JP2592728B2 - 輪郭強調方法及び輪郭強調装置 - Google Patents

輪郭強調方法及び輪郭強調装置

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JP2592728B2
JP2592728B2 JP3171330A JP17133091A JP2592728B2 JP 2592728 B2 JP2592728 B2 JP 2592728B2 JP 3171330 A JP3171330 A JP 3171330A JP 17133091 A JP17133091 A JP 17133091A JP 2592728 B2 JP2592728 B2 JP 2592728B2
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峰利 山口
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製版用のスキャナ等の
画像走査記録装置に用いられる輪郭強調方法及び輪郭強
調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図18に従来の輪郭強調装置を示す。
【0003】原稿を走査して読み取られた画素ごとのシ
ャープ信号Sは、アンシャープ信号作成回路202に与え
られる。ここで、シャープ信号Sは、デジタル信号であ
り、その値で原稿の濃度を表す。原稿の明暗の部分を走
査した場合には、シャープ信号Sのレベルは図19(1)
に示すようになる。アンシャープ信号作成回路202で
は、シャープ信号Sを単純平均あるいは加重平均等の平
均化を行い、シャープ信号Sからアンシャープ信号Uが
作成される。アンシャープ信号U(X15,Y15)は、注目画
素におけるシャープ信号S(X15,Y15)に対応するもの
で、例えば、注目画素及び注目画素周辺の31×31個
の矩形の範囲のシャープ信号S(X=0,Y=0),〜,S(X=3
0,Y=30)を平均化したものである。したがって、アンシ
ャープ信号Uは、図19(2)に示すようになる。シャー
プ信号S及びアンシャープ信号Uは、減算器204に与え
られ、輪郭強調を行うための差信号(S−U)が作成さ
れる(図19(3)参照)。この差信号(S−U)は、係
数器206に与えられ、適当な係数を乗算することにより
エッジ強調信号k・(S−U)が作成される(図19
(4)参照)。このエッジ強調信号k・(S−U)は、原
稿の黒から白に急峻に変化する部分α1及び原稿の白か
ら黒に急峻に変化する部分α2にそれぞれ対応して生成
される(図19(4)のβ1,β2参照)。シャープ信号S
及びエッジ強調信号k・(S−U)は、加算器208に与
えられ、両信号の和から強調済み信号S+k・(S−
U)が作成される(図19(5)参照)。
【0004】この強調済み信号S+k・(S−U)で
は、原稿の黒から白に急峻に変化する部分α1及び原稿
の白から黒に急峻に変化する部分α2にそれぞれ対応し
て、濃度差がより強調されている。したがって、原稿画
像の輪郭が強調され、見掛上で明瞭な再生画像を得るこ
とができる。
【0005】ところで、原稿がフィルム等である場合に
は、粒状性等のためにシャープ信号Sにノイズ成分が含
まれてしまうことがある。したがって、シャープ信号S
にノイズ成分が含まれている場合に、図18に示した輪
郭強調装置および輪郭強調方法で輪郭強調を行うと、ノ
イズ成分の部分も強調してしまうため、ノイズも目立っ
てしまうという欠点があった。
【0006】このノイズの強調を防止するため、図2
0,図22の輪郭強調装置が考えられている。
【0007】図20の輪郭強調装置では、シャープ信号
Sは、平均化回路210にも与えられる。平均化回路210で
は、例えば、注目画素及び注目画素周辺の15×15個
の矩形の範囲のマスク中のシャープ信号Sから平均化さ
れたシャープ信号を作成するようにしている。平均化
回路210では、シャープ信号Sを単純平均あるいは加重
平均等の平均化を行い、シャープ信号Sから平均化され
たシャープ信号が作成される。したがって、シャープ
信号Sにノイズが含まれている場合であっても(図21
(1)参照)、ノイズ成分が平均化され、平均化されたシ
ャープ信号にはノイズ成分がほぼ含まれないことにな
る(図21(2)参照)。このシャープ信号よりも広い
範囲で平均化したアンシャープ信号Uにも、ノイズ成分
が含まれないことになる(図21(3)参照)。
【0008】平均化されたシャープ信号及びアンシャ
ープ信号Uは、減算器204に与えられ、差信号(
U)が作成され(図21(4)参照)、係数器206でエッジ
強調信号k・(−U)が作成される(図21(5)参
照)。平均化されたシャープ信号及びエッジ強調信号
k・(−U)は、加算器208に与えられ、両信号の和
から強調済み信号+k・(−U)が作成される(図
21(6)参照)。
【0009】この強調済み信号+k・(−U)にお
いても、原稿の黒から白に急峻に変化する部分α1及び
原稿の白から黒に急峻に変化する部分α2にそれぞれ対
応して、濃度差がより強調されている(図21(6)のδ
1,δ2参照)。したがって、ノイズを強調することなく
輪郭を強調することができる。
【0010】図22の輪郭強調装置では、係数器206か
ら出力されたエッジ強調信号k・(S−U)(図23
(3)参照)は、不感帯処理回路212に与えられる。不感帯
処理回路212は、不感帯Δの範囲のレベルの信号は除去
し、不感帯Δを超えるレベルの信号のみ通過させるもの
である。この不感帯Δは、ノイズ成分のレベルの最大値
(図23(1)参照)より少し大きく定められている。不
感帯処理回路212は、エッジ強調信号k・(S−U)か
ら不感帯Δの範囲の信号を除去し、不感帯Δを超えるレ
ベルの不感帯処理済みのエッジ強調信号k・(S−U)
Δを出力する(図23(4)参照)。
【0011】したがって、不感帯処理回路212は、シャ
ープ信号Sのノイズの部分でエッジ強調信号k・(S−
U)Δを出力することはなく、原稿の黒から白に急峻に
変化する部分α1及び原稿の白から黒に急峻に変化する
部分α2(図21(1)参照)にそれぞれ対応して、エッジ
強調信号を出力する(図23(4)の参照)。
【0012】シャープ信号S及び不感帯処理済みのエッ
ジ強調信号k・(S−U)Δは、加算器208に与えら
れ、両信号の和から強調済み信号S+k・(S−U)Δ
が作成される(図23(5)参照)。
【0013】この強調済み信号S+k・(S−U)Δに
おいても、原稿の黒から白に急峻に変化する部分α1及
び原稿の白から黒に急峻に変化する部分α2にそれぞれ
対応して、濃度差がより強調されている(図23(5)の
δ1,δ2参照)。したがって、ノイズをそのままにして
輪郭を強調することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図20、図2
1に示した輪郭強調装置及び輪郭強調方法では、エッジ
強調信号の強調幅が広がるため(図21(5)参照)、強
調済み信号+k・(−U)の強調部分の傾きが緩く
なってしまう。このため、輪郭強調の度合いが低下して
しまう欠点があった。
【0015】図22、図23に示した輪郭強調装置及び
輪郭強調方法では、不感帯処理済みのエッジ強調信号k
・(S−U)Δにいわゆるゼロクロス歪が生じている
(図23(4)のε1,ε2参照)。このため、強調済み信
号S+k・(S−U)Δの輪郭強調部分に段が付き、2
重・3重に輪郭が生じる欠点があった。
【0016】本発明は、上述の技術的課題を解決し、ノ
イズの強調を防止し、輪郭強調の度合いを低下させるこ
となく、しかも、2重・3重に輪郭が生じることのない
輪郭強調方法、輪郭強調装置を提供することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述の技術的課題を解決
するために本発明は以下の構成をとる。
【0018】すなわち、請求項1の輪郭強調方法は、原
稿画像を読み取って得られた注目画素の濃度を表すシャ
ープ信号及び注目画素の所定の範囲の周辺の周辺画素の
シャープ信号をフィルタ処理して、注目画素におけるフ
ィルタ処理済みシャープ信号を作成し、フィルタ処理済
みシャープ信号を所定の方向に方向微分して、注目画素
における1次微分信号を作成し、1次微分信号を再度所
定の方向に方向微分して、注目画素における2次微分信
号を作成し、各方向における2次微分信号を平均してエ
ッジ強調信号を作成し、フィルタ処理済みシャープ信号
とエッジ強調信号とを演算して、注目画素における強調
済み信号を作成することを特徴とする。
【0019】請求項2の輪郭強調方法は、原稿画像を読
み取って得られた注目画素の濃度を表すシャープ信号及
び注目画素の所定の範囲の周辺の周辺画素のシャープ信
号をフィルタ処理して、注目画素におけるフィルタ処理
済みシャープ信号を作成し、フィルタ処理済みシャープ
信号を所定の方向に方向微分して、注目画素における1
次微分信号を作成し、1次微分信号を不感帯処理し、注
目画素における不感帯処理済みの1次微分信号を作成
し、不感帯処理済みの1次微分信号を再度所定の方向に
方向微分して、注目画素における2次微分信号を作成
し、各方向における2次微分信号を平均してエッジ強調
信号を作成し、シャープ信号又はフィルタ処理済みシャ
ープ信号とエッジ強調信号とを演算して、注目画素にお
ける強調済み信号を作成することを特徴とする。
【0020】請求項3の輪郭強調方法は、請求項1又は
請求項2のものにおいて、前記フィルタ処理済みシャー
プ信号を方向微分したものを、さらに所定の方向に方向
平均して、注目画素における1次微分信号とすることを
特徴とする。
【0021】請求項4の輪郭強調装置は、原稿画像を読
み取って得られた注目画素の濃度を表すシャープ信号及
び注目画素の所定の範囲の周辺の周辺画素のシャープ信
号をフィルタ処理して、注目画素におけるフィルタ処理
済みシャープ信号を作成するフィルタ処理回路と、フィ
ルタ処理済みシャープ信号を所定の方向に方向微分し
て、注目画素における1次微分信号を作成する1次微分
信号作成回路と、1次微分信号を再度所定の方向に方向
微分して、注目画素における2次微分信号を作成し、各
方向における2次微分信号を平均してエッジ強調信号を
作成するエッジ強調信号作成回路と、フィルタ処理済み
シャープ信号とエッジ強調信号とを演算して、注目画素
における強調済み信号を作成する強調済み信号作成回路
と、を備えることを特徴とする。
【0022】請求項5の輪郭強調装置は、原稿画像を読
み取って得られた注目画素の濃度を表すシャープ信号及
び注目画素の所定の範囲の周辺の周辺画素のシャープ信
号をフィルタ処理して、注目画素におけるフィルタ処理
済みシャープ信号を作成するフィルタ処理回路と、フィ
ルタ処理済みシャープ信号を所定の方向に方向微分し
て、注目画素における1次微分信号を作成する1次微分
信号作成回路と、1次微分信号を不感帯処理し、注目画
素における不感帯処理済みの1次微分信号を作成する不
感帯処理回路と、不感帯処理済みの1次微分信号を再度
所定の方向に方向微分して、注目画素における2次微分
信号を作成し、各方向における2次微分信号を平均して
エッジ強調信号を作成するエッジ強調信号作成回路と、
シャープ信号又はフィルタ処理済みシャープ信号とエッ
ジ強調信号とを演算して、注目画素における強調済み信
号を作成する強調済み信号作成回路とを備えることを特
徴とする。
【0023】請求項6の輪郭強調装置は、請求項4又は
請求項5のものにおいて、前記1次微分信号作成回路
は、前記方向微分したものを、さらに所定の方向に方向
平均して注目画素における1次微分信号とすることを特
徴とする。
【0024】
【作用】請求項1の輪郭強調方法及び請求項4の輪郭強
調装置においては、フィルタ処理すると、シャープ信号
にノイズ成分が含まれていてもフィルタ処理済みシャー
プ信号にはノイズ成分はほとんど含まれないようにな
る。
【0025】フィルタ処理済みシャープ信号を所定の方
向に方向微分すると、変化の急峻なところ、すなわち、
画像の暗から明へ及び明から暗への変化部で正に凸又は
負に凸のピークを有する1次微分信号を得ることができ
る。
【0026】1次微分信号を再度所定の方向に方向微分
すると、変化の急峻なところ、すなわち、1次微分信号
のピークを鋏んで、かつ、近傍に正に凸又は負に凸のピ
ークを有する2次微分信号を得ることができ、各方向に
対する2次微分信号を平均化することでエッジ強調信号
を得ることができる。
【0027】次に、フィルタ処理済みシャープ信号とエ
ッジ強調信号とを演算して、注目画素における強調済み
信号を作成する。強調済み信号は、画像の暗から明へ及
び明から暗への変化部の両端にピークを有する。しか
も、変化部の傾きも急峻で、かつ、段差を有することが
ない。
【0028】請求項2の輪郭強調方法及び請求項5の輪
郭強調装置においては、1次微分信号を不感帯処理する
と、1次微分信号にノイズ成分が含まれたとしても、こ
のノイズ成分は除去されることになる。
【0029】次に、シャープ信号又はフィルタ処理済み
シャープ信号とエッジ強調信号とを演算して、注目画素
における強調済み信号を作成する。強調済み信号は、画
像の暗から明へ及び明から暗への変化部の両端にピーク
を有する。しかも、変化部の傾きも急峻で、かつ、段差
を有することがない。また、ノイズ成分を強調すること
がより少なくなる。
【0030】請求項3の輪郭強調方法及び請求項6の輪
郭強調装置は、請求項1又は請求項2の輪郭強調方法及
び請求項4又は請求項5のものにおいて、フィルタ処理
済みシャープ信号を方向微分したものを、さらに所定の
方向に方向平均して注目画素における1次微分信号とす
るため、1次微分信号にノイズ成分が含まれたとして
も、このノイズ成分は除去されることになる。したがっ
て、ノイズ成分を強調することがより少なくなる。
【0031】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0032】図1は、本発明の一実施例の輪郭強調装置
のブロック図である。
【0033】この輪郭強調装置は、フィルタ処理回路
2、1次微分信号作成回路4、不感帯処理回路6、エッ
ジ強調信号作成回路8、強調済み信号作成回路10及びデ
ィレイ回路12を備える。
【0034】原稿を主走査方向X及び副走査方向Yに走
査した画像は、イメージセンサによって電気信号に変換
され、イメージセンサからシャープ信号Sが出力され
る。このシャープ信号Sは、原稿の主走査方向X及び副
走査方向Yの各位置、すなわち、注目画素における原稿
画像の濃度を表す。シャープ信号Sは、ログ変換、アナ
ログ/デジタル変換、シェーディング補正等の処理後、
輪郭強調装置のフィルタ処理回路2に与えられる。
【0035】−フィルタ処理回路2、フィルタ処理済み
シャープ信号作成− フィルタ処理回路2は、例えば、図2に示すように、主
走査方向Xに15個及び副走査方向Yに15個の矩形状
の範囲のマスク中のシャープ信号Sを単純平均すること
によってフィルタ処理を行う。そしてこのフィルタ処理
によって、注目画素におけるフィルタ処理済みシャープ
信号を作成する。図2に示すように注目画素における
シャープ信号をS(X=7,Y=7)(以下単にS(7,7)と記
す。)、注目画素の所定の範囲のシャープ信号をS(0,
0),〜,S(7,6),S(7,8),〜,S(14,14)とすると、
注目画素におけるフィルタ処理済みシャープ信号S(7,
7)は、(S(0,0)+〜+S(7,6)+S(7,7)+S(7,8)+〜
+S(14,14))/(15×15)である。このフィルタ
処理済みシャープ信号を作成するフィルタ処理回路2
の具体的回路を図3に示す。
【0036】シャープ信号Sが順次送られるごとに、こ
れらのシャープ信号Sはラッチ101にラッチされる。ラ
インバッファ104は、15個のラインメモリ1040〜10414
を備えている。ラインメモリ1040〜10414は、64K画
素分の記憶領域をそれぞれ有している。
【0037】いま、シャープ信号S(0,15)がラッチ101
にラッチされたとする。このときラインバッファ104の
内容は図4のようになっている。
【0038】まず、ラインメモリのアドレス「0」の内
容[S(0,0)〜S(0,15)]が読み出され、ラッチ105及び
ラッチ102にラッチされる。ラッチ105には15個のデー
タがすべてラッチされるが、ラッチ102にはラインメモ
リ1040の内容を除いた14個のデータのみが保持され
る。
【0039】次に、ラッチ101に保持されていたシャー
プ信号S(0,15)とラッチ102に保持されている14個の
データ(S(0,1)〜S(0,14))とを合わせて、S(0,15)
をラインメモリ10414へ、S(0,14)をラインメモリ10413
へ、S(0,13)をラインメモリ1041 2へ、というように順
次ずらして書き込む。この動作は、繰り返し行われ、各
ラインメモリ1040〜10414のシャープ信号S15個が1
度に読み出され、ラッチ105により保持される。
【0040】ラッチ105に副走査方向Yの1ラインのシ
ャープ信号Sが一時にラッチされるので、データセレク
タ106〜ラッチ109で、副走査方向Yの各画素のシャープ
信号Sの加算が1ラインごとに行われる。データセレク
タ106は、パラレル/シリアル変換を行い、1ラインに
含まれる15個のシャープ信号Sを1つずつ順次出力す
る。例えば、ラッチ105がシャープ信号S(14,0),〜,
S(14,14)を出力した場合には、シャープ信号S(14,
0),〜,S(14,14)を1つずつ加算器107に順次出力す
る。
【0041】加算器107、ラッチ108では、まず、加算器
107がシャープ信号S(14,0)を受け取り、これを出力す
ると、ラッチ108はシャープ信号S(14,0)をラッチし加
算器107に戻す。次に、加算器107がシャープ信号S(14,
0)とシャープ信号S(14,1)とを受け取り、これを加算し
て出力すると、ラッチ108はシャープ信号S(14,0)+S
(14,1)をラッチし加算器107に戻す。これを繰り返し、
加算器107及びラッチ108は、このシャープ信号S(14,
0),〜,S(14,14)を順次累積加算する。1ライン分の
累積加算が終了すると、ラッチ109は、累積加算の累積
結果ΣS14(ΣS14=S(14,0)+〜+S(14,14))をラ
ッチする。この動作は、繰り返し行われ、1ライン分の
累積結果ΣS13,ΣS12,…が順次ラッチ109から出力
される。なお、データセレクタ106〜ラッチ109の加算
は、ラッチ105から次のラインのシャープ信号Sが出力
されるまでに行われる。
【0042】ラッチ109で1ライン分の累積結果が順次
求められたので、ディレイ110〜ラッチ115で主走査方向
Xに連続する15個の累積結果の累積結果を求め、シフ
タ116で平均値を求める。ラッチ109がΣS15をラッチし
ているときには、ラッチ109は、先行する累積結果ΣS1
4,ΣS13,…,ΣS0を既に出力している。このとき、
加算器113及びラッチ114で先行する15個の各累積結果
ΣS14〜ΣS0を累積加算している。したがって、ラッ
チ115は、15個の各累積結果の累積結果Σ(ΣS14〜
ΣS0)を既にラッチしている。したがって、ラッチ115
には、15×15のマスクのシャープ信号Sの総和が求
められている。この総和Σ(ΣS14〜ΣS0)をシフタ1
16において、桁合わせのためLSB方向に任意のビット
数シフトさせる。これによって、フィルタ処理済みシャ
ープ信号=Σ(ΣS14〜ΣS0)/(15×1
5))が求められる。このシャープ信号は、シャープ
信号S(7,7)を注目画素とした場合に、これに対応する
フィルタ処理済みシャープ信号S(7,7)である。
【0043】なお、ディレイ110は、15個の記憶領域
を備え、この記憶領域にラッチ109が過去に出力した先
行する15個の累積結果ΣS14〜ΣS0を既に記憶して
いる。ラッチ109が累積結果ΣS15を出力すると、ディ
レイ110は、この最新の累積結果ΣS15を記憶するとと
もに、最も古い累積結果ΣS0を出力する。この累積結
果ΣS0は、符号変換111で負(−ΣS0)にされる。デ
ータセレクタ112は、ラッチ109の出力「ΣS15」と、符
号変換111の出力「−ΣS0」とを交互に切り換えて加算
器113に出力する。この「ΣS15」と、「−ΣS0」は、
加算器113及びラッチ114で累積加算される(Σ(ΣS14
〜ΣS0)+ΣS15−ΣS0=Σ(ΣS15〜ΣS1))。
これによって、シフタ116において、シャープ信号S(8,
7)を注目画素とした場合におけるフィルタ処理済みシャ
ープ信号S(8,7)が求められる。この動作が繰り返し行
われ、フィルタ処理済みシャープ信号S(8,7)S(9,
7),…が順次高速に求めることができる。
【0044】ここで、原稿の暗部と明部とを走査した場
合において、原稿に粒状性がないときには、シャープ信
号Sにノイズ成分は含まれない(図5A(1)参照)。原
稿の暗部を走査している場合には、シャープ信号Sのレ
ベルは低い(図5A(1)のα1,α2参照)。原稿の明部
を走査している場合には、シャープ信号Sのレベルは高
い(図5A(1)のα3参照)。そして、原稿の明部と暗部
との境のエッジ部では、このエッジ部に対応する位置で
シャープ信号Sのレベルが急峻に変わる(図5A(1)の
α4,α5参照)。このノイズ成分を含まないシャープ信
号Sをフィルタ処理すると、フィルタ処理のため、多少
なだらかにはなるが、シャープ信号Sのエッジ部α4,
α5に対応する位置にフィルタ処理済みシャープ信号
のエッジ部β4,β5を得ることができる。
【0045】一方、原稿に粒状性があるときには、この
粒状性のためシャープ信号Sにノイズ成分が含まれてい
る(図5B(1)参照)。このノイズ成分のレベルは、ロ
グ変換のため、シャープ信号Sのレベルの低い部分α
1,α2で大きく表れ、シャープ信号Sのレベルの高い部
分α3で小さく表れる。このノイズ成分を含むシャープ
信号Sをフィルタ処理すると、フィルタ処理のためノイ
ズ成分が平均化され、フィルタ処理済みシャープ信号
にノイズ成分がほぼ含まれないようになる(図5B(2)
のβ1,β2,β3参照)。また、シャープ信号Sのエッ
ジ部α4,α5に対応する位置にフィルタ処理済みシャー
プ信号のエッジ部β4,β5を得ることができる。した
がって、フィルタ処理すると、シャープ信号Sにノイズ
成分が含まれていても、フィルタ処理済みシャープ信号
においてノイズの影響をほぼなくすことができる。し
かし、ノイズ成分のレベルが非常に大きい場合には、ノ
イズ成分の影響が残り、ノイズ成分の影響のためレベル
の低いフィルタ処理済みシャープ信号に多少のうねり
が生じる(図5B(2)のβ6,β7参照)。このフィルタ
処理済みシャープ信号は、1次微分信号作成回路4及
びディレイ回路12に与えられる。
【0046】−1次微分信号作成回路4、1次微分信号
S’・方向平均した1次微分信号S’作成− 1次微分信号作成回路4は、例えば、図6に示すように
主査走査方向Xに3つ及び副走査方向Yに3つの矩形状
の範囲を1つのマスクとする。このマスク中に含まれる
フィルタ処理済みシャープ信号をX=1,Y=1を中
心として所定の方向、例えば、主走査方向X、副走査方
向Y、並びに、主走査方向X及び副走査方向Yの間の斜
め方向(右上がり方向、左上がり方向)の4方向に方向
微分する。そして、4方向注目画素における1次微分信
号S’を作成する。また、同様に、このマスク中に含ま
れる1次微分信号S’をX=1,Y=1を中心としてさ
らに4方向に方向平均して、1次微分信号S’を作成す
る。この1次微分信号S’及び1次微分信号S’を作成
する1次微分信号作成回路4の具体的回路を図7に示
す。図7において、ラッチ117〜加算器135が4方向の1
次微分信号S’を作成する部分であり、方向平均回路19
0,〜,方向平均回路193が4方向の1次微分信号S’
作成する部分である。
【0047】まず、4方向の1次微分信号S’を作成す
るラッチ117〜加算器135について説明する。フィルタ処
理回路2からフィルタ処理済みシャープ信号が順次送
られてくるごとに、これらのフィルタ処理済みシャープ
信号は、ラッチ117にラッチされる。ラインバッファ1
20は、3個のラインメモリ1200,〜,1202を備えてい
る。各ラインメモリ1200,〜,1202は、64K画素分の
記憶領域を有している。この記憶領域にラッチ117によ
ってラッチされた平均化済のシャープ信号は、ライン
メモリ1200のアドレス「0」から記憶される。ラッチ11
7,〜,ラッチ121の動作は、前述したフィルタ処理回路
2のラッチ101〜ラッチ105の動作と同様に動作するが、
ラインバッファ120の3つのラインメモリ1200,〜,120
2で行われる点で異なる。
【0048】4方向の1次微分信号S’を作成するにあ
たって、微分しやすいように、ラッチ117〜ラッチ121で
フィルタ処理済みシャープ信号が揃えられる。フィル
タ処理済みシャープ信号S(7,7)がラインメモリ1201
アドレス「7」に記憶されている場合には(図8参
照)、他のフィルタ処理済みシャープ信号S(6,6)
〜,S(8,8)は、ラインメモリ1200〜1203のアドレス
「6」〜アドレス「8」にそれぞれ記憶されている。ラ
ッチ121は、フィルタ処理済みシャープ信号S(6,8)
(7,8)S(8,8)S(6,7)S(7,7)S(8,7)S(6,
6)S(7,6)S(8,6)、…を3つずつラインごとにラッ
チして出力する。
【0049】データセレクタ122,〜,加算器135は、4
方向にそれぞれ方向微分する部分である。この方向微分
は、減算によって行われる。データセレクタ122は、ラ
ッチ121から出力されたラインメモリ1200におけるフィ
ルタ処理済みシャープ信号S(6,8)S(6,7)S(6,
6),…をライン122aに出力する。また、ラインメモリ1
201,1202におけるフィルタ処理済みシャープ信号S(7,
8)S(7,7)S(7,6),…、S(8,8)S(8,7)S(8,
6),…をライン122b,122cにそれぞれ出力する。
【0050】ディレイ123、〜、ディレイ125は、フィル
タ処理済みシャープ信号を2つ記憶する記憶領域をそ
れぞれ有し、FIFO動作を行う。ディレイ126、ディ
レイ127は、フィルタ処理済みシャープ信号を1つ記
憶する記憶領域をそれぞれ有する。ラッチ121に副走査
方向Yに1ラインのフィルタ処理済みシャープ信号
(6,6)S(7,6)S(8,6)がラッチされている場合(図
8参照)、ディレイ123にはフィルタ処理済みシャープ
信号S(8,8)S(8,7)が記憶されており、ディレイ127
にはフィルタ処理済みシャープ信号S(8,7)が記憶され
ている。ディレイ124には、フィルタ処理済みシャープ
信号S(7,8)S(7,7)が記憶されている。ディレイ125
にはフィルタ処理済みシャープ信号S(6,8)S(6,7)
記憶されており、ディレイ126にはフィルタ処理済みシ
ャープ信号S(6,7)が記憶されている。データセレクタ1
22からフィルタ処理済みシャープ信号S(6,6)S(7,
6)S(8,6)が出力されると、ディレイ123、〜、ディレ
イ127は、これを記憶するとともに、最古のフィルタ処
理済みシャープ信号S(8,8)S(7,8)S(6,8)S(6,
7)S(8,7)をそれぞれ出力する。ディレイ123、〜、デ
ィレイ126の出力は、符号変換128、〜、符号変換131に
よって負にされ、加算器132、〜、加算器135にそれぞれ
与えられる。ディレイ127の出力は、直接、加算器135に
与えられる。
【0051】加算器132は、符号変換128の出力(−
(8,8))と、ライン122aを介するデータセレクタ122の
出力(S(6,6))を加算する(−S(8,8)S(6,6))。
この加算結果は、シャープ信号S(7,7)を注目画素とし
た場合に、これに対応するフィルタ処理済みシャープ信
S(7,7)を夾む右下がり方向の減算である。したがっ
て、右下がり方向における偏微分、すなわち、右下がり
方向における1次微分信号S(7,7)’を表す。加算器133
は、符号変換129の出力(−S(7,8))と、ライン122b
を介するデータセレクタ122の出力(S(7,6))を加算す
る(−S(7,8)S(7,6))。この加算結果は、シャープ
信号S(7,7)を注目画素とした場合のフィルタ処理済み
シャープ信号S(7,7)を夾む減算である。したがって、
主走査方向Xにおける偏微分、すなわち、主走査方向X
における1次微分信号S(7,7)’を表す。
【0052】加算器134は、符号変換130の出力(−
(6,8))と、ライン122cを介するデータセレクタ122の
出力(S(8,6))を加算する(−S(6,8)S(8,6))。
この加算結果は、シャープ信号S(7,7)を注目画素とし
た場合のフィルタ処理済みシャープ信号S(7,7)を夾む
右上がり方向における区間の減算である。したがって、
右上がり方向における偏微分、すなわち、右上がり方向
における1次微分信号S(7,7)’を表す。加算器135は、
符号変換131の出力(−S(6,7))と、ディレイ127の出
力(S(8,7))を加算する(−S(6,7)S(8,7))。こ
の加算結果は、シャープ信号S(7,7)を注目画素とした
場合のフィルタ処理済みシャープ信号S(7,7)を夾む副
走査方向Yにおける区間の減算である。したがって、副
走査方向Yにおける偏微分、すなわち、副走査方向Yに
おける1次微分信号S(7,7)’を表す。この動作は繰り
返し行われ、加算器132、〜、加算器135から4方向の1
次微分信号S(7,7)’,S(7,6)’,…がそれぞれ順次出
力される。4方向の1次微分信号S’は、方向平均回路
190、〜、方向平均回路193にそれぞれ与えられる。
【0053】次いで、1次微分信号S’を作成する方向
平均回路190、〜、方向平均回路193について説明する。
方向平均回路190は、右下がり方向の1次微分信号S’
を右下がり方向に方向平均し、右下がり方向の1次微分
信号S’を作成する。方向平均回路191,192,193は、
主走査方向X、右下がり方向及び副走査方向Yについ
て、方向平均回路190と同様に1次微分信号S’を作成
する。各方向平均回路190,〜,193は、ほぼ同様に構成
されているので、方向平均回路190の具体的回路を図9
に示す。
【0054】加算器132から右下がり方向の1次微分信
号S’が順次送られてくるごとに、これらの1次微分信
号S’は、ラッチ136に順次ラッチされる。ラインバッ
ファ139は、ラインバッファ120と同様に3個のラインメ
モリ1390,〜,1392を備えている。各ラインメモリ13
90,〜,1392は、64K画素分の記憶領域を有してい
る。この記憶領域にラッチ136によってラッチされた右
下がり方向の1次微分信号S’は、ラインメモリ1390
アドレス「0」に記憶される。ラッチ136,〜,ラッチ1
41の動作は、フィルタ処理回路2のラッチ101,〜,ラ
ッチ105、1次微分信号作成回路4のラッチ117、〜、ラ
ッチ121とほぼ同様に動作するが、アドレス変換140によ
ってアドレス変換が行われる点で異なる。
【0055】右下がり方向の1次微分信号S(7,7)’が
ラインメモリ1391のアドレス「7」に記憶されている場
合には、他の周囲の1次微分信号S(6,6)’,〜,S(8,
8)’は、ラインメモリ1390〜1392のアドレス「6」〜ア
ドレス「8」にそれぞれ記憶されている。アドレス発生
器138がアドレス「7」をアドレス指定した場合、アド
レス変換140は、ラインメモリ1390に対しては「1」デ
クリメントし、ラインメモリ1391に対してしてはそのま
ま出力し、ラインメモリ1392に対しては「1」インクリ
メントして出力する。
【0056】この場合、ラッチ141は、ラインバッファ1
39から出力された右下がり方向の1次微分信号S(6,
6)’,S(7,7)’,S(8,8)’を3つラッチして出力す
る。ラッチ141から出力された1次微分信号S(6,6)’,
S(7,7)’,S(8,8)’は、データセレクタ142によって
パラレル/シリアル変換され、加算器143及びラッチ144
によって順次累積加算され(S(6,6)’+S(7,7)’+S
(8,8)’=ΣS7’)、加算結果ΣS7’がラッチ145にラ
ッチされる。右下がり方向の加算結果が求められたの
で、シフタ146において桁合わせのためLSB方向に任
意のビット数シフトさせる。これによって、さらに右下
がり方向に方向平均した右下がり方向の1次微分信号
(7,7)’S(7,7)’=ΣS7’/3)が求められる。こ
の1次微分信号S(7,7)’は、ラッチ147にラッチされ
る。
【0057】なお、方向平均回路191,192,193におい
ては、アドレス指定がアドレス変換140によって主走査
方向X、右上がり方向及び副走査方向Yに変換される点
が異なるだけである。したがって、方向平均回路191
は、さらに主走査方向Xに方向平均した主走査方向Xの
1次微分信号S(7,7)’S(7,7)’=(S(7,6)’+S
(7,7)’+S(7,8)’)/3=ΣS7’/3)を出力す
る。方向平均回路192は、さらに右上がり方向に方向平
均した右上がり方向の1次微分信号S(7,7)’S(7,
7)'=(S(6,8)’+S(7,7)’+S(8,6)’)/3=ΣS7’
/3)を出力する。また、方向平均回路193は、さらに
副走査方向Yに方向平均した副走査方向Yの1次微分信
S(7,7)’S(7,7)’=(S(6,7)’+S(7,7)’+S
(8,7)’)/3=ΣS7’/3)を出力する。
【0058】この動作は繰り返し行われ、方向平均回路
190、〜、方向平均回路193から右下がり方向、主走査方
向X、右上がり方向及び副走査方向Yの1次微分信号
(7,7)’S(7,6)’,…が順次出力される。
【0059】ここで、1次微分信号S’は、フィルタ処
理済みシャープ信号の傾きを表す。したがって、シャ
ープ信号Sにノイズ成分が含まれていない場合(図5A
(1)参照)には、このフィルタ処理済みのシャープ信号
のエッジ部β4に対応する位置に上に凸(図5A(3)の
γ4参照)、エッジ部β5に対応する位置に下に凸(図5
A(3)のγ5参照)の1次微分信号S’を得ることができ
る。また、この1次微分信号S’をさらに方向平均する
と、多少なだらかになるが、1次微分信号S’の凸部γ
4に対応する位置に上に凸(図5A(4)のδ4参照)、下
に凸(図5A(3)のδ5参照)の方向平均した1次微分信
S’を得ることができる。この1次微分信号S’の凸
部γ4,γ5及び1次微分信号S’の凸部δ4,δ5は、シ
ャープ信号Sのエッジ部α4,α5の位置にもそれぞれ対
応する。
【0060】一方、シャープ信号Sにノイズ成分が含ま
れている場合(図5B(1)参照)においても、ノイズ成
分にほとんど影響されずに、フィルタ処理済みのシャー
プ信号のエッジ部β4に対応する位置に上に凸(図5
B(3)のγ4参照)、エッジ部β5に対応する位置に下に
凸(図5B(3)のγ5参照)の1次微分信号S’を得るこ
とができる。また、この1次微分信号S’をさらに方向
平均すると、多少なだらかになるが、1次微分信号S’
の凸部γ4に対応する位置に上に凸(図5A(4)のδ4参
照)、下に凸(図5A(3)のδ5参照)の方向平均した1
次微分信号S’を得ることができる。しかし、ノイズ成
分のレベルが非常に大きい場合には、シャープ信号
うねりβ6,β7に対応する位置にわずかなレベルの凸部
γ6,γ7が生じる。このため、この1次微分信号S’
をさらに方向平均すると、凸部γ6,γ7が平均化さ
れ、1次微分信号S’がほぼ含まれないようになり、ま
た、たとえ含まれてもわずかなレベルとなる(図5B
(4)のδ6,δ7参照)。この4方向の1次微分信号S’
は、不感帯処理回路6のルックアップテーブル148a,
〜,148dにそれぞれ与えられる(図10参照)。
【0061】−ディレイ回路12− フィルタ処理回路2から出力された平均化済のシャープ
信号は、ディレイ回路12に与えられる。ディレイ回路
12は、原則的に、平均化されたシャープ信号のタイミ
ングを調整して、強調済み信号作成回路10に与えるため
のものである。また、不感帯処理回路6及び強調済み信
号作成回路10における多様な処理にも用いられる。
【0062】図12にディレイ回路12の具体的回路を示
す。1次微分信号作成回路4のラインバッファ120にお
いて、注目画素の平均化されたシャープ信号が入力さ
れてから出力されるまで、主走査方向Xに2ラインの画
素分の遅延が生じる(64K×2)。また、ラインバッ
ファ139において、注目画素の1次微分信号S’が入力
されてから出力されるまで、主走査方向Xに2ラインの
画素分の遅延が生じる(64K×2)。このため、この
注目画素が方向平均回路190,〜,193から出力されると
きには、主走査方向Xに4ラインの画素分の遅延が生じ
る(64K×4)。したがって、バッファメモリ184
は、4個のラインメモリ1840,〜,1843を備えている。
各ラインメモリ1840,〜,1843は、64K画素分の記憶
領域を有している。
【0063】平均化されたシャープ信号S(7,7)が1次
微分信号作成回路4のラッチ117にラッチされたとき、
この平均化されたシャープ信号S(7,7)は、ディレイ回
路12のラッチ182にラッチされる。そして、ラインバッ
ファ120のラインメモリを主走査方向Xに2ライン進む
につれて、バッファメモリ184のラインメモリ1840,184
1の2ライン進む。1次微分信号S(7,7)’がラインバッ
ファ139のラインメモリ1390のアドレス「7」に記憶さ
れるとき、シャープ信号S(7,7)はバッファメモリ184の
ラインメモリ1842のアドレス「7」に記憶される。そし
て、ラインバッファ139のラインメモリを主走査方向X
に2ライン進むにつれて、バッファメモリ184のライン
メモリ1842,1843の2ライン進む。1次微分信号S(7,
7)’が方向平均回路190,〜,193のラッチ147にラッチ
されているとき、シャープ信号S(7,7)はラッチ185にラ
ッチされる。このシャープ信号S(7,7)は、不感帯処理
回路6のルックアップテーブル148a,〜,148dにそれ
ぞれ与えられる(図10参照)。したがって、不感帯処
理回路6のルックアップテーブル148a,〜,148dに
は、対応する画素のシャープ信号S(7,7)及び1次微分
信号S(7,7)’が同時に与えられる。 なお、後述する
エッジ強調信号作成回路8においても、対応する注目画
素が入力されてから出力されるまで、主走査方向Xに4
ラインの画素分の遅延が生じる(64K×4:図14参
照)。したがって、バッファメモリ188は、4個のライ
ンメモリ1880,〜,1883を備えている。各ラインメモリ
1880,〜,1883は、64K画素分の記憶領域を有してい
る。このラッチ186、〜、ラッチ189でラッチ182〜ラッ
チ185と同様に、主走査方向Xに4ラインの画素分の遅
延が作成される(64K×4)。したがって、強調済み
信号作成回路10には、対応する画素のシャープ信号
(7,7)及び1次微分信号S(7,7)’が同時に与えられるこ
とになる。
【0064】−不感帯処理回路6、不感帯処理済み1次
微分信号S’Δ作成− 不感帯処理回路6は、図10に示すように、ルックアッ
プテーブル148a,〜,148dを備え、4方向の不感対処
理をそれぞれ行う。ルックアップテーブル148a,〜,1
48dには、ディレイ回路12から平均化されたシャープ信
と4方向の1次微分信号S’がそれぞれ与えられ
る。なお、このシャープ信号と1次微分信号S’は、
同じ注目画素のものである(例えば、S(7,7)S(7,
7)’)。ルックアップテーブル148a,〜,148dは、例
えばROM等で構成されており、特性データを複数予め
記憶した複数のテーブルを備えている。このルックアッ
プテーブル148a,〜,148dは、平均化されたシャープ
信号と1次微分信号S’を入力の関数として、複数の
テーブルの内のいずれかのテーブルを選択し、選択され
たテーブルの特性データを出力する。この特性データに
は、不感帯Δ(図5A(3),(4)、図5B(3),(4)参照)
が設けられている。1次微分信号S’のレベルが不感帯
Δの間にある場合には、レベル「0」の信号、すなわ
ち、不感帯処理済み1次微分信号S’Δを出力する。1
次微分信号S’のレベルが不感帯Δを超えている場合に
は、超える部分に付いての信号、すなわち、不感帯処理
済み1次微分信号S’Δを出力する。
【0065】シャープ信号Sにノイズ成分が含まれてい
ない場合の1次微分信号S’(図5A(4)参照)がルッ
クアップテーブル148a,〜,148dに入力された場合、
不感帯Δより低レベルの1次微分信号S’の凸部δ4,
δ5の部分はカットされる。そして、高レベルの部分の
み出力される(図5A(5)のε4,ε5参照)。したがっ
て、不感帯処理済み1次微分信号S’Δは、1次微分信
S’の凸部δ4,δ5にそれぞれ対応する位置に凸部ε
4,ε5の信号となる。
【0066】また、シャープ信号Sにノイズ成分が含ま
れている場合の1次微分信号S’(図5B(4)参照)が
ルックアップテーブル148a,〜,148dに入力された場
合においても、不感帯Δより低レベルの1次微分信号
S’の凸部δ4,δ5の部分、及びうねりδ6,δ7の部分
は、カットされてしまう。そして、高レベルの部分のみ
出力される(図5B(5)のε4,ε5参照)。
【0067】したがって、不感帯処理済み1次微分信号
S’Δは、1次微分信号S’の凸部δ4,δ5にそれぞれ
対応する位置に凸部ε4,ε5の信号となる。これによっ
て、ノイズ成分のレベルが非常に大きい場合においても
ノイズ成分の影響が全くなくなる。この不感帯処理済み
1次微分信号S’Δの凸部ε4,ε5は、1次微分信号
S’の凸部γ4,γ5、1次微分信号S’の凸部δ4,δ5
及びシャープ信号Sのエッジ部α4,α5の位置にもそれ
ぞれ対応する(図5A(1),(2),(3)、図5B(1),
(2),(3)参照)。
【0068】ここで、1次微分信号S’とともに対応す
る画素のシャープ信号をルックアップテーブル148
a,〜,148dに与えるようにしたのは、両信号によっ
て入力データが増加し、この入力データを関数とするこ
とによって不感帯処理済み1次微分信号S’Δの凸部ε
4,ε5の形状を種々に変えることができるからである。
特性データの値を変えることによって、例えば図11
(1)に示すように1次微分信号S’Δの凸部ε4,ε5の
高さ、幅を自在に変えることができ、また、その曲線の
形状も自在に変えることができる。また、主走査方向X
及び副走査方向Yと、右下がり方向及び右下がり方向の
距離の差(2の平方根)の修正を行うこともできる。ま
た、図11(2),(3)に示すように三角状にすることもで
きる。ただし、このような不感帯処理済み1次微分信号
S’Δの凸部ε4,ε5の形状を種々の変化は、1次微分
信号S’のデータだけでも十分に行える。したがって、
シャープ信号が必ず必要となるものではなく、また、
基本的には、ノイズ成分の影響による1次微分信号S’
のうねりδ6,δ7が除去できれば十分である。4方向の
不感帯処理済み1次微分信号S’Δは、エッジ強調信号
作成回路8に与えられる。
【0069】−エッジ強調信号作成回路8、2次微分信
号S”・方向平均化2次微分信号S”作成− エッジ強調信号作成回路8の具体的回路を図13に示
す。
【0070】4方向の不感帯処理済みの1次微分信号
S’Δは、エッジ強調信号作成回路8の2次微分・方向
平均回路194,195,196,197にそれぞれ与えられる。2
次微分・方向平均回路194,〜,197は、前述した図6の
マスク中に含まれる不感帯処理済みの1次微分信号S’
ΔをX=1,Y=1を中心としてさらに4方向にそれぞ
れ方向微分する。そして、注目画素における2次微分信
号S”を作成する。また、同様に、このマスク中に含ま
れる2次微分信号S”をX=1,Y=1を中心として4
方向に方向平均して、方向平均した方向平均化2次微分
信号S”を作成するようにしている。なお、データセレ
クタ170、〜、ラッチ175は、4方向の方向平均化2次微
分信号S”を平均し、エッジ強調信号を作成する部分で
ある。
【0071】まず、方向平均化2次微分信号S”を作成
する2次微分・方向平均回路194,〜,197について説明
する。各2次微分・方向平均回路194,〜,197は、ほぼ
同様に構成されているので、2次微分・方向平均回路19
4の具体的回路を図14に示す。図14において、ラッ
チ149,〜加算器157が2次微分信号S”を作成する部分
で、ラッチ158,〜,ラッチ169が方向平均化2次微分信
S”を作成する部分である。
【0072】ルックアップテーブル148aから出力され
た右下がり方向の不感帯処理済みの1次微分信号S’Δ
が順次送られてくるごとに、これらの不感対処理済みの
1次微分信号S’Δは、ラッチ149に順次ラッチされ
る。ラッチ149は、ラインバッファ139と同様に3個の6
4K画素分の記憶領域を有するラインメモリ1520,〜,
1522を備えている。ラッチ149,〜,ラッチ154の動作
は、1次微分信号作成回路4の方向平均回路190のラッ
チ136,〜,ラッチ141と同様に動作する。
【0073】右下がり方向の不感帯処理済みの1次微分
信号S’Δがラインメモリ1521のアドレス「7」に記憶
されている場合には、他の周囲の不感帯処理済みの1次
微分信号S(6,6)’Δ,〜,S(8,8)’Δは、ラインメモ
リ1520〜1522のアドレス「6」〜アドレス「8」にそれ
ぞれ記憶されている。アドレス発生器151がアドレス
「7」をアドレス指定した場合、アドレス変換153は、
ラインメモリ1520に対しては「1」デクリメントし、ラ
インメモリ1521に対してしてはそのまま出力し、ライン
メモリ1522に対しては「1」インクリメントして出力す
る。
【0074】この場合、ラッチ154は、ラインバッファ1
52から出力された右下がり方向の不感帯処理済みの1次
微分信号S(6,6)’Δ,S(7,7)’Δ,S(8,8)’Δを3
つラッチして出力する。ラッチ141から出力されたこの
1次微分信号S(6,6)’Δ,S(7,7)’Δ,S(8,8)’Δ
は、データセレクタ155によって、1次微分信号S(6,
6)’Δ,S(7,7)’Δ,S(8,8)’Δの内の1次微分信号
S(6,6)’Δ,S(8,8)’Δが選択される。1次微分信号
S(6,6)’Δは、直接、加算器157に与えらる。1次微分
信号S(8,8)’Δは、符号変換156を介して負(−S(8,
8)’Δ)にして加算器157に与えられる。加算器157は、
データセレクタ155の出力(S(6,6)’Δ)と符号変換15
6の出力(−S(8,8)’Δ)とを加算する(S(6,6)’Δ
S(8,8)’Δ)。この加算結果は、シャープ信号S(7,
7)を注目画素とした場合に、これに対応する1次微分信
号S(7,7)’Δを夾む右下がり方向の減算である。した
がって、右下がり方向における偏微分、すなわち、右下
がり方向における2次微分信号S(7,7)”(S(7,7)”=
S(6,6)’Δ−S(8,8)’Δ)を表す。この動作は繰り返
し行われ、右下がり方向における2次微分信号S(7,
6)”,S(7,5)”,…が順次出力される。
【0075】右下がり方向の平均化された2次微分信号
S”を作成するラッチ158,〜,ラッチ169において、ラ
ッチ158は、加算器157から出力された右下がり方向にお
ける2次微分信号S(7,6)”,S(7,5)”,…を順次ラッ
チする。ラインバッファ161は、3個のラインメモリ161
0,〜,1612を備えている。各ラインメモリ1610,〜,1
612は、64K画素分の記憶領域を有している。この記
憶領域にラッチ158によってラッチされた右下がり方向
の2次微分信号S”は、ラインメモリ1610に記憶され
る。ラッチ158,〜,ラッチ169の動作は、1次微分信号
作成回路4の方向平均回路190のラッチ136,〜,ラッチ
141と同様に動作する。
【0076】アドレス発生器160がアドレス「7」をア
ドレス指定した場合、アドレス変換162は、ラインメモ
リ1610に対しては「1」デクリメントし、ラインメモリ
1611に対してしてはそのまま出力し、ラインメモリ1612
に対しては「1」インクリメントして出力する。したが
って、右下がり方向にアドレス指定される。右下がり方
向の2次微分信号S”がラインメモリ1611のアドレス
「7」に記憶されている場合には、他の周囲の2次微分
信号S(6,6)”,〜,S(8,8)”は、ラインメモリ1610
1612のアドレス「6」〜アドレス「8」にそれぞれ記憶
されている。
【0077】この場合、ラッチ163は、ラインバッファ1
61から出力された右下がり方向の2次微分信号S(6,
6)”,S(7,7)”,S(8,8)”を3つラッチして出力す
る。ラッチ163から出力された2次微分信号S(6,6)”,
S(7,7)”,S(8,8)”は、データセレクタ164によって
パラレル/シリアル変換され、加算器165及びラッチ166
によって順次累積加算され(S(6,6)”+S(7,7)”+S
(8,8)”=ΣS7”)、加算結果ΣS7”がラッチ167にラ
ッチされる。右下がり方向の加算結果が求められたの
で、シフタ168において桁合わせのためLSB方向に任
意のビット数シフトさせる。これによって、さらに右下
がり方向に方向平均した右下がり方向の2次微分信号
(7,7)”S(7,7)”=ΣS7”/3)が求められる。こ
の2次微分信号S(7,7)”は、ラッチ169にラッチされ
る。
【0078】なお、2次微分・方向平均回路195,〜,1
97においては、アドレス指定がアドレス変換153,162に
よって主走査方向X、右上がり方向及び副走査方向Yに
変換される点が異なるだけである。したがって、2次微
分・方向平均回路195は、主走査方向Xの2次微分信号
S(7,7)”を作成し、さらに主走査方向Xに方向平均し
た主走査方向Xの2次微分信号S(7,7)”S(7,7)”
(S(7,6)”+S(7,7)”+S(7,8)”)/3=ΣS7”/
3)を出力する。2次微分・方向平均回路196は、右上
がり方向の2次微分信号S(7,7)”を作成し、さらに右
上がり方向に方向平均した右上がり方向の2次微分信号
S(7,7)”S(7,7)”=(S(6,8)”+S(7,7)”+S
(8,6)”)/3=ΣS7”/3)を出力する。また、2次
微分・方向平均回路197は、副走査方向Yの2次微分信
号S(7,7)”を作成し、さらに副走査方向Yに方向平均
した副走査方向Yの2次微分信号S(7,7)”S(7,7)”
=(S(6,7)”+S(7,7)”+S(8,7)”)/3=ΣS7”
/3)を出力する。
【0079】この動作は繰り返し行われ、2次微分・方
向平均回路194、〜、2次微分・方向平均回路197から右
下がり方向、主走査方向X、右上がり方向及び副走査方
向Yの方向平均化2次微分信号S(7,7)”S(7,6)”
…が順次出力される。
【0080】−エッジ強調信号Se”の作成− データセレクタ170〜ラッチ175について説明する(図1
3参照)。2次微分・方向平均回路194,〜,2次微分
・方向平均回路197のラッチ169から出力された4方向の
方向平均化2次微分信号S(7,7)”は、データセレクタ1
70でパラレル/シリアル変換され、加算器171及びラッ
チ172によって累積加算され(S(7,7)”S(7,7)”
S(7,7)”S(7,7)”=ΣS(7,7)”)、加算結果ΣS
7”がラッチ167にラッチされる。各方向成分の加算結果
が求められたので、シフタ174において桁合わせのため
LSB方向に任意のビット数シフトさせる。これによっ
て、方向成分を持たないエッジ強調信号Se(7,7)”
e(7,7)”ΣS(7,7)”/4)が求められる。このエッ
ジ強調信号Se(7,7)”は、ラッチ175にラッチされる。
この動作は繰り返し行われ、ラッチ175から方向成分を
持たないエッジ強調信号Se(7,7)”Se(7,6)”,…が
順次出力される。
【0081】ここで、2次微分信号S”は、不感帯処理
済みの1次微分信号S’Δの傾きを表す。したがって、
シャープ信号Sにノイズ成分が含まれていない場合(図
5A(1)参照)には、この不感帯処理済みの1次微分信
S’Δの凸部ε4に対応する位置に狭い幅で上に凸及
び下に凸の急峻な凹凸(図5A(6)のζ4参照)の2次微
分信号S”を得ることができる。また、凸部ε5に対応
する位置に狭い幅で下に凸及び上に凸の急峻な凹凸(図
5A(6)のζ5参照)の2次微分信号S”を得ることがで
きる。この2次微分信号S”をさらに方向平均すると、
多少なだらかになるが、2次微分信号S”の凹凸部ζ4
に対応する位置に狭い幅で急峻な凹凸(図5A(7)のη4
参照)、凹凸部ζ5に対応する位置に狭い幅で急峻な凹
凸(図5A(7)のη5参照)の方向平均化2次微分信号
S”を得ることができる。
【0082】一方、シャープ信号Sにノイズ成分が含ま
れている場合(図5B(1)参照)においても、この不感
帯処理済みの1次微分信号S’Δの凸部ε4に対応する
位置に狭い幅で上に凸及び下に凸の急峻な凹凸(図5B
(6)のζ4参照)の2次微分信号S”を得ることができ
る。また、凸部ε5に対応する位置に狭い幅で下に凸及
び上に凸の急峻な凹凸(図5B(6)のζ5参照)の2次微
分信号S”を得ることができる。この2次微分信号S”
をさらに方向平均すると、多少なだらかになるが、2次
微分信号S”の凹凸部ζ4に対応する位置に狭い幅で急
峻な凹凸(図5B(7)のη4参照)、凹凸部ζ5に対応す
る位置に狭い幅で急峻な凹凸(図5B(7)のη5参照)の
方向平均化2次微分信号S”を得ることができる。
【0083】この2次微分信号S”の凹凸部ζ4,ζ5及
び方向平均化2次微分信号S”の凹凸部η4,η5は、不
感帯処理済み1次微分信号S’Δの凸部ε4,ε5、1次
微分信号S’の凸部γ4,γ5、1次微分信号S’の凸部
δ4,δ5及びシャープ信号Sのエッジ部α4,α5の位置
にもそれぞれ対応する(図5A(1),(2),(3),(4)、図
5B(1),(2),(3),(4)参照)。ここで、2次微分信号
S”をさらに平均しているのは、2次微分信号S”に万
一ノイズ成分による影響が残存している場合においても
この影響を排除するためである。方向平均化2次微分信
S”により作成されたエッジ強調信号Se”は、強調
済み信号作成回路10に与えられる。
【0084】−強調済み信号作成回路10、強調済み信号
作成− 強調済み信号作成回路10は、図15に示すように、ルッ
クアップテーブル176,〜,ラッチ181及び減算器199を
備えており、フィルタ処理済みシャープ信号とエッジ
強調信号Se”との演算を行う。フィルタ処理済みシャ
ープ信号は、ルックアップテーブル176,177及び減算
器199に与えられる。エッジ強調信号Se”は、ルックア
ップテーブル176及び減算器199に与えられる。なお、こ
のシャープ信号とエッジ強調信号Se”は、同じ注目
画素のものである(例えば、S(7,7) e(7,7)”)。
【0085】ルックアップテーブル176,177は、例えば
ROM等で構成されており、特性データを複数予め記憶
した複数のテーブルを備えている。ルックアップテーブ
ル176は、平均化されたシャープ信号とエッジ強調信
Se”を入力の関数として、複数のテーブルの内のい
ずれかのテーブルを選択し、選択されたテーブルの特性
データを出力する。例えば、この特性データは、エッジ
強調信号Se”の凹凸部η4の上に凸の部分及び凹凸部η
5の上に凸の部分(図5A(7)、図5B(7)参照)に対し
ては負側に対して非常に大きくなるようにされている。
エッジ強調信号Se”の凹凸部η4の下に凸の部分及び凹
凸部η5の下に凸の部分に対しては正側に対して少し大
きくなるようにされている。すなわち、ルックアップテ
ーブル176から出力される比較結果は、エッジ強調信号
Se”を反転し(−Se”)、反転したエッジ強調信号
e”の負の部分を大きく、正の部分を小さくしたものに
なる。これは、明るい原稿の部分を走査したときのシャ
ープ信号のダイナミックレンジの余裕度が少なく、暗
い原稿の部分を走査したときのダイナミックレンジの余
裕度が大きいからである。
【0086】ルックアップテーブル177は、網点化信号
作成用のものであり、平均化されたシャープ信号を入
力の関数として、特性データと比較する。ルックアップ
テーブル176から出力された比較結果、エッジ強調信号
Se”(−Se”)と、ルックアップテーブル177から出
力された比較結果、平均化されたシャープ信号は、ラ
ッチ178,179にそれぞれラッチされ、加算器180で加算
される(Se”)。加算器180から出力された加算結
果(Se”)、すなわち強調済み信号(Se”
は、ラッチ181にラッチされる。
【0087】ここで、シャープ信号Sにノイズ成分が含
まれていない場合(図5A(1)参照)には、平均化され
たシャープ信号のエッジ部β4(図5A(2)参照)及び
エッジ強調信号Se”の凹凸部η4(図5A(7)参照)に
対応する位置に狭い幅で下に大きな凸及び上に小さな凸
の急峻な凹凸(図5A(8)のθ4参照)の強調済み信号
Se”)を得ることができる。また、エッジ部β5
及び凹凸部η5に対応する位置に狭い幅で上に小さな凸
及び下に大きな凸の急峻な凹凸(図5A(8)のθ5参照)
の強調済み信号(Se”)を得ることができる。
【0088】一方、シャープ信号Sにノイズ成分が含ま
れている場合(図5B(1)参照)においても、平均化さ
れたシャープ信号のエッジ部β4(図5B(2)参照)及
びエッジ強調信号Se”の凹凸部η4(図5B(7)参照)
に対応する位置に狭い幅で下に大きな凸及び上に小さな
凸の急峻な凹凸(図5B(8)のθ4参照)の強調済み信号
Se”)を得ることができる。また、エッジ部β5
及び凹凸部η5に対応する位置に狭い幅で上に小さな凸
及び下に大きな凸の急峻な凹凸(図5B(8)のθ5参照)
の強調済み信号(Se”)を得ることができる。し
たがって、輪郭が狭い幅で強調されることになる。この
強調済み信号(Se”)の凹凸部θ4,θ5は、2次
微分信号S”の凹凸部ζ4,ζ5、不感帯処理済み1次微
分信号S’Δの凸部ε4,ε5、1次微分信号S’の凸部
γ4,γ5、1次微分信号S’の凸部δ4,δ5及びシャー
プ信号Sのエッジ部α4,α5の位置にもそれぞれ対応す
る(図5A(1),(3),(4),(5),(6)、図5B(1),
(3),(4),(5),(6)参照)。
【0089】なお、エッジ強調信号Se”とともに対応
する画素のシャープ信号をルックアップテーブル176
に与えるようにしたのは、両信号によって入力データが
増加し、この入力データを関数とすることによって強調
済み信号(Se”)の凹凸部θ4,θ5の形状を種々
に変えることができるからである。特性データの値を変
えることによって、例えば図16に示すように、強調済
み信号(Se”)の凹凸部θ4,θ5の高さ、幅を自
在に変えることができ、また、その曲線の形状も自在に
変えることができる。また、主走査方向X及び副走査方
向Yと、右下がり方向及び右下がり方向の距離の差(2
の平方根)の修正を行うこともできる。
【0090】一方、減算器199では、単純に減算が行わ
れ強調済み信号(Se”)が作成される。この強調
済み信号(Se”)では、ルックアップテーブル176
で行った処理をすることはできないが、狭い幅で輪郭強
調を行うことができる。
【0091】なお、本発明の他の実施例として、図17
(1)に示すように、シャープ信号Sを平均化せず、その
ままディレイ回路12を介して強調済み信号作成回路10に
与え、強調済み信号(S−Se”)を作成するようにし
てもよい。この場合には、ディレイ回路12で主走査方向
に7ライン分遅延を増加するようにすればよい。また、
図17(2)に示すように1次微分信号作成回路4から出
力された1次微分信号S’を直接エッジ強調信号作成回
路8に与えるようにしてもよい。
【0092】また、15×15のマスク、3×3のマス
クで平均するようにしたが、他の大きさ、他の形状のマ
スクで平均するようにしてもよい。また、単純平均する
ようにしたが、加重平均するようにしてもよい。
【0093】また、4方向に方向微分するようにした
が、2方向の方向微分で実施するようにしてもよい。
【0094】さらに、1次微分信号作成回路4において
1次微分信号S’をさらに平均して1次微分信号S’
作成したが、ここでは平均化しないようにして、1次微
分信号作成回路4から1次微分信号S’を出力するよう
にしてもよい。
【0095】
【発明の効果】請求項1の輪郭強調方法及び請求項4の
輪郭強調装置においては、シャープ信号及び注目画素の
所定の範囲の周辺の周辺画素のシャープ信号をフィルタ
処理して、注目画素におけるフィルタ処理済みシャープ
信号を作成し、フィルタ処理済みシャープ信号を所定の
方向に方向微分して、注目画素における1次微分信号を
作成し、1次微分信号を再度所定の方向に方向微分し
て、注目画素における2次微分信号を作成し、各方向に
おける2次微分信号を平均してエッジ強調信号を作成
し、フィルタ処理済みシャープ信号とエッジ強調信号と
を演算して、注目画素における強調済み信号を作成する
ようにしている。
【0096】したがって、強調済み信号には、画像の暗
から明へ及び明から暗への変化部の両端にピークができ
る。しかも、変化部の傾きも急峻で、かつ、段差を有す
ることがないので、ノイズの強調を防止し、輪郭強調の
度合いを低下させることなく、しかも、2重・3重に輪
郭が生じることがない。
【0097】請求項2の輪郭強調方法及び請求項5の輪
郭強調装置においては、シャープ信号及び注目画素の所
定の範囲の周辺の周辺画素のシャープ信号をフィルタ処
理して、注目画素におけるフィルタ処理済みシャープ信
号を作成し、フィルタ処理済みシャープ信号を所定の方
向に方向微分して、注目画素における1次微分信号を作
成し、1次微分信号を不感帯処理し、注目画素における
不感帯処理済みの1次微分信号を作成し、不感帯処理済
みの1次微分信号を再度所定の方向に方向微分して、注
目画素における2次微分信号を作成し、各方向における
2次微分信号を平均してエッジ強調信号を作成し、シャ
ープ信号又はフィルタ処理済みシャープ信号とエッジ強
調信号とを演算して、注目画素における強調済み信号を
作成するようにしている。
【0098】したがって、2次微分信号にノイズ成分が
含まれたとしても、このノイズ成分は除去され、耐ノイ
ズ性が向上される。
【0099】請求項3の輪郭強調方法及び請求項6の輪
郭強調装置は、請求項1又は請求項2の輪郭強調方法及
び請求項4又は請求項5のものにおいて、フィルタ処理
済みシャープ信号を方向微分したものを、さらに所定の
方向に方向平均して注目画素における1次微分信号とす
るようにしている。
【0100】したがって、1次微分信号にノイズ成分が
含まれたとしても、このノイズ成分は除去され、耐ノイ
ズ性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の輪郭強調装置を示す図であ
る。
【図2】平均化するためのマスクを示す図である。
【図3】フィルタ処理回路2の具体的回路を示す図であ
る。
【図4】ラインバッファ104を示す図である。
【図5】フィルタ処理回路2、1次微分信号作成回路
4、不感帯処理回路6、エッジ強調信号作成回路8、強
調済み信号作成回路10の出力する各信号の波形を示す図
である。
【図6】方向微分・方向平均するためのマスクを示す図
である。
【図7】1次微分信号作成回路4の具体的回路を示す図
である。
【図8】ラインバッファ120を示す図である。
【図9】方向平均回路190の具体的回路を示す図であ
る。
【図10】不感帯処理回路6の具体的回路を示す図であ
る。
【図11】不感帯処理済みの1次微分信号S’Δの他の
波形を示す図である。
【図12】ディレイ回路12の具体的回路を示す図であ
る。
【図13】エッジ強調信号作成回路8の具体的回路を示
す図である。
【図14】2次微分・方向平均回路194の具体的回路を
示す図である。
【図15】強調済み信号作成回路10の具体的回路を示す
図である。
【図16】強調済み信号(Se”)の他の波形を示
す図である。
【図17】本発明の他の実施例の輪郭強調装置を示す図
である。
【図18】従来の輪郭強調装置を示す図である。
【図19】図18の動作を説明するための各信号の波形
図である。
【図20】従来の他の輪郭強調装置を示す図である。
【図21】図20の動作を説明するための各信号の波形
図である。
【図22】従来の他の輪郭強調装置を示す図である。
【図23】図22の動作を説明するための各信号の波形
図である。
【符号の説明】
2…フィルタ処理回路 4…1次微分信号作成回路 6…不感帯処理回路 8…エッジ強調信号作成回路 10…強調済み信号作成回路 12…ディレイ回路 S…シャープ信号 フィルタ処理済みシャープ信号S S’,S’…1次微分信号S’ Δ…不感帯処理済みの1次微分信号 S”,S”…2次微分信号Se” …エッジ強調信号 (Se”)…強調済み信号

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原稿画像を読み取って得られた注目画素の
    濃度を表すシャープ信号及び注目画素の所定の範囲の周
    辺の周辺画素のシャープ信号をフィルタ処理して、注目
    画素におけるフィルタ処理済みシャープ信号を作成し、 フィルタ処理済みシャープ信号を所定の方向に方向微分
    して、注目画素における1次微分信号を作成し、 1次微分信号を再度所定の方向に方向微分して、注目画
    素における2次微分信号を作成し、各方向における2次
    微分信号を平均化してエッジ強調信号を作成し、 フィルタ処理済みシャープ信号とエッジ強調信号とを演
    算して、注目画素における強調済み信号を作成すること
    を特徴とする輪郭強調方法。
  2. 【請求項2】原稿画像を読み取って得られた注目画素の
    濃度を表すシャープ信号及び注目画素の所定の範囲の周
    辺の周辺画素のシャープ信号をフィルタ処理して、注目
    画素におけるフィルタ処理済みシャープ信号を作成し、 フィルタ処理済みシャープ信号を所定の方向に方向微分
    して、注目画素における1次微分信号を作成し、 1次微分信号を不感帯処理し、注目画素における不感帯
    処理済みの1次微分信号を作成し、 不感帯処理済みの1次微分信号を再度所定の方向に方向
    微分して、注目画素における2次微分信号を作成し、各
    方向における2次微分信号を平均化してエッジ強調信号
    を作成し、 シャープ信号又はフィルタ処理済みシャープ信号とエッ
    ジ強調信号とを演算して、注目画素における強調済み信
    号を作成することを特徴とする輪郭強調方法。
  3. 【請求項3】前記フィルタ処理済みシャープ信号を方向
    微分したものを、さらに所定の方向に方向平均して、注
    目画素における1次微分信号とすることを特徴とする請
    求項1又は請求項2の輪郭強調方法。
  4. 【請求項4】原稿画像を読み取って得られた注目画素の
    濃度を表すシャープ信号及び注目画素の所定の範囲の周
    辺の周辺画素のシャープ信号をフィルタ処理して、注目
    画素におけるフィルタ処理済みシャープ信号を作成する
    フィルタ処理回路と、 フィルタ処理済みシャープ信号を所定の方向に方向微分
    して、注目画素における1次微分信号を作成する1次微
    分信号作成回路と、 1次微分信号を再度所定の方向に方向微分して、注目画
    素における2次微分信号を作成し、各方向における2次
    微分信号を平均化してエッジ強調信号を作成するエッジ
    強調信号作成回路と、 フィルタ処理済みシャープ信号とエッジ強調信号とを演
    算して、注目画素における強調済み信号を作成する強調
    済み信号作成回路と、 を備えることを特徴とする輪郭強調装置。
  5. 【請求項5】原稿画像を読み取って得られた注目画素の
    濃度を表すシャープ信号及び注目画素の所定の範囲の周
    辺の周辺画素のシャープ信号をフィルタ処理して、注目
    画素におけるフィルタ処理済みシャープ信号を作成する
    フィルタ処理回路と、 フィルタ処理済みシャープ信号を所定の方向に方向微分
    して、注目画素における1次微分信号を作成する1次微
    分信号作成回路と、 1次微分信号を不感帯処理し、注目画素における不感帯
    処理済みの1次微分信号を作成する不感帯処理回路と、 不感帯処理済みの1次微分信号を再度所定の方向に方向
    微分して、注目画素における2次微分信号を作成し、各
    方向における2次微分信号を平均化してエッジ強調信号
    を作成するエッジ強調信号作成回路と、 シャープ信号又はフィルタ処理済みシャープ信号とエッ
    ジ強調信号とを演算して、注目画素における強調済み信
    号を作成する強調済み信号作成回路とを備えることを特
    徴とする輪郭強調装置。
  6. 【請求項6】前記1次微分信号作成回路は、前記方向微
    分したものを、さらに所定の方向に方向平均して注目画
    素における1次微分信号とすることを特徴とする請求項
    4又は請求項5の輪郭強調装置。
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