JP2596834B2 - 工芸ガラス原石の製造方法 - Google Patents

工芸ガラス原石の製造方法

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幸三 野口
恭一 永野
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日鐵溶接工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、工芸ガラス原石の製造方法、特に内外装用
壁あるいは床用等に使用するコンクリート製磨きパネル
である、いわゆるテラゾー等に使用する人造種石の原石
の製造方法に関する。
(従来の技術) 従来、テラゾーの表面に散りばめるいわゆる種石とし
ては、天然の着色原石、例えば大理石、御影石を砕石し
て使用しており、その景観材料としてのデザイニングに
限界があった。例えば、天然原石の場合は色が鮮やかで
ない、ガラスのような光沢がない、表面が水分、ほこ
り、ゴミ等の吸収により、外観が変化する等の問題であ
る。
そこで、最近は金属精錬の際に発生するスラグ(鉱
滓)、例えば高炉スラグ、フェロアロイスラグ等の鉱滓
を原料として、ガラス製造方法を応用して着色工芸ガラ
スを作ることが試みられている。しかし、この方法はい
わゆる一般のガラス製造方法と同じように、SiO2,CaO,N
a2O,Al2O3を主成分にしており、溶解時の粘性が相当高
く、1400℃で105ポイズ以上あり、そのため、溶解物中
に内在する気泡を除去することが難しく、長時間加熱保
持して浮上除去しなければならない。また、該目的の着
色工芸ガラスを得るためには、原料に含まれているFe,M
n等の不純物による暗黒色を脱色して、無色透明または
乳白色にした状態で着色剤を働かせる必要がある。その
脱色剤として亜鉛(金属または酸化物で)を用いるが、
これらは1400℃程度の温度領域で溶解物の粘度を上昇さ
せ、かつ金属亜鉛を使用する場合はガス発生が活発とな
るから、前述の気泡の浮上除去と併せて、より長時間
(3〜4時間)の高温保持が必要となることが避けられ
ない。高温保持することは、熱エネルギーの消費と時間
を要することであり、それだけ製造費用を上昇させるこ
とになる。また、長時間高温保持させると、亜鉛による
脱色効果が消失することがある(溶解方法によっては、
限度時間は2時間程度)ので、この点からも製造時の時
間管理等の問題がある。
(発明が解決しようとする課題) 従来の製造方法では、上記のように溶解時の粘性が高
いから、溶解物中に内在する気泡を除去するために長時
間にわたり高温加熱保持する必要がある。この傾向は着
色のために亜鉛を添加した場合により顕著にあらわれ
る。溶解物を長時間にわたり高温加熱保持することは製
造コストの上昇をもたらすとともに製造される工芸ガラ
ス原石の品質を不安定なものにする。
本発明はこのような従来技術の問題点を解消したもの
であり、簡単な手段で溶解物の粘度を下げて気泡の除去
を容易にした工芸ガラス原石の製造方法を提供しようと
するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明の工芸ガラス原石の製造方法は鉱滓を含む原料
を溶解して得られる SiO2:40〜60% Na2CO3:5〜15% CaF2:3〜20% FeO+MnO:1%以下 の溶解物:100部に対して着色剤として少なくともZnO:5
〜15部を添加して溶解し、凝固することを特徴とする。
本発明に使用する着色剤としては亜鉛の他クロム、
銅、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属の酸化物又
は硫化物を使用する。すなわち亜鉛をZnOとして単独で
添加すると無色透明または乳白色となり、例えば酸化コ
バルトをZnOとともに添加するとブルーに、酸化クロム
をZnOとともに添加するとグリーンに、酸化銅をZnOとと
もに添加するとレッドになる。なおZnOを他の着色剤と
ともに添加するとき、ZnOはFeO,MnO等の不純物による暗
黒色の脱色剤として使用することになる。
(作 用) 成分について説明する。
SiO2は大気中での放冷による凝固物を破砕したときの
破面の光沢が増し、ガラス化の傾向が安定するという効
果がある。しかし、その含有率が増加すると、溶解性が
悪くなり、また、溶解物の粘度が上昇し気泡の上昇放散
が遅くなる。有効な溶解物中のSiO2含有率は40〜60%で
ある。
Na2CO3は、溶解物の粘度調整と気泡浮上に効果があ
る。ただし、含有量がある値を越えると、凝固物の固さ
が弱くなり、欠け易くなる傾向が増す。またグラファイ
ト電極を用いた抵抗式電気炉による溶解の場合、溶融塩
中の通電性を増す働きをする。有効な溶解物中のNa2CO3
含有量は5〜15%である。
CaF2は、溶解物の粘性を下げる作用があるが、含有量
がある値を越えると凝固物の破面の光沢を減じ、また脆
く欠け易くなる。有効な溶解物中のCaF2含有量は3〜20
%である。
すなわち主成分SiO2は凝固物のガラス化のために必要
な成分であるが含有率が増加すると溶解物の粘度が上昇
し流動性が悪く、従って溶解物中に含まれている気泡が
抜けず凝固物中に介在しその品質を下げる。この問題を
解消するために従来では溶解物を長時間にわたり高温保
持していたのであり、多量の熱エネルギーを消費するか
ら経済的でない。本発明では溶解物中にCaF2およびNa2C
O3を所定量添加含有させることにより、溶解物の粘度を
コントロールして、粘性を下げその中に内在する気泡の
浮上除去を促進させ、原料の溶解が完全に出来た段階で
即出湯可能にさせるものである。
原料の中には、発色を妨害する鉄やマンガンを少量含
んでいるので、これらの妨害を打消す目的でZnOを添加
する。溶解物中のFeO+MnOの含有量により、溶解物の凝
固後の色調を無色透明または乳白色にするためのZnO必
要量が変化し、妨害成分の量が増加すると、それにつれ
てZnOを増加することが必要である。しかし、FeO+MnO
が1%を越えると脱色が困難になり、凝固物の破面に灰
色が残った。またFeO+MnOが1%以下でも、ZnOの添加
量が足りないと、完全脱色出来ないことが判った。更に
ZnOは超微粉であり、粒径が0.2μm以下のため、溶解中
に白色ヒュームとなって大気中に飛散しやすいので、そ
の添加量が制限される。以上のような背景からZnOの添
加量を溶解物100部に対して最大15部とした。また、妨
害成分は、鉱滓以外の天然の原料中にも少量(〜0.1
%)含まれており、ZnOを使用しないと、完全脱色が出
来ないことが判明した。そのため、最低ZnOを溶解物100
部に対して最低5部添加することが必要であるとの結論
を得た。
(実施例) 以下に、本発明の実施例を示す。溶解方法は、グラフ
ァイト電極を用いた抵抗式電気炉で行なった。
本発明では必要な成分を得る手段として、より安価で
産業副成品である高炉スラグやフェロアロイスラグ等の
鉱滓を原料の一部に使用する。高炉スラグとフェロアロ
イスラグの化学成分の一例を第1表に、使用原料の配合
比を第2表に示す。
第3表,第4表,第5表および第6表はそれぞれ溶解
物中のSiO2,Na2CO3,CaF2およびFeO+MnOの成分含有量を
変化させて、所望する特性値を得るための各成分の範囲
を調査したものである。調査方法は、炉の中で溶け落ち
た状態すなわち湯の表面が完全に溶けた状態を肉眼で確
認した後、溶湯を1300〜1400℃に10分間保持した状態
で、SUS304ステンレス鋼丸棒を湯の中に挿入して引き上
げ、大気中で凝固させた時の付着物の外観を観察して判
定した。すなわち、丸棒の表面に形成されたガラス状被
膜に気泡がなく、ZnOによる脱色状態が無色透明または
乳白色状態である場合は、所望する特性を現出している
ものとした。
なお、ZnOによる脱色効果調査のため、使用原料中のF
eOの不足分は、ミルスケールを所定量添加することで補
った。
第3表〜第6表に示す調査結果から、本発明が所望す
る特性を有する工芸ガラス原石を得るためには、溶解物
中にSiO2を40〜60%、Na2CO3を5〜15%、CaF2を3〜20
%含有させ、かつFeO+MnOを1%以下に制限するととも
に着色剤として少なくともZnOを溶解物100部に対して5
〜15部添加して溶解することが必要であるとの結論を得
た。
なお上記実施例では着色剤としてZnOを単独で使用し
て工芸ガラス原石の色調を無色透明または乳白色とした
が、もちろんZnOに加えて他の着色剤を添加して所望の
色調(ブルー、グリーン、レッド、ブラウン、イエロー
等)を得ることもできる。この場合のZnOはFeO+MnOに
よる暗黒色の脱色剤として作用する。すなわちZnOによ
り無色透明または乳白色にした状態で着色剤を作用させ
る。
(発明の効果) 本発明による工芸ガラス原石の製造方法によれば、溶
解物の粘性を下げるのに従来のように長時間(3〜4時
間)高温(1400℃)保持するのでなく、Na2CO3およびCa
F2を所定量溶解物中に含有させるという簡単な手段によ
り短時間(10分間程度)で粘性を下げることができるの
で多量の熱エネルギーを消費することはなく経済的であ
る。これにより短時間に溶解物中に含まれる気泡が浮上
除去できる。又発色を妨害するFeO+MnOを1%以下にお
さえるとともにZnOを溶解物100部に対して5〜15部添加
するので充分に無色透明または乳白色となるから着色剤
が有効に作用し所望の色調の工芸ガラス原石を得ること
ができる。
また、本発明の製造方法により得られる工芸ガラス原
石は、その凝固物の破面が鮮やかな色調と光沢を有する
ので、高級テラゾー用種石等に使用して独特な景観材料
を提供することが出来る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉱滓を含む原料を溶解して得られる SiO2:40〜60% Na2CO3:5〜15% CaF2:3〜20% FeO+MnO:1以下 の溶解物:100部に対して着色剤として少なくともZnO:5
    〜15部を添加して溶解し、凝固することを特徴とする工
    芸ガラス原石の製造方法。
JP19461689A 1989-07-27 1989-07-27 工芸ガラス原石の製造方法 Expired - Lifetime JP2596834B2 (ja)

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