JP2596941B2 - 浮遊選別による物質の分離方法 - Google Patents

浮遊選別による物質の分離方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は分離を助けるための液体媒質の表面における
物質の浮遊選別に関し、特に必ずしも排他的ではない
が、水酸化マグネシウム基体媒質におけるアクチニドの
浮遊選別に関する。
核燃料元素の再生においては、まずクラッディング
(cladding)から使用済燃料を分離することが必要であ
り、所謂マグノックス(Magnox)原子炉において照射さ
れた燃料では、クラッディングは少量のAl、Mn及びZrを
含有するマグネシウム合金のマグノックス(Magnox)か
ら製造されている。一旦、クラッディングは除去される
と、水の下に貯蔵されるコンクリートサイロに移され
る。二酸化ウラニウムと痕跡の他のアクチニド酸化物で
ある、少量の使用済燃料物質はクラッディングと連合す
るようになり、そのために貯蔵サイロに移される。
水中で長い間貯蔵されている間に、クラッディングは
水と反応して水酸化マグネシウムを基体とするスラッジ
(sludge)を生成する。スラッジはまたクラッディング
と連合した使用済燃料の粒子を含有する。スラッジ含有
アクチニドは又ウラニウム採掘工業のような他の工業に
おいても遭遇する。このようなスラッジから使用済燃料
及び(又は)アクチニドの粒子を除去するのが望まし
い。
本発明の目的は浮遊選別により物質を分離する方法を
提供するにある。
本発明によれば、その分離を助けるために液体媒質の
表面で物質を提供され、該方法は下記の工程によりな
る。
(i)液体媒質中で、分離すべき物質と液体媒質用の起
泡剤との混合物を形成し、 分離すべき物質と起泡剤とが反対電荷の基を有し;か
つ (ii)混合物を発泡させ、それにより反対電荷の基を相
互に結合せしめ、かつ液体媒質の表面で泡沫中に濃縮せ
しめる 工程を含む、液体媒質の表面に物質を浮遊せしめてその
分離を促進する方法であって、 分離すべき物質が粒子状物質に含有し、該粒子の表面
は、イオン性の基への結合を容易にするために工程
(i)が実施される前に酸化状態が変えられており、該
表面が、起泡剤の反対の電荷を有するイオン性の基と結
合するのに適したイオン性の基と結合しており、上記粒
子状物質がアクチニドを含有する物質である。
好ましくは、泡沫は除かれ、それにより泡沫に浮遊し
ない媒質に存在する他の不活性材料から物質を分離せし
める。さらに、それから起泡剤を添加し、泡沫を作り、
泡沫を除いてその結果、すべての物質を媒質から除去す
る。
分離すべき物質のイオンは陰イオンであり得るし、そ
の場合起泡剤は1つ以上の陽イオン群を有している。ま
た、分離すべき物質のイオンが陽イオンの場合もあり、
起泡剤は1つ以上の陰イオン群を有する場合もある。
物質の酸化状態を、分離すべき物質に対するイオンの
結合を容易にする状態に変えることができる。例えば、
酸化状態は酸化剤、例えば過酸化水素、オゾン、酸素富
化空気又は過マンガン酸カリを使用して物質を酸化する
ことによって変え得る。また、物質の酸化状態は例えば
ヒドロキシルアミン塩化水素で還元することによって変
え得る。酸化状態は物質の表面でのみ変えることができ
る。
液体媒質はアルカリ性、中性又は弱酸性(例えばpH3
〜6)6であり、例えば実質的に水酸化マグネシウムを
基体とするアルカリ性媒質であることもある。
物質は粒状であるか、溶解せるイオンであり、例えば
アクチニドの如き金属又はアクチニドの酸化物の如き金
属の酸化物の粒子より成ることもある。典型的には、物
質はウラニウム又はウラニウムの酸化物、例えば二酸化
ウラニウムより成る。物質は又ウラニルイオンの如き可
溶性イオンより成ることもある。
物質は直径150μm又はそれ以下の粒子より成ること
が好ましい。
分離すべき物質のイオンが陰イオンである場合は、イ
オンは典型的には炭酸塩であるが、硫酸塩、塩化物、り
ん酸塩、チオシアネートの如き他のイオン及びクエン酸
の如きカルボン酸の陰イオン及びエチレジアミンテトラ
ー酢酸も使用し得る。使用し得る陽イオン群を有する起
泡剤の例はセチル トリメチル アンモニウム ブロマ
イド及びセチル ピリジニウム クロライドである。
物質又は物質の表面に酸化状態を変えることによっ
て、物質に対するイオンの結合は容易になる。物質に対
するイオンの結合は、物質の反対の電荷群を有する起泡
剤に結合せしめる電荷を物質に与える。空気のような気
体を液体媒質に泡出せしめるとき、起泡剤は液体媒質の
表面で泡沫を生成する。物質は起泡剤に結合するので、
物質は液体媒質の表面に浮遊せしめられる。泡沫の除去
は、イオンと結合するか又は結合しない液体における任
意の種(species)から物質を分離せしめる。
本発明の原理を明らかにする具体的実験を実施例によ
り述べる。
二酸化ウラニウム粉末(1g)を10gの腐食せるマグノ
ックス(スラッジ含有の水酸化マグネシウム)と混合
し、過酸化水素(6%重量/容量)の溶液において、一
晩中状態調節(conditioning)を行なう。これは、三酸
化ウラニウムの粉末中に存在する二酸化ウラニウム粒子
の表面を酸化する効果を有する。溶液は濾過され、固体
は充分な炭酸ソーダを含有する溶液で集め、再び嵩ばら
せ(re−bulk)、pHを8〜9とする。この段階後、粒子
の表面はUO2(CO33 4-の陰荷電せる錯イオンを含有す
る。アルコール(約0.0001M)において過剰のセチル
トリメチルアンモニウム ブロマイドより成る溶液を次
いで添加し、混合物に空気を泡出して泡沫を形成する。
セチル トリメチルアンモニウム ブロマイドの陽荷電
せる末端に、二酸化ウラニウムの陰荷電せる粒子は固着
し、かくして泡沫において濃縮され、そしてそれは大部
分の水酸化マグネシウムを残して混合物の残りをすくい
取ることができる。代表的には、二酸化ウラニウムの粒
子の90%が25%の水酸化マグネシウムと一緒に約40%の
水分で除かれる。
照射せる核燃料、特にそのマグノックス クラッディ
ングの処理に適用するとき、水中にマグノックス燃料ク
ラッディングを永い間、貯蔵している間に生成する水酸
化マグネシウム基スラッジに存在するアクチニドの酸化
物、例えば二酸化ウラニウム、二酸化プルトニウム及び
酸化アメリシウムは浮遊される。スラッジは最初にアク
チニド粒子の表面を酸化するために過酸化水素(6%w/
v)の溶液で状態調節され、次いでクエン酸塩のような
錯生成剤、続いてセチル トリメチル アンモニウム
ブロマイドで処理される。空気を混合物に泡出して泡沫
を形成してアクチニド粒子を浮遊する。泡沫はそれから
すくい取られ、スラッジの残りからのアクチニド粒子の
分離を行なう。
泡沫工程はさらにセチル トリメチルアンモニウム
ブロマイドを添加し、空気を混合物に泡出することによ
って繰返される。この方法で殆んど全部のアクチニド粒
子はスラッジから除去することができる。
浮選法はウラニウム採掘工業において二酸化ウラニウ
ムを浮遊するのに使用することができるものと期待され
る。
浮選法は原子力産業内で使用することを制限しないも
のと認識すべきである。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)液体媒質中で、分離すべき物質と液
    体媒質用の起泡剤との混合物を形成し、 分離すべき物質と起泡剤とが反対電荷の基を有し;かつ (ii)混合物を発泡させ、それにより反対電荷の基を相
    互に結合せしめ、かつ液体媒質の表面で泡沫中に濃縮せ
    しめる 工程を含む、液体媒質の表面に物質を浮遊せしめてその
    分離を促進する方法であって、 分離すべき物質が粒子状物質を含有し、該粒子の表面
    は、イオン性の基への結合を容易にするために工程
    (i)が実施される前に酸化状態が変えられており、該
    表面が、起泡剤の反対の電荷を有するイオン性の基と結
    合するのに適したイオン性の基と結合しており、上記粒
    子状物質がアクチニドを含有する物質であることを特徴
    とする方法。
  2. 【請求項2】物質が、過酸化水素を使用して酸化される
    特許請求の範囲第(1)項記載の方法。
  3. 【請求項3】媒質が、中性である特許請求の範囲第
    (1)項又は第(2)項記載の方法。
  4. 【請求項4】媒質はアルカリ性である特許請求の範囲第
    (1)項〜第(3)項のいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】媒質が、水酸化マグネシウムを包含する特
    許請求の範囲第(1)項〜第(4)項のいずれか1項に
    記載の方法。
  6. 【請求項6】粒子状物質が、直径150μm以下の粒子で
    ある特許請求の範囲第(1)項記載の方法。
  7. 【請求項7】アクチニドが、ウラニウムを含有する特許
    請求の範囲第(1)項記載の方法。
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