JP2594245B2 - 不溶性金属電極の再活性化方法 - Google Patents
不溶性金属電極の再活性化方法Info
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- JP2594245B2 JP2594245B2 JP63295373A JP29537388A JP2594245B2 JP 2594245 B2 JP2594245 B2 JP 2594245B2 JP 63295373 A JP63295373 A JP 63295373A JP 29537388 A JP29537388 A JP 29537388A JP 2594245 B2 JP2594245 B2 JP 2594245B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、イオン交換膜法食塩電解用等に使用されて
その活性が低下した不溶性金属電極を、その構造体から
取り外さずにそのまま再活性化処理を行う方法に関す
る。
その活性が低下した不溶性金属電極を、その構造体から
取り外さずにそのまま再活性化処理を行う方法に関す
る。
(従来技術とその問題点) 食塩電解等に使用される不溶性金属電極は、板状、簾
状、穴明状又はエクスパンドメッシュ状等の形状を有す
るチタンやチタン合金等のいわゆる弁金属まら成る基材
表面に白金族金属元素を主とする単一金属又は合金、あ
るいはこれらの金属の単一又は複合酸化物(例えば特公
昭48−3954号公報)を被覆したものが使用される。これ
らの電極は食塩電解時に低い電圧で塩素生成し極めて長
寿命を有するが、いずれは触媒活性が劣化して電極電位
が上昇したりあるいはときには通電不能になったりする
ことがあり、このような状態になる前に前記電極の再活
性化を行わなければならない。
状、穴明状又はエクスパンドメッシュ状等の形状を有す
るチタンやチタン合金等のいわゆる弁金属まら成る基材
表面に白金族金属元素を主とする単一金属又は合金、あ
るいはこれらの金属の単一又は複合酸化物(例えば特公
昭48−3954号公報)を被覆したものが使用される。これ
らの電極は食塩電解時に低い電圧で塩素生成し極めて長
寿命を有するが、いずれは触媒活性が劣化して電極電位
が上昇したりあるいはときには通電不能になったりする
ことがあり、このような状態になる前に前記電極の再活
性化を行わなければならない。
この再活性化方法としては、これらの電極の前記被覆
を物理的あるいは化学的に除去し、新たに表面に活性層
を被覆することが一般的である。又被覆の触媒活性が完
全に劣化していない場合に、そのまま該被覆上に新たな
被覆を形成する方法も知られている。
を物理的あるいは化学的に除去し、新たに表面に活性層
を被覆することが一般的である。又被覆の触媒活性が完
全に劣化していない場合に、そのまま該被覆上に新たな
被覆を形成する方法も知られている。
これらの方法は有用ではあるが、イオン交換膜法食塩
電解槽、特に薄い箱型の複数の電解槽を横方向に並べて
両側からタイロッドや油圧プレスで締めつけて槽を構成
するフィルタープレス型電解槽の場合は、通常陽極が電
解槽に固定されており前記再活性化法を適用するのは困
難である。即ち前記被覆は通常400〜600℃の温度で焼付
けることにより形成されるが、該方法によると電極を前
記電解槽に溶接したままこの加熱焼付け作業を行わなけ
ればならず、該焼付け設備の規模が大型化するという欠
点があり、更に該焼付けにより前記電極及び電解槽の構
造体に熱歪等が発生し易く槽全体の再生が困難又は不可
能になるという問題点を有している。
電解槽、特に薄い箱型の複数の電解槽を横方向に並べて
両側からタイロッドや油圧プレスで締めつけて槽を構成
するフィルタープレス型電解槽の場合は、通常陽極が電
解槽に固定されており前記再活性化法を適用するのは困
難である。即ち前記被覆は通常400〜600℃の温度で焼付
けることにより形成されるが、該方法によると電極を前
記電解槽に溶接したままこの加熱焼付け作業を行わなけ
ればならず、該焼付け設備の規模が大型化するという欠
点があり、更に該焼付けにより前記電極及び電解槽の構
造体に熱歪等が発生し易く槽全体の再生が困難又は不可
能になるという問題点を有している。
又電極部分のみを槽外に取り出して前記再活性化処理
を行うことも可能ではあるが、該電極の溶接部を破壊し
て電極を前記電解槽から剥離させる必要があり、該剥離
作業の手間が莫大なものとなるとともに、通常使用され
る厚さ1.5mm以下のエクスパンドメッシュ基材では電極
の剥離の際に該電極に変形が起こり易く、電極の整形を
更に必要とするという問題点がある。
を行うことも可能ではあるが、該電極の溶接部を破壊し
て電極を前記電解槽から剥離させる必要があり、該剥離
作業の手間が莫大なものとなるとともに、通常使用され
る厚さ1.5mm以下のエクスパンドメッシュ基材では電極
の剥離の際に該電極に変形が起こり易く、電極の整形を
更に必要とするという問題点がある。
このような問題点を回避するために、特にエクスパン
ドメッシュ基材を使用する不溶性金属電極では、既存の
エクスパンドメッシュ基材上に、該基材とほぼ同形のメ
ッシュ基材を軸方向を一致させて溶接する方法が試みら
れている。イオン交換膜法食塩電解では、通常陽極とイ
オン交換膜とが密着状態で使用され前記メッシュ基材の
目開きにばらつきがあると電流集中による前記イオン交
換膜の損傷に繋がるため、該目開きは前記基材の全面で
ほぼ一定であることが要求される。ところが通常同一形
状として提供されるメッシュ基材も厳密な意味では同一
ではなく、既存メッシュ基材と新メッシュ基材とをその
メッシュを完全に一致させて溶接しても該部分に近接す
る箇所では十分な目開きの溶接部が得られても、離れた
箇所では例えば第2図に示す通り既存メッシュ基材Aと
新メッシュ基材Bの重なりが横方向にずれて図示の場合
にはメッシュ孔Cの四隅に全体の1/4の目開きしか得る
ことができない。該メッシュ基材A、Bの図示のメッシ
ュ孔Cの互いに近接するメッシュ孔C同志の目開きはほ
ぼ一定であるが、メッシュ基材A、Bを全体的に見る
と、目開きが1であるメッシュ孔とその1/4であるメッ
シュ孔が偏在し、電流集中等によるイオン交換膜の損傷
を誘起したり部分的に板面に近い部分が生じて電解液の
円滑な流通が起こらなくなったりする恐れがある。
ドメッシュ基材を使用する不溶性金属電極では、既存の
エクスパンドメッシュ基材上に、該基材とほぼ同形のメ
ッシュ基材を軸方向を一致させて溶接する方法が試みら
れている。イオン交換膜法食塩電解では、通常陽極とイ
オン交換膜とが密着状態で使用され前記メッシュ基材の
目開きにばらつきがあると電流集中による前記イオン交
換膜の損傷に繋がるため、該目開きは前記基材の全面で
ほぼ一定であることが要求される。ところが通常同一形
状として提供されるメッシュ基材も厳密な意味では同一
ではなく、既存メッシュ基材と新メッシュ基材とをその
メッシュを完全に一致させて溶接しても該部分に近接す
る箇所では十分な目開きの溶接部が得られても、離れた
箇所では例えば第2図に示す通り既存メッシュ基材Aと
新メッシュ基材Bの重なりが横方向にずれて図示の場合
にはメッシュ孔Cの四隅に全体の1/4の目開きしか得る
ことができない。該メッシュ基材A、Bの図示のメッシ
ュ孔Cの互いに近接するメッシュ孔C同志の目開きはほ
ぼ一定であるが、メッシュ基材A、Bを全体的に見る
と、目開きが1であるメッシュ孔とその1/4であるメッ
シュ孔が偏在し、電流集中等によるイオン交換膜の損傷
を誘起したり部分的に板面に近い部分が生じて電解液の
円滑な流通が起こらなくなったりする恐れがある。
前記既存メッシュ基材より厚いメッシュ基材を溶接す
れば見掛け上、上記問題点は解決するが、陽極の厚さが
厚くなり過ぎるため、シールパッキンの取替え等が必要
となるという欠点がある。
れば見掛け上、上記問題点は解決するが、陽極の厚さが
厚くなり過ぎるため、シールパッキンの取替え等が必要
となるという欠点がある。
(発明の目的) 本発明は、叙上の問題点を解決し、活性の低下したエ
クスパンドメッシュ基材から成る不溶性金属電極を容易
に再活性化することのできる方法を提供することを目的
とする。
クスパンドメッシュ基材から成る不溶性金属電極を容易
に再活性化することのできる方法を提供することを目的
とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、菱形のメッシュ孔を有し金属又は金属酸化
物を被覆したエクスパンドメッシュ基材からなる不溶性
金属電極の該金属又は金属酸化物被覆の活性が低下した
際に、前記既存メッシュ基材とほぼ同形状の活性被覆を
有する新メッシュ基材を前記既存メッシュ基材に溶接し
て前記不溶性金属電極を活性化する方法において、前記
両メッシュ基材のメッシュ孔の長径方向の対角線の方向
を一致させずに前記両メッシュ基材を溶接することを特
徴とする不溶性金属電極の再活性化方法である。
物を被覆したエクスパンドメッシュ基材からなる不溶性
金属電極の該金属又は金属酸化物被覆の活性が低下した
際に、前記既存メッシュ基材とほぼ同形状の活性被覆を
有する新メッシュ基材を前記既存メッシュ基材に溶接し
て前記不溶性金属電極を活性化する方法において、前記
両メッシュ基材のメッシュ孔の長径方向の対角線の方向
を一致させずに前記両メッシュ基材を溶接することを特
徴とする不溶性金属電極の再活性化方法である。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明は、既存メッシュ基材と新メッシュ基材を軸方
向、つまりメッシュ孔の長径方向を一致させて溶接する
従来技術では、目開きの割合に大きな開きが生じる点に
鑑み、前記両メッシュ基材をその軸方向、つまりメッシ
ュ孔の長径方向を一致させずに溶接して再活性化するこ
とによりやや目開きは小さくなるが、全体的にほぼ均等
な目開きを有する不溶性金属電極を得るようにしたこと
を特徴とする。
向、つまりメッシュ孔の長径方向を一致させて溶接する
従来技術では、目開きの割合に大きな開きが生じる点に
鑑み、前記両メッシュ基材をその軸方向、つまりメッシ
ュ孔の長径方向を一致させずに溶接して再活性化するこ
とによりやや目開きは小さくなるが、全体的にほぼ均等
な目開きを有する不溶性金属電極を得るようにしたこと
を特徴とする。
まず本発明の再活性化方法の溶接時における両メッシ
ュ基材の配置の基本的な考え方を第1図に基づいて例示
する。
ュ基材の配置の基本的な考え方を第1図に基づいて例示
する。
図の既存メッシュ基材1と新メッシュ基材2とは、白
金族金属酸化物等の電極活性物質が被覆されたチタン材
等から成りそれぞれ同形の菱形のメッシュ孔3、4を有
し、前記既存メッシュ基材1上の電極活性物質触媒は長
期間の使用により活性が低下している。該既存のメッシ
ュ基材1の上には、前記新メッシュ基材2が、それぞれ
の軸方向(例えば前記菱形のメッシュ孔3、4の長径方
向)を90゜傾斜させて溶接により固定されている。
金族金属酸化物等の電極活性物質が被覆されたチタン材
等から成りそれぞれ同形の菱形のメッシュ孔3、4を有
し、前記既存メッシュ基材1上の電極活性物質触媒は長
期間の使用により活性が低下している。該既存のメッシ
ュ基材1の上には、前記新メッシュ基材2が、それぞれ
の軸方向(例えば前記菱形のメッシュ孔3、4の長径方
向)を90゜傾斜させて溶接により固定されている。
図示の両メッシュ基材1、2での重なりパターンは各
メッシュ孔で大きく異なり、両メッシュ孔3、4の重な
りにより生ずる新たな目開き部分も図中に斜線で示した
ように各孔4において、例えば隣接する1対のメッシュ
孔間ではかなり相違している。確かに各単一メッシュ孔
4の目開きの間には大きな相違があるが、数個〜十個程
度のブロックに分けて該ブロックごとの目開きを比較す
るとそれらの間には殆ど差異はない。つまり各メッシュ
孔4自体をミクロ的に観察することにより生ずる差異が
前記各ブロックごと又はメッシュ基材2全面をマクロ的
に観察することにより消去され、前記メッシュ基材2が
その全面においてほぼ均一な目開きを有することになる
のである。換言すると、両メッシュ基材1、2を互いに
傾斜させて溶接して各メッシュ孔3、4の重なり合いを
不規則にし、該不規則性により特定の目開きを有するメ
ッシュ孔の偏在を防止し、これによりマクロ的に見た場
合に全体的にほぼ均等な目開きを有するメッシュ孔を形
成するのである。以上のような効果は、長径と短径の異
なる菱形状のメッシュ孔を有するエクスパンドメッシュ
を用いる場合に顕著であるが、類似のメッシュ基材例え
ばダイアモンドパンチメッシュに適用することもでき
る。
メッシュ孔で大きく異なり、両メッシュ孔3、4の重な
りにより生ずる新たな目開き部分も図中に斜線で示した
ように各孔4において、例えば隣接する1対のメッシュ
孔間ではかなり相違している。確かに各単一メッシュ孔
4の目開きの間には大きな相違があるが、数個〜十個程
度のブロックに分けて該ブロックごとの目開きを比較す
るとそれらの間には殆ど差異はない。つまり各メッシュ
孔4自体をミクロ的に観察することにより生ずる差異が
前記各ブロックごと又はメッシュ基材2全面をマクロ的
に観察することにより消去され、前記メッシュ基材2が
その全面においてほぼ均一な目開きを有することになる
のである。換言すると、両メッシュ基材1、2を互いに
傾斜させて溶接して各メッシュ孔3、4の重なり合いを
不規則にし、該不規則性により特定の目開きを有するメ
ッシュ孔の偏在を防止し、これによりマクロ的に見た場
合に全体的にほぼ均等な目開きを有するメッシュ孔を形
成するのである。以上のような効果は、長径と短径の異
なる菱形状のメッシュ孔を有するエクスパンドメッシュ
を用いる場合に顕著であるが、類似のメッシュ基材例え
ばダイアモンドパンチメッシュに適用することもでき
る。
第1図では、両メッシュ基材1、2の軸方向の傾斜を
90゜としたが、該傾斜角度は特に限定されず、メッシュ
孔の長径方向の不一致によりメッシュ孔の重なりが不規
則になれば良い。しかし通常メッシュ基材は方形であ
り、溶接後の不溶性金属電極の取扱等の簡便化等のため
にはほぼ90゜とすることが好ましい。
90゜としたが、該傾斜角度は特に限定されず、メッシュ
孔の長径方向の不一致によりメッシュ孔の重なりが不規
則になれば良い。しかし通常メッシュ基材は方形であ
り、溶接後の不溶性金属電極の取扱等の簡便化等のため
にはほぼ90゜とすることが好ましい。
本発明では、前記新メッシュ基材は前記既存メッシュ
基材と同厚かより薄いことが必要である。前記新メッシ
ュ基材が厚いと前記既存メッシュ基材が変形し易くなり
電極面の平面性が保持され難くなると同時に新メッシュ
基材自身の厚みにより電解槽が大きくなりガスケット等
を厚くしなければならないという問題点が生ずるからで
ある。更に新メッシュ基材を溶接した場合でも通電は前
記既存メッシュ基材を通して行われるため、新メッシュ
基材を厚くしても殆どメリットはなく、高価なチタンや
チタン合金を余分に必要とするだけ不経済である。
基材と同厚かより薄いことが必要である。前記新メッシ
ュ基材が厚いと前記既存メッシュ基材が変形し易くなり
電極面の平面性が保持され難くなると同時に新メッシュ
基材自身の厚みにより電解槽が大きくなりガスケット等
を厚くしなければならないという問題点が生ずるからで
ある。更に新メッシュ基材を溶接した場合でも通電は前
記既存メッシュ基材を通して行われるため、新メッシュ
基材を厚くしても殆どメリットはなく、高価なチタンや
チタン合金を余分に必要とするだけ不経済である。
前記新メッシュ基材の前記既存メッシュ基材への固定
は溶接により行われる。該溶接方は特に限定されない
が、溶接部の被覆が熱により損傷する恐れがあるため溶
接部を出来るだけ小さくして加熱量を少なくすることが
好ましく、この目的のためにはスポット溶接が好適であ
る。又この溶接エネルギを出来るだけ減少させるために
は、不活性化した既存メッシュ基材の表面の残存被覆は
除去しておくことが好ましい。
は溶接により行われる。該溶接方は特に限定されない
が、溶接部の被覆が熱により損傷する恐れがあるため溶
接部を出来るだけ小さくして加熱量を少なくすることが
好ましく、この目的のためにはスポット溶接が好適であ
る。又この溶接エネルギを出来るだけ減少させるために
は、不活性化した既存メッシュ基材の表面の残存被覆は
除去しておくことが好ましい。
実施例 以下本発明を実施例により、より詳細に説明するが、
該実施例は本発明を限定するものではない。
該実施例は本発明を限定するものではない。
実施例及び比較例 陽極部分の大きさが高さ250mm、幅100mmのイオン交換
膜法電解槽に基材として、長辺8mm、短辺3.7mm、ストラ
ンド1.2mm、厚さ1.2mmのロール掛けして平滑にした菱形
のメッシュ孔を有するエクスパンドメッシュ基材を使用
し、その表面にルテニウムとチタンから成る複合酸化物
被覆を形成した不溶性金属電極を取り付け電解を行っ
た。電解条件は、イオン交換膜としてデュポン社製ナフ
ィオン90209を使用し、陽極とイオン交換膜を密着させ
て、液温を90℃、電流密度を30A/dm2、陽極液を200g/
の塩化ナトリウムとした。この時の槽電圧は3.12Vであ
った。
膜法電解槽に基材として、長辺8mm、短辺3.7mm、ストラ
ンド1.2mm、厚さ1.2mmのロール掛けして平滑にした菱形
のメッシュ孔を有するエクスパンドメッシュ基材を使用
し、その表面にルテニウムとチタンから成る複合酸化物
被覆を形成した不溶性金属電極を取り付け電解を行っ
た。電解条件は、イオン交換膜としてデュポン社製ナフ
ィオン90209を使用し、陽極とイオン交換膜を密着させ
て、液温を90℃、電流密度を30A/dm2、陽極液を200g/
の塩化ナトリウムとした。この時の槽電圧は3.12Vであ
った。
100日間電解後、この陽極の再活性化テストのために
前記陽極を槽から取り外して60℃の3N硫酸中で30A/dm2
で電解を行った。12時間で通電不能となった。該陽極に
つき以下の処理を行った。
前記陽極を槽から取り外して60℃の3N硫酸中で30A/dm2
で電解を行った。12時間で通電不能となった。該陽極に
つき以下の処理を行った。
該陽極被覆をジェットウォッシャーで洗浄し乾燥し
た。その表面に長辺8mm、短辺3.7mm、ストランド1.2m
m、厚さ0.8mmのロール掛けして平滑にした菱形のメッシ
ュ孔を有しかつ前述のものと同じ被覆を有するエクスパ
ンドメッシュ基材をスポット溶接により両メッシュ基材
の軸方向が90゜傾斜するように固定した。これにより見
掛け上の目開きは元の陽極に対して約半分となったが、
全体の目開きはほぼ均一であった。
た。その表面に長辺8mm、短辺3.7mm、ストランド1.2m
m、厚さ0.8mmのロール掛けして平滑にした菱形のメッシ
ュ孔を有しかつ前述のものと同じ被覆を有するエクスパ
ンドメッシュ基材をスポット溶接により両メッシュ基材
の軸方向が90゜傾斜するように固定した。これにより見
掛け上の目開きは元の陽極に対して約半分となったが、
全体の目開きはほぼ均一であった。
比較例として、同様に処理した前記陽極に前記メッシ
ュ基材を軸方向が一致するようスポット溶接により固定
した。該溶接メッシュ基材の右端では見掛け上の目開き
が元の陽極と同じとなったが、左端では目開きは殆ど零
であった。
ュ基材を軸方向が一致するようスポット溶接により固定
した。該溶接メッシュ基材の右端では見掛け上の目開き
が元の陽極と同じとなったが、左端では目開きは殆ど零
であった。
該実施例及び比較例の両陽極を別個に前記電解槽に組
み込んだ。ガスケット交換の必要はなかった。前記電解
条件と同じ条件で電解行ったところ、槽電圧は両者とも
3.14Vであった。
み込んだ。ガスケット交換の必要はなかった。前記電解
条件と同じ条件で電解行ったところ、槽電圧は両者とも
3.14Vであった。
30日間電解を継続したところ、実施例の電解では変化
は観察されず安定した電解を行うことができたが、比較
例の電解では陰極側の塩素イオン濃度の増加が認められ
生成水酸化ナトリウム液が汚染された。比較例の電解終
了後電解槽を分解したところ、見掛け上目開きが零であ
る部分に対応するイオン交換膜の箇所にブリスターが発
生しており、部分的にピンホールが形成されていた。
は観察されず安定した電解を行うことができたが、比較
例の電解では陰極側の塩素イオン濃度の増加が認められ
生成水酸化ナトリウム液が汚染された。比較例の電解終
了後電解槽を分解したところ、見掛け上目開きが零であ
る部分に対応するイオン交換膜の箇所にブリスターが発
生しており、部分的にピンホールが形成されていた。
(発明の効果) 本発明は、活性が低下した不溶性金属電極の再活性化
の際に、既存メッシュ基材と同厚又はより薄厚でほぼ同
形状の新メッシュ基材を、前記両メッシュ基材のメッシ
ュ孔の長径方向の対角線の方向を一致させずに溶接する
ようにしている。両メッシュ基材を互いに傾斜させて溶
接することにより、各メッシュ孔の重なり合いを不規則
にし、該不規則性により特定の目開きを有するメッシュ
孔の偏在を防止し、これによりマクロ的に見た場合に全
体的にほぼ均等な目開きを有するメッシュ孔を形成する
ことができる。
の際に、既存メッシュ基材と同厚又はより薄厚でほぼ同
形状の新メッシュ基材を、前記両メッシュ基材のメッシ
ュ孔の長径方向の対角線の方向を一致させずに溶接する
ようにしている。両メッシュ基材を互いに傾斜させて溶
接することにより、各メッシュ孔の重なり合いを不規則
にし、該不規則性により特定の目開きを有するメッシュ
孔の偏在を防止し、これによりマクロ的に見た場合に全
体的にほぼ均等な目開きを有するメッシュ孔を形成する
ことができる。
従って本発明によると、均等な目開きを有する不溶性
金属電極により得られる効果、つまり電流集中による使
用する隔膜特にイオン交換膜の損傷を抑制して高価な該
イオン交換膜の長寿命化を図り、かつ円滑な電解液循環
による正常な電解運転を安定した条件下で行うという効
果を得ることができる。
金属電極により得られる効果、つまり電流集中による使
用する隔膜特にイオン交換膜の損傷を抑制して高価な該
イオン交換膜の長寿命化を図り、かつ円滑な電解液循環
による正常な電解運転を安定した条件下で行うという効
果を得ることができる。
更に新メッシュ基材の溶接に際しては、既存メッシュ
基材を電解槽に装着したまま僅かな加熱量で行うことが
できるので、溶接部の剥離や熱による構造体の歪の発生
を回避することができる。
基材を電解槽に装着したまま僅かな加熱量で行うことが
できるので、溶接部の剥離や熱による構造体の歪の発生
を回避することができる。
第1図は、本発明方法により両メッシュ基材を溶接した
状態を例示する部分拡大図、第2図は、従来の方法によ
り溶接したメッシュ基材を示す部分拡大図である。 1、2……メッシュ基材 3、4……メッシュ孔
状態を例示する部分拡大図、第2図は、従来の方法によ
り溶接したメッシュ基材を示す部分拡大図である。 1、2……メッシュ基材 3、4……メッシュ孔
Claims (2)
- 【請求項1】菱形のメッシュ孔を有し金属又は金属酸化
物を被覆したエクスパンドメッシュ基材からなる不溶性
金属電極の該金属又は金属酸化物被覆の活性が低下した
際に、前記既存メッシュ基材とほぼ同形状の活性被覆を
有する新メッシュ基材を前記既存メッシュ基材に溶接し
て前記不溶性金属電極を活性化する方法において、前記
両メッシュ基材のメッシュ孔の長径方向の対角線の方向
を一致させずに前記両メッシュ基材を溶接することを特
徴とする不溶性金属電極の再活性化方法。 - 【請求項2】両メッシュ基材を、それぞれのメッシュ基
材のメッシュ孔の長径方向の対角線が互いに90゜傾斜す
るよう溶接する請求項1に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63295373A JP2594245B2 (ja) | 1988-11-23 | 1988-11-23 | 不溶性金属電極の再活性化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63295373A JP2594245B2 (ja) | 1988-11-23 | 1988-11-23 | 不溶性金属電極の再活性化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02141593A JPH02141593A (ja) | 1990-05-30 |
JP2594245B2 true JP2594245B2 (ja) | 1997-03-26 |
Family
ID=17819788
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63295373A Expired - Fee Related JP2594245B2 (ja) | 1988-11-23 | 1988-11-23 | 不溶性金属電極の再活性化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2594245B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
ITMI20050373A1 (it) * | 2005-03-09 | 2006-09-10 | Nora Elettrodi S P A | Elettrodo cilindrico |
JP6778459B2 (ja) * | 2017-01-13 | 2020-11-04 | 旭化成株式会社 | 電解用電極、電解槽、電極積層体及び電極の更新方法 |
-
1988
- 1988-11-23 JP JP63295373A patent/JP2594245B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH02141593A (ja) | 1990-05-30 |
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