JP2592928B2 - 熱トランスファバツグ及びその製造方法 - Google Patents

熱トランスファバツグ及びその製造方法

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JP2592928B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は熱トランスフア(移転)又は熱交換装置であ
つて、コンパクトコンピユータのコンピユータデイスク
ドライブ又はサーキツトボードによつて発生する熱のよ
うに熱発生装置の作動において発生する熱を移転乃至放
散させるための冷却媒体のような不活性フツ素性化学薬
品を有する装置に関するものである。別の特徴部分にお
いて、本発明はそのような目的に有用な熱トランスフア
バツグ及びそのようなバツグの製造方法に関するもので
ある。更に別の観点において、本発明はそのような熱ト
ランスフアバツグと熱発生装置の組合せに関するもので
ある。
(発明の要約) よりコンパクトな電子システムへのニーズが高まるに
つれて、全体のシステム寸法を減らすのに見合つてシス
テム冷却能を増大させる必要性を改めて認識させる種々
の補助的熱トランスフア技法が示唆され、提案され、用
いられてきた。
コンパクトな電子システムはしばしばその作動におい
て発生する熱を除去するための手段としてのフアン又は
顕著な冷却空気流を支持するだけの十分な内部体積を備
えていない。標準的強制空気対流冷却方法は実用的な限
界を有している。何故ならば最もコンパクトなシステム
において十分な冷却作用を与えるのに必要とされる空気
の量は、一般的に言つて周囲のオフイスノイズレベルと
くらべて許容出来ないノイズレベルを生ずるからであ
る。加うるに、補助冷却技法無しの強制空気冷却は多数
個の電子部品をそれらの臨界的な狭い作動温度範囲内に
維持することが出来ない。
スーパーコンピユータ又はエピオニクスシステムのよ
うな大規模電子システムと関連して、冷却媒体として炭
化フツ素液体を用いた液浸熱トランスフア技法による冷
却方法が採用されている。そのようなシステムは1986年
7月号の「電子パツケージング及び生産」、44〜45頁の
「超高速コンピユータを冷却する」というダニエルソ
ン、クライエスキ及びブロスト氏による論文において開
示されている。この論文は(商標名)Cray−2なるスー
パーコンピユータをして、コンピユータ本体全体、電
源、記憶ボード、論理回路及び主プロセツサを循環する
不活性、高絶縁性の過炭化フツ素(商標名Fluorinert)
電子液体FC−77のシールされたタンク内に浸漬すること
で冷却せしめる方法を開示している。
強制空気冷却及び浸漬技法の限界を記載している米国
特許第3,741,292号(Aakalu氏等)は空冷モジユールで
あつてこの中には複数個の熱発生部品が基体上に装着さ
れ、同基体はそれに応じた大きさの容器を付属させてい
るモジユールを開示している。前記モジユールは十分な
体積の低沸点、絶縁液体を含んでおり、同液体は前記容
器を部分的に充填し、前記熱発生部品を浸漬せしめてい
る。前記液体上方に位置する蒸気スペースは内割フイン
で充填されており、同フインは絶縁液体蒸気に対するコ
ンデンサとして作用する容器内への内向きに延びてい
る。外側フインは前記容器から外向きに延び、前記内側
フインコンデンサのための空冷ヒートシンクとして作用
している。前記モジユールの一つの実施例は炭化フツ素
FC−78又はFC−88のいずれかのような低沸点絶縁液体を
用いている。
そのような電子部品、装着又はシステム、例えばマイ
クロミニアチユア回路、ソリツドステート電子部品、集
積回路チツプパツケージ及びコンピユータから発生する
熱を放散させ、持去り、除去し、又は抽出するという問
題点を種々の他の特許も指摘しており、同特許は又その
ような問題点を解決しようとする試みにおいて用いられ
たか提案されてきた種々の熱交換装置の限界を議論して
きた。
米国特許第3,586,102号(Gilles氏)はマイクロミニ
アチユア回路システム内において、「熱放散」プレート
とヒートシンク部品の間に挿入する中実状の熱トランス
フア手段装置は非実際的であるということ、及びもしも
熱トランスフア手段として熱グリースが用いられた場合
には多くの問題点及び欠点が出てくるということを明ら
かにしている。この特許は、これらの欠点を解消するた
めに、前記熱放散部品と熱シンク部品の間に装着するよ
うにされた熱パツドにして、同パツドは一定量の熱グリ
ースはその類いを間に封入した一対の互いに粘着された
フイルムストリツプを含んでいる熱パツドの使用を開示
している。このパツドは熱発生電子要素上方に装着され
た熱放散要素上に係合し、これと接触している。その態
様はパツドが直接ヒートシンクと接触するも、前記熱発
生部品とは直接接触しないようにされている。
米国特許第4,092,697号(Spaight氏)は集積回路装置
を取囲むカバーの下側上に装着されたフイルム内に含ま
れた液体を介して集積回路パツケージを冷却する方法を
開示している。前記カバー、フイルム及び液体はある形
をなしたピローを形成しており、カバーがそのチツプ/
基体組立体にシールされた時には、同ピローが前記基体
上に装着されたチツプの頂部と接触するようにされてい
る。
米国特許第4,155,402号(Just氏)は印刷回路ボード
パツケージを包装する手段装置を開示している。前記回
路部品は柔軟なマツト状界面を備えた液体冷却の低温プ
レートによつて冷却されている。前記界面は液体低温プ
レートの下側に結合されたフイルムで作られている。前
記低温プレート及びフイルム間には金属粒子を含むこと
の出来る熱グリースのようなペーストが含まれている。
米国特許第4,563,375号(Ulrich氏)はアルミニウム
のような箔から作られた平坦バツグであつて、その最大
利用可能体積の一部のみがガスを存在させない熱伝導性
のペーストで充填されており、当該バツグは熱トランス
フアの手段装置として実質的に平面状の表面又は垂直ス
ラツトの間に配置されている。
本発明は熱トランスフア又は熱交換手段装置として、
シールされ、可撓性を有するバツグ、ピロー又はパウチ
を提供しており、これらは熱的に導伝性で、化学的に不
活性で、基本的にガスを通し、電気的に非伝導性で、熱
的に安定し、好ましくは不燃性のフツ素性液体で充填さ
れた一つ又はそれ以上の仕切り室を備えている。前記バ
ツグの壁は空気及び液体に対して比較的非浸透性を有
し、可撓性で丈夫なプラスチツクフイルムから作られて
いる。前記プラスチツク壁の柔軟性、バツグの形状及び
寸法の自由度及びバツグの液体状中味が熱発生装置又は
システム内に配置するよう体積的に適合可能なバツグを
提供する。前記熱発生装置としてはデイスクトツプコン
ピユータのキヤビテイが挙げられ、前記バツグは回路ボ
ード又はデイスクドライブのような装置の熱発生部品と
密接し、かつ低温プレート又はシステムハウジングのよ
うな装置のヒートシンクとの間に配置され、前記熱発生
部品の作動中発生する熱ヒートシンクへと容易に伝導
し、かくて装置又はシステムを熱的に効果的に管理す
る。バツグ内の熱伝導性液体はポンプのような機械的手
段によつて循環される必要は無い。ただしバツグには液
体内の自然対流熱トランスフアと関連する液体密度のわ
ずかな変化のための液体の移動が存在する。前記液体は
前記装置によつて発生する最大の作動温度において沸騰
しないような沸点を有している。一般的に言つて、その
ような液体は760トールにおいて少なくとも約80℃の沸
点を備えており、好ましくは760トルにおいて少なくと
も約97℃の沸点を備えている。充填されたバツグが固有
的に備えているシヨツク吸収性能も又装置を物理的シヨ
ツク損傷から守るパツキング材又はクツシヨン材として
作用しており、充填されたバツグは何らの金属部品又は
移動部品を用いること無く作ることが出来る。
本発明は又前記充填バツグの製作方法であつて、いつ
たんシールしたならば同バツグは殆んどガス又は漏出物
を含まないようなバツグの製作法をも提供している。バ
ツグを作るに当つて、空のバツグ仕切り室はバツグ内の
開口を通してある重さ又は体積の熱伝導性液体で充満さ
れる。液体の粘度が低いのでバツグ仕切り室の充填は容
易化される。仕切り室をシールする前に前記バツグは溶
解されたか閉込められた空気を前記開口を経て追い出す
のに十分な時間だけ液体の沸点又はその近くで加熱され
ることが可能である。液体を加熱後バツグ内に残存する
可能性のある小量の空気は充填開口を経て追い出され、
開口はその後シールされる。前記空気の追い出しは例え
ば充填開口を経て空気が充填された仕切り室を去る迄手
で仕切り室を絞つて行なうことが出来、前記開口の閉鎖
は例えばシーリングが行なわれる迄クランプを用いて行
なうことが出来る。別法として、用いられる熱伝導性液
体は充填の前に溶解されたか又は閉込められた空気を追
い出すべく十分加熱することが出来る。別の代替的方法
においては、ヘリウムのように前記熱伝導性液体内への
低い溶解度を備えたガスを室温において十分な時間前記
液体中に発泡させ、溶解したか又は閉込められた空気を
追い出し、脱ガスされた液体を使用することが出来る。
本発明において用いられる前記フツ素性液体は高絶縁
度、低誘電率及び高い体積抵抗率を備えている。すなわ
ち同液体は電気的に非伝導性である。この性質は電子冷
却用途に適している。何故ならば液体は電気的に非伝導
性であり、もしもバツグがもれて、もれた液体が電子装
置に接触しても短絡が発生しないからである。前記液体
が不活性であるということ、すなわち(金属、プラスチ
ツク及び弾性体のような)構造物質との化学反応性が無
いということはもしも漏出した液体がそのような装置又
はハウジングと接触しても同液体が電子装置又はシステ
ムハウジングを損傷しないだろうということを意味して
いる。前記液体が不燃性であるということは同液体が爆
発事故を発生する危険性が無いということを意味してい
る。液体が熱的に安定しているということは電子装置の
寿命中並びに装置の使用において通常出会う装置の繰返
し熱サイクル中において前記液体がその物理的及び化学
的特性を維持するということを意味している。熱伝導性
液体の幾つかは室温における比較的低い沸点及び比較的
高い蒸気圧を備えている。そのため前記液体の幾つかは
極めて揮発性に富んでおり、もしもバツグの漏れが生じ
た場合には前記液体は残滓を残さず迅速に気化し、しか
も漏出した液体はシステム内に堆積して除去の問題をひ
きおこすことも無い。前記液体は例えそれが高揮発性を
有していてもバツグ内において実質的に液体状態を保持
しており、前記熱発生装置の通常の作動温度では沸騰し
ない。前記熱伝導性液体のあるものは高密度、低粘度及
び相対的に高い熱伝導度を備えている。すなわちそれら
は熱伝導性であり、有用な対流熱トランスフア(移転)
特性を備えている。充填されたバツグ内において効率的
な熱トランスフアが行なわれるということはバツグを横
切つてより効率的な熱トランスフアが得られるというこ
とにつながる。
本発明の熱交換装置はバツグとして電子装置に容易に
装備し、同装置から除去することが出来る。同バツグは
単に置かれ、挿入され、又は定位置に押し込まれるだけ
なので、現場での修理中においても同バツグは容易に装
着することが出来る。前記バツグと熱発生部品又はヒー
トシンク間には何らの機械的又は冶金学的接続部材は存
在しない。そのような接続部材の欠如により修理及び保
守に必要とされる表面のすり合わせ、ばらしの際アブレ
ージヨンやミスアライメントの問題発生が最小に押えら
れる。前記バツグは又デイスクドライブのように電子装
置に機械的接続を施すことが不適当な用途にも適してい
る。しかしながら、例えばダブルコーテツド(PSA)テ
ープの形態をした感圧接着剤(PSA)のような接着剤を
用いてバツグを電子装置の適当なヒートシンク又は熱発
生表面に固定することが出来る。
本発明はバツグであつて、その仕切り室の堆積及び表
面積又は形状を変更可能であり、かくて同バツグは電子
装置の熱発生部品とヒートシンク表面の間のキヤビテイ
を実質的に充填して所望の熱トランスフアを達成するバ
ツグを提供している。このようにして、前記バツグは熱
トランスフア表面間の密接な接触を提供し、かつ同装置
を物理的シヨツクから保護する。前記バツグの各仕切り
室は実質的に熱伝導性液体で充満される。各仕切り室は
全てのサイドがシールされているので、前記熱伝導性液
体は仕切り室から仕切り室へと自由に流れることはな
く、従つて電子装置の熱トランスフア表面から去つてし
まうことは出来ない。バツグを製作するのに用いられる
プラスチツクフイルムはバツグに対するアブレージヨン
又は破裂に対する抵抗力を与えている。加えるに、本発
明は前記バツグを充填してガスを予めバツグから排気す
ることなく実質的に又は基本的にガスの自由に逃げるこ
との出来るバツグを製造する方法を提供している。
前記バツグの形状は広く変化することが可能であり、
例えば同バツグはピロー又はパウチの形状とすることが
可能であり、丸形又は長方形のような規則形状とするこ
とも出来るし、不規則な形状とすることも出来る。いず
れの場合においても、バツグの形状はそれが挿入される
キヤビテイの幾何学すなわち形状とか、バツグの製造の
容易さ及び熱発生装置の熱トランスフア要求条件のよう
な因子によつて支配される。
(実施例) 付図において、第1図は本発明の一つの実施例の上面
図である。第1図は液体を充満した、平坦で単一の仕切
りバツグ10を示す。バツグ10はそれが挿入されるべき電
子装置のキヤビテイの形状及び寸法に適合する形状及び
寸法を備えている。前記バツグはシール11を全てのエツ
ジ上に備えている。好ましくは前記シールは熱シーリン
グによつて作られる。
第1図の線2−2に沿つて眺めた第1図実施例の横断
面は内側表面12によつて画成され、エツジ11で熱シール
されたフイルムの壁13及び13′によつて形成された仕切
り室を示している。前記フイルム層間に形成された内側
表面12によつて画定された仕切り室は熱的に伝導性の液
体14によつて充満されている。前記熱的に導伝性の液体
は必ずしも前記仕切り室内の全体積を充満している訳で
はなく、前記仕切り室は実質的にガスが漏出可能であ
る。液体が得られる全仕切り室体積を充満しない場合に
は、当該液体は仕切り室の一方の領域から他の領域へと
自由に流れることが出来、同仕切り室は前記熱発生部品
及びヒートシンクの間に形成されたスペース又はキヤビ
テイに適合することが出来る。
第5図はこの場合コンピユータである電子装置15内に
設けた第1図実施例の一つの適用例の概略的側面図であ
り、同コンピユータにおいては液体で充満されたバツグ
10が内側ヒートシンク表面17とここではデイスクドライ
ブである装置の熱発生電子部品の頂部18との間に形成さ
れたキヤビテイ16に適合する。仕切り室内の液体の体積
は前記ヒートシンク及びヒート発生装置の両表面にバツ
グの外側表面が接触するに十分なものであるべきであ
る。
任意選択的に、前記バツグはその一方の側又は両方の
側の外側領域上に接着剤を備え同バツグを更にキヤビテ
イ内にしつかり定置させることが出来る。前記バツグの
接着剤によつて覆われた表面領域はバツグの全表面積は
又は一部分を含むことが出来る。第1図及び第2図はこ
の特徴部分の一つの実施例である感圧接着テープ19を示
している。前記テープはダブルコーテイングのものであ
り、各表面上に通常は粘着性の又は感圧性の接着剤を備
えたシートバツキングを有している。そのようなテープ
の一例は3M社から商標名スコツチのハイタツク/ロータ
ツクダブルコーテツドフイルムテープとして市販されて
いる。同テープは1987年1月現在有効なカタログ70−07
01−5133−0(17.1)R1XYに記載されている。好ましく
は、バツグに粘着するテープの面はその上に感圧接着剤
を備えており、当該接着剤は(平坦ガラス表面上におい
て行うひきはがし接着性のPSTC No.1テストによつて測
定して)180゜のひきはがしテスト値が100mmテープ幅当
り4〜6kgfである。テープの他方の面は100mmのテープ
幅当り約1〜3kgfの180゜ひきはがしテスト値を備えた
感圧接着剤を備えている。
ヒーヲトランスフアバツグ内で用いられる前記熱良導
性の液体は代表的な等級のフツ素化された線形状、分岐
状又はサイクリツクなアルカン、エーテル、第三アミン
及びアミノエーテル及びそれらの混合物から選択するこ
とが出来る。好ましくは、過フツ素化化学製品が本発明
において用いられる。但し部分フツ素化化学製品も用い
ることが出来る。前記過フツ素化化学製品は真直鎖、分
岐鎖又はサイクリツク鎖又はその組合せ、例えばアルキ
ルサイクロ脂肪性とすることが可能であり、飽和してい
る。すなわち、前記化学製品はエチレン、アセチレン及
び芳香不飽和は発生していない。前記骨格鎖は鎖状酸素
及び/又は三価複素環窒素を含むことが可能であり、こ
れらは炭化フツ素群間に安定した環を提供し、化合物の
不活性な性質と干渉することはない。
そのような例としては、CFCl2CFCl2、C8F18、C8F17B
r、C8F17Cl、C5F11OC6F13、(C4F93N、[(CF32NC2
F42O、過フツ素性デカリン、C6F13C6H13、C3F7O[CF
(CH3)CF2O]nC2F5、C−C8F16O、1,3−C−C6F10
(COOCH3、CF3SO2N(C2H2、1,3−C6H4(CH3
(OSO2CF3)、C3F17COO−t−C4H9が挙げられる。
適当な過フツ素化化学製品又はそれらの混合物の代表
的な例えば3M社から商標名Fluorineとして知られる電子
流体として市販されている。同流体は例えば1986年2月
に発行された3M社の書類No.98−0211−2267−0(161)
MPIに記載されている。C8F18とC−C8F16Oの混合物であ
る商標Fluorinertの液体FC−75並びにFC−75と類似の組
成を有するもより広範囲の沸点を備える商標名Fluorine
rtの液体FC−77もこれらの化学製品の例として挙げられ
る。他の市販されたフツ素化学製品には商標名GALDENと
してモンテジソン社から発売され、カタログ「Galden過
フツ素化流体」に記載された過フツ素化流体、E.I.DuPo
nt De Nemours社から商標名KRYTOXとして発売され、カ
タログ「KRYTOX真空ポンプ流体」に記載されている真空
ポンプ流体、商標名Demnum流体としてダイキン工業
(株)から発売され、1987年1月に発行されたカタログ
No.ECC−5C(003)YWに記載されたもの、商標名MULTIFL
UORとしてエアプロダクト社から発売されているもの、I
SC社から市販されているもの、アシヤイガラス社から市
販されているものがある。
以下の表は本発明において有用な液体の物理的特性を
説明するものである。
前記バツグを作るのに単一又は複数層のプラスチツク
フイルムを用いることが出来る。この場合熱可塑性フイ
ルムが好ましい。何故ならば同フイルムは容易に入手出
来、それらの多くはヒートシールが可能だからである。
もしも前記フイルムが多層構造の場合には、同層はそれ
らの層が機械的に分離されないように結合されねばなら
ない。前記フイルムは耐久性、可撓性及び空気及び前記
熱伝導性液体に対する低透過性という特性を備えた単一
の又は多層のフイルムの群から選択することが出来る。
この場合多層フイルムが好まれる。何故ならば、各フイ
ルム層はヒートシール性又は流体不透過性のようなその
最良の特性を全体としてのフイルム特性に寄与すること
が出来る一方、低耐久性又は空気透過性のような特定の
フイルムの弱さは他のフイルム層によつて補償すること
が出来るからである。
フイルム耐久性の代表的範囲は(ASTM D882方法Aに
よつて測定したM.D.破壊値すなわち引張り強さの2.69〜
3.4kgf/cm2、(同じくASTM D882方法Aによつて測定し
た)M.D.破壊値すなわち伸びの約100%、(ASTM D1922
によつて測定した)エルメンドルフ引きさき強さの無ひ
きさき32g/プライ、及び(ASTM D744によつて測定し
た)ムレン破裂強度範囲の2.8〜3.5kgf/cm2によつて記
述することが出来る。
フイルムの空気透過性の代表的範囲は760トールにて
0.4〜7.0cc/100インチ2/24時間という(ASTM D3985で
測定した)酸素透過率によつてあらわすことが出来る。
熱良導性液体に対するフイルム透過性の代表的範囲は
加熱後0〜1グラム/重量当りの損失であり、加熱以前
においての測定値は100グラム/重量である。熱伝導性
液体に対するフイルム透過率はヘリウムで脱ガスをした
Fluorinert(商標名)FC−77液で充填したシールバツグ
を水平位置において、50℃に保持されたオーブン又は類
似の装置において70時間加熱した後同バツグからの重量
損失を決定することによつて測定された。前記バツグは
幅が8.23±0.08cmで、約56mlのFC−77液で充満する以前
の長さが12.06±0.08cmであつた。前記液体の体積はシ
ールされたバツグに加熱前に0.69±0.08cmの厚味を与え
た。バツグを充填するための前記FC−77液を準備するに
当つて、ヘリウムガスが発泡散布され、通常の周囲環境
条件下で250cc/分の速度で20分間液体中に通された。オ
ーブン内で前記充満されたバツグを加熱した後、同バツ
グは計量に先立つて室温へと冷却された。
代表的な二層のフイルムは3M社から(商標名)Scotch
pakフイルムとして市販されている。同フイルムは1983
年4月に発行された情報シートYZSP229(53.1)R1、198
3年6月2日発行の(66.02)R2、及び1985年7月1日発
行の製品情報シート「熱シール可能なポリエステルフイ
ルム48」に説明されている。
代表的な三層フイルムがシーアンドエツチパツケージ
ング社(メリル市、ウイスコシン州)から発売されてい
る。三層フイルムの一例は公称厚味が8.9×10-3cmであ
り、約5.1×10-3cmの厚味のポリエチレンコビニルの熱
シール可能な層を備えている。同層は接着剤を介して塩
化ポリビニリデンの一層に積層されており、この層は約
2.5×10-3cmのポリアミドの層に結合されている。
充填に先立つて、空のバツグが製造される。前記空の
バツグ20の一つの実施例が第3図に示されている。第3
図は充填及び最終シーリングの前の状態で第1図の実施
例を示している。この空のバツグは3つのエツジ21上で
シールされている。バツグが1つ以上の仕切り室を備え
ている場合には、各仕切り室はそのエツジの3つ上にお
いてシールされる。第4番目のエツジは開いたままの部
分22を備えているが、これは仕切り室に熱伝導性液体を
充填させるためのものである。第3図に示す実施例にお
いては、頂点を25で示す最終バツグとなるべき部分24の
上方にバツグを延長して充填スリーブ23が形成されてい
る。スリーブ23の長さは充填を容易ならしめるために変
化させることが出来る。体積又は重量で表わしたある量
の熱伝導性液体が次に開口22を介してバツグへと導入さ
れる。
バツグに液体を充填するもシールする以前において、
直立位置に保持した充填バツグ及び液体は液体の温度が
十分に高くなり、閉じ込められたか溶解された空気が場
合によつては沸点又はその近くにある液体から追放され
る迄オーブン又は類似の装置内で加熱することが出来
る。前記液体は空気を追い出すに十分な期間だけこの温
度に保持される。この方法の一つの実施例において、8.
23cm幅、12.06cm長さ、0.69cm厚さを有し、57mlのFluor
inert(商標名)FC−77液で充満されたバツグが約20分
間加熱され、液体から空気が追放された。別法として、
前記空気は以下に説明する方法を用いてバツグを充填す
る以前に液体から追い出すことが出来る。
バツグを充填し、空気を液体から追い出した後に、残
存するガス気泡は開口22を通つてバツグから除去するこ
とが可能である。次にバツグは第4図に示すように21′
でシールされる。任意選択的に、充填スリーブ23はバツ
グを充填した後26において切り取ることが出来る。
バツグを充填するのに先立つて液体からガスを追放す
る一つの方法は容器内の液体をその温度が十分高くなつ
て空気を液体から追い出せる迄加熱する段階と、空気が
液体から追放される迄前記液体をこの温度に保持する段
階とを有している。液体がまだ熱いうちに、バツグは充
填され、残存ガス気泡がバツグが追い出され、バツグが
シールされる。
液体からガスを追い出す別の方法は前記液体における
溶解度が低いガスを同液体内に発泡させる段階を含んで
いる。前記低溶解度ガスは空気を液体から追い出す。熱
伝導性液体内における低い溶解度を備えたガスの代表的
な例は水素及び好ましくはヘリウムである。熱伝導性液
体におけるそのようなガスの溶解度の代表的な範囲は25
℃、760トールで測定して、100体積パーツの液体に対し
て約9〜17体積パーツのガスである。この方法において
は、液体は大気に連通された容器内に置かれるか、又は
液体をバツグ仕切り室内に置くことが出来る。前記低溶
解度ガスは液体中で発泡又は散布され、空気及び低溶解
度ガスは大気中に排出される。一つの実施例の準備にお
いて、ヘリウムガスが700mlの(商標名)FluorinertFC
−77液体中で20分間250cc/分の割合で発泡化された。叙
上の実施例においては、空気を追放した液体で充満され
たシールバツグが60℃において(商標名)Fisher実験室
用オーブンで合計48時間にわたつて加熱、保持された。
加熱後においてガス気泡はバツグ内においては視認され
ず、バツグを25℃に冷却した後においても何らの気泡も
あらわれなかつた。
本発明の熱移転バツグは例えばコンピユータデイスク
ドライブ及びサーキツトボードのような種種の熱発生部
品からヒートシンクへと熱を持ち去り、以つて装置の作
動温度を低下させるのに有用である。
以下の具体的ではあるが非限定的例は本発明を例示す
るのに役立つであろう。
例 多層の熱シール可能な熱可塑性フイルム積層物、すな
わち外側のポリアミド層と、内側の塩化ポリビニリデン
層と、外側のポリエチレンコビニルアセテート層であつ
て公称板厚が8.9×10-3cmの積層物が単一の仕切り室バ
ツグへと形成された。なお前記ポリエチレンコビニルア
ステート層が仕切り室を画成している。完成したバツグ
の構造は第1図に示したものと類似しており、8.23±0.
08cm、12.06±0.08cmの長さと0.69±0.08cmの厚味を有
している。バツグは公称の完成バツグ寸法よりもわずか
に長く製作された。
前記フイルム材は(商標名)Pacインパルスシーラ、
モデル24PIを使用して、第3図に示すように3つのエツ
ジ上でシールされた。第4番目のエツジはその全長の約
1.3cmの部分を除いて全てシールされた。クランピング
のような他の一時的機械式シーリング方法も許容出来
た。バツグはシールされていない開口を通り、目盛り付
シリンダを用い約57〜58mlの(商標名)Fluorinert FC
−77液が充填された。充填され、シールされていないバ
ツグが予め75〜80℃に予熱された直立位置にあるFisher
実験室用オーブン内に置かれ、バツグは同オーブン内に
約20分間保持された。この時間は液体が75〜80℃に到達
し、空気を液体から排出するのに必要な時間であつた。
バツグはオーブンから取出され、残存空気はバツグ及び
その中味がまだ熱い内に同バツグを絞ることによつて手
動的に追い出された。バツグの前記第4のエツジが次に
(商標名)Pacインパルスシーラを用いてシールされ、
充填スリーブが切取られ、最終のバツグ寸法が得られ
た。完成したバツグは約56mlの(商標名)Fluorinert液
FC−77を含んでいた。
完成したバツグは第5図に示すように直径8.9cmのデ
イスクドライブの頂部表面とデスクトツブコンピユータ
の金属ハウジングの間のキヤビテイ内に置かれた。感熱
接着性の2面テープが前記バツグをコンピユータハウジ
ングの内側表面に固定したが、バツグはデイスクドライ
ブには固定されなかつた。前記コンピユータ及びデイス
クドライブは通常の周囲条件下で作動された。コンピユ
ータは又別のランにおいてバツグ無しで作動された。温
度が前記デイスクドライブハウジング上の2点(第5図
の地点30及び31で示される)においてバツグ有りとバツ
グ無しで測定された。結果は表1にまとめられている。
これらの結果はバツグが十分な熱量をデイスクドライ
ブからハウジングに伝え、表1に示すようにデイスク作
動温度を降下させているということを示している。デイ
スクドライブの寿命は10℃の作動温度低下に従つて倍に
のばすことが出来る。従つて、バツグによつて誘起され
た温度低下はデイスクドライブの寿命の顕著な増大とな
つてあらわれる可能性がある。全体の熱伝導係数は実験
的に120W/m2゜Kであると決定された。この値は放散され
る熱束に対してシステムの物理的特性及び幾何学的形状
に基づく相関関係から同システムに予想される値よりも
著しく良好である。
あるテストにおいて、充填されたバツグはデスクトツ
プコンピユータを落下テストで落下させた際約50Gの力
にさらされた後においても、バツグの一体性を保持して
いた。前記力は前記コンピユータのハウジング上に装着
されたストレーンゲージによつて測定された。同一の落
下テストにおいて、前記バツグは落下力によつて誘起さ
れた、コンピユータに及ぼす振動を顕著に減衰させた。
本発明の精神及び範囲から離脱することなく当業者な
らば本発明の種々の修正例及び変更例をなす事が可能で
あろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一つの実施例の上面図、 第2図は第1図に示した実施例の線2−2に沿つて眺め
た図、 第3図は空のバツグの一つの実施例を示す図、 第4図はシールされたバツグを示す図、 第5図は第1図に示した実施例を電子装置に適用したも
のの図式的側面図である。 10……バツグ、11……シール、12……内側表面、13,1
3′……壁、11……エツジ、14……熱伝導性液体、15…
…電子装置、16……キヤビテイ、17……ヒートシンク表
面、18……熱発生部品の頂部、19……接着テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−124598(JP,A) 特開 昭63−207799(JP,A) 特公 昭52−24210(JP,B2) 特公 昭57−11502(JP,B2) 特公 昭63−67335(JP,B2)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シールされ、可撓性を有し、液体を含んだ
    熱トランスファバッグであって、熱発生部品と密接し、
    同部品と冷却プレートまたはハウジングのような熱発散
    面との間に配置され前記部品から前記熱発散面へと熱を
    伝達するようにされたバッグにおいて同バッグは a) 一つ又はそれ以上の仕切り室を備え、空気及びフ
    ッソ性化学液体を通さないプラスチックバッグと、 b) 熱的に伝導性であり、化学的に不活性で、基本的
    に気体を通し、電気的に非伝導性で、熱的に安定な液体
    であって前記仕切り室を充填するフツ素性化学液体を有
    し、当該液体はそれが前記装置の最高作動温度において
    も沸騰しない沸点を備え、25℃で約0.0006から0.0007ワ
    ット/cm℃の熱伝導性を有する熱トランスファバッグ。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載の熱トランス
    ファバッグにおいて、前記熱伝導性液体は過フッ素化さ
    れた液体であることを特徴とするバッグ。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の
    熱トランスファバッグにおいて、前記バッグはその外側
    表面上に適用された接着剤を備えており、当該接着剤は
    前記バッグを前記バッグの前記キャビティ内にしっかり
    と定置するようにされていることを特徴とするバッグ。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の
    熱トランスファバッグにおいて、前記バッグは多層で、
    ヒートシール可能で熱可塑性のフィルムから作られてい
    ることを特徴とするバッグ。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項に記載の熱トランス
    ファバッグの製造方法であって、 a) 各仕切り室内に一つの開口を残した、一つ又はそ
    れ以上の仕切り室を備えたバッグを製作する段階と、 b) フッ素性化学液体を有する、熱伝導性で、化学的
    に不活性で、電気的に非伝導性で、熱的に安定な液体に
    対する低溶解度を備えたパージガスをして、空気を前記
    液体から追い出すのに十分な時間だけ、同液体中に発泡
    させる段階と、 c) 段階b)の以前又は以後において前記充填開口を
    通って発泡させた熱伝導性液体を各バッグ仕切り室に充
    填する段階と、 d) 充填後仕切り室を充填するのに用いられる前記開
    口を通って各仕切り室内に残存している空気泡を除去す
    る段階と、 e) 前記開口をシールする段階とを有する方法。
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