JP2597678B2 - 電流トランス - Google Patents

電流トランス

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JP2597678B2
JP2597678B2 JP63264747A JP26474788A JP2597678B2 JP 2597678 B2 JP2597678 B2 JP 2597678B2 JP 63264747 A JP63264747 A JP 63264747A JP 26474788 A JP26474788 A JP 26474788A JP 2597678 B2 JP2597678 B2 JP 2597678B2
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章治 沢田
剛 近藤
満寿雄 北村
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【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、円環状のコアに挿通する形で1次巻線と2
次巻線を巻回した電流トランスに関するものである。
【従来の技術】
一般にこの種の電流トランスは、フェライトにより形
成された円環状のコアに1次巻線と2次巻線とを巻回し
て形成されている。
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フェライトは、飽和磁束密度が比較的小さ
く、1次巻線に流す入力電流が大きいと磁気飽和が生じ
て直線性が悪くなるから、最大貫通電流を大きくとるこ
とができないという問題がある。飽和磁束密度を改善す
るために、コアにパーマロイを用いた電流センサもある
が、パーマロイは高磁束密度で使用すると鉄損が大きく
なるから、結局、磁束密度を大きくとることができず、
最大貫通電流を大きくとることができない。 本発明は上記問題点を解決することを目的とするもの
であり、入力電流に対する出力電圧の直線性がよく、し
かも最大貫通電流を大きくとることができる電流トラン
スを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記目的を達成するために、円環状のコ
アと、コアに挿通される形でコアに巻回された1次巻線
および2次巻線と、コアと1次巻線と2次巻線とをモー
ルドする合成樹脂の被覆体とから成り、コアは、円筒状
に形成された軸方向の両端部に円板状のフランジを有し
た非磁性体よりなるボビンと、ボビン軸方向の長さに略
合致する幅を有した非晶質磁性体の薄肉の帯片をボビン
に複数層巻回して形成され最外層が上記フランジの外周
縁に略合致するコア本体と、ボビンおよびコア本体を覆
う合成樹脂のコーティング層とから成るのである。 また、上記被覆体は、紫外線硬化樹脂により形成する
のが望ましい。 さらに、上記2次巻線の両端部にそれぞれリード線を
結合し、2次巻線とリード線との結合部をコアの外側面
に接着剤により固定するとともに、被覆体内に埋入する
のが望ましい。 上記コア本体を形成する帯片は、巻き始めの端部を始
端固定テープによりボビンに固定し、巻き終わりの端部
を終端固定テープにより固定するとよい。 また、上記コーティング層の外周面は、コアの中心軸
を通る断面を滑らかな曲線状に形成するのが望ましい。 上記ボビンは、円板状の板金の中央部に形成された開
口の周縁に筒軸を突設した形状の一対の半体により形成
し、一方の半体の筒軸の外径を他方の筒軸の内径に略等
しく形成して、上記一方の半体の筒軸を他方の半体の筒
軸内に圧入するのが望ましい。
【作用】
上記構成によれば、コアを、非磁性体のボビンと、ボ
ビンに巻回した非晶質磁性体の帯片とで形成しているか
ら、フェライトのコアを用いる場合に比較して飽和磁束
密度を大きくとることができ、入力電流が大きい場合で
も入力電流に対する出力電流の直線性がよくなるのであ
る。非晶質磁性体は、パーマロイに比較すれば飽和磁束
密度が低い場合があるが、鉄損を考慮すれば、実効的に
はパーマロイよりも高磁束密度で使用することができ、
最大貫通電流を大きくとることができる。 また、ボビンとコア本体とを合成樹脂のコーティング
層で覆うから、絶縁特性をよくすることができ、また、
1次巻線や2次巻線を巻回する際にコア本体に応力が発
生するのを防止でき、磁気特性を安定させることができ
るのである。 さらに、被覆体を、紫外線硬化樹脂により形成すれ
ば、成形サイクルを短縮することができ、低コスト化に
つながるとともに、成形時に機械的応力が発生すること
による磁気特性の変化が防止できるのである。 また、2次巻線の両端部にそれぞれリード線を結合
し、2次巻線とリード線との結合部をコアの外側面に接
着剤により固定するとともに、被覆体内に埋入すれば、
リード線の引出方向が一定になり、しかも、リード線と
2次巻線との結合部を接着剤によりコアに固定している
から、リード線に張力が作用しても2次巻線に張力が作
用せず、2次巻線の断線が防止できるのである。さら
に、被覆体によってリード線の張力止めもなされるか
ら、リード線に張力が作用しても2次巻線との結合部に
及ぶことがなく、結合部での断線が防止できるのであ
る。 コア本体を形成する帯片の巻き始めの端部を始端固定
テープによりボビンに固定し、巻き終わりの端部を終端
固定テープにより固定すれば、巻き始めの端部で帯片が
ボビンから浮き上がったり、巻き終わりの端部がめくれ
たりすることがなく、コア本体の占積率を大きくするこ
とができ、高い磁気効率を得ることができるのである。 また、コーティング層の外周面において、コアの中心
軸を通る断面を滑らかな曲線状に形成すれば、コアにエ
ッジが形成されないから、コアに巻回された1次巻線や
2次巻線の断線が防止できるのである。 さらに、ボビンを、円板状の板金の中央部に形成され
た開口の周縁に筒軸を突設した形状の一対の半体により
形成し、一方の半体の筒軸の外径を他方の筒軸の内径に
略等しく形成して、上記一方の半体の筒軸を他方の半体
の筒軸内に圧入すれば、平板状の板金をプレス加工する
ことでボビンを形成することができるのであり、ボビン
に要する製造コストが低減できるのである。
【実施例】 コア1は、第1図に示すように、非磁性体により筒状
に形成された軸方向の両端部にフランジ11を備えたボビ
ン12と、非晶質磁性体の薄肉の帯片13をボビン12に対し
て多数層に巻装したコア本体14と、ボビン12およびコア
本体14を被覆する合成樹脂のコーティング層15とにより
形成されている。 ボビン12は、合成樹脂等により一体に形成してもよい
が、第2図に示すように、一対の半体12a,12bを結合し
て形成するのが望ましい。すなわち、各半体12a,12b
は、黄銅等の非磁性体の板金を加工して形成されるので
あり、円筒状の筒軸16a,16bの軸方向の一端部にフラン
ジ11を備えた形状に形成されている。一方の半体12aの
筒軸16aの内径は、他方の半体12bの筒軸16bの外径に略
等しく設定されており、筒軸16bを筒軸16a内に圧入する
ことにより、第2図(b)のように、両半体12a,12bが
結合されてボビン12を形成するようになっている。各半
体12a,12bを形成するには、第3図に示すように、それ
ぞれ一方向に送られる一対の帯板25a,25bを略直交して
配置し、両帯板25a,25bが交差する部位に達するまで
に、両帯板25a,25bに対して、それぞれ孔明加工(A工
程)を施した後、絞り加工(B工程)により筒軸16a,16
bを形成し、さらに、一方の帯板25bの筒軸16bの周囲を
円板状に半抜き加工(C工程)する。次に、両帯板25a,
25bの交差部位において、一方の帯板25bから半体12bを
抜くとともに筒軸16bを筒軸16aに圧入するのである(D
工程)。その後、帯板25aの筒軸16aの周囲を円板状に打
ち抜くと(E工程)、ボビン11を形成することができ
る。ここに、絞り加工(B工程)は、筒軸16a,16bの突
出量を、帯板25a,25bの肉厚tに対して6tとし、筒軸16
a,16bの肉厚を0.5tに設定する。また、加工に用いるプ
レスラム26は、第4図に示すように、直径が3段階に設
定された形状のものを用いる。すなわち、プレスラム26
は、先端部が半球状に形成され、先端部に連続する第1
ラム部26aは、筒軸16a,16bの内径よりも0.2mm小さい直
径で流さが6tに設定され、第2ラム部26bは第1ラム部2
6aの直径よりも0.1mm大きい直径で流さが7tに設定さ
れ、さらに、第3ラム部26cは第2ラム部26bよりも0.1m
m大きい直径で長さが8tに設定されている。ここに、帯
板25a,25bの肉厚tは0.5mm、孔明加工で形成される透孔
19の直径は4mm程度、筒軸16a,16bの外径は8mm程度に設
定されている。上述したようなプレスラム26を用いて、
上述のような寸法設定を行うことにより、1回のプレス
で筒軸16a,16bを形成することができ、このような絞り
加工において従来は3〜5工程が必要となっていたとこ
ろを、1工程で加工できるのである。また、加工工数を
削減するために特殊な設備は不要であり、上述した形状
のプレスラム26を用いるだけでよいから、設備投資もほ
とんど必要ないのである。しかも、複数工程で絞り加工
を行っていた従来方法に比較すれば、プレスラム26の本
数が少なくなるから、プレスラム26に要する費用が60〜
70%に削減されるという利点があり、さらには、加工工
数が少ないから従来に比較して生産性がほぼ2倍に向上
するのである。 上述のようにして形成されたボビン12に対して、第5
図および第6図に示すように、非晶質磁性体の薄肉の帯
片13が巻装される。帯片13の幅は、ボビン12の両フラン
ジ11の間の距離に略等しく設定されており、巻き始めの
端部は、ポリイミドフィルムテープ等の耐熱性接着テー
プよりなる始端固定テープ17によりボビン12に固定され
る。また、帯片13を複数層に巻回した後、巻き終わりの
端部を耐熱性接着テープの終端固定テープ18により固定
する。始端固定テープ17を用いることにより、ボビン12
と帯片13とが密着し、帯片13の曲げ応力によるボビン12
からの浮き上がりが防止されるのである。また、終端固
定テープ18を用いることにより、巻き終わりの端部での
めくれが防止できる。その結果、帯片13により形成され
るコア本体14の占積率が大きくなるのである。ボビン12
に帯片13を巻いた後、磁場中で焼鈍する(390℃2時
間)。これにより、非晶質磁性体である帯片13の内部応
力が除去される。また、ボビン12は非磁性体の金属で形
成されており、帯片13の固定には耐熱性接着テープを用
いているから、焼鈍の際の耐熱性には問題がない。この
ように、ボビン12には非磁性体を用いているから、コア
1の磁気特性はコア本体14の磁気特性により決定され、
コア本体14が非晶質磁性体であるところから、飽和磁束
密度および透磁率が大きく、鉄損が少なくなるのであ
る。 ボビン12とコア本体14とは合成樹脂のコーティング層
15により全周に亙って覆われる。コーティング層15は、
ポリアミド等の合成樹脂の数10〜数100μmの粒度の粉
末体により形成される。合成樹脂の粉末体を用いている
結果、帯片13の層間に樹脂が侵入せず、磁気特性を低下
させることがないのである。また、上述したようにコア
本体14が金属のボビン12に帯片13を巻装して形成されて
いるから、コーティング層15の成形時に帯片13に応力が
発生するのを防止でき、コーティング層15の成形による
コア本体14の磁気特性の変化を防止できるのである。こ
こに、コーティング層15の外周面は、ボビン12の中心軸
を含む断面においてエッジを形成しない滑らかな曲線と
なるように形成されている。 以上のようにして形成されたコア1には、第7図に示
すように、コア1の中心孔に挿通する形で1次巻線2と
2次巻線3とが巻装される。1次巻線2は、2次巻線3
に比較して直径が10倍程度であって、数ターン程度巻回
される。ここに、コーティング層15が形成されているこ
とにより、1次巻線2および2次巻線3の巻装時に、コ
ア本体14に応力が発生することがないのである。しか
も、上述のようにコーティング層15にはエッジが形成さ
れないから、1次巻線2や2次巻線3を傷付けることが
なく、しかも、ボビン12やコア本体14に対する絶縁性も
保たれるのである。ところで、コーティング層15には、
第1図(f)に示すように、コア1の軸方向における両
端面にそれぞれ突部15aが突設されていて、各突部15aに
はコア1の端面に沿った保持溝15bが形成されている。
2次巻線3の端末部は、この保持溝15b内に挿入される
とともに、第1図(a)に示すように、ホットメルトの
接着剤21によりコーティング層15に固着される。さら
に、2次巻線3には、絶縁被覆を有したリード線4が接
続される。リード線4は、芯線が編組織よりなり、2次
巻線3に接続される端部は、第1図(e)のように、偏
平に加工された後、予備溶接が施され、芯線のばらけが
防止される。また、第1図(d)のように、先端部に保
持凹所22が形成されており、保持凹所22に2次巻線3の
端部を重ねる形で、2次巻線3とリード線4とが溶着さ
れるのである。2次巻線3とリード線4との接続が完了
した後、この結合部はホットメルトの接着剤23によりコ
ーティング層15に固着される。このように、2次巻線3
とリード線4との結合部をコーティング層15に固着する
ことにより、2次巻線3の両端部間の絶縁距離が保たれ
るとともに、リード線4からの張力が2次巻線3に作用
するのを防止することができ、比較的細い2次巻線3の
断線が防止できるのである。 1次巻線2および2次巻線3をコア1に巻装した後、
第8図に示すように、合成樹脂の被覆体5でモールドす
る。このように被覆体5で、コア1、1次巻線2、2次
巻線3をモールドすることにより、リード線4の根元の
断線が防止でき、しかも外部からの衝撃がコア本体14に
作用せず、コア本体14の磁気特性への影響が防止できる
のである。被覆体5としては、紫外線硬化樹脂が用いら
れる。したがって、加工に要する時間が短縮され、成形
サイクルが短くなって生産性が向上するのである。ま
た、成形にあたって加熱が不要であるから、コア本体14
の磁気特性に影響を与えないのである。 上述のようにして形成された電流トランスは、たとえ
ば、動作確認灯を内蔵したスイッチに用いられる。この
ようなスイッチは、第9図に示すように、器体30内に上
記した電流トランス10と、接点機構部とを内蔵してお
り、電流トランス10には第13図に示すように、発光ダイ
オードよりなる動作確認灯41が接続される。器体30は、
第10図に示すように、ボディ31とボディ31に被嵌される
カバー32とを組立枠33で結合して形成されており、器体
30の外形は、日本配線器具工業会で規格化されている取
付枠に対して着脱自在に取着できる埋込型の配線器具の
1個分に相当する寸法に設定されており、第11図に示す
ように、合成樹脂製の取付枠への取付部となる取付爪34
と、金属製の取付枠への取付部となる取付孔35とが、組
立枠33に形成されている。カバー34にはハンドル36が揺
動自在に保持されており、ハンドル36には動作確認灯41
を実装したプリント基板42が固定される。動作確認灯41
は、ハンドル36の操作面に露出しており、操作面にはハ
ンドルカバー37が被嵌され、ハンドルカバー37を通して
動作確認灯41の点滅状態が確認できるようになってい
る。 ボディ31の両端部には、端子40a,40bが納装されてお
り、各端子40a,40bは略コ形に形成された端子板43a,43b
と、端子板43a,43bに対して近付く向きのばね力を有す
る鎖錠ばね44a,44bと、外力を加えることにより鎖錠ば
ね44a,44bを端子板43a,43bから引き離す向きに押圧する
解除釦45a,45bとで構成された速結端子構造を有してい
る。したがって、ボディ31の底面に形成された電線挿入
孔46a,46bから電線を挿入することで、端子板43a,43bと
鎖錠ばね44a,44bとの間に電線を挟持して結線を行い、
ボディ31の底面からドライバ等で解除釦45a,45bを押す
ことにより電線を引き抜くことができるようにしている
のである。一方の端子板43aには固定接点47が設けら
れ、固定接点47には上方に開放された略コ形の可動子48
に設けた可動接点49が対向する。可動子48の下面は、支
持端子板50に設けた支点50aの上に揺動自在に支持され
ており、可動子48の揺動に伴って可動接点49が固定接点
47に離接する。可動子48とハンドル36との間には反転ば
ね51が保持されており、ハンドル36の揺動に伴って反転
ばね51がもっとも圧縮される死点を挟んで可動子48が揺
動するから、可動子48はいわゆるスナップ動作を行い、
瞬間的に反転するのである。 ところで、上述した動作確認灯41は電流トランス10の
2次巻線3に接続される。電流トランス10は、第12図に
示すように、可動子48の側方でボディ31内に収納され
る。電流トランス10の1次巻線2の一端は、支持端子板
50に接続され、他端は端子板43bに接続される。したが
って、第13図に示す回路構成となるのであって、交流回
路に挿入されているときに、可動接点49が固定接点47に
当接して接点rが閉極していると、動作確認灯41が点灯
し、接点rが開極していると、動作確認灯41が消灯する
から、接点rのオン・オフの状態を動作確認灯41の点滅
によって確認することができるのである。
【発明の効果】
本発明は上述のように、円環状のコアと、コアに挿通
される形でコアに巻回された1次巻線および2次巻線
と、コアと1次巻線と2次巻線とをモールドする合成樹
脂の被覆体とから成り、コアは、円筒状に形成され軸方
向の両端部に円板状のフランジを有した非磁性体よりな
るボビンと、ボビン軸方向の長さに略合致する幅を有し
た非晶質磁性体の薄肉の帯片をボビンに複数層巻回して
形成され最外層が上記フランジの外周縁に略合致するコ
ア本体と、ボビンおよびコア本体を覆う合成樹脂のコー
ティング層とで構成されているものであり、コアを、非
磁性体のボビンと、ボビンに巻回した非晶質磁性体の帯
片とで形成しているから、フェライトのコアを用いる場
合に比較して飽和磁束密度を大きくとることができ、入
力電流が大きい場合でも入力電流に対する出力電流の直
線性がよくなるのである。非晶質磁性体は、パーマロイ
に比較すれば飽和磁束密度が低い場合があるが、鉄損を
考慮すれば、実効的にはパーマロイよりも高磁束密度で
使用することができ、最大貫通電流を大きくとることが
できるという利点を有する。また、ボビンとコア本体と
を合成樹脂のコーティング層で覆うから、絶縁特性をよ
くすることができ、また、1次巻線や2次巻線を巻回す
る際にコア本体に応力が発生するのを防止でき、磁気特
性を安定させることができるという利点がある。 さらに、被覆体を、紫外線硬化樹脂により形成すれ
ば、成形サイクルを短縮することができ、低コスト化に
つながるとともに、成形時に機械的応力が発生すること
による磁気特性の変化が防止できるのである。 また、2次巻線の両端部にそれぞれリード線を結合
し、2次巻線とリード線との結合部をコアの外側面に接
着剤により固定するとともに、被覆体内に埋入すれば、
リード線の引出方向が一定になり、しかも、リード線と
2次巻線との結合部を接着剤によりコアに固定している
から、リード線に張力が作用しても2次巻線に張力が作
用せず、2次巻線の断線が防止できるという利点があ
る。さらに、被覆体によってリード線の張力止めもなさ
れるから、リード線に張力が作用しても2次巻線との結
合部に及ぶことがなく、結合部での断線が防止できると
いう利点がある。 コア本体を形成する帯片の巻き始めの端部を始端固定
テープによりボビンに固定し、巻き終わりの端部を終端
固定テープにより固定すれば、巻き始めの端部で帯片が
ボビンから浮き上がったり、巻き終わりの端部がめくれ
たりすることがなく、コア本体の占積率を大きくするこ
とができ、高い磁気効率を得ることができるのである。 また、コーティング層の外周面において、コアの中心
軸を通る断面を滑らか曲線状に形成すれば、コアにエッ
ジが形成されないから、コアに巻回された1次巻線や2
次巻線の断線が防止できるのである。 さらに、ボビンを、円板状の板金の中央部に形成され
た開口の周縁に筒軸を突設した形状の一対の半体により
形成し、一方の半体の筒軸の外径を他方の筒軸の内径に
略等しく形成して、上記一方の半体の筒軸を他方の半体
の筒軸内に圧入すれば、平板状の板金をプレス加工する
ことでボビンを形成することができるのであり、ボビン
に要する製造コストが低減できるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(f)はそれぞれ本発明の実施例を示す
横断面図、縦断面図、要部拡大断面図、同図(a)中X
−X線を破断した側面図、同図(a)中Y−Y線断面
図、同図(a)中Z−Z線断面図、第2図(a)(b)
はそれぞれ同上に用いるボビンを示す分解斜視図、組立
後の斜視図、第3図(a)は同上に用いるボビンの製造
工程における帯板の配置関係を示す斜視図、第3図
(b)は同上に用いるボビンの製造工程の工程図、第4
図は同上に用いるボビンの製造工程における絞り加工の
説明図、第5図ないし第8図は同上の製造工程の各段階
を示す工程図、第9図ないし第13図はそれぞれ同上を用
いたスイッチを示す断面図、側面図、平面図、カバーを
開いた平面図、回路図である。 1……コア、2……1次巻線、3……2次巻線、4……
リード線、5……被覆体、11……フランジ、12……ボビ
ン、12a,12b……半体、13……帯片、14……コア本体、1
5……コーティング層、16a,16b……筒軸、17……始端固
定テープ、18……終端固定テープ、21,23……接着剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北村 満寿雄 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−133512(JP,A) 特開 昭57−92816(JP,A) 特開 昭61−267305(JP,A) 実開 昭60−179022(JP,U)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円環状のコアと、コアに挿通される形でコ
    アに巻回された1次巻線および2次巻線と、コアと1次
    巻線と2次巻線とをモールドする合成樹脂の被覆体とか
    ら成り、コアは、円筒状に形成され軸方向の両端部に円
    板状のフランジを有した非磁性体よりなるボビンと、ボ
    ビンの軸方向の長さに略合致する幅を有した非晶質磁性
    体の薄肉の帯片をボビンに複数層巻回して形成され最外
    層が上記フランジの外周縁に略合致するコア本体と、ボ
    ビンおよびコア本体を覆う合成樹脂のコーティング層と
    から成ることを特徴とする電流トランス。
  2. 【請求項2】上記被覆体は、紫外線硬化樹脂により形成
    されて成ることを特徴とする請求項1記載の電流トラン
    ス。
  3. 【請求項3】上記2次巻線は両端部にそれぞれリード線
    が結合され、2次巻線とリード線との結合部はコアの外
    側面に接着剤により固定されるとともに、被覆体内に埋
    入されて成ることを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の電流トランス。
  4. 【請求項4】上記コア本体を形成する帯片は、巻き始め
    の端部が始端固定テープによりボビンに固定され、巻き
    終わりの端部が終端固定テープにより固定されて成るこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の電流トランス。
  5. 【請求項5】上記コーティング層の外周面は、コアの中
    心軸を通る断面が滑らかな曲線状に形成されて成ること
    を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の
    電流トランス。
  6. 【請求項6】上記ボビンは、円板状の板金の中央部に形
    成された開口の周縁に筒軸を突設した形状の一対の半体
    よりなり、一方の半体の筒軸の外径は他方の筒軸の内径
    に略等しく形成されていて、上記一方の半体の筒軸が他
    方の半体の筒軸内に圧入されていることを特徴とする請
    求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電流トランス。
JP63264747A 1988-10-20 1988-10-20 電流トランス Expired - Lifetime JP2597678B2 (ja)

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JP63264747A JP2597678B2 (ja) 1988-10-20 1988-10-20 電流トランス

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