JP2591063Y2 - ゴルフ用クラブ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、例えば金属製ウッド
クラブヘッドあるいはアイアンクラブなどのクラブヘッ
ド（メタルヘッド）のホーゼル部への繊維強化プラスチ
ック（以下、これをＦＲＰと略記する）製のシャフト
（ＦＲＰシャフト）の接合構造に改良を施したゴルフ用
クラブに関し、特にメタルヘッド本体ホーゼル部のシャ
フト挿着穴と、このシャフト挿着穴に挿入されて接着剤
を介して固着されるシャフトのチップ部との接合部位に
装着される保護キャップの接着強度を高めて抜け防止を
図るようにしたものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のゴルフ用クラブ、例えば
アイアンクラブにおいては、図３に示すように、メタル
ヘッド本体１の基部に一体形成されたホーゼル部２にＦ
ＲＰシャフト１０を接合する場合、図４に示すような接
合構造を有するものがある。

【０００３】このような従来構造のものでは、メタルヘ
ッド本体１のホーゼル部２にシャフト挿着穴３を形成
し、このシャフト挿着穴３に、例えばカーボン繊維を補
強繊維としたテーパ管からなるＦＲＰシャフト１０の先
細端側のチップ部１１を挿入して互いに接着剤３０を介
して固着してなるとともに、これらの接合部位に筒状の
保護キャップ４０を装着してなる構成となっている。

【０００４】そして、この保護キャップ４０は、図５に
示すように、円錐状の頭部４１と、この頭部４１から顎
部４１ａを介して一体に突出させた円筒状の胴部４２と
で形成され、この胴部４２を前記シャフト挿着穴３の開
口端面３ａ側の内周面に形成した環状溝４に嵌合させる
ことにより接着されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のゴルフ用クラブにあっては、メタルヘッド本体
ホーゼル部２とＦＲＰシャフト１０のチップ部１１との
接合部位に保護キャップ４０を装着する場合、メタルヘ
ッド本体ホーゼル部２のシャフト挿着穴３の開口端面３
ａと保護キャップ４０の顎部４１ａとが平坦な面での突
合せ接合となっているのが現状である。

【０００６】しかも、ＦＲＰシャフト１０のチップ部１
１がテーパ面となっているために、この部位における全
面接合が困難で、接着面積が不足して接着強度を低下さ
せているばかりでなく、打球時の衝撃で最大変形応力が
掛かる部位であることから、互いの接着面にも大きな力
が掛かり、これによって、保護キャップ４０の抜けが生
じ易いという問題があった。

【０００７】

【考案の目的】この考案の目的は、打球時の衝撃による
保護キャップの抜けを確実に防止することができるよう
にしたゴルフ用クラブを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、この考案は、ヘッド本体のホーゼル部に形成さ
れたシャフト挿着穴に、シャフトのチップ部を挿入して
互いに接着剤を介して固着し、かつ前記シャフト挿着穴
の開口端側内周面に環状溝を形成するとともに、この環
状嵌合溝に前記シャフトに挿着された筒状の保護キャッ
プの胴部を嵌合させてなるゴルフ用クラブにおいて、前
記保護キャップの胴部の外周面に、周方向に沿って複数
の凹部を切欠き形成し、これら各々の凹部の挿入端側下
部を開放してなる構成としたものである。

【０００９】この場合、前記保護キャップの胴部の外周
面に形成される凹部は、２個から４個が好適である。

【００１０】

【作用】すなわち、この考案は、上記の構成を採用する
ことによって、シャフトのチップ部が挿入されて接着剤
を介して互いに固着されるヘッド本体のホーゼル部に形
成されたシャフト挿着穴の開口端側内周面に環状溝を形
成し、かつ、この環状嵌合溝に、シャフトに挿着された
筒状の保護キャップの胴部を嵌合させるとともに、保護
キャップの胴部の外周面に、周方向に沿って複数の凹部
を切欠き形成し、これら各々の凹部の挿入端側下部を開
放してなるために、接合時、接着剤が保護キャップの胴
部の外周面に形成した各々の凹部に円滑にかつ容易に入
り込み、ヘッド本体ホーゼル部のシャフト挿着穴の開口
端側内周面に形成された環状溝との間の接着面積が増大
し、保護キャップの接着強度が高められる。

【００１１】しかも、これによって、接着剤の使用量の
過剰防止が図れるために、接着剤の使用量が適正化す
る。

【００１２】

【実施例】以下、この考案の一実施例を図１及び図２に
示す図面に基づいて詳細に説明する。なお、この考案に
係る図示の実施例において、図３から図５に示す従来構
造のゴルフ用クラブと構成が重複する部分は同一符号を
用いて説明する。

【００１３】すなわち、この考案に係るゴルフ用クラブ
は、図１及び図２に示すように、保護キャップ４０の胴
部４２の外周面４２ａに、周方向に沿って複数の凹部４
３を切欠き形成し、これら各々の凹部４３の挿入端側下
部４３ａを開放してなる構成を有するものである。

【００１４】しかして、上記の構成によれば、保護キャ
ップ４０の胴部４２の外周面４２ａに、周方向に沿って
複数の凹部４３を切欠き形成し、これら各々の凹部４３
の挿入端側下部４３ａを開放してなるために、接合時、
これら各々の凹部４３に接着剤３０を円滑にかつ容易に
入り込ませることが可能になる。

【００１５】これによって、ヘッド本体ホーゼル部２の
シャフト挿着穴３の開口端３ａ側内周面に形成された環
状溝４との間の接着面積を増大させることが可能にな
り、保護キャップ４０の接着強度を高めるとともに、接
着剤３０の使用量の過剰防止が図れる。

【００１６】なお、この発明の実施例において、シャフ
ト１０のチップ部１１のヘッド本体ホーゼル部２のシャ
フト挿着穴３への挿入深さは、２５mmから３５mmの範囲
が好適である。

【００１７】さらに、上記の実施例においては、ゴルフ
用クラブとしてアイアンクラブヘッドを例にして説明し
たが、ウッドクラブヘッドにも適用可能であり、特に、
メタルヘッドのウッドクラブに絶大なる作用・効果を奏
する。

【００１８】

【考案の効果】以上の説明から明らかなように、この考
案は、シャフトのチップ部が挿入されて接着剤を介して
互いに固着されるヘッド本体のホーゼル部に形成された
シャフト挿着穴の開口端側内周面に環状溝を形成し、か
つ、この環状嵌合溝に、シャフトに挿着された筒状の保
護キャップの胴部を嵌合させるとともに、保護キャップ
の胴部の外周面に、周方向に沿って複数の凹部を切欠き
形成し、これら各々の凹部の挿入端側下部を開放してな
ることから、接合時、接着剤を保護キャップの胴部の外
周面に形成した各々の凹部に円滑にかつ容易に入り込ま
せることができるために、ヘッド本体ホーゼル部のシャ
フト挿着穴の開口端側内周面に形成された環状溝との間
の接着面積を増大させることができ、これによって、保
護キャップの接着強度を高めることができ、保護キャッ
プの抜けを確実に防止することができる。

【００１９】しかも、接着剤の使用量の過剰防止を図る
ことができために、接着剤使用量が適正化し、生産コス
トの低下を期待することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案に係るゴルフ用クラブの一実施例を
示すヘッドホーゼル部とシャフトとの接合部位の要部拡
大断面図。

【図２】 同じく保護キャップの斜視図。

【図３】 従来のゴルフ用クラブの説明図。

【図４】 図３のＡ部におけるヘッドホーゼル部とシャ
フトとの接合部位の要部拡大断面図。

【図５】 同じく従来の保護キャップの斜視図。

【符号の説明】

１……ヘッド本体、２……ホーゼル部、３……シャフト
挿着穴、３ａ……開口端、４……環状溝、１０……シャ
フト、１１……チップ部、３０……接着剤、４０……保
護キャップ、４１……頭部、４１ａ……顎部、４２……
胴部、４２ａ……外周面、４３……凹部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ヘッド本体のホーゼル部に形成されたシャ
   フト挿着穴に、シャフトのチップ部を挿入して互いに接
   着剤を介して固着し、かつ前記シャフト挿着穴の開口端
   側内周面に環状溝を形成するとともに、この環状嵌合溝
   に前記シャフトに挿着された筒状の保護キャップの胴部
   を嵌合させてなるゴルフ用クラブにおいて、 前記保護キャップの胴部の外周面に、周方向に沿って複
   数の凹部を切欠き形成し、これら各々の凹部の挿入端側
   下部を開放してなることを特徴とするゴルフ用クラブ。