JP2596386Y2 - ファイル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本願は、綴片を一体に設けたアル
バムなどの台紙或いは書類などを綴り込むファイルに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、綴込片を一体に設けたアルバムな
どの台紙或いは書類などを綴り込む簡易で薄形のファイ
ルとして、表表紙と背表紙と裏表紙とを折線を介して一
体に連設すると共に、裏表紙の背表紙寄りの内面中央部
に、２本の綴片を並列した基片を止着し、かつ、表表紙
と裏表紙とに夫々前記綴片を挿通する前後一対の通孔を
設けると共に、前記綴片を裏表紙に設けた通孔に挿通し
て裏表紙の外面に一度表出させたのち、再び裏表紙の内
面に導き、この状態で綴片に書類などを綴り込んだの
ち、綴片を表表紙に設けた通孔より表表紙の外面に表出
させ、次いで表表紙の内面に導いて綴片を係止する構成
のもの（実開昭６３−１３４７８５号公報）或いは裏表
紙に打ち抜き加工により綴片を一体に設け、かつ、表表
紙に綴片を挿通する前後一対の通孔を設け、前記綴片を
表紙体の内面に起立した状態で書類などを綴り込んだの
ち、一対の通孔に夫々挿通して綴片を表表紙に係止する
構成のもの（実開平１−１６６９９５号公報）が存在す
る。

【０００３】

【考案が解決しようとする理由】上記した従来構成のフ
ァイルによれば、書類の押さえ金具などを使用しないの
で構造が極めて簡単で安価に提供できるが、表紙体の表
面に綴片の一部或いは綴片を打ち抜いた抜孔が表出する
ので、体裁を著しく失い、特に後者においては、表紙体
と綴片とが同一材料から成るので、表紙体の材質が限定
されるという欠陥があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本願は上記した従来のも
のの欠陥を改善するために、表表紙と背表紙と裏表紙と
を折線を介して一体に連設した表紙体の表表紙乃至裏表
紙の一方の背表紙寄りの内面中央部に、基片により複数
の綴片を並列して立設し、かつ、表表紙乃至裏表紙の他
方の背表紙寄りの内面中央部に、前後一対の通孔を前記
綴片に夫々対応して複数対配設した係止板の前後縁のい
づれか一方を起伏自在に固着したことを特徴とするもの
であり、好ましくは表紙体が厚紙から成り、綴片がポリ
プロピレンなどの合成樹脂から成り、また基片の一方の
長手辺に、綴片を一体に設けて成る場合と、基片の長手
方向に複数の切溝を隔設し、その各切溝に綴片を夫々挿
通すると共に綴片の基部を、基片と共に表表紙乃至裏表
紙の一方の内面に固着して成る場合とがあり、また綴片
を挿通し易くするために、通孔を方形状に形成すると共
に、一対の通孔のうち、背表紙から大きく離れた位置の
一方の通孔を、その他方の通孔よりも前後方向に大きく
開口し、またファイルを索引できるように表表紙乃至裏
表紙の一方の外側縁に、見出片を一体に突設して成るも
のである。

【０００５】

【作用】しかして、使用に際しては綴片を起立した状態
で、これに書類などに穿った綴孔を挿通して綴り込んだ
のち、綴片の先端を前後一対の通孔に夫々挿通して係止
板に係止するものである。

【実施例】

【０００６】以下図面にもとづいて本願の実施例を詳述
すると、本願のファイルは、表紙体１と、綴片２と、こ
れを表紙体に止着する基片３と、該綴片２を係止する厚
紙から成る係止板４とから構成される。表紙体１は、表
表紙１ａと背表紙１ｂと裏表紙１ｃとを折線５を介して
一体に連設し、表表紙１ａの側縁に見出片６を突設した
一枚の厚紙より成り、前記表表紙１ａの背表紙１ｂ寄り
の内面中央部に、例えばポリプロピレン等の樹脂から成
る２本の綴片２が基片３を介して平行状に立設される。
具体的には、細幅長尺の厚紙から成る基片３の長手方向
の２個所に切溝７を設け、この切溝７に綴片２，２を夫
々挿通すると共に、基片３を表表紙１ａの背表紙１ｂ寄
りの内面中央部に綴片２の基部２ａと共に接着すること
により綴片２を立設する。

【０００７】係止板４は方形状の厚紙より成り、その左
右位置に、前後一対の方形状の通孔８ａ，８ｂを２列に
設け、この係止板４が、前記綴片２，２と夫々対向して
裏表紙１ｃの背表紙１ｂ寄りの内面中央部にその前縁部
９が起伏自在に固着される。

【０００８】しかして、使用に際しては、表表紙１ａの
内面に起立した綴片２，２に、書類ａに穿設した綴り孔
を挿通して綴り込んだのち、綴片２，２の先端を対向す
る係止板４の一対の通孔８ａ，８ｂに夫々縫うように挿
通して綴片２，２を係止板４に係止し、この状態で表表
紙１ａと裏表紙１ｃとを閉じたり開いたりする。上記に
おいて、係止板４を裏表紙１ｃから遊離できるので、綴
片２を一対の通孔８ａ，８ｂに挿通する操作が便利であ
る。

【０００９】上記において、綴片２の挿通を容易にする
ために、係止板４の外縁寄りの一方の８ｂの前後方向の
開口を、他方の通孔８ａよりも大きく形成してある。な
お上記実施例は、２穴用ファイルの場合を示したが、綴
片２及びこれを挿通する通孔８ａ，８ｂを増加すること
により３穴あるいは４穴など多穴用のファイルが適宜構
成される。図３，４は、綴片２，２を基片３の一方の長
手辺に、起伏自在に一体に設けて成る他の実施例を示し
ており、前記基片３は綴片２と共に合成樹脂から成り、
これが表表紙１ａの内面に固着される。さらに図５，６
は、係止板４の後縁部１０を裏表紙１ｃに固着した場合
の他の実施例を示しており、この場合も裏表紙１ｃから
係止板４を遊離できるので綴片を一通の通孔に挿通する
操作が便利である。

【００１０】

【考案の効果】以上のように、本願によれば、表紙体の
内面に綴片と、これを係止する係止板とを別体に設けた
ので、表紙体と綴片とを、それらの機能に適合した材
料，材厚及び色調などに適宜に選択できて有効であると
共に、表紙体自体に何等の加工も施さないし、抜き孔や
綴片も表出しないので、体裁に優れ、また係止板を起伏
自在に設けてあるので、該係止板を表紙面より遊離して
綴片を通孔に挿通する操作も容易に行なうことができ、
さらにまた綴片を通孔に対し二重に挿通してあると共
に、綴片の大部分が係止板と表紙面との間に重合して抑
止されるので、乱りに抜脱する惧れもないなどの利点を
有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】開いた状態の総体平面図。

【図２】要部の拡大断面図。

【図３，５】他の実施例の開いた状態の総体平面図。

【図４，６】上記の実施例の拡大断面図。

【符号の説明】

１ 表紙体 １ａ 表表紙 １ｂ 背表紙 １ｃ 裏表紙 ２ 綴片 ３ 基片 ４ 係止板 ５ 折線 ６ 見出片 ７ 切溝 ８ａ，８ｂ 通孔 ９，１０ 固着部

Claims (6)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表表紙と背表紙と裏表紙とを折線を介し
   て一体に連設した表紙体の表表紙乃至裏表紙の一方の背
   表紙寄りの内面中央部に、基片により複数の綴片を並列
   して立設し、かつ、表表紙乃至裏表紙の他方の背表紙寄
   りの内面中央部に、前後一対の通孔を前記綴片に夫々対
   応して複数対配設した係止板の前後縁のいづれかー方を
   起伏自在に固着したことを特徴とするファイル。
2. 【請求項２】 表紙体が厚紙から成り、綴片がポリプロ
   ピレンなどの合成樹脂から成る請求項１記載のファイ
   ル。
3. 【請求項３】 基片の一方の長手辺に、綴片を一体に設
   けて成る請求項１または２記載のファイル。
4. 【請求項４】 基片の長手方向に複数の切溝を隔設し、
   その各切溝に綴片を夫々挿通すると共に綴片の基部を、
   基片と共に表表紙乃至裏表紙の一方の内面に固着して成
   る請求項１または２記載のファイル。
5. 【請求項５】 通孔を方形状に形成すると共に、一対の
   通孔のうち、背表紙から大きく離れた位置の一方の通孔
   を、その他方の通孔よりも前後方向に大きく開口して成
   る請求項１，２，３または４記載のファイル。
6. 【請求項６】 表表紙乃至裏表紙の一方の外側縁に、見
   出片を一体に突設して成る請求項１，２，３，４または
   ５記載のファイル。