JP2597106Y2 - ピストン式コンクリートポンプにおける吐出量表示装置 - Google Patents

ピストン式コンクリートポンプにおける吐出量表示装置

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JP2597106Y2
JP2597106Y2 JP1993012195U JP1219593U JP2597106Y2 JP 2597106 Y2 JP2597106 Y2 JP 2597106Y2 JP 1993012195 U JP1993012195 U JP 1993012195U JP 1219593 U JP1219593 U JP 1219593U JP 2597106 Y2 JP2597106 Y2 JP 2597106Y2
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正敏 吉田
泰史 山下
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、生コンクリートの吐出
量を表示しうるピストン式コンクリートポンプに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般にコンクリートポンプにはポンプピ
ストンやバルブ装置等数多くの消耗部品が有り、適宜時
期に交換する必要がある。そのため従来においても消耗
部品の交換を行っていたが、消耗部品の交換時期の判断
は作業者の経験と勘により行われていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところが経験や勘では
客観的な判断ができず間違った判断によりコンクリート
ポンプ全体を損傷させる危険がある。また経験の少ない
作業者においては上記危険が多くなるという問題があ
る。そこで本考案は消耗部品の交換時期を客観的に判断
できるピストン式コンクリートポンプにおける吐出量表
示装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本考案は、油圧シリンダ
にてポンプピストンを摺動させるポンプシリンダを一対
設けるとともに前記一対のポンプシリンダの前方にバル
ブ装置を設け、前記油圧シリンダにポンプ用油圧配管を
通して圧油を供給することにより一対のポンプピストン
を交互に摺動させ、前記バルブ装置にバルブ用油圧配管
を通して圧油を供給することにより一対のポンプシリン
ダを交互に吐出管に連通させるピストン式コンクリート
ポンプにおいて、前記油圧配管内の圧力変化の検出又は
ポンプシリンダ若しくはバルブ装置の変動を検出する検
知手段と、コンクリートポンプの1サイクルの時間を計
測するタイマと、前記検知手段にて検知した変化又は変
動の回数より総吐出量を演算する第1演算回路、打設現
場毎における検知手段にて検知した変化又は変動の回数
より個別吐出量を演算する第2演算回路、前記タイマに
よる時間及びポンプシリンダの内容積にて単位吐出量
演算する第3演算回路とから成る演算手段と、前記演算
手段にて演算した総吐出量、個別吐出量および単位吐出
量を表示する表示手段とから成ることを特徴とするもの
である。
【0005】
【作用】圧油の供給にて一対のポンプシリンダ及びバル
ブ装置を作動させ、生コンクリートを打設場所まで圧送
する。その際、圧油の圧力変化又はポンプシリンダ・バ
ルブ装置の変動を検知手段にて検知し、前記変化又は変
動の回数とポンプシリンダの内容積とにより演算手段に
て吐出量を演算し、表示手段に総吐出量および個別吐出
を表示する。これにてコンクリートポンプの使用状況
を知ることができ、消耗部品の交換時期を客観的に認識
することができる。また、タイマによるポンプシリンダ
の1サイクルの時間とポンプシリンダの内容積とから単
位時間当たりの吐出量すなわち単位吐出量を知ることが
でき、前記個別吐出量から把握した残吐出量を単位吐出
量で除することにより、残打設時間を定量的に把握する
ことができる。
【0006】
【実施例】以下本考案の実施例を図面にて説明すると、
1は生コンクリートを圧送するコンクリートポンプで、
該コンクリートポンプ1は図1に示す如くポンプ装置
2、ホッパ3、バルブ装置4及び駆動装置5から成って
いる。前記ポンプ装置2はポンプシリンダ6を左右一対
設け、ポンプシリンダ6内のポンプピストン7をポンプ
シリンダ用油圧シリンダ8にて摺動させうるようになっ
ており、ポンプシリンダ6とポンプシリンダ用油圧シリ
ンダ8との間にポンプピストン7点検用のセンターボッ
クス9が設けられている。
【0007】前記バルブ装置4は生コンクリートを収容
するホッパ3内に揺動可能な曲線状のバルブ本体10を
設け、ホッパ3後部に設けられた左右一対のバルブ装置
用油圧シリンダ11を対向させて接続するとともに接続
点よりアーム(図示せず)を介して回転可能に連結した
回転軸12を前記バルブ本体10に結合し、バルブ装置
用油圧シリンダ11の駆動にてバルブ本体10がホッパ
3内にて揺動し、ホッパ3前部の吐出管13に一対のポ
ンプシリンダ6を交互に連通させうるようになってい
る。
【0008】前記駆動装置5は油圧ポンプ14からの圧
油をポンプシリンダ用切換弁15とバルブ装置用切換弁
16を通してポンプ装置用油圧配管17とバルブ装置用
油圧配管18に供給するようになっている。前記ポンプ
装置用油圧配管17はポンプシリンダ用油圧シリンダ8
の先部にそれぞれ接続し、相互のポンプシリンダ用油圧
シリンダ8の基部を連通させてある。
【0009】前記バルブ装置用油圧配管18はバルブ装
置用油圧シリンダ11の基部にそれぞれ接続し、相互の
バルブ装置用油圧シリンダ11の先部と連通させてあ
る。19はタンクである。前記両切換弁15、16はパ
イロット圧の制御(図示せず)により、一対のポンプピ
ストン7を交互に前後進させるとともに前後進中はバル
ブ本体10を前進側のポンプシリンダ6に連通保持さ
せ、前記ポンプピストン7の前後進が完了するとポンプ
ピストン7を停止させるとともにバルブ本体10を揺動
させて他のピストンシリンダ6に連通させるようになっ
ている。
【0010】20は図2、図3に示した生コンクリート
の吐出量表示装置で、以下説明する。図1の如くバルブ
装置用油圧配管18の一部に検知手段である圧力スイッ
チ21を設け、前記圧力スイッチ21は一方のバルブ装
置用油圧シリンダ11に圧油が供給されたとき(図4に
おいて低圧域から高圧域に変化したとき)に検知するよ
うになっている。
【0011】ところで圧油が供給されると当該油圧シリ
ンダ11が伸長するとともに他方のバルブ装置用油圧シ
リンダ11が縮小し、回転軸12の回転にてバルブ本体
10を図1二点鎖線より実線位置に揺動させるようにな
っている。前記圧力スイッチ21にて検知した情報は累
積カウンタ22及び1ストローク間計測用タイマ23に
伝達される。前記累積カウンタ22は総累積カウンタ2
4と個別累積カウンタ25とから成り、総累積カウンタ
24はコンクリートポンプ1の全作業時における圧力ス
イッチ21の検知回数を累積してカウントNし、個別累
積カウンタ25はコンクリートポンプ1の任意作業時に
おける圧力スイッチ21の検知回数を累積してカウント
nするもので、リセットスイッチ26にてカウントを
「0」にすることにより任意作業時を選択できるように
なっている。
【0012】前記1ストローク間計測用タイマ23は圧
力スイッチ21により検知した時点から次の検知がある
までの時間t秒(バルブ本体10が1往復する時間で、
ポンプピストン7が1往復する時間でもある。)を常時
計測している。前記累積カウンタ22とタイマ23から
の情報N、n、とともに手動操作による吐出効率調整
スイッチ27及び1ストローク吐出量調整スイッチ28
からの情報a、qを演算回路29に伝達する。前記吐出
効率調整スイッチ27は生コンクリート内の空気の混在
率を示す吐出効率aを選定するもので、空気が混在して
いない場合には吐出効率aを「1」に選定することにな
る。
【0013】前記1ストローク吐出量調整スイッチ28
は一対のポンプシリンダ6の総内容積に相当する1スト
ローク吐出量qが選定されるもので、コンクリートポン
プ1出荷時に選定できるようにし、吐出量表示装置20
に汎用性をもたすようにしたものである。前記演算回路
29は第1演算回路30、第2演算回路31及び第3演
算回路32から成る。
【0014】第1演算回路30は総累積カウンタ24の
カウントNに各調整スイッチ27、28で設定された単
位吐出量qと吐出効率aとを乗じて総吐出量Qを演算す
る。第2演算回路31は個別累積カウンタ25のカウン
トnと1ストローク吐出量qと吐出効率aとを乗じて個
別吐出量Sを演算する。第3演算回路32は3600秒
を時間t秒で除した値に1ストローク吐出量qと吐出効
率aとを乗じて生コンクリート打設時の単位時間(1時
間)当りの吐出量すなわち単位吐出量Vを演算する。
【0015】33は演算回路29での演算値を表示する
ための表示パネルで、該表示パネル33は第1表示パネ
ル34と第2表示パネル35とから成り、前記第1表示
パネル34は総吐出量Qを表示し、第2表示パネル35
は表示切換スイッチ36の操作にて個別吐出量S又は
位吐出量Vを表示するようになっている。前記表示の
内、総吐出量Qの表示は交換時期の把握、個別吐出量S
は打設現場毎の個別吐出量の把握、単位吐出量Vは個別
吐出量から把握した残吐出量を単位吐出量で除すること
により残打設時間を定量的に認識できるようになってい
る。
【0016】尚、実施例では圧力スイッチをバルブ装置
用油圧配管に設けているが、ポンプ装置用油圧配管に設
けることも可能である。また検出手段として油圧の変位
を検出するようにしているが、リミットスイッチ等にて
ポンプ装置の変動はバルブ装置の変動を検出するよう
にしても同様の作用効果を有するものである。更に表示
パネルは第1表示パネルにて総吐出量、個別吐出量、
位吐出量を選択的に表示させるか又は3個の表示パネル
にそれぞれを表示させるようにしてもよい。
【0017】本考案は前記の如き構成で次に作用につい
て説明すると、油圧ポンプ14を駆動させ、両切換弁1
5、16を制御してコンクリートポンプ1を作動させ
る。すなわち図1の状態より他方のバルブ装置用油圧シ
リンダ11を伸長させてバルブ本体10を実線位置から
二点鎖線位置に揺動させ、揺動完了後一方側(図1上
方)のポンプピストン7を前進させてポンプシリンダ6
内の生コンクリートを吐出管13側に圧送する。
【0018】その間、他方側(図1下方)のポンプピス
トン7は後退してホッパ3内の生コンクリートを吸い込
む。一方側のポンプピストン7の前進が完了すると、一
方側のバルブ装置用油圧シリンダ11に圧油が供給され
てバルブ本体10が二点鎖線位置から実線位置に揺動す
る。
【0019】その際、圧力スイッチ21は低圧域から高
圧域への変化を検出する。前記バルブ本体10が揺動完
了後他方側のポンプピストン7が前進してポンプシリン
ダ6内の生コンクリートを吐出管13側に圧送し、その
間一方側のポンプピストン7は後退してホッパ3内の生
コンクリートを吸い込む。前記作動を繰り返して生コン
クリートを打設場所まで圧送する。
【0020】ところで圧力スイッチ21による検知は累
積カウンタ22及びタイマ23に伝達され、累積カウン
タ22は総累積カウンタ24で総累積のカウントNを、
個別累積カウンタ25で個別累積のカウントnをそれぞ
れ計測し、タイマ23では1ストローク間の時間t秒
(図4)を計測する。前記個別累積のカウントnは打設
現場での打設開始時にリセットスイッチ26にて「0」
にセットしておき、当該打設現場での個別打設量を知る
ことができるようにしておく。
【0021】前記総累積のカウントN、個別累積のカウ
ントn、時間t、吐出効率a及び1ストローク吐出量
qより演算回路29にて総吐出量Q、個別吐出量S及び
単位吐出量Vを演算する。総吐出量Qは第1表示パネル
34に表示され、消耗部品の交換時期を把握し、個別吐
出量Sは第2表示パネル35に表示され、打設現場毎の
個別の吐出量を把握し、単位吐出量Vは表示切換スイッ
チ36の操作にて第2表示パネル35に表示させ、前記
個別吐出量Sから把握したその現場での残吐出量を単位
吐出量Vで除することにより残打設時間等を定量的に
握する。
【0022】また表示パネル33に表示される総吐出量
Q又は個別吐出量Sとミキサ車からホッパに供給された
生コンクリート量が相違する場合には吐出効率調整スイ
ッチ27を操作して総吐出量Q又は個別吐出量Sをミキ
サ車側の量に一致させることにより、各種表示の精度を
高めることができる。すなわち、ミキサ車側の量は全て
計量されているためである。
【0023】
【考案の効果】以上の如く本考案はコンクリートポンプ
における油圧配管内の圧力変化又はポンプ装置若しくは
バルブ装置の変動を検出手段にて検出し、検出した情報
により演算手段にて吐出量を演算し、表示手段にて前記
吐出量を表示するようにしたので、コンクリートポンプ
における消耗部品の交換時期を客観的に把握することが
でき、特に経験の少ない作業者でも容易に把握すること
ができ、コンクリートポンプ全体の損傷等を確実に防止
することができる。また、コンクリートポンプの1サイ
クルの時間を計測するタイマによる計測値にて単位吐出
を把握することができ、現場での個別吐出量から把握
したその現場での残吐出量を単位吐出量で除することに
より、残打設時間を定量的に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案を装備したピストン式コンクリートポン
プの全体図である。
【図2】吐出量表示装置のブロック図である。
【図3】吐出量表示装置の外観図である。
【図4】油圧配管内の圧力変化を示したグラフである。
【符号の説明】
1 コンクリートポンプ 2 ポンプ装置 4 バルブ装置 5 駆動装置 17 ポンプ装置用油圧配管 18 バルブ装置用油圧配管 20 吐出量表示装置 21 圧力スイッチ 29 演算回路 33 表示パネル
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04B 15/02

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧シリンダにてポンプピストンを摺動
    させるポンプシリンダを一対設けるとともに前記一対の
    ポンプシリンダの前方にバルブ装置を設け、前記油圧シ
    リンダにポンプ用油圧配管を通して圧油を供給すること
    により一対のポンプピストンを交互に摺動させ、前記バ
    ルブ装置にバルブ用油圧配管を通して圧油を供給するこ
    とにより一対のポンプシリンダを交互に吐出管に連通さ
    せるピストン式コンクリートポンプにおいて、前記油圧
    配管内の圧力変化の検出又はポンプシリンダ若しくはバ
    ルブ装置の変動を検出する検知手段と、コンクリートポ
    ンプの1サイクルの時間を計測するタイマと、前記検知
    手段にて検知した変化又は変動の回数より総吐出量を演
    算する第1演算回路、打設現場毎における検知手段にて
    検知した変化又は変動の回数より個別吐出量を演算する
    第2演算回路、前記タイマによる時間及びポンプシリン
    ダの内容積にて単位吐出量を演算する第3演算回路とか
    ら成る演算手段と、前記演算手段にて演算した総吐出
    量、個別吐出量および単位吐出量を表示する表示手段と
    から成るピストン式コンクリートポンプにおける吐出量
    表示装置。
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