JP2594687B2 - エコーキャンセラ - Google Patents

エコーキャンセラ

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JP2594687B2
JP2594687B2 JP2161655A JP16165590A JP2594687B2 JP 2594687 B2 JP2594687 B2 JP 2594687B2 JP 2161655 A JP2161655 A JP 2161655A JP 16165590 A JP16165590 A JP 16165590A JP 2594687 B2 JP2594687 B2 JP 2594687B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はエコーキャンセラに関し、特に2線式全2
重ディジタルデータ伝送システムのためのエコーキャン
セラに関する。
〔従来の技術〕
データ伝送システムはデータ回線終端装置(DCE;Data
Circuit Terminating Equipment)に連結する物理的な
伝送媒体の数により2線式と4線式とに区別される。2
線式伝送システムは双方向の通信を一対の方向性を持た
ない伝送路を介して行う。4線式伝送システムは片方向
ずつそれぞれ独立した伝送路を介して通信を行う。ま
た、データ伝送システムは同一伝送路を使用して同時に
双方向の通信を行う全2重と、同一伝送路を時間的に分
割して双方向の通信を行う半2重とに区別できる。長距
離通信回線を有するデータ伝送システムを構築する場
合、伝送路の設備費及び伝送効率の両面を考慮すると、
2線式全2重が4線式及び半2重に比べて有利であるこ
とは良く知られている。この2線式全2重データ伝送シ
ステムは音声通信,データ通信及びファクシミリ通信な
どのサービスを提供し、通信情報をアナログ番号形式だ
けではなく、近年特にディジタル信号形式で伝送するた
めに利用されている。
一方、ディジタル技術の進展に伴い、電話網において
も交換機及び伝送路のディジタル化が推進され、これら
のディジタル設備を結合した1つのディジタル通信網に
より、電話通信,データ通信及びファクシミリ通信など
の各種通信サービスを一元的に提供しようとするディジ
タル総合サービス網(ISDN:Integrated Services Digit
al Network)の構築が進められている。このISDNの構築
により、交換機及び伝送路などの設備のディジタル化に
より経済化を図ることができるだけではなく、通信情報
をディジタル信号により端末から端末まで伝送すること
による伝送(通信)品質の向上を図ることができる。
このような利点を有するISDNのディジタル通信網から
多重多様なサービスを受けるためには、ユーザ2線式全
2重通信の可能なディジタル伝送路を介してこの通信網
に収容されることが上述した理由、つまり伝送路の有効
利用を図ることより好ましい。しかしながら、2線式全
2重ディジタルデータ伝送を行う場合、通信経路に生じ
るエコーをディジタル信号処理技術によって消去できる
エコーキャンセラが必要となる。
2線式全2重ディジタルデータ伝送システムに適合す
る従来のエコーキャンセラは、トランスバーサルフィル
タによる適応形ディジタルフィルタを用いて構成されて
いる。このエコーキャンセラは、適応形ディジタルフィ
ルタによりエコー経路の時変的な伝達特性を適応的に推
定して擬似エコー信号(エコーレプリカ)を発生し、エ
コー経路からのエコー信号を含む遠端信号より擬似エコ
ー信号を差し引くことによりエコー成分を消去する。一
般的にこの適応形フィルタのタップ係数の推定には、比
較的安定した収束が期待できる学習同定法が適用され
る。このようなエコーキャンセラの一例は米国特許公報
第4,087,654号に開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来のエコーキャンセラは次のような
問題を有する。すなわち、エコーキャンセラによるエコ
ーのインパルス応答は有限ではなく、ハイブリッド回路
を構成するハイブリッドトランスのインピーダンス及び
整合用インピーダンスなどにより定まる放電時定数の影
響によって指数関数的に減衰して無限に継続する。この
収れん期(エコーテール)に対応してエコーキャンセラ
で消去できなかった残留エコー信号には、数10Hz程度以
下の低周波成分が含まれ、低周波雑音となって通信品質
を劣化させることになる。このような長時間にわたって
残留する低周波成分を消去して必要な残留エコー抑圧量
を確保するには、通常、エコーキャンセラの適応形フィ
ルタのタップ数を64程度もしくはそれ以上とする必要が
ある。詳述すると、適応形フィルタのタップ数をNとす
るとき残留エコー信号rnは式(1)で求められる。
ここで、 {an}:送信シンボル A:エコーテールの振幅 α:エコーテールの減衰率 また、残留エコー信号rnによるノイズ電力NPEは式
(2)で求められる。
実際の伝送システムでは、2B1Q(2binary 1quaternar
y)のシンボルの平均送信電力はE{a2 n}=5、エコー
テールの振幅はA2=3.7×10-6及びエコーテールの減衰
率はα=0.969となる。また、受信信号電力レベルSP
伝送路での損失を考慮するとSP=0.0005となる。S/N比
を20dB以上確保するためには、ノイズ電力レベルはNPE
<SP/100=0.000005とする必要がある。したがって、こ
の場合は式(2)より、タップ数NはN>64としなけれ
ばならない。
この結果、従来のエコーキャンセラは適応形ディジタ
ルフィルタのタップ数に比例してハードウェア規模及び
演算量の著しい増大を免れない。
したがって、この発明の目的は残留エコー信号に含ま
れる低周波成分の消去を適応形ディジタルフィルタのタ
ップ数を著しく低減した簡単な構成で達成できる2線式
2重ディジタルデータ伝送システムのためのエコーキャ
ンセラを提供することにある。
この発明の他の目的はこの低周波成分を消去するため
の演算量を大幅に減少できる2線式全2重ディジタルデ
ータ伝送システムのためのエコーキャンセラを提供する
ことにある。
〔課題を解決するための手段〕
この発明の一態様による2線式全2重ディジタルデー
タ伝送システムのためのエコーキャンセラは、エコー経
路からのエコー信号を消去するために前記エコー経路の
時変的な伝達特性を適応的に推定して擬似エコー信号を
発生する複数のタップのトランスバーサルフィルタを有
する適応形ディジタルフィルタを備える。また、このエ
コーキャンセラは前記適応形ディジタルフィルタの後段
に並列に設けられ、前記トランスバーサルフィルタのタ
ップの数を等価的に増加し、前記擬似エコー信号のイン
パルス応答の収れん期に対応して前記エコー信号と前記
擬似エコー信号との差分の残留エコー信号に含まれる低
周波成分のレベル抑圧を行う低周波成分抑圧手段とを備
える。このエコーキャンセラにおいて、前記トランスバ
ーサルフィルタの前記タップの数は前記収れん期を除く
期間に対応して設定されている。
〔実施例〕
第1の実施例を示す第1図を参照すると、ここには2
線式全2重ディジタルデータ伝送システムが示されてい
る。このディジタルデータ伝送システムにおいて、ユー
ザサイド1は加入者線宅内側の終端装置(network term
ination1(NT1):CCITT勧告)に設けられる。このユー
ザサイド1は適応形ディジタルフィルタ11、低周波成分
抑圧回路12及び減算器13から成るエコーキャンセラ10
と、送信器14と、受信器15と、ハイブリッド回路16とか
ら構成される。ユーザサイド1は送信器14及び受信器15
を介して図示省略のISDNインターフェース端末(termin
al equipment1(TE1):CCITT勧告I.411)を直接的に収
容するか、PBX(private branch exchange)及びLAN(L
ocal area network)などの網終端装置(network termi
nation2(NT2):CCITT勧告;図示省略)をさらに経由し
て間接的に収容する。
一方、ネットワークサイド2はISDN側の終端装置(li
ne terminator(LT):CCITT勧告G.960)に設けられる。
このネットワークサイド2の構成はユーザサイド1と同
一であり、適応形ディジタルフィルタ21、低周波成分抑
圧回路22及び減算器23から成るエコーキャンセラ20と、
ISDNの通信網(図示省略)に接続される送信器24及び受
信器25と、ハイブリッド回路26とを備える。
ユーザサイド1のハイブリッド回路16とネットワーク
サイド2のハイブリッド回路26とは加入者線として2線
式のディジタル伝送路3を介して接続されている。伝送
路3はユーザサイド1とネットワークサイド2との間の
全2重通信を可能とする。
上述した構成の2線式全2重ディジタルデータ伝送シ
ステムにおいて、ユーザサイド1に収容されるISDNイン
ターフェース端末たとえば、電話端末,データ端末及び
ファクシミリ端末はネットワークサイド2に接続された
ISDNの通信網を介して所望の相手端末と通信することが
可能である。この通信過程において、端末間の通信経路
に生じるエコー信号は、後に詳述するように、エコーキ
ャンセラ10,20により残留エコー信号の低周波成分を含
めて消去される。
次に、第1図中のエコーキャンセラ10及びハイブリッ
ド回路16の詳細構成を示す第2図を参照してエコー消去
作用について述べる。なお、第1図中のエコーキャンセ
ラ20のエコー消去作用はエコーキャンセラ10と基本的に
同一であるので説明を省略する。エコーキャンセラ10に
おいて、適応形ディジタルフィルタ11はタップ数30のト
ランスバーサルフィルタである。このフィルタ11はそれ
ぞれレジスタより構成される単位遅延素子200A,200B,
…,200Nと、それぞれ初期値を与えられ適応制御を受け
つつ次々に更新されるタップ係数を登録するレジスタ21
0A,210B,…,210Nとを備える。また、フィルタ11はレジ
スタ210A,210B,…,210Nに登録されたタップ係数をそれ
ぞれ更新するために、乗算器220A,220B,…,220Nと加算
器240A,240B,…,240Nとを備える。さらに、フィルタ11
は乗算器230A,230B,…,230Nの出力を加算して送信器14
のエコー経路の出力の擬似エコー信号を得る加算器250
と、残留エコー信号をスケーリングする乗算器260とを
備える。この適応形ディジタルフィルタ11は一般のディ
ジタルフィルタと基本的には同一構成であるが、後の説
明から明らかになるように、通常64またはそれ以上必要
とされるフィルタのタップ数を30に減少した構成に特徴
がある。
また、低周波成分抑圧回路12は適応形ディジタルフィ
ルタ11の後段に並列に配設され、等価的に適応形フィル
タ11のタップ数を増加してこのフィルタ11による擬似エ
コー信号のインパルス応答の収れん期(テール)に含ま
れる低周波成分(第4図参照)のレベル抑圧を行うため
の乗算器121、加算器122及びレジスタ123を備える。
さらに、ハイブリッド回路16は伝送路3を介してネッ
トワークサイドと結合するハイブリッドトランス161
と、ユーザサイド1の端末側からトランス161を通して
伝送路3側を見たインピーダンスとエコーキャンセラ10
の出力インピーダンスとを整合させる整合インピーダン
ス162と、抵抗器163,164と、受信信号ライン5に受入れ
る遠端信号を増幅する増幅器165とを備える。
上述したように構成されるユーザサイド1において、
送信器14からの送信信号は送信信号ライン4及びハイブ
リッド回路16を介して伝送路3に送出される。この場
合、トランス161の2次側から伝送路3を見込んだイン
ピーダンスと整合インピーダンス162とが一致すれば増
幅器165の出力はエコー信号としては零となる。しかし
ながら、実際にはインピーダンスの不一致により近端エ
コーが発生し、このエコー信号とトランス161を介して
接続される相手端末側からの遠端信号とが相加わって受
信信号ライン5に現われる。エコーキャンセラ10におけ
るフィルタ11は擬似エコー信号を発生して減算器13に送
出する。減算器13は受信信号ライン5に到来するエコー
信号から擬似エコー信号を除去し除去しきれない分を残
留エコー信号として出力してフィルタ11の乗算器260に
供給する。乗算器260に供給された残留エコー信号は残
留エコー抑圧用の補正係数α1と乗算され、エコー残差
をさらに抑圧するように補正される。この補正係数α1
は予め運用目的に応じて最適な値に設定されており、図
示省略のプロセッサのメモリ回路に記憶されている。通
常、この係数α1を大きくする程フィルタ11の動作安定
性すなわち収束速度は増大するが、遠端信号によりタッ
プ係数が振られて残留エコー量の増大を招き、残留エコ
ー抑圧度は減少する。逆に、係数α1を小さくするほど
残留エコー抑圧度は増大するが、収束速度は減少する。
通常は必要な受信S/N比を充足する範囲における最大値
を選択する。こうして補正された補正残留エコー信号
は、フィルタ11の各タップに供給される。各タップを構
成する2つの乗算器、レジスタ及び加算器、たとえば先
頭タップの乗算器220A,230A、レジスタ210A及び加算器2
40Aにおいては、単位遅延素子200Aから1タイムスロッ
トごとの送信信号を受け、この送信信号と補正残留エコ
ー信号とを乗算器220Aにより乗算し、乗算結果を時変的
なタップ係数補正量として加算器240Aにレジスタ210Aか
ら読み出した先行タップ係数に加え、更新タップ係数と
してレジスタ210Aに登録する。この更新タップ係数は単
位遅延素子200Aの出力と乗算器230Aにより乗算され加算
器250に供給される。フィルタ11の他のタップについて
も全く同様にして次々に補正残留エコー信号を利用した
タップ係数の適応更新が行われる。
ところで、こうして行なわれるエコー消去によって、
なおかつ残留する補正残留エコー信号は前述した低周波
成分を含む。低周波成分抑圧回路12は補正残留エコー信
号に含まれる低周波成分を消去するために、フィルタ11
のタップ数を実効的に64とする実質的な最終段のタップ
を形成するものとして配設されたものである。この抑圧
回路12において、補正残留エコー信号は乗算器121に供
給されて補正係数α2と乗算される。この場合、補正係
数α2としては、予め十分小さい値が設定される。この
係数α2を小さくする程、低周波成分抑圧回路12を後段
に有するフィルタ11のインパルス応答は、恰もタップ数
を増大したと同様なインパルス応答を提供する伝達関数
を持った適応形フィルタを実効的に形成することができ
る。換言すれば、収れん期におけるインパルス応答の減
衰を強調し、従って低周波成分の含有レベルを大幅に抑
圧しうる適応形フィルタとすることができる。ここで、
補正係数α2の設定について詳述すると、エコーキャン
セラ10において、抑圧回路12の加算器122及びレジスタ1
23の動作は積分器と等価であり、減算器13,フィルタ11
の乗算器260,抑圧回路12の乗算器121及び上記積分器
(加算器122及びレジスタ123)から成る経路を考え、減
算器13へ受信信号ライン5から入力する信号をx(t)
とし、かつ上記経路から出力する信号(受信器15への入
力信号)をy(t)とした場合、式(3)の関係が成り
立つ。
式(3)をラプラス変換すると、式(4)で表わせ
る。
さらに、式(4)から式(5)が求まる。
式(5)は等価的にハイパスフィルタの周波数特性を
示す。式(5)のα1・α2の周波数軸上の位置α1・
α2/2πは上記経路によって構成されるハイパスフィル
タのカットオフ周波数である。したがって、残留エコー
信号の低周波成分を遮断するカットオフ周波数を設定で
きるように補正係数α2を補正係数α1との関連で選択
すればよい。レジスタ123に登録する初期値のタップ係
数はフィルタ11のインパルス応答をこのような目的に沿
う特性を付与するために補正係数α2とともに予め設定
される。乗算器121の乗算結果はレジスタ123の登録タッ
プ係数に対する適応制御量として加算器122に供給され
る。レジスタ123から読み出した更新タップ係数はフィ
ルタ11の加算器250に供給され、フィルタ11のインパル
ス応答の収れん期のレベルを抑圧する。
次に、第3図を参照して第2の実施例のエコーキャン
セラについて説明する。エコーキャンセラ30は適応形デ
ィジタルフィルタ31、低周波成分抑圧回路32及び減算器
33から構成される。適応形フィルタ31は第1の実施例の
エコーキャンセラの適応形フィルタ11と比較すると、第
30番目のタップを構成する単位遅延素子(第2図の200
N)の出力an-kを抑圧回路32に入力する構成を採ってい
ること以外は全く同一である。また、減算器33はエコー
キャンセラ10の減算器13と同一構成である。したがっ
て、ここではこれら同一構成要素に関する詳細な説明は
省略する。
低周波成分抑圧回路2は送信低周波成分積算回路301
を構成する加算器321、乗算器322及びレジスタ323と、
増設タップ回路302を構成する乗算器324、加算器325、
レジスタ326及び乗算器327を備える。積算回路301はタ
ップ数が64のフィルタが有するインパルス応答の収れん
期における指数関数曲線的減衰特性(第4図参照)にほ
ぼ相似した応答特性をフィルタ31に与える。また、増設
タップ回路302は同様にインパルス応答の収れん期にお
けるレベル抑圧を目的として機能する。積算回路301は
レジスタ323の内容とフィルタ31の最終タップの単位遅
延素子(第2図の200N)の出力an-kとを加算器321で加
算し、加算結果と補正係数α3とを乗算器322で乗じる
ことにより、フィルタ31のインパルス応答の収れん期の
波形に相似した信号を形成する。この場合、レジスタ32
3の登録内容は実用上許容できる有限期間とした収れん
期の時間長の遅延量を登録し、かつ補正係数α3は抑圧
すべきインパルス応答特性の低周波成分に対応して予め
小さい値が設定される。これにより、タップ数64のフィ
ルタで形成されるインパルス応答の収れん期に入った時
間領域における有限長の特性をほぼ相似的に形成させる
ことができる。ここで、補正係数α3の設定について詳
述する。送信信号の送信シンボルをan、受信する遠端信
号(サンプル値)をxn、及びエコー経路のインパルス応
答をhkとした場合、減算器33にエコー経路の受信信号ラ
イン5から入力される遠端信号xnは式(6)で表わされ
る。
適応形フィルタ31で0〜mボーのエコーが完全に消去
できるとすると、残りのエコー成分x′は式(7)で表
わせる。
エコーテールがm+1ボー以上で指数関数的減衰をす
ると、インパルス応答hkは hk=hm e-Pk (8) となり、式(7)に式(8)を代入すると、式(9)が
導出される。
式(9)において、hmに対する乗数部分は低周波成分
抑圧回路32の加算器321、乗算器322及びレジスタ323か
ら成る送信低周波成分積分回路301の出力に対応する。
したがって、補正係数α3は式(9)におけるe-Pとし
て選択設定すれば、低周波成分抑圧回路32の増設タップ
回路302において乗算器327の出力に式(9)の信号x′
を得ることができ、残留エコー信号の低周波成分の抑
圧が可能となる。
〔発明の効果〕
以上説明したようにこの発明によれば、適応形ディジ
タルフィルタの後段に並列に設けられ、トランスバーサ
ルフィルタのタップ数を等価的に増加し、擬似エコー信
号のインパルス応答の収れん期に対応してエコー信号と
擬似エコー信号との差分の残留エコー信号に含まれる低
周波成分のレベル抑圧を行う低周波成分抑圧回路を備え
ることにより、トランスバーサルフィルタのタップ数を
著しく低減し、演算量を大幅に減少することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の第1の実施例を示す図; 第2図は第1図のエコーキャンセラ及びハイブリッド回
路の詳細構成を示す図; 第3図はこの発明の第2の実施例を示す図;及び 第4図は第1及び第2の実施例のエコーキャンセラにお
けるインパルス応答の一例を示す図である。 1……ユーザサイド、2……ネットワークサイド、3…
…2線式伝送路、10,20,30……エコーキャンセラ、11,2
1,31……適応形ディジタルフィルタ、12,22,32……低周
波成分抑圧回路、13,23,33……減算器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−243628(JP,A) 特開 昭64−16030(JP,A) 特開 昭52−67909(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2線式全2重ディジタルデータ伝送システ
    ムのためのエコーキャンセラにおいて; エコー経路からのエコー信号を消去するために前記エコ
    ー経路の時変的な伝達特性を適応的に推定して擬似エコ
    ー信号を発生する複数のタップのトランスバーサルフィ
    ルタを有する適応形ディジタルフィルタと; 前記適応形ディジタルフィルタの後段に並列に設けら
    れ、前記トランスバーサルフィルタのタップの数を等価
    的に増加し、前記擬似エコー信号のインパルス応答の収
    れん期に対応して前記エコー信号と前記擬似エコー信号
    との差分の残留エコー信号に含まれる低周波成分のレベ
    ル抑圧を行う低周波成分抑圧手段とを備え; 前記抑圧手段が前記残留エコー信号の低周波成分を遮断
    するカットオフ周波数を設定するための補正係数と前記
    適応形ディジタルフィルタからの前記残留エコー信号と
    を乗算する第1の手段と; 前記第1の手段による乗算結果を時変的なタップ係数補
    正量として先行タップ係数に加算し、加算結果を更新タ
    ップ係数として出力する第2の手段と; 前記先行タップ係数を前記第2の手段に入力し、前記第
    2の手段からの前記更新タップ係数を保持するととも
    に、前記擬似エコー信号を発生するために前記更新タッ
    プ係数を前記適応形ディジタルフィルタに出力する第3
    の手段と; を備えることを特徴とするエコーキャンセラ。
  2. 【請求項2】2線式全2重ディジタルデータ伝送システ
    ムのためのエコーキャンセラにおいて; エコー経路からのエコー信号を消去するために前記エコ
    ー経路の時変的な伝達特性を適応的に推定して擬似エコ
    ー信号を発生する複数のタップのトランスバーサルフィ
    ルタを有する適応形ディジタルフィルタと; 前記適応形ディジタルフィルタの後段に並列に設けら
    れ、前記トランスバーサルフィルタのタップの数を等価
    的に増加し、前記擬似エコー信号のインパルス応答の収
    れん期に対応して前記エコー信号と前記擬似エコー信号
    との差分の残留エコー信号に含まれる低周波成分のレベ
    ル抑圧を行う低周波成分抑圧手段とを備え; 前記抑圧手段が前記適応形ディジタルフィルタを構成す
    る最終タップの前記トランスバーサルフィルタからの送
    信シンボルに関する第1の信号と先行送信シンボルに関
    する第2の信号とを加算し、更新送信シンボルに関する
    第3の信号を出力する第1の手段と; 前記第1の手段からの前記第3の信号と指数関数曲線的
    減衰特性に相似した応答特性を設定するための補正係数
    とを乗算し、インパルス応答の収れん期の波形に相似し
    た第4の信号を出力する第2の手段と; 前記第2の信号を前記第1の手段に入力し、前記第2の
    手段からの前記第4の信号を前記第2の信号として保持
    する第3の手段と; 前記第3の手段からの前記第4の信号と前記適応形ディ
    ジタルフィルタにより残留エコー抑圧の施された補正残
    留エコー信号とを乗算する第4の手段と; 前記第4の手段による乗算結果を時変的なタップ係数補
    正量として先行タップ係数に加算し、加算結果を更新タ
    ップ係数として出力する第5の手段と; 前記先行タップ係数を前記第5の手段に入力し、前記第
    5の手段からの前記更新タップ係数を保持する第6の手
    段と; 前記擬似エコー信号を発生するために前記第6の手段か
    らの前記更新タップ係数と前記第3の手段からの前記第
    4の信号とを乗算した信号を前記適応形ディジタルフィ
    ルタに出力する第7の手段と; を備えることを特徴とするエコーキャンセラ。
JP2161655A 1989-06-27 1990-06-20 エコーキャンセラ Expired - Lifetime JP2594687B2 (ja)

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JP2161655A JP2594687B2 (ja) 1989-06-27 1990-06-20 エコーキャンセラ

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