JP2596652Y2 - テープリール駆動機構におけるアイドラ中立機構 - Google Patents

テープリール駆動機構におけるアイドラ中立機構

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JP2596652Y2
JP2596652Y2 JP1992007329U JP732992U JP2596652Y2 JP 2596652 Y2 JP2596652 Y2 JP 2596652Y2 JP 1992007329 U JP1992007329 U JP 1992007329U JP 732992 U JP732992 U JP 732992U JP 2596652 Y2 JP2596652 Y2 JP 2596652Y2
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敬司 三根
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、VTRのカセットテ
ープ等のテープの正逆の巻き取りを行うテープリール駆
動機構におけるアイドラ中立機構に関する。
【0002】
【従来の技術】VTRなどにおいて、カセットテープの
正逆方向の巻き取りを1つのモータ(主としてキャプス
タンモータ)で行おうとした場合、左右のリール間を往
復するアイドラ機構を用いるのが―般的である。そし
て、巻き取りのスピードは低速から高速まであり、また
巻き取りトルクも強弱があるので、上下2つのアイドラ
機構を使用して、前記の巻き取りスピードの速度の大
小、巻き取りトルクの大小に対応して切り換える方式が
用いられる場合がある。
【0003】前記上下2つのアイドラ機構のうちのFF
駆動(早送り)およびREW駆動(巻き戻し)を行う下
アイドラ機構を本考案の実施例の図の1つでもある図8
を参照して説明すると、図示略のキャプスタンモータに
よりプーリが駆動されると、プーリと一体の入力ギヤ1
が例えば反時計方向に駆動され、この入力ギヤ1とかみ
合うギヤ3およびこれと一体の駆動ギヤ5および図示せ
ぬ駆動上ギヤが時計方向に一体に回転し、前記駆動下ギ
ヤ5とかみ合う従動ギヤ10およびこれと一体の下アイ
ドラ11が反時計方向に回転する。従動ギヤ10および
下アイドラ11に共通の軸12は、駆動ギヤ軸6を中心
として首振り回動可能な下アイドラアーム13の先端部
に回転可能に取り付けられている。符号16は供給リー
ル、符号20は供給リール16と一体の供給リール下ギ
ヤ、符号21は巻き取りリール17と一体の巻き取りリ
ール下ギヤであり、FF駆動時には駆動下ギヤ5からの
時計方向の回転力により下アイドラアーム13が図示の
ように右側に首振りし下アイドラ11が巻き取りリール
下ギヤ21とかみ合う。したがって、反時計方向に回転
する下アイドラ11により駆動されて、巻き取りリール
下ギヤ21およびこれと一体の巻き取りリール17が時
計方向に回転しテープのFF駆動を行う。
【0004】上下のアイドラ機構を切り換える場合、例
えばFF駆動から再生駆動へと切り換える場合、駆動系
を停上させた後(キャプスタンモータを停止させた
後)、従来のアイドラ中立機構を示す図10のように下
アイドラ用ラック39を矢印a方向に駆動してリンク部
材35を固定の軸37を中心として矢印b方向に回動さ
せ、連結ピン36を介して連結された中立アーム31を
固定の中心軸32を中心としてバネ33の反発力に抗し
て反時計方向(矢印c方向)に回動させ、中立アーム3
1に設けた扇形状のアイドラ案内穴31aによって下ア
イドラ11の軸12を図10の実線で示す中立位置に移
動させる。その後、中立位置に保持していた上アイドラ
をフリーにし、巻き取りリール下ギヤ21側または供給
リール下ギヤ20側の左右に首振り回動自由な状態とす
る。ここで入力ギヤ1を再び反時計方向に回転駆動して
ギヤ3と同心一体の駆動上ギヤを正方向に駆動させる
と、上アイドラが巻き取りリール上ギヤとかみ合い再生
駆動となる。なお、供給リール16と下ギヤ20、巻き
取りリール17と下ギヤ21はそれぞれクラッチ機構を
介して一体となっており、再生駆動時のトルク調整を行
っている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】この場合、下アイドラ
11の供給リール下ギヤ20または巻き取りリール下ギ
ヤ21に対するギヤのかみ合いの食い込み角度θが90
°以上となっているので、ギヤ同士の食い込みが発生す
ることが問題となる。すなわち、図8において、始端ア
イドラ11は駆動系からの回転により矢印F方向に力を
受けているが、この力Fのかみ合い相手ギヤ方向の成分
(巻き取りリール下ギヤ21に向かう成分)F’によっ
てギヤ同士の食い込みが発生し、この下アイドラ11を
巻き取りリール下ギヤ21から引き離すために非常に大
きな力が必要になる。したがって、リンク部材35によ
り連結ピン36を介して連結された中立アーム31を下
アイドラ用ラック39により反時計方向(矢印c方向)
に回転駆動する際に、下アイドラ11の軸12が中立ア
ーム31のアイドラ案内穴31aに沿って中立位置31
bに移動する動作がスムーズでなく、音の発生やリンク
系の耐久性に悪影響を与えるという問題がある。
【0006】上述の下アイドラ11を巻き取りリール下
ギヤ21から引き離す際の食い込みの問題を解決する手
段としては、(1)駆動系が停止した時に、ギヤどうし
の食い込みが発生しないようなギヤ構成とする。(2)
食い込みを解除した後に切り離し動作を行う構成とす
る、という2つの方法が考えられる。しかしながら、
(1)の方式として食い込み角を90°にとることは、
スペースその他の制約により設計の自由度が少なくなっ
てしまう。また、前記(2)の方式は食い込みを解除す
るために駆動系が停止した後、駆動系を逆転させること
で下アイドラ11を反対方向に振らせることにより実現
することができる。しかし、単に逆転させただけでは、
反対方向に振らせ過ぎて反対側のリール(この場合の供
給リール側のギヤ20)にかみ合ってしまうので、下ア
イドラ11を左右いずれもギヤ20、21にも接触しな
い中心位置に停止させる制御が必要となるが、この中立
位置に停止させる制御は高度のセンサ機能とサーボコン
トロールが必要であり、コスト等の面から現実的でない
といった課題があったまた、特開平3−8160号
「テープ状体の停止装置」には、テープ状体を高速の走
行状態から停止させるときに、リール台に制動をかける
前にリール台に対する駆動力の伝達を強制的に切り離
し、テープ状体を短時間で確実に停止できるようにした
テープリール駆動機構が開示されている。このものは、
供給リールと巻き取りリールの各リール台に対して選択
的にかみ合うアイドルギヤにより、単一の回転駆動源す
なわちキャプスタンモータからの動力をもってテープを
早送り或いは巻き戻す構成とされているが、キャプスタ
ンモータへの停止指令と同時に電磁石に通電して板カム
を開放し、ばね力により移動する板カムがレバーを介し
てアイドルギヤをギヤから離脱させる構成であり、キャ
プスタンモータの慣性力を断つことで停止時間を短縮し
たに過ぎず、早送り又は巻き戻しモードから記録再生モ
ード或いは逆方向への高速走行モードへ移行するさいに
一回は通過しなければならない中立状態を、駆動系に無
理をかけることなく如何にして実現するかといった技術
要請に応えるものではないことは明らかであった。ま
た、高速走行モードからテープを停止させる場合に、キ
ャプスタンモータからリール台に対するの駆動力の伝達
を遮断してしまうため、キャプスタンモータ自体はリー
ル台に対する回転負荷から除外されてしまう結果、慣性
負荷ではなくより積極的な回転負荷としてブレーキ機構
を設ける必要があり、機構部分の構成が複雑化するとい
った課題を抱えるものであり、また対象課題を提起した
従来技術にしても、テープが一方向に高速走行している
最中にキャプスタンモータに対して逆極性の駆動電圧を
印加してしまうため、アイドルギヤに対して衝撃的に無
理な力が作用しやすく、寿命を縮めやすい等の課題を抱
えるものであった。 また、実開昭61−40743号
「記録再生装置のモード切換え装置」には、早送りモー
ドから巻き戻しモードに移行するさいに、テープテンシ
ョンを調整するバンドブレーキが解除される前に、回動
アームシフト部材によりアイドラギヤ(駆動ギヤ)を強
制的に供給リール側に切換えることにより、テープを弛
ませることなく巻き戻しモードに移行できるようにした
テープリール駆動機構が開示されている。しかしなが
ら、このものは、早送りモードから巻き戻しモードに移
するさいに発生するテープの弛みを防止するための技
術であり、回動アームシフト部材はアイドラギヤを中立
位置に保持するものでないため、早送りモードや巻き戻
しモードといった高速走行モードから他の例えば記録モ
ード或いは再生モードに移行する過程で不可避的に通過
しなければならない中立位置に向けて、アイドラギヤを
如何にして無理なく確実に移動させるかといった技術的
要請に応えるものでないことは明らかであった。
【0007】本考案は、上記従来の欠点を解消するため
になされたもので、首振り式のアイドラ機構における切
り換え動作時のアイドラのかみ合い相手ギヤからの引き
離し動作を円滑に行うことができ、切り換え動作時ま発
生音の軽減および過負荷発生の防止を図ることができる
テープリール駆動機構におけるアイドラ中立機構を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この課題を解決する本考
案は、供給リールに同心一体化した第1のギヤと、巻き
取りリールに同心一体化した第2のギヤと、モータによ
り駆動される駆動ギヤと、該駆動ギヤに遊星的にかみ合
い、遊星変位とともに前記第1および第2のギヤのそれ
ぞれに選択的にかみ合うアイドラと、該アイドラを前記
第1のギヤ又は第2のギヤにかみ合わせるかみ合い位置
と前記アイドラを前記第1および第2のギヤとのかみ合
いから離脱させる中立位置との間を揺動する中立アーム
と、該中立アームを前記かみ合い位置に保持する揺動規
制状態から駆動力を受けて変位させ、該中立アームに対
する揺動規制を解除するリンク部材と、該リンク部材と
前記中立アームの間に配設され、該中立アームを前記中
立位置の方向に付勢するバネと、前記揺動規制解除時
に、前記第1又は第2のギヤに対する前記アイドラのか
み合い力を弱める方向に前記モータを所定時間だけ駆動
し、前記バネの付勢力に加勢して前記中立アームの前記
かみ合い位置から前記中立位置への揺動を支援するかみ
合い力緩和手段とを具備することを特徴とするものであ
る。
【0009】
【作用】上記構成において、首振り式のアイドラが例え
ば巻き取りリールと同軸一体のギヤとかみ合っており
このアイドラの回転により巻き取りリールが回転駆動さ
れる状態とする(FF状熊)。次に、停止動作を行う
と、巻き取りリールは専用のブレーキ機構で負荷を加え
られ停止するが、駆動系は慣性力の影響で即座には停止
せず、アイドラと巻き取りリールのギヤの間で食い込み
が発生する。ここで、アイドラを駆動している駆動ギヤ
を逆転させると、アイドラは逆転するとともに駆動ギヤ
から受ける力で巻き取りリール側のギヤから離れる方向
に移動する。すなわち、アイドラの巻き取りリール側の
ギヤに対する食い込みが解除される。一方、中立アーム
は予めバネにより中立位置方向に付勢されているので、
アイドラの食い込みが解除された瞬間にバネの力で中立
位置方向に揺動し、アイドラを中立位置にもっていく。
この場合、アイドラの食い込みが解除された状態では、
アイドラを中立位置にもっていくために大きな力は必要
がないこと、および予め中立アームにバネの力が加わっ
ているため食い込みが解除された時に瞬間的に動作でき
ることで、高度のセンサ機能やサーボコントロールを装
備しなくてもアイドラを中立位置に移動させる動作を確
実に実現することができる。
【0010】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図1〜図9を参照
して説明する。この実施例は、VTRにおけるカセット
テープを正逆方向に巻き取り駆動するテープリール駆動
機構であり、図3にテープリール駆動機構の平面図、図
4に図3A−A’線断面およびA−B線断面を合わせ
て表したギヤかみ合い図を示す。また、図5および図7
は図3のテープリール駆動機構における上アイドラ側の
みを描いた平面図で、図5は上アイドラが中立位置にあ
る状態、図7は上アイドラが再生駆動状態にある図であ
る。図6および図8は図3のテープリール駆動機構にお
ける下アイドラ側のみを描いた平面図であり、図6は下
アイドラが中立位置にある状態、図8は下アイドラがF
F駆動状熊にある図である。図3〜図8に示される機構
自体は従来と同様である。
【0011】これらの図において、符号1は図示略のキ
ャプスタンモータにより駆動されるプーリと一体の入力
ギヤである。この入力ギヤ1とかみ合うギヤ3と一体に
駆動上ギヤ4および駆動下ギヤ5が設けられている。符
号6は同心のこの3つのギヤ3、4、5の中心軸であ
る。この軸6上に上アイドラアーム9および下アイドラ
アーム13がそれぞれ個別に回動可能に取り付けられて
いる。
【0012】前記上アイドラアーム9の先端部に前記駆
動上ギヤ4とかみ合う上アイドラ7が回動可能に取り付
けられている。符号16は供給リール、符号17は巻き
取りリールであり、供給リール16と一体に供給リール
下ギヤ20が設けられ、また共給リール16とクラッチ
機構を介して一体に供給リール上ギヤ18が設けられて
いる。巻き取りリール17と一体に巻き取りリール下ギ
ヤ21が設けられ、また巻き取りリール17とクラッチ
機構を介して一体に巻き取りリール上ギヤ19が設けら
れている。符号22は供給リール16の軸、符号23は
巻き取りリール17の軸である。前記上アイドラ7は上
アイドラアーム9が首振り回動することにより遊星的に
変位し、供給リール上ギヤ18または巻き取りリール上
ギヤ19と選択的にかみ合い可能である。
【0013】前記下アイドラアーム13の先端部に
記駆動下ギヤ5とかみ合う従動ギヤ10およびこの従動
ギヤ10と同心一体の下アイドラ11が回転可能に取り
付けられている。この下アイドラ11は、下アイドラア
ーム13が首振り回動することにより遊星的に変位し、
供給リール下ギヤ20または巻き取りリール下ギヤ21
と選択的にかみ合い可能である。
【0014】また、図5において符号25は上アイドラ
7を供給リール上ギヤ18および巻き取りリール上ギヤ
19のいずれともかみ合わない中立位置に保持するため
の中立保持部材であり、上アイドラアーム9の上アイド
ラ7側と反対側の端部に設けた中立保持用のピン27を
中立位置に導くことができるようにY形をなし、固定の
ガイドピン26を挿通させる長穴25aを備え、Y形の
二股部と反対側の端部に上アイドラ7を中立位置に保つ
中立動作の際に図の2点鎖線位置から図の実線位置まで
矢印d方向に移動するラック28に当接するピン25b
を備えている。
【0015】図1は本考案のアイドラ中立機構の一実施
例を示す平面図で、符号31は下アイドラ11を中立位
置に移動させるための中立アームであり、固定の中心軸
32を中心として反時計方向(矢印C方向)に揺動して
軸12を中立位置に案内する扇形状のアイドラ案内穴3
1aおよび中立位置講31bを備えている。この中立ア
ーム31は固定側に一端を取り付けたバネ33によって
中心軸32を中心とする時計方向に付勢されている。
【0016】符号41は中立アーム31を中立動作方向
(中心軸32を中心とする反時計方向(矢印c方向))
に回転駆動するためのリンク部材である。このリンク部
材41は固定の軸44を中心として回動可能であり、中
立動作時に図の実線位置から矢印a方向に移動する下ア
イドラ用ラック39に当接するピン45および中立アー
ム31上のピン42を係合させるコ字形の係合部43を
備えている。
【0017】符号46は中立アーム31を中立動作方向
(矢印c方向)に付勢するねじりコイルバネである。こ
のバネ46は、固定の軸48にコイル部分が装着され、
一端が前記中立アーム31側のピン12に当接し他端が
リンク部材41上のピン45側部分に当接している。こ
れにより、バネ46はリンク部材41を反時計方向(矢
印bと反対方向)に付勢してピン45を下アイドラ用ラ
ック39に接触させるとともに、中立アーム31上のピ
ン42を介して中立アーム31を中立動作方向(矢印c
方向)に付勢することができる。なお、符号49は中立
アーム31の時計方向の回動限界を規定するストッパで
ある。
【0018】次に動作について説明する。FF駆動状態
から再生駆動に切り換える場合について述べる。FF駆
動状態では、上アイドラ7は図5に示す中立位置にあ
り、下アイドラ11が図8に示すように卷き取りリール
下ギヤ21側とかみ合った状態にある。この状態で図示
略のキャプスタンモータにより図示略のプーリが回転駆
動され、プーリと一体の入力ギヤ1が図8において反時
計方向に回転する。これにより、ギヤ3およびこれと一
体の駆動下ギヤ5が時計方向に回動する。なお、駆動上
ギヤ4も一体に回転するが、上アイドラ7が中立位置に
あるので単に空転する。この駆動下ギヤ5により従動ギ
ヤ10およびこれと一体の下アイドラ11が反時計方向
に回転し、下アイドラ11とかみ合う巻き取りリール下
ギヤ21およびこれと一体の巻き取りリール17が時計
方向に回転し、テープの早送り(FF駆動)を行う。
【0019】ここで、再生ボタンを押すと、まず停止状
態になる。図1に示すように下アイドラ用ラック39が
右方(矢印a方向)に移動して図2に示す状態となる。
この状態では、リンク郎材41が軸44を中心として時
計方向(矢印b方向)に回動し、中立アーム31に対す
る揺動規制を解除する。同時にまた、バネ46が圧縮さ
れて中立アーム31側のピン42を付勢するため、この
バネ46により中立アーム31が中心軸32を中心とし
て反時計方向の力(つまり中立動作方向の力)を受け
る。しかし、下アイドラ11が巻き取りリール下ギヤ2
1に食い込んでいるので、バネ46の力では中立アーム
31のアイドラ案内穴31aで下アイドラ11の軸12
を移動させるには力が不足し、図2に実線で示すように
中立アーム31のピン42はリンク部材41の係合部4
3から離れ、中立アーム31はバネ46で反時計方向に
付勢された状態で待機する。ここで図9のタイミングチ
ャートの(イ)に示すようにキャプスタンモータをRE
W方向に短時間だけ逆転させると、駆動下ギヤ5が逆転
することにより下アイドラ11に軸6を中心として反時
計方向に首振り回動する力が作用し、反対側の供給リー
ル下ギヤ20側に移動し始める。こうして下アイドラ1
1の巻き取りリール下ギヤ21に対する食い込みが解除
されると、予め力を作用させていたバネ46の力で中立
アーム31がその解除された瞬間に反時計方向に回転
し、下アイドラ11の軸12は反対側の供給リール下ギ
ヤ20側に移動する間もなく、アイドラ案内穴31aに
ほぼ沿って中立位置溝31b内に収まる。こうして、ア
イドラ11が図6に示す中立位置に保持される。
【0020】なお、図9のタイミングチャートに示した
例では、キャプスタンモータを逆転させた後再び瞬間的
に正転させているのは、下アイドラ11が停止状態に入
った直後、駆動経路のべルト等による反力で反対側に首
振りして、供給リール下ギヤ20に食い込んだ場合で
も、確実に中立動作を行うようにするためである。
【0021】次いで、上アイドラ用ラック28を図5の
実線で示す中立位置からから2点鎖線で示す位置へと右
方に移動させ、中立保持部材25による中立保持を解除
し、フリーな状態とする。続いてキャプスタンモータを
再び正転方向に回転させると、入力ギヤ1が再び反時計
方向に回転し、駆動上ギヤ4が時計方向に回転し、この
駆動上ギヤ4の回転力によって上アイドラ7が反時計方
向に回転するとともに、軸6を中心として右方に首振り
回動し、図7に示すように巻き取りリール上ギヤ19と
かみ合う。これにより、上アイドラ7による巻き取り動
作すなわち再生動作が行われる。
【0022】なお、その他の切り換え動作については、
FF駆動からREW駆動への切り換えの場合は、単に逆
転させて下アイドラ11を反対側に首振り回動させれば
よく中立位置に保持する必要もないので、本考案を適用
する必要はない。また、REWから再生駆動に切り換え
る動作については、FFから再生駆動に切り換える動作
と同様に考えればよい。また、再生状態がFF駆動に切
り換える場合は、再生時の巻き取り速度は低速でありか
つ駆動トルクも弱いので、上アイドラ7を巻き取りリー
ル上ギヤ19から引き離すために大きな力は不要であ
り、本考案を適用する必要は特にない。
【0023】なお、実施例では、上下のアイドラ機構を
切り換える場合について説明したが、1つのアイドラ機
構しかない場合でも、アイドラをかみ合い相手側ギヤか
ら引き離す際に食い込みの間題がある場合であれば、本
考案を適用可能である。
【0024】また、実施例ではVTRのカセットテープ
のテープリール駆動機構における下アイドラの切り換え
について説明したが、この場合に限定されるものではな
く、その他の種々のテープリール駆動機構においてギヤ
同士の食い込みにより大きな引き離し力を要する場合に
適用可能である。
【0025】
【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
アイドラを中立位置に移動させる際に、アイドラをかみ
合い相手ギヤから引き離す力として、中立アームとリン
ク部材の間に配設したバネとモータの逆転駆動力とを用
い、バネ力に逆転駆動力が加勢してギヤ同士の食い込み
を解除するようにしたから、かみ合い相手ギヤからアイ
ドラを切り離すのに大きな力は必要でなく、モータ動力
によりアイドラの食い込みを解除した上でバネ力により
中立位置まで変位させるため、モータの逆転はアイドラ
の食い込みが解除されるまでのごく僅かな期間で十分で
あり、したがってかみ合い位置から中立位置への動作時
に異常な機械音等が発生することはなく、また駆動ギヤ
の逆転に伴いアイドラの食い込みが解除された後は、リ
ンク部材と中立アームと両者間に介在するバネが有効に
機能し、中立アームを中立位置にまで移動させるため、
反対側のギヤへのアイドラの行き過ぎを防止することが
でき、これによりアイドラを確実に中立位置に保持する
ことができ、またかみ合い位置から中立位置への移動の
過程で過負荷状態が発生しないので、リンク部材から中
立アームへの変位伝達系の耐久性が損なわれるといった
ことはなく、テープリール駆動機構の動作信頼性を著し
く向上させることができ、また単に駆動系を逆転させる
だけの構成と異なり、アイドラを中立位置に停止させる
ために高度のセンサ機能やサーボコントロールが不要で
あり、リンク部材と中立アームの間にただ単にバネを介
在させるだけよいため、機構が極めて簡単であり、製造
コストを低く抑えることができる等の優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示すものでテープリール駆
動機構における下アイドラ中立機構の平面図である。
【図2】図1の下アイドラ中立機構の中立動作過程の一
状態を示す平面図である。
【図3】実施例のテープリール駆動機構の平面図であ
る。
【図4】図3のテープリール駆動機構におけるギヤ列の
説明図で、図3A−A’断面およびA−B断面を同時
に描いた図てある。
【図5】実施例のテープリール駆動機構における上アイ
ドラ側のみを描いた平面図であり、上アイドラが中立位
置にある状態の図である。
【図6】実施例のテープリール駆動機構における下アイ
ドラ側のみを描いた平面図であり、下アイドラが中立位
置にある状態の図である。
【図7】実施例のテープリール駆動機構における上アイ
ドラ側のみを描いた平断図であり、上アイドラが再生ま
たは記録位置にある状態の図である。
【図8】実施例のテープリール駆動機構における下アイ
ドラ側のみを描いた平面図であり、下アイドラがFF駆
動(早送り)位置にある状態の図である。
【図9】FF駆動状態から再生状態に切り換える際の動
作を説明するタイムチャートである。
【図10】従来のアイドラ中立機構の平面図である。
【符号の説明】
1 入力ギヤ 3 ギヤ 4 駆動上ギヤ 5 駆動下ギヤ(駆動ギヤ) 6 駆動ギヤ軸心 7 上アイドラ 9 上アイドラアーム 10 従動ギヤ 11 下アイドラ 12 下アイドラの軸 13 下アイドラアーム 16 供給リール 17 巻き取りリール 18 供給リール上ギヤ 19 巻き取りリール上ギヤ 20 供給リール下ギヤ 21 巻き取りリール下ギヤ 31 中立アーム 31b 中立位置溝 31a アイドラ案内穴 32 中心軸 39 下アイドラ用ラック 41 リンク部材 42 ピン 43 係合部 46 バネ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給リールに同心一体化した第1のギヤ
    と、巻き取りリールに同心一体化した第2のギヤと、モ
    ータにより駆動される駆動ギヤと、該駆動ギヤに遊星的
    にかみ合い、遊星変位とともに前記第1および第2のギ
    ヤのそれぞれに選択的にかみ合うアイドラと、該アイド
    ラを前記第1のギヤ又は第2のギヤにかみ合わせるかみ
    合い位置と前記アイドラを前記第1および第2のギヤと
    のかみ合いから離脱させる中立位置との間を揺動する中
    立アームと、該中立アームを前記かみ合い位置に保持す
    る揺動規制状態から駆動力を受けて変位させ、該中立ア
    ームに対する揺動規制を解除するリンク部材と、該リン
    ク部材と前記中立アームの間に配設され、該中立アーム
    を前記中立位置の方向に付勢するバネと、前記揺動規制
    解除時に、前記第1又は第2のギヤに対する前記アイド
    ラのかみ合い力を弱める方向に前記モータを所定時間だ
    け駆動し、前記バネの付勢力に加勢して前記中立アーム
    前記かみ合い位置から前記中立位置への揺動を支援す
    るかみ合い力緩和手段とを具備することを特とするテ
    ープリール駆動機構におけるアイドラ中立機構。
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JPH038160A (ja) * 1989-06-05 1991-01-16 Mitsubishi Electric Corp テープ状体の停止装置

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