JP2597770B2 - ホウ素の添加によって鋳造可能になったニオブ・クロム含有アルミ化チタン - Google Patents

ホウ素の添加によって鋳造可能になったニオブ・クロム含有アルミ化チタン

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に、改良された粒
子組織という意味で改良された鋳造性を有するγアルミ
化チタン(TiAl)合金に係る。特に、本発明は、ク
ロム、ニオブおよびホウ素を組合せた添加元素の作用に
よって微細粒子のミクロ組織および一組の改良された性
質を達成した、クロムとニオブを添加(ド―プ)したT
iAlの鋳造品に係る。
【0002】
【発明の背景】鋳造品を形成する際には、一般に、鋳造
される溶融金属が高い流動特性をもっていることが望ま
しい。そのような流動性により、溶融金属は、金型に自
由に流入し、その金型の細い部分に充満すると共に、早
過ぎる凝結を起こすことなく金型の複雑に入組んだ部分
に入り込むことが可能になる。この点で、液体金属は、
金型の鋭角の部分に入り込むことができるように、かつ
鋳造製品がそれを鋳造するのに使用した金型の形状とよ
く一致するように、低い粘度をもっているのが一般に望
ましい。
【0003】鋳造された構造体に望まれるもうひとつの
特徴は、微細なミクロ組織、すなわち微細な結晶粒度を
有していて、合金の種々の成分の偏析が最小限になるよ
うになっていることである。これは、熱間割れに至る金
型内での金属収縮を回避する上で重要である。鋳造した
金属が凝固し冷却する際に鋳造品中にいくらかの収縮が
発生することは極めて一般的で極めて正常なことであ
る。しかし、合金成分の偏析の程度がかなりになると、
鋳造された物品の中で、そのような偏析のために弱くな
り金属の凝固と冷却およびそのような冷却に伴う収縮の
結果として歪みの生じた部分に割れが起こる危険性があ
る。いいかえると、液体金属は金型を完全に満たし、か
つその金型内部の細かなキャビティ―のすべてに入り込
むように充分な流動性をもつのが望ましいが、その金属
はいったん凝固したら健全であって、過剰の偏析のため
に生じた弱い部分または内部熱間割れを特徴的にもつこ
とがないということも望ましいことである。
【0004】アルミ化チタン自体に関しては、アルミニ
ウムをチタン金属に添加する量を次第に増やしていく
と、得られるチタン‐アルミニウム組成物の結晶形態が
変化するということが知られている。少量のアルミニウ
ムはチタンと固溶体を形成し、結晶形態はαチタンのま
まである。より高濃度のアルミニウム(たとえば、約2
5〜30原子%)では、金属間化合物Ti3 Alが形成
され、これはα‐2という秩序をもった六方晶形を有す
る。それよりさらに高濃度のアルミニウム(たとえば、
アルミニウムが50〜60原子%)では、γといわれる
秩序をもった正方晶形を有する別の金属間化合物TiA
lが形成される。このγアルミ化チタンが本出願の主題
である。
【0005】γ結晶形とほぼ1という化学量論比を有す
るチタンとアルミニウムの合金は、高いモジュラス、低
い密度、高い熱伝導率、有利な耐酸化性および良好な耐
クリ―プ性を有する金属間化合物である。図1に、Ti
Al化合物、他のチタン合金およびニッケル基超合金の
モジュラスと温度の関係を示す。図から明らかなよう
に、γTiAlはチタン合金の中で最高のモジュラスを
もっている。γTiAlはそのモジュラスが高温で他の
チタン合金より高いだけでなく、温度上昇に伴うモジュ
ラスの低下率が他のチタン合金より小さい。さらに、γ
TiAlは、他のチタン合金が役に立たなくなるような
温度より高い温度でも有用なモジュラスを保持する。T
iAl金属間化合物を基材とする合金は、高温で高いモ
ジュラスが要求され、しかも良好な環境保護も必要とさ
れるような用途向けに魅力のある軽量材料である。
【0006】γTiAlをそのような用途に実際に応用
する際の制約となっている特性のひとつは、室温で見ら
れる脆性である。γTiAlの実際の応用を制限するも
うひとつの特性は、溶融組成物の比較的に低い流動性で
ある。この低い流動性のため、特に鋳造品が薄肉の断面
および鋭い角と隅を有する入組んだ構造を含んでいる場
合、合金の鋳造性が限定される。γTiAlの鋳造組成
物のそれらが適している高温での用途範囲を拡大できる
ためには、γTiAl金属間化合物のメルト流動性を高
める改良と、鋳造製品中に微細なミクロ組織を達成する
ことがたいへん望ましいことである。本明細書中で、鋳
造されたTiAl製品中の微細なミクロ組織についてい
う場合、それは鋳造したままの状態における製品のミク
ロ組織をいうものとする。
【0007】鋳造後、製品を鍛造その他の機械的方法に
よって加工すると、そのミクロ組織を変化させることが
できるし改良し得るということが認められている。しか
しながら、鋳造製品が有用である用途では、補助的な機
械加工ステップを使用することなく鋳造したままの製品
中でミクロ組織を達成しなければならない。
【0008】また、同様に鋳造製品に求められており、
極めて望ましいものは0.5%以上の最小延性である。
そのような延性は、製品が適切な完全性を示すために必
要とされる。組成物が広く有用であるための最低の室温
強度は約50ksi すなわち約350MPaである。しか
しながら、この程度の強度をもっている材料は実用性が
限られており、多くの用途でさらに高い強度が好まれる
ことが多い。
【0009】γTiAl化合物の化学量論比は結晶構造
を変化させることなくある範囲に亘って変えることがで
きる。アルミニウム含量は約50原子%から約60原子
%まで変えることができる。しかしながら、γTiAl
組成物の性質は、チタン成分とアルミニウム成分の化学
量論比が1%以上と比較的小さく変化しても、非常に大
きく変わり易い。また、これらの性質は、添加元素また
はド―ピング剤としての比較的少量の第三元素および第
四元素の添加によっても同様な影響を受ける。
【0010】
【従来の技術】TiAl3 金属間化合物、γTiAl金
属間化合物およびTi3 Al金属間化合物を始めとする
アルミ化チタン組成物に関する文献はたくさんある。
「TiAl型のチタン合金(Titanium Alloys of the Ti
Al Type)」と題する米国特許第4,294,615号に
は、γTiAl金属間化合物を始めとするアルミ化チタ
ン型の合金に関する考察がまとめられている。この特許
の第1欄第50行目から始まる記載では、γTiAlの
利点と欠点をTi3 Alと比較して考察する際に、次の
ような指摘がされている。 『TiAlγ合金系の方がたくさんのアルミニウムを含
んでいるので軽量である可能性があるということは明ら
かである。1950年代の実験室レベルの研究で、アル
ミ化チタン合金が約1000℃までの高温で使用できる
可能性が示された。しかし、そのような合金に関するそ
の後の工学上の経験によると、これらの合金は必要とさ
れる高温強度をもってはいたが、室温〜中程度の温度、
すなわち20〜550℃でほとんどまたはまったく延性
を示さなかった。脆性に過ぎる材料は容易に製造するこ
とができないし、使用中めったにないが避けることので
きないちょっとした損傷に対して亀裂(その後破壊に至
る)することなく耐えることもできない。そのような材
料は他のベ―ス合金の代替となるような有用な工学材料
ではない。』 γ合金系TiAlとTi3 Alとはいずれも基本的に秩
序をもったチタン‐アルミニウム金属間化合物である
が、TiAlが(Tiの固溶体合金とはもちろん)Ti
3 Alとは実質的に異なるということは公知である。前
記米国特許第4,294,615号の第1欄最下行では
次のように指摘されている。 『当業者は、これら秩序をもった2つの相の間に実質的
な相違があることを認識している。Ti3 Alの合金化
と変態挙動はチタンと類似である。これは、両者の六方
晶組織が極めてよく似ているからである。しかし、化合
物TiAlは正方形配列の原子をもっているので合金化
特性が異なる。このような違いは先の文献では認識され
ていないことが多い。』 チタン‐アルミニウム化合物およびこれらの化合物の特
性を扱った技術文献をいくつか以下に挙げる。 (1)バンプス(E.S. Bumps)、ケスラ―(H.D. Kessler)
およびハンセン(M. Hansen)著「チタン‐アルミニウム
系(Titanium-Aluminum System)」、1952年6月「金
属誌(Journal of Metals)」第609〜614頁、アメ
リカ鉱山、冶金および石油技師協会会報(TRANSACTIONS
AIME)第194巻。 (2)オグデン(H.R. Ogden)、メイカス(D.J. Maykut
h)、フィンレイ(W.L. Finlay)およびジァフィ―(R.I.
Jaffee)著「高純度Ti‐Al合金の機械的性質(Mecha
nical Properties of High Purity Ti-Al Alloys)」、
1953年2月「金属誌(Journal of Metals)」第26
7〜272頁、アメリカ鉱山、冶金および石油技師協会
会報(TRANSACTIONS AIME)第197巻。 (3)マッカンドリュ―(Joseph B. McAndrew)およびケ
スラ―(H.D. Kessler)著「高温合金のベ―スとしてのT
i−36%Al(Ti-36 Pct Al as a Base for High Tem
perature Alloys)」、1956年10月「金属誌(Journ
al of Metals)」第1345〜1353頁、アメリカ鉱
山、冶金および石油技師協会会報(TRANSACTIONS AIME)
第206巻。 (4)バリノフ(S.M. Barinov)、ナルトバ(T.T. Nartov
a)、クラシュリン(Yu L.Krasulin)およびモグトバ(T.V.
Mogutova)著「チタン‐アルミニウムの強度と破壊靭
性の温度依存性(Temperature Dependence of the Stren
gth and FractureToughness of Titanium Aluminu
m)」、1983年「イズベスチヤ・アカデミイ・ナウク
・エス・エス・エス・ア―ル、メタリ―(Izv. Akad. Na
uk SSSR, Met.)」第5巻、第170頁。
【0011】この文献4の表Iには、チタン‐36アル
ミニウム‐0.01ホウ素の組成物が挙げられており、
この組成物は改良された延性をもつと報告されている。
この組成物は原子%でTi50Al49.97 0.03に相当す
る。 (5)オグデン(H.R. Ogden)、メイカス(D.J. Maykut
h)、フィンレイ(W.L. Finlay)およびジァフィ―(R.I.
Jaffee)著「高純度Ti‐Al合金の機械的性質(Mecha
nical Properties of High Purity Ti-Al Alloys)」、
1953年2月「金属誌(Journal of Metals)」第26
7〜272頁、アメリカ鉱山、冶金および石油技師協会
会報(TRANSACTIONS AIME)第197巻。 (6)サストリ(S.M.L. Sastry)およびリスピット(H.
A. Lispitt)著「TiAlとTi3 Alの塑性変形(Pla
stic Deformation of TiAl and Ti3Al)」、1980年
「チタン(Titanium)80」第2巻、米国ペンシルバニア
州ウォ―レンデ―ル(Warrendale)のアメリカ金属学会(A
merican Society for Metals)刊、第1231頁。 (7)マ―チン(Patrick L. Martin)、メンディラッタ
(Madan G. Mendiratta)およびリスピット(Harry A. Li
spitt)著「TiAlおよびTiAl+W合金のクリ―プ
変形(Creep Deformation of TiAl and TiAl+W Alloy
s)」、1983年10月「冶金紀要(Metallurgical Tr
ansactions)A」第14A巻、第2171〜2174
頁。 (8)辻本徳三(Tokuzo Tsujimoto)著「TiAl金属間
化合物合金の研究、開発、展望(Research, Developmen
t, and Prospects of TiAl Intermetallic Compound Al
loys)」、1985年7月「チタンとジルコニウム(Tita
nium and Zirconium)」第33巻、第3号、第159
頁。 (9)リスピット(H.A. Lispitt)著「アルミ化チタン−
概説(Titanium Aluminides−An Overview)」、1985
年「材料研究学会シンポジウム紀要(Mat.Res.Soc.Sympo
sium Proc.)」、材料研究学会(Materials Research So
ciety)、第39巻、第351〜364頁。 (10)ワング(S.H. Whang)ら著「Ll0 TiAl化合
物合金における急速凝固の影響(Effect of Rapid Soli
dification in Ll0 TiAl Compound Alloys)」、アメリ
カ金属学会構造金属における性質向上と急速凝固に関す
るシンポジウム紀要(ASM Symposium Proceedings on En
hanced Properties in Struc. Metals ViaRapid Solidi
fication)、1986年10月「マテリアルズ・ウィ―
ク(Materials Week)」第1〜7頁。 (11)1984年「イズベスチヤ・アカデミイ・ナウ
ク・エス・エス・ア―ル、メタリ―(Izvestiya Akademi
i Nauk SSR, Metally)」第3号、第164〜168頁。 (12)マ―チン(P.L. Martin)、リスピット(H.A. Li
spitt)、ヌ―ファ―(N.T. Nuhfer)およびウィリアムズ
(J.C. Williams)著「Ti3 AlとTiAlのミクロ組
織と性質に対する合金化の影響(The Effects ofAlloyi
ng on the Microstructure and Properties of Ti3 Al
and TiAl)」、1980年「チタン(Titanium)80」第
2巻、米国ペンシルバニア州ウォ―レンデ―ル(Warrend
ale)のアメリカ金属学会(American Society for Metal
s)刊、第1245〜1254頁。 (13)ラ―セン(D.E. Larsen)、アダムズ(M.L. Adam
s)、カンプ(S.L. Kampe)、クリストドゥ―ル―(L. Chri
stodoulou)およびブライアント(J.D. Bryant)著「不連
続に強化されたXD(登録商標)アルミ化チタン複合材
における破壊靭性に及ぼすマトリックス相形態の影響(I
nfluence of Matrix Phase Morphology onFracture Tou
ghness in a Discontinuously Reinforced XDTM Titani
um Aluminide Composite)」、1990年「スクリプタ
・メタリュルジカ・エ・マテリアリア(Scripta Metallu
rgica et Materialia)」第24巻、第851〜856
頁。 (14)ブライアント(J.D. Bryant)、クリストドン
(L.Christodon)およびメイサノ(J.R. Maisano)著「近
γアルミ化チタンのコロニ―サイズに対するTiB2
加の影響(Effect of TiB2 Additions on the Colony Si
ze of Near Gamma Titanium Aluminides)」、1990
年「スクリプタ・メタリュルジカ・エ・マテリアリア(S
cripta Metallurgica et Materialia)」第24巻、第3
3〜38頁。
【0012】このほかにも、以下のようないくつかの特
許がTiAl組成物を扱っている。
【0013】ジァフィ―(Jaffee)の米国特許第3,20
3,794号は種々のTiAl組成物を開示している。
【0014】ジァフィ―(Jaffee)のカナダ特許第621
884号は同様にさまざまなTiAl組成物を開示して
いる。
【0015】橋本(Hashimoto)の米国特許第4,66
1,316号は、各種添加剤を含有するアルミ化チタン
組成物を教示している。
【0016】本出願の譲受人に譲渡されている米国特許
第4,842,820号は、ホウ素を配合して三元のT
iAl組成物を形成し、延性と強度を改良することを教
示している。
【0017】サストリ―(Sastry)の米国特許第4,63
9,281号は、ホウ素、炭素、窒素およびこれらの混
合物またはこれらとケイ素との混合物の繊維状分散物を
Ti‐Alを始めとするチタン基合金に混入することを
教示している。
【0018】ニシ―ジャマ(Nishiejama)のヨ―ロッパ特
許出願第0275391号は、0.3重量%までのホウ
素を含有するTiAl組成物と、ニッケルとケイ素が存
在するとき0.3重量%のホウ素を含有するTiAl組
成物を教示している。ホウ素と共にクロムまたはタンタ
ルが存在することは教示されていない。
【0019】
【発明の概要】したがって、本発明のひとつの目的は、
γTiAl金属間化合物を鋳造して微細な粒子組織を有
する物体を製造する方法を提供することである。
【0020】別の目的は、微細な粒子組織と望ましい性
質の組合せを有するγTiAl鋳造品を形成できる方法
を提供することである。
【0021】また別の目的は、γTiAlを、再現性の
ある微細な粒子組織を有する構造体に鋳造する方法を提
供することである。
【0022】さらに別の目的は、一組の望ましい性質と
微細なミクロ組織を有するγTiAlの鋳造品を提供す
ることである。
【0023】本発明のその他の目的と利点の一部は以下
の説明から明らかであるし、一部は以下で指摘する。
【0024】本発明の広い局面のひとつにおいて、本発
明の上記の目的は、43〜48原子%のアルミニウム、
1.0〜5.0原子%のニオブ、および0〜3.0原子
%のクロムを含有するγTiAlのメルトを準備し、接
種剤として0.5〜2.0原子%の濃度のホウ素を添加
した後、このメルトを鋳造することによって達成するこ
とができる。
【0025】以下の詳細な説明は添付の図面を参照する
とさらにいっそう明瞭に理解できるであろう。
【0026】
【発明の詳細】上にまとめたように、金属間化合物のγ
TiAlは、その脆性を除けば、その軽量性、高温での
高強度および比較的低いコストのゆえに産業上多くの用
途をもつであろうということはよく知られている。この
組成物は、もしこの材料の性質に長年の間そのような用
途における利用を妨げている根本的な欠陥がなかったな
らば、今日多くの産業上の用途をもっているはずであ
る。
【0027】また、鋳造されたγTiAlは、やはり上
で議論したいくつかの欠点を含めて多くの欠点を有する
ことが認められている。これらの欠点とは、微細なミク
ロ組織をもたないこと、薄肉品の鋳造に適した低い粘度
をもっていないこと、形成される鋳造品の脆性、形成さ
れる鋳造品の比較的弱い強度、そして細かい形状と鋭い
角および隅のある鋳造品を得るのに適した溶融状態の低
流動性、などがある。
【0028】本発明者は、この度、現在の鋳造習慣を以
下に述べるように修正することによって、γTiAlの
鋳造性を大きく改良することができ、また鋳造製品も大
幅に改良することができることを見出した。
【0029】
【実施例の記載】本発明の新規な処理法に関する実施例
の前に、γTiAlの性質の改良を理解し易くするため
にいくつかの例を挙げて説明する。実施例1〜3(参考例) TiAlの化学量論比に近い二元化学量論比でチタンと
アルミニウムを含有する3種類のメルトを別々に調製し
た。これら3種の組成物のミクロ組織を観察するために
組成物をそれぞれ別個に鋳造した。サンプルを切断して
バ―とし、このバ―をそれぞれ別々に1050℃、45
ksi の圧力で3時間HIP(熱間等方圧プレス)処理し
た。次にこれらのバ―をそれぞれ1200℃から137
5℃までの範囲のいろいろな温度で熱処理した。この熱
処理したサンプルから通常の試験棒を調製し、降伏強
さ、破断強さおよび塑性伸びを測定した。凝固組織に関
する観察結果、熱処理温度およびこれらの試験で得られ
た値を表Iに示す。
【0030】
【表1】 表 I 熱処理 降伏 破断 塑 性 実施例 合金 組成 温 度 強さ 強さ 伸 び 番 号 原子% 凝 固 組 織 ℃ ksi ksi % 1 Ti−46Al 大きい等方性 1200 49 58 0.9 1225 * 55 0.1 1250 * 56 0.1 1275 58 73 1.8 2 Ti−48Al 柱 状 1250 54 72 2.0 1275 51 66 1.5 1300 56 68 1.3 1325 53 72 2.1 3 Ti−50Al 柱状−等方性 1250 33 42 1.1 1325 34 45 1.3 1350 33 39 0.7 1375 34 42 0.9 *−試験片は弾性的に破断した。
【0031】表Iから明らかなように、3種の異なる組
成物は、3種類の濃度のアルミニウム、すなわち46原
子%、48原子%そして50原子%のアルミニウムを含
有している。これら3種のメルトそれぞれの凝固組織も
表Iに示されており、表から明らかなようにメルトの凝
固の際に3つの異なる組織が形成された。鋳造品の結晶
形態のこのような相違は、γTiAl組成物の化学量論
比の少しの差から生じる結晶形態および性質の急激な変
化を部分的に支持するものである。これらの3種の鋳造
品のうちではTi−46Alが最も良い結晶形態をもっ
ていることが判明したが、小さい等方性形態が好まし
い。
【0032】メルトの調製および凝固に関して、それぞ
れのインゴットはアルゴン雰囲気中で電気ア―クによっ
て融解した。メルトと容器との望ましくない反応を避け
るために、メルトの容器として水冷炉床を使用した。チ
タンは酸素に対する親和性が強いため、熱い金属が酸素
に露出されないように注意した。
【0033】それぞれの鋳造構造体からバ―を切り出し
た。これらのバ―をHIP処理し、表Iに示した温度で
別々に熱処理した。
【0034】この熱処理は、表Iに示した温度で2時間
行なった。
【0035】表Iに挙げた試験デ―タから明らかなよう
に、46原子%のアルミニウムと48原子%のアルミニ
ウムを含有する合金は、50原子%のアルミニウムで調
製した合金組成物と比較して、概して秀れた強度と概し
て秀れた塑性伸びをもっていた。全体の延性が最も良好
であった合金は48原子%のアルミニウムを含有するも
のであった。
【0036】しかしながら、48原子%のアルミニウム
を有する鋳造直後の状態の合金の結晶形態は望ましい鋳
造組織をもっていなかった。すなわち、薄肉品に鋳造す
ることができ、かつ鋭い角および隅などのような細部を
もつ鋳造品を得ることができるという意味で最高の鋳造
性を得るためには、鋳造構造体中に微細な等方性粒子が
あることが一般に望ましいからである。実施例4〜6(参考例) 本発明者は、γTiAl化合物に少量のクロムを添加す
ることによってこの化合物を実質的に延性にすることが
できるということを見出した。この知見は米国特許第
4,842,819号の主題である。
【0037】低濃度のクロムと共にさまざまな濃度のア
ルミニウムを含有するメルトとして一連の合金組成物を
調製した。これらの実験で鋳造した合金の組成をすぐ下
の表IIに示す。調製法は、上記実施例1〜3に関連して
記載したのとほとんど同じである。
【0038】
【表2】 表 II 実 熱処理 降伏 破断 塑 性 施 合 金 組 成 温 度 強さ 強さ 伸 び 例 (原子%) 凝固組織 ℃ ksi ksi % 4 Ti−46Al−2Cr 大きい等方性 1225 56 64 0.5 1250 44 53 1.0 1275 50 59 0.7 5 Ti−48Al−2Cr 柱 状 1250 45 60 2.2 1275 47 63 2.1 1300 47 62 2.0 1325 53 68 1.9 6 Ti−50Al−2Cr 柱状−等方性 1275 50 60 1.1 1325 50 63 1.4 1350 51 64 1.3 1375 50 58 0.7 凝固した構造体の結晶形態を観察した。表IIから明らか
なように、クロムを添加しても、表Iに挙げた鋳造材料
の構造体の凝固モ―ドは改善されなかった。特に、46
原子%のアルミニウムと2原子%のクロムを含有する組
成物は大きな等方性粒子組織をもっていた。比較とし
て、実施例1の組成物も46原子%のアルミニウムを有
しており、やはり大きな等方性結晶組織をもっていた。
同様に、実施例5と6では表Iの実施例2と3に示した
組成物に2原子%のクロムを添加したが、凝固組織はま
ったく改善されなかった。
【0039】別々の鋳造構造体から切出したバ―をHI
P処理し、それぞれ表IIに示した温度で熱処理した。こ
うして別々に熱処理したサンプルから試験棒を調製し、
降伏強さ、破断強さおよび塑性伸びを測定した。一般
に、46原子%のアルミニウムを含有する材料は48原
子%または50原子%のアルミニウムを含有する材料よ
り多少延性度が低いことが判明したが、その他の点では
これら3つの材料の組の引張強さに関する性質はほぼ同
等であった。実施例7〜9(参考例) γTiAlの組成のメルトをさらに3種類調製した。そ
の組成をすぐ下の表III に示す。調製は、実施例1〜3
に関してすでに記載した手順に従った。各ホウ素含有合
金のホウ素濃度となるように、融解すべき材料に元素状
ホウ素を混合した。便宜上実施例2の組成と試験デ―タ
も表III に示す。
【0040】
【表3】 表 III 熱処理 降伏 破断 塑 性 実施例 合 金 組 成 凝固 温 度 強さ 強さ 伸 び 番 号 (原子%) 組織 ℃ ksi ksi % 2 Ti-48Al 柱状 1250 54 72 2.0 1275 51 66 1.5 1300 56 68 1.3 1325 53 72 2.1 7 Ti-48Al-0.1B 柱状 1275 53 68 1.5 1300 54 71 1.9 1325 55 69 1.7 1350 51 65 1.2 8 Ti-48Al-2Cr-4Nb-0.1B 柱状 1275 54 72 2.1 1300 56 73 1.9 1325 59 77 1.9 1350 64 78 1.5 9 Ti-48Al-2Cr-4Nb-0.2B 柱状 1275 52 69 2.0 1300 55 71 1.6 1325 58 72 1.4 これらのメルトをそれぞれ鋳造し、鋳造品の結晶形を観
察した。鋳造品からバ―を切り出し、これらのバ―をH
IP処理した後表III に示した温度でそれぞれ熱処理し
た。降伏強さ、破断強さおよび塑性伸びを試験した。こ
れらの試験の結果も表III に示した。
【0041】表III から明らかなように、0.1原子%
または0.2原子%程度の比較的低い濃度のホウ素を添
加した。やはり表から明らかなように、この程度のホウ
素の添加では鋳造品の結晶形を変化させるのに有効では
なかった。
【0042】新しい実施例7、8および9のホウ素含有
組成物はアルミニウム成分を48原子%含有しているの
で、これらの実施例に関して参照する便利を考えて、実
施例2の成分も同じ表III に挙げておいた。
【0043】低濃度のホウ素の添加では引張特性と延性
の値があまり大きく低下することがないという観察がな
されたことは重要である。実施例10〜13(参考例) 下記表IVに挙げる組成を有する別のγTiAl組成物4
種のメルトを調製した。この調製は実施例1〜3に関連
して記載した手順に従った。実施例12と13では、実
施例7〜9の場合と同様に融解ストックに元素状のホウ
素を所要量添加した。
【0044】
【表4】 表 IV 実 熱処理 降伏 破 断 塑 性 施 合 金 組 成 温 度 強さ 強 さ 伸 び 例 (原子%) 凝固組織 ℃ ksi ksi % 4 Ti-46Al-2Cr 大きな等方性 1225 56 64 0.5 1250 44 53 1.0 1275 50 59 0.7 10 Ti-46Al-2Cr-0.5C 柱 状 1250 97 97 0.2 1300 86 86 0.2 1350 69 73 0.3 1400 96 100 0.3 11 Ti-46.5Al-2Cr-0.5N 微細な等方性 1250 + 77 0.1 1300 73 75 0.2 1350 + 60 0.1 1400 + 80 0.1 12 Ti-45.5Al-2Cr-1B 微細な等方性 1250 77 85 0.5 1275 76 85 0.7 1300 75 89 1.0 1325 71 80 0.5 1350 78 85 0.4 13 Ti-45.25Al-2Cr-1.5B 微細な等方性 1250 81 88 0.5 1300 79 85 0.4 1350 83 94 0.7 +−試験片は弾性的に破断した。
【0045】ここでも、4つの実施例の各メルトの形成
後凝固組織を観察した。その結果も表IVに記した。表IV
には、Ti‐46Al‐2Crの組成物とのデ―タの比
較を容易にするために実施例4のデ―タも挙げた。さら
に、凝固したサンプルからバ―を調製し、これらのバ―
をHIP処理し、1250〜1400℃の範囲の温度で
個別に熱処理した。降伏強さ、破断強さおよび塑性伸び
の試験も行ない、各実施例で試験した試験片の各々につ
いて試験結果を表IVに挙げておいた。
【0046】実施例10〜13の試験片の組成は、各々
が約46原子%のアルミニウムと2原子%のクロムを含
有しているという点で実施例4のサンプルの組成に密接
に対応していることが注目される。しかし、これらの実
施例ではさらに、それぞれ第四添加元素を含ませた。実
施例10では第四添加元素が炭素であるが、表IVから明
らかなようにこの添加元素が凝固組織を大きく改善する
ことはなかった。すなわち、実施例4の大きな等方性組
織の代わりに柱状組織が観察されたのである。さらに、
実施例10の試験片では強度がかなり増大したが、塑性
伸びはそのサンプルがほとんど有用でなくなるくらいの
程度まで低下した。
【0047】次に実施例11の結果を考察すると明らか
なように、第四添加元素として窒素を0.5%添加する
と、微細な等方性組織が観察されたという点で凝固組織
がかなり改善された。しかし、塑性伸びが低下したとい
うことは、そのために引張特性が悪化するので窒素の使
用は許されないということを意味していた。
【0048】次に実施例12と13をみると、どちらの
場合も第四添加元素はホウ素であるが、ここでもまた微
細な等方性凝固組織が得られた。すなわち、組成物の鋳
造性が改善された。さらに、前述の実施例4のサンプル
で見られた強度の値と比較して、ホウ素の添加によって
強度が大きく向上した。また、極めて重要なことに、第
四添加元素としてホウ素を含有するサンプルの塑性伸び
は、これらの組成物が実質的に有用でなくなる程には低
下しなかった。すなわち、本発明者が見出したことは、
第四添加元素としてクロムを含有するアルミ化チタンに
ホウ素を添加することによって、凝固組織を実質的に改
善することができるばかりでなく、塑性伸びを許されな
い程度まで損失することなく降伏強さと破断強さの両方
を含めた引張特性を顕著に改善することもできるという
ことである。本発明者は、アルミ化チタン中のアルミニ
ウムの濃度を低めにして高めの濃度のホウ素を添加する
と有益な結果を得ることができるということを発見し
た。すなわち、添加元素としてクロムとホウ素を含有す
るγアルミ化チタン組成物では、アルミ化チタンをベ―
スとする組成物の鋳造性が、特に凝固組織と組成物の強
度特性に関して、非常に顕著に改善されることが分か
る。鋳造した結晶形態のこの改良は実施例13および実
施例12の合金で見られた。しかしながら、実施例13
の合金の塑性伸びは実施例12の合金ほど高くなかっ
た。実施例14〜15(本発明の実施例) 下記表Vに示す成分含量を有する別の合金組成物2種類
の組を調製した。調製法は上記実施例1〜3に記載した
のとほぼ同様である。前の実施例と同様に、各ホウ素含
有合金のホウ素濃度を調節するには融解すべき材料に元
素状ホウ素を混合して行なった。
【0049】
【表5】 表 V 実 熱処理 降伏 破断 塑 性 施 合 金 組 成 温 度 強さ 強さ 伸 び 例 (原子%) 凝固組織 ℃ ksi ksi % 14 Ti-45.5Al-2Cr-1B-4Nb 微細な等方性 1250 82 83 0.2 1275 79 92 0.9 1300 80 91 0.7 1350 * 83 0.1 1400 82 92 0.7 15 Ti-45.25Al-2Cr 微細な等方性 1275 74 91 1.3 -1.5B-4Nb 1300 73 92 1.4 1325 77 95 1.4 *ー試験片は弾性的に破断した。
【0050】表Vから明らかなように、これら2種の組
成物は、本質的に、実施例12と13の組成物に4原子
%のニオブを添加したものである。本出願の譲受人に譲
渡されている米国特許第4,879,092号には、ク
ロムとニオブによって改変されたチタン‐アルミニウム
合金の新規な組成物が教示されている。さらにまた、1
989年5月22日付けで出願された同時係属中の米国
特許出願第354,965号では、クロムとニオブで改
変されたTiAl合金の処理方法を扱っている。
【0051】ここでもまた、実施例1〜3で述べた説明
に従って、これらの組成物のメルトを鋳造した後凝固組
織を検査した。見られた凝固組織は実施例12と13の
サンプルでも観察された微細な等方性形態であった。
【0052】実施例1〜3に関連して記載したステップ
に従って、鋳造材料のバ―を調製し、HIP処理し、そ
れぞれ表Vに挙げた温度で熱処理した。また試験棒を調
製して試験した。その強度特性と塑性伸びに関する試験
結果を表Vに挙げた。表Vに挙げたデ―タから明らかな
ように、表Vの実施例14と15に記載した組成物を使
用すると特に塑性伸びの顕著な改良が達成できることが
判明した。実施例14と15での知見から引出される結
論は、添加元素としてのホウ素が、上記で引用した特許
の組成物の鋳造性を大きく改善するということである。
本発明者は、アルミニウムの濃度が低い方が添加するホ
ウ素の濃度を高められることを見出した。この理由か
ら、実施例15のアルミニウム濃度を実施例14のとき
より減らして、実施例15でホウ素の濃度を増大した分
の一部を相殺したのである。
【0053】このように、鋳造された材料が望ましい微
細な等方性形態をもっているだけでなく、実施例14と
15の組成物の強度が表Iの実施例1、2および3の組
成物より大幅に改良されていることが明らかである。さ
らに、実施例14と15のサンプルの塑性伸びは、実施
例10で使用した炭素の添加または実施例11で使用し
た窒素の添加によって生起したような受入れられない程
度のレベルまで低下することはない。実施例16〜18(本発明の実施例) 実施例1〜3に関して記載した方法に従ってさらに3つ
のメルトを調製した。これらのメルトの組成を下記表VI
に示す。前の実施例と同様に、融解させる仕込み材料中
に元素状のホウ素を混合して、それぞれのホウ素含有合
金のホウ素濃度に調節した。
【0054】
【表6】 表 VI 実 熱処理 降伏 破 断 塑 性 施 合 金 組 成 温 度 強さ 強 さ 伸 び 例 (原子%) 凝固組織 ℃ ksi ksi % 16 Ti-44.5Al-2Cr-1B 微細な等方性 1250 93 103 0.6 -4Nb-0.1C 1275 97 105 0.5 1300 92 103 0.6 17 Ti-45.5Al-2Cr-1B 微細な等方性 1250 85 96 0.8 -4Nb-0.1C 1275 93 96 0.4 1300 87 90 0.3 18 Ti-46.5Al-2Cr-1B 微細な等方性 1250 79 84 0.4 -4Nb-0.1C 1275 73 83 0.7 1300 73 88 1.3 1325 77 85 0.7 これら3つのメルトの組成は2つの点を除いて実施例1
4のメルトの組成に対応している。ひとつの違いは、実
施例16、17および18の3つのメルトのそれぞれが
異なるアルミニウム濃度をもっていること、すなわち、
実施例16では44.5原子%、実施例17では45.
5原子%、実施例18では46.5原子%であるという
点である。次に、これらのメルトはそれぞれが0.1原
子%の炭素も含有している。これらの組成物を鋳造し、
鋳造した組成物の凝固組織を検査した。いずれも、組織
は微細な等方性組織であることが判明した。実施例10
で炭素を添加したときには柱状の凝固組織が得られたの
であるから、この微細な組織が得られた理由は炭素の添
加ではない。
【0055】鋳造した材料からバ―を調製し、HIP処
理し、表VIに示したように別々に熱処理した。これらの
別個に熱処理したサンプルに対して試験を行ない、降伏
強さ、破断強さおよび塑性伸びに関するデ―タを得た。
これらの結果も表VIに挙げておいた。実施例17のサン
プルで得られたデ―タを、実施例14のサンプルで得ら
れたデ―タと比較してみると、0.1%の炭素の添加に
よってかなりの強化が達成されることが明らかである。
すなわち、炭素以外の成分組成は同じだからである。ま
た、46.5原子%のアルミニウムを含有する実施例1
8の材料の塑性伸びは鋳造したままの組成物として受入
れられる程度に高かった。これら3つの実施例16〜1
8で観察された結果を評価する際に、アルミニウムの濃
度が増大するにつれて強度は低下し、延性は増大するこ
とが明らかである。
【0056】すでに注記したように、クロムとニオブで
改変したチタン‐アルミニウム合金は、本出願の譲受人
に譲渡されている米国特許第4,879,092号およ
び同じく譲渡されている同時係属中の米国特許出願第3
54,965号の主題である。
【0057】上記特許で特許された添加元素としてニオ
ブとクロムを含有する合金は、望ましい組合せの性質を
もっているため、特にTiAlに添加元素として含ませ
たニオブとクロムに起因する性質の改良を示すため、極
めて望ましい合金であることが本発明者らの試験によっ
て示されたということが分かる。しかしながら、クロム
とニオブを含有する合金の結晶形態が基本的に柱状であ
り、鋳造用途に望まれる好ましい微細な等方性の結晶形
ではないということも上記のことから明らかである。よ
って、クロムとニオブの添加元素を含有するベ―ス合金
は、クロムとニオブの存在に起因すると考えられる望ま
しい組合せの性質をもっている。さらに、ベ―ス合金中
にホウ素を添加することによって、その合金の結晶形お
よびその鋳造性が非常に劇的に改善される。しかし同時
に、クロムとニオブの添加元素によってベ―スのTiA
l合金に付与される独特な組合せの性質を大きく失うこ
とはない。炭素や窒素のようないくつかの添加元素の影
響に関する研究から、望ましい結果の独特な組を示すの
はまさに本発明の添加元素の組合せであることが明らか
である。たとえば窒素を含有する場合のように数多くの
他の組合せは、有益な結晶形が得られるとしても重大な
性質の損失が生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種合金に対するモジュラスと温度の関係を示
すグラフである。
【図2】Ti‐48Al鋳造品(実施例2)の金属組織
の顕微鏡写真である。
【図3】Ti‐46.5Al‐2Cr‐4Nb‐1B‐
0.1C鋳造品(実施例18)の金属組織の顕微鏡写真
である。
【図4】図2と図3の合金に類似する合金間の性質の違
いを示す棒グラフである。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン、アルミニウム、クロム、ニオブ
    およびホウ素を、 Ti42-55.5 Al43-48 Cr0-3 Nb1-5 0.5-2.0 という組成で含有する鋳造可能な組成物。
  2. 【請求項2】 チタン、アルミニウム、クロム、ニオブ
    およびホウ素を、 Ti43-53.5 Al43-48 Cr1-3 Nb2-4 0.5-2.0 という組成で含有する鋳造可能な組成物。
  3. 【請求項3】 Ti42-55.5 Al43-48 Cr0-3 Nb1-5 0.5-2.0 という組成を有する組成物の鋳造品である構造部材。
  4. 【請求項4】 Ti43-53.5 Al43-48 Cr1-3 Nb2-4 0.5-2.0 という組成を有する組成物の鋳造品である構造部材。
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