JP2596435B2 - 複合繊維 - Google Patents

複合繊維

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JP2596435B2
JP2596435B2 JP33243387A JP33243387A JP2596435B2 JP 2596435 B2 JP2596435 B2 JP 2596435B2 JP 33243387 A JP33243387 A JP 33243387A JP 33243387 A JP33243387 A JP 33243387A JP 2596435 B2 JP2596435 B2 JP 2596435B2
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fiber
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毅 佐野
良祐 亀井
豊秋 田中
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昭和電工株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は芯層と鞘層との間の接着強度が高く、優れた
直線強度、結節強度を有し、水産業における漁網、ロー
プ、その他各種産業用繊維として好適な複合繊維に関す
る。
〔従来の技術〕
各種産業分野において使用される繊維は、それぞれの
用途によって種々な性質が要求されるが、共通して求め
られているのは、物理的強度の高いことである。
物理的強度のうち直線強度は延伸倍率を大きくして分
子の配向性を高めることによって向上させることが出来
るが、結節強度は周知のように、ある延伸倍率をピーク
として降下する。
そのため、従来、紡出、冷却、延伸などの条件をそれ
ぞれ選択、設定し、使用目的によって直線強度と結節強
度のバランスを図る方法がとられている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、上記方法では、充分な効果が得られず、高い
直線強度を保ちながら、いかにして結節強度を直線強度
に近づけるかが、紡糸技術上の大きな問題となってい
る。
本発明者等は上記の問題点を解決すべく鋭意研究した
結果、スティフネスの小さい熱可塑性樹脂からなる横断
面形状が円形以外の形状の芯層を有する複合繊維が結節
強度に寄与することを発見した。
本発明は上記の発見に基づいてなされたもので、直線
強度、結節強度の共に高い複合繊維を提供することを目
的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、上記の目的を達成すべくなされたもので、
その要旨は、高密度ポリエチレンからなる鞘層と該鞘層
に被覆された芯層とで構成された複合繊維であって、該
芯層が該鞘層の高密度ポリエチレンのスティフネスに比
して少なくとも4,000kg/cm2小さいポリオレフィン系樹
脂からなり、該複合繊維の横断面形状が円形であり、か
つ芯層の横断面形状が円形以外の形状であることを特徴
とする複合繊維にある。
〔発明の具体的構成および作用〕
本発明において鞘層用樹脂成分として高密度ポリエチ
レンが用いられる。この高密度ポリエチレンには、酸化
防止剤、熱安定剤、耐候剤、滑剤、染料等を添加しても
よい。
また、芯層用樹脂成分として用いられるポリオレフィ
ン系樹脂としては、鞘層用樹脂成分として用いられる高
密度ポリエチレンに比して、スティフネスの小さいポリ
オレフィン系樹脂を用いることが必須条件で、鞘層用樹
脂成分に対応し、かつ繊維の物理的性質および曳糸性,
延伸性などの成形性を考慮して選択することが好まし
い。
本発明でいうスティフネスとは、ASTM−D−747−70
に準じて測定した値である。芯層用樹脂成分として用い
られるポリオレフィン系樹脂のスティフネスは、鞘層用
樹脂成分として用いられる高密度ポリエチレンのスティ
フネスより少なくとも4,000kg/cm2、特に6,000〜10,000
kg/cm2小さいことが好ましい。芯層用樹脂成分として用
いられるポリオレフィン系樹脂のスティフネスが鞘層用
樹脂成分として用いられる高密度ポリエチレンのスティ
フネスより大きい場合は、紡糸ができたとしても、得ら
れた複合繊維の結節強度および直線強度が著しく低下す
る欠点を有する。
本発明の複合繊維をつくるには、2台の押出機を用い
て、芯層用樹脂成分および鞘層用樹脂成分をそれぞれの
樹脂に適した温度に保持し、加熱した二層ノズルから押
出して複合糸を紡糸し、所定温度の雰囲気で冷却して未
延伸繊維をつくり、次いで所定の温度で延伸する。
この際、二層ノズルの鞘層形成部分は円形、芯層形成
部分は円形以外の形状となっている。例えば第1図の
(a),(b),(c)および(d)に横断面図を示す
ように、複合繊維1の円形の鞘層2に囲まれる芯層3
は、6角形、長方形、十字形等となっている。
本発明でいう円形とは、真円度が1:1のものに限ら
ず、冷却、延伸等の紡糸条件によって上記真円度を保持
していないものをも含めて円形という。
芯層3が円形であれば、円形以外の形状と同じ面積の
場合、円形は外周の長さが最も短かくなり、 芯層横断面積/複合繊維横断面積=A とすれば、 で表わされる。しかし、本発明においては、芯層が非円
形であるため、 となる(但しB>1)。
本発明においてはBが1.05以上であることが望まし
い。
上記構成によって本発明の複合繊維の結節強度が向上
する理由は明確ではないが、中心にスティフネスの小さ
い軟質の芯層が存在するため、結節による中心部の応力
が緩和され、さらに、芯層が非円形であるため、鞘層と
芯層との接触面積が増大して接着力が強く一体化するた
めと思料する。
Bの値は例えば第2図に示すように、芯層3の外周形
状を複雑とすることによって大きくすることは出来る
が、現実には二層ノズルの作製が出来なくなるので、B
の値は1.7以上とすることは困難である。
〔実施例〕
次に実施例、比較例を示して本発明を説明する。
実施例1〜9および比較例1〜5 芯層用樹脂成分としてASTM D−747−70に準じて測
定したスティフネスが1,850kg/cm2の低密度ポリエチレ
ン(以下LDPEという)を用い、鞘層用樹脂成分としてAS
TM D−747−70に準じて測定したスティフネスが10,00
0kg/cm2の高密度ポリエチレン(以下HDPEという)を用
い、かつ芯層を形成するノズルが円形以外の形状を有す
る二層ノズルを用いた。
紡糸温度は280℃に設定し、LDPEとHDPEを二層ノズル
によって複合紡糸し、10℃の冷却水槽で冷却して未延伸
複合繊維を得た。次いで98℃の熱水中で10倍に延伸し
て、100m/分の速度で巻取り、径0.22mmの延伸複合繊維
を得た。また単繊維の場合は、通常の紡糸ノズルを用
い、未延伸単繊維とした他は上記の同じにして延伸単繊
維をつくった。
上記延伸複合繊維、単繊維の直線強度および結節強度
をそれぞれ測定、比較した。結果を第1表に示す。
第1表より、芯層形状が非円形の場合には、結節強度
が高く、特にBが1.05以上が好ましいことがわかる。
〔発明の効果〕
以上述べたように本発明に係る複合繊維は、結節強度
を直線強度に近づけることが可能となり、各種産業分野
において、好適に使用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図の(a),(b),(c)および(d)は、本発
明に係る複合繊維の一部の例を示す横断面図、第2図は
二層ノズルの作成が困難な場合の例を示す第1図相当図
である。 1……複合繊維、2……鞘層、3……芯層。
フロントページの続き (72)発明者 田中 豊秋 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3―2 昭 和電工株式会社川崎樹脂研究所内 (56)参考文献 特開 昭58−4819(JP,A) 特開 昭60−139814(JP,A) 実開 昭50−145812(JP,U) 特公 昭48−16449(JP,B2) 特公 昭42−13727(JP,B1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高密度ポリエチレンからなる鞘層と該鞘層
    に被覆された芯層とで構成された複合繊維であって、該
    芯層が該鞘層の高密度ポリエチレンのスティフネスに比
    して少なくとも4,000kg/cm2小さいポリオレフィン系樹
    脂からなり、該複合繊維の横断面形状が円形であり、か
    つ芯層の横断面形状が円形以外の形状であることを特徴
    とする複合繊維。
  2. 【請求項2】芯層横断面積/複合繊維横断面積をAとし
    た場合、芯層横断面の外周の長さが、 以上であることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項
    記載の複合繊維。
JP33243387A 1987-12-28 1987-12-28 複合繊維 Expired - Lifetime JP2596435B2 (ja)

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JPH01174608A JPH01174608A (ja) 1989-07-11
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