JP2594403B2 - コークス炉の黒煙排出防止装置 - Google Patents

コークス炉の黒煙排出防止装置

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JP2594403B2
JP2594403B2 JP4220003A JP22000392A JP2594403B2 JP 2594403 B2 JP2594403 B2 JP 2594403B2 JP 4220003 A JP4220003 A JP 4220003A JP 22000392 A JP22000392 A JP 22000392A JP 2594403 B2 JP2594403 B2 JP 2594403B2
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正一 久米
和秋 藤井
清 升岡
義昭 佐藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コークス炉の炭化室に
石炭を装入して、炭化室の両側の燃焼室の高温度を夫々
の仕切り煉瓦壁を伝熱体として、石炭を乾留する際に煙
突から黒煙が排出することを防止する、コークス炉の黒
煙排出防止に関する。
【0002】
【従来の技術】コークス炉は、石炭を乾留製造する為の
炭化室と石炭を加熱することを目的とした燃焼室を煉瓦
製の仕切り壁を介し炭化室の両側に配置し、片側の燃焼
室は隣の炭化室と共用する様に燃焼室−炭化室−燃焼室
−炭化室−燃焼室の配列で多数門の窯により構成されて
いる。斯様な状態で、炭化室に装炭された石炭は燃焼室
内の燃料ガスの燃焼により、上述の煉瓦製仕切壁を約1
200〜1300℃まで昇温させて約15〜19時間か
けて、石炭を乾留してコークスとする。その乾留により
装炭された石炭中の揮発分は石炭から分離揮発して、ガ
ス体となって吸気ブロワーにて炉外に導かれる。此のよ
うに吸気ブロワーにて一定の負圧で引かれているが、乾
留中の揮発分は装炭された直後が最も多く順次少なくな
って行く傾向を持つので炭化室内の圧力は、装炭直後は
約20mmAqが約7〜12時間経ると約0mmAqと2次曲線
的に減少する特性を持っている。
【0003】また一方、燃焼室からの廃ガスは一般に燃
焼室下方にある蓄熱室を通過する際その煉瓦に熱を与え
低温となって廃気するが、コークスの乾留時間は前述の
ように長時間なので、燃焼室での燃焼性を高め熱効率向
上に資する蓄熱室の蓄熱能力を保つため、図6に示すよ
うに一定時間毎に奇数側廃気弁又は偶数側廃気弁を経由
する様に切換えられていて、煙道を通り煙突から排出さ
れるようになっている。すなわち、通常コークス炉は、
図5に示すようにコークス炉1の燃焼室で燃えた廃ガス
は燃焼室の下方にある蓄熱室4を経て廃気弁5と廃気弁
下圧力調整弁6で調整されて、炉団に平行に配置されて
いる煙道8に流れ煙突から大気に排出されている。
【0004】図6はコークス炉の一部の正面図とその燃
焼室・蓄熱室縦断側面図(左図)を合わせた通常形式の
奇数・偶数引き操業切換の説明図(図6は燃焼室2の場
合のみを図示しているが燃焼室2aや他の燃焼室につい
ても同じ)で、図6(A)は奇数引きを示しているが、
燃焼室2にて燃焼する燃料は燃料投入口19aにて空気
は燃焼用空気投入口20aにて蓄熱室4Bの熱を受け高
温となって燃焼室内で急激に燃焼して前述のように仕切
壁を加熱しつつ矢印の方向に流れ蓄熱室4Aに熱を与え
低温となって廃気弁5を経て煙道8へ流れる。そして、
一定時間を経て蓄熱室4Aに充分な熱が着くと、図6
(B)の「偶数引き」状態に示している廃気弁5aの
開、廃気弁5の閉によって切替わる。図6(B)は偶数
引きを示しているが、これは図6(A)の逆で燃焼室に
て燃焼する燃料は燃料投入口19、空気は燃焼用空気投
入口20にて、先の行程で受熱した蓄熱室4Aの熱を受
け高温となって燃焼し、矢印の方向に流れ蓄熱室4Bに
熱を与え廃気弁5aを経て煙道8へ流れ、これを繰り返
す。このような加熱(乾留)操作にて適正な品質になっ
たコークスは、押出機にて機械的に炉外に押出される。
【0005】従って、長期に操業を継続すると、夫々の
仕切となっている煉瓦壁は温度変化による温度的変態・
押出時の機械的な摩擦・押出不調(押詰り)による外力
のため変形する等でその煉瓦壁の煉瓦間の目地に「隙
間」が生じ、石炭の乾留による生成ガスは、上記の廃ガ
ス系に流れ出し煙突よりの黒煙となる。すなわち、炭化
室と煉瓦壁で隣接する燃焼室の夫々がこの煉瓦壁の目地
隙間を通して相互に影響して、コークス炉が老化傾向と
なった時など此の煉瓦目地に隙間が出来やすいため、煙
突より大気に排出される燃焼ガスが黒煙化する。
【0006】この黒煙は「公害・労働環境」の問題とな
るので当然その対策が必要となる。従来、これの為の
「黒煙排出防止対策」として、煙突に至る「排煙系」
に電気集塵器やバグフィルターを設置したり、前述の
乾留生成ガス量と吸気ブロワー吸引量とのバランスなど
で黒煙の発生の機会が装炭後の初期に多いので、その機
会を主体的に別系に設備してある集塵機系に分離して集
塵する方法等が行われて来たが、は設備規模が大とな
る、又は1個宛の廃気弁にて処理するため装備する数
が多数となり、狭小なスペースにては処理しにくい。
【0007】そこで本発明は、上記の欠点を排除し確実
に黒煙の排出を防止するための検討をした結果、コーク
ス炉出口付近に煤塵濃度計を設置して直接その量により
排煙系を2系列にして、従来の煙道と集塵装置に切換え
操作することが確実であることを見出して本発明を完成
した。即ち、本発明はコークス炉の燃焼室出口から煙道
に至る間に煤塵濃度計を設け廃気弁出口を前記2系列に
分岐して夫々に切換弁を配置して、煤塵濃度計の指示に
より煙道系又は集塵系に流すように、此の弁類を逆動作
にて切換えることを特徴とするコークス炉の黒煙排出防
止方法を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】まず、本発明に係る黒煙
排出防止装置を適用するためのコークス炉について説明
すると、これは、両隣の燃焼室より仕切壁を介して加熱
される炭化室を多数門有し、各燃焼室の下方に奇数側蓄
熱室及び偶数側蓄熱室が設けられ、奇数側蓄熱室及び偶
数側蓄熱室に対応して、その下流に奇数側廃気弁及び偶
数側廃気弁が設けられ、奇数側廃気弁と偶数側廃気弁と
を交互に切替開閉することにより、奇数側蓄熱室及び偶
数側蓄熱室のいずれか一方を燃料ガス及び燃焼空気に熱
を与える予熱側とし、他方を燃焼室からの廃ガスにより
蓄熱可能な蓄熱側とし、燃焼室からの廃ガスを蓄熱側の
蓄熱室から奇数側廃気弁又は偶数側廃気弁を経て煙突か
ら排出するようにしたコークス炉である。すなわち、炭
化室内での石炭の乾留時において、燃焼室内の燃焼効率
を高めるために、燃料ガス及び空気を共に燃焼室下方の
例えば奇数側蓄熱室で予熱する。この予熱された燃料ガ
ス及び空気は燃焼室内で急激に燃焼して図3の示すよう
に仕切壁で仕切られた室内をU字形の経路で進み、下方
の偶数側蓄熱室に熱を与えて低温となって炉外に排出さ
れる。この乾留工程は、前述のごとく、約15〜19時
間もかかるので、当然、予熱側の蓄熱室の温度は低下
し、逆に蓄熱中の蓄熱室の能力が飽和状態となり、炉外
への排出温度が上がり、操業できなくなる。そこで、い
わゆる「奇数引き」「偶数引き」と称して燃焼方向を所
定時間ごとに切換る対策を施し、蓄熱能力の平均化を図
り、燃焼効率の高位安定を図っている。すなわち、奇数
側蓄熱室から燃焼室を経て偶数側蓄熱室に至る燃焼方向
と、偶数側蓄熱室から燃焼室を経て奇数側蓄熱室に至る
燃焼方向とを所定時間ごとに切換える対策を施したコー
クス炉が知られている。本発明は、このようなコークス
炉に適用して上記目的を達成するための黒煙排出防止装
置である。すなわち、本発明の黒煙排出防止装置は、奇
数側廃気弁及び偶数側廃気弁の下流側に出口を共用する
共通ボックスが連通配置され、該共通ボックスの下流側
に煙突に至る煙道系と集塵器側に至る集塵系の2系列が
分岐して設けられ、共通ボックスの下流側に煙道系及び
集塵系のいずれか一方を開放し他 方を閉塞する切換弁が
設けられ、廃ガスの煤塵濃度信号を受けて該信号が高煤
塵濃度のときに集塵系を開放し、低煤塵濃度のときに煙
道系を開放するよう切換弁を切換制御する制御部が設け
られたことを特徴とするものである。この場合の煤塵濃
度信号は、例えば、装炭開始信号とその装炭開始信号の
入力により計時を開始する作動タイマーから出力される
信号であっても、煤塵濃度計からの濃度信号であっても
よい。装炭開始信号及び作動タイマーからの信号の場
合、制御部では、装炭開始信号の入力を受けて高煤塵濃
度と判断して切換弁を集塵系開放側に切換え、またこの
装炭開始信号を受けて計時を開始した作動タイマーの計
時終了信号を受けて切換弁を煙道系開放側に切り換える
ように制御すればよい。すなわち、装炭開始信号が高煤
塵濃度信号を意味し、作動タイマーの計時終了信号が低
煤塵濃度信号を意味する。また、煤塵濃度計からの濃度
信号の場合、制御部は、煤塵濃度計からの濃度信号が一
定レベル以上の高煤塵濃度のときに黒煙が発生している
と判断して切換弁を集塵系開放側に切換え、濃度信号が
一定レベルよりも小さいときには黒煙が除煙されたもの
として切換弁を煙道側に切換えるように制御すればよ
い。この場合の切換弁は、集塵系と煙道系とのいずれか
を選択的に切り替えることを意味し、具体的には、煙道
系切換弁と集塵系切換弁を設ける構成を採用することが
できる。従って、本発明によると、奇数側廃気弁と偶数
側廃気弁の出口が共通ボックスにより共通するので、煙
道系又は集塵系への廃ガスの流れの切換は、共通ボック
ス下流の切換弁の制御で可能となり、これら切換弁を各
廃気弁ごとに設けなくてもよいことから、簡単な制御と
なり、かつ切換弁の設置数も少なくて済む。また、共通
ボックスに廃ガスの煤塵濃度を測定するための煤塵濃度
計が設けられ,前記制御部は、この煤塵濃度計からの信
号を受けて切換弁を制御するようにすれば、コークス炉
それぞれの状況により、煤塵の多少が確実に検出でき、
その指令により、装炭開始からの時間の多少に拘わら
ず、集塵系と煙道系とを切り換えることができて、確実
に黒煙の発生を防止できる。また、集塵系には、廃ガス
の煤塵を集塵除去するための集塵器と、この集塵系に廃
ガスを吸引するための集塵ブロワーと、この集塵ブロワ
ーの入口に配された 入口ダンパーとを含んでいるが、こ
の入口ダンパーの開閉を制御するダンパー制御部を設
け、このダンパー制御部は、前記複数の共通ボックスに
設置された前記各煤塵濃度計の測定信号を受けて全体煤
塵量を計算し、その全体煤塵量が小さくなるに従って前
記入口ダンパーを閉方向に制御するように構成すれば、
廃気量を減少させてブロワ軸動力を減少させることか
ら、消費電力の低減が図れ、省エネルギー化が果たせ
る。
【0009】
【作用】コークス炉は、石炭を高温乾留させる乾留時間
が長時間なので、燃焼室での燃焼性を高め熱効率を向上
して蓄熱室の蓄熱能力を保つため、図3並びに図4に示
すように「奇数・偶数引き」と称して一定時間毎に廃気
ガスの流路を切換え蓄熱熱量のバラツキを防止する。こ
れを図3で説明すると、(A)図は低煤塵濃度の時の奇
数引きを示しているが、燃焼室にて燃焼する燃料は燃料
投入口にて、空気は燃焼用空気投入口にて蓄熱室4Bの
熱を受け高温となって燃焼室内で急激に燃焼して仕切壁
を加熱しつつ矢印の方向に流れ蓄熱室4Aに熱を与え低
温となって廃気弁5を経て煙道へ流れる。そして一定時
間を経て蓄熱室4Aに充分な熱が与えられると、図4の
(A)図の低煤塵濃度の時の「偶数引き」状態に示して
いる廃気弁5を閉、廃気弁5aの開によって切替わる。
【0010】図4の(A)図は低煤塵濃度の時の偶数引
きを示しているが、これは図3の(A)図の逆の状態を
示し、燃焼ガスは矢印の方向に流れ蓄熱室4Bに熱を与
え廃気弁を経て煙道へ流れ、これを繰り返す。此処にお
いて、若し煉瓦製の仕切壁に隙間が出来る等のトラブル
が出ると、乾留中の生成ガスが排気系に流出して黒煙と
なるのだから、図3及び図4に示すように、奇数/偶数
引き廃気の別なく共通にする共通ボックスを設置して、
その下流に位置する煙道系と集塵系の2系列に分岐する
と共に、この共通ボックスに煤塵濃度計を設け、その検
知(指示)によって煙道系と集塵系の各弁類を逆動作す
ることにより、多煤塵濃度の時は集塵系へ、少ない煤塵
濃度の時は煙道系に切り替える。
【0011】このようにして、コークス炉の各窯毎の様
々な損傷状態等によって異なる黒煙排出信号は、廃気弁
出口以降を共通にする奇数/偶数引き共通ボックスを装
備して設備数を半減して制御を容易にすることと、それ
に装備している煤塵濃度計の検出信号により煤塵の少な
い時は、煙道系切換弁の開、即ち集塵系切換弁の閉、煤
塵量の多い時は、煙道系切換弁の閉、即ち集塵系切換弁
の開の操作をさせることにより、コークス炉の廃ガス中
の煤塵濃度を直接煤塵濃度計にて知って、煤塵濃度が高
い時のみ黒煙集塵が出来るため、コークス炉個々の管理
が確実で全炉団の全体煤塵分が低い時は、その信号値の
集計値で集塵ブロワー入口ダンパーを閉方向にすること
で省エネルギーを果たし、運転経費のさらなる低減が果
たせる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面にしたがって
説明する。図1は本発明の装置の一例を示す概略平面
図、図2は同じく概略断面図(従来と同一のものは同番
号を付す)であって、1はコークス炉、2,2a,2
b,2c,2dは燃焼室、3,3a,3b,3cは炭化
室、4は蓄熱室、5,5a,5b,5cは廃気弁、6は
廃気弁下流側圧力調整弁、7は煙道系切換弁、8は煙
道、9は奇数/偶数引き共通ボックス、10は煤塵濃度
計、12,12aは集塵系切換弁、13は集塵系入口ダ
クト、14は集塵器、15は集塵ブロワー入口ダンパ
ー、16は集塵ブロワー、17は集塵系出口ダクト、1
8は煙突、19,19aは燃料投入口、20,20aは
燃焼用空気投入口である。
【0013】コークス炉1は、前述の様にその設備構造
は、炭化室3,3a,3b,3cは煉瓦製の仕切壁を介
して、燃焼室2,2a,2b,2c,2dを両側に配置
するような形で、炉団当たり30〜100門で構成され
ている。また前記の1炉1系統の両廃気弁下部に設けた
奇数/偶数引き共通ボックス9より集塵系側は集塵系切
換弁12を経て集塵系ダクト13に連絡されている。そ
して、通常は図1のように燃焼室で燃えた廃気ガスは、
各廃気弁5,5a,5b,5cと廃気弁下流側圧力調整
弁6(図2参照)で調整されて、炉団に平行に設置され
ている煙道8に流れ、更に煙突18より大気に排出さ
れ、又、コークスの乾留時間は前述のように長時間なの
で、燃焼室での燃焼性を高め熱効率向上に資する蓄熱室
の蓄熱能力を保つため、図3及び図4の様に「奇数・偶
数引き」と称して一定時間毎に廃気ガスの流路を切換え
蓄熱熱量のバラツキを防止している。
【0014】図3の(A)図は本発明の低煤塵濃度の奇
数引き、同(B)図は同高煤塵濃度の奇数引きのそれぞ
れ操業切換の説明図であり、図4の(A)図は本発明の
低煤塵濃度の偶数引き、同(B)図は高煤塵濃度の偶数
引きのそれぞれ操業切換の説明図(図3、図4は燃焼室
2の場合のみを図示しているが、燃焼室2aや他の燃焼
室についても同じ)であって、これを「奇数・偶数引
き」について、図3、図4で説明すると、図3の(A)
図は奇数引きを示しているが、燃焼室にて燃焼する燃料
は燃料投入口19aにて、空気は燃焼用空気投入口20
aにて蓄熱室4Bの熱を受け高温となって燃焼室2内で
急激に燃焼して前述のように仕切壁を加熱しつつ、矢印
の方向に流れ蓄熱室4Aに熱を与え低温となって廃気弁
5を経て煙道8へ流れる。
【0015】そして一定時間を経て蓄熱室4Aに充分な
熱が与えられると、図4の(A)図の偶数引き状態に示
している廃気弁5の閉、廃気弁5aの開によって切替わ
る。図4の(A)図は偶数引きを示しているが、これは
図3の(A)図の逆で燃焼室にて燃焼する燃料は燃料投
入口19、空気は燃焼用空気投入口20にて、先の行程
で受熱した蓄熱室4Aの熱を受け高温となって燃焼し、
矢印の方向に流れ蓄熱室4Bに熱を与え廃気弁5aを経
て煙道8へ流れこれを繰り返す。
【0016】若し煉瓦製の仕切壁に隙間が出来る等のト
ラブルが出ると、乾留中の生成ガスが排気系に流出して
黒煙となるので、廃気弁5,5a・・の下流に、下流側
圧力調整弁6を介して奇数側/偶数側廃気の別なく共用
する奇数/偶数引き共通ボックス9を設置して、この共
通ボックス9に廃ガス中の煤塵濃度を測定するための煤
塵濃度計10(図2参照)を設け、共通ボックス9の下
流側を煙道系と集塵系の2系列に分岐すると共に、夫々
に逆動作する煙道系切換弁7と、集塵系切換弁12を設
けて窯1門毎の1炉1系統の簡単な機構を取付ける。
【0017】図3及び図4に示すように、廃気弁下流側
圧力調整弁出口以降を共通函にて「奇数・偶数引き」の
操作区別なしに、煤塵濃度の低い時は図3の(A)図、
又は図4の(A)図のように煙道系切換弁7を開にして
煙道8へ流せば良いし、煤塵濃度の高い時は、図3の
(B)図、又は図4の(B)図のように煙道系切換弁7
を閉じて集塵系統に廃気するようにする。即ち、煙道系
切換弁7には煙道8への流れを「断又は通」の操作機能
をもたせ、通常の排気系統の「通のみの機能」に「断・
通」の機能を付加させ、集塵系切換弁12には黒煙集塵
を目的とした集塵系への「断又は通」の操作機能をもた
せるのである。
【0018】このようにして、コークス炉の各窯毎の様
々な損傷状態等によって「黒煙排出信号」は異なるが、
廃気弁下流側圧力調整弁出口以降を共通にする奇数/偶
数引き共通ボックス9を装備したことにより、奇数/偶
数引きの別なくそれに設置した煤塵濃度計10の検出信
号により、煤塵の少ない時は煙道系切換弁7の開、即ち
集塵系切換弁12の閉。煤塵量の多い時は煙道系切換弁
7の閉、即ち集塵系切換弁12の開の操作が行われ、コ
ークス炉廃ガス中の煤塵濃度を直接煤塵濃度計10にて
知って、装炭時のタイマー制御はもとより、炉壁損傷等
による煤塵濃度が高い時のみ黒煙集塵が出来るのであ
る。
【0019】又、図中の廃気弁下流側圧力調整弁6は、
多数のコークス炉の特性と、従来の煙突への排気系に加
えて、本発明による黒煙集塵系の配管抵抗値の差を吸収
調節可能な弁を備えているので、コークス炉燃焼の微妙
な調節をすることにより、理想的な燃焼管理の一助にも
なって燃料原単位の低減・低NOX 化に有効となる。
【0020】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、奇数側廃気弁と偶数側廃気弁の出口が共通ボッ
クスにより共通するので、煙道系又は集塵系への廃ガス
の流れの切換は、共通ボックス下流の切換弁の制御で可
能となり、これら切換弁を各廃気弁ごとに設けなくても
よいことから、簡単な制御となり、かつ切換弁の設置数
も少なくて済む。また、共通ボックスに廃ガスの煤塵濃
度を測定するための煤塵濃度計を設け、この煤塵濃度計
からの信号を受けて制御部で切換弁を制御するようにす
れば、コークス炉それぞれの状況により、煤塵の多少が
確実に検出でき、その指令により、装炭開始からの時間
の多少に拘わらず、集塵系と煙道系とを切り換えること
ができて、確実に黒煙の発生を防止できる。また、集塵
系の集塵ブロワー入口ダンパーの開閉を制御するダンパ
ー制御部を設け、このダンパー制御部は、前記複数の共
通ボックスにそれぞれ設置された煤塵濃度計の測定信号
を受けて全体煤塵量を計算し、その全体煤塵量が小さく
なるに従って入口ダンパーを閉方向に制御するように構
成すれば、省エネルギー化が図れ運転経費のさらなる低
減が果たせる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の一実施例を示す概略平面図。
【図2】図1の概略縦断面図。
【図3】(A)図は本発明における低煤塵濃度の奇数引
きの操業切換の説明図、(B)図は同じく高煤塵濃度の
奇数引きの操業切換の説明図である。
【図4】(A)図は本発明における低煤塵濃度の奇数引
きの操業切換の説明図、(B)図は同じく高煤塵濃度の
偶数引きの操業切換の説明図である。
【図5】コークス炉の通常形式の概略断面図。
【図6】同通常形式の奇数・偶数引きの操業切換の説明
図である。
【符号の説明】
1 コークス炉 2,2a,2b,2c,2d 燃焼室 3,3a,3b,3c 炭化室 4,4A,4B 蓄熱室 5,5a,5b,5c 廃気弁 6 廃気弁下流側圧力調整弁 7 煙道系切換弁 8 煙道 9 奇数/偶数引きの共通ボックス 10 煤塵濃度計 12 集塵系切換弁 13 集塵系入口ダクト 14 集塵器 15 集塵プロワー入口ダンパー 16 集塵ブロワー 17 集塵系出口ダクト 18 煙突 19,19a 燃料投入口 20,20a 燃焼用空気投入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−104992(JP,A) 特開 昭60−181189(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両隣の燃焼室より仕切壁を介して加熱さ
    れる炭化室を多数門有し、前記各燃焼室の下方に奇数側
    蓄熱室及び偶数側蓄熱室が設けられ、前記奇数側蓄熱室
    及び偶数側蓄熱室に対応して、その下流に奇数側廃気弁
    及び偶数側廃気弁が設けられ、前記奇数側廃気弁と偶数
    側廃気弁とを交互に切替開閉することにより、前記奇数
    側蓄熱室及び偶数側蓄熱室のいずれか一方を燃料ガス及
    び燃焼空気に熱を与える予熱側とし、他方を燃焼室から
    の廃ガスにより蓄熱可能な蓄熱側とし、前記燃焼室から
    の廃ガスを前記蓄熱側の蓄熱室から奇数側廃気弁又は偶
    数側廃気弁を経て煙突から排出するようにしたコークス
    炉において、 前記奇数側廃気弁及び偶数側廃気弁の下流側に出口を共
    用する共通ボックスが連通配置され、該共通ボックスの
    下流側に前記煙突に至る煙道系と集塵器側に至る集塵系
    の2系列が分岐して設けられ、前記共通ボックスの下流
    側に前記煙道系及び集塵系のいずれか一方を開放し他方
    を閉塞する切換弁が設けられ、廃ガスの煤塵濃度信号を
    受けて該信号が高煤塵濃度のときに前記集塵系を開放
    し、低煤塵濃度のときに前記煙道系を開放するよう前記
    切換弁を切換制御する制御部が設けられたことを特徴と
    するコークス炉の黒煙排出防止装置。
  2. 【請求項2】 前記共通ボックスに廃ガスの煤塵濃度を
    測定するための煤塵濃度計が設けられ、前記制御部は、
    前記煤塵濃度計からの信号を受けて該信号が高煤塵濃度
    のときに前記集塵系を開放し、低煤塵濃度のときに前記
    煙道系を開放するよう前記切換弁を切換制御するように
    した請求項1記載のコークス炉の黒煙排出防止装置。
  3. 【請求項3】 前記集塵系は、廃ガスの煤塵を集塵除去
    するための集塵器と、この集塵系に廃ガスを吸引するた
    めの集塵ブロワーと、この集塵ブロワーの入口に配され
    た入口ダンパーとを含み、前記入口ダンパーの開閉を制
    御するダンパー制御部が設けられ、該ダンパー制御部
    は、前記複数の共通ボックスに設置された前記各煤塵濃
    度計の測定信号を受けて全体煤塵量を計算し、その全体
    煤塵量が小さくなるに従って前記入口ダンパーを閉方向
    に制御するようにしたコークス炉の黒煙排出防止装置。
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