JP2591781B2 - 中空の繊維構造体の製造方法 - Google Patents

中空の繊維構造体の製造方法

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JP2591781B2 JP63070475A JP7047588A JP2591781B2 JP 2591781 B2 JP2591781 B2 JP 2591781B2 JP 63070475 A JP63070475 A JP 63070475A JP 7047588 A JP7047588 A JP 7047588A JP 2591781 B2 JP2591781 B2 JP 2591781B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は中空の繊維構造体の製造方法に関するもので
ある。更に詳しくは、宇宙飛翔体、宇宙構造物、航空
機、その他の複合材製構造材に使用される強化用の繊維
構造体の製造方法であって、有底の中空繊維構造体、支
管部を有する無低の中空繊維構造体、支管部を有する有
底の中空繊維構造体の製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来の支管部を有する中空の繊維構造体は同一の出願
人の出願に係る特開昭62−250245号公報および特開昭62
−268846号公報で公知である。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記公報による中空の繊維構造体は、2本の糸条を交
差して積層し、平面状に作った2枚の構造体を、垂直糸
を用いて一体化し、これを拡げて交差管状、または、支
管部を分岐させたものであり、、また、本管の構成糸と
支管部の構成糸とが共通の糸である。
上記公報により作られた中空の繊維構造体は、それな
りに有意義なものであるが、支管の分岐部において若干
の糸状密度斑が発生する傾向があり、また、糸の配列
上、支管の強度が限定されるきらいがあった。
その他の公知の中空の構造体で支管を有するものとし
て、内筒構造体に支管を接着、縫合する等の方法で作ら
れたもの、あるいは、テープや糸条をフィラメントワイ
ンディング法で作成したもの等があるが、これらはいず
れも強度的に極めて弱く問題であった。
また、従来特開昭63−42955号公報が公知となってい
るが、ここに開示されている方法は、有底中空状の本管
を製造する場合、本管の管軸方向に糸条案内部材を配置
し、この糸条案内部材の長手方向(管軸方向)に沿って
第1の無端糸条を積層していき、この積層体に対して、
第2の無端糸条を糸条案内部材の長手方向(管軸方向)
に置換配置するものであるから、底部を形成する第1の
無端糸条を、本管の側壁部の垂直糸(管軸方向糸)とし
て全く使用していない。
そのため、上記方法で製造した有底中空状の本管は、
底部と本管の側壁部とが連続した糸条で一体化されてお
らず、底部と本管との結合強度が低い。
また、上記方法は、支管を形成する場合、本管と支管
を同時に構築していくものであって、これでは、支管を
多数形成する場合や多段に形成する場合等においては、
構築作業が非常に煩瑣となり、作業能率が著しく低下す
ることになる。
本発明は本管と支管部とを別の糸でつくり、支管部は
別途作成しておき、かつ、支管部の一端部から長さ方向
の糸を引き出しておき、特に本管の形成操作時、支管部
の一端から引き出してある糸を本管の側壁部に巻回織り
込みして支管部を本管に強固に固着させ、更に、底部を
有する中空の繊維構造体にあっては、本管底部を形成す
る糸の一部を本管側壁部の垂直糸とした構造の中空の繊
維構造体の製造方法を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明の1つは、中空状
の本管と、上記本管の一端を閉塞する底部とからなる中
空の繊維構造体の製造方法であって、所定長さの本管側
壁部成形用ならびに底部成形用の糸条案内部材を垂直方
向に、かつ、製造する有底中空状の本管に適合した形状
と設計密度に従って配設し、糸条を上記全ての糸条案内
部材の間をぬって長手方向、横方向に直行と蛇行、およ
び、それ等の混合を繰り返して挿入し、かつ、この操作
を垂直方向に底部の厚みになるまで所定数繰り返して行
なうと共に、上記積層された底部形成糸条のうち、一部
の糸条を、本管側壁部の垂直糸とすべく全周にわたって
外方向に底部から連続させた状態で引出しておき、次
に、上記本管底部の垂直糸として別の糸条を、本管底部
成形用糸条案内部材の抜き取り跡に挿入し、本管底部の
頂部まで引き上げ、その引き上げ端の折り曲げ部にカン
ヌキを挿通しながら本管底部を締め付けて強固に一体化
し、つづいて、糸条と上記本管側壁部成形用糸条案内部
材の間をぬって、蛇行と直行を繰り返して挿入し、か
つ、この操作を、垂直方向に本管側壁部の長さになるま
で所定数繰り返して行い、つづいて、本管の底部積層時
に、本管側壁部の垂直糸として一部を外方向に引き出し
てある糸条を、本管側壁部成形用糸条案内部材の抜き取
り跡に挿入し本管側壁部の頂部まで引き上げ、その引き
上げ端の折り曲げ部にカンヌキ糸を挿通したのち、垂直
糸を引き下げて、本管側壁部を締付けて全体を強固に一
体化したものである。
また本発明の2つ目は、中空状の本管と、上記本管の
側壁部から外方に突出する筒状の支管部とからなる中空
の繊維構造体の製造方法であって、支管を本管とは別途
作成し、その際、支管の長手方向糸条を支管の一端から
長手方向に引き出しておき、これとは別に、所定長さの
本管側壁部成形用の糸条案内部材を垂直方向に、かつ、
製造する中空状の本管に適合した形状と設計密度に従っ
て配設し、糸条を上記全ての糸条案内部材の間をぬって
本管側壁部の周方向及び内外方向に直行と蛇行、およ
び、それ等の混合を繰り返して挿入し、かつ、この操作
を垂直方向に本管側壁部の長さになるまで所定数繰り返
して行い、上記糸条による本管側壁部の形成操作中、別
途作成してある筒状の支管部の長さ方向への引出糸を、
本管側壁部形成中に、順次本管側壁部成形用糸条案内部
材の間に周方向に捲回して本管側壁部の積層糸の一部と
することにより筒状の支管部を本管側壁部から外方に突
出させ、つづいて、本管側壁部の垂直糸として別の糸条
を、本管側壁部成形用糸条案内部材の抜き取り跡に挿入
し本管側壁部の頂部まで引き上げ、その引き上げ端の折
り曲げ部にカンヌキ糸を挿通したのち、垂直糸を引き下
げて、本管側壁部を締付けて全体を強固に一体化したも
のである。
更に本発明の3つ目は、有底中空状の本管と、上記本
管の側壁部から外方に突出する筒状の支管部とからなる
中空の繊維構造体の製造方法であって、支管を本管とは
別途作成し、その際、支管の長手方向糸条を支管の一端
から長手方向に引き出しておき、これとは別に、所定長
さの本管側壁部成形用ならびに底部成形用の糸条案内部
材を垂直方向に、かつ、製造する有底中空状の本管に適
合した形状と設計密度に従って配設し、糸条を上記全て
の糸条案内部材の間をぬって長手方向、横方向に直行と
蛇行、および、それ等の混合を繰り返して挿入し、か
つ、この操作を垂直方向に底部の厚みになるまで所定数
繰り返して行なうと共に、上記積層された底部形成糸条
のうち、一部の糸条を、本管側壁部の垂直糸とすべく全
周にわたって外方向に底部から連続させた状態で引き出
しておき、次に、上記本管底部の垂直糸として別の糸条
を、本管底部成形用糸条案内部材の抜き取り跡に挿入
し、本管底部の頂部まで引き上げ、その引き上げ端の折
り曲げ部にカンヌキ糸を挿通しながら本管底部を締め付
けて強固に一体化し、つづいて、糸条を上記本管側壁部
成形用糸条案内部材の間をぬって、蛇行と直行を繰り返
して挿入し、かつ、この操作を、垂直方向に本管側壁部
の長さになるまで所定数繰り返して行い、上記糸条によ
る本管側壁部の形成操作中、別途作成してある筒状の支
管部の長さ方向への引出糸を、本管側壁部形成中に、順
次本管側壁部成形用糸条案内部材の間に周方向に捲回し
て本管側壁部の積層糸の一部とすることにより筒状の支
管部を本管側壁部から外方に突出させ、つづいて、本管
の底部積層時に、本管側壁部の垂直糸として一部を外方
向に引き出してある糸条を、本管側壁部成形用糸条案内
部材の抜き取り跡に挿入し本管側壁部の頂部まで引き上
げ、その引き上げ端の折り曲げ部にカンヌキ糸を挿通し
たのち、垂直糸を引き下げて、本管側壁部を締付けて全
体を強固に一体化したものである。
〔作用〕
本発明の1つ目は、有底の中空繊維構造体において、
本管の底部を形成する糸の一部が連続して本管側壁部を
形成する垂直糸となるので、この糸が本管底部と本管側
壁部との一体化ならびに強度の向上に寄与する。また、
本発明の2つ目は、本管に支管を設ける場合、この支管
を本管とは別途作成するものであるから、多数の支管を
取り付ける場合や、多段にしかも角度を付けて取り付け
る場合等においても、支管そのものは本管とは別個に独
立して作成しておけばよく、作業が簡単であり、その
際、支管部の一端に長さ方向に引出糸を作成しておくも
ので、これにより、本管の構築中に、別途作成した支管
の上記引出糸を本管側壁部に捲回することによって、支
管を本管の側壁部に強固にしかも所望の角度で固着する
ことができる。更に本発明の3つ目は、上記1つ目と2
つ目とを合わせ持った特徴がある。
〔実施例〕
第1図乃至第5図は本発明に係る中空の繊維構造体の
代表例で、 第1図(イ)は底部(1a)を有し、中空状で、かつ、
断面が6角形状の側壁部(2a)からなる本管(3a)と、
該本管(3a)の側壁部(2a)に固設した円筒状の支管部
(4a)とで構成した中空の繊維構造体(I)の斜視図で
あり、第1図(ロ)はその断面図である。
第2図(イ)は両端開放形の、中空状で、かつ、断面
が円形状の側壁部(2b)からなる本管(3b)と、該側壁
部(2b)に固設した円筒状の支管部(4b)とよりなる中
空の繊維構造体(II)の斜視図であり、第2図(ロ)は
本管(3b)と支管部(4b)との関係を示す断面図であ
る。
第3図は一端に底部(1c)を有する側壁部(2c)から
なる本管(3c)で構成した中空の繊維構造体(III)の
断面図である。
第4図は第1図の有底、支管付の中空の繊維構造体に
おいて、本管(3d)の外周から底部を外方に延長させて
延長部(5d)を形成した中空の繊維構造体(IV)であ
り、 第5図は本管(3e)の上端から翼片(6e)を突出形成
した中空の繊維構造体(V)の斜視図である。
以下、第1図(イ)(ロ)に示す断面6角形状の中空
の繊維構造体(I)の構造ならびにその製造方法を、第
6図乃至第18図によって説明する。
第6図は中空の繊維構造体(I)の拡大断面図で、A
部分は底部(1a)の下層部分、B部分は底部(1a)の上
層部分、C1、C2部分は側壁部(2a)の下・上層部分、D
部分は側壁部(2a)の支管固設部分、E部分は支管部
(4a)を示す。
まず、中空の繊維構造体(I)の成形装置を準備す
る。成形装置は、所定の成形台〔図示せず〕上に、第7
図に示す如く、本管(3a)の側壁部成形用糸条案内部材
(7)〔以下長ピンと云う〕、および、底部成形用糸条
案内部材(8)〔以下短ピンと云う〕を垂直方向に、か
つ、製造する有底で、中空の繊維構造体(I)に適合し
た形状と設計密度に従って所定本数配設した構造であ
る。なお、上記成形装置において、外周の2列のピンが
長ピン(7)であり、上記長ピン(7)に囲まれる部位
に植設したピンが短ピン(8)である。
上記成形装置を用いて、当該成形装置上に、底部下層
部分A、底部上層部分B、側壁部下層部分C1、側壁部の
支管部固設部分D、および、側壁部上層部分C2を、下記
の要領で順次積み上げて成形する。
底部下層部分Aの成形操作 第7図において、上方のより糸条(9)をピンの間
を左右に蛇行させ乍ら下方に向って順次挿入し、上部角
部(10)(11)から下部角部(12)(13)までの間で
は、側壁部(2a)の長さと略同寸法の長さの糸条(9')
を、両側に引き出し乍ら、ピン間を左右に蛇行させて糸
条(9)を挿入し、上記引き出し糸(9')を、中空の繊
維構造体(I)の完成時における対向する第1および第
4の側壁(14)(15)の垂直糸とすべく用意しておき、
下部角部(12)(13)から下部(16)まで同様に糸条を
左右に蛇行させ乍らピン間に挿入し、下部(16)に至る
と同糸を折り返し、前記糸条の走行と反対方向から左右
に蛇行させ乍ら上方に向って、垂直糸を用意することな
く、全ピン間に挿入し、上部(17)までもどる。なお、
上記の下部(16)から上部(17)までの糸条の左右の蛇
行配列は図示しない。そして、糸条の左右の蛇行配列操
作が上部(17)に至ると、糸条を折り返してから斜方
向〔30°又は60°〕に蛇行させながら全ピン間に糸条を
挿入し、で終わる。上記の糸条の挿入操作が終わると
第8図に移る。第8図は底部(1a)の下層部分Aの形成
と同時に、中空の繊維構造体(I)の第2と第5の側壁
(18)(19)の垂直糸(9")を用意するための成形操作
であって、左斜下部(12)から右斜上部(11)に向って
糸条の挿入操作中、第2と第5の側壁部(18)(19)の
垂直糸(9")を引き出しておき、ひきつづき、右斜上部
(11)から左斜下部(12)に向って、垂直糸を引き出す
ことなく、全ピン間にわたって糸条を上記と反対方向に
蛇行させて挿入し、つづいてから斜方向〔30°又は60
°〕に蛇行させ、全ピン間に糸条を挿入してで終わ
る。第9図は底部(1a)の下層部分Aの成形と同時に、
中空の繊維構造体(I)の第3と第6の相対向する側壁
部(20)(21)の垂直糸(9)を用意するための成形
操作であって、右斜下部(13)から左斜上部(10)へ向
って糸条を蛇行させて挿入し、この間に垂直糸(9)
を引き出しておくものである。即ち、から糸条を挿入
し、第7図、あるいは、第8図と同様の要領でを経て
に糸条を引き出し、その間に中空の繊維構造体(I)
の第3と第6の相対向する側壁(20)(21)の垂直糸
(9)を引き出して、1連の底部(1a)の下層部分A
の成形操作を終わる。
底部上層部分Bの成長操作 底部下層部分Aを成形し、に引き出した糸条を、第
10図で示すように、上部(17)から下部(16)にわたっ
て、全ピン間を左右に蛇行させ、下部(16)で折り返し
て反対方向に左右に、上部(17)に向って蛇行させ、上
部(17)でから斜方向〔30°又は60°〕に全ピン間を
蛇行させてに引き出す。同様の成形操作を、第11図に
おいて、からを経てにわたって行い、更に第12図
において、からを経てにわたって行い、底部上層
部Bの同一糸条(9)による成形操作を完了する。
底部の垂直糸、ならびに、 カンヌキ糸の挿入操作 側壁部を形成する2列の長ピン(7)に囲まれた部位
に配設した底部のみを形成する多数の短ピン(8)の端
部のものから順次別途用意した底部用垂直糸を短ピン
(8)の端部に引っかけ、短ピン(8)を引き抜いて引
き抜き跡に上記垂直糸を挿入し、引き上げ端の折り返し
部にカンヌキ糸を挿通しながら底部を引き締める。
側壁部の下層部分C1の成形操作 側壁部の下層部分C1は、成形装置の周囲の2列の長ピ
ン(7)を用いて成形する。即ち、第13図において、
から糸条(9)を挿入し、2列の長ピン(7)間の実線
で示すように糸条を蛇行させながら2層配列し、に引
き出す。つづいて第14図に示すように、から糸条
(9)を挿入し2列の長ピン間を真直ぐに2列周行させ
る。上記の第13図と第14図の操作を下層部分C1の高さに
なるまで繰り返す。
支管部Eの成形操作 支管部(4a)の成形装置を準備する。成形装置は、所
定の成形台〔図示せず〕上に、第15図に示す如く、支管
部成形用糸条案内部材(22)〔以下支管ピンと云う〕を
垂直方向に、かつ、製造する支管部に適合した形状と設
計密度に従って所定本数配設した構造とする。
上記成形装置を用いて、第15図に示す如く糸条(23)
を2本の支管ピンを1ピッチとして蛇行させ、一層づつ
ピッチをずらせ乍ら、4層を1パターンとして、必要長
さになるまで成形操作を繰り返す。
次に、夫々の支管ピン(22)の抜き取り跡に、別途用
意してある垂直糸(24)を、中間部で折曲して折り曲げ
部(24')を上にして挿入し、頂部に引き出され、か
つ、全周に並んでいる折り曲げ部(24')に1本のカン
ヌキ糸(25)を挿通し、最後に、夫々の垂直糸(24)を
引き下げて支管部(4a)の作成を完了する。なお、垂直
糸(24)の他端部(24')を、2本引き揃えて、第16図
(イ)に示す如く、下方に長く引き出しておき、この引
き出し部(24")を、後述する如く、中空の繊維構造体
(I)の支管部固設部分Dの成形時、該部分Dの周囲に
織り込む。なお、第15図では、説明を容易にするため、
垂直糸(24)の引き出し部(24")を放射方向に引き出
したものを示す。即ち、垂直糸(24)の引き出し部(2
4")は支管部の本管(3a)への固着とあわせて、支管部
固着部分Dの構成糸とする。
なお、支管ピン(22)を外側、内側に2列配設して、
垂直糸の引き出し層を2層にし、更に内外2列の支管ピ
ン(22)に糸条(23)を蛇行配列して厚みの大きい支管
部を作成することも可能である。また、上記説明では、
支管部の垂直糸のすべてを延長糸としたが、一部を、支
管部の締付け糸とすることも可能である。また、支管部
の本管への結合端を、第16図(ロ)に示す如く、傾斜さ
せておけば、本管に支管部を角度をつけて取りつけるこ
とができる。
支管部固設部分Dの成形操作 第15図、および、第16図によって、別途作成してある
支管部(4a)を水平に設置し、最下部に位置する垂直糸
(24)の、2本で1束となる、2束の引き出し部(24"
a)(24"b)を、第17図に示す如く、本管(3a)の側壁
部(2a)の第1面(25a)の中央部から2列の長ピン
(7)(7)間に引き込み、之れを左右に振り分けて、
2列の長ピン間を側面に沿って周方向に直線状に対向す
る第4面(25d)の中央部まですすめ、ここでカット
する。上記と同様の操作を他の5面(25b)(25c)(25
d)(25e)(25f)についても実施する。上記の一連の
操作が終わると、第18図で示す如く、周囲2列の長ピン
(7)(7)間にから、側壁部下層部分Cを構成した
糸条(9)を、図示の如く、蛇行させ乍ら2層配列し、
この蛇行配列操作を3サイクル繰り返し積層する。
次に上述の引き出し状(24"a)(24"b)の隣位の引き
出し糸(24"c)(24"d)を、2列の長ピン間に引き込
み、之れを左右方向に、2列の長ピン間を側面に沿って
周方向に直線状に対向する第4面(25d)の対向位置ま
ですすめ、ここでカットする。この操作を他の5面につ
いても実施し、その後、第18図に従って糸条(9)の2
層配列操作を3サクイル繰り返す。
以下、上記の要領で支管部の引き出し糸条のすべてを
側壁部の周囲に巻きつけ乍ら、支管部固着部分Dを作成
する。なお、支管部の中央部から両側に至るに従って垂
直糸(24)の引き出し部(24")の側壁部への巻き付け
長さが短くなるが、必ずしも引き出し部(24")の挿入
部の対向位置で引き出し部をカットする必要はなく、例
えば、両端の引き出し部(24"X)(24"Y)を、図示する
如く、端部で重合させてもよい。また、引き出し部(2
4)を2列の長ピン間で蛇行配列してもよい。
側壁部の上層部分C2の成形操作 前述の側壁部の下層部分C1と同様の積層操作で形成す
る。
側壁部の垂直糸、ならびに、 カンヌキ糸の挿入操作 底部下層部分Aの成形時、側方に引き出してある糸条
(9')の1部を、外側の長ピン(7)の下端に引っか
け、長ピンを引き抜いて引き抜き跡に側方に引き出して
ある糸条(9')を折り曲げ部を上にして2本引き込む。
この場合、予め外方に引き出してある糸(9')は、本管
の側壁部の長さと略同一なので、2本の糸が1つの引き
抜き跡に引き込まれることになる。すべての面の外側の
長ピンの引き抜き跡への引き抜き糸(9')の引き上げ操
作が終わると、頂部に形成されている全ての折れ曲がり
部に、1本のカンヌキ糸を順次挿通し、折れ曲がり部の
引き上げを解除して中空の繊維構造体(I)作成を完了
する。なお、引き出し糸(9')の長さを側壁部の長さよ
り若干短くしておくと、引き出し糸の先端の折れ曲がり
部が頂部にのぞくまで強く上げ、すべての折れ曲がり部
にカンヌキ糸を挿通したのち、頂部にのぞいている引き
上げ糸を解除すると、引き上げ糸が側壁部の垂直方向に
引き込まれることにより、側壁部の締付けがなされる。
上記は外側の長ピン(7)を用い、カンヌキ糸は1本
であるが、内側の長ピンに別の垂直糸を通し、カンヌキ
糸を通したのち、該垂直糸を締付けてもよい。また、上
記説明では、底部の下層部分Aの成形時、三層で引き出
し糸を形成したが、下層部分Aを6層にすることによ
り、各辺に上下2層の引き出し糸層を形成し、外側、な
らびに、内側の長ピンを用いて、側壁部の頂面に、2本
のカンヌキ糸を挿通することもできる。また、引き出し
糸の長さを側壁部の長さの略2倍の長さにしておけば、
底部の下層部分の三層の引き出し糸で、外側、内側の全
ピンを用いて側壁部の頂部に2本のカンヌキ糸を、側壁
部の厚み内に2本の垂直糸を配向することができる。
以下他の実施例について説明する。
第2図(イ)(ロ)に示す、中空の繊維構造体(II)
は、第1図(イ)(ロ)の中空の繊維構造体(I)にお
いて、底部(1a)を除去した構造、即ち、第6図におい
て、底部(1a)(下層部分Aと上層部分B)を除去した
構造であり、従って第13図に示す如く、本管(2b)の形
状と設計密度に従って長ピン(7)のみを所定本数配設
した成形装置を用い、第13図から第18図による成形操作
で製造する。なお、底部の成形工程が存在しないので、
本管側壁部の垂直糸は、別途用意してある糸条により行
う。
第3図に示す、中空の繊維構造体(III)は、第1図
(イ)(ロ)の中空の繊維構造体(I)において、円筒
状の支管部を除去した構造、即ち、第6図において、支
管固設部分Dを除き、底部の下層部分A、上層部分
(B)を成形したのち、側壁部の下層部分C1を成形して
完了する。即ち、第7図から第12図による底部の成形操
作を終え、つづいて、第13図および第14図によって側壁
部を成形し、底部、側壁部の垂直糸の挿入操作、ならび
に、カンヌキ糸の挿入操作を終えて、底部有り、支管部
無しの中空の繊維構造体(III)を完成する。
第4図に示す、中空の繊維構造体(IV)は、第1図
(イ)(ロ)の中空の繊維構造体(I)において、底部
を外方へ張り出した構造で、側壁部を形成するための長
ピン(7)の配列群の外側に、張り出し部を成形するた
めの短ピン(8)群を配列した成形装置を用い、張り出
し部を含む底部の成形操作完了後、ひきつづいて、第1
図の中空の繊維構造体(I)と同様、C1部分、D部分、
C2部分を順次成形する。
第5図に示す、中空の繊維構造体(V)は、第3図の
中空繊維構造体(III)において、底部を張り出すと共
に、側壁部の上端に翼片を形成したものであり、底部の
張り出し部は第4図の中空の繊維構造体と同じ要領で作
成し、側壁部上部の翼片は、側壁部の上層部分C2の形成
後、別の糸条を、各翼片ごとに形成する。
〔発明の効果〕
請求項1の発明によれば、有底の中空繊維構造体にお
いて、本管の底部を形成する糸の一部が連続して本管側
壁部を形成する垂直糸となるので、この糸が本管底部と
本管側壁部との一体化ならびに強度の向上に寄与する。
また、請求項2の発明によれば、本管に支管を設ける場
合、この支管を本管とは別途作成するものであるから、
多数の支管を取り付ける場合や、多段にしかも角度を付
けて取り付ける場合等においても、支管そのものは本管
とは別個に独立して作成しておけばよく、作業が簡単で
あり、その際、支管部の一端に長さ方向に引出糸を作成
しておくもので、これにより、本管の構築中に、別途作
成した支管の上記引出糸を本管側壁部に捲回することに
よって、支管を本管の側壁部に強固にしかも所望の角度
で固着することができる。更に請求項3の発明によれ
ば、上記請求項1と2とを合わせ持った効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例で、第1図(イ)は斜視
図であり、(ロ)は断面図である。第2図は第2の実施
例例で、第2図(イ)は斜視図であり、(ロ)は本管と
支管部との関係を示す断面図である。第3図は第3の実
施例の断面図、第4図は第4の実施例の斜視図、第5図
は第5の実施例の斜視図を示す。第6図は第1の実施例
の拡大断面図、第7図乃至第18図は第1の実施例の成形
操作要領を示す説明図である。 (1a)(1c)……底部、(2a)(2b)(2c)……側壁
部、(3a)(3b)(3c)(3d)(3e)……本管、(4a)
(4b)……支管部、(I)(II)(III)(IV)(V)
……中空の繊維構造体。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中空状の本管と、上記本管の一端を閉塞す
    る底部とからなる中空の繊維構造体の製造方法であっ
    て、 所定長さの本管側壁部成形用ならびに底部成形用の糸条
    案内部材を垂直方向に、かつ、製造する有底中空状の本
    管に適合した形状と設計密度に従って配設し、糸条を上
    記全ての糸条案内部材の間をぬって長手方向、横方向に
    直行と蛇行、および、それ等の混合を繰り返して挿入
    し、かつ、この操作を垂直方向に底部の厚みになるまで
    所定数繰り返して行なうと共に、 上記積層された底部形成糸条のうち、一部の糸条を、本
    管側壁部の垂直糸とすべく全周にわたって外方向に底部
    から連続させた状態で引き出しておき、 次に、上記本管底部の垂直糸として別の糸条を、本管底
    部成形用糸条案内部材の抜き取り跡に挿入し、本管底部
    の頂部まで引き上げ、その引き上げ端の折り曲げ部にカ
    ンヌキ糸を挿通しながら本管底部を締め付けて強固に一
    体化し、 つづいて、糸条を上記本管側壁部成形用糸条案内部材の
    間をぬって、蛇行と直行を繰り返して挿入し、かつ、こ
    の操作を、垂直方向に本管側壁部の長さになるまで所定
    数繰り返して行い、 つづいて、本管の底部積層時に、本管側壁部の垂直糸と
    して一部を外方向に引き出してある糸条を、本管側壁部
    成形用糸条案内部材の抜き取り跡に挿入し本管側壁部の
    頂部まで引き上げ、その引き上げ端の折り曲げ部にカン
    ヌキ糸を挿通したのち、垂直糸を引き下げて、本管側壁
    部を締付けて全体を強固に一体化したことを特徴とする
    中空の繊維構造体の製造方法。
  2. 【請求項2】中空状の本管と、上記本管の側壁部から外
    方に突出する筒状の支管部とからなる中空の繊維構造体
    の製造方法であって、 支管を本管とは別途作成し、その際、支管の長手方向糸
    条を支管の一端から長手方向に引き出しておき、これと
    は別に、 所定長さの本管側壁部成形用の糸条案内部材を垂直方向
    に、かつ、製造する中空状の本管に適合した形状と設計
    密度に従って配設し、糸条を上記全ての糸条案内部材の
    間をぬって本管側壁部の周方向及び内外方向に直行と蛇
    行、および、それ等の混合を繰り返して挿入し、かつ、
    この操作を垂直方向に本管側壁部の長さになるまで所定
    数繰り返して行い、上記糸条による本管側壁部の形成操
    作中、別途作成してある筒状の支管部の長さ方向への引
    出糸を、本管側壁部形成中に、順次本管側壁部成形用糸
    条案内部材の間に周方向に捲回して本管側壁部の積層糸
    の一部とすることにより筒状の支管部を本管側壁部から
    外方に突出させ、 つづいて、本管側壁部の垂直糸として別の糸条を、本管
    側壁部成形用糸条案内部材の抜き取り跡に挿入し本管側
    壁部の頂部まで引き上げ、その引き上げ端の折り曲げ部
    にカンヌキ糸を挿通したのち、垂直糸を引き下げて、本
    管側壁部を締付けて全体を強固に一体化したことを特徴
    とする中空の繊維構造体の製造方法。
  3. 【請求項3】有底中空状の本管と、上記本管の側壁部か
    ら外方に突出する筒状の支管部とからなる中空の繊維構
    造体の製造方法であって、 支管を本管とは別途作成し、その際、支管の長手方向糸
    条を支管の一端から長手方向に引き出しておき、これと
    は別に、 所定長さの本管側壁部成形用ならびに底部成形用の糸条
    案内部材を垂直方向に、かつ、製造する有底中空状の本
    管に適合した形状と設計密度に従って配設し、糸条を上
    記全ての糸条案内部材の間をぬって長手方向、横方向に
    直行と蛇行、および、それ等の混合を繰り返して挿入
    し、かつ、この操作を垂直方向に底部の厚みになるまで
    所定数繰り返して行なうと共に、 上記積層された底部形成糸条のうち、一部の糸条を、本
    管側壁部の垂直糸とすべく全周にわたって外方向に底部
    から連続させた状態で引き出しておき、 次に、上記本管底部の垂直糸として別の糸条を、本管底
    部成形用糸条案内部材の抜き取り跡に挿入し、本管底部
    の頂部まで引き上げ、その引き上げ端の折り曲げ部にカ
    ンヌキ糸を挿通しながら本管底部を締め付けて強固に一
    体化し、 つづいて、糸条を上記本管側壁部成形用糸条案内部材の
    間をぬって、蛇行と直行を繰り返して挿入し、かつ、こ
    の操作を、垂直方向に本管側壁部の長さになるまで所定
    数繰り返して行い、上記糸条による本管側壁部の形成操
    作中、別途作成してある筒状の支管部の長さ方向への引
    出糸を、本管側壁部形成中に、順次本管側壁部成形用糸
    条案内部材の間に周方向に捲回して本管側壁部の積層糸
    の一部とすることにより筒状の支管部を本管側壁部から
    外方に突出させ、 つづいて、本管の底部積層時に、本管側壁部の垂直糸と
    して一部を外方向に引き出してある糸条を、本管側壁部
    成形用糸条案内部材の抜き取り跡に挿入し本管側壁部の
    頂部まで引き上げ、その引き上げ端の折り曲げ部にカン
    ヌキ糸を挿通したのち、垂直糸を引き下げて、本管側壁
    部を締付けて全体を強固に一体化したことを特徴とする
    中空の繊維構造体の製造方法。
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