JP2595594Y2 - 圧縮式塵芥収集車の塵芥積込装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、粗大ゴミなどの収集に
利用される圧縮式塵芥収集車の塵芥積込装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】近年、各家庭から出されるゴミの量は増
加し、かつ、その内容種類も大きく変わり、電化製品を
はじめとして家具、建具などの粗大ゴミが出されること
が多くなった。

【０００３】そこて、このような粗大ゴミの収集を効率
良く行わせるため、圧縮式塵芥収集車が利用されてい
る。この圧縮式塵芥収集車を図４に基づいて説明する。

【０００４】図４において、１は塵芥収集車の車体枠上
に搭載される塵芥収容箱であって、その後方開口部の上
端に枢軸４を以て前面を開放した投入箱２が傾動できる
ように連結されている。

【０００５】投入箱２は、その背面下方に投入口５が開
口され、その下部に塵芥の投入室６が成形されている。

【０００６】投入箱２内には、塵芥を圧縮、押潰して塵
芥収容箱１内に積込むようにした塵芥積込装置ａが装備
されている。以下この装置ａの構成について説明する
と、投入箱２の両側壁には後方に向かって下方に垂直線
に対して略40°に傾斜した案内溝７が穿設されている。

【０００７】前記投入箱２内には、その横巾方向一杯に
ひろがるパッカープレート８が収容され、このパッカー
プレート８は両側端を前記案内溝７に摺動自在に嵌合さ
せている。

【０００８】前記パッカープレート８の両側端と投入箱
２の下部との間には、投入箱２の外側に設けられるパッ
カーシリンダ９が案内溝７の傾斜方向に沿って連結さ
れ、このパッカーシリンダ９の伸縮作動によって、パッ
カープレート８を案内溝７に沿って往復摺動させること
ができる。

【０００９】前記パッカープレート８の下端には、投入
箱２の横巾方向一杯にひろがるプレスプレート10が枢軸
11を介して前後に揺動自在に枢支され、このプレスプレ
ート10の先端は前方に向かって屈曲されている。プレス
プレート10の背面に突設した突片12と前記パッカープレ
ート８の上部との間には、プレスシリンダ13が連結さ
れ、このプレスシリンダ13の伸縮作動によって、前記プ
レスプレート10を枢軸11を支点に前後に揺動させること
ができる。

【００１０】投入箱２の前面上半部には、その前面開口
部を遮る遮蔽板14が前記案内溝７に沿って設けられてい
る。

【００１１】一方、前記塵芥収容箱１内には、その内面
に摺接される排出板15が前後方向に摺動可能に収容さ
れ、図示しない油圧シリンダの伸縮作動によって、塵芥
収容箱１内の塵芥を排出することができ、塵芥積込装置
ａの作動中は、塵芥の押込圧によって、排出板15が後方
位置（図中右方位置）より徐々に前方位置（図中左方位
置）に移動できるように油圧力が調整されるようになっ
ている。

【００１２】次に、上記圧縮式塵芥収集車の動作要領に
つてい説明すると、前述した塵芥積込装置ａが作動する
ことによって、プレスプレート10後方に揺動（塵芥圧縮
積込開始）、パッカープレート８下方に摺動（塵芥一時
圧縮）、プレスプレート10後方に揺動（塵芥二次圧
縮）、パッカープレート８上方に摺動（塵芥積込完了）
といった具合に、投入箱２の投入口５より投棄された塵
芥を塵芥収容箱１内に圧縮して積込むことができる。

【００１３】ところで、上記圧縮式塵芥収集車の塵芥積
込装置ａには、プレスプレート10が塵芥圧縮開始時およ
び塵芥二次圧縮時に所定位置で揺動を停止するように制
御する手段が装備されている。その手段の要部構造は図
５〜図８に示すように、パッカープレート８の補強材８
ａを貫通してピン14を回転自在に支持させ、このピン14
の一端に固着されたアーム15の先端とプレスプレート10
の背面に突設された連結ロッド取付台16とを先端が前方
に向かって屈曲されている連結ロッド17で連結させると
ともに、前記ピン14の他端に固着されたカム18によって
接点が開閉される検出スイッチ19，20をパッカープレー
ト８の補強材８ａに取付けられた検出スイッチ取付台21
の所定位置に固着させている。

【００１４】斯かる構造において、先ず、プレスプレー
ト10が塵芥積込開始時に後方の限界位置に揺動すると、
プレスプレート10の背面に突設された連結ロッド取付台
16に下端を連結させた連結ロット17が上方に押上げられ
て当該連結ロッド17の上端に連結されたアーム15を上方
に揺動させ、このアーム15の揺動によってピン14が回動
されて当該ピン14の他端に固着させたカム18を上方に揺
動させ、このカム18によって検出スイッチ19が作動され
る。而して、検出スイッチ19に接続された制御弁などの
作用によりプレスシリンダ13の収縮作動が停止され、こ
れと同時にプレスプレート10は後方の限界位置で停止す
る。

【００１５】次に、プレスプレート10が塵芥二次圧縮時
に前方の限界位置に揺動すると、プレスプレート10の背
面に突設された連結ロッド取付台16に下端を連結させた
連結ロッド17が下方に牽引されて当該連結ロッド17の上
端に連結されたアーム15を下方に揺動させ、このアーム
15の揺動によってピン14が回動されて当該ピン14の他端
に固着されたカム18を下方に揺動させ、このカム18によ
って今度は検出スイッチ20が作動される。而して、検出
スイッチ20に接続された制御弁などの作用によりプレス
シリンダ13の伸長作動が停止され、これと同時にプレス
プレート10は前方の限界位置で停止する。

【００１６】

【考案が解決しようとする課題】ところが、従来のプレ
スプレート10を塵芥圧縮開始時および塵芥二次圧縮時に
前後の限界位置で揺動を停止する手段は、プレスプレー
ト10の前後への揺動を利用して当該プレスプレート10の
背面に突設された連結ロッド取付台16に下端を連結させ
た連結ロッド17、この連結ロッド17の上端に連結された
アーム15、このアーム15の基端を一端に固着させたピン
14を介してカム18を上下に揺動させることによって検出
スイッチ19，20を作動させてプレスプレート10を限界位
置で停止するようになされているので、構造が複雑であ
り、しかも、大きなスペースが必要であるという問題が
あった。また、従来は連結ロッド17などが大きな範囲で
作動してカバーにより被覆保護することが困難なため、
投入箱２内に露出した状態で設けられており、このた
め、粗大ゴミなどが勢いよくぶつかって連結ロッド17な
どが損傷する虞があり、このように連結ロッド17などが
損傷すると、プレスプレート10の前後の限界位置での停
止に狂いが生じて塵芥積込作業に不都合があるという問
題もあった。

【００１７】

【課題を解決するための手段】本考案は前記の問題点を
解決するため、投入箱内にその横巾一杯にひろがって収
容され、かつ、その両側部を投入箱の両側壁に上下方向
に穿設された案内溝に摺動自在に嵌合させたパッカープ
レートと、前記パッカープレートの両側部と投入箱の下
部との間に配設され、前記パッカープレートを案内溝に
沿って往復摺動させるパッカーシリンダと、前記パッカ
ープレートの下端に前後方向に摺動自在に軸支されたプ
レスプレートと、前記パッカープレートと前記プレスプ
レートとの間に配設され、前記プレスプレートを前後に
揺動させるプレスシリンダとを具備する圧縮式塵芥収集
車の塵芥積込装置において、前記プレスシリンダのシリ
ンダチューブに検知板を取付け、この検知板によって接
点が開閉される第１および第２の検出スイッチを、その
検出面をプレスシリンダに対向して前記パッカープレー
トの所定部位にそれぞれ取付けるとともに、前記第１お
よび第２の検出スイッチの検出面を樹脂製カバーでそれ
ぞれ被覆し、かつ、前記第１および第２の検出スイッチ
の検出面以外を他のカバーで被覆したことを特徴とする
圧縮式塵芥収集車の塵芥積込装置を提供するものであ
る。

【００１８】

【作用】本考案に係る圧縮式塵芥収集車の塵芥積込装置
は上述のように構成されているから、プレスシリンダの
伸縮作動を利用して当該プレスシリンダのシリンダチュ
ーブに取付けた検知板によってパッカープレートの所定
部位にそれぞれ取付けた第１の検出スイッチおよび第２
の検出スイッチの接点を開閉せしめてプレスプレートの
積込動作を制御するとともに、第１の検出スイッチおよ
び第２の検出スイッチとその検出面をそれぞれカバーに
よって投入箱に投入される塵芥から保護する。

【００１９】

【実施例】本考案に係る圧縮式収集車の塵芥積込装置を
図面に示す実施例に基づいて説明する。

【００２０】図１および図２は本考案に係る圧縮式塵芥
収集車の塵芥積込装置の要部を示す側面図および正面
図、図３は図１のＡ−Ａ線に沿う断面図である。尚、図
１〜図３において図４〜図８と同一部材には同一符号を
付し、その説明は省略する。

【００２１】図１〜図３において、21はプレスシリンダ
13のシリンダチューブ13ａの外周上部に溶着などにより
固設された検知板取付台で、検知板22をパッカープレー
ト８の側壁板８ｂとの間に取付けている。23はパッカー
プレート８の側壁板８ｂの上方に固設された第１の検出
スイッチ取付台で、検知板22によって接点が開閉される
第１の検出スイッチ24を、その検出面を投入箱２内に投
入される塵芥により損傷を受けないようにプレスシリン
ダ13に対向して取付けるとともに、その第１の検出スイ
ッチ24の検出面を樹脂製カバー25で被覆させている。26
はパッカープレート８の側壁板８ｂの下方に固設された
第２の検出スイッチ取付台で、検知板22によって接点が
開閉される第２の検出スイッチ27を、その検出面を投入
箱２内に投入される塵芥により損傷を受けないようにプ
レスシリンダ13に対向して取付けるとともに、その第２
の検出スイッチ27の検出面を樹脂製カバー28で被覆させ
ている。29はパッカープレート８の側壁板８ｂの内側に
固設された金属製カバーで、第１の検出スイッチ取付台
23および第２の検出スイッチ取付台26に取付けられた第
１の検出スイッチ24および第２の検出スイッチ27の検出
面以外を被覆している。

【００２２】本考案に係る圧縮式塵芥収集車の塵芥積込
装置の要部は以上の如き構造よりなり、次にその作用を
説明する。

【００２３】先ず、プレスプレート10が塵芥積込開始時
に後方の限界位置に揺動したときには、プレスシリンダ
13が収縮作動してそのシリンダチューブ13ａが上昇する
から、このシリンダチューブ13ａに検知板取付台21を介
して取付けられた検知板22が上昇し、この検知板22の上
昇によって第１の検出スイッチ24の接点を開閉させる。
而して、第１の検出スイッチ24に接続された制御弁など
の作用によりプレスシリンダ13の収縮作動が停止され、
これと同時にプレスプレート10は後方の限界位置で停止
する。

【００２４】次に、プレスプレート10が二次圧縮時に前
方の限界位置に揺動したときには、プレスシリンダ13が
伸長作動してそのシリンダチューブ13ａが下降するか
ら、このシリンダチューブ13ａに検知板取付台21を介し
て取付けられた検知板22が下降し、この検知板22の上昇
によって第２の検出スイッチ27の接点を開閉させる。而
して、第２の検出スイッチ27に接続された制御弁などの
作用によりプレスシリンダ13の伸長作動が停止され、こ
れと同時にプレスプレート10は前方の限界位置で停止す
る。

【００２５】要するに本考案は、プレスプレート10を前
後に揺動させるプレスシリンダ13のシリンダチューブ13
ａに検知板22を取付け、プレスシリンダ13の伸縮作動を
利用して検知板22によってパッカープレート８の側壁板
８ｂの所定位置に取付けた第１の検出スイッチ24および
第２の検出スイッチ27の接点を開閉せしめ、プレスプレ
ート10の積込作動を制御するものである。これにより、
プレスプレート10の積込作動を制御する構造を従来のも
のより簡単にすることができる。また、第１の検出スイ
ッチ24および第２の検出スイッチ27を、その検出面をプ
レスシリンダ13に対向して取付けるとともに、その第１
の検出スイッチ24および第２の検出スイッチ27の検出面
を樹脂製カバー25および28でそれぞれ被覆し、かつ、第
１の検出スイッチ24および第２の検出スイッチ27の検出
面以外を金属製カバー29で被覆してあるので、第１の検
出スイッチ24および第２の検出スイッチ27の検出面を投
入箱２内に投入される塵芥に直撃され難くできるととも
に、カバー25，28および29によって第１の検出スイッチ
24および第２の検出スイッチ27とその検出面を粗大ゴミ
などとのぶつかりにより損傷しないように保護でき、プ
レスプレート10の前後の限界位置での停止に狂いが生じ
ることがない。

【００２６】

【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
プレスシリンダの伸縮作動を利用して当該プレスシリン
ダのシリンダチューブに取付けた検知板によってパッカ
ープレートの所定部位にそれぞれ取付けた第１の検出ス
イッチおよび第２の検出スイッチの接点を開閉せしめて
プレスプレートの積込作動を制御するようにしたから、
簡単な構造にすることができてコンパクトに装備するこ
とができ、しかも、第１の検出スイッチおよび第２の検
出スイッチの検出面をプレスシリンダに対向して取付け
るとともに、その第１の検出スイッチおよび第２の検出
スイッチとその検出面をそれぞれカバーで被覆するよう
にしたから、粗大ゴミなどとのぶつかりによる損傷を防
止できてプレスプレートを何時までも狂いが生じること
なく正確に停止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る圧縮式塵芥収集車の塵芥積込装置
の要部を示す側面図である。

【図２】本考案に係る圧縮式塵芥収集車の塵芥積込装置
の要部を示す正面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線に沿う断面図である。

【図４】圧縮式塵芥収集車の塵芥積込装置を示す圧縮式
塵芥収集車後部の概略側面図である。

【図５】従来の圧縮式塵芥収集車の塵芥積込装置の要部
を示す側面図である。

【図６】従来の圧縮式塵芥収集車の塵芥積込装置の要部
を示す正面図である。

【図７】図６の矢印Ｂから眺めた図面である。

【図８】図７のＢ−Ｂ線に沿う断面図である。

【符号の説明】

１ 塵芥収容箱 ２ 投入箱 ａ 塵芥積込装置 ８ パッカープレート ９ パッカーシリンダ 10 プレスプレート 13 プレスシリンダ 13ａ シリンダチューブ 22 検知板 24 第１の検出スイッチ25 カバー 27 第２の検出スイッチ28 カバー 29 カバー

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B65F 3/00 - 3/22

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 投入箱内にその横巾一杯にひろがって収
   容され、かつ、その両側部を投入箱の両側壁に上下方向
   に穿設された案内溝に摺動自在に嵌合させたパッカープ
   レートと、 前記パッカープレートの両側部と投入箱の下部との間に
   配設され、前記パッカープレートを案内溝に沿って往復
   摺動させるパッカーシリンダと、 前記パッカープレートの下端に前後方向に摺動自在に軸
   支されたプレスプレートと、 前記パッカープレートと前記プレスプレートとの間に配
   設され、前記プレスシプレートを前後に揺動させるプレ
   スシリンダとを具備する圧縮式塵芥収集車の塵芥積込装
   置において、 前記プレスシリンダのシリンダチューブに検知板を取付
   け、この検知板によって接点が開閉される第１および第
   ２の検出スイッチを、その検出面をプレスシリンダに対
   向して前記パッカープレートの所定位置にそれぞれ取付
   けるとともに、前記第１および第２の検出スイッチの検
   出面を樹脂製カバーでそれぞれ被覆し、かつ、前記第１
   および第２の検出スイッチの検出面以外を他のカバーで
   被覆したことを特徴とする圧縮式塵芥収集車の塵芥積込
   装置。