JP2594572Y2 - 自動車用コンソールボックスのヒンジ構造 - Google Patents

自動車用コンソールボックスのヒンジ構造

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JP2594572Y2
JP2594572Y2 JP1993062382U JP6238293U JP2594572Y2 JP 2594572 Y2 JP2594572 Y2 JP 2594572Y2 JP 1993062382 U JP1993062382 U JP 1993062382U JP 6238293 U JP6238293 U JP 6238293U JP 2594572 Y2 JP2594572 Y2 JP 2594572Y2
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睦雄 藤井
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、自動車用コンソールボ
ックスのヒンジ構造の改良に関し、特にヒンジの取付け
剛性の向上対策に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車の運転席と助手席との間
にはコンソールボックスが設置され、小物を収納するボ
ックス部を開閉するボックスリッドがコンソールボック
ス本体にヒンジによって開閉可能に取り付けられてい
る。このようなコンソールボックスのヒンジ構造とし
て、例えば実開平2−17444号公報に開示されてい
るように、板ばねからなるヒンジアームの中程にストッ
パー部を湾曲して形成し、ボックスリッドの開状態にお
いて上記ストッパー部をコンソールボックス本体のフラ
ンジ部に係合させてボックスリッドの開角度を規制する
ようにしたヒンジ構造が知られている。そして、このヒ
ンジ構造では、上記ストッパー部をヒンジアームの一部
分でもって構成していることから、その分だけ部品点数
を低減することができるというメリットを有する。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところが、上記の公報
例の自動車用コンソールボックスのヒンジ構造では、ヒ
ンジアームの基端側をコンソールボックス本体の上壁裏
面に突設された板状突片からなるヒンジ取付部に単に回
動自在に取り付けているだけであることから、ボックス
リッドを開く際に必要以上の力が開方向に加わると、該
ヒンジ取付部に上記ヒンジアームのストッパー部を支点
として回転モーメントが大きく作用し、上記ヒンジ取付
部が変形ないし破壊するなどしてヒンジ取付部の取付け
剛性が低下するという問題がある。
【0004】また、コンソールボックス等の自動車用内
装品は、軽量化を図る観点から、その基材を硬質発泡ウ
レタンで構成することが一般によく行われているが、こ
のように基材を発泡体で構成すると、基材が発泡体でな
い場合に比べてヒンジ取付部の取付け剛性が低下する傾
向になり、何らかの対策を講ずることが望まれる。
【0005】本考案はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、ヒンジアームが回動自
在に取り付けられるヒンジ取付部の構造を改良すること
により、該ヒンジ取付部をコンソールボックス本体の複
数箇所で支持し、ボックスリッドを開いた際にヒンジ取
付部に作用する回転モーメントを複数箇所で受け、その
分だけ一箇所に作用する回転モーメントを軽減して上記
ヒンジ取付部の変形ないし破壊を防止し、ヒンジ取付部
の取付け剛性を高めんとすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の考案の解決手段は、ボックスリッドの車
両前後方向前側がボックス部に対して上下方向に開閉す
るようにコンソールボックス本体にボックスリッドを一
対のヒンジアームを介して回動自在に取り付ける自動車
用コンソールボックスのヒンジ構造であって、上記ヒン
ジアームの一端はコンソールボックス本体に取り付けら
れたヒンジブラケットに回動自在に取り付けられるとと
もに、上記ヒンジアームの他端は上記ボックスリッドの
車両前後方向後側に取り付けられ、かつ上記ヒンジアー
ムはボックスリッド開時にヒンジアームの上記一端を基
端として上方に弓状となってボックス部側に張り出すよ
うに形成されている。上記ヒンジブラケットは、コンソ
ールボックス本体に取り付けられる上側プレートと、コ
ンソールボックス本体に上記上側プレートと上下に間隔
をあけて該上側プレートの下方に取り付けられる下側プ
レートと、上記上側プレートと下側プレートとを連結す
る連結プレートとからなる。上記ヒンジブラケットに
は、ヒンジブラケットの車幅方向両端縁部に設けられヒ
ンジアームの一端を取り付ける一対のヒンジ部が設けら
れているものとする。
【0007】また、請求項2の考案の解決手段は、請求
項1の考案を具体化したものであって、小物を収納する
ボックス部を有するコンソールボックス本体にボックス
リッドを回動自在に取り付ける自動車用コンソールボッ
クスのヒンジ構造であって、上記コンソールボックス本
体の後壁とボックス部の後壁との間に形成される空間に
配置されるヒンジブラケットと、一端が該ヒンジブラケ
ットに回動自在に取り付けられ、他端が上記ボックスリ
ッドに取り付けられるヒンジアームとを備える。上記ヒ
ンジブラケットは、コンソールボックス本体の上壁裏面
に取り付けられる上側プレートと、コンソールボックス
本体の後壁裏面に上記上側プレートと上下に間隔をあけ
て該上側プレートの下方に取り付けられる下側プレート
と、上記上側プレートと下側プレートとを連結し上記ボ
ックス部の後壁裏面に当接される連結プレートとからな
る。上記ヒンジブラケットの上側プレートには、上記ヒ
ンジアームの一端が回動自在に連結されるヒンジ部と、
上記ボックスリッドの開角度を規制するストッパーとが
設けられているものとする。
【0008】
【作用】上記の構成により、請求項1及び2の考案で
は、ボックスリッドを開いた際に、ヒンジブラケットに
作用する回転モーメントが、コンソールボックス本体に
上下に間隔をあけて取り付けられた上側および下側プレ
ートと、該上側および下側プレート間の連結プレートと
にそれぞれ分散されて支持されるので、ボックスリッド
開時に大きな力が加わっても、ヒンジ取付部に作用する
回転モーメントは軽減されてヒンジブラケットおよびヒ
ンジ取付部は変形ないし破壊せず、ヒンジ取付部の取付
け剛性が高まる。
【0009】特に、請求項1の考案では、ヒンジアーム
がボックスリッド開時にヒンジアームの一端を基端とし
て上方に弓状となってボックス部側に張り出すように形
成されていることから、ヒンジアームの基端側がボック
スリッド閉時に回動中心よりも後方に存在せず、その分
だけヒンジ取付けスペースの省スペース化が達成され
る。
【0010】また、請求項2の考案では、上記上側およ
び下側プレートは上下に間隔をあけて配置されているこ
とから、コンソールボックス本体の後壁裏面とボックス
部の後壁裏面との間の空間を車体前後方向に広く使うこ
となく、コンソールボックス本体に対するヒンジ取付け
スペースが確保され、限られたスペースでヒンジ取付部
の取付け剛性が効率良く得られる。
【0011】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0012】図1は本考案の実施例に係るヒンジ構造が
適用された自動車用コンソールボックスAのコンソール
ボックス本体1を示す。該コンソールボックス本体1の
後側部分(図1の右側部分)は上方に隆起し、該隆起部
には上方に開口し内部に小物を収納するボックス部3が
形成され、該ボックス部3の後端には、図2および図3
に仮想線にて示すように、ボックスリッド5がヒンジ7
によって回動自在に取り付けられ、該ボックスリッド5
を上下方向に回動させることによりボックスリッド5の
車両前後方向前側が上記ボックス部3に対して上下方向
に開閉するように構成されている。
【0013】図2および図3に示すように、上記コンソ
ールボックス本体1は、予めスラッシュ成形や真空成形
等によって所定形状に成形された表皮材9の裏面に硬質
発泡ウレタン等からなる基材11が一体に成形されてな
るものであり、上記ボックスリッド5も同様に構成され
ているものである。
【0014】上記ヒンジ7はいわゆるスワンヒンジと称
されるものであり、上記コンソールボックス本体1の後
壁1aとボックス部3の後壁3aとの間に形成される空
間に配置されたヒンジブラケット13を備えている。該
ヒンジブラケット13には、2本のヒンジアーム15,
15の一端(基端)が回動可能に取り付けられ、該各ヒ
ンジアーム15の他端(先端)は上記ボックスリッド5
の車両前後方向後側にねじによって固定されて取り付け
られている。そして、上記ヒンジアーム15,15はボ
ックスリッド5開時にヒンジアーム15,15の上記一
端を基端として上方に弓状となってボックス部側に張り
出すように形成されている。15a,15aは各ヒンジ
アーム15先端に形成されたリッド取付用の孔である。
【0015】図4に示すように、上記ヒンジブラケット
13はT字状の鉄製プレートを断面略コの字状に折り曲
げて形成され、上側プレート17、下側プレート19お
よび連結プレート21からなるものである。
【0016】上記上側プレート17の両側には2つの締
結孔17a,17aが形成され、一方、上記コンソール
ボックス本体1の上壁1bの基材11内部には、タッピ
ング用の孔23aを有するインサートプレート23がイ
ンサートされ、上記上側プレート17を上壁1bに対応
させてタッピングスクリュー25を上側プレート17の
締結孔17aおよびインサートプレート23のタッピン
グ用の孔23aに螺合させることにより、上側プレート
17が上壁1b裏面に取り付けられるように構成されて
いる。
【0017】上記下側プレート19の先端側(後端側)
には1つの締結孔19aが形成され、一方、上記コンソ
ールボックス本体1の後壁1a裏面に形成された段部に
おける基材11内部にも、タッピング用の孔27aを有
する別のインサートプレート27がインサートされ、上
記下側プレート19を後壁1a段部に対応させてタッピ
ングスクリュー29を下側プレート19の締結孔19a
およびインサートプレート27のタッピング用の孔27
aに螺合させることにより、下側プレート19が後壁1
a裏面の段部に上記上側プレート17と上下に間隔をあ
けて該上側プレート17の下方に取り付けられるように
構成されている。
【0018】上記連結プレート21は上側プレート17
と下側プレート19とを一体に連結するもので、上記ボ
ックス部3の後壁3a裏面に面接触にて当接して配置さ
れている。
【0019】また、上記ヒンジブラケット13の車幅方
向両端縁部である上側プレート17両側には、回動孔3
1aを有する2つのヒンジ部31,31が下方に折り曲
げられて形成され、該両ヒンジ部31,31には上記両
ヒンジアーム15,15の基端がピン33にてそれぞれ
回動自在に連結されている。さらに、上記ヒンジブラケ
ット13の上側プレート17両側の連結プレート21寄
りには、2つのストッパー35,35が外側方に突設さ
れ、図2および図3に仮想線にて示すように、ボックス
リッド5が開いた状態で上記各ヒンジアーム15基端を
下方から当接させてボックスリッド5がそれ以上開かな
いようにその開角度を規制するように構成されている。
【0020】上記ボックス部3の後壁3aの基材11に
は、2つの上下に細長い挿通孔11a,11aが上記ヒ
ンジブラケット13の2つのヒンジ部31,31に対応
して形成され、該両挿通孔11a,11aに上記両ヒン
ジアーム15,15が挿通され、該各ヒンジアーム15
がボックスリッド5開閉時に各挿通孔11aの上下長さ
の範囲内で移動するように構成されている。また、上記
各挿通孔11aに対応する表皮材9部分には、各挿通孔
11aの幅よりも狭いスリット9aが形成されている。
つまり、該スリット9a周りは薄肉の表皮材9だけであ
り、これによりヒンジアーム15の回動動作を阻害しな
いようにしている。
【0021】したがって、上記実施例では、ボックスリ
ッド5を開いた際、図3の矢印F方向に力が加わり、こ
の力がヒンジアーム15,15を経てヒンジブラケット
13に回転モーメントとして作用するが、この回転モー
メントはヒンジブラケット13の上側プレート17、下
側プレート19および連結プレート21の三箇所で分散
されて支持され、ボックスリッド5開時に大きな力が加
わっても、上記ヒンジブラケット13およびヒンジ取付
部は変形したり破壊することがなく、ヒンジ取付部の取
付け剛性を高めることができる。
【0022】さらに、上記実施例では、ヒンジアーム1
5,15をボックスリッド5開時にヒンジアーム15,
15の一端を基端として上方に弓状となってボックス部
3側に張り出すように形成していることから、ヒンジア
ーム15,15の基端側がボックスリッド5閉時に回動
中心よりも後方に存在することはなく、その分だけヒン
ジ取付けスペースの省スペース化を達成することができ
る。
【0023】また、上記実施例では、上側および下側プ
レート17,19を上下に間隔をあけて配置しているこ
とから、コンソールボックス本体1の後壁1a裏面とボ
ックス部3の後壁3a裏面との間の空間を車体前後方向
に広く使わずにコンソールボックス本体1に対するヒン
ジ取付けスペースを確保することができ、限られたスペ
ースでヒンジ取付部の取付け剛性を効率良く得ることが
できる。
【0024】なお、上記実施例では、ヒンジブラケット
13の連結プレート21をボックス部3の後壁3a裏面
に面接触させたが、上記連結プレート21にビードや突
起を形成して、これらによってボックス部3の後壁3a
裏面との接触を線接触ないし点接触にしてもよい。
【0025】
【考案の効果】以上説明したように、請求項1及び2の
考案によれば、ヒンジブラケットを上側プレート,下側
プレートおよび連結プレートでもって構成し、上記上側
プレートをコンソールボックス本体に取り付けるととも
に、上記下側プレートを上側プレートと上下に間隔があ
くようにコンソールボックス本体に取り付け、さらに請
求項2では、上記連結プレートをボックス部の後壁裏面
に当接させたので、ボックスリッド開時にヒンジブラケ
ットに作用する回転モーメントを上記上側および下側プ
レートと連結プレートとにそれぞれ分散して支持するこ
とができ、ヒンジブラケットおよびヒンジ取付部の変形
ないし破壊を防止してヒンジ取付部の取付け剛性を高め
ることができる。さらに、請求項1の考案では、ヒンジ
アームをボックスリッド開時にヒンジアームの一端を基
端として上方に弓状となってボックス部側に張り出すよ
うに形成したので、ヒンジアームの基端側がボックスリ
ッド閉時に回動中心よりも後方に存在しないようにして
ヒンジ取付けスペースを小さくすることができる。ま
た、請求項2の考案では、上記上側および下側プレート
の上下に間隔をあけた取付け状態により、コンソールボ
ックス本体の後壁裏面とボックス部の後壁裏面との間の
限られたスペースでヒンジ取付部の取付け剛性を効率良
く得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボックスリッド取付け前のコンソールボックス
本体の斜視図である。
【図2】図1のII−II線における断面図である。
【図3】図1のIII −III 線における断面図である。
【図4】ヒンジブラケットの斜視図である。
【図5】図1のV−V線における断面図である。
【符号の説明】
1 コンソールボックス本体 1a コンソールボックス本体の後壁 1b コンソールボックス本体の上壁 3 ボックス部 3a ボックス部の後壁 5 ボックスリッド 7 ヒンジ 13 ヒンジブラケット 15 ヒンジアーム 17 上側プレート 19 下側プレート 21 連結プレート 31 ヒンジ部 35 ストッパー A コンソールボックス

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボックスリッドの車両前後方向前側がボ
    ックス部に対して上下方向に開閉するようにコンソール
    ボックス本体に上記ボックスリッドを一対のヒンジアー
    ムを介して回動自在に取り付ける自動車用コンソールボ
    ックスのヒンジ構造であって、上記ヒンジアームの一端はコンソールボックス本体に取
    り付けられた ヒンジブラケットに回動自在に取り付けら
    るとともに上記ヒンジアームの他端上記ボックス
    リッドの車両前後方向後側に取り付けられ、かつ上記ヒ
    ンジアームはボックスリッド開時にヒンジアームの上記
    一端を基端として上方に弓状となってボックス部側に張
    り出すように形成され、 上記ヒンジブラケットは、コンソールボックス本体に取
    り付けられる上側プレートと、コンソールボックス本体
    に上記上側プレートと上下に間隔をあけて該上側プレー
    トの下方に取り付けられる下側プレートと、上記上側プ
    レートと下側プレートとを連結する連結プレートとから
    り、上記ヒンジブラケットには、ヒンジブラケットの
    車幅方向両端縁部に設けられヒンジアームの一端を取り
    付ける一対のヒンジ部が設けられていることを特徴とす
    る自動車用コンソールボックスのヒンジ構造。
  2. 【請求項2】 小物を収納するボックス部を有するコン
    ソールボックス本体にボックスリッドを回動自在に取り
    付ける自動車用コンソールボックスのヒンジ構造であっ
    て、 上記コンソールボックス本体の後壁とボックス部の後壁
    との間に形成される空間に配置されるヒンジブラケット
    と、一端が該ヒンジブラケットに回動自在に取り付けら
    れ、他端が上記ボックスリッドに取り付けられるヒンジ
    アームとを備え、 上記ヒンジブラケットは、コンソールボックス本体の上
    壁裏面に取り付けられる上側プレートと、コンソールボ
    ックス本体の後壁裏面に上記上側プレートと上下に間隔
    をあけて該上側プレートの下方に取り付けられる下側プ
    レートと、上記上側プレートと下側プレートとを連結し
    上記ボックス部の後壁裏面に当接される連結プレートと
    からなり、 上記ヒンジブラケットの上側プレートには、上記ヒンジ
    アームの一端が回動自在に連結されるヒンジ部と、上記
    ボックスリッドの開角度を規制するストッパーとが設け
    られていることを特徴とする自動車用コンソールボック
    スのヒンジ構造。
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