JP2592038Y2 - 射出成形用金型 - Google Patents

射出成形用金型

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JP2592038Y2
JP2592038Y2 JP1993060101U JP6010193U JP2592038Y2 JP 2592038 Y2 JP2592038 Y2 JP 2592038Y2 JP 1993060101 U JP1993060101 U JP 1993060101U JP 6010193 U JP6010193 U JP 6010193U JP 2592038 Y2 JP2592038 Y2 JP 2592038Y2
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一喜 山本
康平 原田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、加圧流体を漏洩させる
ことなく、射出された溶融樹脂中に注入して、外表面に
ヒケ、ソリ等を発生させることがなく、外観に優れた射
出成形品を製造するのに好適に使用される射出成形用金
型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金型に設けられたガス注入ピンか
らキャビティ内の溶融樹脂中にガスを注入することによ
って成形品中に中空部を形成する際、注入したガスがガ
ス注入ピンと溶融樹脂の間から金型壁面に沿って漏洩す
るのを防止するために、例えば、特開平4─23270
9号公報に記載の如く、ガス注入ピンの差し込み方向に
対して直角方向の溶融樹脂の溶融樹脂の収縮中心付近に
ガス注入ピンを差し込んでガスを注入する方法や、特開
平4─41212号公報に記載の如く、ガス注入部を囲
む筒状凸部を設ける方法や、特開平5─4258号公報
に記載の如く、ガス注入部の周囲に注入部を囲む溝部を
設ける方法等が提案されている。
【0003】しかしながら、これらの方法で、比較的低
いガス圧力ではガス注入ピンの周囲からのガス漏洩が全
く起こらない場合でも、注入するガス圧がある程度以上
の高圧になると、時折、ガス注入の初期からガス注入ピ
ンと溶融樹脂の境界に隙間が生じ、この隙間からガスが
金型壁面を伝わって漏洩する現象が起こるようになる。
【0004】毎回一定量のガスを供給する様に設計され
たガス注入装置を用いる場合、ガスの漏洩が起こると成
形品内部に作用するガス圧力が低下せざるをえず、中空
部の形状不良が発生し、安定した連続成形ができなくな
るという問題点がある。
【0005】本考案は、上記の如き従来の問題点を解消
し、金型に設けられた加圧流体注入ピンを用いて溶融樹
脂中に加圧流体を注入するに際し、注入した加圧流体が
加圧流体注入ピンと溶融樹脂の間から漏洩する現象を引
き起こすガス圧をより高圧側に移動させて漏洩し難くす
ることにより、外表面にヒケ、ソリ等を発生させること
がなく、外観に優れた射出成形品を製造するのに好適に
使用される射出成形用金型を提供することを目的として
なされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案は、固定型と可動
型との間にキャビティが設けられ、固定型にはキャビテ
ィに連通するスプルー及び樹脂注入ゲートが設けられ、
固定型又は可動型には、狭い間隙を介してキャビティに
連通する、キャビティとは独立した樹脂溜まり部が設け
られるともに、加圧流体注入ピンがその先端部に設けら
れた加圧流体注入口を樹脂溜まり部に突出するように挿
着された射出成形用金型であって、樹脂溜まり部が加圧
流体注入ピン挿着部側の第1の空間と狭い間隙側の第2
の空間からなり、第2の空間が第1の空間より加圧流体
注入ピンの軸方向と略垂直方向に段状に拡径され、その
第2の空間の略中央部に加圧流体注入ピンの加圧流体注
入口が開口されている射出成形用金型である。
【0007】本考案の射出成形用金型は、固定型と可動
型との間にキャビティが設けられ、固定型にはキャビテ
ィに連通するスプルー及び樹脂注入ゲートが設けられ、
固定型又は可動型には、狭い間隙を介してキャビティに
連通する、キャビティとは独立した樹脂溜まり部が設け
られるともに、加圧流体注入ピンがその先端部に設けら
れた加圧流体注入口を樹脂溜まり部に突出するように挿
着されている。
【0008】樹脂溜まり部は固定型に設けられてもよい
し、可動型に設けられてもよし、又、両者間に設けられ
てもよい。樹脂溜まり部からキャビティに連通する狭い
間隙は、キャビティ内に射出された溶融樹脂を樹脂溜ま
り部に充填することができ、且つ、加圧流体注入ピンの
加圧流体注入口から注入された加圧流体を、樹脂溜まり
部に充填された溶融樹脂を経てキャビティ内に充填され
た溶融樹脂中に注入する経路としての役割を果たす。そ
の間隙寸法は上記役割を果たすに十分な寸法とされる必
要があるが、通常は1〜2mmとされるのが好ましい。
この狭い間隙は、1箇所とは限らず、複数箇所設けられ
てもよい。
【0009】加圧流体注入ピンは、先端部に加圧流体注
入口が設けられたものであれば適宜使用することがで
き、単純な中空針の他、例えば、プランジャーによる逆
止弁付きのもの(実開平4─13316号公報)、ボー
ルシールによる逆止弁付きのもの(特開平4─4751
7号公報)、2重管のクリアランスを利用するもの(特
開平4─219219号公報)、多孔質材料からなる注
入ピン(特開平4─339624号公報)等が使用でき
る。又、固定式のものに限定されず、加圧流体注入前に
前進させる機能を有するものや、加圧流体排出時に後退
させる機能を有するものも適宜使用できる。
【0010】又、本考案の射出成形用金型は、樹脂溜ま
り部が加圧流体注入ピン挿着部側の第1の空間と狭い間
隙側の第2の空間からなり、第2の空間が第1の空間よ
り加圧流体注入ピンの軸方向と略垂直方向に段状に拡径
され、その第2の空間の略中央部に加圧流体注入ピンの
加圧流体注入口が開口されている。
【0011】加圧流体注入ピンの挿着部とは、加圧流体
注入ピンが固定型又は可動型に挿着された部分を指す。
成形時に樹脂溜まり部に充填された溶融樹脂中に注入さ
れた加圧流体が、加圧流体注入ピンと溶融樹脂との間か
ら加圧流体注入ピンの挿着部に向けて樹脂溜まり部面に
通じる漏洩流路が形成される可能性があるため、本考案
においては特に問題となる。
【0012】加圧流体注入ピンの加圧流体注入口が開口
される第2の空間の略中央部とは、第2の空間に一様な
密度の溶融樹脂が充填されたときのその重心近くという
意味であり、加圧流体注入ピンの直径程度のずれは十分
この範囲に含まれる。
【0013】第2の空間と第1の空間の寸法関係は、第
2の空間における略中央部に設けられた加圧流体注入ピ
ンの加圧流体注入口から第2の空間面までの最短部分の
長さが、第1の空間における加圧流体注入ピンの外表面
から第1の空間面までの最長部分の長さよりも大きくさ
れているのが好ましい。これにより、加圧流体注入開始
後、第2の空間内に充填された溶融樹脂の中心部の樹脂
が、注入された加圧流体に押圧されて第1の空間内に充
填された溶融樹脂の体積収縮分を補うように第1の空間
151側に移動され易いからである。
【0014】更に、第2の空間の第1の空間に対する、
加圧流体注入ピンと略垂直方向の断面積比が2〜4の範
囲内においては、第2の空間の方が大きければ大きい
程、キャビティ及び樹脂溜まり部内に溶融樹脂が射出さ
れた後加圧流体が注入されるまでの初期冷却期間に起こ
る、第2の空間内に充填された溶融樹脂の収縮総量が大
きく、又、加圧流体を注入開始後に、第2の空間内に充
填された溶融樹脂中に加圧流体をより速やかに注入して
中空部を形成することができ、且つ、より速やかに第2
の空間内に充填された溶融樹脂を加圧流体の押圧により
第1の空間側へ移動させて、加圧流体注入ピンの外周面
及び第1の空間面に密着させることができる。
【0015】本考案において用いられる加圧流体は、一
般的には、窒素ガス、炭酸ガス等の不活性ガスが好まし
いが、水、アルコール、油等の液体であっても構わな
い。
【0016】又、本考案において用いられる樹脂として
は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテ
ン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン系
アイオノマー、エチレン─酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン─アクリル酸エチル共重合体、塩化ビニル系樹脂、塩
素化塩化ビニル系樹脂、フッ化ビニリデン系樹脂、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリフェニレンエーテル、ポ
リフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリサルフォ
ン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポ
リエーテルエーテルケトン、アクリロニトリル─ブタジ
エン─スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート
等の熱可塑性樹脂、あるいは、これらの樹脂にガラス繊
維、タルク、安定剤、滑剤、難燃剤等の充填剤、改質剤
等を充填した材料、あるいはこれらの樹脂を組み合わせ
たポリマーアロイ等の射出成形可能な熱可塑性樹脂であ
れば適宜使用することができる。
【0017】本考案2は、固定型と可動型との間にキャ
ビティが設けられ、固定型にはキャビティに連通するス
プルー及び樹脂注入ゲートが設けられ、固定型又は可動
型には、狭い間隙を介してキャビティに連通するキャビ
ティとは独立した樹脂溜まり部が設けられるともに、加
圧流体注入ピンがその先端部に設けられた加圧流体注入
口を樹脂溜まり部に突出するように挿着された射出成形
用金型であって、樹脂溜まり部が加圧流体注入ピン挿着
部側の第1の空間と狭い間隙側の第2の空間からなり、
加圧流体注入ピンがその軸方向を狭い間隙と略垂直をな
すように挿着され、第2の空間が狭い間隙とは反対側に
第1の空間より段状に拡径され、その第2の空間におけ
る加圧流体注入ピンの軸方向の略中程であって狭い間隙
側に偏った位置に加圧流体注入ピンの加圧流体注入口が
開口されている射出成形用金型である。
【0018】本考案2においては、加圧流体注入ピンが
その軸方向を狭い間隙と略垂直をなすように挿着され、
第2の空間が狭い間隙とは反対側に第1の空間より段状
に拡径され、その第2の空間における加圧流体注入ピン
の軸方向の略中程であって狭い間隙側に偏った位置に加
圧流体注入ピンの加圧流体注入口が開口されている点に
おいて、本考案における第2の空間の略中央部に加圧流
体注入ピンの加圧流体注入口が開口されているものとは
異なる。
【0019】ここに、第2の空間が拡径される狭い間隙
とは反対側とは、狭い間隙とその軸方向が略垂直をなす
ように挿着された加圧流体注入ピンの狭い間隙側とは反
対側となる側方方向側の意味である。本考案2において
は、加圧流体注入ピンの加圧流体注入口は、第2の空間
における加圧流体注入ピンの軸方向の略中程であって狭
い間隙側に偏った位置に開口される構成とされ、第2の
空間の中心よりも狭い間隙側に偏った位置に開口されて
いる。
【0020】本考案3は、固定型と可動型との間にキャ
ビティが設けられ、固定型にはキャビティに連通するス
プルー及び樹脂注入ゲートが設けられ、固定型又は可動
型には、キャビティ内に狭い間隙を介して堰囲い部が設
けられるともに、加圧流体注入ピンがその先端部に設け
られた加圧流体注入口を堰囲い部に突出するように挿着
された射出成形用金型であって、その堰囲い部が加圧流
体注入ピン挿着部側の第1の空間と狭い間隙側の第2の
空間からなり、第2の空間が第1の空間より加圧流体注
入ピンの軸方向と略垂直方向に段状に拡径され、その第
2の空間の略中央部に加圧流体注入ピンの加圧流体注入
口が開口されている射出成形用金型である。
【0021】本考案3においては、キャビティ内に狭い
間隙を介して堰囲い部が設けられており、この堰囲い部
が、本考案の狭い間隙を介してキャビティに連通するキ
ャビティとは独立して設けられた樹脂溜まり部と同様の
役割を果たす点において、本考案とは異なる。
【0022】本考案4は、固定型と可動型との間にキャ
ビティが設けられ、固定型にはキャビティに連通するス
プルー及び樹脂注入ゲートが設けられ、固定型又は可動
型には、キャビティ内に狭い間隙を介して堰囲い部が設
けられるともに、加圧流体注入ピンがその先端部に設け
られた加圧流体注入口を堰囲い部に突出するように挿着
された射出成形用金型であって、その堰囲い部が加圧流
体注入ピン挿着部側の第1の空間と狭い間隙側の第2の
空間からなり、第2の空間が第1の空間より加圧流体注
入ピンの軸方向と略垂直方向に段状に拡径され、第2の
空間における加圧流体注入ピンの軸方向の略中程であっ
て中心より偏った位置に加圧流体注入ピンの加圧流体注
入口が開口されている射出成形用金型である。
【0023】本考案4においては、第2の空間における
加圧流体注入ピンの軸方向の略中程であって中心より偏
った位置に加圧流体注入ピンの加圧流体注入口が開口さ
れている点において、本考案3の第2の空間の略中央部
に加圧流体注入ピンの加圧流体注入口が開口されている
ものとは異なる。
【0024】以下、本考案〜本考案4を図面を参照して
説明する。図1は本考案の射出成形用金型の例の全体の
構成を説明する断面図である。1は金型であり、固定型
11と移動型12との間に、型閉め時、成形すべき射出
成形体の外面形状に対応する内面形状を有するキャビテ
ィ13が設けられている。
【0025】固定型11には、スプルー111、ランナ
ー(図示せず)及び樹脂注入用ゲート112が順次キャ
ビティ13に連通するように設けられている。スプルー
111の入口には、図示しない押出機の樹脂注入ノズル
が当接され、樹脂注入ノズルから供給した溶融樹脂を、
スプルー111、ランナー及び樹脂注入用ゲート112
からなる流路を経てキャビティ13内に射出できるよう
にされている。
【0026】又、固定型11と移動型12との間に、型
閉め時、狭い間隙14を介してキャビティ13に連通す
る、キャビティ13とは独立した樹脂溜まり部15が設
けられている。可動型12を貫通して、加圧流体注入ピ
ン16が、その軸方向を狭い間隙14と略垂直方向をな
すように、且つ、その先端部に設けられた加圧流体注入
口161を樹脂溜まり部15に突出するように挿着され
ている。
【0027】図2に示す如く、加圧流体注入ピン16の
先端部に設けられた加圧流体注入口161は、溶融樹脂
は通過させないが加圧流体は通過させることができる多
孔質体からなる。
【0028】図1に示す如く、樹脂溜まり部15は、加
圧流体注入ピン16挿着部側の第1の空間151と狭い
間隙14側の第2の空間152からなる。そして、第2
の空間152が第1の空間151より加圧流体注入ピン
16の軸方向と略垂直方向に段状に拡径されている。
尚、第1の空間151の側壁面は、第2の空間152方
向に向かうにつれてやや径大となる傾斜面とされ、第2
の空間152の側壁面は、第1の空間151より遠ざか
るにつれてやや径大となる傾斜面とされている。第2の
空間152の略中央部には加圧流体注入ピン16の加圧
流体注入口161が開口されている。
【0029】以下、図1に示す射出成形用金型の使用態
様の例を、図3及び図1を参照して説明する。溶融樹脂
2を、樹脂ノズルからスプルー111、樹脂注入用ゲー
ト112を経てキャビティ13に射出し、キャビティ1
3内及び更に狭い間隙14を経て樹脂溜まり部15内に
充填する。
【0030】寸時経過後に、加圧流体を加圧流体注入ピ
ン16の加圧流体注入口161より樹脂溜まり部15内
に充填された溶融樹脂2中に注入する。この際、第2の
空間152が第1の空間151より加圧流体注入ピン1
6の軸方向と略垂直方向に段状に拡径されていることに
より、次の如き現象が出現する。
【0031】即ち、樹脂充填後加圧流体注入開始までの
初期冷却過程において、第2の空間152内に充填され
た溶融樹脂の方が、第1の空間151内に充填された溶
融樹脂よりも樹脂溜まり部15面との熱交換面積が大き
く、溶融樹脂表層の冷却固化による体積収縮の総量が大
きくなるため、速やかに密度が緩い状態となる。この
際、瞬間的に第1の空間内に充填された溶融樹脂に第2
の空間152内に充填された溶融樹脂の体積収縮分を補
うように第2の空間152側に移動させようとする力が
作用する。しかし、加圧流体の注入開始と同時に、加圧
流体が第2の空間152内に充填された溶融樹脂中に優
先的に注入されて中空部3が形成されることにより、第
1の空間内に充填された溶融樹脂の第2の空間側へ移動
させようとする力は消失する。
【0032】又、樹脂溜まり部15面と溶融樹脂間の熱
伝動よりも溶融樹脂内の熱伝動の方が遅いため、第2の
空間152内に充填された溶融樹脂の中心部の方が、第
1の空間151内に充填された溶融樹脂の中心部よりも
冷却が遅れて流動性がよい状態となる。これにより、加
圧流体注入開始後、第2の空間152内に充填された溶
融樹脂の中心部の樹脂は注入された加圧流体に押圧され
て第1の空間151内に充填された溶融樹脂の体積収縮
分を補うように第1の空間151側に移動する。
【0033】その結果、溶融樹脂と加圧流体注入ピン1
6の外周面及び樹脂溜まり部15面間の密着性が強まり
両者間に隙間ができないために、加圧流体を加圧流体注
入ピンの外周面及び樹脂溜まり部15面に沿って漏洩さ
せることなく、樹脂溜まり部15内に充填された溶融樹
脂中に注入し、引き続いて狭い間隙14内に充填された
溶融樹脂をキャビティ13側に押し出すようにしてキャ
ビティ13内に充填された溶融樹脂中にも加圧流体を注
入して中空部を形成することができる。
【0034】図4は本考案2の射出成形用金型の例の全
体の構成を説明する断面図である。この射出成形用金型
においては、加圧流体注入ピン16がその軸方向を狭い
間隙14と略垂直をなすように挿着され、第2の空間1
52′が狭い間隙14とは反対側に第1の空間151よ
り段状に拡径され、その第2の空間152′における加
圧流体注入ピン16の軸方向の略中程の部位であって狭
い間隙14側に偏った位置に加圧流体注入ピン16の加
圧流体注入口161が開口されている点において、図1
の射出成形用金型と異なる。その他の構成については、
図1に示す射出成形用金型と同様であるので、図1中に
同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0035】以下、図4に示す射出成形用金型の使用態
様の例を、図5及び図4を参照して説明する。
【0036】この場合には、樹脂充填後加圧流体注入開
始までの初期冷却過程において、第2の空間152′内
に充填された溶融樹脂の方が、第1の空間151内に充
填された溶融樹脂よりも樹脂溜まり部15面との熱交換
面積が大きくて、溶融樹脂表層の冷却固化による体積収
縮の総量が大きくなるため、速やかに密度が緩い状態と
なる。
【0037】この際、加圧流体注入開始までの間、図3
を参照して説明した如き、第1の空間151内に充填さ
れた溶融樹脂に対する第2の空間152′内に充填され
た溶融樹脂の体積収縮分を補うように第2の空間15
2′側に移動させようとする力は減殺される。
【0038】その理由は、この力は第2の空間152′
内に充填された溶融樹脂の中心部、つまり第2の空間1
52′の中心部に向かう力として作用するが、この射出
成形用金型の場合は、第2の空間152′が狭い間隙1
4とは反対側に第1の空間151から段状に拡径されて
おり、その第2の空間152′における加圧流体注入ピ
ン16の軸方向の略中程であって狭い間隙に偏った位置
に加圧流体注入ピン16の加圧流体注入口161が開口
されていることにより、加圧流体注入ピン16挿着部周
辺の溶融樹脂には第2の空間152′の中心部に迂回し
て向かう弱い力として作用しても直線状に向かう強い力
としては作用しないからである。
【0039】そして、加圧流体の注入開始と同時に、加
圧流体が第2の空間152′内に充填された溶融樹脂の
中心部に優先的に注入されて中空部3が形成されること
により、第1の空間内に充填された溶融樹脂の第2の空
間側へ移動させようとする弱い力も消失する。
【0040】又、樹脂溜まり部15面と溶融樹脂間の熱
伝動よりも溶融樹脂内の熱伝動の方が遅いため、第2の
空間152′内に充填された溶融樹脂の中心部の方が、
第1の空間151内に充填された溶融樹脂の中心部より
も冷却が遅れて流動性がよい状態となる。これにより、
加圧流体注入開始後、第2の空間152′内に充填され
た溶融樹脂の中心部の樹脂は注入された加圧流体に押圧
されて第1の空間151内に充填された溶融樹脂の体積
収縮分を補うように第1の空間151側に移動する。
【0041】その結果、溶融樹脂と加圧流体注入ピン1
6の外周面及び樹脂溜まり部15面間の密着性がより強
まり両者間に隙間ができないために、加圧流体を加圧流
体注入ピンの外周面及び樹脂溜まり部15面に沿って漏
洩させることなく、樹脂溜まり部15内に充填された溶
融樹脂中に注入し、引き続いて狭い間隙14内に充填さ
れた溶融樹脂をキャビティ側に押し出すようにしてキャ
ビティ13内に充填された溶融樹脂中にも注入して中空
部を形成する。
【0042】この際、加圧流体注入ピン16の加圧流体
注入口161が第2の空間152′の中心よりも狭い間
隙14側に偏った位置に開口されていることにより、容
易に狭い間隙14内に充填された溶融樹脂をキャビティ
13側に押し出すようにしてキャビティ13内に充填さ
れた溶融樹脂中にも加圧流体を注入して中空部を形成す
ることができる。
【0043】図6は本考案3の射出成形用金型の例の全
体の構成を説明する断面図である。固定型11と移動型
12との間に、型閉め時、成形すべき射出成形体の外面
形状に対応する内面形状を有するキャビティ13が設け
られている。キャビティ13内には、狭い間隙14,1
4を介して堰部17,17により囲われた堰囲い部18
が設けられるともに、可動型12には、加圧流体注入ピ
ン16がその先端部に設けられた加圧流体注入口161
を堰囲い部18に突出するように挿着されている。
【0044】堰囲い部18は、加圧流体注入ピン16挿
着部側の第1の空間181と狭い間隙14側の第2の空
間182からなる。そして、第2の空間182が第1の
空間181より加圧流体注入ピン16の軸方向と略垂直
方向に段状に拡径されている。第2の空間182の略中
央部には加圧流体注入ピン16の加圧流体注入口161
が開口されている。
【0045】その他の構成については、図1に示す射出
成形用金型と同様であるので、図1中に同一の符号を付
して詳細な説明は省略する。
【0046】以下、図6に示す射出成形用金型の使用態
様の例を、図7及び図6を参照して説明する。
【0047】溶融樹脂2を、樹脂ノズルからスプルー1
11、樹脂注入用ゲート112を経てキャビティ13に
射出し、キャビティ13内に充填する。この際、溶融樹
脂2は狭い間隙14,14を経て堰囲い部18内にも充
填される。
【0048】寸時経過後に、加圧流体を加圧流体注入ピ
ン16の加圧流体注入口161より堰囲い部18内に充
填された溶融樹脂2中に注入する。この際、第2の空間
182が第1の空間181より加圧流体注入ピン16の
軸方向と略垂直方向に段状に拡径されていることによ
り、次の如き現象が出現する。
【0049】即ち、樹脂充填後加圧流体注入開始までの
初期冷却過程において、第2の空間182内に充填され
た溶融樹脂の方が、第1の空間181内に充填された溶
融樹脂よりも堰囲い部18面との熱交換面積が大きく
て、溶融樹脂表層の冷却固化による体積収縮の総量が大
きくなるため、速やかに密度が緩い状態となる。この
際、瞬間的に第1の空間181内に充填された溶融樹脂
に第2の空間182内に充填された溶融樹脂の体積収縮
分を補うように第2の空間182側に移動させようとす
る力が作用する。しかし、加圧流体の注入開始と同時
に、加圧流体が第2の空間182内に充填された溶融樹
脂中に優先的に注入されて中空部3が形成されることに
より、第1の空間内に充填された溶融樹脂の第2の空間
側へ移動させようとする力は消失する。
【0050】又、堰囲い部18面と溶融樹脂間の熱伝動
よりも溶融樹脂内の熱伝動の方が遅いため、第2の空間
182内に充填された溶融樹脂の中心部の方が、第1の
空間181内に充填された溶融樹脂の中心部よりも冷却
が遅れて流動性がよい状態となる。これにより、加圧流
体注入開始後、第2の空間182内に充填された溶融樹
脂の中心部の樹脂は注入された加圧流体に押圧されて第
1の空間181内に充填された溶融樹脂の体積収縮分を
補うように第1の空間181側に移動する。
【0051】その結果、溶融樹脂と加圧流体注入ピン1
6の外周面及び樹脂溜まり18面間の密着性が強まり両
者間に隙間ができないために、加圧流体を加圧流体注入
ピンの外周面及び堰囲い部18面に沿って漏洩させるこ
となく、堰囲い部18内に充填された溶融樹脂中に注入
し、引き続いて狭い間隙14,14内に充填された溶融
樹脂をキャビティ側に押し出すようにしてキャビティ1
3内に充填された溶融樹脂中にも加圧流体を注入して中
空部を形成することができる。
【0052】図8は本考案4の射出成形用金型の例の全
体の構成を説明する断面図である。この射出成形用金型
においては、第2の空間182′における加圧流体注入
ピン16の軸方向の略中程であって中心よりも偏った位
置に加圧流体注入ピン16の加圧流体注入口161が開
口されている点で、図6に示す射出成形用金型と異な
る。その他の構成については、図6に示す射出成形用金
型と同様であるので、図8中に同一の符号を付して詳細
な説明は省略する。
【0053】以下、図8に示す射出成形用金型の使用態
様の例を、図9及び図8を参照して説明する。
【0054】この場合には、樹脂充填後加圧流体注入開
始までの初期冷却過程において、第2の空間182′内
に充填された溶融樹脂の方が、第1の空間181内に充
填された溶融樹脂よりも堰囲い部18面との熱交換面積
が大きくて、溶融樹脂表層の冷却固化による体積収縮の
総量が大きくなるため、速やかに密度が緩い状態とな
る。
【0055】この際、加圧流体体注入開始までの間、図
5を参照して説明した如き、第1の空間181内に充填
された溶融樹脂に対する第2の空間182′内に充填さ
れた溶融樹脂の体積収縮分を補うように第2の空間18
2′側に移動させようとする力は弱くなる。
【0056】その理由は、この力は第2の空間182′
内に充填された溶融樹脂の中心部、つまり第2の空間1
82′の中心部に向かう力として作用するが、この射出
成形用金型の場合は、第2の空間182′における加圧
流体注入ピン16の軸方向の略中程であって中心よりも
偏った位置に加圧流体注入ピン16の加圧流体注入口1
61が開口されていることにより、加圧流体注入ピン1
6の挿着部周辺の溶融樹脂には第2の空間182′の中
心部に迂回して向かう弱い力が作用するとしても直線状
に向かう強い力が作用しないからである。
【0057】そして、加圧流体の注入開始と同時に、第
2の空間182′に充填された溶融樹脂の中心部に加圧
流体が加圧流体が優先的に注入されて中空部3が形成さ
れることにより、第1の空間内に充填された溶融樹脂の
第2の空間側へ移動させようとする弱い力も消失する。
【0058】又、これ以降の点については、図5を参照
して説明したのと同様であるが、この射出成形用金型を
用いた場合には、加圧流体注入ピン16の加圧流体注入
口161が第2の空間152′の中心よりも一方の狭い
間隙14側に偏った位置に開口されていることにより、
容易に一方の狭い間隙内に充填された溶融樹脂をキャビ
ティ側に押し出すようにしてキャビティ13内に充填さ
れた溶融樹脂中にも注入して中空部を形成することがで
きる。
【0059】
【作用】本考案の射出成形用金型は、固定型と可動型と
の間にキャビティが設けられ、固定型にはキャビティに
連通するスプルー及び樹脂注入ゲートが設けられ、固定
型又は可動型には、狭い間隙を介してキャビティに連通
するキャビティとは独立した樹脂溜まり部が設けられる
ともに、加圧流体注入ピンがその先端部に設けられた加
圧流体注入口を樹脂溜まり部に突出するように挿着され
た射出成形用金型であって、樹脂溜まり部が加圧流体注
入ピン挿着部側の第1の空間と狭い間隙側の第2の空間
からなり、第2の空間が第1の空間より加圧流体注入ピ
ンの軸方向と略垂直方向に段状に拡径され、その第2の
空間の略中央部に加圧流体注入ピンの加圧流体注入口が
開口されていることにより、樹脂溜まり部内に充填され
た溶融樹脂が加圧流体注入ピンの外周面及び第1の空間
面に密着し隙間ができないために、加圧流体を加圧流体
注入ピンの外周面及び樹脂溜まり部面に沿って漏洩させ
ることなく、樹脂溜まり部内に充填された溶融樹脂中に
注入して中空部を形成するとともに、狭い間隙内に充填
された溶融樹脂をキャビティ内に押し出すようにして、
キャビティ内に充填された溶融樹脂中にも中空部を形成
することができ、外表面にヒケ、ソリ等を発生させるこ
とがなく、外観に優れた射出成形品を製造することがで
きる。
【0060】本考案2の射出成形用金型は、加圧流体注
入ピンがその軸方向を狭い間隙と略垂直をなすように挿
着され、第2の空間が狭い間隙とは反対側に第1の空間
より段状に拡径され、その第2の空間における加圧流体
注入ピンの軸方向の略中程であって狭い間隙側に偏った
位置に加圧流体注入ピンの加圧流体注入口が開口されて
いることにより、本考案の作用に加えて、樹脂充填後加
圧流体注入開始までの初期冷却過程における、第1の空
間内に充填された溶融樹脂の第2の空間側に移動させよ
うとする力を弱くすることができ、又、加圧流体の注入
により、狭い間隙内に充填された溶融樹脂をキャビティ
側に押し出すようにしてキャビティ内に充填された溶融
樹脂中にも中空部を形成するのが容易となる。
【0061】本考案3の射出成形用金型は、固定型と可
動型との間にキャビティが設けら、固定型にはキャビテ
ィに連通するスプルー及び樹脂注入ゲートが設けられ、
固定型又は可動型には、キャビティ内には狭い間隙を介
して堰囲い部が設けられるともに、加圧流体注入ピンが
その先端部に設けられた加圧流体注入口を堰囲い部に突
出するように挿着された射出成形用金型であって、その
堰囲い部が加圧流体注入ピン挿着部側の第1の空間と狭
い間隙側の第2の空間からなり、第2の空間が第1の空
間より加圧流体注入ピンの軸方向と略垂直方向に段状に
拡径され、その第2の空間の略中央部に加圧流体注入ピ
ンの加圧流体注入口が開口されていることにより、堰囲
い部内に充填された溶融樹脂が加圧流体注入ピンの外周
面及び第1の空間面に密着し隙間ができないために、加
圧流体を加圧流体注入ピンの外周面及び堰囲い部面に沿
って漏洩させることなく、堰囲い部内に充填された溶融
樹脂中に注入して中空部を形成するとともに、狭い間隙
内に充填された溶融樹脂をキャビティ内に押し出すよう
にして、キャビティ内に充填された溶融樹脂中にも中空
部を形成することができ、外表面にヒケ、ソリ等を発生
させることがなく、外観に優れた射出成形品を製造する
ことができる。
【0062】本考案4の射出成形用金型は、第2の空間
における加圧流体注入ピンの軸方向の略中程であって中
心より偏った位置に加圧流体注入ピンの加圧流体注入口
が開口されていることにより、本考案3の作用に加え
て、樹脂充填後加圧流体注入開始までの初期冷却過程に
おける、第1の空間内に充填された溶融樹脂の第2の空
間側に移動させようとする力を弱くすることができ、
又、加圧流体の注入により、狭い間隙内に充填された溶
融樹脂をキャビティ側に押し出すようにしてキャビティ
内に充填された溶融樹脂中にも中空部を形成するのが容
易となる。
【0063】以下、本考案を実施例により説明する。実施例1 図1に示す射出成形用金型を用いて、図3を参照して説
明した工程により、中空部を有する射出成形品の製造を
行った。
【0064】樹脂としてポリプロピレン(出光石油社
製、商品名「J743G」)を用い、加圧流体として加
圧窒素ガスを用いた。加圧流体注入ピン16として、図
2に示すものを用い、鋼管の先端部に加圧流体注入口が
161が設けられ、加圧流体注入部161が繊維状の金
属合金を束ねたものを焼結させて溶融樹脂は通過させな
いが加圧流体は通過させることができる平均孔径30μ
mの多孔質体からなるものを用いた。
【0065】加圧流体供給装置として、レギュレーター
を使用して窒素ガス計量時の設定圧力を4〜40kgf
/cm2 の範囲で種々変えて窒素ガスを100cm3
量し、一旦1/5の体積に圧縮した後、加圧流体注入ピ
ンに連通する配管への弁を開くと同時に、加圧流体注入
ピンに加圧窒素ガスを供給することができる装置を使用
した。
【0066】押出機にて溶融混練した溶融樹脂2を、樹
脂ノズルからスプルー111、樹脂注入用ゲート112
を経てキャビティ13に射出し、キャビティ13内及び
更に狭い間隙14を経て樹脂溜まり部15内に充填し
た。加圧流体を加圧流体注入ピン16の加圧流体注入口
161より溶融樹脂中に注入した。
【0067】成形条件としては、樹脂温度240℃、金
型温度40℃、樹脂射出時間1.5秒、冷却時間(加圧
流体注入開始後)20秒にて行った。加圧流体注入条件
としては、樹脂射出開始後1.8秒後に加圧流体の注入
を開始し、加圧流体の注入開始から20秒後に加圧流体
の注入を停止した後、開型して中空部より加圧流体を排
出した。
【0068】この際、加圧流体供給装置と加圧流体注入
ピンを結ぶ配管内のガス圧力の変化を測定し、その最大
圧の各ショット毎の変動を記録した。加圧流体計量時の
設定圧力を4〜40kgf/cm2 の範囲で種々変え、
一つの設定圧力に対して10〜20ショットの成形を行
い、各設定圧力での配管内の最大圧の分散値を求め、窒
素ガスの漏洩が起こり得るようになる加圧流体の圧力の
下限を求めた。その結果、加圧流体の漏洩が生じる圧力
は150kgf/cm2 であった。
【0069】実施例2 図4に示す射出成形用金型を用いて、図5を参照して説
明した工程によること以外は実施例1と同様にして中空
部を有する射出成形品の製造を行った。その結果、加圧
流体圧力が200kgf/cm2 を越えても加圧流体の
漏洩は確認されなかった。
【0070】実施例3 図6に示す射出成形用金型を用いて、図7を参照して説
明した工程によること以外は実施例1と同様にして中空
部を有する射出成形品の製造を行った。その結果、加圧
流体の漏洩が生じる圧力は150kgf/cm2 であっ
た。
【0071】実施例4 図8に示す射出成形用金型を用いて、図9を参照して説
明した工程によること以外は実施例1と同様にして中空
部を有する射出成形品の製造を行った。その結果、加圧
流体圧力が200kgf/cm2 を越えても加圧流体の
漏洩は確認されなかった。
【0072】比較例 樹脂溜まり部として図10に示す如く段状に拡径された
部分がなく一つの空間からなるものを備えた射出成形用
金型を用いたこと以外は実施例1と同様にして、中空部
を有する射出成形品の製造を行った。その結果、加圧流
体の漏洩が生じる圧力は50kgf/cm2 であった。
【0073】
【考案の効果】本考案の射出成形用金型は、上記の如き
構成とされているので、加圧流体を加圧流体注入ピンの
外周面及び樹脂溜まり部面に沿って漏洩させることな
く、樹脂溜まり部内に充填された溶融樹脂中に注入して
中空部を形成し、外表面にヒケ、ソリ等を発生させるこ
とがなく、外観に優れた射出成形品を製造することがで
きる。
【0074】本考案2の射出成形用金型は、上記の如き
構成とされているので、本考案の作用に加えて、樹脂充
填後加圧流体注入開始までの初期冷却過程において、加
圧流体注入ピンの挿着部周辺の溶融樹脂には第2の空間
の中心部に直線状に向かう強い力が作用しないので、第
1の空間内に充填された溶融樹脂の第2の空間側に移動
させようとする力は弱くて悪影響を及ぼすことがなく、
又、加圧流体の注入により、狭い間隙内に充填された溶
融樹脂をキャビティ側に押し出すようにしてキャビティ
内に充填された溶融樹脂中にも容易に中空部を形成する
ことができる。
【0075】本考案3の射出成形用金型は、上記の如き
構成とされているので、加圧流体を加圧流体注入ピンの
外周面及び堰囲い部面に沿って漏洩させることなく、堰
囲い部内に充填された溶融樹脂中に注入して中空部を形
成し、外表面にヒケ、ソリ等を発生させることがなく、
外観に優れた射出成形品を製造することができる。
【0076】本考案4の射出成形用金型は、上記の如き
構成とされているので、本考案3の作用に加えて、第1
の空間内に充填された溶融樹脂の第2の空間側に移動さ
せようとする力を弱めることができる。
【0077】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の射出成形用金型の一例の全体の構成を
説明する断面図である。
【図2】本考案に使用する加圧流体注入ピンの例を示す
斜視図である。
【図3】図1に示す射出成形用金型の使用態様を説明す
る断面図である。
【図4】本考案2の射出成形用金型の一例の全体の構成
を説明する断面図である。
【図5】図4に示す射出成形用金型の使用態様を説明す
る断面図である。
【図6】本考案3の射出成形用金型の一例の全体の構成
を説明する断面図である。
【図7】図6に示す射出成形用金型の使用態様を説明す
る断面図である。
【図8】本考案4の射出成形用金型の一例の全体の構成
を説明する断面図である。
【図9】図8に示す射出成形用金型の使用態様を説明す
る断面図である。
【図10】 従来の射出成形用金型を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 射出成形用金型 2 溶融樹脂 3 中空部 11 固定型 12 可動型 13 キャビティ 14 狭い間隙 15,18 樹脂溜まり部 16 加圧流体注入ピン 17 堰部 111 スプルー 112 樹脂注入ノズル 151,181 第1の空間 152,152′,182,182′ 第2の空間 161 加圧流体注入口

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定型と可動型との間にキャビティが設
    けられ、固定型にはキャビティに連通するスプルー及び
    樹脂注入ゲートが設けられ、固定型又は可動型には、狭
    い間隙を介してキャビティに連通する、キャビティとは
    独立した樹脂溜まり部が設けられるともに、加圧流体注
    入ピンがその先端部に設けられた加圧流体注入口を樹脂
    溜まり部に突出するように挿着された射出成形用金型で
    あって、樹脂溜まり部が加圧流体注入ピン挿着部側の第
    1の空間と狭い間隙側の第2の空間からなり、第2の空
    間が第1の空間より加圧流体注入ピンの軸方向と略垂直
    方向に段状に拡径され、その第2の空間の略中央部に加
    圧流体注入ピンの加圧流体注入口が開口されていること
    を特徴とする射出成形用金型。
  2. 【請求項2】 固定型と可動型との間にキャビティが設
    けられ、固定型にはキャビティに連通するスプルー及び
    樹脂注入ゲートが設けられ、固定型又は可動型には、狭
    い間隙を介してキャビティに連通する、キャビティとは
    独立した樹脂溜まり部が設けられるともに、加圧流体注
    入ピンがその先端部に設けられた加圧流体注入口を樹脂
    溜まり部に突出するように挿着された射出成形用金型で
    あって、樹脂溜まり部が加圧流体注入ピン挿着部側の第
    1の空間と狭い間隙側の第2の空間からなり、加圧流体
    注入ピンがその軸方向を狭い間隙と略垂直をなすように
    挿着され、第2の空間が狭い間隙とは反対側に第1の空
    間より段状に拡径され、その第2の空間における加圧流
    体注入ピンの軸方向の略中程であって狭い間隙側に偏っ
    た位置に加圧流体注入ピンの加圧流体注入口が開口され
    ていることを特徴とする射出成形用金型。
  3. 【請求項3】 固定型と可動型との間にキャビティが設
    けられ、固定型にはキャビティに連通するスプルー及び
    樹脂注入ゲートが設けられ、固定型又は可動型には、キ
    ャビティ内に狭い間隙を介して堰囲い部が設けられると
    もに、加圧流体注入ピンがその先端部に設けられた加圧
    流体注入口を堰囲い部に突出するように挿着された射出
    成形用金型であって、その堰囲い部が加圧流体注入ピン
    挿着部側の第1の空間と狭い間隙側の第2の空間からな
    り、第2の空間が第1の空間より加圧流体注入ピンの軸
    方向と略垂直方向に段状に拡径され、その第2の空間の
    略中央部に加圧流体注入ピンの加圧流体注入口が開口さ
    れていることを特徴とする射出成形用金型。
  4. 【請求項4】 固定型と可動型との間にキャビティが設
    けられ、固定型にはキャビティに連通するスプルー及び
    樹脂注入ゲートが設けられ、固定型又は可動型には、キ
    ャビティ内に狭い間隙を介して堰囲い部が設けられると
    もに、加圧流体注入ピンがその先端部に設けられた加圧
    流体注入口を堰囲い部に突出するように挿着された射出
    成形用金型であって、その堰囲い部が加圧流体注入ピン
    挿着部側の第1の空間と狭い間隙側の第2の空間からな
    り、第2の空間が第1の空間より加圧流体注入ピンの軸
    方向と略垂直方向に段状に拡径され、第2の空間におけ
    る加圧流体注入ピンの軸方向の略中程であって中心より
    偏った位置に加圧流体注入ピンの加圧流体注入口が開口
    されていることを特徴とする射出成形用金型。
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