JP2591770B2 - 実時間像発生システムに於ける包括的な歪み補正 - Google Patents

実時間像発生システムに於ける包括的な歪み補正

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JP2591770B2 JP62501401A JP50140187A JP2591770B2 JP 2591770 B2 JP2591770 B2 JP 2591770B2 JP 62501401 A JP62501401 A JP 62501401A JP 50140187 A JP50140187 A JP 50140187A JP 2591770 B2 JP2591770 B2 JP 2591770B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 実時間計算機像発生システムは、戦車シミュレータ及
び飛行シミュレータの様な種々のシミュレータ・システ
ムで現実感のある画像を再生する様に設計されている。
こういうシミュレータは訓練装置として使われ、戦闘員
が、戦場に出て行って、実際の戦闘装置を使うことを必
要とせずに、練習が出来る様にする。こういうシミュレ
ータは、操縦士又は戦車の砲手の様な利用者が、実際の
訓練に伴なう費用をかけずに、自分の腕を保ち且つ改善
することが出来る様にする。この為、訓練及び練習にと
って有利なビデオ表示装置の現実感を利用者に提供する
ことが非常に有利である。
飛行シミュレータ・システムの様な典型的な実時間計
算機像発生システムでは、像の発生は3つの別々の処理
段階、即ち制御装置、形状処理装置及び表示処理装置に
分けることが出来る。これらの3つの処理段階又は部分
が、表示しようとする相次ぐ3つの場面の内の1つに対
応するデータに対して独立に作用する。制御装置は、一
定時間の間、場面又は像のデータを処理する。この時間
は16.67ミリ秒のフィールド時間又は33.3ミリ秒のフレ
ーム時間の何れかであってよく、普通は前者である。こ
の後、制御装置が処理データを形状処理装置に送る。こ
の特定のフィールド及びフレーム時間は、典型的なテレ
ビジョン形式の表示装置の時間と対応する。即ち、1フ
レーム当たり2つの飛越しフィールドがあり、毎秒30フ
レームがある。形状処理装置はその計算を行なうのに同
じ時間を持ち、その時間の終りに、その結果が表示処理
装置に送られる。表示処理装置は、1フィールド時間に
ビデオ表示を行なう為に、常に1つの飛越しフィールド
を処理する。各々の期間の間、3つの処理装置全部が働
いており、この為の、任意の所定の時に、処理装置は3
つの別々の場面に対して作用している。各々の部分がこ
の期間中に入力を処理して出力を発生し、従って、デー
タが3つの段階を逐次的に流れる。計算負荷は特殊化し
た処理装置部分に分散しており、これによってその結果
は3フィールド又はフレーム後に表示されるけれども、
毎フィールド又はフレーム時間に新しい場面を表示する
ことが出来る。
例えば、飛行シミュレータ・システムでは、操縦士の
入力を制御装置が受取り、制御装置、形状処理装置及び
表示処理装置で逐次的に処理した後、出力がカラー場面
としてビデオ表示装置に送られ、それをシミュレータ内
にいる操縦士が観察する。操縦士が観るデータは、最初
は環境の定義に対して加えられた単純な制御入力である
が、画素ビデオ表示情報に変換される。制御装置では、
操縦士の入力を使って、航空機の新しい位置及び向きを
計算し、それから数学的な回転マトリクスを計算し、そ
れを使って物体を基準座標系から表示座標系に回転す
る。この飛行機、標的の位置並びに他の航空機に関する
この他の任意の情報も、制御装置で計算される。ある用
途では、制御装置は汎用計算機である。
形状処理装置が、場面の貯蔵された3次元ディジタル
表示の中で、見える可能性がある物体の記述をデータベ
ースから読取る。読取った物体を、制御装置で計算した
回転マトリクスを使って、表示座標に回転する。この
後、こういう3次元の物体が観察窓をこえて伸びていれ
ば、その縁を形処状理装置によって切取る。形状処理装
置が3次元データを2次元表示窓に数学的に投影する。
その後、観察窓の境界をこえて伸びている物体の面が二
次元画像空間で切取られる。更に、形状処理装置が、ど
の物体が他の物体の前又は後にあるかを計算し、この情
報を優先順位リストに貯蔵する。処理される各々の物体
は個々の面で構成されており、各々の面は直線の辺によ
って囲まれた多角形の形をしている。優先順位リストが
場面内の全ての面の順序を持っており、リストの1番目
の面が最高の優先順位を持つ面であり、リストの最後の
面が最低の優先順位を持つ面である。表示装置で2つの
面が重なり合う時は、何時でも優先順位が高い方の面が
見え、優先順位が低い方の面が隠れる。最後に、形状処
理装置が、2次元の面を区切る線分の表示終点を計算す
ると共に、区切る辺を記述する線方程式の係数を計算す
る。
表示処理装置が、面の色、面のフェージング情報、面
の優先順位のリスト、セルの生地、細部混合レベル、半
透明度、曲率シェージング等と共に、2次元の面の記述
を受取り、こういう情報を使って、カラー表示装置に対
して場面を出力する。このシステムの各々のカラー表示
は、典型的には1,024本のビデオ情報で構成されてお
り、各々の線は1,024個の個別のカラー・ドット又は画
素を持っている。然し、線及び1本の線当たりの画素を
この他の組合せにしても勿論よい。表示処理装置は、各
々の画素に対し、画素の中に多数の面が存在する可能性
があること、並びに面のある部分は他の面によって覆わ
れる可能性があることを考えて、画素の色は何にすべき
かを決定しなければならない。表示には1,024×1,024個
の画素があり得るし、これらの全てを1/60秒の内に計算
しなければならないから、表示処理装置に於ける処理負
荷が非常に高い。多数の表示装置を持つシステム(1個
のシステムが14個もの多くの表示装置を持っている)に
対するビデオを計算する為、表示処理装置は毎秒100億
回を越える計算をしなければならない。膨大な処理負荷
の為、表示処理装置は僅か数個の表示装置しか駆動する
ことが出来ない。あるシステムでは、1個の制御装置及
び形状処理装置を使って、幾つかの表示処理装置を駆動
し、各々の表示処理装置に幾つかの表示装置を接続する
ことが出来る。従って、表示処理装置が、実時間計算機
像発生システムに於ける大部分の処理を表わしており、
この理由で、CIGシステムの能力並びに現実感を改善す
る大部分の努力は、表示処理装置の分野に集中してい
る。
多くの表示装置、特に球形又は円筒形のスクリーンを
用いる表示装置は、観る人から見た像(「観る人の空
間」の像)が正しく見える様にする為に、予め歪めた像
を計算しておいて、投影ラスターにのせることを必要と
する(「投影器空間」の像)。一般的に、投影器及び観
る人は異なる場所にいる。画像の源、即ち投影ラスター
に直線が発生され、標準的な投影レンズによってスクリ
ーンに投影された場合、観る人にとっては弯曲している
様に見える。これが幾何学的な歪みと呼ばれる。標準的
なFtanθレンズを使って球形スクリーンの内側から見る
広い視野を投影した場合、カバーされる領域にわたり、
輝度及び分解能に大きな変動がある。投影器のボアサイ
トと投影光線の間の角度θが投影ラスターの中心と、ラ
スター上にあって、光線の源となる点との間の距離に比
例する様なFtanθレンズを使うと、大体一様な輝度及び
分解能が得られる。この様なレンズを用いる時、投影器
及び観る人が一緒の位置にいても、投影ラスター上で正
しい場面が、観る人にとっては、歪んで、即ち光学的に
歪んで見える。
従って、この発明の目的は、ダイナミックな包括的な
歪み補正を用いて実時間で計算機によって像を発生する
方法を提供することである。この発明の目的は、投影し
た時、観る人にとって正しく見える様な予め歪んだ場面
を投影ラスターに発生すると同時に、幾何学的な歪み及
び光学的な歪みを補正する様なダイナミックな包括的な
歪み補正方法を提供することである。
別の目的は、雑音のないビデオ表示を実時間で発生す
る為に、1つの画素を通る無限の数の辺を処理すること
が出来る様な方法を提供することである。
発明の要約 この発明は表示処理装置の能力を改善することによ
り、計算機によって発生されるビデオ像の現実感を改善
する。表示処理装置による面の処理が4つの主なタス
ク、即ちスパンの検出又は窓ぎめ、スパンの順序決定、
マスク処理及び色処理で構成される。
スパンの検出は、面の辺と交差するスパンを検出する
過程である。面の辺を面に沿って時計廻りに追跡し、面
が常に右に来る様にして、それと交差するスパンを同定
する。スパンは寸法が一定の表示装置の小さな矩形区域
である。スパンは画素のマトリクス、例えば8本の走査
線×8個の画素によって構成され、基本的にはビデオ表
示装置で位置が固定である。
スパン検出の間、1つの面の一部分を含んでいる1組
のスパンを見つけて同定する。面の境界にあるあるスパ
ンは、面の小さな一部分しか含まず、それを同定して、
リク結合のリストを介してメモリに貯蔵する。面によっ
て完全に覆われた他のスパンも同定し、マスク処理マス
タで後に処理する。
スパンの順序を決定するスパン・データ予備処理装置
が、スパン検出器及びマスク処理装置の間のバッファ及
び制御装置として作用する。スパン・シーケンサがスパ
ン検出器からのスパン・データを受取り、このデータを
スパン・リストにある順序に並べる。それが行の順序
で、マスク処理装置に対してスパンを指定する。次にス
パン検出器からあるスパンの次の特徴をアクセスし、そ
れをマスク処理装置に対して出力する。あるスパンの処
理が完了した時、マスク処理装置がスパン・データ予備
処理装置に知らせる。その時、スパン・データ予備処理
装置がこの順序に新しいスパンを割当て、新しいスパン
をマスク処理装置に出力する。
スパンと交差するか或いはスパンを覆う面は、一度に
1つずつ処理して、発生される場面に対する、その面の
画素毎の面積寄与を決定する。スパン内の面が優先順位
が下がる順序に処理され、この場合、スパン・データ予
備処理装置からの出力は、半透明でない覆っている面の
出力で、又はスパンが一杯になった時、そのどちらか最
初に起った時に停止する。
マスク処理マスタでは、スパンの各々の画素は、点で
はなく、16個の部分画素の区域として標本化され、画素
の中で見える面の面積を決定する。部分画素区域は、画
素の面積の1/16であり、画素の中で位置が固定である。
面のスパンの各辺と交差した部分画素を同定して、その
論理的なアンドを求めることにより、面のスパンと交差
した部分画素を決定する。1つのスパンの中での優先順
位の争いを解決する為、優先順位のリストが与えられた
場合、所定のスパンに対する面は、優先順位が最高の面
から始めて、優先順位が最低の面で終わる様に、順次処
理される。優先順位が最高の面に対する部分画素の面積
が判った後、それをスパン・マスク・メモリに累算す
る。この後の面が処理される時、こういう面がそれより
優先順位が高い面のどの部分にもかぶさらない様にする
為に使われる。部分画素マスク・メモリが、スパンの各
々の画素に対し、部分画素当たり1ビットずつ、16ビッ
トを持っている。各々の面を処理する時、このマスクを
更新し、それを使って、既にスパン内で覆われている面
の部分があれば、その部分を差引く。この為、あるスパ
ンを処理する間、スパンの特徴によって覆われた累算部
分画素の記録を保持しておいて、一番新しい特徴の寄与
を決定する。
部分画素スパン・マスクの発生は、その位置及び面積
が、部分画素の分解能まで正確である。マスクはスパン
内の位置が、1つの部分画素まで又はそれ以上の正確さ
であり、面積は1つの画素当たり半分の部分画素まで又
はそれ以上の正確さである。スパン処理は、半透明度を
模擬する為のマスクの修正、各々の面の画素毎の面積寄
与を決定する為のスパン内の相次ぐ面の累算及びスパン
が何時一杯になったかの検出を含む。
色処理装置では、スパンの面の画素当たりの面積をマ
スク処理から受取る。スパンの各々の表示画素に対する
この面の寄与が色処理によって決定される。色処理は、
フィールド飛越し表示に対する面積の加重、色、もや、
照明及び変調効果を含めて、当業者に知られた因子を考
慮に入れる。後に述べたものは、種々の形式の生地並び
に/又は弯曲面の陰影であってよい。色処理装置が、ス
パンの相次ぐ面に対する画素当たりの色を、夫々赤、緑
及び青の12ビットとして累算する。スパンが一杯になっ
た時、色処理装置がスパン場面データを表示装置の貯蔵
装置に出力し、操縦士又は被訓練者が観る様にする。
上に述べた様な面積処理装置で、直線が観る人の空間
でも、真直ぐに見える様に包括的な歪み補正が要求され
る時、セグメント分割の直線近似を用いる。典型的な用
途では、観る人の空間と投影器空間の間の写像は非常に
非直線性が強いが、スパンの境界でセグメントに分割す
る結果として、表示は可視的に正確なものと区別出来な
くなる。これが、面積処理形の包括的な歪み補正方法の
根拠である。投影器空間のスパンの隅を形状処理装置に
より、観る人の空間に写像する。形状処理装置が、観る
人の空間で面の辺を限定するが、辺の頂点を投影器空間
にも写像する。表示処理装置では、窓ぎめが、写像され
るスパンの隅及び形状処理装置によって限定された辺の
係数を用いて、観る人の空間で行なわれる。窓ぎめが、
面の辺が交差する投影器空間のスパンを同定する。面の
辺がスパンの境界と交差する点を決定し、スパンの間の
連続性を保つ。こういう点が、関連する境界の長さのレ
シオを求めることにより、投影器のスパンの同等な境界
の交差に換算される。投影器空間の辺の係数は、1つの
スパンにあるこの辺にしか適用されないものであるが、
それを計算し、マスク処理装置で使う。更に、観る人の
空間に於けるスパンの隅までの距離が、形状処理装置に
よって観る人の空間で限定された距離係数を用いて決定
される。隅の距離が投影器空間で使われる。これは生
地、フェージング及び照明の処理の為、画素に対して双
1次補間される。この方法により、面積処理装置で効率
の良い、精度の高い包括的な歪み補正が達成される。
図面の簡単な説明 第1図は訓練用シミュレータの計算機像発生システム
の機能的なブロック図、 第2図はビデオ表示装置に対する隅数フィールド及び
寄数フィールドの飛越しを示す図、 第3図は観察窓内の一組のスパンと交差する2つの面
を示す図、 第4図は包括的な歪み補正を用いないスパンの拡大
図、 第5A図は辺が交差する次のスパンを決定する為の探索
方向の図表、 第5B図は探索方向を定める為に、第5A図のルックアッ
プ・テーブル・データと共に使われる方向キーを示す
図、 第6A図及び第6B図は歪み補正をしない時の観る人の空
間に於ける一組のスパンと交差する2つの面を示す図、 第7図は辺と交差する次のスパンを決定する探索方向
の図表、 第8A図及び第8B図は夫々観る人の空間及び投影器空間
に於けるスパンの拡大図、 第9A図、第9B図及び第9C図は画素の拡大図で、部分画
素マスクを発生する様子を示す。
第10A図、第10B部、第10C図、第10D図及び第10E図は
部分画素マスクの別の発生の仕方を示す図、 第11図は表示処理装置の主要タスクを示す略図、 第12図は窓処理の詳しいフローチャート、 第13A図及び第13B図はスパン・データ予備処理の詳し
いフローチャート、 第14A図、第14B図及び第14C図はマスク処理の詳しい
フローチャート、 第15図は色処理の詳しいフローチャート、 第16図は考えられる14個の辺の交差のケースを示す略
図、 第17図は、Z軸に対して法線方向に例としての球形投
影ドームを通る断面図で、非直線的なスクリーンに対す
る観る人及び投影器の場所を示す。
第18図及び第19図は投影器ラスタ空間と投影線距離空
間の間の変換を示す図、 第20図は幾何学的な写像の1形式を示す図である。
実施例の説明 A.計算機像発生システムの全般的な説明 第1図は航空機操縦席シミュレーション・システムの
様な計算機像発生システムの機能的なブロック図であ
る。システム10が、制御装置12、形状処理装置14及び表
示処理装置16を含む。表示処理装置16が、ある場面の上
での航空機の動きを模擬する様に、操縦席表示窓18に対
して情報を表示する。操縦士−被訓練員20が入力制御イ
ンターフェース22を介して計算機像発生システム10に結
合される。操縦席に於ける操縦士の操作動作が入力制御
インターフェース22に送られる。入力制御インターフェ
ースが航空機の位置、航空機のローリング、ピッチング
及びヨーの姿勢の様な操縦士からの適当な飛行データを
制御装置12に対して変換する。
制御装置12では、操縦士の入力を使って、航空機の新
しい位置及び向きを計算し、これから数学的な回転マト
リクスを計算し、このマトリクスを使って物体を基準座
標系から表示座標系に回転するが、これは周知である。
場面に関係するその他の情報、即ち標的又はその他の航
空機の位置が制御装置で計算される。ある計算機像発生
システムでは、制御装置が汎用計算機である。
制御装置12が最も最近の航空機の向きによって周期的
に更新される。この向きは、操縦士から入力制御インタ
ーフェース22を介して制御装置12に送られる航空機のロ
ーリング、ピッチング、ヨー及び位置を含む。制御装置
12がフィールド又はフレーム時間の間、場面に作用し、
その後データを形状処理装置14に送る。
形状処理装置14が場面データベース・メモリ24から、
地球の貯蔵されている3次元のディジタル表示の中で見
える可能性のある塔、道路、河、格納庫等の様な物体の
記述を読取る。物体を場面データベースから読取り、制
御装置12で計算した回転マトリクスを使って、表示座標
に回転する。形状処理装置14が、観察窓の境界をこえて
伸びる全ての辺を切取る。その後、形状処理装置14が3
次元のデータを2次元の表示窓に数学的に投影する。そ
の後、表示窓の境界をこえて伸びる物体の面が二次元空
間で切取られる。2次元の物体は、点、線、閉じた凸の
多角形又はその組合せで構成される。各々の閉じた凸の
多角形は面と呼ばれる。この為、処理される各々の物体
は個別の面で構成され、各々の面が直線の辺によって区
切られる。一旦面が3次元の物体から形状処理装置14で
計算されると、データを表示処理装置16に送る。更に、
形状処理装置14は、どの面が他の面の前又は後にあるか
を計算し、この情報を優先順位リストに貯蔵する。優先
順位リストは場面内の全ての面の順序を持っていて、リ
ストの1番目の面が優先順位が最高の面であり、リスト
の最後の面が優先順位が一番低い面である。表示装置で
2つの面が重なり合う時には、何時でも優先順位が高い
面が見え、優先順位が低い面の重なる部分は隠れる。優
先順位リストを計算した後、形状処理装置14が2次元の
面を区切る線分の表示終点を使って、境界の辺を記述す
る線方程式の係数を計算する。こういうデータがこの後
表示処理装置16に送られる。
第1図には、ビデオ表示装置18を駆動するのに使われ
る表示処理装置16が示されている。あるシステムでは、
1個の制御装置12及び形状処理装置14を使って、2つ以
上の表示処理装置を駆動する。表示処理装置16が、実時
間計算機発生システムの大部分の処理及びハードウエア
を表わし、この理由で、ハードウエアの規模及び処理時
間を減少する大部分の努力は、表示処理装置の分野に集
中している。表示処理装置はビデオ表示装置18で表示す
べき情報を処理する責任がある。画素の中に多数の面が
存在し得る場合、表示処理装置16はビデオ表示装置18内
の各々の画素に対し、その画素の色は何にすべきか、並
びに他の面によって覆われる惧れのある面の部分を決定
しなければならない。1つの画素の中での優先順位の争
いを解決した後、画素の中の各々の見える面の面積にそ
の面の色を乗じ、これらの全ての加重した色の和を画素
の色として出力する。表示装置には100万個より多くの
画素があることがあり、この全てを1/60秒以内に計算し
なければならないから、表示処理装置の処理負荷は非常
に大きい。表示処理装置16が、面の色及び面の優先順位
リストと共に、2次元の面の記述を形状処理装置14から
受取り、この情報を使ってカラー・ビデオ表示装置18に
対して画面を出力する。システムの各々のカラー表示装
置は、1,024本のビデオ情報で構成することが出来、各
々の線に1,024個の個別のカラー・ドット又は画素があ
る。各々の画素に対し、表示装置が12ビットの赤、12ビ
ットの緑及び12ビットの青の強度情報を受取る。この情
報が画素の色を記述する。
B.面、スパン、画素及び部分画素のビデオ表示装置に於
ける表示 1.フレームのスパン表示 表示処理装置16の処理は、スパンの発生と処理で構成
される。スパンは寸法及び形が一定の表示装置の小さな
矩形の区域であり、包括的な歪み補正を必要としない用
途では、観察窓をカバーする。包括的な歪み補正をしな
い時のスパン処理について詳しいことは、1983年8月30
日に出願された係属中の米国特許出願通し番号第527,80
9号を参照されたい。理想的には、スパンの位置がビデ
オ表示装置上で位置が固定である。然し、ビデオ表示装
置の偶数及び奇数フィールドの更新により、スパンの位
置が垂直方向に1本の走査線だけ変化する。第2図には
スパン36の偶数フィールド及び奇数フィールドが示され
ている。奇数及び偶数フィールドが飛越しになって、毎
秒30個の完全なフレーム又は像を形成することは周知の
通りである。スパン36が、奇数フィールドでは、偶数フ
ィールドから1本の走査線だけ垂直方向に変位して示さ
れている。スパンの画素の対23及び25が偶数更新の間の
表示画素26を形成し、スパンの画素の対27及び28が奇数
更新の間表示画素29を形成する。各々のフィールド時間
の間、スパン内の全ての画素が処理されて表示線を発生
し、2つのフィールドを飛越しにして、ビデオ表示像を
形成する。この為、1つのフィールドに対する表示画素
が2つのスパンの画素から形成される。
2.包括的な歪み補正を用いないスパン表示 スパン検出の間、1つの面の部分を含んでいる1組の
スパンを見つける。面の境界にあるあるスパンは、その
面の小さな一部分しか含まず、そしてあるスパンは面に
よって完全に覆われる。第3図は面30、面32、及び包括
的な歪み補正を用いずに、面を詳しく処理する為に同定
する必要のある1組のスパンを示している。スパン34は
面30及び32の外側にある。スパン38は完全に面30の中に
入っていて、面32の中にはなく、スパン36は面30及び面
32の辺上にある。面の内、各々のスパンの中にある部分
が表示処理装置のスパン処理によって詳しく処理され
る。
2次元の面30が5本の辺A-B、B-C、C-E、E-F及びF-A
によって区切られている。面32が線分A′‐B′、B′
‐C′、C′‐E′及びE′‐A′によって区切られて
いる。各辺は線分の終点と次に示す形の線方程式によっ
て定義される。
D=LO+LI×I+LJ×J (1) こゝでDは点(I,J)から辺までの垂直距離、LOはI=
0及びJ=0の様な固定基準点から形状処理装置で決定
される初期距離、LIは辺の勾配の余弦、LJは辺の勾配の
正弦である。
第4図にはスパン36の拡大図が示されている。スパン
36は8×8の画素マトリクスで構成される。画素40と他
の画素に対する位置の関係が示されている。
面30の辺A-B及び面32の辺C′‐E′が示されてい
る。辺A-B及びC′‐E′の両方が画素40を通る。画素4
0は、夫々辺C′‐E′及びA-Bによって区切られた面32
及び面30の組合せによって、殆んど完全に覆われてい
る。D1,D2,D3及びD4は、スパンの隅から辺C′‐E′ま
での垂直距離である。式(1)を用いて、距離D1,D2,D3
及びD4が計算される。後で説明するが、各々の面は、時
計廻りに、そして常に時計廻りに、一度に1つの辺ず
つ、面の境界に沿って走査される。式(1)を使うと、
辺がC′からE′に走査されるから、距離D1,D2,D3及び
D4が容易に計算出来る。今の例では、D1が正であり、D2
が負であり、D3が負であり、D4が正である。辺C′‐
E′が交差する次のスパンは、こういう距離の符号が判
っていれば、容易に決定することが出来る。第4図で
は、C′‐E′が交差する次のスパンは、スパン36の直
ぐ下又は南側にあるスパンである。
この情報を使って、辺が交差すると思われる次のスパ
ンを決定する為に、表を使うのが便利である。第5A図
は、包括的な歪み補正を用いない時、辺が交差する次の
スパンを計算する為に使われる探索方向表を示す。各々
の距離のD1乃至D4の符号と大きさが、探索すべき次のス
パンを一意的に決定する。探索方向に対してルックアッ
プ・テーブルを使えば、計算をする必要がないから、計
算時間が短縮される。例えば、第4図に戻って説明する
と、D1が正、D2が負、D3が負、D4が正であるから、探索
方向表は、辺C′‐E′が交差する次のスパンは、スパ
ン36の下方のスパンであることを一意的に決定する。探
索方向表の0の項目は、辺が頂点と交差することを意味
する。第5B図は、探索方向を定める為に、第5A図のルッ
クアップ・テーブル・データと共に使う方向キーであ
る。
3.包括的な歪み補正を用いるスパン表示 包括的な歪み補正を必要とする表示装置では、システ
ムは像を発生する投影器座標と像を表示する観る人の座
標を区別しなければならない。投影器空間では、スパン
は前に述べた様に直線である。観る人の空間では、スパ
ンの格子は第6A図に示す様に曲線である。面の辺が、被
訓練員が観る時は、真直ぐに見えなければならないか
ら、それが形状処理装置により、観る人の座標で記述さ
れる。第6A図には、観る人の空間に於ける同じ面30及び
面32が示されている。面30が5つの辺A-B、B-C、C-E、E
-F及びF-Aによって区切られる。面32が線分A′‐
B′、B′‐C′、C′‐E′及びE′‐A′によって
区切られる。観る人の座標では、各辺が線分の終点と式
(1)で示す様な線方程式とによって限定される。
第6B図には観る人の空間に於けるスパン36の拡大図が
示されている。面30の辺A-B及び面32の辺C′‐E′が
示されている。D1′,D2′,D3′及びD4′がスパンの隅か
ら辺C′‐E′までの垂直距離である。距離D1′,D2′,
D3′及びD4′は式(1)を用いて計算される。スパンの
各々の隅のI及びJ座標が、処理しているフィールドに
対し、形状処理装置によって計算される。各々の面は、
時計廻りに、そして常に時計廻りに、一度に1つの辺ず
つ、面の境界に沿って走査され、この為面は常に辺の右
側にある。距離は、辺の左側の点から測る時は負であ
り、辺の右側の点から測る時は正である。今の例では、
D1′が正であり、D2′が負であり、D3′が負であり、D
4′が正である。辺C′‐E′が交差すると思われる一
番可能性の強い次のスパンは、こういう距離の符号が判
っていれば、容易に決定することが出来る。
第7図には、包括的な歪み補正を用いる場合、スパン
を通る辺に対して考えられる探索方向が示されている。
D1′が正、D2′が負、D3′が負、D4′が正であるから、
第7図の状態39が探索方向を決めることが直ぐ決定され
る。第6B図では、C′‐E′が交差する次のスパンは、
スパン36の直ぐ下にある又は南側にあるスパンである。
然し、第7図から判る様に、辺がスパンの隅と交差し、
その為その隅からの距離が0である場合、包括的な歪み
の為に、次のスパンを同定する際に不確実性がある。あ
る場合には、ある次のスパンが不正確に同定され、この
他に考えられる次のスパンも検査しなければならない。
この情報を用いて、辺が交差すると思われる次のスパ
ンを決定する為に、表を好便に使うことが出来、次のス
パンがない場合、その辺で次に続くスパンに探索を向け
ることが出来る。第5A図は、第7図に示す状態から構成
され、辺が交差すると考えられる次のスパンを計算する
のに使われる探索方向の図表を示す。各々の距離D1乃至
D4の符号と大きさが、探索すべき次のスパンを一意的に
決定する。前に述べた様なルックアップ・テーブルを使
うと、探索すべき次のスパンを容易に且つ素早く決定す
ることが出来る。
観る人の空間で同定されたスパンを投影器空間で処理
しなければならない。第8A図及び第8B図を比較すれば判
る様に、スパンの歪みの為に、観る人の空間で発生され
た辺の情報を投影器空間で使うことは出来ず、各スパン
内の各々の辺に対して計算し直さなければならない。更
に、辺の勾配は投影器空間で2つのスパンが交差する所
で変化することがあるが、2つのスパンの間の辺の線分
は、第8B図に示す様に、境界にわたって連続していなけ
ればならない。第8B図は、観る人の空間で決定した辺
C′‐E′35に比べて、投影器空間に於ける辺C′‐
E′37を示している。辺C′‐E′35が弯曲しているの
は、投影器空間に於ける真直ぐな辺C′‐E′37に比較
して、観る人の空間の曲線格子の為である。連続性の条
件を充たす為、辺が投影器空間のスパンの境界と交差す
る点は、次の形のレシオ動作によって計算する。
X=N×Dn/(Dn+Dm) (2) こゝでXは投影器のスパンの隅から辺の交点までの距離
であり、Nは投影器スパンの次元(例えばN=8)、Dn
は隅nから辺までの観る人の空間の垂直距離、Dmは隅m
からこの辺までの観る人の空間の垂直距離であり、隅n
及びmは交差したスパンの境界に対して選択される。こ
の計算が、次のスパンを処理する時、同じ交差したスパ
ンの境界に対して繰返されるから、辺の連続性が保証さ
れる。2番目のスパンの境界の交差に対して、式(2)
の計算を繰返す。
2つの交差から、辺の勾配を決めることが出来る。こ
れによってLI′及びLJ′が決まる。これらを式(1)に
使い、IJが辺上にあり(どの境界の交差でも十分であ
る)、Dが0に設定されると、LO′を計算することが出
来る。この後、こういう辺の係数を使って、第8B図に示
す様に、投影器空間のスパンの隅からの距離D1″及びD
4″を計算する。
4.画素を表わす部分画素 第9A図及び第9B図は16個の部分画素区域で構成された
画素40を示す。部分画素は1つの画素の1/16の面積であ
る。即ち、16個の部分画素の面積が1個の画素に等し
い。部分画素が実際に区域であって、点でないことに注
意することが重要である。式(1)からのデータ、即ち
距離と勾配を使って、面によって覆われる部分画素を決
定することが出来る。即ち、第9A図で、画素の中心から
辺C′‐E′までの垂直距離であるD0′が決定される。
係数LI′及びLJ′から、線の角度が得られる。テーブル
・ルックアップにより、距離と角度の値が、部分画素の
半分又は更によい全面積精度並びに1つの部分画素又は
それより更によい位置精度で、辺の各々の側にある部分
画素を決定する。辺を時計廻りに走査したから、D0′は
正であり、辺C′‐E′の左にある図示の部分画素が面
の中に含まれる。例えば、部分画素41が面32によって覆
われる。然し、第9B図では、辺A-Bに対し、D0は正であ
るが、部分画素41は面30にはない。同様に、部分画素42
はどちらの面にもない。画素43の様なある部分画素は、
両方の面にある。こういう部分画素が優先順位が最高の
面、今の場合は面32に割当てられる。
第9A図は部分画素マスクの形で、画素40内にある面32
に対する部分画素の重みを示す。第9B図は部分画素マス
クの形で、画素40にある面30に対する部分画素の重みを
示す。面32が面34よりも高い優先順位を持っていて最初
に処理されるから、第9C図に示す様に、面32の色は10/1
6単位であり、面30の色は5/16単位である。合計は15/16
単位である。完全にする為に、画素は完全な1単位の色
を持っていなければならない。この例では出て来ない、
優先順位が更に低い3番目の面が、脱落している色の端
数となる。スパンの全ての画素が完全に埋められた時、
この他の優先順位が更に低い面は画素の色に何の寄与も
持ち得ないから、処理が終る。この為、スパンの色を素
早く決定することが出来る。
この例では、第9A図及び第9B図に示す様に、部分画素
の中心が面の内側にある時、部分画素が面の内側にある
ことを云う様に思われよう。然し、厳密にはそうではな
い。部分画素は、画素の中での全面積及び位置を最もよ
く近似する様に割当てられる。例えば、第10A図につい
て説明すると、第10A図に示す様に水平の辺が画素40の
底に非常に接近している場合、この行にある部分画素の
重みは0である。然し、この辺がゆっくりと上向きに移
動すると、第10B図に示す様に、辺の面によって覆われ
る画素の面積が半分の部分画素より大きくなる様な点に
達する。この場合、辺はどの部分画素の中心にも達して
いないけれども、1つの部分画素の重みは1に変更す
る。第10C図は、辺が更に上向きに移動し、画素の面積
が1.5個の部分画素を越え、2番目の部分画素の重みを
1に変更する。同様に、画素と交差する任意の勾配を持
つ辺に対し、部分画素には、画素内の位置及び勾配を最
もよく近似する様な重みを加える。例えば、第10D図及
び第10E図に示す様に、2つの面が重ならず、共通の辺
を持つ場合、2つの面に対して選択された部分画素は重
なりもせず、あいた場所も残さない。この過程により、
一層現実感のある正確なビデオ表示が得られ、これはデ
ィジタル論理回路又はルックアップ・テーブルROMで容
易に構成することが出来る。
C.表示プログラムのブロック図 第11図は形状処理装置からのデータを表示処理装置で
処理して、ビデオ表示処理装置に出力する方法の高レベ
ルの流れ図である。最初、工程42で、形状処理装置から
のデータを窓処理装置44に送る。窓処理装置44が、各々
の面の各々の辺と交差したスパンを同定する。形状処理
装置から受取った辺のデータ及びスパンの隅の座標を用
いて、観る人の空間で探索を実行する。窓処理装置44
が、形状処理装置の期間中に、辺、点の特徴、スパンの
頂点及び面の優先順位データを受取って貯蔵する。これ
が辺走査を用いた面の辺に対する窓を決め、その中の交
差した全てのスパンを同定する。スパンの面に対する面
積寄与がゼロである様なスパンの辺の交差にはフラグを
つけ、マスク処理装置の負荷を少なくすると共に虚偽の
面を防止する為に、後で除く。虚偽の面は、不正確さの
為に、時計廻りの辺の順序で追跡されない狭い面であ
る。
窓データがチャンネル及びスパンにより、リンク結合
リストに貯蔵される。スパンが行の順序で、1行の中で
は左から右に処理される。1つのスパンの中の全てのデ
ータは、パイプライン順序ぎめスタックによって面の優
先順位で並べる。窓処理装置が覆っている面を埋め、面
の辺の間を埋め、あるデータを抑圧する。即ち、これ
は、優先順位が一層低いデータ及び優先順位が更に高い
不透明な面によって完全に覆われているスパン、所要の
時計廻りの順序で面に外接しない辺によって特徴づけら
れる虚偽の面、関心があるプログラムされた区域の外側
にあるフラグつきの面、及び観る人の空間の外部にある
データ及びスパンである。この後、窓処理装置がデータ
をブロック46、即ちスパン・データ予備処理装置に送
る。スパン・データ予備処理装置が窓処理装置からある
スパンに対するデータを受取り、それを有効面リストに
貯蔵する。スパン・データ予備処理装置がN−インター
リーブ形スパンのアクセスを制御し、1つのスパンの中
の優先順位が最高の面をマスク処理装置のブロック48に
与えてから、次のスパンに進む様にする。この面が処理
され、その後処理が次のスパンに進む。2番目の面は、
優先順位が最高の面に対する他の全てのスパンが処理さ
れるまで、N1スパンに対して処理されない。所定のスパ
ンに対する優先順位が最高の面は、別のスパンの優先順
位が最高の面ではないことがあることに注意されたい。
その状態がスパンが一杯ではないことを示す様なスパン
一杯フラグ47を受取った時、スパン・データ予備処理装
置が所定のスパンの次の面を出力する。スパン一杯状態
フラグを受取った時、スパン・データ予備処理装置がこ
のインターリーブ形時間スロットに新しいスパンを割当
て、新しいスパンの最初の面を出力する。通常、N=12
8個のインターリーブ形スパンがある。フィールドの終
り頃、スパンが128個より少なくて不完全である時、N
は徐々に0に減少し得る。Nが128より小さい時、スパ
ン・データ予備処理装置は、一杯−一杯でないと云うフ
ラグの送返しを待たずに、同じスパンの別の面を出力す
る。全体的な動作により、マスク処理装置が最高の効率
で作用し、表示される像に寄与を持たないスパンの面を
処理しないことが保証される。
マスク処理装置48が、窓処理装置から受取った、観る
人の空間でのスパンの隅からの距離に基づいて、スパン
の辺に対する投影器空間の辺の係数を計算する。全ての
画素の中心に対して距離を補間する。この距離を使っ
て、一度に1つの辺ずつ、スパンの面の辺の面積を発生
して累算する。面積は1個の部分画素まで分解する。形
状処理装置でプログラムされていて、こゝで計算される
半透明度をマスク処理装置で導入する。マスク処理装置
は灯及びきらめきの様な全ての制御面を処理し、スパン
の後続の面に対して使う為に必要なデータを貯蔵する。
マスク処理装置がインターリーブ形スパンに対する部分
画素マスク・メモリを含む。これが色処理装置に対して
画素対の面面積を供給し、あるスパンの処理が完了した
時(「スパン一杯」フラグ47)を色処理装置及びスパン
・データ予備処理装置に知らせる。画素対は、第2図に
示した様に、表示素子を構成する4×8個の部分画素の
区域と定義する。
第11図に戻って説明すると、色処理装置の工程50が形
状処理装置から面の色、制御装置からもやの色、及びマ
スク処理装置から画素の面積を受取る。色処理装置がこ
れらのデータを使って、新しいスパンの面の色の寄与を
計算する。インターリーブ形スパン・データを累算し、
ビデオ・バッファ・メモリに貯蔵する。スパン一杯フラ
グを受取った時、このスパンに対するスパンの色データ
がビデオ・メモリ・ブロック52に出力される。
1.窓処理装置 形状処理時間全体を通じて、窓処理装置が面の辺のデ
ータを受取り、それから各々の辺と交差する全てのスパ
ンのリストを発生する。
第12図には、窓処理装置によって行なわれる、スパン
と辺の交差を決定し、その順序を決める過程が示されて
いる。最初に工程54で、窓処理装置が形状処理装置か
ら、最初の面の最初の辺を求める。次に窓処理装置がス
パンの中に含まれている第1の頂点で、探索を開始す
る。これを工程56に示す。第3図に戻って簡単に説明す
ると、辺B′‐C′では、これが面32の頂点B′であ
る。窓処理装置はスパンの中でどの面及びどの辺が発生
するかを決定する。窓処理装置が、工程58で示す様に、
スパンと辺の交差の順序を決める。工程60で、窓処理装
置が端の頂点がスパン内にあるかどうかを決定する。な
ければ、手順は工程62に続く、工程62で、スパンの隅か
ら辺までの距離が、前に説明した様に、式(1)に従っ
て、観る人の空間で計算される。工程64で、距離を計算
した後、探索すべき次のスパンが、前に説明した様なテ
ーブル・ルックアップにより、スパンの各々の隅に於け
る一意的な距離によって定められる。この為、窓処理装
置は、スパンの隅から辺までの距離を計算した後、辺が
交差する次のスパンを同定する為に探索すべき次の方向
が判っている。これが工程66として示されている。辺が
交差する次のスパンを決定すると、手順は工程58に戻
り、そこで面の辺の順序がスパンによって定められる。
この後、窓処理装置は端の頂点がスパン内にあるかどう
かを判定する。最終的には、端の頂点がスパン内にあ
り、工程60の結果が肯定になり、工程63に進む。工程63
で、窓処理装置はこれが面の最後の辺かどうかを判定す
る。そうでなければ、窓処理装置が工程65でこの面の次
の辺を求め、手順が工程56から再び開始される。こうし
て窓処理装置は、辺が交差するスパンを決定し、スパン
との交差の順序を定める。例えば、第3図に戻って簡単
に説明すると、窓処理装置はB′から出発し、B′‐
C′が交差するスパンを決定する。B′‐C′の端の頂
点であるC′に達した時、窓処理装置が辺C′‐E′が
交差するスパン決定する。この様に続けて、窓処理装置
は第3図の矢印で示す様に時計廻りに進み、E′から
A′へ、そしてその後A′からB′へ戻る。こうして、
窓処理装置が面の辺と交差するスパンを決定する。
第12図について説明すると、面の最後の辺が処理され
た場合、システムはスパンの最後の面が処理れたかどう
かを決定する(ブロック67)。最後の面が処理された場
合、窓処理装置の手順が終わる。最後の面が処理されて
いなければ、窓処理装置は工程68で次の面の最初の辺を
求め、工程56から再び出発することにより、辺を探索し
て順序を定める手順を繰返す。窓処理装置がスパンを検
出することが終った時、各々のスパンはこのスパンと交
差する辺のリストを持っている。この後、窓処理装置か
らのデータがスパン・データ予備処理装置に送られる。
2.スパン・データ予備処理装置 第13A図は窓処理装置からのスパン・データを予備処
理する動作の詳しい順序を示す。工程70で、スパン予備
処理装置が窓処理装置から辺の交差を受取り、インデッ
クス・メモリからスパン・ポインタ又はアドレスを求め
る。インデックス・メモリは、そのスパンと交差する最
後の辺を貯蔵したビット・メモリ内のアドレスのスパン
毎のリストである。リスト・メモリにある各々の辺は、
そのスパンと交差する前の辺が貯蔵されたリスト・メモ
リのアドレスを伴なっており、この為、あるスパンと交
差する全ての辺がリンク結合されている。工程72で、イ
ンデックス・メモリを辺の交差を貯蔵する、リスト・メ
モリ内のアドレスに更新する。リスト・メモリに対する
辺及びリンク・ポインタの貯蔵が工程74で行なわれる。
窓処理装置から受取った時の各々の辺の交差に対し、こ
の順序が繰返される。
全ての辺の窓を定めてリスト・メモリに貯蔵した後、
スパン・データ予備処理装置が工程76で表示処理を開始
する。データが一度に1つのスパンずつ、スパンの行の
順序で処理され、スパンの行に沿って左から右に進む。
最初のスパンの辺を工程78で読取る。これが第13B図に
更に詳しく示されており、インデックス・メモリからポ
インタを求める最初の部分工程77を含む。部分工程79
で、辺及び次のポインタをリスト・メモリから読取る。
次に部分工程81に示す様に、優先順位を定める為に、辺
のデータを供給し、このデータが、判定部分工程83で示
す様に、スパンの中の最後の辺を表わさない場合、過程
は全ての辺が済むまで、次の辺の読取りに戻る。こうし
て、スパン予備処理装置が最初のスパンに対する全ての
辺を読取る。ブロック80は形状処理装置からの面の優先
順位リストを表わす。リスト・メモリから辺を読取る
時、その面番号を使って、ブロック80から面の優先順位
をアクセスする。工程82で、スパン・データ予備処理装
置が優先順位が下がる順に、スパン内の辺の順序を定め
る。
1つの面の全ての辺は優先順位の同じ番号を持つか
ら、これは面の順序を定めることにもなり、ある面の全
ての辺を順次出力する。面の優先順位を定めた後、スパ
ン・データ予備処理装置が、工程84で、その行の次のス
パンを覆う可能性のある面を同定する。工程86で、現在
のスパンの辺を優先順位の順序で、前のスパンで補間し
た覆う面と併合する。勿論、現在のスパンが行の最初の
スパンであれば、工程84で入力はない。更に、工程82か
ら来る同じ面の辺がある場合、覆う可能性のある面はス
パンを覆わず、捨てられる。この後、スパン予備処理装
置が、工程88で示す様に、結果をスパン・シーケンサに
貯蔵する。工程90で、これが最後のスパンである場合、
スパン・データ予備処理装置が終了する。そうでなけれ
ば、スパン予備処理装置が次のスパンの辺を読取り、工
程82から再び処理を開始して、面の優先順位によってス
パンの辺の順序を定める。工程88で、順序を定めたスパ
ンの辺をスパン・シーケンサに貯蔵する。ブロック90は
マスク処理からスパンの同定を受取ったことを表わす。
これは、同定されたスパンにある次の面を出力するよう
にと云うスパン・シーケンサからの要請である。工程92
で、この面の辺をスパン、シーケンサ・メモリから読取
り、工程94でマスク処理に出力する。
スパン・データ予備処理装置のスパン順序化部分及び
マスク処理は、帰還パイプライン方式で作用する。任意
の時点で128個までのスパンが処理される。各々のスパ
ンの1つの面がパイプラインに存在している。マスク処
理装置が投影器空間の辺の係数を計算し、面の辺を処理
して、面マスクを発生すると共に、スパンの各々の画素
に対するこの面の寄与を決定する。マスク処理装置はス
パンが一杯になった時をも決定する。スパンが一杯でな
ければ、マスク処理装置はブロック90でこのスパンの次
の面を要請する。スパンが一杯であれば、マスク処理装
置は新しいスパンの最初の面を要請する。スパンが一杯
であると決定したことは、各々のスパンにある各々の画
素に対する色が決定され、このスパンに対してはそれ以
上の処理が不必要であることを意味する。この為、当然
ながら、スパンが一杯になった時、スパン予備処理を終
了することにより、各スパンの各々の画素に対する色を
決定する過程を停止することにより、ビデオ・データの
処理が早められる。この為、スパン予備処理装置及びマ
スク処理装置は、現実的な像を発生するのに必要な面だ
けを処理する。
3.マスク処理装置 第14A図には、マスク処理装置の処理が詳しく示され
ている。処理の始めに、工程96で、マスク処理装置が処
理すべき最初の128個のスパンを同定する。個々のスパ
ンの処理が完了するにつれて、画面の中のこの他のスパ
ンを置換え、全てのスパンが処理されるまでこれを続け
る。選ばれたスパンが一度に1つずつ、スパン・データ
予備処理装置に対して同定され、この予備処理装置がそ
のスパンの最初の面の辺を送返す。この面の最初の辺を
工程97で受取る。工程98で、前に説明した様に、観る人
の空間の垂直距離に基づいて、このスパンの辺に対する
投影器空間の辺の係数LI′及びLJ′を計算する。その後
この手順が工程100まで続き、この工程は式(1)で示
し、第14B図に示す様に、スパンの隅から辺までの垂直
距離を決定する。その後、第14C図に示す様に、工程102
で、隅の画素の中心までのオフセット距離を決定する。
こゝで第9A図乃至第9C図に戻って簡単に説明すると、画
素40に対する色を決定する今説明している例では、中心
から辺A-B及びC′‐E′までのオフセット距離が決定
されている。各々の画素の中心までの距離を計算する代
りに、各々の画素の中心までの距離を補間することによ
り、処理期間を更に短縮することが出来ることが判っ
た。この為、各々の隅の画素の中心から辺までの距離が
判っていれば、他の任意の画素の中心までの距離は、周
知の形で1次補間によって決定することが出来る。
第14A図では、このことが工程104で示されている。工
程106で、前に説明した様にスパンの辺マスクが発生さ
れる。工程108で、スパンの辺マスクを他のスパンの面
とアンドして、画素の面に対する部分画素の重みを決定
する。工程110で、スパンの面の最後の辺が処理された
かどうかを判定する。処理していなければ、このスパン
内にあるこの面の次の辺を工程112で示す様に検索し、
工程98から再び処理を開始して、このスパンの画素に対
する部分画素の重みを決定する。スパンの面の最後の辺
が、工程110について述べた様に処理された時、面マス
クを工程114に示す様に出力する。辺によって限定され
る面の特徴に対し、工程98乃至112が一度に1つの辺を
処理し、部分画素スパン面マスクを発生して累算する。
工程116で、次に部分画素スパン面マスクを混合の為
に、部分画素半透明度マスクとアンドする。半透明度は
形状処理装置並びに/又は外部論理回路によって制御さ
れる。形状処理装置から制御される時、半透明度は面の
各々の画素に対して同じである。外部論理回路から制御
される時、半透明度は画素毎に異なっていてよい。この
ことが1983年8月30日に出願された係属中の米国特許出
願通し番号第527,809号に詳しく記載されている。
工程118に進むと、古い累算スパン・マスクを新しい
面マスクから減算して、像に対する新しい面の寄与を決
定する。部分画素の面積で表わしたこの面積の寄与が、
工程120で決定される。この新しい面の寄与が、工程122
で、色処理装置に送られる。工程124で、この新しい面
マスクが古い累算スパン・マスクにも加算され、新しい
累算スパン・マスクを発生する。工程126で、新しい累
算スパン・マスクを検査して、一杯であるかどうかを調
べる。スパンが一杯であれば、ブロック128で工程122か
らの新しい面面積データと共に一杯フラグを色処理装置
に送る。スパンが一杯でなければ、スパンの処理が続け
られる。スパンがインターリーブ動作に戻され、工程13
0で、このスパン内の次の面の最初の辺がアクセスされ
る。工程98から処理が再開される。スパンが一杯であれ
ば、工程132で、まだ開始されていないスパンが残って
いるかどうかを判定する。スパンが残っていれば、この
内の1つのスパンを工程134でインターリーブ動作に割
当てる。新しいスパンの最初の面の最初の辺を工程136
で求め、工程98から処理が再開される。開始していない
スパンがなく、完了していないインターリーブ動作中の
スパンがあれば、こういう1つのスパンにインタリーブ
動作の別のスロットを割当て、そのスパンの次の面を処
理すると云う様にする。全てのスパンが完了し、インタ
ーリーブ動作に残っているものがなければ、フィールド
のマスク処理が完了する。
画素面積を見つけることは非常に効率が良く、ROM
(固定メモリ)ルックアップ・テーブルによってハード
ウエアで構成するのに適している。画素から辺までの距
離、及び辺の勾配が、ROMのアドレス線に入力され、ROM
の出力は、交差する辺の面の面積と位置を最もよく近似
する1組の部分画素をビットである。スパンと交差する
同じ面の2つ以上の辺がある場合、各々に対してこの過
程を繰返し、幾つかの部分画素マスクを論理的にアンド
して、面を近似する。面が半透明であると限定されてい
る場合、スパンの面の部分画素を、部分画素の分解能で
限定されたその面積が面の不透明度に対応する様な、擬
似ランダム・マスクと論理的にアンドする。この為、あ
る面に対する画素面積を見つけることは、非常に高速の
能率のよい方法でハードウエアで構成することが出来
る。
距離Dの値を決定するROM処理の他に、新しい面に対
する正味の画素面積の決定、面積×色の計算及びマスク
・メモリの変更に関するハードウエア全体は、VLSI集積
回路によって構成することが出来る。これに関連するハ
ードウエアは、一連のレジスタ、インクレメンタ、数値
から論理レベルへの変換器及びアンド用ハードウエアに
することが出来、これらは周知の様に、VLSI回路で設計
することが出来る。マスク処理装置をVLSI回路で構成す
れば、更に計算時間が短縮され、スパン・データを処理
する時のハートウエア回路が減少する。
要約すれば、マスク処理装置は、あるスパンの中にあ
る全ての面を、優先順位が最高の面から開始して、優先
順位が最低の面で終る様に、順次処理する。各々の面を
処理するにつれて、その面によって覆われるスパンの面
積を保管する。他の面が処理されるにつれて、覆われる
合計面積がマスク・メモリに累算される。面を処理する
時にマスク・メモリを使って、優先順位が高い面が既に
塗られている場合、優先順位の低い面が見えることがな
い様にする。更に、マスク・メモリは、スパン全体が面
によって覆われたかどうかを判定する為にも使われる。
あるスパンに対する面の処理は、スパンが完全に覆われ
たと検出された時に終了する。スパンの残りの全ての面
は捨てられる。これは、それらがスパンに何等寄与を持
つ可能性があり得ないからである。スパンに寄与を持つ
ことが判った各々の面は、その面積マスクと共にスパン
処理装置に送られる。
スパン処理工程はパイプラインを用いて実施される。
面がクロック時間毎に1つの辺ずつ、パイプラインに送
込まれ、この為、辺の数と共に面の速度が変化する。N
個のクロック時間のパイプラインの遅延の後、面が2ク
ロック時間毎に1つの面の速度で、終りから出て来る。
Nは直列の2つの遅延N1及びN2で構成される。N1がFIFO
として作用し、可変の入力速度と一定出力速度の間の速
度のバッファ作用を行なう。N2が米国特許出願通し番号
第527,809号に記載されている生地決定作用による遅延
に対応する一定の遅延であり、これによってマスク処理
装置と生地発生器の間の同期をとる。合計遅延、即ちN
個のクロック時間は、2クロック時間毎に1つの面ず
つ、高い信頼度で、連続的な出力が保たれる位に十分高
く選ぶ。通常、128個のインターリーブ形スパンに対す
る面を保つのにこれで十分である。必要な時、これを越
えない様に、入力を抑える。極くときたま、何れも入力
される多数の辺を持つ多数の面がある場合、出力を抑え
ることが必要になることがある。然し、この組合せの遅
延が、この処理の重要な特徴であり、時間を効率良く使
う保証になる。この遅延の別の重要な一面は、スパンが
完全に覆われたと検出されるや否や、この後の全ての面
を直ちに捨てることであり、こうして更に効率の良い動
作を保証する。
面がパイプラインに送込まれる時、煙の様なセルの生
地面の半透明度を得ることができるであろう。全ての生
地計算はパイプライン遅延の内部で行なわれる。セルの
生地面がパイプラインから出るや否や、画素毎の半透明
度情報が利用出来る様になり、それを使って、スパンが
覆われたかどうかを判定することが出来、覆われていれ
ば、そのスパンに対する後続の面を終了させることが出
来る。スパンのインターリーブ動作がないと、セルの生
地面よりも優先順位が低い全ての面を、セルの生地面を
入れた直後にパイプラインに送込まなければならない。
セルの生地面が不透明であると判った場合、後続の面は
使われず、パイプラインをクリヤする間、効率が低下す
る。
この問題をなくす為、スパンのインターリーブ動作を
行なう。あるスパンに対する面のリストを発生し、メモ
リに貯蔵する。この後のスパンの面のリストも、発生さ
れた時に同じメモリに貯蔵する。あるスパンに対する全
ての面がポインタを用いてリンク結合され、別個の1組
のポインタが各スパンの最初の面を同定する様に作用す
る。マスク処理装置に供給するスパン・データ予備処理
装置が、こういうポインタを用いて、一度に1つの面ず
つ、優先順位が最高の面をマスク処理装置に供給する。
こういうポインタはそれらが使われた時に更新され、ス
パンに対する2番目の面を指示する。制御機構は、N個
のスパンの集合内の面のラウンドロビン・サンプリング
を実施する。数Nはマスク処理装置のパイプラインの長
さによって決定され、それが特定の構成に関係する。N
個のスパン全部に対するマスク・メモリを管理して、リ
ストから面が取出される様にし、覆われたかどうかの試
験を行なって、面を捨てるべきかパイプラインに入れる
べきかを決定することが出来る。スパンが覆われたと判
定された場合、又あるスパンの最後の面がメモリから取
出されて処理された場合、ラウンドロビン・サンプリン
グの間に、完了したスパンの代りに新しいスパン・リス
トを置換える。この方式は、スパン面リストをスパンの
完了よりも一層高い速度でメモリに貯蔵すれば、100%
の効率になる。
ラウンドロビン処理に於けるN個のスパンの内の1つ
が一杯になった時、画素面積の関連した配列を色処理装
置に出力する。そのスパンに対するマスク・メモリをク
リヤし、次に割当てられたスパンに対して再び使う。
4.色処理装置 第15図は、色処理装置の詳しい流れ図である。工程14
2で、マスク処理装置からのデータを受取る。これは新
しいスパンの面の画素当たりの面積である。色処理装置
が画素当たりの変調及び距離データをマスク処置装置か
ら受取り、面の色を形状処理装置から受取り、もやの色
を制御装置から受取る。色処理装置はこれらのデーを使
って、新しいスパンの特徴の画素毎の色(赤、緑、青)
の寄与を計算する。相次ぐスパンの色データをビデオ・
バッファ・メモリに累算して貯蔵する。スパン一杯フラ
グを受取った時、スパンの色データがビデオ・メモリに
出力される。工程144で、面の色、もやの色及び照明を
含むデータが、前に処理されたデータ又は制御装置及び
形状処理装置から受取ったデータから、現在の面に対し
て選択される。工程148で、米国特許出願通し番号第52
7,809号に記載されている外部論理回路から、画素毎の
変調及び距離データを受取る。典型的には、変調を用い
て、生地及び/又は弯曲面の陰影を模擬するが、これに
限らない。この変調の発生は、観る人の空間座標で計算
されたスパンの隅までの距離を使い、双1次補間を用い
てこれから画素毎の値を決定することにより、包括的な
歪み補正をしなければならない。工程148で、この場合
には双1次補間した距離を使い、模擬するもや又は霧に
よる画素毎のフェージングを決定する。
この後、色処理装置が、工程150で示す様に、新しい
スパンの面の画素毎の面の寄与を計算する。工程152で
示す様に、この新しい色の寄与と古い累算された画素毎
のスパンの色とが、工程154に示す様に加算される。画
素毎の古いスパンの色と新しいスパンの面の色との和
が、前の工程158によってスパンが一杯であると判定さ
れた場合、工程156に示す様に、ビデオ・メモリに出力
される。スパンが一杯でなければ、工程160で、画素毎
のスパンの色の新しい累算値を貯蔵し、後でその同じス
パンの次の面と組合せる。現在の面のスパンに対して計
算された赤、緑及び青のスパンの強度成分が、工程150,
152,154で示す様に、前のスパンの面に対する強度成分
と共に累算される。線162で示す様に、マスク処理装置
から一杯状態を受取った時、色処理装置が工程158で示
す様に、ビデオ・メモリに対して新しい画素の色を出力
し、こうしてスパンがビデオ表示装置で更新されて、利
用者が見る様にされる。
5.包括的な歪み補正 多くの表示装置、特に球面又は円柱面スクリーンを用
いる表示装置は、観る人から見た像が正しく見える様に
する為に、予め歪めた像を計算し、投影器ラスターに入
れることが必要である。包括的な歪み補正では、投影器
ラスターがスパンに、典型的には8画素×8本の走査線
に分割される。観る人の空間と投影器空間の間の写像は
非常に非直線性が強いが、スパンの様な小さな面積に対
しては直線的と見なすことが出来る。大低の表示装置で
は、32×32の直線性を持つ領域で満足し得る。高い解像
度(1,024×1,024)の表示装置の場合、観る人の空間の
対角線の直線を投影器空間では、その長さに応じて、25
6個までの線形セグメントによって曲線として発生する
ことが出来る。
包括的な歪み補正の実施は、形状処理装置と表示処理
装置とに分れる。形状処理装置が、各々の図に対し、ス
パンの隅の座標を投影器空間から観る人の空間に変換
し、このデータを表示処理装置に供給する。一定形状の
要素(即ち、一定の投影器及び視点)の場合、これは予
め計算しておいて、プログラム可能な固定メモリに貯蔵
することが出来る。可変形状の用途(即ち、慣らすこと
の出来る投影器及び/又は可動の視点)の場合、表示処
理装置はフィールド時間毎にこう云う点(典型的な表示
装置では4,000個を越える点)を変換しなければならな
い。
表示処理装置は像の全ての頂点をも観る人の空間から
投影器空間へ像更新速度で変換し、各々の頂点が存在す
ると考えられる投影器空間のスパンを同定しなければな
らない。変換されたスパンの辺が投影器空間では実際に
弯曲しているが、その場所に応じて、直線によって近似
されるから、頂点が実際にはどのスパンにあるのか、不
確実である場合がある。こういう場合、形状処理装置
は、表示処理装置に対し、可能性のあるスパンの同定を
伴なう「接近」フラグにより、こういう余分の考えられ
るスパンを同定する。
表示処理装置の窓処理装置が、面の辺の交差する可能
性のある全てのスパンを同定する。これは、装置の中
で、実際に交差するあるスパンを同定するこの時点で
は、幾分効率が悪い。然し、前に述べた様に、こういう
面積がゼロのスパンの面を検出して削除する。窓処理装
置が、形状処理装置で発生された観る人の空間の辺の係
数を用いて、観る人の空間に於けるスパンを処理する。
投影器空間では、形状処理装置からの変換されたスパン
の隅及び頂点の位置を用いて、交差したスパンを同定す
る。観る人の空間での、各々のスパンの隅から面の辺ま
での距離を決定する。スパンの隅の距離データを使っ
て、辺と投影器空間のスパンの境界との交点(式
(2))を計算する。この交点を使って、各々のスパン
に適用される辺の係数を計算する。この方法は、スパン
の境界にわたって面の辺の連続性を保証する。新しい辺
の係数を前に述べたのと同じマスク処理装置の機能に入
力する。像の面と交差する可能性があると形状処理装置
によって同定されたが、実際には交差しなかったスパン
を認識し、マスク処理装置で捨てる。
変換されたスパンの隅座標は、表示処理装置のセル生
地発生器の機能でも使われる。画素データに対し、1次
補間ではなく、隅の間の双1次補間が必要であることを
別とすれば、処理は普通のものである。
第16図には、辺の係数を計算する為の辺の交差のケー
スが示されている。窓処理装置で前に述べた様に計算さ
れた、スパンの隅から面の辺までの方向つきの距離を処
理して、投影器空間のスパンに対する辺の係数を決定す
る。方向つきの距離をスパンに対して双1次補間する。
第16図に示す様な考えられる14個の辺の交差のケース
を、距離の符号に基づいて取上げる。例えば第16図に示
す様に、スパン170は左上隅では、隅から辺までの負の
距離を持っている。これを左上隅の負の符号で示してあ
る。辺からスパンの右上隅までの距離は正であり、スパ
ン170の右上隅の正の符号で示してある。説明を続ける
と、右下隅までの距離はスパン170では正であり、左下
隅への距離も正である。残りのケースは、スパンの中で
起り得る辺の交差を示している。次に、交差距離X1及び
X2を基本幾何学から計算する。その後、X1及びX2から、
基本幾何学及び三角法を用いて、投影器空間の辺の係数
を計算する。
この時、簡単に云うと、各々の辺は、それが交差する
各々のスパンに対し、投影器空間の異なる定義を持つ。
観る人の空間の辺の方程式を前に述べた様に観る人の空
間に写像したスパンの隅に適用することにより、観る人
の空間の4つのDの値が決定される。これらのDの値を
投影器のスパンの定義と共に用いて、辺がスパンの境界
と交差する場所を決定する。スパンに対する辺を表わす
投影器空間の辺の係数を計算する。これを全ての辺とス
パンの交差に対して繰返す。
面と交差した各々の画素に対し、面の色を変調する値
又は強度がある。この中には、霧のシミュレーション、
曲率のシミュレーション及びセルの生地が含まれる。変
調を実行するのに必要なこういう値は、I及びJの関数
として観る人の空間で表わされる。こういう変調関数
が、観る人の空間のスパンの隅で評価される。これらが
投影器の各々の画素で必要であり、隅の値に双1次補間
を適用することによって、適当な精密な値が得られる。
上に述べた包括的な歪み補正処理によって決定された
辺の定義及び変調の値をマスク処理装置及び色処理装置
に送り、そこで前に述べた様な包括的な歪み補正がなか
ったかの様にこれらの機能を実施する。
ドーム形表示装置では、投影器ラスタ平面上のビデオ
によって発生される像が、広角(歪みが強い)レンズを
介して球形スクリーンの内側に投影される。場面が観る
人(観る人の空間)にとって有効に見える様に、ラスタ
像(投影空間)を予め歪めることが必要である。観る人
及び投影器が固定の場所にあって、投影器の姿勢も固定
である時、これらの空間の間の固定の写像を前以て計算
又は測定しておいて、テーブル・ルックアップ・メモリ
に貯蔵することが出来る。こういう拘束が成立しない場
合、場面毎に写像を計算しなおさなければならない。こ
の発明では、固定のレンズ特性を持つ、即ちズーム投影
レンズを持たない任意の装置に適応し得る形で、ダイナ
ミックな写像が達成される。
(可視の場面のシミュレーションを含む)シミュレー
ション・システムの普通の形式では、観る人及び投影器
が球形スクリーン、例えばドームの内側にある。場面
が、それを観る為に、スクリーンの内面に投影される。
これは幾何学的な歪み及び光学的な歪みの両方を招く。
幾何学的な歪みは、完全に真直ぐな辺をスクリーンに投
影する場合を考えれば理解出来る。投影器のレンズ及び
観る人が必然的にドームの内側の相異なる場所に居るか
ら、一般的にこの辺は観る人にとって弯曲して見え、そ
の為に幾何学的に歪む。光学的な歪みは、場面の投影の
為に非常に広角のレンズを使うことによって生ずる。周
知の様に、こういうレンズは、平坦なスクリーンに投影
した場合でも、場面を歪める。包括的な歪み補正(CD
C)は、観る人から見た場面が絶対的に有効であって歪
みがなくなる様に、投影器ラスタ上に像発生器のビデオ
によって発生された像を予め歪める。両方の歪みがなく
なる。
CDCは数多くの動作を用い、その内の重要な1つが観
る人の空間と投影器空間の間の写像である。投影器ラス
タ上の一点(投影器空間に於けるその場所)が与えられ
た時、観る人にとってこの点の投影が何処に見えるか
(観る人の空間に於けるその場所)を決定することが、
投影器空間から観る人の空間への写像と呼ばれる。観る
人から見た位置によって定められるスクリーン上の一点
(観る人の空間に於けるその場所)が与えられた時、或
る点が、観る人に対するこの場所に現われる様にする為
に、投影器ラスタ上でとらなければならない場所を決定
することが、観る人の空間から投影器空間への写像と呼
ばれる。CDCを実施するには両方の写像が必要である。
投影器空間で定められるスパンの隅は、観る人の空間へ
写像しなければならない。観る人の空間で定められる頂
点は、投影器空間に写像しなければならない。
静止形装置、即ち投影器の場所及び姿勢が固定で、観
る人の位置が固定である装置では、測定及び解析の組合
せを用いて、オフラインで格子形写像を予め行なうこと
が出来る。然し、投影器の位置又は姿勢が変化したり、
或いは視点の位置が変化する様なダイナミックな装置で
は、写像がフレーム毎に変化し、従って実時間で写像を
行なわなければならない。静止形装置では、観る人の空
間に於ける各々の格子点(典型的には16本の線×16個の
画素であるが、歪みの厳しさに応じて、この他の間隔を
使うことが出来る)に対し、写像によって投影器空間の
何処に来るかを決定することを含む。このデータがテー
ブル・ルックアップ・メモリに貯蔵される。双1次補間
を使って、格子上にない点の写像をする。同様に、投影
器空間から観る人の空間への写像の決定は、点(典型的
にはスパンの隅又はスーパスパンの隅)に対する適当な
格子を決定し、必要な実時間写像に対する双1次補間を
適用することを含む。
ダイナミックなCDCでは、各々の場面に対し、格子か
ら他の任意の空間への点の写像を行なわなければならな
い。幾何学的な関係(光線がスクリーンの何処に入射す
るか等)は、フレーム毎に変化する。これは解析的に計
算することが出来る。光学効果、即ち光線に対する投影
レンズの効果は、解析的に取扱うことが出来ない。然
し、投影器又は観る人が動く時、光学効果は変化しな
い。従って、レンズの特性は格子の交点に於ける測定に
於ける測定によって決定することが出来、それをダイナ
ミック計算で双1次補間と共に使うことが出来る。
次にダイナミックなCDCを理解するのに必要な幾何学
的な関係及び用語を説明する為に、第17図について説明
する。第17図は、球形スクリーン200、例えばドームを
見下す断面を示す。投影ラスタ202は、CRT又はその他の
作像装置の面であってよいが、その像をスクリーン200
に投影することが出来る様に配置されていて、像投影器
の一部分を形成する。広角又は「魚眼」レンズ204がラ
スタ202に対して固定した位置にあって、ラスタ202の像
をスクリーン200の面に投影する。ラスタ202からスクリ
ーン200への像の投影は、2つの工程に分けて考えるの
が便利である。第1の工程は、ラスタ像をレンズ204の
投影平面210に変換することである。平面210は、ラスタ
202及びレンズ204に対する仮想の固定平面である。従っ
て、ラスタ202から平面210この写像は、固定投影器及び
固定の観る人の装置の場合について上に述べたのと同様
に、ルックアップ・テーブルを用いて行なうことが出来
る。即ち、投影器の位置又は姿勢の変化が、投影平面21
0に対する像の変換又は写像に何の影響もない。
この方法の第2の工程は、投影平面210からスクリー
ン200の面への写像である。投影器の位置又は姿勢或い
は観る人の位置の変化があれば、それが写像された像に
影響を与えるから、この像はダイナミックに行なわなけ
ればならない。観る人を208に示してある。投影器空間
から観る人の空間へ、並びに観る人の空間から投影器空
間へ点を写像する方法の説明を簡単にする為に、第1図
に示す形式では、投影器及び観る人が共通の(Z=0)
平面にあり、投影される光線が同じ平面内にある。投影
ラスタ202上の点をIr,Jrで示すと、像平面206は、この
平面の中心からの距離に基づいて、Ir*,Jr*と各点が選
定される所に設定することが出来る。レンズ204が平面2
10に対して中心にあるから、投影光線が投影器の軸線と
なす角度θは、ラスタの中心からの投影される点の距離
(dr)の関数になる。レンズはそのθ特性で定義するの
が普通であるが、標準的な“Ftanθ”レンズは、tanθ
=cdrと云う特性を持っている。こゝでcは定数であ
り、drが軸線から外れた距離である。広角レンズは単に
θ=cdrに変換する様な“Fθ”レンズであってよい。
第17図の装置に於ける他の形式のレンズの影響は、スク
リーン200上で投影された点が現われる位置をずらし又
は変位させることである。
投影器空間から観る人の空間への変換を例示する為
に、次に、ラスタ空間202から投影器ラスタ距離空間206
へ、その後像平面210及び可視スクリーン200へ、そして
最後に観る人の空間(Iv,Jv)への変換工程を説明す
る。
この例は第17図の形式に基づいている。この形式に関
する若干の定量的なデータを挙げる。
スクリーンの半径:6.5 投影器の位置:−4,1,0 投影器の向きマトリクス 投影器の視野:水平140°×垂直60° 投影器のラスタの高さ:1.048距離単位、走査線1024本 投影器のラスタの幅:2.444距離単位、画素1024個 視点の位置:1,0,0 視点の向きマトリクス 視点の視野:水平140°×垂直60° 視点のラスタの高さ:1.1547距離単位、走査線1024本 視点のラスタの幅:5.495距離単位、画素1024個 一番普通の広角ドーム形表示レンズ、即ちFθレンズ
を使うと共に、走査線1,024本×画素1,024個の像を使う
と仮定すると、Ir,Jr空間(ラスタ空間)からIr*,Jr*
間(投影器ラスタ距離空間)への最初の変換は次の通り
である。
Ir*=0.524(Ir/512−1),Jr*=1.222(Jr/512−
1) (3) こゝで0.524は、距離単位で表わしたラスタの半分の高
さであり、512が画素で表わしたラスタの半分の高さで
ある。1.222は距離単位で表わしたラスタの半分の幅で
あり、512が画素で表わしたラスタの半分の幅である。
投影光線は、投影レンズ204より1単位右にある仮想
像平面210上の距離Ip*,Jp*で定義することが出来る。
各々の点を変換する為には、Ir*,Jr*に対するIp*,Jp*
を決定しなければならない。レンズの特性を十分な精度
で表わす様な解析的な表式が判っていれば、この工程に
それを使うことが出来る。然し、非常に広角のレンズの
測定結果は、この関係に対して実用性を持つ解析的な表
式が存在しない場合が多い。テーブル・ルックアップ・
メモリから実時間で取出した測定されたレンズ特性を使
うことが出来る。これは、この情報はレンズの方位及び
高さが変化しても変化しないからである。表にある点の
間の点に対しては、双1次補間を使う。テーブル・ルッ
クアップ及び双1次補間を使う時、Ir*,Jr*よりも、Ir
及びJrを入力として扱う方がよい。
第18図及び第19図はIr,JrからIp*,Jp*への変換を示し
ている。Ir及びJrの最上位の6ビットが、Ir,Jrを囲む
4つの格子点に対するIp*,Jp*の値を取出す為のアドレ
スとして作用する。これらが第19図ではUL(左上)、U
R,LR及びLLとして示されているIrの下位ビットは、入力
点の垂直方向の分数位置を示しており、ハードウエア計
算手段226及び222によって、左中央及び右中央の点を求
める為に使われる。最後に、Irの下位ビットは水平方向
の分数位置を示す。ハードウエア計算ブロック224及び2
28による1次補間が、所望のIp*,Jp*を決定する。
投影器を定義する時の2つの要素が、投影器の位置X
p,Yp,Zp(そこから投影光線が出ると想定される点)及
び投影器座標系の基礎ベクトルupx,upy,upz;vpx,vpy,vp
z;及びwpx,wpy,wpzで表わされる投影器の姿勢である。
こゝでuは投影器の軸線方向を指し、vは右を指し、w
は下を指す。
この情報は投影器回転又は向きマトリクスとして構成
される場合が多い。
投影器の中心から、光線がIp*,Jp*平面を通抜ける点
までのベクトルは、+Jp* +Ip* であり、展開
すれば Xvp=upx+Jp* vpx+Ip* wpx (4) Yvp=upy+Jp* vpy+Ip* wpy (5) Zvp=upz+Jp* vpz+Ip* wpz (6) 投影器の中心からの光線は次の様に定義される。
Qが変化する時、光線全体が通る。光線がドームのスク
リーン200に入射する点では、Xr2+Yr2+Zr2=R2であ
る。こゝでRはドームの半径であるQについて解くと A=(Xvp2+Yvp2+Zvp2) (8) D2=[AR2−(YvpYp−XvpYp)−(XvpZp−XpZvp)
−(YvpZp−YpZvp) (9) B2=XpXvp+YpYvp+ZpZvp (10) Q=(D2−B2)/A (11) Qを式(6)に代入すると、光線がスクリーンに入射す
る点Xs,Ys,Zsが得られる。
第17図の例では、投影器が−4,1,0の位置にある。視
野は水平140°×垂直60°である。投影器の基本ベクト
ルは次の通りである。
点Ir=0,Jr=1,024が写像により、Ir*=0,Jr*=1.222と
なり、θ=70°,Jp*=2.747であり、光線は4.9204,4.24
73,0でスクリーンに入射する。
次の手順は、この点、即ち光線がスクリーン100上に
入射する点が、観る人の空間に居る観測者Iv,Jvに見え
る場所を決定することである。観察窓を位置Xvw,Yvw,Zv
wと基本ベクトルuvx,uvy,uvz;vvx,vvy,vvz;wvx,wvy,wvz
を用いて、投影器と同じ様に定義する。スクリーン上の
点を次の様にして観察窓UVWの座標に変換する。
この時Iv*=W/U,Jv*=V/Uである。この例では、視点
が1,0,0にあり、観察窓は投影器と同じ基本ベクトルを
持っている。この為、Jv*=0.922である。目がFtanθ装
置の様に作用する。この例の観察窓が水平140°の視野
に対して定義されていると仮定するとJv=512(0.922/
2.747+1)=683.8である。
逆の変換、即ち観る人の空間から投影器空間への変換
を開始するには、観る人の定義を投影器の定義として扱
い、Ip*及びJp*が得られるまでは、上に述べた様に進め
る。
その後、Ir及びJrを得る為に、「レンズを横切る」変
換をしなければならない。この為には、直線Ip*,Jp*
子に基づく別個のルックアップ・テーブルを必要とす
る。Ir,JrからIp*,Jp*へ変換する時について今述べた様
に、双1次補間過程を適用する。
投影器空間から観る人の空間への変換 次に述べるのは、投影器ラスタ上の任意の点Ir,Jrが
与えられた時、投影器空間から観る人の空間への歩進的
な変換である。
1.Ir及びJrからIp*及びJp*を求める。テーブル・ルック
アップ及び双1次補間を使う。
2.投影器ベクトルを求める。
Xvp=upx+Jp* vpx+Ip* wpx Yvp=upy+Jp* vpy+Ip* wpy Zpv=upz+Jp* vpz+Ip* wpz こゝでupx等は、投影器の姿勢が変化すれば変化する。
3.スクリーン上の入射点をみつける。
投影器の位置Xp,Yp,Zpが与えられている。投影器が動
けば、こういう数が変化する。ドームの半径Rは定数で
ある。
A=Xvp2+Yvp2+Zvp2 B2=XpXvp+YpYvp+ZpZvp Q=(D2−B2)/A Xs=Xp+QXvp Ys=Yp+QYvp Zs=Zp+QZvp 4.Uv,Vv,Wvを求める。
5.Iv,Jvを求める。
Iv*=Wv/Uv Jv*=Vv/Uv Iv=Cvi2(IvCi1+1) Jv=Cvj2(Jv*/Cvj1+1) こゝでCvi1は距離単位で表わした観察窓の半分の高さ、 Cvi2は走査線で表わした観察窓の半分の高さ、 Cvj1は距離単位で表わした観察窓の半分の幅、 Cvj2は画素で表わした観察窓の半分の幅である。
観る人の空間から投影空間への変換 次に述べるのは、観る人に対する点Iv,Jvが与えられ
た時、観る人の空間から投影器空間への歩進的な変換で
ある。
1.Iv*及びJv*をみつける。
Iv*=Cvi1(Iv/Cvi2−1) Jv*=Cvj1(Jv/Cvj2−1) 2.視線ベクトルを求める。
Xvv=Uvx+(Jv*)(Vvx)+(Iv*)(Wvx) Yvv=Uvy+(Jv*)(Vvy)+(Iv*)(Wvy) Zvv=Uvz+(Jv*)(Vvz)+(Iv*)(Wvz) 3.スクリーンの入射をみつける。
A=Xvv2+Yvv2+Zvv2 B2=XvwXvv+YvwYvv+ZvwZvv D2=[AR2−(XvvYvw−XvwYvp)−(XvvZvw−XvwZv
p)−(YvvZvw−YvwZvv) Q=(D2−B2)/A Xs=Xvw+Q(Xvv) Ys=Yvw+Q(Yvv) Zs=Zvw+Q(Zvv) 4.Up,Vp,Wpを求める。
5.Ip*,Jp*を求める。
Ip*=Wp/Up,Jp*=Vp/Up 6.Ip*及びJp*からIr及びJrを求める。上に詳しく述べた
テーブル・ルックアップ及び双1次補間を使って、観る
人の空間から投影器ラスタへの変換を完了する。
上に述べた方法を実時間のシミュレーション装置で実
施することが、第17図乃至第20図を見れば理解されよ
う。Ir,Jr座標が投影ラスタ202上の点を限定する。この
ラスタは、1,024×1,024のラスタで、格子間隔が16×16
であると想定する。各々のIr,Jrの最上位の6ビット
が、Ir,Jrが存在する格子の四角を一意的に限定する12
ビット・アドレスに形成される。このアドレスがルック
アップ・テーブル220に結合され、このテーブルがこの
アドレスを格子の四角の4隅の対応する投影器出力平面
の位置、即ち、IUL,JUL;ILL,JLL;IUR,JUR;ILR,JLRに変
換する。IR,JRの最下位ビットを処理して、Ip*,Jp*の格
子の四角の中の位置を限定するIF,JFを形成する。IF
論理ブロックに222に印加され、そこでルックアップ・
テーブル220からのIの値と組合されて、補間値ICL,ICR
を発生する。後に述べた座標が論理ブロック224でJF
よって処理されて、IP*を発生する。IP*,ICL及びICR
関数関係は、第19図を見れば理解されよう。数学的に
は、この関係は次の様に表わすことが出来る。
ICL=IUL+IF(ILL−IUL) ICR=IUR+IF(ILR−IUR) IP*=ICL+JF(ICR−ICL) JCL=JUL+IF(JLL−FUL) JCR=JUR+IF(JLR−JUR) JP*=JCL+JF(JCR−JCL) この一組の方程式が論理ブロック226,228で構成され
ており、これらのブロックは夫々ブロック222,224と同
一である。
第20図は、投影像平面の座標から可視スクリーンの座
標へ変換するのに必要な論理機能を遂行する一連のレジ
スタ及び論理ブロック230乃至236を示す。ブロック230
が複数個のレジスタを持っていて、その中に Upx Vpx Wpx Upy Vpy Wpy Upz Upz Wpz が貯蔵されている。これらの値は、投影器の姿勢の方向
の余弦(又は基本ベクトル)を表わし、各々の場面で不
変である。云い換えれば、これらの値が変換すべき各点
に対して使われる。IP*,JP*の値をレジスタ・ブロック2
30で処理して、投影器からスクリーン200の方へ向うベ
クトルXVP,YVP,ZVPを求める。各々のベクトル成分は次
の様に定義される。
Xvp=Upx+(Jp*)(Vpx)+(Ip*)(Wpx) Yvp=Upy+(Jp*)(Vpy)+(Ip*)(Wpy) Zvp=Upz+(Jp*)(Vpz)+(Ip*)(Wpz) ブロック232にあるレジスタが投影器の位置及びドー
ムのスクリーンの半径Rを持っており、その両方が各々
の場面で一定である。ブロック232は、3次元で方程式
を解いて、レンズ204からの光線がスクリーン200に入射
する場所を決定する論理回路をも持っている。その解
は、 A=(Xvp)+(Yvp)+(Zvp) B2=XpXvp+YpYvp+ZpZvp D2=[AR2−[(Xvp)(Yp)−(Xp)(Yvp)]
[(Xvp)(Zp)−(Xp)(Zvp)]−[(Yvp)(Z
p)−(Yp)(Zvp)] Q=(D2−B2)/A Xs=Xp+QXvp Ys=Yp+QYvp Zs=Zp+QZvp こゝでXs,Ys,Zsが光線スクリーン200に入射する点を定
める。
次のブロック234が、点Xs,Ys,Zsが観る人にとって何
処に見えるか、即ち、この点が観察窓212上で何処に結
像するかを決定する。ブロック234が視点の位置(Xvw,Y
vw,Zvw)及び観察窓の姿勢を持つレジスタを持ってい
る。観察窓座標への変換は次の様になる。
この為、ブロック234がベクトルUv,Vv,Wvを発生する。
ブロック236は、距離単位Cvi1で表わした観察窓の半分
の高さ、走査線Cvi2で表わした観察窓の半分の高さ、距
離単位Cvi1で表わした観察窓の半分の幅、及び画素Cvj2
で表わした観察窓の半分の幅をレジスタに持っている。
ブロック236が の変換をし、次の値を見出す。
Iv=Cvi2(Iv*/Cvi1+1) Jv=Cvj2(Jv*/Cvj1+1) 上に述べた変換が、1点を投影器空間から観る人の空
間へ変換し又は写像する。スクリーン200上の1つの像
を発生する為には、何千個もの点を写像しなければなら
ない。この写像は、各々の場面に対し、17ミリ秒未満の
内に行なわなければならない。最初はこの写像方程式を
計算機で実現して、変換を行なうことが出来る様に思わ
れるが、単位時間あたりの変換の回数から、専用のハー
ドウエア論理回路が必要になることが理解されよう。そ
の為、ブロック230乃至236は、貯蔵レジスタ及びゲート
・アレー論理回路で構成することが好ましい。
以上の説明から、1番目は投影器空間から観る人の空
間へ、2番目は観る人の空間から投影器空間への全体的
な2つの変換を説明したことが理解されよう。
この1番目が投影器ラスタから観察窓へスパンの隅を
写像する。観る人が見る場合が観る人の空間で限定され
る。これは、辺、霧の特性、面の生地、及び他の多くの
量を含む。投影器ラスタに対するビデオを発生するハー
ドウエアは、投影器空間内のことごとくの部分画素でこ
ういう量を必要とする。観る人の空間に写像されたスパ
ンの隅を用いて、それらが計算される。その後、投影器
空間の補間が部分画素に対する値を決定する。
2番目の変換が観る人の空間から投影器空間へ頂点を
写像する。これは、頂点が存在するスパンを決定する為
に必要であり、全ての辺とスパンの交差を同定する為の
不可欠の工程である。
この発明の現在好ましいと考えられる実施例を説明し
たが、当業者には種々の変更が考えられよう。従って、
この発明は特許請求の範囲の記載に合せて解釈されるべ
きである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−37535(JP,A) 特開 昭50−81731(JP,A) 特開 昭53−122321(JP,A) 実開 昭60−127078(JP,U) 実公 昭43−13943(JP,Y1) 米国特許3602702(US,A)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディジタル・データを変換する電子式制御
    手段を持っていて、ディジタル・データを、観る人の空
    間にあるビデオ像システムに表示するのに適した、投影
    器空間の像データの一連の表示フレームに変換する形式
    であって、前記像システムが複数個のカラー画素の各々
    を個別に照明することによって表示を形成し、像データ
    の各フレームが複数個の面を限定していて、各々のフレ
    ームが複数個のスパンに分割されている様な像発生装置
    で、幾何学的歪み及び光学的な歪みを補正する方法に於
    て、 (a)フレーム又は表示に対するデータを同定し、該デ
    ータは観る人の空間にある面の位置を定め、各々の面が
    少なくとも1つのスパンと関連を持っていて優先順位の
    降順に配置されており、 (b)投影器空間のスパンの隅を観る人の空間に写像す
    る為の変換係数を計算し、 (c)各スパンに対して優先順位が最高の面を決定し、 (d)観る人の空間のスパンの内、優先順位が最高の面
    によって覆われる区域を決定し、 (e)前記投影器空間のスパンの中にあって、前記面に
    よって覆われる画素を表わす画素像データを計算し、 (f)最後の面が画素像データに処理されるまで、又は
    スパンの全ての区域が面によって完全に覆われるまで、
    工程(c)乃至(f)を繰返し、 (g)画素像データをビデオ像システムに転送する工程
    を含む方法。
  2. 【請求項2】請求の範囲1)に記載した方法に於て、計
    算する工程(b)が、固定の図に対する画素像の固定の
    投影に対する写像の為の変換係数を予め決定する工程を
    含む方法。
  3. 【請求項3】請求の範囲1)に記載した方法に於て、計
    算する工程(b)が、ビデオ像システムに対して動く観
    る人又は投影の可変の写像を計算する工程を含む方法。
  4. 【請求項4】請求の範囲1)に記載した方法に於て、決
    定する工程(c)が、投影器空間のスパン対し、優先順
    位が最高の面の辺を決定する工程を含む方法。
  5. 【請求項5】請求の範囲1)に記載した方法に於て、転
    送する工程(k)が、 (a)画素に対するデータを受取り、該データはもや制
    御、照明制御及び生地制御を含んでおり、 (b)前記データ及び前の画素像データからの、画素像
    データに対する色の寄与を計算し、 (c)画素を像データの色の寄与をビデオ表示装置に転
    送する工程を含む方法。
  6. 【請求項6】ディジタル・データを変換する電子式制御
    手段を持っていて、ディジタル・データを観る人の空間
    にあるビデオ像システムに表示するのに適した、投影器
    空間の像データの一連の表示フレームに変換する形式で
    あって、前記像システムが複数個のカラー画素の各々を
    個別に照明することによって表示を形成し、像データの
    各フレームが複数個の面を限定し、各フレームが複数個
    のスパンに分割されている様な像発生装置で、幾何学的
    な歪み及び光学的な歪みを補正する方法に於て、 (a)表示のフレームに対するデータを同定し、該デー
    タは観る人の空間に於ける面の位置を限定し、各々の面
    が少なくとも1つのスパンと関連しており、 (b)投影器空間のスパンの隅を観る人の空間に写像す
    る為の変換係数を計算し、 (c)各スパンに対して処理すべき面を決定し、 (d)観る人の空間のスパン内にあって、前記面によっ
    て覆われる区域を決定し、 (e)投影器空間のスパン内にあって、前記面によって
    覆われる画素を表わす画素像データを計算し、 (f)最後の面が画素像データに処理されるまで、前記
    工程(c)乃至工程(f)を繰返し、 (g)画素像データをビデオ像システムに転送する工程
    を含む方法。
  7. 【請求項7】請求の範囲6)に記載した方法に於て、計
    算する工程(b)が、固定の図に対する画素像の固定の
    投影に対する写像の為の変換係数を予め決定する工程を
    含む方法。
  8. 【請求項8】請求の範囲6)に記載した方法に於て、計
    算する工程(b)が、ビデオ像システムに対して動く観
    る人又は投影の可変の写像を計算する工程を含む方法。
  9. 【請求項9】請求の範囲7)に記載した方法に於て、決
    定する工程(c)が投影器空間のスパンに対し、優先順
    位が最高の面の辺を決定する工程を含む方法。
  10. 【請求項10】請求の範囲6)に記載した方法に於て、
    転送する工程(k)が、 (a)画素に対するデータを受取り、該データはもや制
    御、照明制御及び生地制御を含んでおり、 (b)前記データ及び前の画素像データからの、画素像
    データに対する色の寄与を計算し、 (c)画素を像データの色の寄与をビデオ表示装置に転
    送する工程を含む方法。
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