ね上上下速度Vn の方向に基づいてショックアブソーバ
SAは伸側ハード領域HSに制御されており、従って、
この領域ではその時のショックアブソーバSAの行程で
ある圧行程側がソフトレンジとなる。
領域aは、ばね上上下速度Vn が負の値(下向き)から
正の値(上向き)に逆転した状態であるが、この時はま
だ相対速度は負の値(ショックアブソーバSAの行程は
圧行程側)となっている領域であるため、この時は、ば
ね上上下速度Vn の方向に基づいてショックアブソーバ
SAは伸側ハード領域HSに制御されており、従って、
この領域ではその時のショックアブソーバSAの行程で
ある圧行程側がソフトレンジとなる。
【0054】また、領域bは、ばね上上下速度Vn が正
の値(上向き)のままで、相対速度は負の値から正の値
(ショックアブソーバSAの行程は伸行程側)に切り換
わった領域であるため、この時は、ばね上上下速度Vn
の方向に基づいてショックアブソーバSAは伸側ハード
領域HSに制御されており、かつ、ショックアブソーバ
の行程も伸行程であり、従って、この領域ではその時の
ショックアブソーバSAの行程である伸行程側が、ばね
上上下速度Vn の値に比例したハードレンジとなる。
の値(上向き)のままで、相対速度は負の値から正の値
(ショックアブソーバSAの行程は伸行程側)に切り換
わった領域であるため、この時は、ばね上上下速度Vn
の方向に基づいてショックアブソーバSAは伸側ハード
領域HSに制御されており、かつ、ショックアブソーバ
の行程も伸行程であり、従って、この領域ではその時の
ショックアブソーバSAの行程である伸行程側が、ばね
上上下速度Vn の値に比例したハードレンジとなる。
【0055】また、領域cは、ばね上上下速度Vn が正
の値(上向き)から負の値(下向き)に逆転した状態で
あるが、この時はまだ相対速度は正の値(ショックアブ
ソーバSAの行程は伸行程側)となっている領域である
ため、この時は、ばね上上下速度Vn の方向に基づいて
ショックアブソーバSAは圧側ハード領域SHに制御さ
れており、従って、この領域ではその時のショックアブ
ソーバSAの行程である伸行程側がソフトレンジとな
る。
の値(上向き)から負の値(下向き)に逆転した状態で
あるが、この時はまだ相対速度は正の値(ショックアブ
ソーバSAの行程は伸行程側)となっている領域である
ため、この時は、ばね上上下速度Vn の方向に基づいて
ショックアブソーバSAは圧側ハード領域SHに制御さ
れており、従って、この領域ではその時のショックアブ
ソーバSAの行程である伸行程側がソフトレンジとな
る。
【0056】また、領域dは、ばね上上下速度Vn が負
の値(下向き)のままで、相対速度は正の値から負の値
(ショックアブソーバSAの行程は伸行程側)になる領
域であるため、この時は、ばね上上下速度Vn の方向に
基づいてショックアブソーバSAは圧側ハード領域SH
に制御されており、かつ、ショックアブソーバの行程も
圧行程であり、従って、この領域ではその時のショック
アブソーバSAの行程である圧行程側が、ばね上上下速
度Vn の値に比例したハードレンジとなる。
の値(下向き)のままで、相対速度は正の値から負の値
(ショックアブソーバSAの行程は伸行程側)になる領
域であるため、この時は、ばね上上下速度Vn の方向に
基づいてショックアブソーバSAは圧側ハード領域SH
に制御されており、かつ、ショックアブソーバの行程も
圧行程であり、従って、この領域ではその時のショック
アブソーバSAの行程である圧行程側が、ばね上上下速
度Vn の値に比例したハードレンジとなる。
【0057】以上のように、この実施例では、ばね上上
下速度とばね上・ばね下間の相対速度とが同符号の時
(領域b,領域d)は、その時のショックアブソーバS
Aの行程側をハードレンジに制御し、異符号の時(領域
a,領域c)は、その時のショックアブソーバSAの行
程側をソフトレンジに制御するという、スカイフック理
論に基づいた減衰特性制御と同一の制御が、ばね上・ば
ね下間相対速度を検出することなしに行なわれることに
なる。そして、さらに、この実施例では、領域aから領
域b,及び領域cから領域dへ移行する時には、パルス
モータ31を駆動させることなしに減衰特性の切り換え
が行なわれることになる。
下速度とばね上・ばね下間の相対速度とが同符号の時
(領域b,領域d)は、その時のショックアブソーバS
Aの行程側をハードレンジに制御し、異符号の時(領域
a,領域c)は、その時のショックアブソーバSAの行
程側をソフトレンジに制御するという、スカイフック理
論に基づいた減衰特性制御と同一の制御が、ばね上・ば
ね下間相対速度を検出することなしに行なわれることに
なる。そして、さらに、この実施例では、領域aから領
域b,及び領域cから領域dへ移行する時には、パルス
モータ31を駆動させることなしに減衰特性の切り換え
が行なわれることになる。
【0058】以上のように本実施例の車両懸架装置で
は、従来のスカイフック理論に基づいた減衰特性制御に
比べ、減衰特性の切り換え頻度が少なくなるため、制御
応答性を高めることができると共に、パルスモータ31
の耐久性を向上させることができるようになるという特
徴を有している。
は、従来のスカイフック理論に基づいた減衰特性制御に
比べ、減衰特性の切り換え頻度が少なくなるため、制御
応答性を高めることができると共に、パルスモータ31
の耐久性を向上させることができるようになるという特
徴を有している。
【0059】また、伸行程及び圧行程の内のいずれか一
方の行程側の減衰特性がハードレンジである時には、そ
の逆行程側の減衰特性が常にソフトレンジとなっている
ことから、低周波と高周波とが複合された路面入力に対
しても、逆行程側の路面入力をソフトレンジで吸収し、
これにより、快適な乗り心地と操縦安定性を確保するこ
とができるという特徴を有している。
方の行程側の減衰特性がハードレンジである時には、そ
の逆行程側の減衰特性が常にソフトレンジとなっている
ことから、低周波と高周波とが複合された路面入力に対
しても、逆行程側の路面入力をソフトレンジで吸収し、
これにより、快適な乗り心地と操縦安定性を確保するこ
とができるという特徴を有している。
【0060】以上、本考案の実施例を図面により詳述し
てきたが、具体的な構成は、この実施例に限られるもの
ではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲における設計
変更等があっても本考案に含まれる。
てきたが、具体的な構成は、この実施例に限られるもの
ではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲における設計
変更等があっても本考案に含まれる。
【0061】例えば、実施例では、減衰特性の通常制御
において、車両挙動検出手段として上下Gセンサのみを
用いる場合を示したが、その他のセンサを用いた減衰特
性制御を行なうことができる。
において、車両挙動検出手段として上下Gセンサのみを
用いる場合を示したが、その他のセンサを用いた減衰特
性制御を行なうことができる。
【0062】また、実施例では、フェールセーフ制御
(停車時制御)の際に、図12の実線で示すように、伸
側と圧側を共にミディアムレンジに切り換え制御するよ
うにしたが、その他に、例えば、同図の点線で示すよう
に、圧側はソフトレンジに保持させたままで伸側だけを
ミディアムレンジに切り換えたり、その逆に圧側だけを
ミディアムレンジに切り換えるようにしてもよく、ま
た、ミディアムレンジの減衰特性の高さも任意に設定す
ることができる。
(停車時制御)の際に、図12の実線で示すように、伸
側と圧側を共にミディアムレンジに切り換え制御するよ
うにしたが、その他に、例えば、同図の点線で示すよう
に、圧側はソフトレンジに保持させたままで伸側だけを
ミディアムレンジに切り換えたり、その逆に圧側だけを
ミディアムレンジに切り換えるようにしてもよく、ま
た、ミディアムレンジの減衰特性の高さも任意に設定す
ることができる。
【0063】
【考案の効果】以上説明してきたように、本考案の減衰
力可変型ショックアブソーバでは、前述のように、伸側
バイパス流路と圧側バイパス流路の途中に介装されてい
てその変位により伸側バイパス流路と圧側バイパス流路
と伸圧共通バイパス流路の流路断面積を相互に独立して
変更可能な調整子を備え、該調整子が、その変位の中立
位置付近の所定範囲では伸圧両バイパス流路および伸圧
共通バイパス流路を開き、中立位置付近の所定範囲から
の変位方向のうちいずれか一方への変位方向では、伸圧
共通バイパス流路を閉じると共に圧側バイパス流路の流
路断面積が最小限まで減少する方向に変化し、もう一方
の変位方向では、まず伸圧共通バイパス流路を閉じると
共に伸側バイパス流路の流路断面積が最小限まで減少す
る方向に変化し、伸側バイパス流路の流路断面積が最小
限まで減少した後、さらに同方向に変位させると伸側バ
イパス流路の流路断面積が最大限の中間程度まで増加す
る方向に変化すると同時に圧側バイパス流路の流路断面
積が最小限の中間程度まで減少する方向に変化するよう
に構成されている手段としたことで、伸行程及び圧行程
の内のいずれか一方の減衰特性がハードレンジである時
には、その逆行程側の減衰特性は常にソフトレンジとな
るため、低周波路面入力と高周波路面入力とが複合され
た路面入力に対しても、快適な乗り心地と操縦安定性を
確保することができるようになる。 また、例えば、車両
が停車して車速が0km/h になった時点で、減衰特性が
伸側・圧側共にミディアムレンジとなる調整子の変位位
置に切り換え制御しておくことにより、車両の急発進時
における車両のスカットがソフトレンジよりも高減衰力
であるミディアムレンジの中間減衰特性により確実に抑
制されると共に、発 進直後に路面の突起を乗り越えた場
合であっても、ハードレンジよりは低減衰力であるミデ
ィアムレンジの中間減衰特性により、車両の乗り心地を
確保することができるようになる。 さらに、伸側・圧側
共にミディアムレンジとなる調整子の変位位置が、伸側
がハードレンジで圧側がソフトレンジとなる調整子の変
位位置に近接して設けられていて、両変位位置相互間の
切り換えが迅速に行われるため、車両のスカットが過大
である場合であっても、伸側ミディアムレンジから、伸
側ハードレンジへの切り換えが迅速に行えるから、スカ
ットを迅速かつ確実に抑制することができるようになる
と共に、発進直後に路面の突起を乗り越えた場合であっ
ても、圧側ミディアムレンジから、圧側ソフトレンジへ
の切り換えが迅速に行えるから、車両への伝達を迅速か
つ確実に抑制することができるようになり、これによ
り、停車後の車両発進時における車両の乗り心地向上を
図ることができるようになるという効果が得られる。
力可変型ショックアブソーバでは、前述のように、伸側
バイパス流路と圧側バイパス流路の途中に介装されてい
てその変位により伸側バイパス流路と圧側バイパス流路
と伸圧共通バイパス流路の流路断面積を相互に独立して
変更可能な調整子を備え、該調整子が、その変位の中立
位置付近の所定範囲では伸圧両バイパス流路および伸圧
共通バイパス流路を開き、中立位置付近の所定範囲から
の変位方向のうちいずれか一方への変位方向では、伸圧
共通バイパス流路を閉じると共に圧側バイパス流路の流
路断面積が最小限まで減少する方向に変化し、もう一方
の変位方向では、まず伸圧共通バイパス流路を閉じると
共に伸側バイパス流路の流路断面積が最小限まで減少す
る方向に変化し、伸側バイパス流路の流路断面積が最小
限まで減少した後、さらに同方向に変位させると伸側バ
イパス流路の流路断面積が最大限の中間程度まで増加す
る方向に変化すると同時に圧側バイパス流路の流路断面
積が最小限の中間程度まで減少する方向に変化するよう
に構成されている手段としたことで、伸行程及び圧行程
の内のいずれか一方の減衰特性がハードレンジである時
には、その逆行程側の減衰特性は常にソフトレンジとな
るため、低周波路面入力と高周波路面入力とが複合され
た路面入力に対しても、快適な乗り心地と操縦安定性を
確保することができるようになる。 また、例えば、車両
が停車して車速が0km/h になった時点で、減衰特性が
伸側・圧側共にミディアムレンジとなる調整子の変位位
置に切り換え制御しておくことにより、車両の急発進時
における車両のスカットがソフトレンジよりも高減衰力
であるミディアムレンジの中間減衰特性により確実に抑
制されると共に、発 進直後に路面の突起を乗り越えた場
合であっても、ハードレンジよりは低減衰力であるミデ
ィアムレンジの中間減衰特性により、車両の乗り心地を
確保することができるようになる。 さらに、伸側・圧側
共にミディアムレンジとなる調整子の変位位置が、伸側
がハードレンジで圧側がソフトレンジとなる調整子の変
位位置に近接して設けられていて、両変位位置相互間の
切り換えが迅速に行われるため、車両のスカットが過大
である場合であっても、伸側ミディアムレンジから、伸
側ハードレンジへの切り換えが迅速に行えるから、スカ
ットを迅速かつ確実に抑制することができるようになる
と共に、発進直後に路面の突起を乗り越えた場合であっ
ても、圧側ミディアムレンジから、圧側ソフトレンジへ
の切り換えが迅速に行えるから、車両への伝達を迅速か
つ確実に抑制することができるようになり、これによ
り、停車後の車両発進時における車両の乗り心地向上を
図ることができるようになるという効果が得られる。
【図1】本考案実施例の減衰力可変型ショックアブソー
バを適用した車両懸架装置を示す構成説明図である。
バを適用した車両懸架装置を示す構成説明図である。
【図2】実施例の減衰力可変型ショックアブソーバを適
用した車両懸架装置を示すシステムブロック図である。
用した車両懸架装置を示すシステムブロック図である。
【図3】本考案実施例の減衰力可変型ショックアブソー
バの要部を示す断面図(図4及び図5のP−P断面)で
ある。
バの要部を示す断面図(図4及び図5のP−P断面)で
ある。
【図4】図3のL−L断面図である。
【図5】図3のM−M断面図である。
【図6】調整子の第5ポジション位置を示す断面図で、
(イ) は図3のK−K断面図,(ロ) は図3のL−L断面
図,(ハ) は図3のM−M断面図,(ニ) は図3のN−N断
面図である。
(イ) は図3のK−K断面図,(ロ) は図3のL−L断面
図,(ハ) は図3のM−M断面図,(ニ) は図3のN−N断
面図である。
【図7】調整子の第3ポジション位置を示す断面図で、
(イ) は図3のK−K断面図,(ロ) は図3のL−L断面
図,(ハ) は図3のM−M断面図,(ニ) は図3のN−N断
面図である。
(イ) は図3のK−K断面図,(ロ) は図3のL−L断面
図,(ハ) は図3のM−M断面図,(ニ) は図3のN−N断
面図である。
【図8】調整子の第2ポジション位置を示す断面図で、
(イ) は図3のK−K断面図,(ロ) は図3のL−L断面
図,(ハ) は図3のM−M断面図,(ニ) は図3のN−N断
面図である。
(イ) は図3のK−K断面図,(ロ) は図3のL−L断面
図,(ハ) は図3のM−M断面図,(ニ) は図3のN−N断
面図である。
【図9】調整子の第1ポジション位置を示す断面図で、
(イ) は図3のK−K断面図,(ロ) は図3のL−L断面
図,(ハ) は図3のM−M断面図,(ニ) は図3のN−N断
面図である。
(イ) は図3のK−K断面図,(ロ) は図3のL−L断面
図,(ハ) は図3のM−M断面図,(ニ) は図3のN−N断
面図である。
【図10】調整子の第4ポジション位置を示す断面図
で、(イ) は図3のK−K断面図,(ロ) は図3のL−L断
面図,(ハ) は図3のM−M断面図,(ニ) は図3のN−N
断面図である。
で、(イ) は図3のK−K断面図,(ロ) は図3のL−L断
面図,(ハ) は図3のM−M断面図,(ニ) は図3のN−N
断面図である。
【図11】本考案実施例の減衰力可変型ショックアブソ
ーバの全体構成を示す断面図である。
ーバの全体構成を示す断面図である。
【図12】実施例の減衰力可変型ショックアブソーバの
減衰力切換特性及び各流路の開閉状況を示す図である。
減衰力切換特性及び各流路の開閉状況を示す図である。
【図13】実施例のコントロールユニットにおける制御
作動を示すフローチャートである。
作動を示すフローチャートである。
【図14】実施例のコントロールユニットにおける通常
制御の内容を示すタイムチャートである。
制御の内容を示すタイムチャートである。
【符号の説明】6 圧側メイン減衰バルブ 8 圧側サブバルブ 9 伸側メイン減衰バルブ 11 伸側サブバルブ 12 調整子 SA ショックアブソーバ A 上部室 B 下部室 E 伸側第2流路(伸側バイパス流路) F 伸側第3流路(伸側バイパス流路) J 圧側第2流路(圧側バイパス流路) G 伸圧共通バイパス流路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−94065(JP,A) 特開 平6−92126(JP,A) 特開 平5−296282(JP,A) 特開 平5−238235(JP,A) 特開 平5−169958(JP,A) 特開 平3−149423(JP,A) 特開 平5−69719(JP,A) 特開 平3−42318(JP,A) 特開 平3−197225(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16F 9/50 B60G 17/00 - 23/00
Claims (1)
- 【請求項1】ショックアブソーバの伸行程時に画成され
た2室間の流体の流通を制限的に許容することで高い減
衰力を発生させる伸側メイン減衰バルブと、 ショックアブソーバの圧行程時に画成された2室間の流
体の流通を制限的に許容することで高い減衰力を発生さ
せる圧側メイン減衰バルブと、 伸側サブバルブの介装により伸行程時にのみ前記伸側メ
インバルブをバイパスして前記2室間を連通する伸側バ
イパス流路と、 圧側サブバルブの介装により圧行程時にのみ前記圧側メ
インバルブをバイパスして前記2室間を連通する圧側バ
イパス流路と、 前記伸圧両メイン減衰バルブおよび伸圧両サブバルブを
バイパスして前記2室間を連通する伸圧共通バイパス流
路と、 前記伸側バイパス流路と圧側バイパス流路の途中に介装
されていてその変位により伸側バイパス流路と圧側バイ
パス流路と伸圧共通バイパス流路の流路断面積を相互に
独立して変更可能な調整子と、を備え、 該調整子が、その変位の中立位置付近の所定範囲では伸
圧両バイパス流路および伸圧共通バイパス流路を開き、
中立位置付近の所定範囲からの変位方向のうちいずれか
一方への変位方向では、伸圧共通バイパス流路を閉じる
と共に圧側バイパス流路の流路断面積が最小限まで減少
する方向に変化し、もう一方の変位方向では、まず伸圧
共通バイパス流路を閉じると共に伸側バイパス流路の流
路断面積が最小限まで減少する方向に変化し、伸側バイ
パス流路の流路断面積が最小限まで減少した後、さらに
同方向に変位させると伸側バイパス流路の流路断面積が
最大限の中間程度まで増加する方向に変化すると同時に
圧側バイパス流路の流路断面積が最小限の中間程度まで
減少する方向に変化するように構成されていることを特
徴とする減衰力可変型ショックアブソーバ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992066921U JP2598127Y2 (ja) | 1992-09-25 | 1992-09-25 | 減衰力可変型ショックアブソード |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992066921U JP2598127Y2 (ja) | 1992-09-25 | 1992-09-25 | 減衰力可変型ショックアブソード |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0629906U JPH0629906U (ja) | 1994-04-19 |
JP2598127Y2 true JP2598127Y2 (ja) | 1999-08-03 |
Family
ID=13329931
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992066921U Expired - Lifetime JP2598127Y2 (ja) | 1992-09-25 | 1992-09-25 | 減衰力可変型ショックアブソード |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2598127Y2 (ja) |
-
1992
- 1992-09-25 JP JP1992066921U patent/JP2598127Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0629906U (ja) | 1994-04-19 |
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