JP2598005B2 - 図面中の閉領域抽出方法 - Google Patents

図面中の閉領域抽出方法

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JP2598005B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明はコンピュータを利用した画像処理の技術分野
に係り、特に手書きや品質の悪い図面中から閉領域や擬
似閉領域(一部にとぎれのある領域や点線等で囲まれた
領域)を精度よく抽出する方法に関する。
〔従来技術〕
コンピュータを利用した画像処理の一つに、画像とし
て入力した図面中から所望のシンボルやブロック等に対
応する閉領域や擬似閉領域を抽出する処理がある。この
場合、従来は特徴点や線を特徴とし、それをもとにシン
ボルやブロックを検出していた。しかしながら、かゝる
特徴点や線による方法は、線のゆらぎやとぎれ、文字と
線の接触及び雑音に弱く、手書きや品質の悪い図面の場
合、精度よく抽出できないという問題があった。
〔目 的〕
本発明の目的は、図面中に線のゆらぎやとぎれ、文字
と線の接触などが存在しても、目的の閉領域や擬似閉領
域を精度よく抽出する方法を提供し、書き方の制限の極
めて少ない手書き図面や品質の悪い図面の読取りを可能
にすることにある。
〔構 成〕
本発明は、図面を画像として入力し、その入力画像内
に、線分上の点からの距離等で重み付けされるベクトル
場を生成し、このベクトル場の特異点をもとに閉領域や
擬似閉領域を抽出することを主たる特徴とするものであ
る。
以下、本発明の一実施例について図面により説明す
る。
第1図は本発明の一実施例のハードウェア構成を示し
たものである。第1図において、画像スキャナ11は手書
きの図面等を読み取り、白画素は“0"、黒画素は“1"と
して入力画像用メモリ14に格納する。プロセッサ12は、
メモリ14の入力画像についてベクトル場を生成し、ベク
トル場用メモリ15に格納すると共に、該メモリ15中のベ
クトル場について、その特異点を見つけ、それをもとに
閉領域や擬似閉領域を抽出し、抽出結果用メモリ16に格
納する。ディスプレイ装置13は、プロセッサ12の制御の
もとに必要に応じて各メモリ14,15,16の内容を表示する
のに使用する。こゝで、メモリ14は1画素1ビットでよ
いが、メモリ15は各白画素についてベクトル情報が格納
されるため、1画素は複数ビット(例えば1ワード)で
構成される。メモリ16も、抽出した各領域に例えば番号
等を付加するため、1画素は複数ビットで構成される。
第2図は本発明による閉領域や擬似閉領域を抽出する
処理の具体的手順を示したもので、以下、これに従って
説明する。
ベクトル場の生成処理101では、入力画像についてベ
クトル場を生成する。第3図は入力画像内にベクトル場
を生成する方法を示したものである。曲線lは黒画素の
線状の集合であって、これからの距離によってベクトル
場を計算する。すなわち、画像内の任意の白画素(x,
y)におけるスカラー値とその方向をベクトル場として
把え、これを(1)式で定義する。
こゝで、Lθは白画素(x,y)から角度θの方向で黒
画素と交わる点(xB,yB)までの距離で、(2)式で定
義する。
θ=〔(x−xB+(y−yB1/2 (2) たゞじ、Lθ<1のときはLθ=1とする。
g(Lθ)は重み関数で(3)式で定義する。
g(Lθ)=1/〔Lθ1/2 (3) 重み関数g(Lθ)の形は第4図に示すとおりであ
る。
θは黒画素(xB,yB)から白画素(x,y)に向かう単
位ベクトルである。
ベクトル場の生成処理101は、プロセッサ12でディジ
タル的に行われるために、実際には、(1)式のθを
(4)式のように例えば16段階に離散化し、 θ=i*(π/8),i=0,……15 (4) また、白画素のディジタル座標(x,y)も例えば8点
おきにし、(5)式によりベクトル場を計算する。
第5図は手書き図面の一例である。第6図は、この手
書き図面を入力し、(5)式によりベクトル場を計算し
た結果を示したものである。第6図ではベクトル場を可
視的に示したが、第1図のメモリ15には、各白画素に対
応して、そのベクトル情報がディジタル形式で格納され
る。
一様領域と非一様領域の分離処理102では、生成した
各ベクトルについて、その周囲の8近傍のベクトルとの
方向差を求め、例えば方向差が3を越えると、そのベク
トルを非一様領域に分類する。このようにして、ベクト
ル場を一様な領域と非一様な領域に分離する。第7図は
第6図のベクトル場から一様な領域を抽出した結果を示
したものである。
一様領域のラベリング処理103では、第7図に示すよ
うな一様領域で連結されている領域を抽出し、各領域毎
にラベル(例えば番号)を付ける。この内、外接長方形
の最も大きい一様領域は、処理105において背景として
除去する。
非一様領域の特異点抽出処理104では、ベクトルの大
きさが零に近く互いに方向が向いあうベクトル集合の中
心点を特異点として抽出する。第6図のベクトル場につ
いて、特異点を抽出すると、第8図のようになる。第8
図において、イ,ロ,ハ,ニ,ホ,ヘがそれぞれ特異点
を示す。
閉領域・擬似閉領域の抽出処理106では、特異点と一
様領域を統合して閉領域や擬似閉領域を抽出する。第9
図は第5図の図面について閉領域および擬似閉領域の抽
出結果を示したもので、各領域には番号が付加されてお
り、黒い部分が特異点の領域である。また、第10図は点
線で囲まれた擬似閉領域の抽出結果の例を示したもので
ある。
〔効 果〕
以上の説明から明らかな如く、本発明によれば次のよ
うな効果が得られる。
(1)手書きによる変動により、完全に閉じていない閉
領域を安定して精度よく抽出することができる。
(2)点や線を中心とする従来技術では抽出が困難であ
った点線等で囲まれた閉領域を安定して抽出することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例のハードウェア構成を示す
図、第2図は本発明による閉領域抽出処理の手順例を示
す図、第3図は入力画像内にベクトル場を形成する方法
を示す図、第4図はベクトル場を形成する際に必要とな
る重み関数を示す図、第5図は処理対象図面の一例を示
す図、第6図は第5図の図面に対するベクトル場を示す
図、第7図は第6図のベクトル場から一様領域を抽出し
た図、第8図は第6図から特異点を抽出した図、第9図
は第5図の図面から閉領域および擬似閉領域を抽出した
結果を示す図、第10図は点線で囲まれた擬似閉領域の抽
出結果を示す図である。 101……ベクトル場の生成処理、102……一様領域と非一
様領域の分離処理、103……一様領域のラベリング処
理、104……非一様領域の特異点抽出処理、105……背景
の除去処理、106……閉領域・擬似閉領域の抽出処理。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】図面を画像として入力し、該入力画像内の
    各白画素(x,y)におけるベクトル場を、 θ:白画素(x,y)から角度θの方向で黒画素と交わ
    る点(xB,yB)までの距離 g(Lθ):重み関数 rθ:黒画素(xB,yB)から白画素(x,y)に向かう単位
    ベクトル により求め、該ベクトル場における特異点を見つけて図
    面中の閉領域を抽出することを特徴とする閉領域抽出方
    法。
  2. 【請求項2】前記閉領域は、一部にとぎれのある領域や
    点線等で囲まれた領域も含むことを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の閉領域抽出方法。
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