JP2593001Y2 - 生理用ショ−ツ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、月経開始直前、あるい
は月経開始から終了までの間、着用する生理用ショ−ツ
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の生理用ショ−ツは身生地を綿、ポ
リエステル、ポリウレタン等を単独又は混用して伸縮性
に作り、クロッチ（股）部分はポリエステル素材や、水
分を通さずに蒸気を通す新素材で形成して防水がなされ
ている。そしてクロッチ部分に生理用ナプキンを当てて
使用している。上記、従来の生理用ショ−ツは月経時の
出血（経血という）をクロッチ部分に当てた生理用ナプ
キンで吸収することができるが、就寝中等に体を動かし
たりして該ナプキンが体の経血箇所から僅かにずれた
り、ナプキンと体の経血箇所の間に僅かな隙間や空間が
出来ることにより、その隙間や空間部分から経血が体を
伝わって漏れたり、ショ−ツの身生地を通して滲んだ
り、あるいはナプキンのずれ等により経血が漏れるとい
う難点があった。また、クロッチ部分はポリエステル素
材や、水分を通さずに蒸気を通す新素材で形成して防水
がなされているために、蒸れないという利点はあるもの
の、その内面は水をはじく撥水構造であることからナプ
キン等から漏れた経血がクロッチ部分で吸収することな
く水滴状となってショ−ツから漏れてしまうという難点
があった。

【０００３】このように経血が漏れたりすると、綿、ポ
リエステル等でできた生理用ショ−ツの身生地を通し
て、パジャマやネグリジェ等のナイトウエアを汚した
り、シ−ツや布団等を汚すこととなり、洗濯の手間や労
力がかかり、特に朝の忙しいときには憂鬱な気分となる
ばかりか、電気代もかかり不経済である。しかも、ナイ
トウエアを汚したりするのではないかという心配の余
り、十分に安眠することができないという不安があっ
た。特に、経血量が多い人や、産後の人等にとっては不
安が大きかった。また、病気や怪我で入院中、体を自由
に動かせない若い女性患者で生理が始まった場合にも、
同様の不安があるばかりでなく、医師や看護婦、付添人
等に対する羞恥心が働くなどの難点があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】本考案は上記の点に鑑
みてなされたもので、その目的とするところは、生理用
ショ−ツを着用時に、就寝中等に体を動かしたりして該
ナプキンが体の経血箇所から僅かにずれたり、体の経血
箇所とナプキンとの間にできた僅かな隙間や空間部分か
ら経血が漏れようとも、該経血は完全に生理用ショ−ツ
内で食い止めることができ、ナイトウエアを汚したり、
シ−ツや布団等を汚すことがなく安心して眠ることがで
き、洗濯の手間や労力が不要となり、かつショ−ツの使
用回数も使い捨てのものに比べ使用回数を増やして適当
な時期に廃棄することができるようにして、経済的に安
く使用でき、かつショ−ツがゴワゴワしない薄型構造と
し、着用時の違和感をなくし、経血する女性が広く手軽
に、抵抗感なく使用できるようにした生理用ショ−ツを
提供することにある。また、ショ−ツ自体に伸縮性を持
たせることにより、体へのフィット性を増し、ナプキン
のずれ防止を一層、効果的になし得るようにした生理用
ショ−ツを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案に係る生理用ショ
−ツは、外側から内側に順次、薄い防水シ−ト、高吸水
性樹脂粉末又は粒子を介在せしめた吸水シ−ト及び肌触
りのよい片道吸収性メッシュシ−トを重ねて薄型ショ−
ツを形成し、該薄型ショ−ツの片道吸収性メッシュシ−
ト上のクロッチ箇所に、防水シ−トを備えた生理用ナプ
キンを着脱自在に装着したものである。また、本考案に
係る生理用ショ−ツは、前記薄型ショ−ツの薄い防水シ
−トの外側に、綿、ポリエステル、ポリウレタン等の単
独又は混用した伸縮性の生地を重ねて形成したものであ
る。

【０００６】

【作用】本考案に係る生理用ショ−ツはあらかじめ、自
分の経血量やフィット性等を考慮して適当な大きさの生
理用ナプキンを選択して、該ナプキンを片道吸収性メッ
シュシ−ト上のクロッチ箇所に粘着テ−プ等により着脱
自在に装着する。生理用ショ−ツを穿いた後は、経血は
通常、生理用ナプキンで吸収されることとなる。しか
し、就寝中に体を動かしたりして、体の経血箇所と生理
用ナプキンとの間に僅かな隙間や空隙が生じることによ
りその僅かな空間部を通して経血が生理用ショ−ツに達
しようとも、該経血は片道吸収性メッシュシ−トを素早
く通過し、該通過した経血がメッシュシ−トから逆戻り
しない構造となっている。メッシュシ−トを通過した経
血は吸水シ−トで拡散され、さらに膨潤する高吸水性樹
脂粉末又は粒子にて吸収され、薄い防水シ−トで完全に
阻止され、外部に経血が漏れることがない。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基いて説明
する。図１は本考案の一実施例を示す生理用ショ−ツの
正面平面図、図２は図１の拡大断面図、図３は防水シ−
トを備えた生理用ナプキンの背面図である。１は生理用
ショ−ツである。２は各種の色に着色されたり、各種模
様が施されている合成樹脂フィルムや防水加工した薄い
合成繊維製の防水シ−トである。３は防水シ−ト２の内
側に重ねた、高吸水性樹脂粉末又は粒子４を介在せしめ
た吸水シ−トである。該吸水シ−ト３は吸水性の紙、織
布、不織布等の薄くて吸水性のものであればよい。この
上下２枚の吸水性シ−ト３、３の間には、高吸水性樹脂
粉末又は粒子４が散在するように介在させる。

【０００８】本例で使用する高吸水性樹脂粉末又は粒子
４としてはポリアクリル酸ナトリウムやアクリル酸とポ
リビニルアルコ−ル（ＰＶＡ）との共重合体、アクリル
アミドとの共重合体などポリアクリル酸が素材の主体と
なる。例えば、でんぷんにアクリロニトリルをグラフト
重合し、ニトリル基をカルボキシル基アミド基に加水分
解すると、数千倍もの水を吸収する。この高い吸収性は
架橋した高分子電解質が水を吸い、高分子間のイオン反
発で３次元網状構造が拡がり、さらに水を取り込むこと
となる。

【０００９】高吸水性樹脂粉末又は粒子４を介在せしめ
た吸水シ−ト３の上には、さらに経血が拡散しやすい紙
や不織シ−ト（図示せず）を重ねるようにしてもよい。
５は肌触りのよい片道吸収性メッシュシ−トで、前記吸
水シ−ト３の上に重ねるようにする。この片道吸収性メ
ッシュシ−ト５は、各孔を通して経血が素早く通過し、
かつ通過した経血が逆戻りしないような漏斗状の孔形状
となっている肌触りのよいポリエステル、ポリウレタン
等の合成樹脂製素材でできている。上記外側から内側に
順次、薄い防水シ−ト２、高吸水性樹脂粉末又は粒子４
を介在せしめた吸水シ−ト３及び肌触りのよい片道吸収
性メッシュシ−ト５を重ねて裁断、縫製して薄型ショ−
ツを形成する。図中、６はゴムバンド部、７はクロッチ
箇所をそれぞれ示す。

【００１０】８は防水シ−ト９を備えた生理用ナプキン
で、薄型ショ−ツ１の片道吸収性メッシュシ−ト５上の
クロッチ箇所７に粘着テ−プ１０を介して着脱自在に装
着する。生理用ナプキン８は使用する人の経血量の多少
や使用者の肌とのフィット性等を考慮して適当な大きさ
の汎用の生理用ナプキンを選択する。

【００１１】図４は本考案の他の実施例を示す生理用シ
ョ−ツの断面図である。基本的構造は前記実施例と同様
であるが、本実施例では前記薄型ショ−ツ１の薄い防水
シ−ト２の外側に、綿、ポリエステル、ポリウレタン等
の単独又は混用した伸縮性の生地１１を重ねて裁断、縫
製して形成したものである。本例で使用する伸縮性の生
地１１は余り強く体を締めつけることなく適度に体にフ
ィットし、ナプキン８がより一層、薄型ショ−ツ１で効
果的に押さえられるものが望ましい。

【００１２】次に、使用法について述べる。生理用ショ
−ツ１はあらかじめ、自分の経血量の多少や自分の肌に
対するフィット性等を考慮して適当な大きさの生理用ナ
プキン８を選択し、該ナプキンを片道吸収性メッシュシ
−ト５上のクロッチ箇所７に剥離紙をはがして粘着テ−
プ１０により着脱自在に装着する。生理用ショ−ツ１を
穿いた後は、経血は通常、生理用ナプキン８で吸収され
る。しかしながら、就寝中に体を動かしたりして、体の
経血箇所と生理用ナプキン８との間に僅かな隙間や空隙
が生じると、今まで止血状態であったものが、急にその
僅かな空間部を通して経血が体を伝わり、生理用ナプキ
ン８以外の箇所に流れ出すこととなる。この流れ出た経
血は生理用ショ−ツ１に達するが、該ショ−ツ１に達し
ようとも、該経血は片道吸収性メッシュシ−ト５を素早
く通過し、該通過した経血がメッシュシ−ト５から逆戻
りしない構造となっており、経血をショ−ツ１以外の外
部に漏らさないように閉じ込めることができる。メッシ
ュシ−ト５を通過した経血は吸水シ−ト３で拡散され、
さらに膨潤する高吸水性樹脂粉末又は粒子４にて多量の
経血を吸収することができる。そしてその背後に位置す
る薄い防水シ−ト２で完全に経血が外部に漏れることな
く阻止される。また、前記薄型ショ−ツの薄い防水シ−
トの外側に、伸縮性の生地を重ねて形成した場合には、
伸縮性の生地が適度に体にフィットし、ナプキンをより
一層、薄型ショ−ツで効果的に押さえることとなる。

【００１３】

【考案の効果】本考案は上記の説明から判るように、外
側から内側に順次、薄い防水シ−ト、高吸水性樹脂粉末
又は粒子を介在せしめた吸水シ−ト及び肌触りのよい片
道吸収性メッシュシ−トを重ねて薄型ショ−ツを形成
し、該薄型ショ−ツの片道吸収性メッシュシ−ト上のク
ロッチ箇所に、防水シ−トを備えた生理用ナプキンを着
脱自在に装着した生理用ショ−ツであるから、次のよう
な特有の効果を奏する。すなわち、生理用ショ−ツを着
用時に、就寝中等に体を動かしたりして該ナプキンが体
の経血箇所から僅かにずれたり、体の経血箇所とナプキ
ンとの間にできた僅かな隙間や空間部分から経血が漏れ
ようとも、該経血は完全に生理用ショ−ツ内で食い止め
ることができ、ナイトウエアを汚したり、シ−ツや布団
等を汚すことがなく安心して眠ることができる。

【００１４】したがって、洗濯の手間や労力が不要とな
り、かつショ−ツの使用回数も使い捨てのものに比べ使
用回数を増やして適当な時期に廃棄することができるた
め、経済的に安く使用できる。また、ショ−ツがゴワゴ
ワしない薄型構造に作られているために、着用時の違和
感がなくなり、生理中の女性が安心して広く手軽に、抵
抗感なく使用できる。さらに従来の整理用ショ−ツに比
べ、体にきつく締め付けた状態で着用する必要がなく、
就寝時の血行もよく、通常のショ−ツ感覚で着用でき
る。

【００１５】また、本考案に係る生理用ショ−ツは、前
記薄型ショ−ツの薄い防水シ−トの外側に、綿、ポリエ
ステル、ポリウレタン等の単独又は混用した伸縮性の生
地を重ねて形成したものであるから、伸縮性の生地が余
り強く体を締めつけることなく適度に体にフィットし、
ナプキンをより一層、薄型ショ−ツで効果的に押さえる
ことができる。そして、薄い防水シ−トは伸縮性の生地
で覆われることとなるために、通常のショ−ツと何ら変
わりがなく、着用者に抵抗感がなく安心して使用でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す生理用ショ−ツの正面
平面図である。

【図２】図１の拡大断面図である。

【図３】防水シ−トを備えた生理用ナプキンの背面図で
ある。

【図４】本考案の他の実施例を示す生理用ショ−ツの断
面図である。

【符号の説明】

１ 生理用ショ−ツ ２ 防水シ−ト ３ 吸水シ−ト ４ 高吸水性樹脂粉末又は粒子 ５ 片道吸収性メッシュシ−ト ６ ゴムバンド部 ７ クロッチ箇所 ８ 生理用ナプキン ９ 防水シ−ト １０ 粘着テ−プ １１ 伸縮性の生地

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外側から内側に順次、薄い防水シ−ト、
   高吸水性樹脂粉末又は粒子を介在せしめた吸水シ−ト及
   び肌触りのよい片道吸収性メッシュシ−トを重ねて薄型
   ショ−ツを形成し、該薄型ショ−ツの片道吸収性メッシ
   ュシ−ト上のクロッチ箇所に、防水シ−トを備えた生理
   用ナプキンを着脱自在に装着したことを特徴とする生理
   用ショ−ツ。
2. 【請求項２】 請求項１記載の薄型ショ−ツの薄い防水
   シ−トの外側に、綿、ポリエステル、ポリウレタン等の
   単独又は混用した伸縮性の生地を重ねて形成したことを
   特徴とする請求項１記載の生理用ショ−ツ。