JP2597307B2 - 排気ガス切換え装置 - Google Patents

排気ガス切換え装置

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JP2597307B2
JP2597307B2 JP7168994A JP7168994A JP2597307B2 JP 2597307 B2 JP2597307 B2 JP 2597307B2 JP 7168994 A JP7168994 A JP 7168994A JP 7168994 A JP7168994 A JP 7168994A JP 2597307 B2 JP2597307 B2 JP 2597307B2
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健一 矢島
義雄 内山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高炉等の製鉄用設備お
よびその他の反応機器等から発生する高温・高圧の排気
ガスを、乾式集塵機やガスエネルギ回収用の発電タービ
ンを含む排気ガスの処理系において適宜の経路に選択的
に通すことのできる排気ガス切換え装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】高炉から発生するガス(排気ガス)は、
ダストや不純物を含みながらもCO(一酸化炭素)など
の可燃成分を多量に含み、しかも100℃以上の熱と
2.5kg/cmG前後の圧力とを有するため、製鉄
所では、除塵等を施したうえでそのエネルギを回収した
り、燃料等として再利用したりするのが一般的である。
エネルギ回収のためには、発電機と接続された膨張ター
ビンが使用されることが多い。再利用としては、そのよ
うなタービンを通った排気ガスがほぼ大気圧にまで圧力
を下げられてそのまま燃料等として使われるか、または
一旦ガスホルダに貯蔵される。一方、排気ガスの除塵は
多くの場合、乾式集塵機(バグフィルタ)によって行わ
れる。ベンチュリスクラバなどのいわゆる湿式(散水
式)の除塵器に比べて温度降下や圧力損失が小さい、高
温ガス用のバグフィルタが実用化されたからである。
【0003】ただし、高炉からの排気ガスをバグフィル
タやタービンに通す場合には、それらをバイパスするガ
ス経路が不可欠である。高炉が何年にもわたって連続的
に操業されるのに対し、タービンやバグフィルタは年間
に数回の点検・整備を必要とするからである。また高炉
は、年に数回数時間、全系の点検・整備のため休風が行
われ、その際の休風移行または再送風開始時等にガスの
圧力・温度を下げて操業されることがあるが、そのよう
な場合にタービンは機能せず、バグフィルタは結露によ
って濾布(フィルタ)が目詰まりする可能性があるから
でもある。そのほか、現在実用化されている瀘布の耐熱
性は200℃程度が限界なので、排気ガスの温度が異常
に上がったときにもバグフィルタにそのガスを通すこと
はできない、という事情もある。
【0004】高温用バグフィルタとエネルギ回収用ター
ビンとを含む、高炉排気ガスの従来の処理系を図6に示
す。高炉(BF)Aのガス排出部(炉頂部)には、バグ
フィルタ(BDC)Bと膨張タービン(TRT)Cなど
が直列に接続され、塩素などの腐食成分を水洗除去する
洗浄塔Qを介してガスホルダDにつながっている。それ
らを主たる経路とし、それと並列なバイパス経路とし
て、内部のベンチュリ部に散水する形式の湿式集塵機
(VS)Rならびにガスの減圧をするセプタム弁(S
V)Sなどが接続されている。上述のようにバグフィル
タBにガスを通せない場合には、その前後のバルブH・
Iを閉じて湿式集塵機Rへガスをバイパスさせる。また
タービンCにガスを通せない場合には、同様に,前後の
バルブJ・Kを閉じてセプタム弁Sへバイパスさせ、ガ
ス圧力を下げる。ガスの圧力に応じてタービンC・セプ
タム弁Sへの各通風量を変更する場合には、高炉Aのガ
ス圧力をセンサFにて検知し、その信号によってタービ
ンCまたはセプタム弁Sの開度を調整する。そのほか、
バグフィルタBの上流側には温度センサGとともに蒸発
冷却器P(未飽和状態で水を蒸発させガスを冷却するも
の)が設けられており、温度が異常に高い場合にそのガ
スを冷却をして濾布を保護する。
【0005】なお、高炉排気ガスの従来の処理系につい
ては、特公昭52−50002号公報にも記載がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図6のような従来の処
理系は、バグフィルタおよびタービンという主たる装置
のほかに、湿式集塵機やセプタム弁・蒸発冷却器・洗浄
塔などを別々に配置するものであるため、設置スペース
や機器構成、ならびに機器の操作について最適ではな
い。つまり、別々に配置される各装置がそれぞれにスペ
ースを必要とするので全体的には系の占有スペースがか
なり大きくなるほか、湿式集塵機と蒸発冷却器・洗浄塔
が、ともに水を使用する点で共通しながらもそれぞれ独
立の装置とされているため、構成上の無駄がともなう。
また、図示のように数多くのバルブをそれぞれ別々の場
所に設けねばならないので、その点でも配置・構成上の
無駄があり、またそれぞれの開閉操作を一箇所では行え
ないという操作上の非効率をも招来している。バルブと
しては、眼鏡状の弁体が開口面に対し平行に移動して流
路の開閉をするゴッグル弁が使用されることが多いが、
その形式のものだととくに占有スペースが大きく、また
開閉操作に要する時間も長い。
【0007】本発明は、排気ガス再利用のための処理機
能の一部を有して主たる経路(たとえば乾式集塵機やタ
ービンを含む経路)に対する有効なバイパス経路を含
み、かつ各経路に排気ガスを切り換えて通す機能をもつ
とともに、主たる装置(たとえば乾式集塵機やタービ
ン)以外の機器・装置の多くを集約して構成された排気
ガス切換え装置を提供するもので、上述の不都合を解消
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の排気ガス切換え装置は、高炉等を発生源とする排気ガ
スに再利用のための処理(除塵・減圧・冷却等のうち必
要なもの)を施すとともにそのガスの経路を切り換える
排気ガス切換え装置であって、 a) 排気ガスの出入口となる複数の外部接続口、 b) 管や仕切り壁にて複数形成され外部接続口とそれぞ
れつながる排気ガスの内部通路、 c) 内部通路を選択してガスの経路を切り換えるべく上
記の管または仕切り壁の開口を開閉する複数の弁、およ
び d) 上記の弁にて選択されるいずれかの内部通路で散水
によりガスの除塵をする洗浄除塵器(前述の湿式集塵機
またはそれに類するもの)−を含めて構成したもので
ある。
【0009】請求項2の排気ガス切換え装置は、請求項
1の装置におけるd)の洗浄除塵器に代えて、 e) 上記の弁にて選択されるいずれかの内部通路で以降
のガス圧力を下げる減圧手段(前述のセプタム弁と同様
の機能をするもの。当該機能を上記c)の弁に兼ねさせて
もよい)−を含めたものである。
【0010】これには、請求項3に記載したように上記
d)の洗浄除塵器を加え、a)〜e)のすべてを備える排気ガ
ス切換え装置としてもよい。
【0011】以上のような装置には、請求項4に記載の
ように、 f) 再利用先に最も近い外部接続口へつながる内部通路
のうちにガス中の一部成分(塩素など)を除去する洗浄
器(前述の洗浄塔と同様の機能をするもの)を設けると
なおよい。
【0012】また請求項5のように、 g) 外部接続口の一つを乾式集塵機の上流に接続し、そ
の接続口へつながる内部通路のうちにガスの温度調整手
段(たとえば前述の蒸発冷却器のような冷却手段もしく
は燃焼器のような昇温手段またはそれらの両方)を設け
るのもよい。
【0013】あるいは請求項6のように、 h) 外部接続口の一つをタービン(ガスエネルギ回収用
のタービン)の上流に接続し、その接続口へつながる内
部通路のうちに燃焼器(ガスの一部を燃焼させて加熱す
る手段)を設けるのもよい。
【0014】なお上記c)の弁は、請求項7に記載のよう
に、円錐状部分を含む弁体が開口に対し直角方向に移動
する形式のもの(いわゆるポペット弁形式)にするとよ
い。
【0015】
【作用】本発明の排気ガス切換え装置は、上記a)に示し
た複数の外部接続口のそれぞれが排気ガスの発生源やそ
のガスを通す外部の装置類(たとえば、バグフィルタ等
の乾式集塵機、エネルギ回収用タービン、またはガスホ
ルダなど最終供給先)と接続された状態で、排気ガスの
処理系の一部として使用される。それらの各外部接続口
は上記b)の内部通路のいずれかとつながっているが、各
内部通路は、上記c)の弁のいずれかが管や仕切り壁の開
口を開閉することにより適宜に開放され、または閉鎖さ
れる。したがって、排気ガスを上記外部の各装置に通す
か、またはそれらとは別の経路に通すかといった切り換
えは、本装置内にある当該c)の弁の操作により行うこと
ができる。ガスを通す外部の各装置とこの切換え装置と
の間に必要なバルブのほとんどは、そのような弁として
この切換え装置のうちに集約することができるので、互
いに離れた多数箇所にバルブが散在することによる前述
の配置・操作上の不都合が解消される。
【0016】請求項1に記載した排気ガス切換え装置は
また、上記d)のように内部通路の一部のうちに洗浄除塵
器を有するので、排気ガスの処理系に乾式集塵機が含ま
れている場合に、当該乾式集塵機に対する有効なバイパ
ス経路を含むことになる。すなわち、乾式集塵機の点検
・整備の際や排気ガスの温度が不適当(たとえば濾布を
損傷する程度の高温、または結露する程度の低温)であ
る場合に、内部の弁による上記の切り換えによって乾式
集塵機へのガスを停止させるとともに、この洗浄除塵器
のある内部通路にガスを通すことができる。洗浄除塵器
は、ガスの温度を問わずに機能し、散水による除塵すな
わちガスの再利用のための処理をいつでも安定的に行え
る。なお、この切換え装置が洗浄除塵器を含むというこ
とは、乾式集塵機に代わる除塵作用がなされることに加
え、洗浄除塵器も一つの装置内に集約されること、すな
わち排気ガスの処理系全体の配置・構成・操作が容易に
なるというメリットがもたらされる。
【0017】請求項2の切換え装置は、e)のとおり内部
通路の一部のうちに減圧手段を有するので、排気ガスの
処理系のうちにタービンなど圧力降下をともなう機器・
装置(以下、タービン等という)が含まれている場合
に、当該タービン等に対する有効なバイパス経路を有す
ることになる。すなわち、タービン等の点検・整備時や
排気ガスの圧力が不十分な場合に、内部の弁による上記
の切り換えによって、タービン等へのガスを停止させる
とともにこの減圧手段のある内部通路へガスを通すこと
ができる。単なる減圧ではガスエネルギの回収など積極
的な利益を得ることは難しいが、タービン等に通すとき
と同様に圧力を下げて円滑に下流側の機器(ガスホルダ
等)へガスを送ることが可能になる。なお、この請求項
2の装置においても、多くの弁とともに減圧手段が一装
置内に集約されることによるメリットがともなう。
【0018】請求項3の切換え装置は、内部通路のうち
にd)の洗浄除塵器とe)の減圧手段とを有するため、乾式
集塵機やタービン等を系内に有する図6のような一般的
な排気ガス処理系において、同図に示したものと同様の
バイパス経路を構成する。つまり排気ガスを、乾式集塵
機へ通せないときには本装置内の洗浄除塵器へ通し、タ
ービン等へ通せないときにはやはり本装置内の減圧手段
へ通すことができる。乾式集塵機とタービン等とのいず
れにも通せない場合には、洗浄除塵器と減圧手段との両
方へ順にガスを通せばよい。図6の例に比べると、多数
のバルブが前記c)の弁としてこの装置内に集約されるう
え洗浄除塵器と減圧手段も装置内に含まれることになる
ので、排気ガスの処理系としての配置・構成・操作に関
する利点は大きい。
【0019】請求項4の切換え装置は、前記f)のとおり
内部通路のうちに洗浄器を有するので、図6の系とは違
って洗浄塔などを独立に設ける必要がない。したがっ
て、排気ガスの処理系として必要な機器・装置の集約度
は一層高くなり、それらの配置や使用が容易になる等の
利点はさらに大きい。とくに、d)の洗浄除塵器とこのf)
の洗浄器とはともに水を使用する機器であるため、両者
を備えたこの切換え装置には、給排水のための配管・機
器類が兼用にできるなど、無駄のない合理的な構成が可
能である。なお、ここにいう洗浄器は排気ガス中の塩素
分など、凝縮時に腐食性を発揮してガスホルダ等を冒す
恐れのある成分を水洗除去するもので、かかる目的とガ
ス温度の低下をともなうこととを考慮して再利用先(ガ
スホルダなど)に最も近い内部通路のうちに配置する。
ただし、装置がd)の洗浄除塵器を備えていてそれを機能
させた場合には、排気ガスがすでにその洗浄除塵器の水
洗作用を受けているため、このf)の洗浄器を機能させる
には及ばない。
【0020】請求項5の切換え装置は、乾式集塵機の上
流にあたる内部通路のうちに前記g)のようにガスの温度
調整手段を有するので、高炉等から発生するガスが高温
もしくは低温すぎるときにも、乾式集塵機を用いた当該
ガスの除塵を可能にする。つまり温度調整手段として冷
却手段を有する場合は、ガスが異常高温であるときに乾
式集塵機の濾布等に支障のない程度にまでガス温度を下
げ、昇温手段を有する場合には、逆にガスが低温である
ときに濾布等において結露による目詰まりが起きないよ
うガスを乾燥させるのである。こうして乾式集塵機によ
り除塵ができると、前述のように除塵の間の圧力および
温度の低下が小さいため、タービン等によるガスエネル
ギの回収を効率的に行える。また冷却手段として水を媒
体とする形式のものを使用すると、前述したd)の洗浄除
塵器やf)の洗浄器を併設する場合に配管等を共用でき、
好都合である。
【0021】請求項6の切換え装置は、前記h)のように
タービンの上流となる内部通路のうちに燃焼器を有する
ので、排気ガスの熱力学的エネルギが低い場合にもター
ビンによる十分なエネルギ回収を可能にする。すなわ
ち、高炉等からの排気ガスの温度や圧力がタービンを駆
動するのに十分でないとき、当該燃焼器によりそのガス
を加熱してエネルギを補えるからである。ガス中にCO
などの可燃成分が含まれる場合には、燃焼器として微小
な点火源があるだけで当該成分が部分燃焼するため、効
果が顕著である。乾式集塵機に代えて洗浄除塵器にガス
を通した場合にはガス温度が低くなりがちであることか
ら、前記d)の洗浄除塵器とこのh)の燃焼器とを切換え装
置内に併設するのがとくに有効である。その場合、燃焼
器による加熱は、洗浄除塵器を経て湿分を増したガスを
乾燥させる作用をももたらす。
【0022】請求項7の切換え装置は、それが有する弁
の構成に基づいて機器配置や機能に関する利点がある。
すなわち、内部通路をなす管や仕切り壁の開口に対して
直角方向に円錐状の弁体が移動するいわゆるポペット弁
形式の弁は、その弁体の移動方向と直角な方向に必要な
スペースが小さいため、複数を平行に設けるなどによっ
て効率的な配置が可能になる。したがって切換え装置と
しては、全体をコンパクトに保ちながら多数の弁を含む
多機能のものに構成できるという利点を得る。またポペ
ット弁形式のものは、ガスの完全遮断機能を有すること
に加え、開度に対する流量(Cv値)の関係がリニアに
近いため、応答が速く流量制御が容易であるという利点
もある。しかもこの制御特性を利用して、この形式の弁
には減圧手段を兼ねさせることも可能である。以上のよ
うな利点は、前述したゴッグル弁を使用する場合にはほ
とんど期待できないものである。
【0023】
【実施例】図1および図2に本発明の第一実施例を示
す。この例は図6に示したものと同じく、高炉Aからの
高温高圧の排気ガスを乾式集塵機Bで除塵し、発電用の
膨張タービンCに通してその保有エネルギを回収したう
えガスホルダDに送って貯留することを主とするガス処
理系に関するものである。系内には図6と同様に乾式集
塵機BやタービンCに対するガスのバイパス経路を有す
るが、図1(b)に示すとおり、特有の切換え装置(KA
S)1を使用したことにともなって系内の機器および接
続系統は図6のものと大幅に異なっている。以下、この
切換え装置1の構成から説明する。
【0024】図1(a)は排気ガス切換え装置1の構成を
示す概念図で、実際には筒形である装置1を平面的に表
したものである。図のようにこの切換え装置1は、一体
的なケーシング1aの内部に多数の機器・配管類を収め
たもので、概ねの構成はつぎのとおりである。すなわ
ち、当該ケーシング1aの外側に複数の外部接続口10
(11〜16)を設け、内側には、接続口10とつなが
る複数の内部通路20(21〜26など)、それら内部
通路20の開口を開閉する複数の弁30(31〜3
6)、および後述する洗浄除塵器40・洗浄器50・温
度調整用燃焼器60・加熱用燃焼器70などを配置して
いる。内部通路20は、縦向き部分を含む複数の管20
aと水平に近い複数の仕切り壁20bとにより、通路2
0のそれぞれが外部接続口10のどれかとつながるよう
に形成した(図において管20aに対応する通路部分に
は符号21〜26を付したが、仕切り壁20bに対応す
る部分の符号は省略している)。弁30は、内部通路2
0の各管20aの下部の開口30aを円錐状の頭部を有
する弁体30bにより、完全遮断状態を含めて開閉操作
するもので、伸縮ロッド30cを縦向き(開口30aに
対して直角)かつ平行に配列した油圧シリンダ30eの
それぞれを弁体30bの駆動用に使用している。なお、
仕切り壁20bのうち伸縮ロッド30cの貫通部分に
は、気密性を保てるシールスリーブが設けてある。各仕
切り壁20bにはそのほか、緩やかな傾斜をもたせて最
下部に排水弁81を取り付け、またその一部でガスの通
路となる部分には水滴分離用の羽根車82を設けてい
る。
【0025】洗浄除塵器40は、いわゆる湿式の集塵が
行えて乾式集塵機Bの代替(バイパス)機器となるもの
で、ケーシング1aの最上部すなわち外部接続口11に
直結する内部通路内に設けた複数のスプレー(散水)ノ
ズルと、内部通路23・24のうちにそれぞれ設けたス
プレーノズル、および各内部通路23・24の下部に配
置した弁33・34によって構成している。弁33・3
4の開度を調整すれば適当なベンチュリを形成すること
から、上記の各スプレーノズルとそのベンチュリ部分と
によって通常のベンチュリスクラバ(VS。図6におけ
る符号R)と同様の洗浄・除塵の機能を発揮し得る。
【0026】洗浄器50は、図6の例における洗浄塔Q
の機能をなすもので、ケーシング1a上部のスプレーノ
ズルの散水を受け得ない内部通路22・26の内側にス
プレーノズルを設けている。これらスプレーノズルから
散水してその下部の弁32・36の開度を適切にすれ
ば、排気ガス中の塩素分などを効果的に飽和洗浄するこ
とができる。そしてこれらの内部通路22・26を、弁
30の開閉操作により、ガスホルダDへ至る外部接続口
16に連通させれば、洗浄除塵器40を使用しない場合
にも腐食成分の含まれないガスをガスホルダDへ送るこ
とができる。
【0027】温度調整用燃焼器60は、乾式集塵機Bへ
送るガスが低温すぎて結露の恐れがある場合にそのガス
を部分燃焼させて昇温・乾燥させるもので、具体的に
は、外部接続口12につながる内部通路21のうちに小
型のバーナを配置している。この内部通路21は、外部
接続口12を介して乾式集塵機Bに接続されており、弁
30の操作によって内部通路23と通じることができる
が、その内部通路23にある洗浄除塵器40としてのス
プレーノズルは冷却手段としても機能する。したがっ
て、内部通路23から同21および外部接続口12へ通
じる一連の通路のうちには、乾式集塵機Bへ至るガスの
冷却機能・昇温機能をともに有する温度調整手段が備わ
っていることになる。
【0028】加熱用燃焼器70は、洗浄除塵器40を使
用してガスの温度が下がった場合などタービンCにおい
て十分なエネルギ回収ができないときにガス中の可燃成
分の一部を部分燃焼させ、ガス全体を加熱するもので、
タービンCの上流に接続される外部接続口14へ続く内
部通路25のうちに設けたバーナがそれにあたる。
【0029】そのほか、内部通路22・24の弁32・
34には、さらに減圧手段としての機能を付与してい
る。このためには、それぞれの弁体30bを操作する油
圧シリンダ30eの油圧系統にサーボ弁(図示せず)を
加え、弁32・34の開度を制御するものとした。弁3
2・34を減圧手段として使用するのは、タービンCへ
ガスを通せない場合であり、通常は、タービンCでの圧
力降下に相当する2.5kg/cm前後だけ、以降の
ガス圧力を低下させる。
【0030】以上により、内部通路21〜26のそれぞ
れにはつぎのような機能を具備させていることになる。
すなわち、 内部通路21…温度調整用燃焼器60による排気ガスの
昇温機能、 内部通路22…洗浄器50と弁32とによるガスの洗浄
機能と減圧機能、 内部通路23…洗浄除塵器40によるガスの洗浄除塵機
能と冷却機能、 内部通路24…洗浄除塵器40と弁34とによる洗浄除
塵機能と減圧機能、 内部通路25…加熱用燃焼器70による加熱機能、 内部通路26…洗浄器50による洗浄機能、 の各機能である。言うまでもないが、下部の弁30が閉
じられた内部通路20については、内部に設けた各機器
を休止させ、上記の各機能は発揮させない。
【0031】さてこの切換え装置1は、高炉Aや乾式集
塵機Bなどに対して図1(b)のように接続して排気ガス
処理系の一部としている。つまり切換え装置1の前述の
各外部接続口11・12・13・14・15・16は、
高炉Aの下流、乾式集塵機Bの上流・下流、タービンC
の上流・下流、ならびにガスホルダDの上流に、ガス管
路を介してそれぞれ接続した。また、高炉Aからのガス
の圧力・温度に応じてガス経路を自動切換えすべく、圧
力センサFおよび温度センサGを制御機器(図示せず)
とともに適宜配置している。なお、外部の各機器(乾式
集塵機BやタービンCなど)と切換え装置1との間に必
要な弁はすべて弁30(31〜36)として切換え装置
1内に集約したことになるが、乾式集塵機Bとタービン
Cとの間のバルブEだけは図示のように別に独立に配置
した。外部の機器同士の間の弁までは装置1内に収め得
ないからである。
【0032】図2(a)〜(d)には、以上のように構成し
配置した切換え装置1の使用状態を示す。各図のうち、
上部にはガス処理系内でのガスの経路を示し、下部にそ
の際の装置1の状態を示している。弁30のうち黒塗り
のものは全閉(完全遮断)になっており、残りは全開ま
たは調整開度に開いているものとする(他の図でも同
様)。
【0033】ところで、ガスの経路は、弁31〜36の
開閉操作により各内部通路21〜26のうちどれとどれ
とを使用するかによって選択でき、また上述のどの機能
を発揮させるかも併せて選ぶことができる。この実施例
では、そうして選択できる経路として以下の五つ(〜
。図1・図2に使用した丸囲み数字がこれに相当)を
準備している。
【0034】経路…高炉Aから外部接続口11を経て
切換え装置1に入る排気ガスを、外部接続口12から乾
式集塵機Bへ送る経路。切換え装置1内では、図2(b)
または(c)のように弁33・31を開いて内部通路23
・21にガスを通すので、ガスの冷却または昇温などの
機能をなすことができる 経路…高炉Aから外部接続口11を経て入るガスを、
外部接続口14からタービンCへ送る経路。図2(d)の
ように弁33・35を開いて内部通路23・25に通す
ので、ガスの洗浄除塵や加熱等を行うことができる 経路…高炉Aから外部接続口11を経て入るガスを、
外部接続口16からガスホルダDへ送る経路。図2(a)
のように弁34を開いて内部通路24に通すので、ガス
の洗浄除塵と減圧とを行うことができる 経路…乾式集塵機Bから外部接続口13を経て入るガ
スを、外部接続口16よりガスホルダDへ送る経路。図
2(c)のように弁32を開いて内部通路22に通すの
で、ガスの減圧と洗浄とを行うことができる 経路…タービンCから外部接続口15を経て入るガス
を、外部接続口16よりガスホルダDへ送る経路。図2
(b)または(d)のように弁36を開いて内部通路26に
通すので、ガスの洗浄を行うことができる。
【0035】図2のうち(a)は、乾式集塵機Bとタービ
ンCとのいずれをも使用しない場合を表す。弁34のみ
を開くことにより、高炉Aからの排気ガスを経路を通
してガスホルダDへ送る。ガスが通る内部通路24で
は、洗浄除塵器40を機能させるとともに弁34にて減
圧を施すので、この装置1は、乾式集塵機Bおよびター
ビンCを使用したとき(下記する図2(b)の場合)と同
様の状態にガスを変換してガスホルダDへ送ることにな
る。つまり装置1は、洗浄除塵器40によってガスを除
塵すると同時に塩素分等を水洗除去し、かつ弁34にて
適当な圧力に調整するのである。
【0036】図2(b)は、高炉Aのガスが乾式集塵機B
とタービンCとを順に通ってガスホルダDへ至るとい
う、本ガス処理系の最も普通の運転状態を示す。この場
合、切換え装置1では図のように弁31・33・36の
みを開き、高炉Aからのガスを経路によって乾式集塵
機Bへ送るとともに、タービンCを出たガスを経路に
てガスホルダDへ送る。高炉Aからのガスが乾式集塵機
Bにとって不適当な温度であれば、経路のうちの内部
通路23において通路内のスプレーノズルから散水して
ガスを冷却し、もしくは内部通路21において温度調整
用燃焼器60に点火して昇温する。乾式集塵機Bにて除
塵されるので洗浄除塵器40は使用しないが、塩素分等
の除去のため、経路中の内部通路26にある洗浄器5
0を機能させる。
【0037】図2(c)はタービンCにガスを通さない場
合を示す。切換え装置1内の弁31・32・33を開く
とともに、残りの弁30と乾式集塵機B・タービンC間
のバルブEとを閉じる。これにより、高炉Aからのガス
は経路に通して乾式集塵機Bへ送り、乾式集塵機Bを
出たガスは経路に通してガスホルダDへ送る。高炉A
からのガスが乾式集塵機Bにとって不適当な温度なら、
経路のうち内部通路23内のスプレーノズルや内部通
路21内の温度調整用燃焼器60を使用してガスの温度
調整をはかる。やはり乾式集塵機Bにて除塵されるので
洗浄除塵器40は使用しないが、塩素分等の除去のた
め、経路に含まれる内部通路22内の洗浄器50を使
用する。内部通路22を通すとき弁32によって適当な
減圧を施すので、ガスは、タービンCを使用した場合と
同様の圧力でガスホルダDへ送ることができる。
【0038】図2(d)は乾式集塵機Bにガスを通さない
場合を示す。切換え装置1内の弁33・35・36を開
くとともに、残りの弁30と乾式集塵機B・タービンC
間のバルブEは閉じる。これにより、高炉Aからのガス
を経路によってタービンCへ送る一方、タービンCを
出たガスを経路にてガスホルダDへ送る。乾式集塵機
Bには通さないため、経路において洗浄除塵器40を
使用し、それによるガス温度の低下を補う目的で内部通
路25内の加熱用燃焼器70に点火するわけである。
【0039】以上のように、この切換え装置1によれ
ば、ガス処理系の機器および接続系統が図1(b)のとお
り極めて簡単(したがってその操作も容易)になり、し
かも、そうした系によって図6における場合と全く同様
にガスを取り扱い、再利用に供することが可能になる。
【0040】つづいて図3に、本発明の第二実施例であ
る切換え装置2の構成(図3(a))と使用状態など(同
(b)等)とを示す。図3(a)に示すようにこの装置2
も、複数の外部接続口10や、管と仕切り壁で形成され
る複数の内部通路20(21〜23など)、円錐状の先
端をもつ弁体と油圧シリンダなどからなる複数の弁30
(31〜33)、上部空間および内部通路22内にスプ
レーノズルを配置してなる洗浄除塵器40、および内部
通路21・23内にそれぞれスプレーノズルを配置して
なる洗浄器50などを組み合わせて構成したものであ
る。そしてガス発生源Aに対するガス処理系の一部とし
て、乾式集塵機B・タービンCおよびガスホルダDとと
もに図3(b)等に示すように接続して使用する。
【0041】しかしこの例では、第一実施例である切換
え装置1を含むガス処理系(図1・図2参照)と比べ
て、発生する排気ガスの温度や乾式集塵機B・タービン
Cの仕様等が相違するため、内部通路20などの数を減
らし、また温度調整用燃焼器60や燃焼器70を含めな
いものとして装置2の構成・機能を簡素化している。す
なわち装置2には、装置1(図1・図2)が有していた
五種類の経路のうち・・の三つのみを具備させ、
それらのうちから、弁30の操作等によってガスの経路
を選べるようにした。なお、当該経路・・は、各
経路においてなし得る機能が前記の装置1における同一
符号の経路と一致するよう符号づけしたものである(た
だし、外部接続口10や内部通路20の数が少ないこと
にともなって、各経路として使用する内部通路20等の
組合せは前記装置1のそれとは相違する)。
【0042】ガス発生源Aからの排気ガスは、この切換
え装置2が適宜に経路を切り換え、かつ必要な処理を施
してガスホルダDへ送り届ける。このような作用を図3
(b)・(c)・(d)にしたがって説明するとつぎのとおり
である。
【0043】まず図3(b)は、装置2が、ガス発生源A
から入るガスを、弁32の開いた経路に沿ってガスホ
ルダDへ送る状態を示している。装置2内の他の弁30
を閉じておくので、乾式集塵機Bなどへはガスは流れな
い。経路は、図のように弁32を開いてガスを内部通
路22に通すもので、前記装置1での経路と同様、ガ
スの洗浄除塵(洗浄除塵器40による)と減圧(弁32
による)とを行うことができる。乾式集塵機Bまたはそ
れとタービンCとが点検・整備中である場合などに、こ
のような使用が効果的である。
【0044】図3(c)は、ガス発生源Aを出て乾式集塵
機Bを経たガスを装置2が経路に沿ってガスホルダD
へ送る場合を示す。図示のように弁31を開いて内部通
路21にガスを通し、ガスの減圧(弁31による)と洗
浄(洗浄器50による)とを行える。他の弁30と、乾
式集塵機B・タービンC間のバルブEとを閉じておくの
で、発生源Aからのガスが直接に装置2へ入ることはな
く、図示の経路に従うことになる。タービンCの点検
・整備の際、もしくは発生源Aからのガスが十分には高
くない場合などに効果的である。
【0045】図3(d)は、乾式集塵機Bおよびタービン
Cを経たガスを、経路に沿ってガスホルダDへ送る状
態を表す。図のように弁33を開いて内部通路23に通
すので、ガスの洗浄(洗浄器50による)を行うことが
できる。やはり他の弁30は閉じておくので、これ以外
の経路に排気ガスは流れない。この実施例のガス処理系
ではこれが通常の使用態様であり、タービンCの上流で
のガスの温度降下が小さいためタービンCによるガスエ
ネルギの回収効率はこの場合が最も高い。
【0046】つづく図4には、本発明の第三実施例であ
る切換え装置3を示す。図4(a)のようにこの装置3
も、複数の外部接続口10や内部通路20(21・22
など)・弁30(31・32)などを組み合わせ、かつ
内部通路21・22内に洗浄器50(スプレーノズル)
を配置して構成したもので、図4(b)などのようにガス
発生源Aや乾式集塵機B・タービンC・ガスホルダDに
接続して使用する。
【0047】ただしこの例においても、切換え装置3
は、排気ガスの性状や乾式集塵機B等の仕様などに応じ
て構成等を簡素化し、前記第一実施例の装置1(図1・
図2)が有していた五種類の経路のうち・の二つの
みを具備するものとした。これらの経路・も、前記
の装置1における各経路と同一の機能をなすものに同一
の符号を付したものである。
【0048】この切換え装置3は、ガス発生源Aからの
排気ガスについて適宜つぎのように経路を切り換え、か
つ必要な処理を施してガスホルダDへ送り届ける。まず
図4(b)は、タービンCへはガスを送らないケースを示
す。この場合の装置3は、ガス発生源Aから出て乾式集
塵機Bを経たガスを、経路に沿ってガスホルダDへ送
る。図示のように弁31を開いて内部通路21にガスを
通し、弁31によるガスの減圧と洗浄器50による洗浄
とを行う。一方の図4(c)は、この実施例のガス処理系
における通常の使用態様を示すもので、ガス発生源Aか
ら乾式集塵機BおよびタービンCを経たガスを、経路
に沿ってガスホルダDへ送る。図のように弁32を開い
て内部通路22にガスを通すので、洗浄器50によるガ
スの洗浄を行うことができる。
【0049】図5には、本発明の第四実施例としての切
換え装置4を示す。この装置4も、複数の外部接続口1
0や内部通路20(21〜23など)・弁30(31〜
32)などを組み合わせ、内部通路21・23と上部空
間との各内部に洗浄除塵器40(スプレーノズル)を配
置し、かつ内部通路22内に蒸発冷却器60を設けたも
のである。内部通路21と同23とは、同じ洗浄除塵器
40と弁31・32とを備えており、並列に同一の機能
を発揮する。このように構成した装置4も、図5(b)等
のようにガス発生源Aや乾式集塵機B・タービンC・ガ
スホルダDに接続して使用する。
【0050】この切換え装置4も、排気ガスの性状や乾
式集塵機Bの仕様などに応じて構成等を簡素化し、前記
第一実施例の装置1(図1・図2)が有していた五種類
の経路のうち・の二つのみを具備させた。したがっ
てこの装置4は、ガス発生源Aからの排気ガスについて
適宜つぎのように経路を切り換え、かつ必要な処理を施
してガスホルダDへ送り届ける。まず図5(b)は、乾式
集塵機Bへはガスを送らないケースであるが、ガス発生
源Aから出たガスを、装置4が経路に沿ってタービン
Cへ送り、ガスホルダDへ向ける。このとき図示のよう
に弁31・33を開いて内部通路21・23に並行にガ
スを通し、洗浄除塵器40(および弁31・33)によ
るガスの洗浄・除塵を行う。一方、図4(c)のケースは
この実施例のガス処理系における通常の使用態様で、ガ
ス発生源Aからのガスを乾式集塵機Bに送り、バルブE
(図5(b)参照)の開いた流路を通してタービンCおよ
びガスホルダDへ送る。弁32を開いて内部通路22に
ガスを通すので、乾式集塵機Bにとってガスの温度が高
すぎる場合には蒸発冷却器60によるガスの冷却(温度
調整)を行うことができる。
【0051】以上いくつかの実施例を紹介したが、本発
明の排気ガス切換え装置はこれに限るものではない。第
二〜第四の実施例に準じ、第一実施例にて説明した経路
〜(使用する内部通路の符号等は異なるが機能的に
は前述のとおり)のうちから必要ないくつかを組み合わ
せ、その切換えが自在なように構成すればよいからであ
る。なお、この装置は、高炉をはじめとする製鉄用設備
等から発生するガスの取扱いに好適であるほか、同様に
高温・高圧のガスを排出する他の反応機器類を発生源と
するガスの処理系においても、以上に説明したと同様の
作用・効果をもたらす。
【0052】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載した排気ガス切
換え装置によると、ガスを通す外部の各装置とこの切換
え装置との間に必要なバルブのほとんどがこの装置のう
ちに集約され得るので、バルブの配置に関連するスペー
スの効率的利用ができ、その操作も容易になる。また、
この切換え装置は内部通路の一部のうちに洗浄除塵器を
有するので、排気ガスの処理系に乾式集塵機が含まれて
いる場合に当該乾式集塵機に対する有効なバイパス経路
を構成することになる。つまり、乾式集塵機の点検・整
備の際や排気ガスの温度が不適当である場合にも、その
内部通路を含む当該経路にガスを切り換えることによっ
てガスの除塵をいつでも安定的に行うことができる。な
お、洗浄除塵器も一つの装置内に集約しているので、排
気ガスの処理系全体の配置・構成・操作を円滑にすると
いうメリットをももたらす。
【0053】請求項2の切換え装置は、やはりバルブの
集約にともなってその配置や操作上の利点を有するほ
か、内部通路の一部のうちに減圧手段を備えるので、排
気ガスの処理系のうちにタービン等が含まれている場合
に、それに対する有効なバイパス経路を有することにな
る。すなわちタービン等の点検・整備時などにも、当該
内部通路へガスを通すことによって、タービン等にガス
を通すときと同様に下流側の機器にとって好ましい減圧
が可能になる。多くの弁とともにその減圧手段が一装置
内に集約されるので、上記と同様、排気ガス処理系全体
の配置・構成・操作に関するメリットも大きい。
【0054】請求項3の切換え装置は、内部通路のうち
に洗浄除塵器と減圧手段とを有するため、乾式集塵機や
タービン等を系内に含む一般的な排気ガス処理系におい
て、極めて好ましいバイパス経路を構成する。多数のバ
ルブと洗浄除塵器、および減圧手段がこの装置内に集約
されるので、排気ガスの処理系としての配置・構成・操
作に関してもたらす利点も極めて大きい。
【0055】請求項4の切換え装置は、内部通路のうち
に洗浄器を有するので、洗浄塔などを独立に設ける必要
がなく、排気ガスの処理系として必要な機器・装置の集
約度が一層高く、系内機器の配置や使用が容易になる等
の利点がさらに大きい。とくに、洗浄除塵器と洗浄器と
はともに水を使用する機器であるため、これらを本装置
内に集約することによって、当該処理系は無駄のない合
理的な構成とすることができる。
【0056】請求項5の切換え装置は、乾式集塵機の上
流にあたる内部通路のうちにガスの温度調整手段を有す
るので、ガスが高温もしくは低温すぎるときにも乾式集
塵機を用いた当該ガスの除塵を可能にし、効率的なエネ
ルギ回収を継続させる。とくに、冷却手段として水を媒
体とする形式のものを使用するときには、洗浄除塵器や
洗浄器を併設する場合に配管等の配置・構成が単純化さ
れるというメリットもある。
【0057】請求項6の切換え装置は、タービンの上流
となる内部通路のうちに燃焼器を有するので、排気ガス
の熱力学的エネルギが低い場合にもタービンによる十分
なエネルギ回収を可能にする。ガス中にCOなどの可燃
成分が含まれる場合、あるいは乾式集塵機に代えて洗浄
除塵器にガスを通す場合には、その効果がとくに顕著で
ある。
【0058】請求項7の切換え装置は、それが有する弁
の形式に基づいて、全体をコンパクトに保ちながら多数
の弁を含む多機能のものに構成することができる。また
当該構成の弁には、ガスの完全遮断機能があるほか、操
作に対する応答が速くて流量制御が容易、したがって減
圧機能などを兼ねさせることも可能、といった利点もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明の第一実施例である排気ガ
ス切換え装置1の構成を示す概念図、また同(b)は、切
換え装置1を含む排気ガス処理系の全体系統図である。
【図2】図2(a)〜(d)は、排気ガス切換え装置1の使
用状態を示す図である。各図のうち上部には排気ガス処
理系内でのガスの経路を示し、下部にはその経路でガス
を送る場合の切換え装置1内の弁の状態等を示してい
る。
【図3】本発明の第二実施例である排気ガス切換え装置
2を示す概念的な構成図(図3(a))、およびその切換
え装置2の使用状態の説明図(同(b)〜(d))である。
【図4】本発明の第三実施例である排気ガス切換え装置
3を示す概念的な構成図(図4(a))、およびその切換
え装置3の使用状態説明図(同(b)・(c))である。
【図5】本発明の第四実施例である排気ガス切換え装置
4を示す概念的な構成図(図5(a))、およびその切換
え装置4の使用状態説明図(同(b)・(c))である。
【図6】排気ガスについての従来の一般的な処理系を示
す全体系統図である。
【符号の説明】
1・2・3・4 切換え装置 10(11・12・…) 外部接続口 20(21・22・…) 内部通路 30(31・32・…) 弁 40 洗浄除塵器 50 洗浄器 60 温度調整用燃焼器(温度調整手段) 70 (加熱用)燃焼器 A 高炉、ガス発生源 B 乾式集塵機 C タービン D ガスホルダ ・・・・ ガスの経路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−81027(JP,A) 特公 昭57−49082(JP,B2)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気ガスに再利用のための処理を施すと
    ともにそのガスの経路を切り換える排気ガス切換え装置
    であって、 排気ガスの出入口となる複数の外部接続口、 管や仕切り壁にて複数形成され、外部接続口とそれぞれ
    つながる排気ガスの内部通路、 内部通路を選択してガスの経路を切り換えるべく上記の
    管または仕切り壁の開口を開閉する複数の弁、 および、上記の弁にて選択されるいずれかの内部通路で
    散水によりガスの除塵をする洗浄除塵器を有することを
    特徴とする排気ガス切換え装置。
  2. 【請求項2】 排気ガスに再利用のための処理を施すと
    ともにそのガスの経路を切り換える排気ガス切換え装置
    であって、 排気ガスの出入口となる複数の外部接続口、 管や仕切り壁にて複数形成され、外部接続口とそれぞれ
    つながる排気ガスの内部通路、 内部通路を選択してガスの経路を切り換えるべく上記の
    管または仕切り壁の開口を開閉する複数の弁、 および、上記の弁にて選択されるいずれかの内部通路で
    以降のガス圧力を下げる減圧手段を有することを特徴と
    する排気ガス切換え装置。
  3. 【請求項3】 弁にて選択されるいずれかの内部通路で
    散水によりガスの除塵をする洗浄除塵器を有する請求項
    2に記載の排気ガス切換え装置。
  4. 【請求項4】 再利用先に最も近い外部接続口へつなが
    る内部通路のうちにガス中の一部成分を除去する洗浄器
    を有する請求項1〜3のいずれかに記載の排気ガス切換
    え装置。
  5. 【請求項5】 外部接続口の一つを乾式集塵機の上流に
    接続し、その接続口へつながる内部通路のうちにガスの
    温度調整手段を有する請求項1〜4のいずれかに記載の
    排気ガス切換え装置。
  6. 【請求項6】 外部接続口の一つをタービンの上流に接
    続し、その接続口へつながる内部通路のうちに燃焼器を
    有する請求項1〜5のいずれかに記載の排気ガス切換え
    装置。
  7. 【請求項7】 上記の弁として、円錐状部分を含む弁体
    が開口に対し直角方向に移動する形式のものを有する請
    求項1〜6のいずれかに記載の排気ガス切換え装置。
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