JP2594523B2 - ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置

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JP2594523B2 JP63251483A JP25148388A JP2594523B2 JP 2594523 B2 JP2594523 B2 JP 2594523B2 JP 63251483 A JP63251483 A JP 63251483A JP 25148388 A JP25148388 A JP 25148388A JP 2594523 B2 JP2594523 B2 JP 2594523B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は主として自動車用ディーゼルエンジンの燃料
噴射制御装置に関する。
(従来の技術) 一般に圧縮着火を行うディーゼルエンジンにおいて
は、燃焼室に噴射された燃料が着火遅れにより爆発的に
燃焼して、排気ガス中の窒素酸化物(NOX)が増加する
ことがある。
これに対しては種々の対策が考えられているが、その
一つとして燃料のメイン噴射に先立って少量の燃料をパ
イロット噴射し、これをメイン噴射燃料の火種に利用し
ようという考え方がある。従来、このようなパイロット
噴射を行う燃料噴射システムとしては、例えば特開昭59
−165856号公報に記載されたものが知られている。これ
は、メイン噴射用の燃料噴射ポンプとパイロット噴射用
の燃料噴射ポンプを設けて、両方の燃料噴射ポンプから
の燃料噴射をエンジン運転条件に応じて最適状態に制御
することにより、NOXの増加を抑制しようというもので
ある。
また、同様なNOX低減対策に用いられる手段としては
排気ガス再循環(xhaust as ecirculasion;略し
て「EGR」という。)が従来から知られている。これは
燃料後の排気ガスの一部を吸気系に還流させて、排気ガ
スに含まれる燃焼阻害要成分(例えば、二酸化炭素;C
O2)により燃焼反応を抑制して燃焼温度を低下させるこ
とにより、NOXの発生を低減させようというものであ
る。
(発明が解決しようとする課題) ところで、例えばEGRはNOXを低減するには優れた効果
が期待できるものの、中高負荷域のように空気過剰率の
低い領域でEGRを行なうと、燃焼性が大幅に悪化してス
モーク(黒煙)が発生しやすくなるとともに出力性能も
低下するという不都合がある。
本発明は、ディーゼルエンジンにおける上記の実情に
対処するもので、エンジン負荷全域にわたって出力性能
を損なうことなく排気性能を一層向上させることを課題
とする。
(課題を解決するための手段) 本願の請求項1に係る発明(以下、第1発明という)
は、第1図に示すように、燃料のメイン噴射に先立って
パイロット噴射を行いうる噴射噴射手段aと、排気ガス
の一部を吸気系に還流させる排気ガス再循環手段bとを
有するディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置の構成に
おいて、低負荷時には排気ガスの還流を行わせるととも
にパイロット噴射を停止させ、中負荷時には排気ガスの
還流を停止させるとととにパイロット噴射を行わせ、か
つ高負荷時には排気ガスの還流及びパイロット噴射を停
止させるように、上記燃料噴射手段a及び排気ガス再循
環手段bを制御する制御手段cを備えたことを特徴とす
る。
また、本願の請求項2に係る発明(以下、第2発明と
いう)は、上記第1発明における制御手段cにより、高
負荷時に排気ガスの還流及びパイロット噴射を停止させ
るとともに、メイン噴射の噴射開始時期をリタードさせ
るように、燃料噴射手段a及び排気ガス再循環手段bを
制御するように構成したことを特徴とする。
(作用) 上記の構成によれば、第1、第2発明のいずれによっ
ても、低負荷時には制御手段cが上記排気ガス再循環手
段bを制御して、この排気ガス再循環手段bによって排
気ガスの一部を吸気系に還流させることから、燃焼性が
適度に低下してNOX発生が少なくなる。この際には、パ
イロット噴射が停止されるように制御手段cが燃料噴射
手段aを制御する。
また、中負荷時には制御手段cが上記排気ガス再循環
手段bを制御して排気ガスの還流を停止し、その代わり
に上記燃料噴射手段aを制御してパイロット噴射を行わ
せる。その結果、EGRを行う場合に比べてスモークが低
減されるばかりでなく、パイロット噴射によりNOXの発
生も抑制されることになる。
そして、高負荷時には制御手段cが上記排気ガス再循
環手段bを制御して中負荷時に引き続いてEGRを停止さ
せるとともに、同じく制御手段cが上記燃料噴射手段b
を制御してパイロット噴射を停止させる。これにより燃
焼性が向上して出力性能が確保されるとともに、スモー
クを発生しにくくなる。
また、第2発明によれば、上記第1発明の作用に加え
て、高負荷時にメイン噴射の噴射開始時期がリタードさ
れるから、NOX及びスモークの両方が低減されるととも
に、燃焼が効率よく行われて燃費性能が向上することに
なる。
(実 施 例) 以下、本発明の実施例について説明する。なお、実施
例は自動車用4気筒ディーゼルエンジンに本発明を適用
したものである。
第2図に示すように、本発明に係る燃料噴射ポンプ1
は、エンジン出力軸に連動するドライブシャフト2によ
り回転駆動されるフィードポンプ3と、同じくドライブ
シャフト2により係合機構4及びカム機構5を介して回
転自在に往復動されるプランジャー6とを有する。この
プランジャー6の先端付近には圧送室7に連通する吸入
溝8が設けられているとともに、一端が上記圧送室7に
開口する送油路9が軸長手方向に設けられて、この送油
路9の他端側がプランシャー6の側壁面に形成された分
配溝10に連通されている、そして、この分配溝10が上記
ドライブシャフト2の回転に応じて所定のタイミングで
デリバリバルブ11に通じる分配通路12へ連通可能となっ
ている。そして、図示しない燃料タンクから吸入室3aへ
流入した燃料が、上記フィードポンプ3の回転動作によ
ってポンプ室13に導入され、これによりポンプ室13の内
圧が高められるとともに、上記プランジャー6がドライ
ブシャフト2に連動して回転しながら往復動することに
より、上記ポンプ室13へ通じる燃料導入通路14に吸入溝
8が、また上記デリバリバルブ11へ通じる分配通路12に
分配溝10がそれぞれ連通するようになっている。
この場合において、上記カム機構5は、第2図及び第
3図に示すように、プランジャー6の一端に固設された
カムディスク14と、このカムディスク14と同軸芯上に対
向配置されたローラリング15と、このローラリング15の
周方向において上記カムディスク14の突出部14a…14aに
対応して配設されたローラ16…16とで構成されている。
なお、この場合において、上記の突出部14aは、第4図
に展開して示すように山形状に形成されており、このよ
うな突出部14aがエンジンの気筒数に対応して互いに間
隔をおいてカムディスク14から突出し、この突出部14a
が上記のローラ16に乗り上げたときにカムディスク14が
リフトされ、これによりプランジャー6がリフトされて
上記圧送室7の燃料を更に加圧し、この加圧燃料が分配
溝10が分配通路12に連通したときデリバリバルブ11を開
いて噴射するようになっている。なお、上記の圧送室7
とポンプ室13との間には電磁駆動式の高速スピル弁17が
配設されており、この高速スピル弁17を開動作させるこ
とにより、圧送室7の燃料が急速スピルされてデリバリ
バルプ11からの燃料噴射が瞬時に途絶するようになって
いる。
また、上記のローラリング15は上記カムディスク14と
同軸芯上で回転自在に保持されるとともに、タイマ装置
18によって円周方向の任意位置へ移動制御されるように
なっている。このタイマ装置18は、タイマハウジング19
へ摺動自在に内挿されたタイマピストン20と、このタイ
マピストン20の一端に臨んで形成された高圧室21aと、
同じくタイマピストン20の他端に臨んで形成された低圧
室21bと、この低圧室21bに配置されたタイマスプリング
22と、同じく低圧室21bと高圧室21aとの間にまたがって
配設された電磁駆動式のタイマ制御弁23と、上記タイマ
ピストン20の位置を検出するタイマ位置センサ24とを有
する。この場合において、上記フィードポンプ3の吸入
室3aと低圧室21bとが、またポンプ室13と高圧室21aとが
それぞれ連通している。上記のタイマピストン20には上
記ローラリング15に固設されたタイマピン25が係合され
ており、例えば上記タイマ制御弁23によるドレン量を増
やすとタイマピストン20がA方向に移動し、これにより
ローラリング15が上記タイマピン25を介して上記プラン
ジャー6の回転方向とは反対のB方向に回動して、プラ
ンジャー6のリフト時期がクランク角に対してリタード
方向に変化する。一方、上記タイマ制御弁23によってタ
イムピストン20を上記とは反対方向に移動させると、プ
ランジャー6のリフト時期がクランク角に対してアドバ
ンス方向に変化する。
ところで、本実施例においては、上記カムディスク14
のカム面を不等速カム形状、例えば等加速度カム形状と
している。このような等加速度カム形状をしたカムディ
スク14においては、カムリフト及びカム速度が任意の突
出部14aの始端を基準とするカム角に対して第5図に示
すように変化する。すなわち、カム速度曲線は当初カム
角が大きくなるに従って上り傾斜状に変化した後、カム
リフト曲線の変曲点を越えたところで反転して今度は下
り傾斜状に変化し、カムリフト曲線の頂点で0になりそ
の後負の領域へ移行する。この場合において、カム速度
曲線の頂点を含む前後の領域(I)を使用すると、プラ
ンジャー6のリフト速度が速くなって上記圧送室7の燃
料が高速で加圧されるため、燃料が高噴射率で噴射され
ることになる。そして、それよりも低角側の領域(II)
を使用すると、カム速度が遅い分ブランジャー6のリフ
ト速度が遅く、これにより燃料が低噴射率で噴射される
ことになる。なお、燃料を低噴射率で噴射させる場合に
は、上記領域(II)よりも高角側の領域(III)を使用
してもよい。
次に、このような構造をした燃料噴射ポンプ1を用い
たエンジン制御システムを第6図を用いて説明すると、
この燃料噴射ポンプ1には高圧管26を介して燃料噴射弁
27が接続されているとともに、上記タイマ装置18のタイ
マ位置センサ24からのタイマピストン位置信号がコント
ロールユニット28に入力される。また、このコントロー
ルユニット28には、アクセル開度センサ29からのアクセ
ル開度信号、エンジン回転数センサ30からのエンジン回
転数信号、クランク角センサ31からのクランク角信号、
図示しない過給機の下流側における吸気通路に配備され
た吸気圧センサ32からの吸気圧信号、吸気温センサ33か
らの吸気温信号、エンジン水温を検出する水温センサ34
からの水温信号、大気圧を検出する大気圧センサ35から
の大気圧信号及び車速センサ36からの車速信号がそれぞ
れ入力される。一方、コントロールユニット28からは、
タイマ制御弁23及び高速スピル弁17に制御信号がそれぞ
れ出力されることになる。
そして、本実施例におけるエンジン制御システムに
は、エンジンの直下流における排気系と、同じくエンジ
ンの直下流における吸気系とを互いに連通させるEGR通
路に配備されたEGR弁37が設けられている。このEGR弁37
はコントロールユニット28からの制御信号を受けて開閉
動作するようになっており、開動作時には燃焼後の排気
ガスを吸気系に還流させ、また閉動作時には排気ガスの
還流を停止する。
次に、本実施例における作用を第7図に示した燃料噴
射制御のフローチャートを参照して更に具体的に説明す
る。
すなわち、コントロールユニット28は起動後に先ずス
テップS1を実行してシステムイニシャライズを行い、そ
の後ステップS2で各種のセンサ信号を入力する。
次いで、コントロールユニット28は、ステップS3にお
いて例えばアクセル開度とエンジン回転数に基づいて高
速スピル弁17及びタイマ制御弁23に対する基本制御演算
を行う。この場合において、コントロールユニット28の
メモリには、パイロット噴射の噴射開始時期、燃料噴射
率及び噴射持続時間並びにメイン噴射の噴射開始時期、
燃料噴射率及び噴射持続時間がエンジン負荷状態に対応
して予め記憶されており、コントロールユニット28はそ
れをルックアップすることにより、負荷の低いときには
パイロット噴射がメイン噴射に先立って行われるととも
に、負荷が高くなるに連れて両者の間隔が接近するよう
な高速スピル弁17及びタイマ制御弁23に対する制御目標
値を演算することになる。
次いで、コントロールユニット28は、ステップS4〜S9
の判断処理を行い、必要ならば該当する補正演算を行っ
た後、ステップS10を実行して高速スピル弁17、タイマ
制御弁23及びEGR弁37に制御信号を出力する。
以下、ステップS4〜S9の各判定処理と、それに基づい
た補正制御について説明する。
1番目のステップS4においては高地補正制御のための
判定処理が行われる。つまり、高地では平地と比べて空
気密度が低く、平地使用時の同様な噴射量で燃料を噴射
すると空燃比が小さくなり、スモークが発生しやすくな
る。このため、コントロールユニット28は、第8図のよ
うに大気圧が第1設定大気圧p1以下になるとステップS
11を実行して所定の高地補正を行う。本実施例では、大
気圧が上記第1設定大気圧p1より低下すると、燃料噴射
率が第2設定大気圧p2に達するまでリニアに増加すると
ともに、第2設定大気圧p2に達した時点から燃料噴射率
が一定となるような制御が行われる。これにより大気圧
低下によるスモーク発生が防止されるとともに、平地に
おける出力性能が確保されることになる。
2番目のステップS5においては冷寒始動補正制御のた
めの判定処理が行われる。つまり、コントロールユニッ
ト28は、第9図に示したように、水温センサ34によって
検出した水温が第1設定水温t1よりも低下したと判定す
ると、ステップS12を実行して所定の冷寒始動補正を行
う。この場合、コントロールユニット28はタイマ装置18
が進角するような補正演算を行うとともに、カムディス
ク14の有効カム領域内でパイロット噴射とメイン噴射の
時間間隔を大きくして、パイロット噴射の噴射開始時期
を低噴射率とし、かつメイン噴射の噴射開始時期を高噴
射率とするような高速スピル弁17に対する補正演算を行
う。これにより、第10図に示されるように、パイロット
噴射が低噴射率で早期に行われることになって、リーン
な混合気が燃焼室内に形成され、これにより圧縮行程に
おいて雰囲気温度が上昇してパイロット燃料の気化が促
進されるとともに前炎反応も発生することになるから、
ラジカル化した雰囲気が燃焼室内に生じる。そこへ高噴
射率で微粒化したメイン噴射燃料が噴射されることにな
るから、メイン噴射燃料が確実に燃焼して良好な始動性
能が得られることになる。
3番目のステップS6においては暖機運転補正制御のた
めの判定処理が行われる。つまり、ディーゼルエンジン
においてはパイロット噴射を行うと燃焼騒音を悪化させ
る領域が圧縮行程から膨張行程へ移行するピストン上死
点(TDC)の手前にある。そこで、コントロールユニッ
ト28は、第11図に示すようい、水温が第2設定水温t
2(例えば50℃)以下であると判定したときには、ステ
ップS13を実行してパイロット噴射の噴射開始時期をク
ランク角における燃焼悪化領域に対応する禁止時期より
アドバンス側に設定するような補正演算を行う。これに
より、暖機運転中には、第12図に示すように、上記ピス
トン上死点(TDC)の手前の筒内圧力上昇率の最大値付
近の騒音悪化領域よりもアドバンス側でパイロット噴射
が行われることから、失火を防ぎながら燃焼騒音も低減
することができることになる。そして、コントロールユ
ニット28は水温が第2設定水温t2に達したと判定する
と、パイロット噴射の噴射開始時期を禁止時期を通り越
して進角させる。その結果、第13図に示すように、騒音
悪化領域を避けてパイロット燃料が噴射されることにな
る。なお、本実施例では水温が上記第2設定水温t2より
も低い第3設定水温t3になるまで、水温低下とともに燃
料噴射率をリニアに低下させるようになっている。
4番目のステップS7においては加速補正制御のための
判定処理が行われる。
すなわち、第14図に示すように、単位時間あたりのア
クセル開度の変化、すなわちアクセル開度変化率が設定
値α以上の値を示すと、コントロールユニット28は加速
中と判定し、ステップS14を実行してパイロット噴射を
停止させ、かつメイン噴射をカムディスク14の高噴射率
のところに設定する。したがって、第15図に示すよう
に、メイン噴射燃料が高速度で単発噴射されることか
ら、スモーク発生量が低減されるばかりでなく、加速性
能も向上することになる。
第5番目のステップS8においてはブースト圧補正制御
のための判定処理が行われる。過給機によって発生する
過給圧が或る程度上昇すると、それによって発生する強
い渦流によりパイロット噴霧が流され、これにより混合
気がオーバーリーン状態となって排気ガス中の炭化水素
(HC)の濃度が大きくなることが懸念される。この場
合、過給圧の増加により燃料への着火性が良好に維持さ
れるので、パイロット噴射とメイン噴射の時間間隔を短
縮しても燃焼騒音及びNOXへの影響が少ないと考えられ
る。そこで、コントロールユニット28は、第16図に示す
ように、吸気圧が予め設定した第1設定ブースト圧p
3(例えば300mmHg)より大きくなるとパイロット噴射の
噴射開始時期がメイン噴射の噴射開始時期に近づくよう
に両者の時間間隔をリニアに変化させ、吸気圧が第2設
定ブースト圧p4に達するとパイロット噴射を停止するよ
う制御する(ステップS15)。したがって、例えば任意
の吸気圧pxのときには、パイロット噴射の位置が、第17
図に示すように、上記第設定1ブースト圧p3に対応する
2点鎖線の状態から実線の状態へ変化することになる。
なお、この場合において上記の第1、第2設定ブースト
圧p3,p4はエンジン回転数に応じて変更しても良い。
更に、上記補正に加えてパイロット噴射量を過給圧の
増加に応じて減少させても良く、また噴射率を過給圧の
増加に応じて増加させ、更に噴射時期をリタードするよ
うにしても良い。
また、上記補正条件を予めマップ化しておいて、これ
に基づいてブースト圧の補正制御を行うようにしてもよ
い。
そして、本実施例においては第6番目のステップS9
おいてEGR補正制御のための判定処理が行われる。すな
わち、第18図に示すように、エンジン負荷を代表するア
クセス開度とエンジン回転数とにより決定されるEGR領
域が、予めマップ化されてコントロールユニット28のメ
モリに記憶されている。なお、本実施例では低速低負荷
状態がEGRを行うEGR領域として設定されている。そこ
で、コントロールユニット28は、アクセル開度とエンジ
ン回転数とによりエンジン運転状態がEGR領域にあると
判定したときには、ステップS16を実行してEGR弁37に開
動作信号を出力して吸気系へ排気ガスの一部を還流させ
る。この際、コントロールユニット28は、第19図に示す
ように、タイマ装置18をアドバンス側に設定するととも
に、カム速度の大きい領域(I)のところで補正前のメ
イン噴射の噴射開始時期よりもΔθだけリタードする
ようなメイン噴射動作信号を高速スピル弁17へ出力す
る。これにより、NOXが通常のEGR以上に低減されるばか
りでなく、HC濃度等も低減されることになる。
なお、コントロールユイット28は上記の各補正制御を
行わない場合には、タイマ装置18及び高速スピル弁17を
エンジン負荷に応じて次のように制御する。
先ず、中負荷時においてはコントロールユニット28か
らEGR弁37に停止信号が出力され、これを受けたEGR弁37
が排気ガスの還流を停止することになる。その際、第20
図に示すように、タイマ装置18がEGR補正時よりもリタ
ードされるとともに、カム速度の小さい領域(II)にお
ける中間部分において、メイン噴射に近接したところで
パイロット噴射が行われる。この結果、EGR補正時、す
なわち低負荷状態よりもメイン噴射の燃料噴射率が低下
することになる。
そして、高負荷時においては、第21図に示すように、
中負荷時と同様にEGRが停止された状態で高速スピル弁1
7にメイン噴射信号が出力されてメイン噴射のみが行わ
れることになる。これにより、燃焼がスムーズに行われ
て出力性能が確保されるばかりでなく、スモークの発生
が防止されて排気性能が向上することになる。なお、こ
の場合においてカムディスク14の領域(I)における高
噴射率のところを使用するとともに、メイン噴射の噴射
開始時期をΔθだけリタードさせるようにすれば、NO
X及びスモークの両方が低減されるばかりでなく、燃焼
が効率よく行われて燃費性能が向上することにもなる。
(発明の効果) 以上のように本発明によれば、低負荷時にはEGRによ
りNOXが低減され、中負荷時にはスモークを発生しやす
い排気ガスの還流を停止してパイロット噴射を行うこと
によりNOXおよびスモークが低減され、そして高負荷時
にはEGRに加えてパイロット噴射も停止することにより
同様にしてスモークが低減されることになるから、エン
ジン負荷全域にわたって出力性能を損なうことなく排気
性能が良好にされるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の機能ブロック図である。第2図〜第21
図は本発明の実施例を示すもので、第2図は本実施例に
おける燃料噴射ポンプの内部構造を一部展開して示す一
部切欠全体側面図、第3図は第2図のIII−III矢視によ
る要部拡大図、第4図はカムディスクの一部展開図、第
5図は同じくカムディスクのカム速度線図、第6図はエ
ンジン制御システム図、第7図はコントロールユニット
が実行する燃料噴射制御のフローチャート図、第8図は
高地補正に用いるマップの説明図、第9図は冷寒始動補
正に用いるマップの説明図、第10図は冷寒始動補正時の
噴射率特性図、第11図は暖機補正に用いるマップの説明
図、第12図は暖機補正時における筒内圧力上昇率と噴射
率の特性図、第13図は暖機完了後の筒内圧力上昇率と噴
射率の特性図、第14図は加速補正に用いるマップの説明
図、第15図は加速補正時における噴射率特性図、第16図
はブースト圧補正に用いるマップの説明図、第17図はブ
ースト圧補正時における噴射率特性図、第18図はEGR補
正に用いる領域マップの説明図、第19図はEGR補正時に
おける噴射率特性図、第20図は中負荷時における噴射率
特性図、第21図は高負荷時における噴射率特性図であ
る。 17……燃料噴射手段(高速スピル弁)、28……制御手段
(コントロールユニット)、37……排気ガス再循環手段
(EGR弁)。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料のメイン噴射に先立ってパイロット噴
    射を行いうる燃料噴射手段と、排気ガスの一部を吸気系
    に還流させる排気ガス再循環手段とを有するディーゼル
    エンジンの燃料噴射制御装置であって、低負荷時には排
    気ガスの還流を行わせるとともにパイロット噴射を停止
    させ、中負荷時には排気ガスの還流を停止させるととも
    にパイロット噴射を行わせ、かつ高負荷時には排気ガス
    の還流及びパイロット噴射を停止させるように、上記燃
    料噴射手段及び排気ガス再循環手段を制御する制御手段
    が備えられていることを特徴とするディーゼルエンジン
    の燃料噴射制御装置。
  2. 【請求項2】制御手段は、高負荷時に排気ガスの還流及
    びパイロット噴射を停止させるとともに、メイン噴射の
    噴射開始時期をリタードさせるように、燃料噴射手段及
    び排気ガス再循環手段を制御することを特徴とする請求
    項1に記載のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置。
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